JP7378643B2 - 消弧装置および消弧装置の製造方法 - Google Patents

消弧装置および消弧装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7378643B2
JP7378643B2 JP2022568324A JP2022568324A JP7378643B2 JP 7378643 B2 JP7378643 B2 JP 7378643B2 JP 2022568324 A JP2022568324 A JP 2022568324A JP 2022568324 A JP2022568324 A JP 2022568324A JP 7378643 B2 JP7378643 B2 JP 7378643B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side wall
arc
extinguishing device
arc extinguishing
upper lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022568324A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022124360A5 (ja
JPWO2022124360A1 (ja
Inventor
徳佳 原
憲一 江古
賢一 春名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2022124360A1 publication Critical patent/JPWO2022124360A1/ja
Publication of JPWO2022124360A5 publication Critical patent/JPWO2022124360A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7378643B2 publication Critical patent/JP7378643B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H73/00Protective overload circuit-breaking switches in which excess current opens the contacts by automatic release of mechanical energy stored by previous operation of a hand reset mechanism
    • H01H73/02Details
    • H01H73/18Means for extinguishing or suppressing arc
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H9/00Details of switching devices, not covered by groups H01H1/00 - H01H7/00
    • H01H9/30Means for extinguishing or preventing arc between current-carrying parts
    • H01H9/34Stationary parts for restricting or subdividing the arc, e.g. barrier plate

Landscapes

  • Arc-Extinguishing Devices That Are Switches (AREA)
  • Breakers (AREA)

Description

本開示は、遮断器が電流を遮断する際に発生するアークを消滅させる消弧装置および消弧装置の製造方法に関する。
遮断器は、電気的な過負荷または短絡事故が発生した場合に、自動で回路を遮断することによって過電流から回路を保護する電気機器である。遮断器には、電流を遮断した際に発生するアークを迅速に消滅させるための消弧装置が備えられている。消弧装置は、絶縁材料の消弧板によって複数の金属製のグリッドを一定の間隔で保持する構造を備える。
特許文献1には、一対の消弧板を樹脂により一体成形し、消弧板に形成された複数の溝の各々にグリッドをスライドさせて、複数のグリッドの各々を消弧板に嵌め合わせることが開示されている。特許文献1の技術によると、溝にグリッドを挿入することによって消弧板にグリッドを取り付けることができるため、グリッドを取り付けるためのかしめ加工または接着作業といった工程が不要となる。
特開平8-227648号公報
特許文献1の技術によると、消弧板にグリッドが取り付けられた構造体は、遮断器内部に組み込まれる。このため、特許文献1の技術によると、消弧装置の交換または消弧装置のメンテナンスの際に、遮断器からの消弧装置の取り外しと遮断器への消弧装置の装着とが困難であるという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、遮断器からの取り外しと遮断器への装着とを容易に行うことができる消弧装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる消弧装置は、遮断器が電流を遮断する際に発生するアークを消滅させる消弧装置である。本開示にかかる消弧装置は、互いに対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、消弧装置の外殻を構成する下蓋と、下蓋に保持され、消弧装置の内部においてアークを分断させる複数のグリッドと、下蓋に取り付けられ、複数のグリッドを覆う上蓋と、消弧装置の外への溶融物の噴出を防ぐための噴出防止板と、を備える。下蓋と、複数のグリッドと、上蓋とは、互いに一体とされた状態で遮断器から取り外し可能かつ互いに一体とされた状態で遮断器に装着可能なユニット構造を構成する。第1の側壁と第2の側壁との各々は、複数の保持溝を有する。複数のグリッドの各々は、第1の側壁の保持溝と第2の側壁の保持溝とにより保持される。噴出防止板は、上蓋に着脱可能に取り付けられてユニット構造を構成する。
本開示にかかる消弧装置は、遮断器からの取り外しと遮断器への装着とを容易に行うことができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる消弧装置の斜視図 実施の形態1にかかる消弧装置を構成する下蓋の斜視図 実施の形態1にかかる消弧装置を構成する消弧鉄板の斜視図 実施の形態1にかかる消弧装置の組み立てについて説明するための第1の図 実施の形態1にかかる消弧装置を構成するグリッドの斜視図 実施の形態1にかかる消弧装置の組み立てについて説明するための第2の図 実施の形態1にかかる消弧装置を構成する上蓋の斜視図 実施の形態1にかかる消弧装置の組み立てについて説明するための第3の図 実施の形態1にかかる消弧装置を構成する上蓋および噴出防止板を示す図 実施の形態1にかかる消弧装置の組み立てについて説明するための第4の図 実施の形態1にかかる消弧装置の組み立てについて説明するための第5の図 実施の形態1にかかる消弧装置の製造方法における第1の工程について説明するための図 実施の形態1にかかる消弧装置の製造方法における第2の工程について説明するための第1の図 実施の形態1にかかる消弧装置の製造方法における第2の工程について説明するための第2の図 実施の形態1にかかる消弧装置の製造方法における第3の工程について説明するための図 実施の形態1にかかる消弧装置の製造方法における第4の工程について説明するための図 実施の形態1にかかる消弧装置の製造方法における第5の工程について説明するための図 実施の形態2にかかる消弧装置を構成する上蓋、噴出防止板および耐熱シートを示す図 実施の形態3にかかる消弧装置を構成する上蓋および噴出防止板を示す第1の図 実施の形態3にかかる消弧装置を構成する上蓋および噴出防止板を示す第2の図
