JP4357616B2 - ホログラムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂を主成分とする素材で作られた体積ホログラムの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
体積ホログラムは、立体像の表示用、計測用、光学素子等に用いられており、工業的には、同じ体積ホログラムを多量に複製する必要性があるが、従来、このような場合には次のようにして行なっていた。
まず、ホログラムが必要な特性を生じるよう、コンピュータを使用して計算を行ない、計算結果を電子線描画機によりフォトマスクブランク板に描画する。フォトマスクブランク板はガラス基板上にクロム蒸着膜等を形成したものである。このようにして、最初のホログラム原版が得られる。
これとは別に、ガラス基板上に体積ホログラム形成用樹脂組成物を塗布して、体積ホログラム形成用基板を準備し、基板上の樹脂組成物の層に、上記で得られたホログラム原版のマスク面が接するように、ホログラム原版と体積ホログラム形成用基板とを重ね合わせて、ホログラム原版側から、レーザー光により露光する。
露光後、紫外線照射(=光重合開始剤の分解)、及び加熱処理(=光重合可能な化合物の拡散移動)の各工程を行なう事により、ホログラム原版がガラス基板上の体積ホログラム形成用樹脂組成物層に複製される。
こうして複製されたホログラムは、製品として使用されるほか、更に複製用原版として使用され、前記したのと同様な体積ホログラム形成用基板を準備し、ホログラム層側を体積ホログラム形成用基板に接触させて、露光することにより、体積ホログラムの大量複製を行なっている。
【0003】
しかしながら、従来の体積ホログラム形成用基板を用いる製造方法では、体積ホログラム形成用樹脂組成物層の性質上、ホログラム情報の露光後に加熱を伴なうため、この加熱により、体積ホログラム形成用樹脂組成物層が伸びる問題がある。
加熱により、基板、および基板上の体積ホログラム形成用樹脂組成物層がいずれも伸びるが、互いに接着している限り、接着界面の伸びは同じであるが、体積ホログラム形成用樹脂組成物層の基板側ではない方の面は、制約を受けずに伸びようとするので、体積ホログラム形成用樹脂組成物層の接着界面側の伸びは小さいが、反対側の表面に近づくほど、大きい伸びを示す。そして、この伸びによりホログラム層が変色したり、得られたホログラムを再生する際に入射すべき光の角度が、最初のホログラム原版を使用するときと相違し、支障を来すことがあり、予備テストを行なって、その角度のズレを求めておき、角度のズレを見込んでホログラム原版を作成する等の面倒がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明においては、ホログラム情報の露光後に加熱を伴なう、体積ホログラム形成用樹脂組成物層の伸びを回避し、また、得られるホログラムの熱による伸びを回避することを課題とする。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明においては、ホログラムを形成するための感光材の体積ホログラム形成用樹脂組成物層の表面に、ホログラム情報の露光前か、または露光後に硬化性化合物の層を積層し、積層された硬化性化合物の層を加熱を伴なわずに硬化させることにより、課題の解決を行なった。
【0006】
請求項1の発明は、光硬化性化合物を主成分とするホログラム形成用樹脂組成物層にホログラム情報を露光する露光工程を行なって、前記ホログラム情報に応じた硬化を行なわせた後、前記ホログラム形成用樹脂組成物層を加熱する加熱工程を行なって、未硬化の光硬化性化合物を拡散移動させるのに先立ち、ホログラム形成用樹脂組成物層に直接、ホログラム形成用樹脂組成物の表面に硬化性化合物の層を積層する工程、および積層された前記硬化性化合物の層を加熱を伴なわない手段で硬化させる硬化工程とを行なうことを特徴とするホログラムの製造方法に関するものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、ホログラム形成用樹脂組成物層の下面に基板が積層されていることを特徴とするホログラムの製造方法に関するものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2において、硬化性化合物が、反応性官能基を有する高分子化合物と前記官能基と反応する架橋剤からなることを特徴とするホログラムの製造方法に関するものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1または2において、硬化性化合物が、電離放射線硬化性化合物であることを特徴とするホログラムの製造方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、いずれも本発明のホログラム形成用感光材の構造を示す断面図である。
図1に示すように、本発明のホログラムは、光硬化性化合物を主成分とするホログラム形成用樹脂組成物層に体積ホログラムが記録された体積ホログラム層1の上面に硬化樹脂層2が積層されたものである。
あるいは本発明のホログラムは、図2に示すように、体積ホログラム層1の下面に基板が積層されているものである。
以下に基板3、体積ホログラム層1、および硬化樹脂層2について順に説明する。
【0013】
ここで、基板3としては、ガラス、アクリル板、等の板状のものを使用し、中でも、ガラス基板が主に用いられるが、これらむほか、厚さ1μm〜1mm、好ましくは10μm〜100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等を用いることもできる。基板3としては、通常の用途であれば、透明性が高く、平滑性が高いものを使用する事が望ましい。
この基板3は後に剥離することもできるが、ホログラム作成時には、この基板3を伴った方がよい。なお、剥離が予定されている場合には、接着強度が過大にならないよう注意する。
【0014】
体積ホログラム層1は、光硬化性化合物を主成分とするホログラム形成用樹脂組成物層に体積ホログラムが記録されたものである。
原理的には、体積ホログラム形成用の層としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が使用できるが、生産効率の観点から、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる、乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料を使用して形成する事が好ましい。
以下に、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素等について説明する。
【0015】
