JP6160106B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

本発明は、消弧装置を備えた回路遮断器に関する。
負荷電路に流れる短絡電流、又は過負荷電流の過電流を遮断するために、配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器が用いられている。
回路遮断器は、固定接触子に対して可動接触子が接触動作、或いは離間動作を行なって主回路の開閉を行なう際に、固定接触子の固定接点及び可動接触子の可動接点の間で生じるアークが消弧装置で消弧される。
消弧装置としては、アークを誘引する切欠溝を有するU字形状又はV字形状に形成された磁性板と、この磁性板の表面を被覆するとともにアークの熱により熱分解ガスを発生する絶縁体とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−126135号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、遮断器全体の外形寸法の制約から、消弧装置に許容される容積に制約があり、伸長できるアーク長にも限界がある。その制約のもとで、アーク長を伸ばすために磁性板の表面を絶縁体で被覆しているため、電極降下電圧を有効利用する遮断性能の向上は期待できない。したがって、アークを磁性板で分断させる機能が得られないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上述した従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、回路遮断器の限られた寸法の中で、アーク電圧を高め、より高い遮断性能を得るために、アーク長をより長く伸長させるとともに、アークの分断を行ってアークの消弧を確実に行うことができる回路遮断器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器は、本体ケース内に、固定接点を有する固定接触子と、前記固定接点に対して接離可能な可動接点を有する可動接触子と、電流遮断時に発生するアークを消弧する複数のグリッドが所定間隔を保って層状に配置された消弧室と、アークガスを外部に放出する排気口とを備えた回路遮断器である。そして、前記複数のグリッドは、前記排気口側のグリッド基部と、前記可動接触子側で当該可動接触子を挿通する切欠部を形成したグリッド脚部とを有する導体板と、該導体板を、前記切欠部の底部に連接し前記グリッド基部を露出させたアーク移動部を残して被覆する絶縁被覆部とを備えている。前記アーク移動部は、前記可動接触子の回動面を挟んで非対称形状に形成されている。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記アーク移動部が、前記グリッド脚部の切欠部の底部から前記排気口側に行くに従い前記グリッド基部の一方の側部に近づく傾斜延長部を有している。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記アーク移動部が、前記傾斜延長部の排気口側の端部側に前記一方の側部と平行な平行延長部を連接している。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記上下に隣接するグリッドは、一方のグリッドの他方のグリッドとの対向面に形成されたアーク移動部と、他方のグリッドの一方のグリッドとの対向面に形成されたアーク移動部とが上面視で前記可動接触子の回動面を挟んで対称となるように配置されている。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記複数のグリッドが、表面及び裏面にそれぞれ前記アーク移動部を形成し、表面側のアーク移動部と裏面側のアーク移動部とを上面視で前記可動接触子の回動面を挟んで対称に形成している。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記複数のグリッドが、表面及び裏面にそれぞれ前記アーク移動部を形成し、表面側のアーク移動部と裏面側のアーク移動部とを上面視で重なるように形成し、上下に隣接するグリッドは一方のグリッドに対して他方のグリッドが表裏反転されて配置されている。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記アーク移動部の前記排気口側の端部が、前記絶縁被覆部で被覆されている。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記導体板が磁性材料で形成されている。
また、本発明の一態様に係る回路遮断器は、前記絶縁被覆部が高分子絶縁材料で形成されている。
本発明に係る回路遮断器によると、複数のグリッドを構成する導体板を、可動接触子の回動面を挟んで非対称なアーク移動部を残すように絶縁被覆部で被覆するので、隣接するグリッド間のアーク移動部でアークをより長く伸長してアーク電圧を高めるともに、アーク移動部でアークを分断してより高い遮断性能を得ることができる。
