JPH07306529A - 発泡性記録材料膜、及び発泡性記録膜とその作製方法 - Google Patents

発泡性記録材料膜、及び発泡性記録膜とその作製方法

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JPH07306529A
JPH07306529A JP25070094A JP25070094A JPH07306529A JP H07306529 A JPH07306529 A JP H07306529A JP 25070094 A JP25070094 A JP 25070094A JP 25070094 A JP25070094 A JP 25070094A JP H07306529 A JPH07306529 A JP H07306529A
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祐子 桑原
Takeshi Hotta
豪 堀田
Osamu Takeatsu
修 竹厚
Yukio Taniguchi
幸夫 谷口
Toshiichi Segawa
敏一 瀬川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化合
物とからなるものであり、記録光の光強度に応じて重合
性モノマーを重合させた後、加熱して熱発泡性化合物を
分解、発泡させ、発泡性記録膜とするものであり、記録
光照射部には気泡が存在しないか、その径が小さい気泡
かまたは少量の気泡が、また、記録光非照射部にはその
径が大きい気泡か多量の気泡が存在するものである。ま
た、発泡性記録材料膜として、ネガ型フォトポリマーと
熱発泡性化合物を含有するものであってもよく、また、
光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化合物を含有し
た発泡性記録材料層上にネガ型フォトポリマー層を積層
したものとし、記録光非照射部に気泡を発生させると共
にネガ型フォトポリマー層を現像して発泡性記録膜とし
てもよい。 【効果】 屈折率差が高く、かつ透明なホログラムや回
折格子、更に、階調性を有する屈折率分布型光学素子が
容易に作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光屈折率差や光散乱を
利用した表示装置、ディスプレー分野、光学素子、メモ
リー等の発泡性記録材料膜、及び発泡性記録膜とその作
製方法に関し、特に、ホログラム(透過型、反射型、レ
リーフ型、計算機生成)として有用で、かつエンコー
ダ、レンズアレイ、拡散板、発泡部に液晶を注入して高
分子分散液晶等への適用が可能な発泡性記録材料膜、及
び発泡性記録膜とその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光屈折率差を利用したホログラム
としては、銀塩、重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー
等が知られているが、光照射後にアルカリや溶剤を使用
して現像する方式のものは、現像後に生じる空隙が連泡
になり、可視光波長より径の小さな空隙は作製しにく
く、そのため光散乱が大きくなり、透明なホログラムや
回折格子が得られないという問題がある。
【0003】また、フォトポリマーを使用し湿式現像し
ない方式のものとして、例えば特開平3−55587号
公報、特開平3−36582号公報に開示があるが、得
られる屈折率差は2種類の有機物の屈折率差を利用する
ものであり、その差は実質上0.2(Δnは0.1)に
しかならない。
【0004】更に、特開平5−72727号公報には、
ベースポリマー中にジアゾ化合物等の光発泡性化合物を
含有させ、露光強度に応じた気泡を発生させ、ホログラ
ムとすることが記載されているが、この方式では発生す
る気泡の大きさと密度はベースポリマーの軟らかさや光
発泡性化合物の添加量で一義的に決まってしまい、露光
強度に応じた気泡の分布、即ち屈折率分布が取れないと
いう問題がある。
【0005】また、この方式では、気泡を発生させるた
めにベースポリマーとしては軟らかいものを使用する必
要があるが、そのために発生した気泡が逃げてしまうと
いう本質的な問題がある。更に、重要な問題として光発
泡剤は光に感光して発泡するが、市販されている感光性
発泡剤は、いずれも450nm程度以下の波長までしか
感光しないものであり、それ以上の長波長での感光域を
有するアゾ系発泡剤は得られていないのが実情であり、
使用光源が特定されるという問題がある。
【0006】また、光散乱を利用した表示材料として
は、液晶、高分子分散液晶、サーモプラスチック等が知
られているが、液晶や高分子分散型液晶は高価であり、
特に簡易的な表示装置には向かない。
【0007】また、光記録(磁気記録、光磁気記録を含
む)媒体において、媒体表面を粗面化し、光散乱部と光
反射部との反射率の相違を利用して情報を記録するもの
が知られているが、すりガラスを使用した密着露光等に
より散乱部を形成する工程は煩雑であり、また、深溝の
場合その複製が困難であり、光散乱部と光反射部との反
射率を大きく相違させることができないという問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、屈折率差を
利用した記録膜においては、屈折率差が高く、かつ透明
なホログラムや回折格子が得られると共に、階調性を有
する屈折率分布型光学素子が容易に作製される共に、光
散乱を利用した記録膜においては、安価でかつ容易に表
示装置が容易に作製でき、また、反射率差が大きくと
れ、かつ複製の容易な発泡性記録材料膜、及び発泡性記
録膜とその作製方法の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発泡性記
録材料膜は、光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化
合物とからなることを特徴とする。
【0010】本発明の第2の発泡性記録材料膜は、光重
合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化合物とからなる発
泡性記録材料層上にネガ型フォトポリマー層を積層した
ことを特徴とする。
【0011】本発明の第1及び第2の発泡性記録材料膜
において、光重合性化合物が、単官能モノマーと多官能
モノマーとの混合物であることを特徴とする。
【0012】本発明の第1及び第2の発泡性記録材料膜
において、光開始剤及び熱発泡性化合物が、それぞれ分
解時に光重合性化合物に対する重合活性を有するラジカ
ルを発生するものであって、かつ光開始剤の分解により
発生するラジカルが熱発泡性化合物の分解により発生す
るラジカルに比して重合活性の高いものであることを特
徴とする。
【0013】本発明の第1及び第2の発泡性記録材料膜
において、光開始剤がその分解時にヒドロキシラジカ
ル、酸素ラジカル、塩素ラジカルのうち少なくとも一種
のラジカルを生じるものであり、また、熱発泡性化合物
がその分解時に炭素ラジカル、窒素ラジカルのうち少な
くとも一種のラジカルを生じるものであることを特徴と
する。
【0014】本発明の第3の発泡性記録材料膜は、ネガ
型フォトポリマーと熱発泡性化合物とからなることを特
徴とする。
【0015】本発明の第1〜第3の発泡性記録材料膜に
おける熱発泡性化合物が無機化合物であることを特徴と
する。
【0016】本発明の第1〜第3の発泡性記録材料膜に
おける熱発泡性化合物が金属錯体であることを特徴とす
る。
【0017】また、本発明の第1の発泡性記録膜は、光
重合性化合物、光開始剤、熱発泡性化合物からなる発泡
性記録材料膜に、記録光を照射し、次いで加熱して得ら
れる発泡性記録膜であって、記録光照射部には気泡が存
在しないか、その径が小さい気泡かまたは少量の気泡が
存在し、また、記録光非照射部にはその径が大きい気泡
か多量の気泡が存在することを特徴とする。
【0018】本発明の第1の発泡性記録膜が、散乱光に
よる表示手段であることを特徴とする。
【0019】本発明の第1の発泡性記録膜が、レンズア
レイであることを特徴とする。
【0020】本発明の第2の発泡性記録膜は、光重合性
化合物、光開始剤、熱発泡性化合物からなる発泡性記録
材料層上に、ネガ型フォトポリマー層を積層した発泡性
記録材料膜に、記録光を照射した後、(1)現像処理し
て記録光未照射部のネガ型フォトポリマー層を除去した
後、加熱処理するか、または(2)加熱処理した後、現
像処理し、記録光未照射部のネガ型フォトポリマー層を
除去して得られる発泡性記録膜であって、記録光照射部
には気泡が存在しないか、その径が小さい気泡かまたは
少量の気泡が存在し、また、記録光非照射部にはその径
が大きい気泡か多量の気泡を存在させたことを特徴とす
る。
【0021】本発明の第3の発泡性記録膜は、ネガ型フ
ォトポリマーと熱発泡性化合物からなる発泡性記録材料
膜に、記録光を照射した後、(1)該膜表面部を現像処
理し、次いで加熱するか、または、(2)加熱処理した
後、膜表面部を現像処理して得られる発泡性記録膜であ
って、記録光照射部には気泡が存在しないか、その径が
小さい気泡かまたは少量の気泡が存在し、また記録光非
照射部にはその径が大きい気泡か多量の気泡を存在させ
たことを特徴とする。
【0022】本発明の第3の発泡性記録膜が、レリーフ
型ホログラムであることを特徴とする。
【0023】本発明の第3の発泡性記録膜が、深溝型コ
ンピュータジェネレイテッドホログラムであることを特
徴とする。
【0024】本発明の第4の発泡性記録膜は、光重合性
化合物、光開始剤、熱発泡性化合物からなる発泡性記録
材料膜に、可視光レーザーによる干渉光を記録光として
照射し、次いで加熱して得られる発泡性記録膜であっ
て、光が強めあった部分では気泡が存在しないか、その
径が小さい気泡かまたは少量の気泡が存在し、また、光
が弱めあった部分ではその径が大きい気泡か多量の気泡
を存在させたことを特徴とする。
【0025】本発明の第4の発泡性記録膜が透過型ホロ
グラムであることを特徴とする。
【0026】本発明の第4の発泡性記録膜が反射型ホロ
グラムであることを特徴とする。
