JP2013012504A - 回路遮断器 - Google Patents

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Kentaro Ogura
健太郎 小倉
Takao Mihashi
孝夫 三橋
Masahiro Fushimi
征浩 伏見
Kenichi Nishina
健一 仁科
Shinjiro Niwa
伸次郎 丹羽
Kenichi Eko
憲一 江古
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Abstract

【課題】 固定接点がそれぞれ固着された2つの固定接触子と、これら固定接点と対応する可動接点が両端に固着された可動接触子を有する回動形の回路遮断器において、反発開放位置まではね返された可動接触子の閉極動作を遅らせることでアーク電圧の急速な低下を防止でき、遮断性能の優れた回路遮断器を得る。
【解決手段】 2つの固定接触子11、15に、それぞれの固定接点12、16に発生するアークを可動接触子3の中心部と反対側に駆動する駆動コイル20、25を設け、これら駆動コイル20、25は、それぞれ可動接触子3の回動の軌跡を含む面のいずれか一方の側方のみに配置される第1および第2駆動コイル側部22、27とを有し、これら第1および第2コイル側部22、27は、上記回転の軌跡を含む面に対して異なる側に設けられているものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、接触子間に発生する電磁力を利用して開極する回路遮断器に関する。
従来の配線用遮断器においては、中心部にて回動自在に保持されて両端に可動接点が固着された可動接点ブリッジ(可動接触子)と、それぞれの可動接点と接点対を構成する固定接点が固着された2つの導電体(固定接触子)とを有している。それぞれの導電体は、一端部から上記接点ブリッジの回動中心側へと伸ばされるとともに、半ループ形の湾曲部により対応する可動接点の開極方向側へと折り返され、この折り返された側の他端部の外側面に上記固定接点が固着されている。
このように構成された配線用遮断器では、上記2つの導電体には閉成状態の上記可動接点ブリッジの電流と対向して逆方向の電流が流れ、短絡電流が流れたときに上記可動接点ブリッジを反発開放位置にはね返す電磁反発力が発生する。この電磁反発力を利用して、接圧ばねの閉極の力に反して上記2つの接点対を高速開極させている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平6―52777号公報(第3乃至4頁、第1乃至3図)
このような配線用遮断器では、可動接点ブリッジの開極とともに、可動接点ブリッジの両端部が、それぞれ可動接点ブリッジの当該端部に設けられた可動接点と接点対を構成しない方の固定接点を有する固定接触子(以下、反対側の固定接触子)に近づいていく構成となっている。特に、小形化のために短い可動接点ブリッジを用い、この短い可動接点ブリッジで必要な開極距離を確保するために可動接点ブリッジの回動可能角度を大きくした回路遮断器では、可動接点ブリッジが反発開放位置に近づいたときに、上記可動接点ブリッジの当該端部が反対側の固定接触子に近接することになる。このとき、上記反対側の固定接触子の半ループ形の湾曲部には、上記当該端部を流れる電流とは反対方向の電流成分が流れているので、反発開放位置に近づいた上記可動接点ブリッジを閉極方向へ押し戻す電磁反発力が発生する。この可動接点ブリッジを閉極方向へ押し戻す電磁反発力により、反発開放位置まで開極した可動接点ブリッジの閉極動作が早くなり、急速に接点間距離が減少する。この急速な接点間距離の減少にともないアーク電圧が急速に低下し、所望の遮断性能が得られないという問題があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、反発開放位置へはね返された可動接触子の閉極動作を遅らせることでアーク電圧の急速な低下を防止でき、遮断性能の優れた回路遮断器を得ることを目的とする。
この発明に係る回路遮断器においては、第1および第2固定接点がそれぞれ端部に固着された第1および第2固定接触子と、上記第1および第2固定接点とそれぞれ接点対を構成する第1および第2可動接点と、中心部で回動自在に保持され、両端部にそれぞれ上記第1および第2可動接点が固着され、閉成状態において上記第1および第2固定接点を電気的に接続し、且つ上記第1および第2固定接触子との間で働く電磁力を利用して開極する可動接触子とを備え、上記第1固定接触子は、上記中心部より上記第1固定接点側に配置され、且つ上記第1固定接点に発生するアークを上記中心部と反対側に駆動する磁場を発生する第1駆動コイルを有し、上記第1駆動コイルは、上記可動接触子の回動の軌跡を含む面の一側方に上記回動の軌跡を含む面に沿って配置される第1駆動コイル側部と、上記第1固定接点が内側面に固着されて上記第1駆動コイル側部の端部につながる第1固定接点板とを有し、且つ、上記第1駆動コイル側部の上記中心部側の少なくとも一部と上記第1固定接点板とで、上記中心部側に伸びるとともに上記第1可動接点の閉極方向側へと折り返される第1湾曲部を形成し、上記第2固定接触子は、上記中心部より上記第2固定接点側に配置され、且つ上記第2固定接点に発生するアークを上記中心部と反対側に駆動する磁場を発生する第2駆動コイルを有し、上記第2駆動コイルは、上記回動の軌跡を含む面の上記第1駆動コイル側部が設けられていない側の側方に、上記回動の軌跡を含む面に沿って配置される第2駆動コイル側部と、上記第2固定接点が内側面に固着されて上記第2駆動コイル側部の端部につながる第2固定接点板とを備え、且つ、上記第2駆動コイル側部の上記中心部側の少なくとも一部と上記第2固定接点板とで、上記中心部側に伸びるとともに上記第2可動接点の閉極方向側へと折り返される第2湾曲部を形成したものである。
この発明によれば、反発開放位置へはね返された可動接触子の閉極動作を遅らせることでアーク電圧の急速な低下を防止でき、遮断性能の優れた回路遮断器を得ることができる。
この発明の実施の形態1における閉成状態の回路遮断器の一部を部分断面とした正面図である。 この発明の実施の形態1における回路遮断器のカバーおよび操作機構などを取り除いたときの上面図である この発明の実施の形態1における回路遮断器の固定接触子などを示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における回路遮断器の開極動作にともないアークが発生した時の要部を示す正面図である。 図4の上面図である。 この発明の実施の形態1における短絡電流遮断時のアーク電圧波形と電流波形を示す図である。 この発明の実施の形態2における回路遮断器の消弧装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3における回路遮断器の開成状態の要部を示す正面図である。 この発明の実施の形態4における回路遮断器の開成状態の要部を示す正面図である。 図9の断面A-Aを示す断面図である。 この発明の実施の形態5における回路遮断器の開極動作にともないアークが発生した時の要部を示す正面図である。 図11の上面図である。 この発明の実施の形態6における回路遮断器の開極状態における要部を示す上面図である。 この発明の実施の形態7における回路遮断器の消弧ユニットを示す斜視図である。 図14における断面Sを示す断面図である。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を、図1乃至6を参照して説明する。図1は、この実施の形態1の閉成状態の回路遮断器の一部を部分断面とした正面図であり、筐体を構成するベース1の一部と、接圧発生手段2を介して可動接触子3を回動自在に保持するローター4の一部を切り取っている。