本発明に係る回路遮断器の第1の実施形態を示す要部断面図である。 図1の消弧室の構成を示す斜視図である。 消弧室のグリッドを示す斜視図である。 消弧室のグリッドの形状を示す図である。 消弧室のグリッド配置とグリッド表裏形状を示す図である。 開極状態を示す斜視図である。 図5のA−A線断面、B−B線断面及びC−C線断面におけるアーク移動経路を示す説明図である。 従来例の開極状態のアーク移動経路を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態を示すグリッドの形状を示す図である。 第2の実施形態における消弧室のグリッド配置とグリッド表裏形状を示す図である。 第2の実施形態における図10のA−A線断面、B−B線断面及びC−C線断面におけるアーク経路を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態を示すグリッド形状を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る3極回路遮断器(以下、回路遮断器と称する)100の要部縦断面図である。
本実施形態の回路遮断器100は、図1に示すように、本体ケース1及びカバー2からなる絶縁容器内に、本体ケース1に固定された固定接触子3と、開閉機構(図示せず)により開閉駆動される可動接触子4とからなる遮断部が設けられている。
固定接触子3は、図2とともに参照して明らかなように、一端に固定接点3aを有し、他端に電源側端子3bが一体形成されている。この固定接触子3は、本体ケース1の底部に固定された底板部3cと、この底板部3cの右端側がU字状に折曲られて上板部3dが形成されている。この上板部3dの上面に固定接点3aが形成され、この固定接点3aの先端側にアークランナー11が形成されている。また、底板部3cの左端側にはクランク状の折曲部が形成されてその先端が電源側端子3bとされている。
このように、固定接触子3の固定接点3aを底板部3cからU字状に折り曲げた上板部3dに形成することにより、可動接触子4を流れる電流の方向と逆方向に電流を流すことができ、開極時の可動接触子4の反発力を大きくすることができる。
また、アークランナー11は、下面及び両側面が上面を開放したコ字状断面を有する磁性体12で囲まれている。
可動接触子4は、図1に示すように、一端の下面側に固定接点3aと接触する可動接点4aを有し、他端が本体ケース1に配設された支持軸13に回動可能に支持されている。
また、図1に示すように、本体ケース1内には可動接触子4の可動接点4aの移動軌跡を囲む位置に消弧室15が配置され、この消弧室15に対向する本体ケース1の左端上方位置に消弧室15で発生したアークガスを外部に排出する排気口16が形成されている。
消弧室15は、図2に示すように、複数例えば13枚(図2では7枚として描いている)のグリッド17が排気口16に向かって前上がりに傾斜した状態で、図4(d)及び(e)に示す消弧室15を形成する側面支持板18a及び18bに上下方向に所定間隔を保って層状に平行配置されている。
グリッド17のそれぞれは、図3及び図4に示すように、磁性体で構成された導体板19が表裏のアーク移動部20P及び20Bとなる部位及び後述する切欠部24の円形開口部24cの内周面を露出させた状態で高分子樹脂材を使用した絶縁被覆部21で覆われている。
導体板19は、排気口16側の平板状のグリッド基部22と、このグリッド基部22の可動接触子4側に連接するグリッド脚部23とで構成されている。
グリッド脚部23は、可動接触子4側の端部における中央部から排気口16側に可動接触子4を挿通する切欠部24が形成されている。この切欠部24は、可動接触子4側に形成されたV字状開口部24aと、このV字状開口部24aの頂部から排気口16側に延長する延長開口部24bと、この延長開口部24bの底部に形成された円形開口部24cとで構成されている。
表面側のアーク移動部20Pは、図4(d)に示すように、グリッド17の表面側で切欠部24の円形開口部24cの側縁から背面側の側面支持板18b側に左後方に傾斜延長する傾斜延長部25aと、この傾斜延長部25aの先端から側面支持板18bに沿って排気口16側端部まで延長する平行延長部25bとで構成されている。したがって、表面側のアーク移動部20Pは、上面視で可動接触子4の回動面26を挟んで前後非対称に形成されている。
また、裏面側のアーク移動部20Bは、図4(e)に示すように、グリッド17の裏面側で切欠部24の円形開口部24cの側縁から背面側の側面支持板18b側に左前方向に傾斜延長する傾斜延長部27aと、この傾斜延長部27aの先端から側面支持板18bに沿って排気口16側端部まで延長する平行延長部27bとで構成されている。したがって、裏面側のアーク移動部20Bも、上面視で可動接触子4の回動面26を挟んで前後非対称に形成されている。さらに、表面側のアーク移動部20Pと裏面側のアーク移動部20Bとは、図3、図4(a)及び(c)に示すように上面視で互いに重なるように形成されている。
そして、上記構成を有するグリッド17が、図5に示すように、最上段のグリッド17については表面を上面として配置し、その下側のグリッド17については表裏反転した状態で裏面側を上面として配置する。すなわち、上から奇数段のグリッド17については表面を上面として配置し、上から偶数段のグリッド17については表裏反転させて裏面を上面として配置する。