【0027】本発明の第1〜第4の発泡性記録膜におけ
る記録光非照射部における気泡が相互に連通した構造を
有していることを特徴とする。
【0028】本発明の第1〜第4の発泡性記録膜におけ
る記録光非照射部における気泡がそれぞれが独立した微
細気泡であることを特徴とする。
【0029】本発明の第1の発泡性記録膜の作製方法
は、光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化合物とか
らなる発泡性記録材料膜に、記録光を照射し、該記録光
照射部における光重合性化合物を重合させた後、加熱
し、記録光未照射部における熱発泡性化合物を分解、発
泡させることを特徴とする。
【0030】本発明の第2の発泡性記録膜の作製方法
は、光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化合物とか
らなる発泡性記録材料層上にネガ型フォトポリマー層を
積層した発泡性記録材料膜に、記録光を照射し、記録光
照射部における光重合性化合物及びネガ型フォトポリマ
ーを硬化させた後、(1)現像処理を行い、記録光未照
射部におけるネガ型フォトポリマー層を除去し、次いで
加熱処理し、該記録光未照射部における熱発泡性化合物
を分解、発泡させるか、或いは、(2)加熱処理し、記
録光未照射部における熱発泡性化合物を分解、発泡さ
せ、次いで現像処理し、該記録光未照射部におけるネガ
型フォトポリマー層を除去することを特徴とする。
【0031】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法
は、ネガ型フォトポリマーと熱発泡性化合物を含有する
発泡性記録材料膜に、記録光を照射し、該記録光照射部
におけるネガ型フォトポリマーを硬化させた後、(1)
現像処理を行い、記録光未照射部における発泡性記録材
料膜の表層のみを除去し、次いで加熱処理し、該記録光
未照射部における熱発泡性化合物を分解、発泡させる
か、或いは、(2)加熱処理し、記録光未照射部におけ
る熱発泡性化合物を分解、発泡させ、次いで現像処理
し、該記録光未照射部における発泡性記録材料膜の表層
のみを除去することを特徴とする。
【0032】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法に
おける記録光が、450nm以上の波長光であることを
特徴とする。
【0033】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法に
おける記録光が、マスクを介して照射されるものである
ことを特徴とする。
【0034】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法に
おけるマスクが、光透過度を段階的、または連続的に相
違させた階調マスクであることを特徴とする。
【0035】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法に
おけるマスクが、計算機生成ホログラムの干渉縞パター
ンであることを特徴とする。
【0036】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法に
おけるマスクが、記録光により記録された発泡性記録膜
であって、かつ発泡性記録膜の法線側からの平行な均一
光を照射し、発泡性記録膜における記録を複製するもの
であることを特徴とする。
【0037】本発明の第3の発泡性記録膜の作製方法に
おけるマスクが、デルタ状、ストライプ状、または蜂の
巣状の枠体であり、記録光非照射部1単位毎にそれぞれ
1個の気泡を大きく発泡させることを特徴とする。
【0038】本発明の第4の発泡性記録膜の作製方法
は、光重合性化合物、光開始剤、熱発泡性化合物からな
る発泡性記録材料膜に、可視光レーザーによる干渉光を
記録光として照射し、光が強め合う部分における光重合
性化合物を重合させた後、加熱し、光が弱め合う部分に
おける熱発泡性化合物を分解、発泡させることを特徴と
する。
【0039】まず、本発明の第1の発泡性記録材料膜に
ついて説明する。光重合性化合物は、電子線、紫外線、
可視光線又は近赤外線の照射により重合性を有する化合
物であって、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化
合物が挙げられる。
【0040】ラジカル重合性化合物としては、1分子中
に少なくともエチレン性不飽和二重結合を1個有する光
重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマ
ー及びそれらの混合物である。
【0041】光重合性モノマー及びその共重合体の例と
しては、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン
酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和
カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙
げられる。
【0042】不飽和カルボン酸のモノマーの具体例とし
てはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲ
ン置換不飽和カルボン酸、例えば塩素化不飽和カルボン
酸、臭素化不飽和カルボン酸、弗素化不飽和カルボン酸
等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述の
酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0043】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトール
トリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、
ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサ
アクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等
がある。
【0044】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタク
リルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジ
メチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ
フェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタク
リロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2
−ナフチル等がある。
【0045】イタコン酸エステルとしてはエチレングリ
コールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコ
ネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,
4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレング
リコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタ
コネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げら
れる。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコー
ルジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロト
ネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビ
トールテトラクロトネート等が挙げられる。イソクロト
ン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロ
トネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、
ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマ
レート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエ
リスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート
等が挙げられる。
【0046】ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレー
ト、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシ
ルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタ
デカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−
2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチ
ルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新
中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレー
ト(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業
(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品
名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、
メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−
トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2
−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレー
ト、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモ
フェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアク
リレート等が挙げられる。
【0047】また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレ
ンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,
6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレン
トリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアク
リルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フ
ェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド
等が挙げられる。
【0048】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報に記載された1分子に2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物、一般式 CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH (式中R、R′は水素或い
はメチル基を表す。)で示される水酸基を含有するビニ
ルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。
【0049】また、特開昭51−37193号公報に記
載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−641
83号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭5
2−30490号公報にそれぞれ記載されているような
ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)
アクリル酸等の多官能のアクリレートやメタクリレート
を挙げることができる。
【0050】さらに、日本接着協会誌Vol.20、N
o7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴ
マーとして紹介されているものも使用することができ
る。
【0051】その他、燐を含むモノマーとしてはモノ
(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業
(株)製)、モノ(2−メタクリロイキエチル)アシッ
ドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共栄
社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシア
クリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭和
高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭和
高分子(株)製)等が挙げられる。
【0052】また、商品名:NKエステルM−230G
(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル2
3G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。更に、
下記の構造式を有するトリアクリレート類、
【0053】
【化1】
【0054】(東亜合成化学工業(株)製、商品名、ア
ロニックス M−315)
【0055】
【化2】
【0056】(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、ア
ロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-
アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村
化学 (株)製、商品名、NKエステル A-BPE-4 )、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学
(株)製、商品名、NKエステル A-TMMT)等が挙げら
れる。
【0057】光開始剤としては、4−ジメチルアミノ安
息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、2−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル、2−ジメチルアミノ安息香
酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジ
メチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息
香酸2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸
イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベン
ジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチル
アセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンゾフェ
ノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケト
ン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、
4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジベンゾイル
(1,2−ジフェニルエタンジオン)、ベンゾイン(2
−フェニル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン)、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル(nとisoの50:50混合物)、
ベンゾインアルキルエーテル、4’−イソプロピル−2
−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチ
ルアミノアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロア
セトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、p−アジドベンズアルデヒド、p−アジドアセトフ
ェノン、p−アジドベンゾイン酸、p−アジドベンザル
アセトフェノン、p−アジドベンザルアセトン、4,
4’−ジアジドカルコン、1,3−ビス−(4’−アジ
ドベンザル)−アセトン、2,6−ビス−(4’−アジ
ドベンザル)−シクロヘキサノン、2,6−ビス−
(4’−アジシトベンザル)−4−メチルシクロヘキサ
ノン、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジス
ルホン酸、1,3−ビス−(4’−アジドベンザル)−
2−プロパノン−2’スルホン酸、1,3−ビス−
(4’−アジドベンザル)−2−プロパノン−2,2’
−ジスルホン酸ナトリウム、1,3−ビス−(4’−ア
ジドシンナシリデン)−2−プロパノン、アジドピレ
ン、3−スルホニルアジド安息香酸、4−スルホニルア
ジド安息香酸、2,6−ビス−(4’−アジドベンザ
ル)−シクロヘキサノン−2’,2ジスルホン酸(ナト
リウム塩)、2,6−ビス−(4’−アジドベンザル)
−メチル−シクロヘキサノン2,2’−ジスルホン酸
(ナトリウム塩)、4−ジアゾジフェニルアミン硫酸
塩、4−ジアゾ−4’−メトキシ−ジフェニルアミン硫
酸塩、4−ジアゾ−3−メトキシ−ジフェニルアミン、
ナフトキノン(1,2)ジアジド(2)−4−スルホン
酸のナトリウム塩、ナフトキノン(1,2)ジアジド
(2)−5−スルホン酸のナトリウム塩、ナフトキノン
(1,2)ジアジド(2)−5−スルホン酸エステル
(1)、ナフトキノン(1,2)ジアジド(2)−5−
スルホン酸エステル、ナフトキノン(1,2)ジアジド
(2)−5−スルホン酸エステル(3)−ノボラック樹
脂エステル、ジアゾ樹脂(ジアゾジフェニルアミン・パ
ラホルムアルデヒド縮合物の硫酸塩及び塩化亜鉛複塩
等)、トリフェニルピリリウム過塩素酸塩、4−メトキ
シフェニル−2,6−ジフェニルピリリウム過塩素酸
塩、4−ブトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリ
ウム過塩素酸塩、トリフェニルチオピリリウム過塩素酸
塩、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピ
リリウム過塩素酸塩、チオキサントン、2−メチルチオ
キサントン(2−メチル−9H−チオキサンセン−9−
オン)、クロロチオキサントン(2−クロロ−9H−チ
オキサンセン−9−オン)、2−イソプロピルチオキサ
ンソン(2−イソプロピル−9H−チオキサンセン−9
−オン)、ジベンゾスベロン、2,5−ビス−(4’−
ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、1−アセ
チルアミノ−4−ニトロナフタレン、5−ニトロアセナ
フテン、1−ニトロピレン、α,α−ジクロロ−4−フ
ェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、又、商品名:カヤキュアMBP(日
本化薬(株)製)、商品名:UVECRYL P36