また、消弧板5の配置を示すため、手前側の消弧側板6を省略している。筐体は、ベース1とカバー7にて構成され、カバー7に設けられた開口部より操作ハンドル8が突出している。ベース1およびカバー7は絶縁性の材料、例えば樹脂などにより製作されている。図2は、図1の回路遮断器のカバー7および操作機構(図示せず)などを取り除いたときの上面図であり、3極回路遮断器となっている。筐体の両端には、電源側の外部電路を接続する電源側端子9、および負荷側の外部電路を接続する負荷側端子10が、極毎に絶縁されて固定されている。電源側端子9は、第1固定接触子11の一端部に接続され、第1固定接触子11の他端部には第1固定接点12が固着されている。第1固定接点12は、中心部で回動自在に保持された可動接触子3の一端部に固着された第1可動接点13と接離可能に設けられ、第1可動接点13と第1固定接点12とで第1接点対を構成している。また、可動接触子3の他端部には第2可動接点14が固着されており、第2固定接触子15の一端部に固着されている第2固定接点16と接離可能に設けられ、第2可動接点14と第2固定接点16とで第2接点対を構成している。第2固定接触子15の他端部は、中間端子17を介して、異常電流を検出して上記操作機構をトリップ動作させる検出部18に接続されている。検出部18は、中間端子17とは反対側で負荷側端子10に接続されている。検出部18の信号によりトリップ動作する上記操作機構は、操作ハンドル8を手動で操作することで開閉動作させることができる。また、各極はベース1とカバー7に設けられた隔壁などにて電気的に絶縁されている。
さらに、各部の構成を詳細に説明する。閉成状態では、可動接触子3は、接圧発生手段2、例えば、接圧ばねを介して閉極方向に付勢された状態で絶縁性のローター4に保持されている。ローター4は、極毎に独立して設けられているが、各ローター4に設けられた孔を、極をまたがって貫通する2本の連結棒19にて連結されており、この連結棒19を上記操作機構にて動作させることで、ローター4が回動する。また、閉成状態では、上記第1および第2接点対がそれぞれ共に接触することで、第1固定接触子11と第2固定接触子15とが電気的に接続され、電路が閉路となる。
第1固定接触子11は、可動接触子3の回動の軌跡を含む面(以下、回動面)と垂直な方向、つまり図1において紙面と垂直な方向(以下、回動軸方向)から見て、閉成状態における可動接触子3の中心部より第1固定接点12側に配置され、第1固定接点12および第1可動接点13の間で発生したアークを上記中心部と反対側へと駆動する磁場を発生する第1駆動コイル20を有している。
第2固定接触子15は、第1固定接触子と同様な構成であり、回動軸方向から見て、閉成状態における可動接触子3の中心部より第2固定接点16側に配置され、第2固定接点16および第2可動接点14の間で発生したアークを上記中心部と反対側へと駆動する磁場を発生する第2駆動コイル25を有している。
図3は、この実施の形態における回路遮断器の第1駆動コイル20を有する第1固定接触子11と、電源側端子9および第1アークランナ24とが一体に構成された部品を示す斜視図である。第1駆動コイル20は、回動面の一側方に上記回動面に沿って配置される第1駆動コイル側部22と、第1固定接点12が固着されて第1駆動コイル側部22の端部につながる第1固定接点板23とを有している。
この第1駆動コイル20を回転軸方向から見たときの形状は、図1に示すように、回動軸方向から見て、第1可動接点13が閉極する方向に開口部を有する1ターン未満のコイルとなっている。さらに詳細に説明すると、第1駆動コイル20は、一方の端部が電源側端子9に接続され、この接続部から一旦、第1可動接点13の開極方向、つまり上方へと伸びて可動接触子3の中心部側へと湾曲し、上記中心部側へ向かって水平に伸びるとともに、第1駆動コイル側部22の上記水平に伸びる部分の終端から第1固定接点板23までの連続した導体にて構成される第1湾曲部21にて、第1可動接点13の閉極方向へと略U字状に折り返された形状となっている。この略U字状に折り返された側の他方の端部の内側面に、第1固定接点12が固着されている。また、上記他方の端部を構成する第1固定接点板23の上記中心部と反対側には、第1アークランナ24が連続して設けられている。
なお、第1駆動コイル20は、第1固定接点板23を除いて所定の絶縁手段、例えば樹脂性の絶縁壁(図示せず)にてアークに直接触れないように絶縁、保護されている。
第2駆動コイル25は、第1駆動コイル20と同様な構成であり、回動面の第1駆動コイル側部22が設けられていない側の側方に、上記回動面に沿って配置される第2駆動コイル側部27と、第2固定接点16が固着されて第2駆動コイル側部27の端部につながる第2固定接点板28とを有している。
この第2駆動コイル25を回転軸方向から見たときの形状は、図1に示すように、第2可動接点14が閉極する方向に開口部を有する1ターン未満のコイルとなっている。さらに詳細に説明すると、第2駆動コイル25は、一方の端部が中間端子17に接続され、この接続部から一旦、第2可動接点14の開極方向、つまり下方へと伸びて可動接触子3の中心部側へと湾曲し、上記中心部側へ向かって水平に伸びるとともに、第2駆動コイル側部27の上記水平に伸びる部分の終端から第2固定接点板28までの連続した導体にて構成される第2湾曲部26にて、第2可動接点14の閉極方向へと略U字状に折り返された形状となっている。この略U字状に折り返された側の他方の端部の内側面に、第2固定接点16が固着されている。また、上記他方の端部を構成する第2固定接点板28の上記中心部と反対側には、第2アークランナ29が連続して設けられている。
なお、第2駆動コイル25は、第2固定接点板28を除いて所定の絶縁手段、例えば樹脂性の絶縁壁(図示せず)にてアークに直接触れないように絶縁、保護されている。
第1消弧装置30は、複数の軟磁性材料、例えば鉄にて製作された消弧板5が適切な間隙を持って一対の絶縁性の消弧側板6にて回動軸方向から保持されたものであり、第1接点対に対向するように配置されている。第1消弧装置30の消弧板5には、第1接点対と対向する部分にアークを引き込むための略V字状の回動面に沿った切り欠き部34を有している。また、第1消弧装置30は、一方の消弧側板6側で第1駆動コイル側部22と対向するように配置されている。
第2消弧装置31は、第1消弧装置30と同様な構成であり、複数の軟磁性材料、例えば鉄にて製作された消弧板5が適切な間隙を持って一対の絶縁性の消弧側板6にて回動軸方向から保持されたものであり、第2接点対に対向するように配置されている。また、第2消弧装置31の消弧板5には、第2接点対と対向する部分にアークを引き込むための略V字状の回動面に沿った切り欠き部34を有している。また、第2消弧装置31は、一方の消弧側板6側で第2駆動コイル側部27と対向するように配置されている。
ベース1とカバー7で構成される筐体には、主に第1接点対で発生したアークの熱ガスを外部へ排出する第1排気路32と、主に第2接点対で発生したアークの熱ガスを筐体外部へ排出する第2排気路33とが設けられている。この第1排気路32および第2排気路33は、それぞれ反発開放位置の可動接触子3の端部と第1消弧装置30または第2消弧装置31を挟んで対向する筐体内の開口部から、筐体外部へと連通するように設けられている。
