JPWO2020202558A1 - 回路遮断器 - Google Patents

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Abstract

回路遮断器は、導電部材(70)と、可動接触子(21)と、グリッド部(31)と、コア(40)と、アークランナ(80)と、永久磁石(81)とを備える。導電部材(70)は、一端側に固定接点(71)が設けられ、他端側に電源側端子(72)が設けられる。可動接触子(21)は、可動接点(26)が設けられる。グリッド部(31)は、固定接点(71)と可動接点(26)との間に発生するアークを消弧する複数のグリッド板(34)を有する。コア(40)は、互いに対向する一対の側板部(41)を有し、一対の側板部(41)間にグリッド部(31)が配置される。アークランナ(80)は、導電部材(70)に接続され、アークを駆動する。永久磁石(81)は、可動接触子(21)がグリッド部(31)と対向する方向または一対の側板部(41)が対向する方向に極性が互いに異なるN極(81a)およびS極(81b)が配列される。

Description

本発明は、接点間に生じるアークを消弧する消弧装置を内蔵した回路遮断器に関するものである。
近年、直流電路の普及に伴い、電路を高電圧化して銅損を削減したいというニーズが高まっている。そのため、直流電路で使用される回路遮断器にも高電圧化の要求が増してきている。高い電圧の直流電路を遮断するためには、開閉接点の開離距離を長くすることが有効であるが、開閉接点の開離距離の長距離化は回路遮断器の大型化につながる。
そこで、例えば、特許文献1には、互いに間隔を空けて積層された複数の磁性グリッドと、空間の広い部分までアークを導くアークランナとを備える回路遮断器において、磁気ヨークおよび永久磁石を設ける技術が開示されている。かかる磁気ヨークおよび永久磁石によって、アークに働く磁場の大きさを大きくすることができる。
特開昭57−180838号公報
しかしながら、数十アンペアの小電流から数キロアンペアの大電流までの遮断を予め定められた回数遮断できることが求められる回路遮断器に特許文献1に記載の技術を適用した場合、アークを駆動するための十分な駆動力を得ようとすると大型化する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大型化を抑制しつつ、高電圧化に対応することができる回路遮断器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の回路遮断器は、導電部材と、可動接触子と、グリッド部と、コアと、アークランナと、永久磁石とを備える。導電部材は、一端側に固定接点が設けられ、他端側に電源側端子が設けられる。可動接触子は、固定接点と対向する可動接点が設けられる。グリッド部は、固定接点と可動接点との間に発生するアークを消弧する複数のグリッド板を有する。コアは、互いに対向する一対の側板部を有し、一対の側板部間にグリッド部が配置される。アークランナは、導電部材に接続され、アークを駆動する。永久磁石は、可動接触子がグリッド部と対向する方向または一対の側板部が対向する方向に極性が互いに異なる2つの磁極が配列される。
本発明によれば、大型化を抑制しつつ、高電圧化に対応することができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる回路遮断器の全体を示す側断面図 実施の形態1にかかる消弧ユニットの分解斜視図 実施の形態1にかかる消弧ユニットの外観斜視図 実施の形態1にかかる可動子ストッパを外した状態の消弧装置を示す分解斜視図 実施の形態1にかかる固定接触子の側面図 実施の形態1にかかる固定接触子の平面図 実施の形態1にかかるコアの平面図 実施の形態1にかかるコアの側面図 実施の形態1にかかる絶縁部材の平面図 実施の形態1にかかる絶縁部材の側面図 実施の形態1にかかる絶縁部材の外観斜視図 実施の形態1にかかる絶縁部材とグリッド部とコアと固定接触子との位置関係を示す側断面図 実施の形態1にかかる消弧ユニットのうち一部の構成を示す側断面図 図13に示す消弧ユニットのうちグリッド部と絶縁部材を不図示にした側断面図 実施の形態1にかかる消弧ユニットのうち一部の構成例を示す平面図 実施の形態1にかかる消弧ユニットの他の構成例を示す平面図 本発明の実施の形態2にかかる回路遮断器の消弧ユニットのうち一部の構成例を示す平面図 実施の形態2にかかるコアの他の構成例を示す断面図 本発明の実施の形態3にかかる回路遮断器の消弧ユニットのうち一部の構成例を示す平面図