(UCB)等が挙げられ、これらは単独でも、また混合
して使用することができる。
【0058】これら光重合開始剤は光重合性化合物10
0重量部に対して1重量部〜20重量部、好ましくは3
重量部〜10重量部の割合で使用される。
【0059】なお、カチオン重合性モノマーを使用して
もよく、例えば、ビニルエーテル、エポキシド、環状エ
ーテル、環状アセタール、ラクトン、ビニルモノマー、
環状シロキサン等が挙げられ、例えばBASF社製のエ
チルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アミノプロピ
ルビニルエーテル等、またはこれらの混合モノマー等が
挙げられる。また、カチオン発生剤としては、一般的な
カチオン発生剤、例えばアリールジアゾニウム塩、ジア
リールヨードニウム塩、トエアリールスルフォニウム
塩、トリアリールセレノニウム塩、トリクロロメチル−
s−トリアジン、鉄−アレーン化合物等が挙げられる。
【0060】増感色素としては、光源の波長に合わせて
種々のものを使用され、例えばクマリン系色素、シアニ
ン系色素、カルボシアニン系色素、スクアリリウム系色
素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、オキ
ソノール系色素、スチリル系色素、ベーススチリル系色
素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素等が挙げら
れ、可視光線での光重合性化合物の重合を可能とする。
【0061】これら増感色素は、重合性モノマー100
重量部あたり、0.1重量部〜10重量部、好ましくは
1重量部〜5重量部含有させるとよい。なお、光源とし
て紫外線、電子線を使用する場合は不用である。
【0062】熱発泡性化合物としては、加熱により気体
を発生するもので、有機系発泡剤としてはアゾ系、ニト
ロソ系、ヒドラジド系等が挙げられる。
【0063】アゾ系としてはアゾジカルボンアミド、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(α,α′−ア
ゾビスイソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)ア
ゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン〕・二
塩酸塩、2,2′−アゾビス〔N−(4−クロロフェニ
ル)−2−メチルプロピオンアミジン〕・二塩酸塩、
2,2′−アゾビス〔N−(4−ヒドロキシフェニル)
−2−メチルプロピオンアミジン〕・二塩酸塩、2,
2′−アゾビス〔2−メチル−N−(フェニルメチル)
−プロピオンアミジン〕・二塩酸塩、2,2′−アゾビ
ス〔2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンア
ミジン〕・二塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−メチル
プロピオンアミジン〕・二塩酸塩、2,2′−アゾビス
〔N−(2−ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオ
ンアミジン〕・二塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−
(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕・二塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕・二塩酸塩、2,2′
−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1
H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン〕・二塩
酸塩、2,2′−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テ
トラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕・二塩酸
塩、2,2′−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−3,
4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロ
パン〕・二塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−〔1−
(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イ
ル〕プロパン}・二塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕・二塩酸
塩、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−
ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プ
ロピオンアミジン}、2,2′−アゾビス{2−メチル
−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プ
ロピオンアミジン}、2,2′−アゾビス{2−メチル
−N−〔2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミジ
ン}、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ジン)・二水和物、2,2′−アゾビス(2,4,4−
トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−メチ
ルプロパン)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチ
ルプロピオネート)、4,4′−アゾビス(4−シアノ
バレリン酸)、2,2′−アゾビス〔2−(ヒドロキシ
メチル)プロピオニトリル等が挙げられる。
【0064】その他、ニトロソ系としてはジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、N,N′−ジニトロソ−N,
N′−ジメチルテレフタルアミド、ヒドラジド系として
は、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラゾ
ルカルボンアミド等が挙げられ、また、p−トルエンス
ルホニルアジド、アセトン−p−スルホニルヒドラゾン
等も挙げられる。
【0065】有機系熱発泡性化合物は、加熱により
2 、CO、CO2 、NH3 、N2 O、NO2 等のガス
を発生する。
【0066】また、無機系の熱発泡性化合物としては、
重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニ
ウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素アンモニウム、
マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の軽金属、カルシ
ウムアジド等のアジド化合物等が挙げられる。
【0067】これらの熱発泡性化合物は、重合性モノマ
ー100重量部あたり、1重量部〜30重量部、好まし
くは5重量部〜20重量部含有させるとよい。
【0068】また、発泡性記録材料膜中にバインダーポ
リマーを添加することによりドライフィルム化でき、例
えばポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解
物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリスチレ
ン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩
化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポ
リ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと
無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリ
ル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル等の
共重合可能なモノマー群から選択されるモノマーを重合
成分とする共重合体等が挙げられる。バインダーポリマ
ーは、光重合性化合物100重量部あたり、50重量部
〜300重量部、好ましくは100重量部〜200重量
部含有させるとよい。
【0069】また、上記組成に加えて、更に熱重合禁止
剤、可塑剤等を添加してもよい。
【0070】本発明の発泡性記録材料膜において、上述
した光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化合物にお
けるそれぞれの具体的な化合物の選択、組合せについて
説明する。
【0071】熱発泡性化合物として、有機系の熱発泡性
化合物を選択する場合には、例えばアゾビスイソブチロ
ニトリルは、2J/cm2 程度の紫外線照射で分解し、
窒素ガスを発生する。そして、その分解機構としては、
まず、ラジカルが発生し、気体に成長する過程を経る
が、気体に成長する前に、このラジカルにより光重合性
化合物の重合が生起するという問題がある。なお、無機
系の熱発泡性化合物ではラジカルを発生しない。
【0072】従って、発泡性記録材料膜を光重合性化合
物、有機系熱発泡性化合物、光開始剤から構成する場合
には、記録光の照射部においては光重合性化合物は硬化
するが、有機系熱発泡性化合物の分解を抑制することが
必要であり、また、記録光照射後、非照射部において
は、熱発泡性化合物の分解、ガス発生を光重合性化合物
の硬化に優先して起こす必要がある。そのため、光重合
性化合物として感度が高く、低エネルギーの光照射で重
合しうるものを選択すると共に、光開始剤として光重合
性化合物に対する重合活性の高いラジカル、例えば塩素