以下に、実施の形態にかかる消弧装置および消弧装置の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる消弧装置100の斜視図である。消弧装置100は、遮断器に取り付けられて、遮断器が電流を遮断する際に発生するアークを消滅させる。遮断器の図示は省略する。
消弧装置100は、消弧装置100の外殻を構成する下蓋1と、下蓋1に保持されている消弧鉄板2および複数のグリッド3と、下蓋1に着脱可能に取り付けられる上蓋4と、上蓋4に着脱可能に取り付けられる噴出防止板5および2つの耐熱シート6とを有する。下蓋1と上蓋4とは、遮断器の固定接触子および可動接触子との間に発生したアークを消滅させる消弧室を構成する。複数のグリッド3は、消弧室内に配置されており、図1には示されていない。
下蓋1と、消弧鉄板2と、複数のグリッド3と、上蓋4と、噴出防止板5と、2つの耐熱シート6とは、互いに組み合わせられることによって消弧装置100を構成するようにユニット化されている。下蓋1と、消弧鉄板2と、複数のグリッド3と、上蓋4と、噴出防止板5と、2つの耐熱シート6とは、互いに一体の状態で遮断器に装着可能かつ互いに一体の状態で遮断器から取り外し可能なユニット構造を構成する。
ネジ7は、耐熱シート6と噴出防止板5とを貫いており、下蓋1に上蓋4を固定する。また、ネジ7は、上蓋4に耐熱シート6と噴出防止板5とを固定する。消弧装置100には、消弧装置100を遮断器に固定するネジ8が取り付けられる。ネジ8は、上蓋4のうち図1における紙面奥側に取り付けられており、図1には示されていない。
次に、消弧装置100の各構成要素と消弧装置100の組み立てについて説明する。図2は、実施の形態1にかかる消弧装置100を構成する下蓋1の斜視図である。下蓋1は、互いに対向する第1の側壁10aと第2の側壁10bとを有する。第1の側壁10aと第2の側壁10bとは、互いに平行な板部分であって、消弧室を構成する消弧板である。
ここで、第1の側壁10aと第2の側壁10bとが向かい合う方向である第1の方向を左右方向、左右方向に垂直な方向であって下蓋1と上蓋4とが並ぶ方向である第2の方向を上下方向、上下方向と左右方向とに垂直な方向である第3の方向を前後方向とする。また、上下方向において、下蓋1から見て上蓋4がある方を上、その逆を下、とする。下蓋1は、第1の側壁10aと第2の側壁10bとによって左右方向が遮蔽されており、かつ、上下方向と前後方向との双方が開放された構造物である。
第1の側壁10aのうち上蓋4の側の縁と第2の側壁10bのうち上蓋4の側の縁との各々には、下蓋1に上蓋4が固定された状態において開口を構成する切り欠き12が形成されている。第1の側壁10aのうち上側の縁には、3つの切り欠き12が形成されている。第2の側壁10bのうち上側の縁には、3つの切り欠き12が形成されている。第1の側壁10aおよび第2の側壁10bの各切り欠き12は、消弧装置100の内圧による下蓋1の破損を防止するために、矩形の角が丸められた形状とされている。下蓋1に上蓋4が固定された状態において、各切り欠き12は、開口を構成する。消弧装置100では、遮断器が電流を遮断する際に発生するガスが開口から消弧室の外へ放出されることによって、内圧の上昇が緩和される。なお、第1の側壁10aに形成される切り欠き12の数と第2の側壁10bに形成される切り欠き12の数との各々は3つに限られず、任意であるものとする。また、切り欠き12の形状は任意であるものとする。
第1の側壁10aと第2の側壁10bとの各々は、複数の保持溝11を有する。複数の保持溝11は、第1の側壁10aのうち消弧室の内側の面と、第2の側壁10bのうち消弧室の内側の面との各々に設けられている。第1の側壁10aの各保持溝11と第2の側壁10bの各保持溝11とは、消弧鉄板2またはグリッド3が挿入される溝部である。第1の側壁10aの各保持溝11と第2の側壁10bの各保持溝11とは、上下方向に沿って形成されている。
第1の側壁10aの複数の保持溝11は、前後方向に並べられている。第1の側壁10aの複数の保持溝11には、消弧鉄板2を保持するための保持溝11とグリッド3を保持するための保持溝11とが含まれる。第2の側壁10bの複数の保持溝11は、前後方向に並べられている。第2の側壁10bの複数の保持溝11には、消弧鉄板2を保持するための保持溝11とグリッド3を保持するための保持溝11とが含まれる。
各保持溝11において、保持溝11の上端部11aは開放されている。各保持溝11のうち消弧鉄板2が挿入される保持溝11の下端部には、保持溝11へ挿入された消弧鉄板2の下端部が当たる。消弧鉄板2は、消弧鉄板2の下端部が保持溝11の下端部に当たることによって、下蓋1において位置決めされる。各保持溝11のうちグリッド3が挿入される保持溝11の下端部には、保持溝11へ挿入されたグリッド3の下端部が当たる。各グリッド3は、グリッド3の下端部が保持溝11の下端部に当たることによって、下蓋1において位置決めされる。各保持溝11の下端部は、消弧鉄板2の位置決めまたはグリッド3の位置決めのための位置決め部19として機能する。
下蓋1は、第1の側壁10aの上部と第2の側壁10bの上部とを連結する2つの連結部13a,13bを有する。各連結部13a,13bは、第1の側壁10aと第2の側壁10bとを互いに連結して、第1の側壁10aおよび第2の側壁10bとともに枠体14を構成する。2つの連結部13a,13bと第1の側壁10aと第2の側壁10bとによって枠体14が構成されることで、下蓋1の剛性が確保されている。
2つの連結部13a,13bのうちの一方である連結部13aには、係止部15が設けられている。係止部15は、遮断器に嵌め合わせ可能に、消弧室の外に設けられている。2つの連結部13a,13bのうちの他方である連結部13bには、ネジ8が通される孔16が形成されている。
枠体14のうち上側の縁には、上蓋4の外縁を嵌め合わせ可能な形状の案内形状部17が形成されている。連結部13aには、下蓋1における上蓋4の位置決めのための突起部分である位置決め部18aが形成されている。連結部13bには、下蓋1における上蓋4の位置決めのための位置決め部18bが形成されている。位置決め部18bは、上蓋4の一部が嵌め合い可能に形成された切り欠き部分である。
下蓋1の材料には、絶縁性、難燃性および剛性を有する熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が使用される。かかる材料を使用することにより、上記各部を備える複雑な形状の下蓋1は一体に成形される。