以下に、本発明の実施の形態にかかる回路遮断器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる回路遮断器の全体を示す側断面図である。図1には、説明を分かりやすくするために、紙面における上方を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、以下の説明で用いる他の図面においても示しており、回路遮断器の構成の一部のみを図示する場合において、X軸、Y軸、およびZ軸の各方向は、図1に示す状態、すなわち回路遮断器を組み立てた状態での方向である。
図1に示すように、回路遮断器100は、絶縁性の筐体1と、複数の回路遮断ユニット2と、開閉機構部3と、クロスバー4とを備える。筐体1は、各々絶縁材料で形成されたベース11とカバー12を有する。
ベース11上には、複数の回路遮断ユニット2および開閉機構部3が配置される。カバー12は、ベース11上に配置された複数の回路遮断ユニット2および開閉機構部3を覆う。カバー12には不図示のハンドル用窓孔が形成されており、かかるハンドル用窓孔から開閉機構部3の操作ハンドル27が突出している。
複数の回路遮断ユニット2は、互いに間隔を空けてベース11上に配列される。これら複数の回路遮断ユニット2は、互いに同一の構成を有している。かかる回路遮断ユニット2は、回路遮断器100が遮断する電路の数分設けられる。各回路遮断ユニット2は、可動接触子21と、可動接触子ホルダ22と、引き外し装置23と、負荷側導体24と、消弧ユニット25とを備える。消弧ユニット25には、固定接触子60が含まれる。
可動接触子21は、基端がクロスバー4により回転自在に支持され、先端に可動接点26が設けられる。固定接触子60には、一端に可動接点26が接触および開離する固定接点71と、他端に電源側導体に接続される電源側端子72とが設けられる。引き外し装置23は、可動接触子21と負荷側導体24との間に設けられ、過電流が流れた場合に、開閉機構部3における不図示のトリップバーを駆動する。かかる引き外し装置23は、可動接触子21に可動接触子ホルダ22を介して接続される。
開閉機構部3は、ベース11上に配置され、例えば、周知のトグルリンク機構と、周知のトリップバーとを備える。開閉機構部3は、引き外し装置23によってトリップバーが駆動された場合、回路遮断器100をトリップ状態にする。
クロスバー4は、複数の回路遮断ユニット2の配列方向に沿って延伸しており、各回路遮断ユニット2に設けられた可動接触子21の基端に取り付けられる。クロスバー4は、開閉機構部3によって、クロスバー4の軸心を中心として回転される。開閉機構部3によるクロスバー4の回転に連動して、各回路遮断ユニット2の可動接触子21が回転し、かかる可動接触子21の回転により、可動接点26が固定接点71に接触したり、可動接点26が固定接点71から開離したりする。
固定接点71と可動接点26とにより電路を開閉する開閉接点が構成される。可動接点26が固定接点71に接触することによって、電路が接続され、電源側端子72および負荷側導体24を介して電気回路がオンになる。また、可動接点26が固定接点71から開離することによって、電路が遮断され、電源側端子72および負荷側導体24を電路に含む電気回路がオフになる。
消弧ユニット25は、固定接触子60を含み、電路の遮断時に発生するアークを消弧する。以下、消弧ユニット25について具体的に説明する。図2は、実施の形態1にかかる消弧ユニットの分解斜視図である。図3は、実施の形態1にかかる消弧ユニットの外観斜視図である。
図2および図3に示すように、消弧ユニット25は、遮断時に固定接点71と可動接点26との間に発生したアークを消弧する消弧装置30と、消弧装置30の周囲に配置され、磁性体によって構成されるコア40とを備える。さらに、消弧ユニット25は、消弧装置30を囲むように設けられ、消弧装置30とコア40との間を絶縁する絶縁部材50と、固定接点71および電源側端子72が設けられる固定接触子60とを備える。
図4は、実施の形態1にかかる可動子ストッパを外した状態の消弧装置を示す分解斜視図である。図4に示すように、消弧装置30は、磁性鋼板によって各々構成される複数のグリッド板34を有するグリッド部31と、絶縁性の材料によって各々形成され複数のグリッド板34を互いに間隔を空けて支持する一対の支持板32とを有する。