ラジカル、ヒドロキシルラジカル、酸素ラジカル等を発
生するものを選択し、更に、有機系熱発泡性化合物とし
ては、その分解が、光重合性化合物の重合に比して高エ
ネルギーを必要とするものを選択するか、或いはラジカ
ルを発生しても、光重合性化合物に対する重合活性の低
いラジカル、例えば炭素ラジカル、窒素ラジカル等を発
生するものを選択するとよい。
【0073】光重合性化合物の感度を高めるには、一般
に、多官能モノマーを使用するとよいが、記録光の照射
後、未照射部において、有機系熱発泡性化合物を発泡さ
せる際に、その分解に伴うラジカルの発生により多官能
モノマーの重合が生じ、気泡を成長させることができな
いという問題が生じるので、光重合性化合物としては、
有機系熱発泡性化合物の分解、気泡の成長しない高感度
のもので、適宜の感度を有するものを選択するか、また
は、単官能モノマーに多官能モノマーとを適宜組合せる
ことにより、光重合性化合物の感度を調節するとよい。
【0074】一般に、光重合性化合物において、単官能
モノマーは低感度であり、その重合には3J/cm2
上の紫外線照射が必要であるのに対して、多官能モノマ
ーは0.1J/cm2 程度の紫外線照射で重合する。そ
のため、単官能モノマーと多官能モノマーを混合して感
度を調節するとよい。
【0075】光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性化
合物の具体的な組合せを例示すると、例えば、単官能ア
クリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、アロニックスM
−5600)100重量部に対して、3官能ペンタエリ
スリトールトリアクリレートを1重量部〜10重量部の
範囲で混合して光重合性化合物とし、光開始剤としてヒ
ドロキシラジカルを発生するテトラ(t−ブチルパーオ
キシカルボニル)ベンゾフェノンを1重量部〜30重量
部、熱発泡性化合物として窒素ラジカルを発生するα,
α′−アゾビスイソブチロニトリルを0.5重量部〜2
0重量部の割合の組成物が挙げられる。
【0076】また、この組成物において、光開始剤を塩
素ラジカルを発生するトリクロロメチル−s−トリアジ
ンに代えて、同様の組成物としてもよい。
【0077】上記の組成物において、3官能ペンタエリ
スリトールトリアクリレートの割合が10重量部を越え
ると記録光非照射部における発泡が生じなく、また、1
重量部より少ないと照射部で発泡が生じる。
【0078】なお、熱発泡性化合物が無機化合物や金属
錯体の場合には、熱発泡性化合物が分解してもラジカル
を発生しないので、光重合性化合物として多官能モノマ
ーの比率が高くても記録光照射部と非照射部との区別が
明瞭であり、パターニングが可能である。
【0079】これらの成分は混合された後、ガラス、ポ
リエチレンテレフタレート等のプラスチックフイルム等
の基材上に、アプリケーター、ロールコーター、スピン
コーター、ブレードコーター、スライドコーター等を使
用して塗布し、乾燥後膜厚1μm〜100μm、好まし
くは3μm〜15μmとされ、第1の発泡性記録材料膜
とされる。
【0080】次いで、形成された発泡性記録材料膜上に
は、空気中に酸素によるラジカル重合阻害防止及び気泡
を膜内に内在させることを目的として、酸素遮蔽膜を積
層するとよい。酸素遮蔽膜としては、ガラス基材、ポリ
エチレンテレフタレートフイルム、ポリビニルアルコー
ルフイルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フイ
ルム等のプラスチックフイルムが挙げられ、又、ポリビ
ニルアルコール水溶液をコーティングして形成してもよ
い。
【0081】本発明の第2の発泡性記録材料膜について
説明する。本発明の第2の発泡性記録材料膜は、上述し
た第2の発泡性記録材料膜上に、ネガ型フォトポリマー
層を積層したものである。
【0082】ネガ型フォトポリマーとしては、光重合性
モノマーとバインダーポリマーとの混合物、ポリビニル
シンナメート等の架橋性ポリマー、ゴム系レジスト、バ
インダーポリマーとその架橋剤との混合物等が挙げら
れ、例えば東京応化工業(株)製のOMR−85、OM
R−83等が挙げられる。
【0083】発泡性記録材料層は、乾燥後膜厚1μm〜
20μm、好ましくは3μm〜10μmとされ、また、
ネガ型フォトポリマー層は、乾燥後膜厚1μm〜20μ
m、好ましくは3μm〜10μmとされる。
【0084】本発明の第3の発泡性記録材料膜について
説明する。本発明の第3の発泡性記録材料膜は、上述し
たネガ型フォトポリマーに、上述した熱発泡性化合物を
ネガ型フォトポリマー100重量部あたり1重量部〜3
0重量部、好ましくは5重量部〜20重量部の割合から
なる。なお、発泡性記録材料膜中には、ヒドロキノンや
メトキシフェノールのような還元剤や尿素や酸化亜鉛等
の発泡助剤等を含有させてもよい。
【0085】このような組成の塗布液を、ガラス、ポリ
エチレンテレフタレート等のプラスチックフイルム等の
基材上に、アプリケーター、ロールコーター、スピンコ
ーター、ブレードコーター、スライドコーター等を使用
して塗布し、乾燥後膜厚1μm〜20μm、好ましくは
3μm〜10μmとされる。
【0086】次に、発泡性記録膜の作製方法について説
明する。発泡性記録材料膜に記録光が照射されると、照
射部では、光開始剤の分解によりラジカルまたはカチオ
ンが発生し、重合性モノマーが重合し、密度が高くなる
一方、非照射部ではモノマーも変化せず、軟らかく、密
度も低い状態に留まる。この状態で60℃〜200℃、
好ましくは80℃〜150℃に加熱すると、照射部、即
ち光重合性化合物重合部では密度が高く、これにより熱
発泡性化合物は発泡しないか、発泡しても径の小さい気
泡かまた少量の気泡しか発生しない。一方、モノマーが
重合していない部分、即ち、非照射部では、軟らかく、
密度も低い状態であり、熱発泡性化合物が分解して窒素
等の気泡が発生する。
【0087】この状態の模式図を図1に示す。図中、1
は発泡性記録膜、2は基材、3は酸素遮断膜、4は気
泡、a領域はモノマー重合部、b領域はモノマーが重合
していない部分を示す。
【0088】a領域では発泡性記録材料膜自体の屈折率
であり、1.5〜1.7であるのに対して、b領域では
気泡の屈折率は1.0であるので、気泡の充填率を50
%とすると1.25〜1.35と低屈折率が得られ、Δ
nとして0.125〜0.175と大きくすることがで
きる。即ち、散乱を利用した表示装置としては散乱度合
を大きくでき、回折格子やホログラムとしては回折効率
が高くなる。
【0089】なお、図1では微細気泡がそれぞれ独立し
て形成される場合を図示するものであるが、後述する実
施例1により作製される発泡性記録膜においては、図示
はしないがb領域を連続した1個の空洞部に、a領域を
重合物部に形成することができるものであり、より屈折
率差を大きくすることができるものである。
【0090】記録光は、電子線から1000nmの近赤
外線までの広範囲の波長の記録光を使用でき、マスクを
介して露光されるが、光照射用マスクとしては、クロム
マスク、銀塩フイルム等を使用でき、そのパターンは透
過、非透過の2段階でも、また、階調があってもよい。
表示装置を作製するには、透過、非透過の2段階のマス
クを使用し、気泡径を可視光波長より大きくして散乱さ
せるとよく、散乱部と非散乱部によりパターニングする
ことによりパターン表示が可能である。また、集光機能
を有する平面レンズの干渉縞を電子線描画してマスクと
して使用すると、Δnの高いホログラム発泡膜が得られ
る。また、階調マスクを使用すると、気泡充填率が段階
的又は連続的なパターンが得られる。これは、レンズ、
フレネルレンズ、ブレーズド型(鋸歯状)、屈折率分布
型(GRIN)レンズと等価となる。また、電子線照射
用マスクとして、クロムマスク(フォトマスク)を使用
するとよい。光照射用マスクとしては通常の光照射用マ
スクを使用できる。また、ガラスをイオンエッチングし
てマスクとしてもよい。
【0091】また、発泡性記録膜をマスク(原版)とし
て使用し、第1〜第3の未記録の発泡性記録材料膜と密
着させた後、感光材料の法線側からレーザー光等の平行
光を照射した後、加熱することにより、発泡性記録膜に
おける記録を複製することができる。
【0092】更に、マスクとして、デルタ状、ストライ
プ状、または蜂の巣状の枠体を使用すると、レンズアレ
イを作製することができる。図2は得られるレンズアレ
イの発泡性記録膜部分の斜視模式図で、図中、図1と同
一符号は同一内容を示し、6は格子部の下の重合性モノ
マー層である。
【0093】この場合、格子部の下の重合性モノマーを
硬化させた後、加熱し、格子部間の光非照射部1単位毎
にそれぞれ1個の気泡を大きく発泡させるものである。
この気泡は凹レンズと同様のレンズ効果を有しており、
レンズアレイを形成することができる。
【0094】次に、第1の発泡性記録材料膜を使用し
て、第4の発泡性記録膜である透過ホログラム及び反射
ホログラムを作製する方法について説明する。
【0095】透過ホログラム及び反射ホログラムは、第
1の発泡性記録材料膜に、酸素遮蔽膜側、または基材側
から2光束のレーザー光を1mJ/cm2 〜10J/c
2、好ましくは10mJ/cm2 〜1J/cm2 の強
度で照射して、発泡性記録膜内部において干渉させる。
光が強めあった部分では、重合性モノマーが重合し、光
が弱めあった部分ではモノマーは変化せず、軟らかく、
密度も低い状態に留まる。この状態で加熱すると、モノ
マー重合部では密度が高く熱発泡性化合物は発泡しない
か、発泡しても径の小さい気泡かまた少量の気泡しか発
生しないが、モノマーが重合していない部分、即ち、光
が弱めあった部分では、熱発泡性化合物が分解して窒素
等の気泡が発生する。
【0096】図3は透過型ホログラム断面を示す図で、
図中の符号は、図1と同様である。図1に示す発泡性記
録膜の場合と同様に、Δnを0.125〜0.175と
大きくすることができ、高回折効率となり、かつ半値幅
が大きくでき、ホログラムの薄膜化が可能である。
【0097】次に、反射型ホログラムの形成方法として
は、第1の発泡性記録材料膜層の両側から2光束のレー
