JP2008130478A - 消弧装置を備えた回路遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温のアークにより発生する溶融物が開閉機構部へ付着することを防止し、開閉機構部の動作不良をなくすことができる回路遮断器を提供する。
【解決手段】開閉機構部8と消弧装置9との間に設けたアークバリア11の左右の側壁14に、開閉機構部8内に挿入される飛散防止突起部16を設ける。接点開放時に発生する高温のアークにより溶融物が発生し、アークバリア11の開口部12から開閉機構部8内に飛び込もうとしても、飛散防止突起部16によって溶融物を受け止め、開閉機構部8内への飛散を抑制する。このため溶融物の付着によって開閉機構部8の動作に支障を生じたり、絶縁不良を招いたりすることを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流遮断時に発生するアークを消弧するための消弧装置を備えた回路遮断器に関するものである。
所定容量以上の回路遮断器には、遮断時に可動接点と固定接点との間で発生するアークを速やかに消弧するための消弧装置が組み込まれている。このための消弧装置としては、特許文献1に示されるような、複数枚のグリッドを適宜の間隔で配置したデアイオン型のものが一般的である。これらのグリッドには可動接触子の移動軌跡に沿ってV字状の切欠きが形成されている。
また特許文献1に隔壁として示されているように、開閉機構部と消弧装置との間にはアークバリアが設置されており、可動接触子の先端で発生するアークが開閉機構部に進入することを防止している。このアークバリアには可動接触子の移動を妨げない開口部が、左右の側壁の間に必要である。このため、短絡遮断電流が増加して高温のアークが発生すると、可動接触子や固定端子、アークチャンバの一部が溶融し、その溶融物が開口部を通じて開閉機構部内にまで飛散することを十分に防ぐことができなかった。このため溶融物の付着によって開閉機構部の動作に支障を生じたり、絶縁不良が発生したりすることがあった。
また、短絡遮断電流が増加するとアークのエネルギーも増加し、アークが固定接触子やアークランナ全体に拡がり消弧装置に集中しにくくなるため、消弧により長い時間を要することとなり、回路遮断器の遮断性能が低下するという問題もあった。
特開平10−294036号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、高温のアークにより発生する溶融物が開閉機構部へ付着することを防止し、開閉機構部の動作不良をなくすことができる回路遮断器を提供することである。また第2の目的は、アークの拡散を防止して遮断性能を向上させた回路遮断器を提供することである。
上記の第1の目的を解決するためになされた請求項1の発明は、前記アークバリアの開口部の両側に、開閉機構部内に挿入される飛散防止突起部を設けたことを特徴とするものである。また請求項2のように、アークバリアの側壁の下部に、固定接触子やアークランナの表面を覆う平面を突設することにより、第2の目的も併せて解決することができる。
請求項1の発明の回路遮断器は、アークバリアの開口部の両側壁に、開閉機構部内に挿入される飛散防止突起部を設けたので、高温のアークにより溶融物が発生しても、溶融物をこれらの飛散防止突起部により受け止め、開閉機構部内に飛散することを抑制することができる。このため溶融物の付着によって開閉機構部の動作に支障を生じたり、絶縁不良を招いたりすることを防止できる。
また請求項2の発明のように、アークバリアの側壁の下部に、固定接触子やアークランナの表面を覆う平面を突設すれば、固定接触子やアークランナの露出面積を減らすことができる。これによりアークの広がりを制限することができ、回路遮断器の遮断性能を向上させることが可能となる。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は実施形態の回路遮断器の断面図であり、1はケース、2はケース1の上部に設けられたハンドル、3はハンドル2と連動し、クロスバー4を中心として回動する可動接触子、5は可動接触子3の先端に設けられた可動接点、6は固定接触子、7は固定接触子6上に設けられた固定接点である。また図4に示すように、8は開閉機構部であり、ハンドル2の操作により可動接触子3を回動させたり、過電流等を検出したときに、可動接触子3を急激に上方向に回動させ、可動接点5を乖離する機能を有する部分をコ字状に成型されたメカフレーム18に収納したものである。上記の構成は通常の回路遮断器と同様で公知であるので、詳細な説明を省略する。