このように、グリッド17を配置することにより、隣接する2つのグリッド17の互いの対向面のアーク移動部20B同士又はアーク移動部20P同士となり、両者を上面から透視するとアーク移動部20B又はアーク移動部20Pが可動接触子4の回動面を挟んで前後対称に配置されることになる。すなわち、隣接する上下のグリッド17のうち一方側の下面では側面支持板18b側に沿ってアーク移動部20B(又は20P)が配置され、他方側の上面では側面支持板18a側に沿ってアーク移動部20B(又は20P)が配置される。
次に、上記第1の実施形態の動作を図6〜図8を伴って説明する。
今、図1に示すように、可動接触子4の可動接点4aが固定接触子3の固定接点3aに接触しており、電源側端子3bから入力される直流電力が固定接点3a及び可動接点4aを経て可動接触子4から負荷側接続端子(図示せず)に流れている閉極状態にあるものとする。
この状態で、負荷電路に短絡電流や過負荷電流の過電流が流れたときに、固定接点3aと可動接点4aとの間に集中電流による電磁反発力が働き、可動接触子4は図示しない接触スプリングの付勢力に抗して開極する。そして、可動接触子4の可動接点4aが固定接触子3の固定接点3aから離間すると同時に固定接点3a及び可動接点4a間にアークが発生する。
このアーク30は、アークの周囲に磁束が発生し、発生した磁束は磁性体12に集中し、その一部が磁性体12の内側でアーク30と鎖交する。このように磁束がアーク30と鎖交することにより、アーク30は図6の矢印Yで示すように固定接点3aからアークランナー11の表面へと移行し、固定接点3aの摩耗が緩和される。
また、アーク30がアークランナー11の表面へ移行するとともに、可動接触子4が接触スプリング(図示せず)に抗して上方に移動することにより、アークが図7に示すように、アークランナー11と可動接触子4の可動接点4aとの間で発弧を継続する。このとき、アーク30によって発生した磁束は各グリッド17にも集中し、この磁束が各グリッド17の切欠部24の円形開口部24c内でアーク30と鎖交することにより、アーク30が切欠部24の円形開口部24c側に誘引される。次いで、アーク30は図7に示すように、導体板19が露出しているアーク移動部20P及び20Bに沿ってグリッド17間を排気口16側に伸長される。
このときのアーク30の伸長過程を、図7を伴って説明する。
可動接触子4が開極状態となって、最上段のグリッド17の上方まで回動すると、その 初期段階では、アークランナー11と可動接点4aとの間に発生したアーク30は、図7(a)に示すように、グリッド17の切欠部24における円形開口部24c内で略直線状に延長している。このアーク30は、磁性体の導体板19で構成されたグリッド17との間に作用する電磁誘導によって円形開口部24c内から導体板19が露出しているアーク移動部20P及び20Bに沿って排気口16方向へ移動する。
このように、アーク30がアーク移動部20P及び20Bに沿って排気口16側に移動することにより、アークランナー11からのアーク電流Iaは、図7(b)に示すように、最下段のグリッド17でアーク移動部20Bから導体板19内部を通ってアーク移動部20Pに流れる。そして、アーク移動部20Pからアークとなって上段側のグリッド17のアーク移動部20Pに達し、導体板19内を通って反対側のアーク移動部20Bからアークとなってその上段側のグリッド17のアーク移動部20Bに達することを繰り返して、ジグザグ状のアーク電流路が形成されてアークが伸長されてアーク電圧が高くなる。このとき、各グリッド17でアーク電流が導体板19内を通ることにより、アークが分断され、このアークの分断によって発生する電極降下電圧も利用することができ、アーク電圧をさらに高くすることができる。
このようにして、アーク30が排気口16側に向かうにしたがって、上下のグリッド17間で対向するアーク移動部20B又は20P間の前後方向距離が増加することにより、よりアークが伸長される。その後、アークが排気口16の近くの平行延長部25bに達すると、図7(c)に示すように上下のグリッド17間で最大距離伸長されることにより、アークの伸長長さが最大となり、これに伴ってアーク電圧も最大となり、短絡回路を流れる電流を限流させ、このアーク電圧が電源電圧を超えることによりアークが消弧される。
さらに、グリッド17の表面の絶縁被覆部21として高分子樹脂絶縁材料を使用することにより、高温のアークによって高分子樹脂から気化したアブレーションガスが発生し、このアブレーションガスでアークを冷却することよりさらにアーク電圧を高めることが可能となる。
なお、電流を遮断する際に発生したアークガスはグリッド17の傾斜面に沿って上昇し、消弧室15の左端側の排気口16から外部へ放出される。
このように、上記第1の実施形態によれば、限られた回路遮断器の消弧室15内でも上下のグリッド17間のアーク移動部20P及び20B間でアークを伸長させるので、アークの伸長長さを十分に長くすることができ、アーク電圧を高めて遮断性能を向上させることができる。
また、アーク移動部20P及び20B間の間隔はアークが排気口16側に移動するに応じて順次長くなるので、アークの伸長を円滑に行うことができる。
しかも、アークが導体板19を露出させたアーク移動部20P及び20Bに到達したときに、導体板19内をアーク電流が通過することによりアークが分断され、アークの分断によって発生する電極降下電圧を利用してアーク電圧をさらに高めることができる。したがって、遮断性能をより向上させることができる。