次に、動作について説明する。閉成状態の回路遮断器に短絡電流が流れると、第1可動接点13と第1固定接点12との間、および第2可動接点14と第2固定接点16との間で、接触点への電流集中に起因する開極方向の電磁力が発生する。これと共に、可動接触子3の第1可動接点13側の電路と第1固定接触子11の電路との間、および可動接触子3の第2可動接点14側の電路と第2固定接触子15の電路との間で、それぞれ可動接触子3を開極方向へと駆動する電磁力が発生する。図1に示すように、閉成状態の可動接触子3の両端部は、それぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25のループ内にあるので、第1駆動コイル20および第2駆動コイル25にて、上記電路の間の開極方向の電磁力が強化される。これらの開極方向の電磁力が、接圧発生手段2の閉極方向の力を打ち消すことで接点が開極する。
開極と共に、第1および第2接点対にアークが発生して接触点への電流集中がなくなり、接触点での電流集中に起因する開極方向の電磁力は消失する。一方、アークの発生とともにアークスポットから高温のジェットが噴出するので、開極方向の力としてアーク力が新たに加わる。このアーク力と上記電路の間の開極方向の電磁力とにより、接圧発生手段2の力に反して可動接触子3が反発開放位置まで高速開極する。
図4および5に、反発開放位置まで可動接触子3が回動したときの状態を示している。図中、破線にてアークの形態を模式的に表している。なお、図4では、消弧板5の配置を示すため、手前側の消弧側板6を省略している。
開極と共に第1および第2接点対で発生した電気的に直列の2つのアークは、それぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25により、可動接触子3の中心部と反対側に駆動され、引き伸ばされる。この引き伸ばされたアークは、それぞれ第1消弧装置30および第2消弧装置31の消弧板5にて分断、冷却されるので、アーク長が長くなることに加えてアーク柱自体の抵抗が大きくなり、アーク電圧が急速に立ち上る。このアーク電圧の急速な立ち上りにより、短絡電流が急速に限流され、短い時間で事故電流を遮断することができる。つまり、電流ピークおよび通過エネルギーを低く制限でき、回路保護能力が高く、遮断時の自己損耗が少ない回路遮断器を得ることができる。
短絡電流の発生は、発生直後に検出部18において検出され、検出部18の指令により操作機構、例えばトグルリンク機構がトリップ動作を開始する。この操作機構のトリップ動作により連結棒19を介してローター4が回動することで、可動接触子3を開成状態で保持することができる。ローター4の回動の開始は、上記電路の間の開極方向の電磁力などによる高速開極動作より大幅に遅れ、ローター4の回動の完了は、短絡電流を限流して遮断が完了する直前もしくは直後となる。従って、上記電路の間の開極方向の電磁力およびアーク力などの開極力が電流瞬時時の低下にともない急速に低下する電流ピーク以降において、反発開放位置まで高速開極した可動接触子3は、開極力が接圧発生手段2などの閉極力より小さくなった時点で閉極方向に回動する閉極動作を開始する。この閉極方向の回動にともない接点間距離が短くなるので、アーク長が短くなりアーク電圧が低下する。
従来の回路遮断器のように、反対側の固定接触子に、反発開放位置に近接した可動接触子を閉極方向へ押し戻す電磁反発力を発生させる電路がある構成では、上述の可動接触子3の閉極動作を開始する時刻および閉極の速度がはやくなり、急速に接点間距離が減少する。このような急速な接点間距離の減少は、単にアーク長が短くなることによるアーク電圧の低下のみならず、消弧装置でのアークの分断、冷却を維持するのに必要なアーク長よりアークが短くなることによって一層のアーク電圧の低下をもたらす。このアーク電圧の急激な低下は、電流の減衰を遅らせるのみならず、最悪の場合は再点弧をおこして回路遮断器の損耗を増大させる。
これに対し、この発明の回路遮断器では、第1固定接触子11および第2固定接触子15に、それぞれ上述のような構成の第1駆動コイル20および第2駆動コイル25を設けることで、反対側の固定接触子による可動接触子を閉極方向へ押し戻す電磁反発力が発生しないようにして、開極反発位置へはね返された可動接触子3が閉極動作を開始する時刻およびこの閉極動作の速度を従来に比べて遅くしている。これにより、アーク長の短縮が遅くなり、消弧装置30、31でのアークの分断、冷却を維持するのに必要なアーク長を遮断完了まで確保することで、アーク電圧の急激な低下を防止できる。
また、図4に示すように、反発開放位置の可動接触子3の両端部が、それぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25のループ内に位置するように構成しているので、開極初期において主たる開極方向の電磁力を発生する第1固定接点板23および第2固定接点板28の電路が、それぞれ可動接触子3の端部から遠くなる反発開放位置においても、第1駆動コイル20および第2駆動コイル25が発生する磁場成分により可動接触子3に開極方向の電磁力を与えることができる。従って、可動接触子3の反発開放位置からの閉極動作の開始時間およびその速度を緩やかにできるので、高いアーク電圧を維持して急速に事故電流を絞り込み、短い時間で電流零点を向かえて遮断することができる。
図6は、この実施の形態の短絡電流遮断動作時のアーク電圧波形と時間の関係、および電流波形と時間の関係を、上述の従来の配線用遮断器を比較例として対比して示している。時刻t0で短絡事故が発生し、時刻t1で第1および第2接点対が開極する。続いて、この実施の形態では、比較例の時刻t4より早い時刻t3にて最大アーク電圧に至る(このとき可動接触子3は反発開放位置にある)。このように比較例の最大アーク電圧発生時刻t3がこの実施の形態より遅れるのは、従来の回路遮断器では反発開放位置に近付くほど反対側の固定接触子が発生する閉極方向の電磁反発力により開極力が打ち消され、開極速度が減速されるためである。
また、2つのアークを電気的に直列な状態で発生させて高いアーク電圧を得る回路遮断器においては、電流ピークは、アーク電圧が最大アーク電圧に至る前の電源圧を越えた時刻に発生する。従って、従来の回路遮断器において、可動接触子の端部が反対側の固定接触子に近接して閉極方向の電磁反発力の影響が顕著になる前に、電流ピークをむかえる。そのため、この実施の形態と比較例との電流ピーク値の差は、電流ピーク以降の電流波形ほど顕著に見られず、この実施の形態の電流ピーク値が比較例に比べて若干低減する程度である。
最大アーク電圧の維持時間は、可動接触子3の反発開放位置の維持時間とほぼ対応し、比較例のアーク電圧が低下を開始する時刻t5は、この実施の形態の時刻t6より早くなる。また、接点間距離の減少速度はこの実施の形態の方が比較例に比べ小さくなるので、アーク電圧の低下速度も小さくなる。このように、より高いアーク電圧を維持することで電流の減衰が早くなるので、それぞれアーク電圧が低下を開始した時刻t5およびt6から、電流零点の時刻t8およびt7までの時間は、この実施の形態の方が比較例に比べ大幅に短くなる。ここで、電流零点でのアーク電圧を比較すると、この実施の形態のアーク電圧V7の方が、比較例のアーク電圧V8より大幅に大きいことが分かる。このアーク電圧の差は、電流零点での接点間距離の差にほぼ等しくなるので、この実施の形態の方が、比較例に比べ圧倒的に高い絶縁回復力を得ることができ、遮断性能に優れた回路遮断器を実現できる。
以上より、この実施の形態では、それぞれ第1および第2接点対で発生したアークを可動接触子3の中心部と反対側に駆動する磁場を発生する第1駆動コイル20および第2駆動コイル25を設け、これら駆動コイルに、それぞれ上記中心部側に伸びるとともに第1可動接点13および第2可動接点14の閉極方向側へと折り返される第1湾曲部21および第2湾曲部26を設け、それぞれの上記折り返された側の端部の内側面に第1固定接点12および第2固定接点16を固着させたので、反対側の固定接触子を流れる電流による可動接触子3を閉極方向へ押し戻す電磁反発力が生じない。これにより、反発開放位置まではね返された可動接触子3の閉極動作を従来に比べて遅らせることができるので、アーク電圧の急速な低下を防止でき、遮断性能に優れた回路遮断器を実現できる。