図3は、実施の形態1にかかる消弧装置100を構成する消弧鉄板2の斜視図である。消弧鉄板2は、遮断器が電流を遮断する際に発生したアークを転流させる金属製の板部品である。消弧鉄板2は、平坦に形成された平坦部20と、平坦部20から曲げられた転流部21とを有する。平坦部20の第1の側壁10aの側の縁と平坦部20の第2の側壁10bの側の縁との各々には、突起部23が形成されている。
平坦部20のうち転流部21とは逆側の縁には、半円状の切り欠き24が形成されている。下蓋1に上蓋4が固定された状態において、切り欠き24は、開口を構成する。消弧装置100では、遮断器が電流を遮断する際に発生するガスが開口から消弧室の外へ放出されることによって、消弧装置100の内圧の上昇が緩和される。転流部21の先端部22が上向きに曲げられていることによって、消弧鉄板2は、発生したアークを先端部22に滞留させる効果を有する。
図4は、実施の形態1にかかる消弧装置100の組み立てについて説明するための第1の図である。図4には、下蓋1へ消弧鉄板2が組み合わせられるときの様子を示す。消弧鉄板2は、平坦部20のうち転流部21が設けられている側が下に向けられた姿勢で、下蓋1へ上方から挿入される。
平坦部20の第1の側壁10aの側の縁の突起部23は、第1の側壁10aの複数の保持溝11のうちの1つへ挿入される。平坦部20の第2の側壁10bの側の縁の突起部23は、第2の側壁10bの複数の保持溝11のうちの1つへ挿入される。上端部11aから下方へ突起部23をスライドさせることによって、突起部23は、保持溝11へ挿入される。突起部23が位置決め部19に到達するまで、突起部23を下方へスライドさせる。突起部23が位置決め部19に到達することによって、下蓋1において消弧鉄板2が位置決めされる。これにより、下蓋1における消弧鉄板2の位置決めを容易に行うことができる。また、消弧鉄板2が到達し得る最下点において位置決め部19が消弧鉄板2を保持する構造によって、下蓋1からの消弧鉄板2の脱落を防止する効果が得られる。
消弧鉄板2は、平坦部20の第1の側壁10aの側の突起部23が第1の側壁10aの保持溝11へ挿入され、かつ平坦部20の第2の側壁10bの側の突起部23が第2の側壁10bの保持溝11へ挿入された状態で下蓋1に保持される。消弧鉄板2は、下蓋1と一体に組み合わせられることによって上記ユニット構造を構成する。下蓋1に消弧鉄板2を組み合わせる際に、保持溝11への消弧鉄板2の圧入は不要である。また、消弧鉄板2には、保持溝11への嵌め合わせも不要である。すなわち、消弧鉄板2は、保持溝11に固定されなくても良い。
図5は、実施の形態1にかかる消弧装置100を構成するグリッド3の斜視図である。消弧装置100に設けられる複数のグリッド3の各々は、互いに同じ形状である。グリッド3は、切り欠き30を有する金属製の板部品である。切り欠き30は、グリッド3のうち上蓋4とは逆側の縁、すなわち、グリッド3の下方側の縁に形成されている。切り欠き30は、左右方向における幅が上方へ向かうに従って狭くなる形状である。切り欠き30の先端部30aは上方へ向けられている。切り欠き30は、V形を変形させたような形状である。切り欠き30の形状は、左右方向において非対称な形状である。グリッド3の第1の側壁10aの側の縁とグリッド3の第2の側壁10bの側の縁との各々には、突起部31が形成されている。
図6は、実施の形態1にかかる消弧装置100の組み立てについて説明するための第2の図である。図6には、消弧鉄板2が装着された下蓋1へグリッド3が組み合わせられるときの様子を示す。各グリッド3は、切り欠き30が形成されている側が下へ向けられた姿勢で、下蓋1へ上方から挿入される。
グリッド3の第1の側壁10aの側の縁の突起部31は、第1の側壁10aの保持溝11へ挿入される。グリッド3の第2の側壁10bの側の縁の突起部31は、第2の側壁10bの保持溝11へ挿入される。上端部11aから下方へ突起部31をスライドさせることによって、突起部23は、保持溝11へ挿入される。保持溝11の下端部である位置決め部19に突起部31が到達するまで、突起部31を下方へスライドさせる。突起部31が位置決め部19に到達することによって、下蓋1においてグリッド3が位置決めされる。複数のグリッド3の各々は、第1の側壁10aの保持溝11と第2の側壁10bの保持溝11とへ挿入され、下蓋1において位置決めされる。これにより、下蓋1における各グリッド3の位置決めを容易に行うことができる。また、グリッド3が到達し得る最下点において位置決め部19がグリッド3を保持する構造によって、下蓋1からの各グリッド3の脱落を防止する効果が得られる。
前後方向において隣り合うグリッド3同士において、一方のグリッド3の切り欠き30の形状は、他方のグリッド3の切り欠き30が裏返しされた形状である。このように、複数のグリッド3は表裏を交互に異ならせて配置されており、前後方向において隣り合うグリッド3同士では、切り欠き30の先端部30aの位置が左右方向において互いに異なる位置である。複数のグリッド3の各々は、左右方向において先端部30aの位置が互いに異なるグリッド3同士が向かい合わせられて並べられる。アークは、各グリッド3の先端部30aに誘導されて、各グリッド3の先端部30aを伝いながら前後方向に流れる。先端部30aの位置が互いに異なるグリッド3が交互に配置されていることによって、複数のグリッド3において各グリッド3の先端部30aの位置が同じである場合に比べて、アークの移動距離が長くなる。アークの移動距離が長くなることでアーク電圧が高められ、電流が遮断される。
各グリッド3は、グリッド3の第1の側壁10aの側の突起部31が第1の側壁10aの保持溝11へ挿入され、かつグリッド3の第2の側壁10bの側の突起部31が第2の側壁10bの保持溝11へ挿入された状態で下蓋1に保持される。各グリッド3は、下蓋1と一体に組み合わせられることによって上記ユニット構造を構成する。下蓋1にグリッド3を組み合わせる際に、保持溝11へのグリッド3の圧入は不要である。また、グリッド3には、保持溝11への嵌め合わせも不要である。すなわち、各グリッド3は、保持溝11に固定されなくても良い。
複数のグリッド3が下蓋1へ挿入されることによって、複数のグリッド3は、消弧室において前後方向に並ぶ。消弧室において、遮断器の可動接触子は、各グリッド3の切り欠き30を通る。消弧装置100は、前後方向に伸長したアークを各グリッド3にて分断させる。
図7は、実施の形態1にかかる消弧装置100を構成する上蓋4の斜視図である。上蓋4は、下蓋1上に取り付けられて、消弧鉄板2と複数のグリッド3とを覆う。上蓋4は、前後方向における一方の端41から噴出防止板5を挿入可能に形成された板部品である。上蓋4は、消弧室の内部から消弧室の外へのアークの放出を防ぐ機能を果たす。
上蓋4は、噴出防止板5が載せられる面40と、面40の周囲において隆起した部分である縁部48とを有する。上蓋4は、面40の周囲の縁部48が面40よりも高くなるように形成されている。縁部48は、上蓋4のうち、左右方向における両側の縁と、前後方向のうち端41とは逆側の縁とに亘って形成されている。面40には、消弧室の内部のガスを消弧室の外へ放出させるための複数の孔42が形成されている。各孔42は、円形である。なお、上蓋4に形成される孔42の数、位置および形状は、任意であるものとする。
