JP6966002B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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Description
そのため、開閉接点の開離距離を変更することなく、高電圧の電路を遮断する方法として、可動接触子の回動中心が操作ハンドル側にあるタイプの回路遮断器では、負荷側端子の電位を導くアークランナーと、電源側端子の電位を導くアークランナーを消弧装置の上下に設け、アークを開離距離の広い場所まで走行させて遮断する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、開閉機構部が設けられる極では、開閉機構部があるため負荷側端子の電位を消弧装置の上部まで導くことが非常に難しいという問題があった。
図1は本発明の実施の形態1における回路遮断器の全体を示す側断面図、図2は図1の回路遮断器における消弧装置、固定接触子側電路を含む消弧ユニットを示す分解斜視図、図3は図2の消弧ユニットが組み立てられた状態を示す斜視図、図4は図3の消弧ユニットにおける可動子ストッパーを外した状態の消弧装置を示す分解斜視図、図5は図3の消弧ユニットにおける固定接触子を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図、図6は図3の消弧ユニットにおけるコアを示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図、図7は図3の消弧ユニットにおける絶縁部材を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は斜視図、図8は消弧ユニットの側面を示す図で、グリッド板の枚数の増加設置を説明するための説明図である。
なお、請求の範囲で述べている「第1外部端子」は電源側端子24および負荷側端子25のいずれか一方であり、「第2外部端子」は、電源側端子24および負荷側端子25のいずれか他方である。
消弧ユニット50は、遮断時に両接点21、22間に発生したアークを消弧する消弧装置51と、消弧装置51の下部に設けられる固定接触子27と、消弧装置51の外側に設けられたコア52と、消弧装置51を囲むように設けられ、消弧装置51とコア52間を絶縁する絶縁部材53と、から構成されている。
両第1電路27b、27cは、下降電路27aからベース11上をベース11に平行に伸びる一方の第1電路平行部27b1および他方の第1電路平行部27c1と、両第1電路平行部27b1、27c1から固定接点21の方向に上昇する一方の第1電路上昇部27b2および他方の第1電路上昇部27c2と、両第1電路上昇部27b2、27c2から接続部27dまで伸びる一方の第1電路接続部27b3および他方の第1電路接続部27c3と、から構成される。
また、アークランナー27fは、両第1電路平行部27b1、27c1の上面よりカバー12側に設けられている。
また、1組の側板部52aは、それぞれ両第1電路平行部27b1、27c1の上部に配置されており、両第1電路平行部27b1、27c1に流れる電流によって発生する磁束を側板部52aに集中させ、アークランナー27f付近の磁界を低減する作用を有している。
また、アークランナー27fの終端部27f1は、固定接点21よりもベース11側に設けられており、アークランナー27fと可動接点22間の開離距離は、固定接点21と可動接点22間の開離距離よりも広く構成されている。
操作ハンドル31を投入すると周知のトグルリンクの開閉機構部30がデッドポイントを超えることで、クロスバー32が回転を始める。クロスバー32が回転することで可動接触子23が回動し、可動接触子23に設けられた可動接点22が固定接点21に接触し、回路遮断器100はON状態となる。
図9は固定接触子の第2電路に流れる電流によるアークの駆動を説明するための説明図で、(a)は固定接点から可動接点に電流が流れている場合、(b)は可動接点から固定接点に電流が流れている場合、図10は消弧装置とコアによるアークの駆動を説明するための説明図、図11は固定接触子の第2電路に流れる電流の向きによるアークの駆動を説明するための説明図で、(a)は固定接点から可動接点に電流が流れている場合、(b)は可動接点から固定接点に電流が流れている場合、図12はシールド部の作用を説明するための説明図、図13はコアと消弧装置の間のギャップを説明するための説明図、図14はシールド部が磁気飽和を起こした時のアーク駆動を説明するための説明図である。
次に、遮断時に可動接触子23の回動が進み、可動接点22が固定接点21に対して最大の開離距離となった後、可動接点22と固定接点21間で維持されるアークをより開離距離の大きい消弧空間へ移動させる方法について説明する。
図9(a)に示すように、電流が、矢印A1で示す電源側端子24から固定接点21の方向、すなわち、固定接点21から可動接点22に流れている場合、第2電路27eを流れる電流は、可動接触子23の回動中心から電源側端子24の方向に流れている。よって、第2電路27eを流れる電流により発生する第2電路27eにおけるカバー12側の磁束は、図9(a)の紙面上で上向きの矢印B1の方向となる。この磁束によりアークは、電源側端子24方向である矢印Cの向きに電磁力を受けることとなる。
また、アークランナー27f上にアークが走行した場合にも同様に、アークは、電流の向きによらず電源側端子24方向である矢印Cの向きに電磁力を受け、アークランナー27fの終端部27f1まで駆動される。
消弧装置51はディアイオン消弧装置と呼ばれるもので、U字形の切り欠き51cにあるアークによって発生する磁束は、図10に示すように、可動接触子23の回動中心側の磁束D1は、磁性体がないため密となり、電源側端子24側の磁束D2は、グリッド板51aおよびコア52の側板部52a、52aを磁束が通るため粗となる。この磁束の偏りにより、アークは、矢印Eで示す電源側端子24方向に駆動される。