回路に短絡電流等が流れ、開閉機構部8が作動して回路遮断が行われたときには、固定接点7と可動接点5との間で高温のアークが発生する。そこで固定接点7の上方位置には、消弧装置9が設けられている。この消弧装置9は、前記したような複数枚のグリッド10を適宜の間隔で配置したデアイオン型のものである。グリッド10には可動接触子3の移動軌跡に沿ってV字状の切欠きが形成されている。
11は開閉機構部8と消弧装置9との間に設置されたアークバリアである。アークバリア11はアークが開閉機構部8内に進入することを防止するための部材であり、その単体の斜視図を図2と図3に示す。アークバリア11はアーク冷却効果を持つポリアミド樹脂などの樹脂成形体であり、開口部12を備えた垂直板13の左右両側に、固定接触子6側に延びる側壁14、14を形成するとともに、側壁14、14の上端に連結板15を取り付けたものである。この連結板15をメカフレーム18の上部端面に当接させ、メカフレーム18の上部を覆うことで、メカフレーム上部から開閉機構部8内へ溶融物が飛散するのを防いでいる。
またこの開口部12は可動接触子3の回動動作を妨げないように形成されたものであるが、前記したようにこの開口部12から溶融物が開閉機構部8内に飛散する可能性がある。そこで本発明では、開口部12の上半部において両側壁を開閉機構部8内に突出させ、開閉機構部8内に挿入される飛散防止突起部16、16を設けてある。なお、飛散防止突起部16、16は開閉機構部8側に延びる側壁21の端部を内側に折り曲げた半袋状の形状となっている。
このように開口部12の両側に開閉機構部8内に挿入される飛散防止突起部16、16を設けたので、高温のアークにより発生した溶融物が開口部12から開閉機構部8側に飛散しようとしたとき、飛散防止突起部16、16が溶融物を受け止め、開閉機構部8内への飛散を抑制する。このため溶融物の付着によって開閉機構部8の動作に支障を生じたり、絶縁不良を招いたりすることを防止できる。
このアークバリア11は、下辺17を固定接触子6とケース1との間に差込み、図1に示すように飛散防止突起部16の上部を開閉機構部8のメカフレーム18と当接させることによって固定される。
この実施形態では、固定接触子6側に延びる左右の側壁14、14の下部の各外側に、側壁14、14に対して垂直な平面19、19を突出させてある。これらの平面19、19は、固定接触子6や図1、図4、図5に示されるアークランナ20の表面を覆うことにより、それらの露出面積を減少させる効果がある。それによってアークの広がりを制限し、確実に消弧装置9に向かわせることができるから、回路遮断器の遮断性能を向上させることが可能となる。なお、図6は平面19、19の形状を変更した別の実施形態を示す斜視図であり、このような形状としても同様の効果を得ることができる。
上記したように、左右の側壁14、14の下部外側に平面19、19を突出させれば、固定接触子6やアークランナ20の露出面積を減少させることができる効果があるほか、これらの平面19、19が補強リブとしての効果を発揮する。これによって、両側壁14が内側に倒れて可動接触子3に接触したり、接点に接触したりすることを防止することができる。
以上に説明したように、本発明によればアークにより発生する溶融物が開閉機構部へ付着することを防止し、開閉機構部の動作不良をなくすことができる。また、請求項2の発明によれば、アークの拡散を防止して回路遮断器の遮断性能を向上させることができる。
本発明の実施形態の回路遮断器を示す断面図である。 アークバリア単体の斜視図である。 アークバリア単体の他の斜視図である。 アークバリアと開閉機構部とを示す分解斜視図である。 アークバリアと開閉機構部とを示す他の斜視図である。 アークバリアの変形例を示す斜視図である。
符号の説明
1 ケース
2 ハンドル
3 可動接触子
4 クロスバー
5 可動接点
6 固定接触子
7 固定接点
8 開閉機構部
9 消弧装置
10 グリッド
11 アークバリア
12 開口部
13 垂直板
14 側壁
15 連結板
16 飛散防止突起部
17 下辺
18 メカフレーム
19 平面
20 アークランナ
21 側壁

Claims (2)

  1. 開閉機構部と消弧装置との間にアークバリアを設けた回路遮断器であって、前記アークバリアの開口部の両側に、開閉機構部内に挿入される飛散防止突起部を設けたことを特徴とする消弧装置を備えた回路遮断器。
  2. アークバリアの側壁の下部に、固定接触子やアークランナの表面を覆う平面を突設したことを特徴とする請求項1記載の消弧装置を備えた回路遮断器。
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