さらに、上記第1の実施形態では、同一形状の1種類のグリッド17を使用して偶数段位置において長手方向中心線で表裏反転して配置することにより、上段側のグリッド17のアーク移動部20P(又は20B)と下段側のグリッド17のアーク移動部20P(又は20B)とを上面視で可動接触子4の回動面を挟んで対称に配置することができ、部品点数を最小限とすることができるとともに、グリッド17の生産性の向上を図ることができる。
ちなみに、前述した従来例では、図8に示すように、グリッド17の全面が絶縁被覆部21で覆われているので、アーク30がグリッド17間で伸長されるだけとなり、アークが分断されることがない。このため、アークの伸長長さが短くなるとともに、アークの分断によって発生する電極降下電圧を有効利用することができず、遮断性能が低下することになる。
しかしながら、上記第1の実施形態によると、アークの伸長長さを従来例に比較して長くすることができるとともに、アークをグリッド17で分断して電極降下電圧を有効利用することができ、アーク電圧をより高くすることができ、遮断性能をより向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図9を伴って説明する。
この第2の実施形態では、グリッドに形成するアーク移動部の配置を表裏で対称的配置するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図9に示すように、グリッド17の表面には前述した第1の実施形態と同様に傾斜延長部25a及び平行延長部25bを有するアーク移動部20Pを形成している。しかしながら、裏面側のアーク移動部20Bについては、図9(c)で明らかなように、上面視でアーク移動部20Pの形状に対して可動接触子4の回動面26を挟んで面対称となるように配置している。
すなわち、裏面側のアーク移動部20Bについては、傾斜延長部27aが表面側のアーク移動部20Pとは逆に前側の側面支持板18a側に傾斜しており、その先端に連接する平行延長部27bも前側の側面支持板18aに沿って延長している。
このため、消弧室15にグリッド17を配置する場合に、図10に示すように、全てのグリッド17について表面側を上面として積層状態で配置することにより、図10(a)に示すように、隣接する上下のグリッド17間で互いの対向面の裏面側アーク移動部20Bと表面側アーク移動部20Pとが可動接触子4の回動面26を挟んで面対称に配置される。
上記以外の構成については前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
次に、上記第2の実施形態の動作について図11を伴って説明する。
この第2の実施形態では、グリッド17の表裏に形成されているアーク移動部20P及び20Bが上面視で透過して見たときに、可動接触子4の回動面26を挟んで前後対称に形成されている。このため、開極初期では、図11(a)に示すように、前述した第1の実施形態と同様に、アークランナー11と可動接点4aとの間に発生するアーク30が直線状に延長している。
しかしながら、アーク30がアーク移動部20P及び20Bに到達すると、グリッド17の表裏に上面視で前後方向に対称的なアーク移動部20P及び20Bが形成されているので、裏面側のアーク移動部20Bに到達したアークによる電流が導体板19内を前後方向に前述した第1の実施形態における板厚分の距離より長い長さとなる表面側のアーク移動部20Pまで通ることになり、この長さの増加分導体板19の抵抗値が大きくなる。この結果、アーク電圧をより高めることができる。
したがって、導体板19を高抵抗材料で形成することにより、より抵抗値を大きくしてアーク電圧をさらに高めることが可能となる。
そして、アーク30がアーク移動部20P及び20Bの平行延長部25bに到達すると、図11(c)に示すように、アーク30の伸長長さが最大となるとともに、導体板19内の通過距離も最大となってアーク電圧も最大となり、電源電圧を超えることにより、アークが消弧される。
この第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同様に隣接する上下のグリッド17におけるアーク移動部20P及び20Bによってアークを伸長することができるとともに、グリッド17でアークを分断することができ、アークを確実に消弧することができる。
しかも、導体板19を通るアーク電流の電流路が長くなり、抵抗値を第1の実施形態に比較して大きくすることができるので、アーク電圧をより高めることができる。ここで、導体板19として電気抵抗の大きな材料を適用することにより、ジュール損失によりさらにアーク電圧を高めることができる。このため、アーク電圧を前記第1の実施形態と略同一値とする場合には、グリッド17の枚数を低減することが可能となり、消弧室15のサイズを減少させて、より小型な回路遮断器を構成することが可能となる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、アーク移動部20P及び20Bをグリッド17の排気口16側端部まで形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図12に示すように、アーク移動部20P及び20Bの排気口16側端部を絶縁被覆部21で完全に被覆してアーク移動停止部31を形成するようにしてもよい。