また、第1固定接点12および第2固定接点16の位置を、それぞれ第1可動接点13および第2可動接点14の閉極方向に折り返した第1駆動コイル20および第2駆動コイル13の内側面としたので、回路遮断器の開閉極方向の寸法の小形化が実現できる。
この回路遮断器の開閉極方向の寸法の小形化についてさらに詳細に説明する。従来の固定接触子、具体的には、可動接触子の中心部側で半ループ形の湾曲部により対応する可動接点の開極方向側へと折り返され、この折り返された側の他端部の外側面に固定接点が固着されている固定接触子を用いる場合、少なくとも、固定接点が固着された他端部の固定接点と反対側に、可動接点の開極方向側へと折り返される湾曲部を収納するための空間が必要となる。従って、遮断に必要な最大開極距離が同じとすると、筐体の開閉極方向の寸法は、少なくとも2つの固定接触子の湾曲部を収納するための空間分だけ余分に必要となる。
これに対して、この発明では、第1固定接触子11および第2固定接触子15を、それぞれ第1湾曲部21および第2湾曲部26にて、第1可動接点13および第2可動接点14の閉極方向に折り返すように構成し、この折り返した側の内側面にそれぞれ第1固定接点12および第2固定接点16を固着させたので、第1固定接点12および第2固定接点16がそれぞれ固着された第1固定接点板23および第2固定接点板28を、それぞれ筐体内の第1可動接点13および第2可動接点14が閉極する側の内面に近接して配置することができる。従って、従来必要であった、2つの固定接触子の湾曲部を収納するために余分に設けた空間は不要となり、その分、回路遮断器の開閉極方向の寸法を小形化することができる。
また、第1駆動コイル側部22を、回動面の一方の側方に配置し、第2駆動コイル側部27を、上記一方の側方と反対の側方に配置したので、これらを同じ側方に配置した場合に比べて第1駆動コイル側部22と第2駆動コイル側部27との間の絶縁距離を大きくでき、遮断時に発生する煤の付着などによる第1固定接触子11と第2固定接触子15との間の絶縁低下を低減できる。これにより、遮断動作後の電源側端子9と負荷側端子10の間の抵抗値が、規格で定められた所定の値以下となることを防止でき、遮断後の耐電圧性能に優れた回路遮断器を得ることができる。
また、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27を、回動面を挟んで異なる側方に配置することで、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27を回動面に対して同じ側方に設ける場合に比べ、安定的な開閉動作の実現が可能となる。
この安定的な開閉動作の実現についてさらに詳細に説明する。仮に、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27を回動面に対して同じ側方に配置した場合、可動接触子3の第1可動接点13が固着された一端と第1駆動コイル側部22との間で発生する回動軸方向の電磁吸引力と、可動接触子3の第2可動接点14が固着された他端と第2駆動コイル側部27との間で発生する回動軸方向の電磁吸引力は、同一方向となる。このため、可動接触子3は、ローター4の回動面と並行な一方の内面に上記電磁吸引力により押しつけられる。
この電磁吸引力は、短絡電流遮断などの大電流が流れる時には非常に大きな力となるので、可動接触子3が反発開放位置へと高速開極する時の摩擦力が増大するとともに、可動接触子3およびローター4が回転軸方向にずれて他部品と干渉するなどの問題が発生することがある。これらは可動接触子3の高速開極動作を遅らせる要因となるとともに、上記の他部品との干渉が生じると、遮断後に正常な再閉極ができなくなることがある。
これに対して、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27を、回動面を挟んで異なる側方に配置した場合、上述の可動接触子3の両端に作用する回転軸方向の電磁吸引力が、可動接触子3の中心部を境にして第1駆動コイル側部22側と第2駆動コイル側部27とで反対方向となる。従って、可動接触子3を回転軸方向に並進移動させる力は相殺され、可動接触子3の反発開放位置へと高速開極する時の摩擦力増大を低減できるとともに、可動接触子3およびローター4が回転軸方向にずれることによる他部品との干渉などの問題を防止でき、安定的な開閉動作の実現が可能となる。
また、第1駆動コイル側部22を、回動面のいずれか一方の側方のみに配置したので、第1駆動コイル側部22が配置されていない側の空間を利用して消弧板5の面積を拡張して第1消弧装置30の容積を大きくできる。同様に、第2駆動コイル側部27を、回動面のいずれか一方の側方のみに配置したので、第2駆動コイル側部27が配置されていない側の空間を利用して第2消弧装置31の消弧板5の面積を拡張して第2消弧装置31の容積を大きくできる。
このように消弧板5の面積を拡張することで、軟磁性材料にて製作された消弧板5の体積を増大させることができ、アークを消弧板5側に引き付ける作用を大きくできる。これにより、特に、過負荷電流以下での遮断性能が向上する。また、消弧装置30、31の容積の増加にともない熱容量が増加するので、消弧装置の損耗が低減され、短絡電流を繰返し遮断できる回路遮断器を実現できる。
また、第1駆動コイル20を、第1可動接点13が閉極する方向に開口を有する1ターン未満の短いコイルとし、第2駆動コイル25を、第2可動接点14が閉極する方向に開口を有する1ターン未満の短いコイルとしたので、通常通電時に第1および第2接点対で発生する熱を効果的に外部電線へと逃すことができ、通電の信頼性の高い回路遮断器を実現できる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2における回路遮断器の消弧装置30、31を示しており、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下においては実施の形態1と異なる点について説明をおこなう。なお、図7では、複数の消弧板5に設けた切り欠き部34の位置が分かるように、手前側の消弧側板6の一部を切り欠いている。
実施の形態1では、図1に示すように、適切な間隙をもって積層される複数の消弧板5は、回動面に平行な一対の消弧側板6に、消弧側板6の底辺に対して傾斜を持って保持されており、消弧側板6に垂直且つ開閉極方向に対して垂直の面(図1において水平方向の面)に対して非対称の形状となっている。また、消弧板5は、それぞれ回動面に対して第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27が設けられていない側方に拡張され、この拡張により第1消弧装置30と第および消弧装置31の容積をそれぞれ大きくしている。また、図5に示すように、消弧板5は、それぞれ第1接点対および第2接点対と対向する部分に、アークを引き込むための略V字状の回動面に沿った切り欠き部34を有しているので、第1消弧装置30および第2消弧装置31は回動面に対しても非対称の形状となっている。
第1可動接点13および第2可動接点14の開極方向をそれぞれ上方として、第1消弧装置30側および第2消弧装置31側から第1および第2接点対側を見た場合、第1駆動コイル側部22は第1消弧装置30右側に位置し、第2駆動コイル側部27は第2消弧装置31の左側に位置する。つまり、第1消弧装置30と第2消弧装置31とは、左右異なる方向に拡張された消弧板5を有しており、回動面に対して左右が逆の構造となっている。従って、2つの接点対を有する回路遮断器を構成するには、2種類の消弧装置を用意する必要がある。