バインダー樹脂であるマトリックスポリマーとしては、ポリメタクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、又はポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるホリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0016】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックスポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0017】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例えば、不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0018】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0019】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどがある。
【0020】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0021】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエタスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
【0022】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等がある。
【0023】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
【0024】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリスリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエート等がある。
【0025】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート、(商品名;NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名;NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルメタクリレート(商品名;NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0026】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミト、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0027】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、一般式CH2 =C(R)COOCH2 (R’)OH(式中R、R’は水素あるいはメチル基を表す。)で示される水酸基を有するビニルモノマーを付加させた一分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0028】
また特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ基と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートろメタクリレートを挙げることができる。
【0029】
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして、紹介されているものも、使用することができる。
【0030】
その他、リンを含むモノマーとしては、モノ(アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名;リポキシVR−60(昭和高分子(株)製、商品名(リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0031】
また、商品名;NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名;NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0032】
更に、下記の構造を有するトリアクリレート類
【0033】
【化1】
Figure 0004357616
【0034】
(商品名;アロニックスM−315、東亜合成化学工業(株)製)、下記の構造を有するトリアクリレート類
【0035】
【化2】
Figure 0004357616
【0036】
(商品名;アロニックスM−325、東亜合成化学工業(株)製)、また、2,2’−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフェニルプロパン(商品名;NKエステルA−BPE−4)、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名;NKエステルA−TMMT)等が挙げられる。
【0037】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。
光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば、有機過酸化物系にあっては、紫外線照射することにより、容易に分解されるので好ましい。
【0038】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素があってもい。
【0039】
上記した、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる、体積ホログラム形成用樹脂組成物の配合比は、次のとおりである。
光重合可能な化合物はバインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
光重合開始剤はバインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。
増感色素はバインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0040】
その他、体積ホログラム形成用樹脂組成物の成分としては、例えば、可塑剤、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよび各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、ならびに陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0041】