各グリッド板34は、四角状の磁性鋼板の一辺にU字状の切り欠き35が設けられ、切り欠き35の両側に側足部34aが形成されている。U字状の切り欠き35は、グリッド板34のうち可動接触子21と対向する領域に形成されており、かかるU字状の切り欠き35によって形成される空間を可動接点26が設けられた可動接触子21の先端部がクロスバー4を中心軸として回転する。
各グリッド板34における両端部は、支持板32に形成された不図示の貫通孔に挿通され、先端のカシメ部34bが拡がるように塑性変形される。これにより、各グリッド板34が支持板32に保持される。また、消弧装置30は、一対の支持板32に基端が回転可能に支持される可動子ストッパ33を有している。なお、図4に示す例では、消弧装置30から可動子ストッパ33が取り外された状態を示している。
図5は、実施の形態1にかかる固定接触子の側面図である。図6は、実施の形態1にかかる固定接触子の平面図である。図5および図6に示すように、固定接触子60は、固定接点71が上面に配置される導電部材70と、導電部材70の上面に配置され、導電部材70に電気的に接続されるアークランナ80と、アークランナ80の下方に配置される永久磁石81とを備える。
導電部材70は、電源側端子72に一端が接続されベース11へ向かう方向である下方に延伸する第1電路73と、第1電路73の他端に一端が接続され、可動接触子21へ向かう方向に延伸する一対の第2電路74とを有する。また、導電部材70は、一対の第2電路74の他端に一端が接続される第3電路75と、第3電路75の一端に連続し、電源側端子72へ向かう方向に延伸する第4電路76を備える。
第4電路76の基端部の上面には、固定接点71が設けられる。また、第4電路76は、一対の第2電路74間に一対の第2電路74と間隔を空けて配置され、一対の第2電路74に沿って延伸する。
アークランナ80は、第4電路76基端部の上面に配置された基端からベース11の底面へ向かう方向に延伸した後、中途部が屈曲してベース11の底面に沿った方向であって電源側端子72へ向かう方向に延伸する。永久磁石81は、一対の第2電路74間の空間部77のうちアークランナ80の先端の下方に配置される。
第2電路74は、第1電路73の他端に一端が接続されベース11上をベース11の底面に沿って延伸する平行電路74aと、平行電路74aの他端に一端が接続され、固定接点71に向けてベース11の底面に対して斜めに延伸する傾斜電路74bとを有する。また、第2電路74は、傾斜電路74bの他端に連続し、第3電路75まで延伸する接続電路74cを有する。
このように、固定接触子60は、固定接点71および負荷側導体24が設けられる導電部材70の上面に配置されるアークランナ80を有し、アークランナ80の下方に永久磁石81が配置される。
次に、コア40の構成について説明する。図7は、実施の形態1にかかるコアの平面図である。図8は、実施の形態1にかかるコアの側面図である。図7に示すように、コア40は、一対の側板部41と、かかる一対の側板部41の一端を連結するシールド部42とを有し、磁性体から構成される。
シールド部42は、第1電路73の固定接点71側を覆うように第1電路73とアークランナ80の間に設けられる。シールド部42は、第1電路73を流れる電流によって、アークランナ80の周辺に発生する磁界を遮蔽する。
また、一対の側板部41は、平行電路74aの上部に配置され、平行電路74aに流れる電流によって発生する磁束を一対の側板部41に集中させ、アークランナ80付近の磁界を低減する作用を有する。
次に、絶縁部材50の構成について説明する。図9は、実施の形態1にかかる絶縁部材の平面図である。図10は、実施の形態1にかかる絶縁部材の側面図である。図11は、実施の形態1にかかる絶縁部材の外観斜視図である。図12は、実施の形態1にかかる絶縁部材とグリッド部とコアと固定接触子との位置関係を示す側断面図である。
図9および図11に示すように、絶縁部材50は、互いに対向する一対の側部51と、一対の側部51のうち対応する側部51におけるベース11の底面側の端部に連続し、ベース11の底面に沿って各々延伸する一対のカバー部52とを有する。
一対の側部51は、一対の側板部41の各々と消弧装置30との間に配置され、一対の側板部41の各々と消弧装置30との間を絶縁する。一対のカバー部52は、導電部材70の第2電路74と消弧装置30のグリッド部31との間に配置され、第2電路74がグリッド部31側に露出しないように消弧装置30を覆う。