そこで、この実施の形態では、図7に示すように、第1消弧装置30および第2消弧装置31を、それぞれ回動面に平行に配置された消弧側板6にて消弧板5を水平に保持する構成とし、さらに、第1消弧装置30および第2消弧装置31を、それぞれ開閉極方向の寸法の中心を通る水平な面(図中一点鎖線で示す)に対して面対称の構造としている。
このような消弧装置30、31を用いた回路遮断器においても、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
これに加え、上記構造の第1消弧装置30および第2消弧装置31を同一形状としても、第1消弧装置30を、消弧板5bが第1アークランナ24と対向するように配置し、第2消弧装置31を、消弧板5aが第2アークランナ29と対向するように配置することで、図1に示した回路遮断器に組み込むことができるので、第1消弧装置30と第2消弧装置31を共用化できる。
なお、図7では複数の消弧板5を全て水平に設けたが、消弧板5を、消弧側板6に垂直且つ消弧板5の積層方向の板面と交わらない面に対して面対称に配置しても、例えば回動軸方向から見て対称面が中心線となるラッパ状に配置しても、第1消弧装置30と第2消弧装置31を共用可能な構成とすることできる。仮に、消弧板5の積層方向の板面に上記対称面が交わる場合を想定すると、複数の消弧板5は、それぞれ大きさが異なり、両方に切り欠き部を有する屈曲した形状となるので、適切な消弧装置を構成することができない。
以上より、それぞれ回動面を挟んでこれと平行な一対の消弧側板6にて複数の消弧板5を適切な間隙をもって保持した第1消弧装置30および第2消弧装置31において、消弧板5が可動接触子3の端部と対向する位置に回動面に沿った切り欠き部を有し、且つ上記回転面に対して非対称な形状の場合でも、消弧側板6に垂直且つ消弧板5の積層方向の板面と交わらない面に対して面対称となるように消弧装置を構成することで、第1消弧装置30および第2消弧装置31を共用でき、安価な回路遮断器を実現できる。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3における回路遮断器の開成状態における要部を示しており、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下においては実施の形態1と異なることに限って説明をおこなう。
実施の形態1では、第1駆動コイル20と第2駆動コイル25を、同じ導体長さで構成したが、この実施の形態では、図8に示すように、中間端子17を介して検出部18に接続される第2駆動コイル25を、電源側端子9を介して外部電線に接続される第1駆動コイル20より導体長が短いコイルとしている。
このように構成された回路遮断器においても、反発開放位置の可動接触子3の第2可動接点14側の端部の一部が回動軸方向から見て第2駆動コイル25のループ外となることより、反発開放位置の可動接触子3を開極方向へ駆動する電磁力が低下することに関することを除いて、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
これに加えて、回路遮断器内で発生する熱の主たる放出先である外部電線までの熱抵抗が第1接点対に比べて大きい第2接点対での発熱を、第2駆動コイル25の導体長を短くすることで、より効率的に負荷側の外部電線に逃せるようになり、通電による回路遮断器の異常温度上昇を低減できる。
また、この発明の回路遮断器のように、一つの可動接触子3が主たる発熱源である2つの接触面にて挟まれる構成では、可動接触子3の局所的な異常温度上昇が発生しやすい。そこで、図8に示したように、第2駆動コイル25の導体長を短くすることで、可動接触子3から第2固定接触子15への伝熱効率が高まり、可動接触子3の局所的な異常温度上昇を防止できる。
なお、図8では、第2駆動コイル25の導体長を短くしたが、第1駆動コイル20の導体長を第2駆動コイル25より短くしても、上記の可動接触子3の局所的な異常温度上昇を防止できる。
以上より、第1駆動コイル20および第2駆動コイル25のいずれか一方の導体長を、他方より短くすることで、通電による異常温度上昇を防ぎ、通電の信頼性の高い回路遮断器を実現できる。
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4における回路遮断器の開成状態における要部を示しており、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下においては実施の形態1と異なることに限って説明をおこなう。なお、図9において、消弧板5の配置が分かるように、消弧板5を紙面前後方向から挟み込むように保持する消弧側板6の紙面手前側の部位を省略している。
実施の形態1では、第1駆動コイル20およびと第2駆動コイル25の形状を、それぞれ電源端子部7および中間端子17から、一旦、対応する可動接点の開極方向(上下方向)に立ち上り、続いて可動接触子3の中心部側へと水平方向に伸びて、対応する可動接点の閉極方向に折り返すように構成したが、図9に示すように、第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の形状を、それぞれ電源端子部7および中間端子17から、真直ぐに上記中心部側へと水平方向に伸ばして、対応する可動接点の閉極方向に折り返すように構成してもよい。
このように構成された回路遮断器においても、反発開放位置の可動接触子3の両端部が、それぞれ回動軸方向から見て第1駆動コイル20および第2駆動コイル25のループ外になることにより、電流ピーク以降の遮断動作後半において、第1駆動コイル20および第2駆動コイル25による可動接触子3に作用する開極方向へ電磁力が無くなることに関することを除いて、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。これに加えて得られる作用効果を以下において説明する。
第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の形状を、それぞれ電源端子部9および中間端子17から、真直ぐに上記中心部側へと水平方向に伸ばして、対応する可動接点の閉極方向に折り返す形状とすることで、実施の形態1より駆動コイル20、25の導体長さを短く出来る。これにより、第1および第2接点対で発生する熱を、より効率的に外部電線へと逃がすことができるとともに、第1駆動コイル20およびと第2駆動コイル25自体の発熱量を低減でき、回路遮断器の異常温度上昇が発生し難くなる。特に、局所的に温度上昇が発生しやすい可動接触子3の異常温度上昇を防止できる。
図10は、図9の断面A−Aを示しており、図中、第2固定接触子15側の部品は簡略化のため省略している。複数の消弧板5は、同図で示すように、第1駆動コイル側部22の側方に配置された消弧板5cと、第1駆動コイル側部22より上方に配置された消弧板5dとの2種類の消弧板にて構成されている。消弧板5cは、消弧側板6aと消弧側板6cにて保持され、消弧板5dは、消弧側板6bと消弧側板6cにて保持される。消弧板5dは、第1駆動コイル側部22のループを小さくすることで得られた第1駆動コイル側部22の上方の空間を利用して面積が拡張されており、体積が大きくなっている。
このように消弧板5dの体積を増大させることで、軟磁性材料にて製作された消弧板5dによるアークを消弧板5側に引き付ける作用が大きくなるので、特に、過負荷電流以下での遮断性能が向上する。また、消弧板5dの体積の増大ともなう熱容量の増加により、アークによる消弧板5dの損耗を低減できるので、たとえ熱容量が相対的に小さな消弧板5cがアークにより溶断しても消弧装置30、31が分解せず、繰返し遮断可能な回路遮断器が実現できる。
実施の形態5.