ザー光を1mJ/cm2 〜10J/cm2 、好ましくは
10mJ/cm2 〜1J/cm2 の強度で照射して膜内
部で干渉させ、次いで加熱することにより作製できる。
この状態の模式断面図を図4に示す。図中の符号は、図
1と同様である。図1の場合と同様に、Δnを0.12
5〜0.175と大きくすることができる。反射型ホロ
グラムの場合、気泡はa領域、基材、酸素遮断膜にそれ
ぞれバリアされ、膜内部に安定して保持される。
【0098】また、本発明における第2、第3の発泡性
記録材料膜を使用することにより、レリーフ型ホログラ
ムを好適に作製することができる。
【0099】第2の発泡性記録材料膜の場合には、発泡
性記録材料膜1上にネガ型フォトポリマー層5を積層し
たものであるが、ネガ型フォトポリマー層の膜厚をレリ
ーフ型ホログラムにおける溝の深さである1μm〜5μ
m、好ましくは2μm程度にしておき、マスクを介して
記録光を選択的に照射した後、ネガ型フォトポリマー層
における非照射部を現像により除去するとよい。次い
で、60℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃に
加熱して、未照射部における発泡性記録材料膜中に気泡
を発生させる。この状態の模式断面図を図6に示す。図
中、符号は図1と同じ符号は同一内容を示し、また5は
ネガ型フォトポリマー層である。
【0100】第3の発泡性記録材料膜の場合には、マス
クを介して記録光を選択的に照射して、照射部における
ネガ型フォトポリマーを硬化させた後、現像条件を弱め
にして、溝の深さが1μm〜5μm、好ましくは2μm
程度に現像する。その断面は矩形のパターンを有する。
理想的には凹凸ピッチと同じ深さ位になるように現像条
件を設定するとよく、強く現像すると溝が深くなりす
ぎ、例えば複製する時には割れてしまうといった問題が
ある。次いで、60℃〜200℃、好ましくは80℃〜
150℃に加熱して、未照射部におけるネガ型フォトポ
リマー層中に気泡を発生させる。この状態の模式断面図
を図5に示す。図中、図1と同一符号は同一内容を示
す。1はネガ型フォトポリマーからなる発泡性記録材料
膜である。
【0101】凹凸のみのレリーフ型ホログラムには、ア
スペクト比(膜厚/ピッチ)に限界があるが(約1)、
この第2、第3の発泡性記録材料膜により得られるレリ
ーフ型ホログラムは、凹凸による屈折率差に加えて、非
照射部における気泡による屈折率差が相乗的に得られ、
実質的に深溝パターンと同等の折率差が得られる。ま
た、深溝パターンとする必要がないので、その複製も容
易であるという利点がある。
【0102】また、発泡性記録膜をホログラムのように
透明な膜として使用する場合には、気泡径としては可視
光波長より小さく、より好ましくは可視光波長の1/1
0以下とするとよい。このような気泡径に制御するに
は、加熱温度を低く、かつ加熱時間を短くするか、また
は熱発泡性化合物の濃度を薄くするとよい。
【0103】発泡性記録膜を散乱を利用した表示装置と
する場合には、可視光波長より大きい径、具体的には1
μmより大きい径の気泡とするとよい。このような場合
には加熱温度を高く、かつ加熱時間を長くすると共に発
泡剤濃度を濃くするとよく、例えば重合性モノマーとし
て、単官能アクリル酸ダイマーを使用し、α,α′−ア
ゾビスイソブチロニトリルを熱発泡剤として使用する場
合、発泡剤濃度は0.1重量%以上、好ましくは5重量
%以上、加熱温度130℃以上、加熱時間を15分以上
とするとよい。
【0104】また、加熱前に全面に熱エネルギーを与え
て少し硬化させることにより、発泡径を制御することも
できる。
【0105】このように、気泡径を制御して屈折率差、
反射率差等を制御することができるので、ホログラム、
散乱型表示装置等への適用が可能となる。
【0106】
【作用及び発明の効果】本発明の発泡性記録膜は、屈折
率差を利用した記録膜においては、屈折率差が高く、か
つ透明なホログラムや回折格子、階調性を有する屈折率
分布型光学素子が容易に作製され、また、光散乱を利用
した記録膜においては、散乱度合が高く、かつ複製の容
易なものとできる。
【0107】そのため、本発明の発泡性記録膜は、透過
型ホログラム、反射型ホログラム、レリーフ型ホログラ
ム、深溝型コンピュータジェネレイテッドホログラム、
ブレーズド型格子、屈折率分布型レンズ、表示装置、レ
ンズアレイとして有用である。以下、本発明の実施例を
示す。なお、「部」は「重量部」を示す。
【0108】
【実施例1】 ・重合性モノマー 単官能アクリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、アロニックスM−5600 ) ・・・・ 100部 3官能性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株)製、アロ ニックスM−305) ・・・・ 1部 ・光開始剤 テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB) ・・・・ 1.6部 ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 2部 とからなる発泡性記録材料をソーダガラス(厚さ2m
m)基材に、アプリケーター(7ミル)で塗布した後、
70℃、10分間乾燥させて厚さ12μmの発泡性記録
材料層を積層した。次いで、この発泡性記録材料層上
に、酸素遮蔽膜としてエチレン−ビニルアルコール共重
合体フイルム(クラレ(株)製、エバール、膜厚12μ
m)をラミネートして、本発明における第1の発泡性記
録材料膜を得た。
【0109】得られた発泡性記録材料膜に、20μmピ
ッチのライン&スペースパターンのクロムマスクを密着
させて、マスク側から365nm、400mJ/cm2
の紫外線を照射した。照射後クロムマスクを除いて12
0℃で10分間加熱した。
【0110】得られた発泡性記録膜の断面を走査電子顕
微鏡で観察したところ、10μm巾のトンネル状の空洞
部分と10μm巾の重合物部が交互に並んでいることが
確認された。
【0111】このパターンに514nmのアルゴンイオ
ンレーザービームを照射したところ、回折光が観察さ
れ、透過型の回折格子として機能することを確認した。
発泡性記録膜は透明であり、ヘイズ値は1%以下であっ
た。
【0112】
【実施例2】実施例1における光開始剤をトリクロロメ
チル−s−トリアジンに代えて、同様に第1の発泡性記
録材料膜を作製し、365nm、300mJ/cm2
紫外線を使用して、同様に記録をおこなったところ、実
施例1同様の回折格子が得られた。
【0113】
【実施例3】 ・重合性モノマー 単官能アクリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、アロニックスM−5600 ) ・・・・ 100部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亜合成(株)製、アロニッ クスM−400) ・・・・ 1部 ・光開始剤 トリクロロメチル−s−トリアジン(ミドリ化学社製)・・・ 5部 ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 2部 とからなる発泡性記録材料を使用した以外は、実施例1
と同様にして発泡性記録材料膜を作製し、365nm、
50mJ/cm2 の紫外線を使用して、同様に記録をお
こなったところ、実施例1同様の回折格子が得られた。
【0114】
【実施例4】実施例1の発泡性記録材料に、ポリ酢酸ビ
ニルを50部を更に加え、発泡性記録材料とした以外
は、実施例1と同様にして発泡性記録材料膜を作製し、
同様に記録を行い、得られた発泡性記録膜の断面を走査
電子顕微鏡で観察したところ、図1に模式図で示すよう
に、紫外線非照射部に膜厚の数分の1の大きさの気泡が
多数独立して存在していることが観察された。得られた
回折格子の回折効率は、実施例1で得られたそれより、
やや小さいものであった。気泡の充填率が少ないためと
考えられる。
【0115】
【実施例5】実施例1の発泡性記録材料に、スクアリリ
ウム系色素((株)日本感光色素研究所製、NK−29
90)を2部更に加え、発泡性記録材料とした以外は、
実施例1と同様にして発泡性記録材料膜を作製した。得
られた発泡性記録材料膜に、クリプトンレーザーの64
7nmの波長光を2分割し、2光束干渉法により回折格
子を作製した。露光量500mJ/cm2 で、実施例1
同様の回折効率を有する回折格子が得られた。
【0116】
【実施例6】 (反射型ホログラムの作製) ・重合性モノマー 単官能トリブロモフェノキシエチルアクリレート(第一工業製薬(株)製、 BR−31) ・・・・ 70部 6官能性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亜合成(株)製、 M−400) ・・・ 30部 ・バインダー ポリビニルカルバゾール〔(株)アナン製、ツビコール210) ・・・・ 100部 ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 1部 ・光開始剤 トリクロロメチル−s−トリアジン(TCT) ・・・・ 10部 ・色素 スクアリリウム色素〔(株)日本感光色素研究所 NK−2990〕 ・・・・0.12部 とからなる発泡性記録材料を、ポリエチレンテレフタレ
ートフイルム(帝人(株)HP−7、厚さ50μm)基
材に、ローラコーターで塗布した後、70℃、10分間
乾燥させて厚さ8μmの発泡性記録材料層を積層した。
次いで、この発泡性記録材料層上に酸素遮蔽膜としてポ
リビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA205)
10%水溶液を塗布し、乾燥させ、発泡性記録材料膜を
得た。
【0117】得られ発泡性記録材料膜の両側から2光束
のアルゴンレーザー光(488nm)を法線上から照射
(0.1J/cm2 )して、発泡性記録材料層中で干渉
させた後、発泡性記録材料膜を130℃で10分間加熱
し、次いで超高圧水銀灯光(主に365nm)を全面照
射(1J/cm2 )し、発泡性記録膜を得た。