この場合には、分断されたアーク30がアーク移動部20P及び20Bの端部に到達して消弧室15の外側で再結合してアーク電圧が上がらず遮断ができなくなる問題が発生することを防止できる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、アーク移動部20P及び20Bが切欠部24の円形開口部24cから左後方に斜めに傾斜する直線状の傾斜延長部25aを有する場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、傾斜延長部25aに代えてC字状に湾曲する湾曲延長部を設けるようにしてもよい。さらには、傾斜角の異なる複数の傾斜延長部を組み合わせて傾斜延長部を形成するようにしてもよい。要は、アークがグリッド17の一方の端部側に移動できるように導体板19を露出させればよいものである。
また、上記第1及び第2の実施形態では、グリッド17の枚数が13枚である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、グリッド枚数は遮断する電源電圧に応じた目標アーク伸長長さや目標アーク電圧に応じて任意に設定することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態において、グリッド17を構成するグリッド脚部23の切欠部24の形状はV字状開口部24aに限定されるものではなく、U字開口部を適用することもできる。
また、上記第1及び第2の実施形態において、アークランナー11を省略したり、固定接触子3のU字状折り返し部をJ字状折り返し部に変更したり、さらには折り返し部を省略して底板部3cに直接固定接点3aを形成するようにしてもよい。
100…回路遮断器、1…本体ケース、2…カバー、3…固定接触子、3a…固定接点、4…可動接触子、4a…可動接点、11…アークランナー、15…消弧室、16…排気口、18a,18b…側面支持板、19…導体板、20P,20B…アーク移動部、21…絶縁被覆部、22…グリッド基部、23…グリッド脚部、25a,27a…傾斜延長部、25b,27b…平行延長部、26…回動面、30…アーク

Claims (9)

  1. 本体ケース内に、固定接点を有する固定接触子と、前記固定接点に対して接離可能な可動接点を有する可動接触子と、電流遮断時に発生するアークを消弧する複数のグリッドが所定間隔を保って層状に配置された消弧室と、アークガスを外部に放出する排気口とを備えた回路遮断器であって、
    前記複数のグリッドは、前記排気口側のグリッド基部と、前記可動接触子側で当該可動接触子を挿通する切欠部を形成したグリッド脚部とを有する導体板と、該導体板を、前記切欠部の底部に連接し前記グリッド基部を露出させたアーク移動部を残して被覆する絶縁被覆部とを備え、
    前記アーク移動部は、前記可動接触子の回動面を挟んで非対称形状に形成されている
    ことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記アーク移動部は、前記グリッド脚部の切欠部の底部から前記排気口側に行くに従い前記グリッド基部の一方の側部に近づく傾斜延長部を有することを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  3. 前記アーク移動部は、前記傾斜延長部の排気口側の端部側に前記一方の側部と平行な平行延長部が連接されていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
  4. 前記上下に隣接するグリッドは、一方のグリッドの他方のグリッドとの対向面に形成されたアーク移動部と、他方のグリッドの一方のグリッドとの対向面に形成されたアーク移動部とが上面視で前記可動接触子の回動面を挟んで対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回路遮断器。
  5. 前記複数のグリッドは、表面及び裏面にそれぞれ前記アーク移動部が形成され、表面側のアーク移動部と裏面側のアーク移動部とが上面視で前記可動接触子の回動面を挟んで対称に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の回路遮断器。
  6. 前記複数のグリッドは、表面及び裏面にそれぞれ前記アーク移動部が形成され、表面側のアーク移動部と裏面側のアーク移動部とが上面視で重なるように形成され、上下に隣接するグリッドは一方のグリッドに対して他方のグリッドが表裏反転されて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の回路遮断器。
  7. 前記アーク移動部の前記排気口側の端部は、前記絶縁被覆部で被覆されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の回路遮断器。
  8. 前記導体板は磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の回路遮断器。
  9. 前記絶縁被覆部は高分子絶縁材料で形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の回路遮断器。
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