縁部48には、各々が面40に対向するように面40の周囲から突出した複数の突起部43が形成されている。各突起部43は、半円形である。上蓋4のうち左右方向における一方の縁には3つの突起部43が形成されている。上蓋4のうち左右方向における他方の縁にも3つの突起部43が形成されている。なお、上蓋4に形成される突起部43の数および位置は、任意であるものとする。
噴出防止板5は、各突起部43と面40との間隙に通される。噴出防止板5は、面40と縁部48の各突起部43との間へ挿入された状態で上蓋4に取り付けられる。各突起部43は、面40に沿って噴出防止板5がスライドするように噴出防止板5を案内する機能を果たす。各突起部43は、上蓋4から上方へ噴出防止板5が外れることを防ぐ機能も果たす。
面40のうち突起部43と対向する位置には、突起部43と同じ半円形の孔44が形成されている。左右方向および前後方向において孔44の位置を突起部43と合わせることで、上蓋4の成形に使用される金型のスライド構造が不要となる。また、複数の孔42と同様に、孔44においても消弧室の外へガスが放出される。また、面40には、ネジ7が通される孔46が形成されている。
上蓋4のうち、端41における下方側の部分には、2つの係止部45が設けられている。各係止部45は、遮断器に嵌め合わせ可能に、消弧室の外に設けられている。上蓋4のうち、前後方向において端41とは逆側の端部には、ネジ8が通される孔47が形成されている。上蓋4のうち孔47が形成されている部分には、下方へ突出した突起部49が形成されている。突起部49は、下蓋1の位置決め部18bに嵌め合わせられる。
上蓋4の材料には、絶縁性、難燃性および剛性を有する熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が使用される。かかる材料を使用することにより、上記各部を備える複雑な形状の上蓋4は一体に成形される。
図8は、実施の形態1にかかる消弧装置100の組み立てについて説明するための第3の図である。図8には、上蓋4へ噴出防止板5が挿入されるときの様子を示す。噴出防止板5は、矩形の板部品である。消弧室の内部では、遮断器が電流を遮断する際に、消弧鉄板2の溶融またはグリッド3の溶融による金属溶融物が生じる。噴出防止板5は、消弧室の内部から消弧室の外への金属溶融物の噴出を防ぐ機能を果たす。噴出防止板5の四隅には、ネジ7が通される孔50が設けられている。また、噴出防止板5には、消弧室の内部のガスを消弧室の外へ放出させるための複数の孔51が形成されている。消弧室の内部のガスは、上蓋4の孔42と噴出防止板5の孔51とを通って消弧室の外へ出る。
噴出防止板5は、端41から縁部48の内側へ挿入される。面40上にて挿入方向へ噴出防止板5をスライドさせて、噴出防止板5のうち挿入方向の先方における端を縁部48に到達させる。噴出防止板5が縁部48に到達することによって、上蓋4において噴出防止板5が位置決めされる。これにより、上蓋4における噴出防止板5の位置決めを容易に行うことができる。
図9は、実施の形態1にかかる消弧装置100を構成する上蓋4および噴出防止板5を示す図である。図9には、上蓋4と、上蓋4にて位置決めされた噴出防止板5とを上方から見たときの様子を示す。噴出防止板5に形成されている複数の孔51は、長孔である孔51と円形の孔51とを含む。長孔である孔51は、左右方向に長い形状である。上蓋4に噴出防止板5が取り付けられた状態において、長孔である各孔51は、孔42の上に配置される。長孔である孔51の中心は、孔42の中心に一致する。上蓋4に形成されている複数の孔42の一部は、長孔である孔51と重なり合う位置に形成されている。なお、噴出防止板5に形成される孔51の数、位置および形状は、任意であるものとする。
図10は、実施の形態1にかかる消弧装置100の組み立てについて説明するための第4の図である。図10には、噴出防止板5の上に耐熱シート6が載せられるときの様子を示す。耐熱シート6は、高温であるガスが消弧室の内部から消弧室の外へ直接放出されることを防ぐ機能を果たす。
2つの耐熱シート6は、互いに同じ形状である。各耐熱シート6には、ネジ7が通される孔60が形成されている。各耐熱シート6は、孔60の位置を噴出防止板5の隅に合わせて、噴出防止板5の上に載せられる。2つの耐熱シート6が載せられることによって、噴出防止板5のうち上方にて露出している領域の全体が2つの耐熱シート6によって覆われる。
2つの耐熱シート6のうちの一方は、ネジ7によって、前後方向における端41側の端部が上蓋4に固定される。2つの耐熱シート6のうちの他方は、ネジ7によって、前後方向における端41とは逆側の端部が固定される。各耐熱シート6において、上蓋4に固定されていない部分は、消弧室の内部から孔42,51を通って消弧室の外へ向かうガスによって押し上げられる。各耐熱シート6は、消弧室の内部のガスの圧力を受けることによって、ネジ7により固定されている部分を起点として開閉する。各耐熱シート6のうち上蓋4に固定されていない部分が押し上げられたときに、ガスは消弧室の内部から消弧室の外へ放出される。このように、各耐熱シート6は、消弧室の内部から消弧室の外へ放出されるガスの勢いを弱める機能を果たす。
図11は、実施の形態1にかかる消弧装置100の組み立てについて説明するための第5の図である。図11には、消弧鉄板2および複数のグリッド3が配置された下蓋1の上に、噴出防止板5および耐熱シート6が配置された上蓋4が載せられたときの様子を示す。上蓋4の2つの係止部45が下蓋1の位置決め部18aに嵌め合わせられ、かつ、上蓋4の突起部49が下蓋1の位置決め部18bに嵌め合わせられることによって、上蓋4は、下蓋1において位置決めされる。
下蓋1に上蓋4が載せられてから、ネジ7が締め込まれることによって、上蓋4が下蓋1に固定される。また、耐熱シート6と噴出防止板5とは、上蓋4に固定される。上蓋4が下蓋1に固定されることによって、消弧鉄板2と複数のグリッド3との各々は、下蓋1と上蓋4との間において固定される。以上により、下蓋1と、消弧鉄板2と、複数のグリッド3と、上蓋4と、噴出防止板5と、2つの耐熱シート6とが互いに組み合わせられることによって、消弧装置100が構成される。
下蓋1の係止部15と上蓋4の2つの係止部45との各々が遮断器に嵌め合わせられることによって、消弧装置100は、遮断器において位置決めされる。消弧装置100は、上蓋4の孔47と下蓋1の孔16とを通されたネジ8によって、遮断器に固定される。以上により、消弧装置100は、各構成要素が互いに一体とされた状態で遮断器に装着される。
下蓋1に複数のグリッド3の各々を挿入した後に、下蓋1に上蓋4が取り付けられることによって、消弧室に並べられた複数のグリッド3を有するユニット構造が得られる。複数のグリッド3の各々が保持溝11へ挿入されることによって、一定の間隔で、かつ適正な位置に各グリッド3を配置できる。また、上蓋4と保持溝11とによって、各グリッド3は、脱落すること無く、かつ適正な位置にて保持される。なお、耐熱シート6は、必要に応じて消弧装置100に取り付けられれば良い。消弧装置100には、耐熱シート6が取り付けられなくても良い。
