JP2010251035A - 回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース2とカバー3からなるモールド樹脂製の本体ケースに、主回路接点機構と消弧装置10を組合せた電流遮断部,開閉機構部,過電流引外し装置を搭載した回路遮断器において、前記カバー3の電源側端部に、前記消弧装置10に通じるガス排気口3cを開口した遮蔽壁部3bを一体成形し、かつ遮蔽壁部3bにはガス排気口3cを外側から覆って可撓性のある防護シート15を重ね合わせた上で、この防護シート15の端部をカバー3に係止保持する。
【選択図】図1
Description
次に、前記の回路遮断器の構造(3極回路遮断器の中央極部分)を図5に示す。図において、1はケース2,カバー3,およびカバー3に付設したトップカバー4からなるモールド樹脂製の本体ケース、5は電源側端子、6は負荷側端子、7はバー導体からなる電源側端子5と一体に形成された固定接触子、8は回動式の可動接触子、9は可動接触子ホルダー、10は可動接触子8の開極移動経路に沿って配置したグリッド式の消弧装置、11は可動接触子8に連係したトグルリンク機構からなる開閉機構部、12は操作ハンドル、13は過電流引外し装置である。なお、ケース2,カバー3の内部は各極の電流遮断部と消弧装置を個別に収容する室が極間隔壁を隔てて画成されている。
なお、図示の回路遮断器は、操作ハンドル12を上に向けて横置姿勢に描いているが、当該回路遮断器を制御盤などの盤内に設置する際には、前記の電源側端子5を上側に向けた直立姿勢で回路遮断器を盤側の支持レールなどに装着して使用する。
ところで、前記構成の回路遮断器を盤内に設置した状態では、前記ガス排気口3aが上方に向けて開口することになり、このままでは上方から落下する異物,塵埃がガス排気口3aを通じてケース内部の消弧室に侵入するおそれがある。そこで、従来の回路遮断器では、図6(a),(b)で示すように、カバー3の電源側端面に開口した排気口3aに臨ませて、板面にガス抜き穴14aを分散穿孔して消弧装置10に対向させた絶縁物製の背板14,および前記ガス抜き穴14aを外側から覆うように背板14に重ね合わせた撓み性を有する防護シート15の下端部をケース2の内側に形成したスリット状の溝に差し込んで係止保持した構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そのほか、短絡電流などの大電流遮断に伴って消弧室内に発生するアークガスの圧力が大きくなると、ケース2の係合溝に差込み保持した背板14が溝から脱落し、アークガスと一緒にケースの外側に吹き飛ばされてしまうトラブルのおそれがある。
この発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、従来構造に比べて部品点数,組立工数を削減してコストを低減化し、併せて安全性の確保が図れるように改良した回路遮断器のアークガス排気構造を提供することにある。
本体ケースのカバーの電源側端部に、前記消弧装置に通じるガス排気口を開口した遮蔽壁部を一体成形し、かつ該遮蔽壁部には前記ガス排気口を外側から覆って可撓性の防護シートを重ね合わせた上で、該防護シートの端部を本体ケースのカバーに係止保持するものとし(請求項1)、具体的には次記のような態様で構成する。
(1)前記カバーの遮蔽壁部は、その先端側が本体ケースのケース内部に入り組むように延長する(請求項2)。
(2)前記防護シートの左右両サイドに、その下端部から側方に張り出すアーム状の支持片を形成し、該支持片を本体ケースのカバーの極間隔壁に設けた係合溝に嵌入して係止保持する(請求項3)。
(3)本体ケースのカバーに形成した遮蔽壁部の上縁に、前記防護シートの上端を掛け止めする係合突起をする(請求項4)。
また、遮蔽壁部の排気口から本体ケース内に塵埃,異物が侵入するのを防ぐ防護シートを遮蔽壁部に重ねてカバーに係止保持したことにより、本体ケースのカバーをケースに装着する以前の組立段階で防護シートを所定の位置に組み付けることができる。これにより、防護シートをケース側に係止保持した従来構造と比べて組立作業性が向上する。
すなわち、図示実施例においては、本体ケースに搭載した消弧装置10のガス排出側に対峙して、カバー3の電源側端部には遮蔽壁部3bがカバー3と一体にモールド成形されており、かつ該遮蔽壁部3bの壁面には消弧装置10に通じるガス排気口3cが開口している。また、遮蔽壁部3bには外側から前記ガス排気口3cを覆うように可撓性の防護シート15を重ね合わせた上で、該防護シート15をカバー3に係止保持している。なお、この防護シートは、先述のように難燃,耐熱,撓み性を有する厚さ0.5mm以下の絶縁シート(例えば、ノーメックス(NOMEX)紙:デュポン帝人アドバンスドペーパー(株)の製品名)で作られている。
一方、防護シート15は、その下端部から左右両サイドに沿って突き出すアーム状の支持片15a(図2(a),図3参照)が形成されており、この支持片15aの先端をケース3の極間隔壁3dに設けた係合溝3e(図2(b)参照)に下方から差し込んで所定位置に掛止保持している。さらに、図示実施例では遮蔽壁部3bの上縁中央部位に係合突起3f(図1,図2参照)を突設形成し、この係合突起3fの裏側に防護シート15の上端を差し込んで掛止するようにしている。なお、この防護シート15は、回路遮断器の組立工程でカバー3をケース2に組み付ける以前の段階で遮蔽壁部3bに重ね合わせて前記手順によりカバー3に掛止保持させておくことができる。
一方、回路に流れる過電流を検知して回路遮断器がトリップ動作した電流遮断時には、消弧装置10の消弧室に生じたアークガスのガス圧を受けて防護シート15が外方に撓み変形し、遮蔽壁部3bとの間に生じた隙間,およびガス排気口3cを通じてアークガスを外方に逃がす。この場合に、遮蔽壁部3bはカバー3と一体にモールド形成されているので、短絡電流などの大電流遮断に伴い高いアークガス圧が加わっても、従来構造の背板14(図6参照)のように不測に脱落してケース外方に飛び出すおそれはなくて高い安全性を確保できる。なお、電流遮断後にアークガスの発生,放出が止まると防護シート15は元の状態に自己復帰し、再び遮蔽壁部3bに重なりあってガス排気口3cを閉塞する。
2 ケース
3 カバー
3a 遮蔽壁部
3c ガス排気口
3e 係合溝
3f 係合突起
5 電源側端子
7 固定接触子
8 可動接触子
10 消弧装置
11 開閉機構部
13 過電流引外し装置
15 防護シート
15a 支持片
Claims (4)
- ケースとカバーからなるモールド樹脂製の本体ケースに、主回路接点と消弧装置,開閉機構部,過電流引外し装置を搭載した回路遮断器において、
本体ケースのカバーの電源側端部に、前記消弧装置に通じるガス排気口を開口した遮蔽壁部を一体成形し、かつ該遮蔽壁部には前記ガス排気口を外側から覆って可撓性の防護シートを重ね合わせた上で、該防護シートの端部を本体ケースのカバーに係止保持したことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項1に記載の回路遮断器において、遮蔽壁部を、その先端側が本体ケースのケース内側に入り組むように延長したことを特徴とする回路遮断器。
- 請求項1に記載の回路遮断器において、防護シートの左右両サイドにその下端部から側方に張り出すアーム状の支持片を形成し、該支持片を本体ケースのカバーの極間隔壁に設けた係合溝に嵌入して係止保持したことを特徴とする回路遮断器。
- 請求項1に記載の回路遮断器において、遮蔽壁部の上縁に、防護シートの上端を掛け止めする係合突起を形成したことを特徴とする回路遮断器。
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