図11は、この発明の実施の形態5における回路遮断器の開成状態における要部を示しており、第1ヨーク35、第2ヨーク36、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38を設けたことに関する以外の構成は、実施の形態1と同様であるので、以下においては実施の形態1と異なることに限って説明をおこなう。なお、図11において、消弧板5の配置が分かるように、消弧板5を紙面前後方向から挟み込むように保持する消弧側板6の紙面手前側の部位を省略している。また、図12は、図11の上面図であり、両図には、破線にてアークの形態を模式的に示している。
この実施の形態では、図11および12に示すように、それぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の内側に板状の第1ヨーク35および第2ヨーク36を配置し、それぞれ第1接点対および第2接点対を挟んで、第1ヨーク35および第2ヨーク36に対向する第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38を設けている。この第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38は、第1ヨーク35および第2ヨーク36より左右方向の寸法が小さく、第1消弧装置30および第2消弧装置31のそれぞれ第1接点対および第2接点対と対向する面に、それぞれ対向している。なお、第1ヨーク35、第2ヨーク36、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38は、所定の方法、例えば樹脂材料などにより、アークに直接触れないように、少なくともアークに面する側が絶縁、保護されている。
このように構成された回路遮断器においても、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。これに加えて得られる作用効果を以下において説明する。
この実施の形態では、それぞれ第1ヨーク35および第2ヨーク36を回動面に対向するように第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の内側に配置することにより、可動接触子3を開極方向に駆動し、且つそれぞれアークを第1消弧装置30および第2消弧装置31へと駆動する磁場成分が強化されるので、アークが伸長する速度が速くなるとともに、第1消弧装置30および第2消弧装置31でアークを分断、冷却する時期が早まる。これにより、短絡電流発生時のアーク電圧の立ち上り速度が早まり、限流性能を向上させることができる。なお、この作用効果は、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38により一層向上させることができる。
また、多極回路遮断器では各極の駆動コイル20、25が平行に配置されるが、隣り合う極で逆位相の電流を遮断する場合、当該極の可動接触子3の開極動作およびアークの駆動に対して、当該極の隣の極の駆動コイル20、25が発生する磁場が悪影響をおよぼし、遮断性能を低下させることがある。第1ヨーク35および第2ヨーク36を設けることで、この悪影響をおよぼす磁場の成分を遮蔽できるので、上記の遮断性能の低下を防止することができる。なお、この作用効果は、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38により一層向上させることができる。
また、図12に示すように、それぞれ第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38を、第1ヨーク35および第2ヨーク36より小さくし、それぞれ第1消弧装置30の第1接点対の側の面、および第2消弧装置31の第2接点対の側の面に対向するようにしたので、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38を小さくしたことにより得られた空間を利用して、消弧板5の面積を拡張して体積を大きくできる。
このように消弧板5の体積を増大させることで、軟磁性材料にて製作された消弧板5によるアークを消弧板5側に引き付ける作用が大きくなるので、特に、過負荷電流以下での遮断性能が向上する。また、消弧板5の体積の増大により熱容量が増えるので、アークによる消弧板5の損耗を低減でき、短絡電流を繰返し遮断可能な回路遮断器が実現できる。
さらに、軟磁性材料で製作されるヨーク35、36、消弧板5および補助ヨーク37、38にて、それぞれ第1消弧装置30および第2消弧装置31において、擬似的に消弧板5の面積が拡張された場合と同質の磁気回路が構成されるので、上記のアークを消弧板5側に引き付ける作用がさらに大きくなる。
例えば、図12において、第2消弧装置31、第2ヨーク36および第2補助ヨーク38に注目すると、第2ヨーク36の中間端子17側の部位により消弧板5の上下方向の寸法が擬似的に拡大し、第2ヨーク36の可動接触子3の中心部側の部位と第2補助ヨーク38とにより、消弧板5の略V溝を有する部分が擬似的に右方向に拡大していること分かる。これは、第1消弧装置30側においても同様であり、第1ヨーク35により、消弧板5の上下方向の寸法が擬似的に拡大し、第1ヨーク35と第1補助ヨーク37とにより、消弧板5のV溝を有する部分が擬似的に左方向に拡大している。この消弧板5の磁気的な擬似的拡大により、アークを消弧板5側に引き付ける作用がさらに大きくなり、遮断性能を一層向上させることができる。
なお、この実施例では、それぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の内側に、当該駆動コイルの内側のループ形状に沿うような板状の第1ヨーク35および第2ヨーク36を設けたが、回路遮断器の幅寸法(各極が隣り合う方向の寸法)による制限を満たせる場合、隣極との隔壁と第1駆動コイル20および第2駆動コイル25との間に、それぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の外側のループ形状に沿うように面積を拡大した第1ヨーク35および第2ヨーク36を設けてもよい。このような構成においても、第1駆動コイル30および第2駆動コイル31の可動接触子3を開極方向に駆動し、アークを対応する消弧装置30、31へと駆動する磁場が強化されるとともに、特に、隣極の磁場の悪影響を遮蔽する効果がより強化される。
実施の形態6.