遮断器に装着されている消弧装置100を取り外す際は、ネジ8が取り外され、さらに係止部15と2つの係止部45との各々が遮断器から外される。これにより、消弧装置100は、各構成要素が互いに一体とされた状態で遮断器から取り外される。
消弧装置100の各構成要素は、消弧装置100の組み立てとは逆の手順によって分解可能である。ネジ7による固定と各構成要素の嵌め合いによって消弧装置100が組み立てられているため、ネジ7を取り外し、かつ各構成要素を外していくことによって、消弧装置100は各構成要素へ分解される。これにより、消弧装置100は、各構成要素への分解を容易に行うことができる。
次に、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法について説明する。図12は、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法における第1の工程について説明するための図である。第1の工程は、下蓋1へ消弧鉄板2を取り付ける工程である。第1の工程では、第1の側壁10aの保持溝11と第2の側壁10bの保持溝11とにおいて消弧鉄板2をスライドさせることによって、第1の側壁10aの保持溝11と第2の側壁10bの保持溝11とに消弧鉄板2が挿入される。保持溝11において突起部23をスライドさせて、突起部23が保持溝11へ挿入されることによって、下蓋1に消弧鉄板2が取り付けられる。
図13は、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法における第2の工程について説明するための第1の図である。図14は、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法における第2の工程について説明するための第2の図である。第2の工程は、下蓋1に複数のグリッド3を取り付ける工程である。第2の工程では、第1の側壁10aの保持溝11と第2の側壁10bの保持溝11とにおいてグリッド3をスライドさせることによって、第1の側壁10aの保持溝11と第2の側壁10bの保持溝11とにグリッド3が挿入される。保持溝11において突起部31をスライドさせて、突起部31が保持溝11へ挿入されることによって、下蓋1に各グリッド3が取り付けられる。図13および図14に示すように、複数のグリッド3は、前後方向に配列される各グリッド3の表裏が互い違いになるように取り付けられる。これにより、切り欠き30の先端部30aの位置が左右方向において互いに異なる位置であるグリッド3が交互に配置される。
図15は、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法における第3の工程について説明するための図である。第3の工程は、上蓋4に噴出防止板5を取り付ける工程である。第3の工程では、面40と突起部43との間において噴出防止板5をスライドさせることによって、面40と突起部43との間へ噴出防止板5が挿入される。上蓋4において端41から縁部48の内側へ噴出防止板5が挿入され、面40上にて挿入方向へ噴出防止板5をスライドさせることによって、上蓋4に噴出防止板5が取り付けられる。上蓋4に形成されている突起部43は、上蓋4から噴出防止板5が外れることを阻止する機能を果たす。
図16は、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法における第4の工程について説明するための図である。第4の工程は、複数のグリッド3を覆う上蓋4を下蓋1に載せる工程である。上蓋4が下蓋1に載せられる際に、上蓋4の2つの係止部45が下蓋1の位置決め部18aに嵌め合わせられ、かつ、上蓋4の突起部49が下蓋1の位置決め部18bに嵌め合わせられる。これにより、上蓋4は、下蓋1において位置決めされる。また、噴出防止板5の上に、2つの耐熱シート6が載せられる。
図17は、実施の形態1にかかる消弧装置100の製造方法における第5の工程について説明するための図である。第5の工程は、下蓋1と、上蓋4と、噴出防止板5と、耐熱シート6とを、ネジ7によって互いに締結する工程である。ネジ7が締め込まれることによって、上蓋4が下蓋1に固定される。第4の工程および第5の工程は、下蓋1に上蓋4を取り付ける工程である。また、ネジ7が締め込まれることによって、耐熱シート6と噴出防止板5とは、上蓋4に固定される。なお、下蓋1においてネジ7が締め込まれるネジ穴は、ネジ7を貫通させない形状とする。
以上により、下蓋1、消弧鉄板2、複数のグリッド3、上蓋4、噴出防止板5、および2つの耐熱シート6から構成されるユニット構造体である消弧装置100が製造される。下蓋1、保持溝11および上蓋4によって、消弧鉄板2と複数のグリッド3との各々が保持されることによって、消弧鉄板2と複数のグリッド3との各々が一定の間隔でかつ適正な位置に配置された消弧装置100を容易に製造することができる。
消弧装置100が遮断器に取り付けられる際には、まず、下蓋1の係止部15と上蓋4の係止部45とが遮断器に嵌め合わせられる。そして、上蓋4の孔47と下蓋1の孔16とを通されたネジ8によって、消弧装置100が遮断器に締結される。これにより、消弧装置100は、遮断器に固定される。
実施の形態1によると、消弧装置100の各構成要素は、互いに一体とされた状態で遮断器から取り外し可能、かつ互いに一体とされた状態で遮断器に装着可能なユニット構造を構成する。これにより、消弧装置100は、遮断器からの取り外しと遮断器への装着とを容易に行うことができるという効果を奏する。遮断器からの消弧装置100の容易な取り外しと、遮断器への消弧装置100の容易な装着とが可能であることによって、消弧装置100の交換または消弧装置100のメンテナンスの際における作業性を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、耐熱シート6の変形例について説明する。図18は、実施の形態2にかかる消弧装置100を構成する上蓋4、噴出防止板5および耐熱シート6Aを示す図である。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
耐熱シート6の変形例である耐熱シート6Aは、噴出防止板5と同様に、上蓋4へ挿入される。実施の形態2では、1枚の耐熱シート6Aが消弧装置100に取り付けられる。耐熱シート6Aは、矩形の板部品である。図18には、噴出防止板5が取り付けられた上蓋4へ耐熱シート6Aが挿入される様子を示す。耐熱シート6Aは、各突起部43と面40との間隙に通される。
耐熱シート6Aは、消弧装置100の内部から消弧装置100の外へ放出されるガスの圧力を受けることによって開閉可能に切り込みが施された部分である可動部61を有する。耐熱シート6Aには、各々がガスの圧力を受けることによって開閉可能な3つの可動部61が形成されている。なお、耐熱シート6Aに形成される可動部61の数および形状は、任意であるものとする。耐熱シート6Aは、噴出防止板5と同様にスライドさせることによって、上蓋4に着脱可能に取り付けることができる。
なお、実施の形態1および2において、消弧鉄板2またはグリッド3が挿入される保持溝11は、第1の側壁10aの面と第2の側壁10bの面との各々に形成された溝部に限られない。第1の側壁10aの面と第2の側壁10bの面との各々に凸形の複数の構造物を設け、かかる構造物同士の間の溝部が、消弧鉄板2またはグリッド3が挿入される保持溝11とされても良い。