【0118】得られた発泡性記録膜の断面を走査電子顕
微鏡(5万倍)で観察したところ、光が弱めあった領域
と光が強めあった領域とが層状に形成されており、光が
弱めあった領域には直径20nm〜50nmの気泡が多
量に存在し、光が強めあった領域には気泡の存在を確認
できなかった。
【0119】分光光度計(島津製作所製、UV−36
5)を使用して透過率を測定したところ、750nmに
半値幅約200nmのピークが存在した。これから計算
するとΔnは約0.15であり、乾式材料に比して優れ
た値を有していた。また、膜のヘイズ値は0.5%であ
り、湿式材料で得られる値より小さく、透明性に優れる
ものであった。
【0120】
【実施例7】 (レリーフ型ホログラムの作製方法) ・ネガ型フォトポリマー 東京応化工業(株)製、OMR−85 ・・・・ 93部 ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 3部 とからなる発泡性記録材料を、ソーダガラス(厚さ2m
m)に、アプリケーターを使用して塗布した後、70
℃、20分間乾燥させ、厚さ10μmの発泡性記録材料
層を積層し、発泡性記録材料膜を得た。
【0121】ピッチが4μmのライン&スペースのクロ
ムマスクを介してUVプリンターで紫外線を1J/cm
2 照射し、照射部におけるネガ型フォトポリマー層を硬
化させた。この際、UV照射による高熱化を避けるため
に、100mJ/cm2 照射する度に30秒間自然冷却
させた。
【0122】次いで、現像液(東京応化工業(株)製、
OMR現像液SG)に0.5分間浸漬し、膜表面に凹凸
パターン(深さ2μm)を形成した後、110℃、20
分間加熱し、発泡性記録膜を得た。
【0123】得られた発泡性記録膜の断面を走査電子顕
微鏡(1万倍)で観察したところ、凹凸パターンにおけ
る非照射領域(凹部)には直径0.1nm〜1μmの気
泡が多量に存在し、照射領域(凸部)には気泡の存在を
確認できなかった。
【0124】得られた発泡性記録膜は、凹凸部による屈
折率差に加えて、凹部における気泡による低屈折率の相
乗効果により、実質上の深溝パターンが得られた。
【0125】
【実施例8】 (レリーフ型ホログラムの作製) ・重合性モノマー 単官能アクリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、アロニックスM−5600 ) ・・・・ 100部 ・バインダー ポリ酢酸ビニル〔純正化学(株)製〕 ・・・・ 50部 ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 5部 ・光開始剤 2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ジ(トリクロロメチル)−s−ト リアジン ・・・・ 7部 とからなる発泡性記録材料を、ポリエステルフイルム
(帝人(株)HP−7、厚さ50μm)に、ブレードコ
ーターで塗布した後、60℃、10分間乾燥させて厚さ
10μmの発泡性記録材料層を積層した。
【0126】次いで、この発泡性記録材料層上に、ネガ
型フォトポリマー(東京応化工業(株)製、OMR−8
5)をスピンナーで塗布した後、60℃、10分間乾燥
させて厚さ2μmのネガ型フォトポリマー層を積層し、
発泡性記録材料膜を得た。
【0127】ピッチが4μmのライン&スペースのクロ
ムマスクを介してUVプリンターで紫外線を1J/cm
2 照射し、照射部におけるネガ型フォトポリマー層と発
泡性記録材料層を硬化させた。この際、UV照射による
高熱化を避けるために、100mJ/cm2 照射する度
に30秒間自然冷却させた。
【0128】次いで、現像液(東京応化工業(株)製、
OMR現像液SG)に1分間浸漬し、膜表面に凹凸パタ
ーン(深さ2μm)を形成した後、110℃、20分間
加熱し、発泡性記録膜を得た。
【0129】得られた発泡性記録膜の断面を走査電子顕
微鏡(1万倍)で観察したところ、凹凸パターンにおけ
る非照射領域(凹部)には直径0.1μm〜1μmの気
泡が多量に存在し、照射領域(凸部)には気泡の存在を
確認できなかった。
【0130】得られた発泡性記録膜は、凹凸部による屈
折率差に加えて、凹部における気泡による低屈折率の相
乗効果により、実質上の深溝パターンが得られた。
【0131】
【実施例9】 (深溝型コンピュータージェネレイテッドホログラムの
作製)実施例8で作製した発泡性記録材料膜を使用し、
マスクとして集光機能を有する平面レンズの干渉縞を電
子線描画法で作製したクロムマスクを使用した以外は、
実施例8同様にして発泡性記録膜を得た。
【0132】得られた発泡性記録膜は、実質上の溝の深
さ/ピッチが約4と大きなアスペクト比となり、これに
より集光効率が80%と大きな値が得られた。
【0133】
【実施例10】 (屈折率分布型格子の作製)実施例8で作製した発泡性
記録材料膜を使用し、マスクとして光透過度が段階的に
異なる階調マスク(銀塩フイルム)を使用した以外は、
実施例8同様にして発泡性記録膜を得た。
【0134】得られた発泡性記録膜においては、気泡量
が段階的に相違するパターンがえられ、膜に平行なHe
−Neレ−ザー光を照射したところ、+1次回折光が7
5%と、ブレーズド型(鋸歯状)に近い回折効率が得ら
れた。
【0135】
【実施例11】 (表示装置の作製) ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 5部 ・重合性モノマー 単官能アクリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、M−5600) ・・・ 100部 とからなる発泡性記録材料を、ソーダガラス(厚さ2m
m)に、アプリケータを使用して塗布して厚さ15μm
の発泡性記録材料層を積層した。次いで、この発泡性記
録材料層上に、酸素遮蔽膜として0.55mm厚のソー
ダガラスを積層し、本発明の発泡性記録材料膜を得た。
【0136】この発泡性記録膜上に、〔DNP〕の字の
部分を遮蔽して、電子線(照射量20Mrad)を照射
した後、110℃、15分間加熱した。字の部分が大き
く発泡し、膜が膨張し、40μmの膜厚となった。
【0137】得られた発泡性記録膜の断面を走査電子顕
微鏡(1万倍)で観察したところ、直径10μm〜40
μmの気泡が観察され、これにより光が散乱し、文字の
部分が濁って表示された。
【0138】
【実施例12】 (レンズアレイの作製) ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 5部 ・光開始剤 トリクロロメチル−s−トリアジン(TCT) ・・・・ 7部 ・重合性モノマー 単官能アクリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、M−5600) ・・・ 100部 ・還元剤 ヒドロキノン ・・・・ 1部 とからなる発泡性記録材料を、石英ガラス(厚さ1.1
mm)に、ブレードコータで塗布した後、50℃、10
分間乾燥させ、厚さ10μmの発泡性記録材料層を積層
した。次いで、この発泡性記録材料層上に、酸素遮蔽膜
として0.55mm厚石英ガラスを積層し、本発明の発
泡性記録材料膜を得た。
【0139】この発泡性記録材料膜に、マスクとして幅
10μmの格子状にクロムをパターニングしたマスクを
重ねて、紫外線をUVプリンターで1.5J/cm2
射した。この際、UV照射による高熱化を避けるため
に、100mJ/cm2 照射する度に30秒間自然冷却
させた。
【0140】次いで、110℃で15分間加熱して、格
子部間(10μm×10μm)に大きな気泡を形成させ
た。気泡径は約9μmであった。
【0141】この気泡は凹レンズと同様のレンズ効果を
有しており、レーザービームを入射させると発散光とな
った。また、パターン全体に平行光を入射したところ、
裏面全体から発散光が得られた。
【0142】
【実施例13】 (発泡性記録膜の複製方法)実施例6で作製し、反射型
ホログラムが記録された発泡性記録膜を原版とし、実施
例6で作製し、未記録の発泡性記録材料膜とを密着させ
て、材料膜法線側からアルゴンイオンレーザーの平行光
(1J/cm2 )を照射し後、110℃、20分間加熱
した。
【0143】得られた発泡性記録膜は、原版と同じ気泡
分布を有する発泡性記録膜が得られた。この膜の透過率
分布は、原版とほぼ同じであった。
【0144】
【実施例14】 ・重合性モノマー 単官能アクリル酸ダイマー(東亜合成(株)製、アロニックスM−5600 ) ・・・・ 100部 3官能性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株)製、アロ ニックスM−305) ・・・・ 1部 ・光開始剤 テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB) ・・・・ 1.6部 ・熱発泡性化合物 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)・・・・ 2部 とからなる発泡性記録材料を、ソーダガラス(2mm
厚)上に、アプリケーターで塗布し、厚さ10μmの発
泡性記録材料膜を得た。
【0145】焦点距離が10cmの凸レンズと等価の作
用をする、コンピュータージェネレイテッドホログラム
のクロムマスクを発泡性記録材料膜に密着させて、UV
プリンターで紫外線を1J/cm2 露光した。次いで、
クロムマスクをはずして125℃、5分間加熱し、発泡
性記録膜を得た。
【0146】得られた発泡性記録膜の断面を走査電子顕
微鏡(5万倍)で観察したところ、クロムマスクにおけ
るクロムで紫外線を遮蔽した部分に、約0.1μm〜1
μmの気泡が確認できた。
【0147】得られた発泡性記録膜に平行光を入射した
ところ、10cmの距離に焦点を結び、設計通りのレン
ズ作用を有することがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の発泡性記録材料膜を
使用して作製された表示装置の断面模式図である。
【図2】 図2は、本発明の第1の発泡性記録材料膜を
使用して作製されたレンズアレイにおける発泡性記録膜