また、図10に示すように、絶縁部材50は、一対の側部51の電源側端子72側の端部同士を連結するシールド部カバー53を有する。シールド部カバー53は、図12に示すように、コア40のシールド部42とグリッド部31との間に配置され、コア40のシールド部42がグリッド部31側に露出しないように、グリッド部31を覆う。なお、図12に示すように、アークランナ80は、導電部材70に導電性のネジ78などによって取り付けられることによって、導電部材70に電気的に接続される。
次に、消弧ユニット25において固定接点71と可動接点26との間に発生したアークが消弧される動作について説明する。図13は、実施の形態1にかかる消弧ユニットのうち一部の構成を示す側断面図である。図14は、図13に示す消弧ユニットのうちグリッド部と絶縁部材を不図示にした側断面図である。図15は、実施の形態1にかかる消弧ユニットのうち一部の構成例を示す平面図である。なお、図13および図14においては、グリッド部31のうち支持板32および可動子ストッパ33は図示していない。
図13および図14に示す状態から、開閉機構部3のオフ動作またはトリップ動作によって、可動接点26が固定接点71から開離し始まると、固定接点71と可動接点26との間に、導電性のあるガスであるアークが発生する。
永久磁石81は、N極81aとS極81bを有しており、N極81aが固定接点71側に配置され、S極81bが電源側端子72側に配置される。磁場の向き92は、図15に示すようになる。すなわち、磁場は、N極81aからアークランナ80および第4電路76を通り、アークランナ80および第4電路76から空隙を介してコア40における一対の側板部41に向かい、さらにコア40のシールド部42を通じてS極81bへ戻る。
また、可動接点26と固定接点71とはZ軸方向で互いに対向しているため、電流が流れる向き91は、図15に示すように、Z軸負方向である。
このように、電流が流れる向き91および磁場の向き92が決まっていることから、フレミング左手の法則により、アークが駆動される方向である駆動方向93は、図15に示す方向になる。
実施の形態1にかかる消弧ユニット25では、永久磁石81を配置することによって、アークに働く磁場の大きさを大きくすることができ、また、コア40の一対の側板部41間にグリッド部31が配置される。これにより、コア40の内部に磁束を集中することができる。そのため、効率よくアークをグリッド部31に駆動させることができ、アークをグリッド部31内に維持させて消弧させることができる。
さらに、消弧ユニット25では、アークランナ80の下方に永久磁石81が配置されるため、永久磁石81にアークが直接当たらない。そのため、永久磁石81においてアークによる熱減磁を抑制することができ、グリッド部31によるアークの駆動力が熱減磁によって低減することを抑制することができる。
また、上述した例では、永久磁石81は、アークランナ80の先端の下方に位置する構成であるが、永久磁石81の位置はアークランナ80の中途部の下方に位置する構成であってもよい。図16は、実施の形態1にかかる消弧ユニットの他の構成例を示す平面図である。
図16に示すように、永久磁石81の位置はアークランナ80の延伸方向における中途部の下方に位置する場合であっても、コア40の一対の側板部41間にグリッド部31が配置されることから、コア40の内部に磁束を集中することができる。そのため、効率よくアークをグリッド部31に駆動させることができ、アークをグリッド部31内に維持させて消弧させることができる。
また、アークランナ80の中途部の下方に永久磁石81を配置することにより、永久磁石81をアークランナ80の先端の下方に配置する場合に比べ、アークに作用する磁場を大きくすることができる。これにより、遮断時の可動接点26および固定接点71の消耗量を低減することができる。また、永久磁石81にアークが直接当たらないことから、永久磁石81においてアークによる熱減磁を抑制することができる。そのため、グリッド部31によるアークの駆動力が低減することを抑制することができる。