また、消弧鉄板2には、突起部23を設けず、消弧鉄板2の縁部が保持溝11に挿入されることによって下蓋1に消弧鉄板2が保持されるようにしても良い。グリッド3には、突起部31を設けず、グリッド3の縁部が保持溝11に挿入されることによって下蓋1にグリッド3が保持されるようにしても良い。
下蓋1、消弧鉄板2、グリッド3、上蓋4、噴出防止板5および耐熱シート6,6Aの各々の形状は、実施の形態1または2にて説明した形状に限定されない。各形状は、製造のための金型といった治工具の構造を簡略化させ得るように、適宜決定することができる。また、保持溝11、切り欠き12、案内形状部17、位置決め部18a,18b、消弧鉄板2、グリッド3、突起部23,31,43、孔44およびネジ7,8の数は、実施の形態1または2にて説明した数に限定されず、適宜決定することができる。グリッド3の数とグリッド3同士の間隔とは、発生するアークの大きさに応じて適宜決定することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、噴出防止板5の変形例について説明する。図19は、実施の形態3にかかる消弧装置100を構成する上蓋4および噴出防止板5Aを示す第1の図である。図20は、実施の形態3にかかる消弧装置100を構成する上蓋4および噴出防止板5Aを示す第2の図である。実施の形態3では、上記の実施の形態1または2と同一の部分には同一の符号を付し、実施の形態1または2とは異なる構成について主に説明する。
噴出防止板5の変形例である噴出防止板5Aは、噴出防止板5と同様に、面40と縁部48の各突起部43との間へ挿入された状態で上蓋4に取り付けられる。図19には、上蓋4へ噴出防止板5Aが挿入されるときの様子を示す。図20には、上蓋4と、上蓋4にて位置決めされた噴出防止板5Aとを上方から見たときの様子を示す。
噴出防止板5Aには、消弧室の内部のガスを消弧室の外へ放出させるための複数の孔51Aが形成されている。実施の形態3では、噴出防止板5Aの孔51Aの位置または形状は、消弧装置100によって遮断される電流の電流領域に応じて調整されている。噴出防止板5Aの上には、実施の形態1で説明した耐熱シート6と実施の形態2で説明した耐熱シート6Aとのどちらが配置されても良い。
図19および図20に示す例では、噴出防止板5Aに形成されている複数の孔51Aの各々は、円形である。噴出防止板5Aに形成されている複数の孔51Aには、長孔は含まれていない。実施の形態3では、噴出防止板5Aの各孔51Aは、上蓋4に噴出防止板5Aが取り付けられた状態において上蓋4の孔42同士の間に位置する。図19および図20に示す例では、噴出防止板5Aの孔51Aは、上蓋4に噴出防止板5Aが取り付けられた状態において上蓋4の孔42とは重なり合わない位置に形成されている。すなわち、孔51Aの位置および形状は、孔51Aが孔42とは重なり合わないように調整されている。
消弧室の内部のガスは、上蓋4の孔42と噴出防止板5Aの孔51Aとを通って消弧室の外へ出る。孔51Aの位置および形状は、低電流の遮断時における消弧室の内部のガス圧力の確保、または、高電流の遮断時におけるガス圧力の開放を目的として調整されている。図19および図20に示す例では、孔42と孔51Aとが互いに重なり合わないように、孔51Aの位置および形状が調整されている。すなわち、孔51Aは、孔42同士の間に配置されており、かつ、孔42は、孔51A同士の間に配置されている。これにより、消弧装置100は、電流領域に応じて電流を遮断可能に、消弧室の内部のガス圧力が確保される。孔51Aの位置または形状の調整によって孔51Aが孔42に寄せられるほど、消弧室の外へガスが出易くなるため、ガス圧力の開放度合いが高くなる。実施の形態3にかかる消弧装置100では、電流領域に応じて孔51Aの位置および形状の少なくとも一方が調整されることによって、電流領域に応じて消弧室の内部のガス圧力が制御される。これにより、消弧装置100は、電流領域ごとにおける遮断性能を向上させることができる。
なお、噴出防止板5Aの孔51Aと上蓋4の孔42とは、互いに重なり合う部分があっても良い。噴出防止板5Aに形成されている複数の孔51Aのうち少なくとも一部は、上蓋4の孔42と重なり合う部分を有しても良い。噴出防止板5Aの各孔51Aは、上蓋4に噴出防止板5Aが取り付けられた状態において、孔51Aの中心が上蓋4の孔42同士の間に位置していれば良い。孔51Aが孔42と重なり合う部分を有する場合、孔51Aの中心の位置または孔51Aの大きさが調整されることによって、消弧室の内部のガス圧力が制御される。孔51Aの位置または形状が調整されることによって、消弧装置100は、電流領域ごとにおける遮断性能を向上させることができる。
孔51Aが孔42と重なり合う部分を有する場合、孔51Aのうち孔42と重なり合う部分の面積よりも、孔51Aのうち孔42と重なり合わない部分の面積の方が大きくなるように、孔51Aの位置および形状が調整される。消弧装置100は、孔51Aのうち孔42と重なり合う部分の面積が小さいほど、消弧室の内部において高いガス圧力を維持することが可能となる。
孔42と孔51Aとの位置関係、孔42の形状、または孔51Aの形状は、電流領域に応じて適宜設定することが可能であるものとする。実施の形態3にかかる消弧装置100では、噴出防止板5Aにおける孔51Aの位置または孔51Aの形状を変更することによって、上蓋4には変更を加えること無く、消弧室の内部のガス圧力を容易に調整することができる。
以上の各実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。各実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。各実施の形態の構成同士が適宜組み合わせられても良い。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
1 下蓋、2 消弧鉄板、3 グリッド、4 上蓋、5,5A 噴出防止板、6,6A 耐熱シート、7,8 ネジ、10a 第1の側壁、10b 第2の側壁、11 保持溝、11a 上端部、12,24,30 切り欠き、13a,13b 連結部、14 枠体、15,45 係止部、16,42,44,46,47,50,51,51A,60 孔、17 案内形状部、18a,18b,19 位置決め部、20 平坦部、21 転流部、22,30a 先端部、23,31,43,49 突起部、40 面、41 端、48 縁部、61 可動部、100 消弧装置。

Claims (17)

  1. 遮断器が電流を遮断する際に発生するアークを消滅させる消弧装置であって、
    互いに対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、前記消弧装置の外殻を構成する下蓋と、
    前記下蓋に保持され、前記消弧装置の内部において前記アークを分断させる複数のグリッドと、
    前記下蓋に取り付けられ、複数の前記グリッドを覆う上蓋と、
    前記消弧装置の外への溶融物の噴出を防ぐための噴出防止板と、を備え、