実施の形態5では、第1ヨーク35および第2ヨーク36を、それぞれ第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27のループ内のほぼ全面にわたって配置し、第1消弧装置30および第2消弧装置31の一方の消弧側板6と対向するように設けたが、図13に示すように、第1ヨーク35および第2ヨーク36をそれぞれ第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38とほぼ同一寸法に縮小し、この寸法の縮小にともない得られる空間を利用して、第1消弧装置30および第2消弧装置31の消弧板5の面積を拡張してもよい。
このように消弧板5の面積を拡張させることで、消弧板5の体積を一層増大させることができるので、軟磁性材料にて製作された消弧板5によるアークを消弧板5側に引き付ける作用をより大きくでき、過負荷電流以下での遮断性能がより向上する。また、消弧板5の熱容量がより増加するので、アークによる消弧板5の損耗をより低減でき、短絡電流を繰返し遮断可能な回路遮断器が実現できる。
なお、実施の形態5および6では、第1ヨーク35および第1補助ヨーク37の第1接点対が開閉する方向の寸法、並びに第2ヨーク36および第2補助ヨーク38の第2接点対が開閉する方向の寸法を、それぞれ閉成状態のみならず開成状態の第1可動接点13および第2可動接点14を挟み込む高さとしたが、この高さを閉成状態の可動接触子3の第1可動接点13および第2可動接点14がそれぞれ固着された端部を側方から挟み込む程度の高さとしてもよい。このような高さのヨーク35、36および補助ヨーク37、38を設けることで、開極初期の可動接触子およびアークに、これらを駆動させる磁場を集中させることができ、第1および第2接点対の開極初期の開極速度を高めて、電流ピークを低減することができる。
また、実施の形態5および6では、第1固定接触子11および第2固定接触子15に対応して、それぞれヨーク35、36および補助ヨーク37、38の両方を設けたが、例えば、必要な通電性能を確保するために第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27の導体断面を大きくとる必要がある場合、第1駆動コイル20および第2駆動コイル25のループ内の空間が小さくなりヨークを設置することが困難となることがある。このような場合は、回動面の駆動コイル側部22、27が設置されていない側の補助ヨーク37、38のみを設置して、可動接触子3を開極方向に駆動し、且つそれぞれアークを第1消弧装置30および第2消弧装置31へと駆動する磁場成分を強化してもよい。
また、実施の形態5および6では、ヨーク35、36および補助ヨーク37、38を、第1固定接触子11および第2固定接触子15の両方に対応して設けたが、どちらか一方の固定接触子のみに対応して設けてもよい。
以上より、回動面の少なくとも一方の側方に配置され、且つ回動面と垂直な方向で閉成状態の可動接触子3の端部と対向するヨーク35、36または補助ヨーク37、38を設けることで、当該駆動コイルの可動接触子3およびアークを駆動する磁場を強化でき、遮断性能を向上させることができる。
実施の形態7.
図14は、この発明の実施の形態7における回路遮断器の3極分の消弧ユニット39を示す斜視図であり、極毎に可動接触子3および固定接触子11、15などをユニットケース40にて収納し、この3極分の消弧ユニット39を並置して連結棒19にて貫通させ、ベース1とカバー7にて収納して3極回路遮断器を構成すること、および各極に第1ヨーク35と第2ヨーク36とを設けることに関すること以外は、実施の形態1と同様であるので、以下においては実施の形態1と異なることに限って説明をおこなう。図15は、図14における切断面Sを図中の矢印の方向から見た断面図である。
実施の形態1では、可動接触子3、ローター4、接圧発生手段2、第1固定接触子11、第2固定接触子15、第1消弧装置30および第2消弧装置31などを、外部筐体を構成するベース1およびカバー7にて直接収納したが、この実施の形態では、これらを極毎にユニットケース40にて収納して極毎の消弧ユニット39を構成し、この消弧ユニット39を3極分並置して連結棒19にて貫通させ、これをベース1およびカバー7にて収納して3極回路遮断器を構成している。ユニットケース40は、極毎に回動面を両側から挟み込むように組み合わされるユニットケース40a、40bにて構成されており、極間の絶縁の確保は極間に位置するユニットケースの部位にておこなうので、実施の形態1で示したような、極間を絶縁するためにベース1とカバー7とに設けられた隔壁は必要ない。
また、ユニットケース40a、40bの外側の壁面に設けた窪み部に、それぞれ第1ヨーク35および第2ヨーク36を収納することで必要な絶縁を確保している。さらに、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27も、それぞれユニットケース40a、40bの外側の壁面に上記コイル側部形状に沿った形の窪みを設けて収納され、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27の必要な絶縁を確保するとともに、アークが第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27に転流しないようにユニットケース40にて保護、隔離している。
さらに、複数の消弧ユニット39を開閉極方向から見たときに、当該極の第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27が、隣極の第1駆動コイル側部22または第2駆動コイル側部27と対向しないように、各極の第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27は、回動面に対して異なる側方に配置されている。
第1駆動コイル側部22から第1固定接点板23につながる部位、および第2駆動コイル側部27から第2固定接点板28につながる部位は、それぞれユニットケース40に設けられた貫通穴によりケース内部へと導入される。ユニットケース40a、40bには、連結棒19を貫通させるための長孔41が設けられており、この長孔41は、操作機構の開閉動作をローター4に伝達する連結棒19の動きを阻害しないように円弧状としている。また、ユニットケース40a、40bの内側の面には、ローター4の回動を案内する円周状のリブ42が設けられている。
また、短絡遮断時には、アークの発生にともない筐体内の圧力が上昇して筐体に非常に大きな力が作用するが、この実施の形態では、主にユニットケース40により上記力を受けている。そのため、ユニットケース40は、機械的強度の大きい絶縁部材、例えば、ガラス繊維にて強化された高強度樹脂などにて製作されている。
このように構成された回路遮断器においても、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。これに加えて得られる作用効果を以下において説明する。
この実施の形態では、ユニットケース40の外壁面の窪みに配置された第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27に、開極した可動接触子3およびアークを流れる電流の影響により、それぞれユニットケース40を内側に押す電磁力が発生する。一方、短絡遮断時には、内圧の上昇にともなうユニットケース40を外側へと押す力が発生するので、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27をユニットケース40の外壁面に設けることで、上記内側に押す電磁力で上記外側に押す力を相殺でき、短絡遮断時の筐体割れを防止できるとともに、ユニットケース40の製作に使用する高強度材料をより安価なものへと変更することができる。
また、各極の第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27が、回動面に対して異なる側方に配置されるので、特に、3極回路遮断器をハンドル8が設けられる操作面側から見て、左右の極の中央の極に面していない左右の外壁面が、内圧上昇により割れることを防止する効果が得られる。
この左右の外壁面の割れ防止について、さらに詳細に説明する。アークによる内圧上昇が発生した場合、左右の極の中央の極側の壁面は、隣極のユニットケース40と接しているので、この隣極のユニットケース40で支えられる。さらに、上記中央の極側の壁面は、隣極内部で発生した圧力により隣極のユニットケース40を介して当該極の内側へと押されるので、内圧上昇にともなう力の一部が相殺される。このような理由で、上記中央の極側の壁面での筐体割れは発生し難い。一方、上記左右の外壁面では、このような、隣極のユニットケース40での支え、および隣極の内圧上昇にともなう力の相殺は起こらないので、上記中央の極側の壁面より筐体割れが発生しやすい。