この時、消弧装置51だけの場合に比して、コア52の1組の側板部52aを設けることで、磁路断面積が大きくなるため、磁束密度を大きくすることができ、アークを矢印Eの方向に駆動する力も大きくなる。
同様に、可動接点22から固定接点21の方向に電流が流れている場合にも、図11(b)に示すように、下降電路27aを流れる電流にする磁束は、図11(b)の紙面上で反時計回転の方向となり、電源側端子24方向に駆動されたアークを矢印Fで示す固定接点21方向に駆動する電磁力を発生させる。
このため、図12に示すように、下降電路27aを流れる電流による磁束のほとんどは、シールド部52bを通ることとなる。このため、アークランナー27f上を通る磁束はほとんど存在せず、アークは、アークランナー27fの終端部27f1まで駆動されることとなる。
回路遮断器100に流れる過電流が非常に大きい場合、下降電路27aを流れる過大電流によってコア52のシールド部52bが磁気飽和を起こしてしまう可能性が考えられる。そのため、消弧装置51とコア52とのギャップを以下に説明するように構成することでシールド部52bが磁気飽和を起こした場合にも、アークがアークランナー27fの終端部27f1まで駆動されるようにしている。
また、アークが電源側端子24の方へ移動した後、カシメ部51a2側を通る磁束は、アークを電源側端子24の方向へ駆動する電磁力を発生させるので、アークの終端部27f1への駆動がより促進されることとなる。
両第1電路平行部27b1、27c1、およびアークランナー27fは、下降電路27aの上端、接続部27dおよび固定接点21よりもベース11側に設けられているので、グリッド板51aを下降電路27aの上端よりベース11側に設置可能となり、グリッド板51aの枚数を増やすことができるので、遮断性能を向上することができる。
図15は本発明の実施の形態2における回路遮断器の全体を示す側断面図、図16は本発明の実施の形態2における回路遮断器の消弧装置、固定接触子を含む消弧ユニットを示す分解斜視図である。
本実施の形態の回路遮断器101は、図15に示すように、実施の形態1において、設けていたコア52の側板部52aを廃止し、シールド部52cだけとしたものである。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の回路遮断器100と異なる点を中心に説明する。
実施の形態1におけるコア52は、側板部52aもあり形状が複雑なため、板厚の薄い鉄板等の磁性材料で作ることが好適であるが、本実施の形態のシールド部52cは、形状も板状の直方体なので、飽和磁束密度が大きく、かつ断面積が大きくとれる純鉄の厚板や電磁鋼板等を使用すれば、過大電流時の磁気飽和を防止することができるので、側板部52aを設けない影響を軽減することができる。
21 固定接点、22 可動接点、23 可動接触子、
24 電源側端子、25 負荷側端子、26 可動接触子ホルダー、
27 固定接触子、27a 下降電路、27b、27c 第1電路、
27d 接続部、27e 第2電路、27f アークランナー、
30 開閉機構部、31 操作ハンドル、32 クロスバー、
33 トリップバー、40 引き外し装置、
50 消弧ユニット、51 消弧装置、
52 コア、52a 側板部、52b シールド部、53 絶縁部材、
100 回路遮断器。
Claims (5)
- ベースと、前記ベース上に間隔をおいて配列され、それぞれ両端に設けられた第1外部端子および第2外部端子と、
前記第1外部端子から前記ベースの底面方向に延設された下降電路、前記下降電路から可動接触子の方向に伸びる第1電路、前記第1電路から前記第1外部端子の方向に延設され固定接点が設けられた第2電路、前記第2電路の端部から前記第1外部端子の方向かつ前記ベースの底面方向に延設されたアークランナー、を有する固定接触子と、
回動の中心が前記ベース上に設けられ、前記回動により前記固定接点と接触および開離する可動接点が設けられた可動接触子と、
前記可動接触子の側にU字形の切り欠き部および前記切り欠き部の両側に側足部が形成され前記切り欠き部が前記両接点を囲む複数のグリッド板からなる消弧装置と、
磁性体からなり、前記消弧装置の両側に前記消弧装置の側面を覆うように設けられた側板部と、
前記下降電路と前記アークランナーの間に設けられ、前記下降電路を流れる電流による磁界を遮蔽するとともに前記消弧装置の両側に設けられた2枚の前記側板部を連結するシールド部と、
を備えたことを特徴とする回路遮断器。 - 前記側板部と前記グリッド板との間隔は、前記可動接触子の側の前記間隔が前記下降電路の側の前記間隔より小さいことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
- 前記第1電路と前記第2電路とを接続する接続部を備え、
前記第1電路は、前記下降電路から前記接続部まで中央に空間部を有して2分割されており、
前記第2電路および前記アークランナーは、前記第1電路の前記空間部に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回路遮断器。 - 前記第1電路は、前記下降電路から前記ベース上を前記ベースに平行に伸びる第1電路平行部と、前記第1電路平行部から固定接点の方向に上昇する第1電路上昇部と、前記第1電路上昇部から前記接続部まで伸びる第1電路接続部と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の回路遮断器。
- 前記アークランナーの終端部は、前記固定接点より前記ベースの側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の回路遮断器。
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