以上のように、実施の形態1にかかる回路遮断器100は、導電部材70と、可動接触子21と、グリッド部31と、コア40と、アークランナ80と、永久磁石81とを備える。導電部材70は、一端側に固定接点71が設けられ、他端側に電源側端子72が設けられる。可動接触子21は、固定接点71と対向する可動接点26が設けられる。グリッド部31は、固定接点71と可動接点26との間に発生するアークを消弧する複数のグリッド板34を有する。コア40は、互いに対向する一対の側板部41を有し、一対の側板部41間にグリッド部31が配置される。アークランナ80は、導電部材70に接続され、アークを駆動する。永久磁石81は、可動接触子21がグリッド部31と対向する方向に極性が互いに異なる2つの磁極であるN極81aとS極81bとが配列される。これにより、コア40の内部に磁束を集中することができることから、効率よくアークをグリッド部31に向けて駆動させることができ、アークをグリッド部31内に維持させて消弧させることができる。そのため、回路遮断器100の大型化を抑制しつつ、高電圧化に対応することができる。
また、永久磁石81は、可動接点26から固定接点71へ向かう方向を下方とした場合に、アークランナ80の下方に配置される。これにより、永久磁石81においてアークによる熱減磁を抑制することができるため、消弧装置30によるアークの駆動力が低減することを抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる消弧ユニットは、コアがグリッド部と電源側端子との間に配置される一部に開口部を有するように、コアが2つの分割コアで形成される点で、コアが分割されていない実施の形態1にかかる消弧ユニット25と異なる。以下においては、実施の形態1にかかる消弧ユニット25と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1にかかる消弧ユニット25と異なる構成について主に説明するものとする。
図17は、本発明の実施の形態2にかかる回路遮断器の消弧ユニットのうち一部の構成例を示す平面図である。図17に示すように、実施の形態2にかかる回路遮断器100Aの消弧ユニット25Aは、コア40に代えて、コア40Aを有する点で、実施の形態1にかかる回路遮断器100の消弧ユニット25と異なる。なお、回路遮断器100Aは、消弧ユニット25A以外の構成は、回路遮断器100の構成と同じであり、図示を省略する。
コア40Aは、第1分割コア43aと第2分割コア43bとを有する。第1分割コア43aは、側板部41aと、側板部41aの端部から第2分割コア43bへ近づく方向であるX軸正方向に突出する第1突出部42aとを有する。同様に、第2分割コア43bは、側板部41bと、側板部41bの端部から第1分割コア43aへ近づく方向であるX軸負方向に突出する第2突出部42bとを有する。
一対の側板部41a,41bは、実施の形態1にかかる一対の側板部41と同じ構成である。すなわち、一対の側板部41a,41bは互いに対向し、一対の側板部41a,41b間には、グリッド部31が配置される。
第1突出部42aと第2突出部42bとは、一対の側板部41a,41bの対向方向で互いに対向し、グリッド部31と電源側端子72との間に配置される。第1突出部42aおよび第2突出部42bは、シールド部42と同様に、第1電路73を流れる電流によって、アークランナ80の周辺に発生する磁界を遮蔽する機能を有する。また、第1突出部42aと第2突出部42bとの間に開口部44が形成されており、これにより、回路遮断器100Aの内部での過度な圧力上昇を防止することができる。
回路遮断器100Aの通電中なんらかの原因で通電回路が短絡状態になった場合、図1に示す引き外し装置23が開閉機構部3に作用し可動接触子21をトリップ状態に位置にさせる。このとき、数キロアンペアの電流が回路に流れることがある。数キロアンペアの電流が流れている状態で電路を遮断する場合、アークによる磁場の大きさが十分大きいため、永久磁石81の磁場を使用しなくても、アークは消弧装置30まで駆動される。
コア40Aで囲まれた領域にアークが閉じ込められて回路遮断器100Aの内部に過度な圧力上昇が発生すると、コア40Aの強度によってはコア40Aが変形する可能性があり、また、筐体1の強度によっては筐体1が破損したりする可能性がある。消弧ユニット25Aでは、第1突出部42aと第2突出部42bとの間に開口部44が形成されているため、回路遮断器100Aの内部における過度な圧力上昇の発生を精度よく防止することができる。