部分の斜視模式図である。
【図3】 図3は、本発明の第1の発泡性記録材料膜を
使用して作製された透過型ホログラムの断面模式図であ
る。
【図4】 図4は、本発明の第1の発泡性記録材料膜を
使用して作製された反射型ホログラムの断面模式図であ
る。
【図5】 図5は、本発明の第2の発泡性記録材料膜を
使用して作製されたレリーフ型ホログラムの断面模式図
である。
【図6】 図6は、本発明の第3の発泡性記録材料膜を
使用して作製されたレリーフ型ホログラムの断面模式図
である。
【符号の説明】 1は発泡性記録膜、2は基材、3は酸素遮断膜、4は気
泡、5はネガ型フォトポリマー層、6は格子部の下の重
合性モノマー層、aは照射部、bは非照射領域である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 幸夫 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 瀬川 敏一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性
    化合物とからなることを特徴とする発泡性記録材料膜。
  2. 【請求項2】 光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性
    化合物とからなる発泡性記録材料層上にネガ型フォトポ
    リマー層を積層したことを特徴とする発泡性記録材料
    膜。
  3. 【請求項3】 光重合性化合物が、単官能モノマーと多
    官能モノマーとの混合物である請求項1、または請求項
    2記載の発泡性記録材料膜。
  4. 【請求項4】 光開始剤及び熱発泡性化合物が、それぞ
    れ分解時に光重合性化合物に対する重合活性を有するラ
    ジカルを発生するものであって、かつ光開始剤の分解に
    より発生するラジカルが熱発泡性化合物の分解により発
    生するラジカルに比して重合活性の高いものであること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つ記載の
    発泡性記録材料膜。
  5. 【請求項5】 光開始剤がその分解時にヒドロキシラジ
    カル、酸素ラジカル、塩素ラジカルのうち少なくとも一
    種のラジカルを生じるものであり、また、熱発泡性化合
    物がその分解時に炭素ラジカル、窒素ラジカルのうち少
    なくとも一種のラジカルを生じるものであることを特徴
    とする請求項4記載の発泡性記録材料膜。
  6. 【請求項6】 ネガ型フォトポリマーと熱発泡性化合物
    とからなることを特徴とする発泡性記録材料膜。
  7. 【請求項7】 熱発泡性化合物が無機化合物である請求
    項1〜請求項6のいずれか1つ記載の発泡性記録材料
    膜。
  8. 【請求項8】 熱発泡性化合物が金属錯体である請求項
    1〜請求項6のいずれか1つ記載の発泡性記録材料膜。
  9. 【請求項9】 光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡性
    化合物とからなる発泡性記録材料膜に、記録光を照射
    し、該記録光照射部における光重合性化合物を重合させ
    た後、加熱し、記録光未照射部における熱発泡性化合物
    を分解、発泡させることを特徴とする発泡性記録膜の作
    製方法。
  10. 【請求項10】 光重合性化合物と光開始剤及び熱発泡
    性化合物とからなる発泡性記録材料層上にネガ型フォト
    ポリマー層を積層した発泡性記録材料膜に、記録光を照
    射し、記録光照射部における光重合性化合物及びネガ型
    フォトポリマーを硬化させた後、(1)現像処理を行
    い、記録光未照射部におけるネガ型フォトポリマー層を
    除去し、次いで加熱処理し、該記録光未照射部における
    熱発泡性化合物を分解、発泡させるか、或いは、(2)
    加熱処理し、記録光未照射部における熱発泡性化合物を
    分解、発泡させ、次いで現像処理し、該記録光未照射部
    におけるネガ型フォトポリマー層を除去することを特徴
    とする発泡性記録膜の作製方法。
  11. 【請求項11】 ネガ型フォトポリマーと熱発泡性化合
    物を含有する発泡性記録材料膜に、記録光を照射し、該
    記録光照射部におけるネガ型フォトポリマーを硬化させ
    た後、(1)現像処理を行い、記録光未照射部における
    発泡性記録材料膜の表層のみを除去し、次いで加熱処理
    し、該記録光未照射部における熱発泡性化合物を分解、
    発泡させるか、或いは、(2)加熱処理し、記録光未照
    射部における熱発泡性化合物を分解、発泡させ、次いで
    現像処理し、該記録光未照射部における発泡性記録材料
    膜の表層のみを除去することを特徴とする発泡性記録膜
    の作製方法。
  12. 【請求項12】 記録光が、450nm以上の波長光で
    ある請求項9〜請求項11いずれか1項記載の発泡性記
    録膜の作製方法。
  13. 【請求項13】 記録光が、マスクを介して照射される
    ものである請求項9〜請求項11いずれか1項記載の発
    泡性記録膜の作製方法。
  14. 【請求項14】 マスクが、光透過度を段階的、または
    連続的に相違させた階調マスクである請求項13記載の
    発泡性記録膜の作製方法。
  15. 【請求項15】 マスクが、計算機生成ホログラムの干
    渉縞パターンである請求項13記載の発泡性記録膜の作
    製方法。
  16. 【請求項16】 マスクが、記録光により記録された発
    泡性記録膜であって、かつ発泡性記録膜の法線側からの
    平行な均一光を照射して、発泡性記録膜における記録を
    複製するものである請求項13記載の発泡性記録膜の作
    製方法。
  17. 【請求項17】 マスクが、デルタ状、ストライプ状、
    または蜂の巣状の枠体であり、記録光非照射部1単位毎
    にそれぞれ1個の気泡を大きく発泡させることを特徴と
    する請求項13記載の発泡性記録膜の作製方法。
  18. 【請求項18】 光重合性化合物、光開始剤、熱発泡性
    化合物からなる発泡性記録材料膜に、可視光レーザーに
    よる干渉光を記録光として照射し、光が強め合う部分に
    おける光重合性化合物を重合させた後、加熱し、光が弱
    め合う部分における熱発泡性化合物を分解、発泡させる
    ことを特徴とする発泡性記録膜の作製方法。
  19. 【請求項19】 光重合性化合物、光開始剤、熱発泡性
    化合物からなる発泡性記録材料膜に、記録光を照射し、
    次いで加熱して得られる発泡性記録膜であって、記録光
    照射部には気泡が存在しないか、その径が小さい気泡か
    または少量の気泡が存在し、また、記録光非照射部には
    その径が大きい気泡か多量の気泡が存在することを特徴
    とする発泡性記録膜。
  20. 【請求項20】 発泡性記録膜が、散乱光による表示手
    段である請求項19記載の発泡性記録膜。
  21. 【請求項21】 発泡性記録膜が、レンズアレイである
    請求項19記載の発泡性記録膜。
  22. 【請求項22】 光重合性化合物、光開始剤、熱発泡性
    化合物からなる発泡性記録材料層上に、ネガ型フォトポ
    リマー層を積層した発泡性記録材料膜に、記録光を照射
    した後、(1)現像処理して記録光未照射部のネガ型フ
    ォトポリマー層を除去した後、加熱処理するか、または
    (2)加熱処理した後、現像処理し、記録光未照射部の
    ネガ型フォトポリマー層を除去して得られる発泡性記録
    膜であって、記録光照射部には気泡が存在しないか、そ
    の径が小さい気泡かまたは少量の気泡が存在し、また、
    記録光非照射部にはその径が大きい気泡か多量の気泡を
    存在させたことを特徴とする発泡性記録膜。
  23. 【請求項23】 ネガ型フォトポリマーと熱発泡性化合
    物からなる発泡性記録材料膜に、記録光を照射した後、
    (1)該膜表面部を現像処理し、次いで加熱するか、ま
    たは、(2)加熱処理した後、膜表面部を現像処理して
    得られる発泡性記録膜であって、記録光照射部には気泡
    が存在しないか、その径が小さい気泡かまたは少量の気
    泡が存在し、また記録光非照射部にはその径が大きい気
    泡か多量の気泡を存在させたことを特徴とする発泡性記
    録膜。
  24. 【請求項24】 発泡性記録膜が、レリーフ型ホログラ
    ムである請求項22、または請求項23記載の発泡性記
    録膜。
  25. 【請求項25】 発泡性記録膜が、深溝型コンピュータ
    ジェネレイテッドホログラムである請求項22、または
    23記載の発泡性記録膜。
  26. 【請求項26】 光重合性化合物、光開始剤、熱発泡性
    化合物からなる発泡性記録材料膜に、可視光レーザーに
    よる干渉光を記録光として照射し、次いで加熱して得ら
    れる発泡性記録膜であって、光が強めあった部分では気
    泡が存在しないか、その径が小さい気泡かまたは少量の
    気泡が存在し、また、光が弱めあった部分ではその径が
    大きい気泡か多量の気泡を存在させたことを特徴とする
    発泡性記録膜。
  27. 【請求項27】 発泡性記録膜が、透過型ホログラムで
    ある請求項26記載の発泡性記録膜。
  28. 【請求項28】 発泡性記録膜が、反射型ホログラムで
    ある請求項26記載の発泡性記録膜。
  29. 【請求項29】 記録光非照射部における気泡が相互に
    連通した構造を有している請求項19〜請求項28のい
    ずれか1つ記載の発泡性記録膜。
  30. 【請求項30】 記録光非照射部における気泡がそれぞ
    れが独立した微細気泡である請求項19〜請求項28の
    いずれか1つ記載の発泡性記録膜。
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