ここで、仮に、各極の第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27が回動面に対して同じ側方に配置され、同一構成の消弧ユニットを3極並置して回路遮断器を構成した場合を想定する。この場合、上記左右の外壁面のどちらか一方には、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27の両方が配置されるが、他方には、いずれの駆動コイル側部も配置されない。この他方では、上述の駆動コイル側部22、27がユニットケース40を内側に押す電磁力は得られず、回路遮断器で最も筐体割れが発生しやすい壁面となる。そのため、このような弱点部分の筐体割れを防止するため、高価な高強度材料を使用する、筐体壁厚を厚くする、および遮断容量を制限するなどの対策が必要である。
これに対して、この実施の形態の構成では、各極の第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27が回動面に対して異なる側方に配置されるので、上記左右の外壁面には、必ず1つの駆動コイル側部が配置され、上述のような弱点部分は生じない。上記左右の外壁面では、必ず第1駆動コイル側部22もしくは第2駆動コイル側部27に発生するユニットケース40を内側に押す電磁力を用いて、内圧によるユニットケース40を外側に押す力の一部を相殺できる。これにより、より安価な材料を筐体に使用することができる、筐体壁厚を薄くでき使用する筐体材料を減らせる、および筐体割れで制限されていた遮断容量を格上げできるなどの効果が得られる。つまり、より安価で高い遮断容量の回路遮断器を提供することができる。
また、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27を回動面の異なる側方に設けて、第1駆動コイル側部22と第2駆動コイル側部27との間の絶縁距離を同じ側方に配置した場合より大きくしていることは実施の形態1と同様であるが、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27をユニットケース40に設けた窪み部に収納することにより、第1駆動コイル側部22と第2駆動コイル側部27との間の絶縁をさらに強化できる。これにより、遮断動作時に発生する導電性の煤による電源側端子9と負荷側端子10の間の抵抗値が、規格で定められた所定の値以下となることを防止でき、遮断後の耐電圧性能に優れた回路遮断器を得ることができる。
また、第1ヨーク35および第2ヨーク36をそれぞれ第1駆動コイル20および第2駆動コイル25の内側に設けることで、可動接触子3を開極方向に駆動し、且つアークをそれぞれ第1消弧装置30および第2消弧装置31へと駆動する磁場成分が強化できる。これにより、アークが伸長する速度が速くなるとともに、第1消弧装置30および第2消弧装置31でアークを分断、冷却する時期が早まるので、短絡電流発生時のアーク電圧の立ち上り速度が早まり、限流性能を向上させることができる。
また、隣り合う極で逆位相の電流を遮断する場合、当該極の可動接触子3の開極動作およびアークの駆動に対して、当該極の隣の極の駆動コイル20、25が発生する磁場が悪影響をおよぼし、遮断性能を低下させることがある。この悪影響をおよぼす磁場の成分は、第1ヨーク35および第2ヨーク36を設けることで遮蔽できるので、上記の遮断性能の低下を防止することができる。
なお、この実施の形態では、磁場を強化する手段として第1ヨーク35および第2ヨーク36を設けたが、これらに加え、図11および図12で示したように、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38を設けてもよく、このような構成を用いることで実施の形態5と同様の作用効果が得られる。
また、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38を設ける場合、第1ヨーク35および第2ヨーク36と同様に、第1補助ヨーク37および第2補助ヨーク38をユニットケース29の外側の面に窪みを設けて収納してもよい。
なお、実施の形態1乃至7では、第1駆動コイル側部22および第2駆動コイル側部27を、回動面を挟んで異なる側方に配置したが、第1駆動コイル側部22と第2駆動コイル側部27を、それぞれ回動面を挟んで同じ側方に配置しても、上述の反対側の固定接触子による可動接触子を閉極方向へ押し戻す電磁反発力に起因したアーク電圧の急速な低下を防止できる。
1 ベース、2 接圧発生手段、3 可動接触子、4 ローター、5、5a、5b、5c、5d 消弧板、6、6a、6b、6c 消弧側板、7 カバー、8 操作ハンドル、9 電源側端子、10 負荷側端子、11 第1固定接触子、12 第1固定接点、13 第1可動接点、14 第2可動接点、15 第2固定接触子、16 第2固定接点、17 中間端子、18 検出部、19 連結棒、20 第1駆動コイル、21 第1湾曲部、22 第1駆動コイル側部、23 第1固定接点板、24 第1アークランナ、25 第2駆動コイル、26 第2湾曲部、27 第2駆動コイル側部、28 第2固定接点板、29 第2アークランナ、30 第1消弧装置、31 第2消弧装置、32 第1排気路、33 第2排気路、34 切り欠き部、35 第1ヨーク、36 第2ヨーク、37 第1補助ヨーク、38 第2補助ヨーク、39 消弧ユニット、40、40a、40b ユニットケース、41 長孔、42 リブ。

Claims (5)

  1. 第1および第2固定接点がそれぞれ端部に固着された第1および第2固定接触子と、
    上記第1および第2固定接点とそれぞれ接点対を構成する第1および第2可動接点と、
    中心部で回動自在に保持され、両端部にそれぞれ上記第1および第2可動接点が固着され、閉成状態において上記第1および第2固定接点を電気的に接続し、且つ上記第1および第2固定接触子との間で働く電磁力を利用して開極する可動接触子とを備え、
    上記第1固定接触子は、上記中心部より上記第1固定接点側に配置され、且つ上記第1固定接点に発生するアークを上記中心部と反対側に駆動する磁場を発生する第1駆動コイルを有し、
    上記第1駆動コイルは、上記可動接触子の回動の軌跡を含む面の一側方に上記回動の軌跡を含む面に沿って配置される第1駆動コイル側部と、上記第1固定接点が内側面に固着されて上記第1駆動コイル側部の端部につながる第1固定接点板とを有し、且つ、上記第1駆動コイル側部の上記中心部側の少なくとも一部と上記第1固定接点板とで、上記中心部側に伸びるとともに上記第1可動接点の閉極方向側へと折り返される第1湾曲部を形成し、
    上記第2固定接触子は、上記中心部より上記第2固定接点側に配置され、且つ上記第2固定接点に発生するアークを上記中心部と反対側に駆動する磁場を発生する第2駆動コイルを有し、
    上記第2駆動コイルは、上記回動の軌跡を含む面の上記第1駆動コイル側部が設けられていない側の側方に、上記回動の軌跡を含む面に沿って配置される第2駆動コイル側部と、上記第2固定接点が内側面に固着されて上記第2駆動コイル側部の端部につながる第2固定接点板とを備え、且つ、上記第2駆動コイル側部の上記中心部側の少なくとも一部と上記第2固定接点板とで、上記中心部側に伸びるとともに上記第2可動接点の閉極方向側へと折り返される第2湾曲部を形成していることを特徴とする回路遮断器。
  2. 可動接触子の端部と対向する位置に可動接触子の回動の軌跡を含む面に沿った切り欠き部を有し、且つ上記軌跡を含む面に対して非対称な形状の複数の消弧板を、それぞれ間隙をもって積層された状態で、上記軌跡を含む面に平行に配置される一対の消弧側板にて保持した第1および第2消弧装置を有し、この第1および第2消弧装置は、上記消弧側板に垂直且つ上記消弧板の積層方向の板面と交わらない面に対して、それぞれ面対称であることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. 第1および第2駆動コイルは、いずれか一方が他方より短い導体長を有することを特徴とした請求項1または2に記載の回路遮断器。
  4. 可動接触子の回動の軌跡を含む面の少なくとも一方の側方に配置され、且つ上記軌跡を含む面と垂直な方向で閉成状態の可動接触子の端部と対向するヨークまたは補助ヨークを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回路遮断器。
  5. 第1および第2駆動コイルは、それぞれ第1および第2可動接点が閉極する方向に開口を有する1ターン未満のコイルであることを特徴とした請求項1乃至4のいずれかに記載の回路遮断器。
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