なお、上述したコア40Aは、第1分割コア43aおよび第2分割コア43bによって構成されるが、圧力上昇防止用に開口部44が形成される構成であればよく、図17に示す例に限定されない。図18は、実施の形態2にかかるコアの他の構成例を示す断面図である。図18に示すコア40Aは、一対の側板部41a,41bと、側板部41aの端部と側板部41bの端部とを連結するシールド部42Aとを備える。シールド部42Aには、貫通孔である開口部44が形成される。なお、シールド部42Aは、シールド部42と同様の機能を有する。
なお、シールド部42Aに形成される開口部44は、丸孔によって形成されるが、開口部44の形状は丸孔に限定されない。また、開口部44の数は2以上であってもよい。また、複数の開口部44がシールド部42Aに形成される場合、各開口部44の形状は、互いに異なる形状であってもよい。
以上のように、実施の形態2にかかる消弧ユニット25Aのコア40Aは、グリッド部31と電源側端子72との間に配置され、一部に開口部44を有する領域を有する。これにより、回路遮断器100Aの内部における過度な圧力上昇の発生を精度よく防止することができる。
また、コア40Aは、第1分割コア43aと、第2分割コア43bとを備える。第1分割コア43aは、側板部41aと、側板部41aの端部から側板部41bへ近づく方向へ突出する第1突出部42aとを有する。第2分割コア43bは、側板部41bと、側板部41bの端部から側板部41aへ近づく方向へ突出する第2突出部42bとを有する。第1突出部42aと第2突出部42bとは、一対の側板部41a,41bの対向方向で互いに対向する。第1突出部42aと第2突出部42bとの間に開口部44が形成される。これにより、回路遮断器100Aの内部における過度な圧力上昇の発生を防止する開口部44を形成することができる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかる消弧ユニットは、永久磁石の位置および磁極の向きが、実施の形態2にかかる消弧ユニット25Aと異なる。以下においては、実施の形態2にかかる消弧ユニット25Aと同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2にかかる消弧ユニット25Aと異なる構成について主に説明するものとする。
図19は、本発明の実施の形態3にかかる回路遮断器の消弧ユニットのうち一部の構成例を示す平面図である。図19に示すように、実施の形態3にかかる回路遮断器100Bの消弧ユニット25Bは、第1分割コア43aと第2分割コア43bとの間に形成される開口部44に永久磁石81が配置される。
また、消弧ユニット25Bは、側板部41aと側板部41bとが互いに対向する方向にN極81aとS極81bとが配列される。すなわち、N極81aは、第1分割コア43aの第1突出部42aと空隙を介して対向し、S極81bは、第2分割コア43bの第2突出部42bと空隙を介して対向する。
ここで、永久磁石81のN極81aと第1分割コア43aとの最短距離を「D1」とし、永久磁石81のS極81bと第2分割コア43bとの最短距離を「D2」とし、アークランナ80と永久磁石81との最短距離を「D3」とする。実施の形態3にかかる消弧ユニット25Bでは、D1<D3およびD2<D3を満たすように、永久磁石81が配置されている。このように、永久磁石81を配置することで、図19に示すように、磁場の向き92が紙面における半時計回りの方向になる。
また、可動接点26と固定接点71とはZ軸方向で互いに対向しているため、電流が流れる向き91は、図19に示すように、Z軸負方向である。
このように、電流が流れる向き91および磁場の向き92が決まっていることから、フレミング左手の法則により、アークが駆動される方向である駆動方向93は、図19に示す方向になる。すなわち、アークは、可動接点26および固定接点71から消弧装置30へ向かう方向に駆動される。
アークランナ80はアークの駆動電路となるため、遮断時における電流の大きさによってはアークランナ80が消耗し、アークランナ80における磁気抵抗値の変化によって磁力が変化する可能性がある。消弧ユニット25Bでは、図19に示す永久磁石81の配置によって、磁力線は主にコア40Aを通過する。コア40Aは、遮断によっては摩耗しないことから、消弧ユニット25Bでは安定してアークに駆動力を与えることができる。