    前記下蓋と、複数の前記グリッドと、前記上蓋とは、互いに一体とされた状態で前記遮断器から取り外し可能かつ互いに一体とされた状態で前記遮断器に装着可能なユニット構造を構成し、
    前記第1の側壁と前記第2の側壁との各々は、複数の保持溝を有し、
    複数の前記グリッドの各々は、前記第1の側壁の前記保持溝と前記第2の側壁の前記保持溝とにより保持され
    前記噴出防止板は、前記上蓋に着脱可能に取り付けられて前記ユニット構造を構成することを特徴とする消弧装置。
  2. 前記グリッドのうち前記第1の側壁の側の縁と前記第2の側壁の側の縁との各々には突起部が形成されており、
    複数の前記グリッドの各々は、前記第1の側壁の側の前記突起部が前記第1の側壁の前記保持溝へ挿入され、かつ前記第2の側壁の側の前記突起部が前記第2の側壁の前記保持溝へ挿入された状態で前記下蓋に保持されることを特徴とする請求項1に記載の消弧装置。
  3. 前記第1の側壁のうち前記上蓋の側の縁と前記第2の側壁のうち前記上蓋の側の縁との各々には、前記下蓋に前記上蓋が固定された状態において開口を構成する切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の消弧装置。
  4. 平坦に形成された平坦部と前記平坦部から曲げられた転流部とを有し、前記アークを転流させる消弧鉄板を備え、
    前記第1の側壁の複数の前記保持溝と前記第2の側壁の複数の前記保持溝との各々は、前記消弧鉄板を保持する保持溝を含み、
    前記平坦部のうち前記第1の側壁の側の縁と前記第2の側壁の側の縁との各々には突起部が形成されており、
    前記消弧鉄板は、前記平坦部の前記第1の側壁の側の前記突起部が前記第1の側壁の前記保持溝へ挿入され、かつ前記平坦部の前記第2の側壁の側の前記突起部が前記第2の側壁の前記保持溝へ挿入された状態で前記下蓋に保持されて、前記ユニット構造を構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の消弧装置。
  5. 前記平坦部のうち前記転流部とは逆側の縁には、前記下蓋に前記上蓋が固定された状態において開口を構成する切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の消弧装置。
  6. 前記下蓋は、前記第1の側壁と前記第2の側壁とを互いに連結して前記第1の側壁および前記第2の側壁とともに枠体を構成する連結部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の消弧装置。
  7. 前記下蓋は、前記第1の側壁と前記第2の側壁とが向かい合う第1の方向に垂直な方向であって前記下蓋と前記上蓋とが並ぶ方向である第2の方向と、前記第1の方向および前記第2の方向に垂直な方向である第3の方向との双方が開放された構造物であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の消弧装置。
  8. 前記上蓋は、前記噴出防止板が載せられる面と、前記面の周囲において隆起した部分である縁部とを有し、
    前記縁部には、前記面に対向するように前記面の周囲から突出した突起部が形成されており、
    前記噴出防止板は、前記面と前記縁部の前記突起部との間へ挿入された状態で前記上蓋に取り付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の消弧装置。
  9. 前記上蓋および前記噴出防止板の各々には、前記消弧装置の内部から前記消弧装置の外へ放出されるガスが通る孔が形成されており、
    前記噴出防止板の前記孔は、前記上蓋に前記噴出防止板が取り付けられた状態において前記上蓋の孔同士の間に位置することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の消弧装置。
  10. 前記上蓋および前記噴出防止板の各々には、前記消弧装置の内部から前記消弧装置の外へ放出されるガスが通る孔が形成されており、
    前記噴出防止板の前記孔の中心は、前記上蓋に前記噴出防止板が取り付けられた状態において前記上蓋の孔同士の間に位置することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の消弧装置。
  11. 前記上蓋には、前記消弧装置の内部から前記消弧装置の外へ放出されるガスが通る孔が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の消弧装置。
  12. 前記孔を通った前記ガスによって押し上げられる耐熱シートを備え、
    前記耐熱シートは、前記上蓋に着脱可能に取り付けられて前記ユニット構造を構成することを特徴とする請求項から11のいずれか1つに記載の消弧装置。
  13. 前記耐熱シートは、前記ガスの圧力を受けることによって開閉可能に切り込みが施された部分である可動部を有することを特徴とする請求項12に記載の消弧装置。
  14. 前記グリッドのうち前記上蓋とは逆側の縁には、前記第1の側壁と前記第2の側壁とが向かい合う方向における幅が前記上蓋の方へ向かうに従って狭くなる形状であって前記上蓋の方へ先端部が向けられた切り欠きが形成されており、
    複数の前記グリッドの各々は、前記第1の側壁と前記第2の側壁とが向かい合う方向において前記先端部の位置が互いに異なるグリッド同士が向かい合わせられて並べられることを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の消弧装置。
  15. 遮断器が電流を遮断する際に発生するアークを消滅させる消弧装置の製造方法であって、
    前記消弧装置の外殻を構成する下蓋に、前記消弧装置の内部において前記アークを分断させる複数のグリッドを取り付ける工程と、
    前記消弧装置の外への溶融物の噴出を防ぐための噴出防止板を上蓋に取り付ける工程と、
    複数の前記グリッドを覆う前記上蓋を前記下蓋に取り付ける工程と、を含み、
    前記下蓋と、複数の前記グリッドと、前記上蓋とは、互いに一体とされた状態で前記遮断器から取り外し可能かつ互いに一体とされた状態で前記遮断器に装着可能なユニット構造を構成し、
    前記上蓋は、前記噴出防止板が載せられる面と、前記面の周囲において隆起した部分である縁部とを有し、
    前記縁部には、前記面に対向するように前記面の周囲から突出した突起部が形成されており、
    前記噴出防止板を前記上蓋に取り付ける工程では、前記面と前記突起部との間において前記噴出防止板をスライドさせることによって、前記面と前記突起部との間へ前記噴出防止板を挿入することを特徴とする消弧装置の製造方法。
  16. 前記下蓋は、互いに対向する第1の側壁と第2の側壁とを有し、
    前記第1の側壁と前記第2の側壁との各々は、複数の保持溝を有し、
    複数の前記グリッドの各々は、前記第1の側壁の前記保持溝と前記第2の側壁の前記保持溝とにより保持され、
    複数の前記グリッドを取り付ける工程では、前記第1の側壁の前記保持溝と前記第2の側壁の前記保持溝とにおいて前記グリッドをスライドさせることによって、前記第1の側壁の前記保持溝と前記第2の側壁の前記保持溝とに前記グリッドを挿入することを特徴とする請求項15に記載の消弧装置の製造方法。
  17. 記上蓋および前記噴出防止板の各々には、前記消弧装置の内部から前記消弧装置の外へ放出されるガスが通る孔が形成されており、
    前記噴出防止板の前記孔の位置または形状は、前記消弧装置によって遮断される電流の電流領域に応じて調整されることを特徴とする請求項15または16に記載の消弧装置の製造方法。
JP2022568324A 2020-12-10 2021-12-09 消弧装置および消弧装置の製造方法 Active JP7378643B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020205169 2020-12-10
JP2020205169 2020-12-10
PCT/JP2021/045269 WO2022124360A1 (ja) 2020-12-10 2021-12-09 消弧装置および消弧装置の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022124360A1 JPWO2022124360A1 (ja) 2022-06-16
JPWO2022124360A5 JPWO2022124360A5 (ja) 2023-04-17
JP7378643B2 true JP7378643B2 (ja) 2023-11-13

Family

ID=81973372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022568324A Active JP7378643B2 (ja) 2020-12-10 2021-12-09 消弧装置および消弧装置の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7378643B2 (ja)
CN (1) CN116569299A (ja)
WO (1) WO2022124360A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009158319A (ja) 2007-12-27 2009-07-16 Tempearl Ind Co Ltd 回路遮断器の消弧装置
US20100258531A1 (en) 2007-11-21 2010-10-14 Abb S.P.A. Arc chamber for a switching device, and switching device comprising said arc chamber
CN210296265U (zh) 2019-09-26 2020-04-10 法泰电器(江苏)股份有限公司 新型固定式断路器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5524745Y2 (ja) * 1974-01-18 1980-06-13
JPS6341845U (ja) * 1986-09-03 1988-03-18
JPH069392Y2 (ja) * 1987-10-29 1994-03-09 富士電機株式会社 電磁接触器の消弧装置
JP3216776B2 (ja) * 1994-06-14 2001-10-09 富士電機株式会社 回路遮断器
JP2993896B2 (ja) * 1996-12-26 1999-12-27 株式会社日立製作所 回路遮断器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100258531A1 (en) 2007-11-21 2010-10-14 Abb S.P.A. Arc chamber for a switching device, and switching device comprising said arc chamber
JP2009158319A (ja) 2007-12-27 2009-07-16 Tempearl Ind Co Ltd 回路遮断器の消弧装置
CN210296265U (zh) 2019-09-26 2020-04-10 法泰电器(江苏)股份有限公司 新型固定式断路器

Also Published As

Publication number Publication date
CN116569299A (zh) 2023-08-08
JPWO2022124360A1 (ja) 2022-06-16
WO2022124360A1 (ja) 2022-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7187258B2 (en) Circuit breaker
KR100996799B1 (ko) 아크 가스용 배기통로를 갖는 회로차단기용 아크 소화 챔버
KR101051517B1 (ko) 회로 차단기
US9343245B2 (en) Molded case circuit breaker
KR101986552B1 (ko) 직류용 기중차단기의 아크소호장치
US10192700B2 (en) Air circuit breaker having an improved electric arc quenching chamber
BRPI0715030A2 (pt) defletor de arco para um aparelho disjuntor elÉtrico, conjunto de calha de aÇo para um aparelho calha de aÇo para para um aparelho disjuntor elÉtrico e aparelho disjuntor elÉtrico
JPH09510574A (ja) 3つのアークガス通流バリヤを備えた消弧室
US9064648B2 (en) Valve system for an arc extinguishing chamber and circuit breaker comprising same
JP3216776B2 (ja) 回路遮断器
WO2020241397A1 (ja) 直流遮断器
JP7378643B2 (ja) 消弧装置および消弧装置の製造方法
JP2009158319A (ja) 回路遮断器の消弧装置
KR900006127Y1 (ko) 회로 차단기
JP6180329B2 (ja) 直流高速度遮断器
JPH02132716A (ja) 回路遮断器
JP5995077B2 (ja) 回路遮断器の消弧装置
CN116830230A (zh) 电弧熄灭部及包括其的空气断路器
JP6144494B2 (ja) アークシュートアセンブリ及びその製造方法
JPH09129074A (ja) 回路遮断器の消弧装置
JP4906479B2 (ja) 消弧装置を備えた回路遮断器
CN101055823B (zh) 电路断路器
JP4696665B2 (ja) 漏電遮断器
CN218513396U (zh) 排气结构及断路器
CN221101980U (zh) 一种端子护罩以及断路器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7378643

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150