以上のように、実施の形態3にかかる消弧ユニット25Bにおいて、永久磁石81は、N極81aとS極81bとが一対の側板部41a,41bが互いに対向する方向であるX軸方向に配列される。また、永久磁石81は、第1突出部42aおよび第2突出部42bの各々との距離D1,D2がアークランナ80との距離D3よりも短い。これにより、一対の側板部41a,41bの一方から他方へ向かう磁場が形成され、磁力線が主にコア40Aを通過する。そのため、消弧ユニット25Bでは安定してアークに駆動力を与えることができる。
また、永久磁石81は、開口部44に配置されることから、距離D1,D2を短くすることができ、消弧ユニット25Bではより安定してアークに駆動力を与えることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 筐体、2 回路遮断ユニット、3 開閉機構部、4 クロスバー、11 ベース、12 カバー、21 可動接触子、22 可動接触子ホルダ、23 引き外し装置、24 負荷側導体、25,25A,25B 消弧ユニット、26 可動接点、27 操作ハンドル、30 消弧装置、31 グリッド部、32 支持板、33 可動子ストッパ、34 グリッド板、34a 側足部、34b カシメ部、35 切り欠き、40,40A コア、41,41a,41b 側板部、42,42A シールド部、42a 第1突出部、42b 第2突出部、43a 第1分割コア、43b 第2分割コア、44 開口部、50 絶縁部材、51 側部、52 カバー部、53 シールド部カバー、60 固定接触子、70 導電部材、71 固定接点、72 電源側端子、73 第1電路、74 第2電路、74a 平行電路、74b 傾斜電路、74c 接続電路、75 第3電路、76 第4電路、77 空間部、78 ネジ、80 アークランナ、81 永久磁石、81a N極、81b S極、91 電流が流れる向き、92 磁場の向き、93 駆動方向、100,100A,100B 回路遮断器、D1,D2,D3 距離。

Claims (6)

  1. 一端側に固定接点が設けられ、他端側に電源側端子が設けられる導電部材と、
    前記固定接点と対向する可動接点が設けられる可動接触子と、
    前記固定接点と前記可動接点との間に発生するアークを消弧する複数のグリッド板を有するグリッド部と、
    互いに対向する一対の側板部を有し、前記一対の側板部間に前記グリッド部が配置されるコアと、
    前記導電部材に接続され、前記アークを駆動するアークランナと、
    前記可動接触子が前記グリッド部と対向する方向または前記一対の側板部が対向する方向に極性が互いに異なる2つの磁極が配列される永久磁石と、を備える
    ことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記コアは、
    前記グリッド部と前記電源側端子との間に配置され、一部に開口部を有する領域を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  3. 前記永久磁石は、
    前記グリッド部と対向する方向に極性が互いに異なる2つの磁極が配列され、且つ前記可動接点から前記固定接点へ向かう方向を下方とした場合に、前記アークランナの下方に配置される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の回路遮断器。
  4. 前記コアは、
    前記一対の側板部のうち一方の側板部と、前記一方の側板部の端部から他方の側板部へ近づく方向へ突出する第1突出部とを有する第1分割コアと、
    前記他方の側板部と、前記他方の側板部の端部から前記一方の側板部へ近づく方向へ突出する第2突出部とを有する第2分割コアとを備え、
    前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記一対の側板部の対向方向で互いに対向し、
    前記開口部は、前記第1突出部と前記第2突出部との間に形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
  5. 前記永久磁石は、
    前記一対の側板部が互いに対向する方向に前記2つの磁極が配列され、且つ前記第1突出部および前記第2突出部の各々との距離が前記アークランナとの距離よりも短い
    ことを特徴とする請求項4に記載の回路遮断器。
  6. 前記永久磁石は、前記開口部に配置される
    ことを特徴とする請求項5に記載の回路遮断器。
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