体積ホログラム形成用樹脂組成物は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固形分15%〜25%程度の塗布液とされる。なお、このような塗布液として、例えば、デュポン社製のオムニデックス352、706として市販されているものを使用してもよい。
【0042】
これらの塗布液を使用し、基板3の表面に、バーコート、スピンコート、又はディッピング等、あるいは、グラビアロールコート、ロールコート、ダイコート、又はコンマコート等により塗布を行ない、塗布液に合わせた乾燥又は硬化の手段を用いて固化させる。
なお、体積ホログラム層1を形成するための体積ホログラム形成用樹脂組成物層の厚みは、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。
【0043】
硬化樹脂層2は、体積ホログラム層1上に積層され、これを構成する素材は、例えば、2液硬化型と言われる、反応性官能基を有する高分子化合物と前記官能基と反応する架橋剤との組み合わせ、または電離放射線硬化性のプレポリマーまたはモノマー等である。
【0044】
2液硬化型と言われるものとしては、例えば、活性水素を持つ化合物とイソシアネートの組み合わせからなる、いわゆるポリウレタン系樹脂、エポキシ基を持つ化合物とアミンとの組み合わせからなる、エポキシ系樹脂が使用できる。
電離放射線硬化性のプレポリマーまたはモノマー等としては、体積ホログラム層1を形成するための樹脂組成物を構成する成分として挙げた、光重合可能な化合物の単独、または混合物が使用できる。電離放射線硬化性の化合物を紫外線を使用して硬化させるときは、紫外線照射により重合を開始するための重合開始剤、増感剤等を添加する。
【0045】
上記の2液硬化型、または電離放射線硬化性の化合物は、適宜な方法で塗布した後、素材に合わせた硬化方法により硬化させる。2液硬化型の化合物の場合には、塗布後、室温で放置して硬化させ、電離放射線硬化性の脂組成物プレポリマーまたはモノマー等の場合には、電子線を照射するか、紫外線を照射することにより硬化を行なわせる。
【0046】
次に本発明のホログラムの製造方法について説明する。
まず、原版となるホログラムマスクを準備する。必要な特性を生じるよう、電子計算機を使用して計算し、計算結果を電子線描画機により、ガラス基板上にクロム蒸着膜等を形成したフォトマスクブランク板等の表面にホログラムの回折格子を描画して得る。
【0047】
ホログラム形成用感光材としては、好ましくは、基板3上に光硬化性化合物を主成分とするホログラム形成用樹脂組成物層が積層されたものを使用する。
ホログラム形成用感光材に対し、ホログラムマスクのマスク面を向かい合わせて固定し、ホログラムマスク側から、例えばアルゴンレーザー(波長514.5nm)等のレーザー光を入射し、露光を行なう。この露光により、マスクの回折格子で回折した光と回折しないで進んだ光とが干渉し、体積ホログラム形成用樹脂組成物層にホログラム情報を与えるものである。
露光の際のマスク面と体積ホログラム形成用樹脂組成物層との間隔は、入射して回折する光と回折しなかった光とが干渉する位置より近くする(通常は密着させる)か、遠くして固定し、干渉縞が生じる区域の幅を調整する。
【0048】
露光後、従来の方法では、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から、0.1〜10,000mJ/cm2 、好ましくは、10〜1,000mJ/cm2 の紫外線照射により光重合開始剤を分解する紫外線照射処理工程、及び加熱処理、例えば、120℃で120分の加熱により、光重合可能な化合物を拡散移動させる工程からなる後処理を経て、安定な体積ホログラムとする。これら紫外線照射、および加熱処理、特に後者の加熱処理が現像工程である。
【0049】
本発明の製造方法においては、上記のホログラム情報の露光、および後処理に加えて硬化樹脂層2を構成するための硬化性樹脂層の積層と、硬化性樹脂層の硬化を行なわせる。
即ち、工程の順序としては、ホログラム情報の露光と硬化性樹脂層の積層とはどちらが先でもよい。硬化性樹脂層の硬化は後処理の2つの工程のうち、紫外線照射処理工程の前でも後でもよいが、必ず、加熱処理よりは先に行なう。
【0050】
【実施例】
(実施例)
ポリエステルフィルム上に感光性樹脂からなるホログラム形成用樹脂組成物の層が積層してあるホログラム形成用感光材料(デュポン社製、オムニデックス)に対し、体積ホログラム原版を使用し、波長514.5nmのアルゴンレーザーを利用して、露光量が50mJ/cm2 になるように、ホログラム情報を露光した。
このときの入射参照光(n=1.0)の角度(=ブラッグ角、以下も同様)は40°、物体光(n=1.0)の角度は0°であった。
【0051】
ホログラム情報の露光を行なった後、後処理として、波長376nmの紫外線を、500mJ/cm2 になるよう、上記のホログラム形成用樹脂組成物の層に照射した。
紫外線照射後、紫外線硬化性樹脂組成物(ノーランド社製、NOA61)を使用し、ホログラム形成用樹脂組成物の層の上にスピンナーにより、4500回転/分、30秒の条件で塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させ、厚みが約5μmの硬化塗膜とした。
硬化後、ホログラムの後処理として、温度120℃で2時間の条件で加熱を行なって、体積ホログラムの複製品を得た。
【0052】
(比較例)
紫外線硬化性樹脂組成物の塗布と塗膜の硬化を行わない以外は、上記の製造プロセスと同様にして体積ホログラムを得た。
【0053】
上記の実施例で得られたホログラムを再生する際の、入射光の角度の平均値は39.5°であって、体積ホログラム原版を使用したホログラム複製の際の、入射参照光(n=1.0)の角度の40°とほとんど変わらなかったが、比較例で得られたホログラムの再生を行なうには、入射光の角度の平均値が36.5°となり、使用する上で支障が生じた。
【0056】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ホログラム複製時の加熱に先立って、ホログラム形成用樹脂組成物層上に硬化層を形成し、しかも硬化層の形成時には熱がかからないので、その後の加熱により体積ホログラム層1が伸びて格子間が狭くなり、再生角度がズレることを防止できる。
【0057】
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、基板を有することにより、より一層寸法安定性が優れており、平面性も確保されたホログラムが製造できる。
【0058】
請求項またはの発明によれば、請求項の発明の効果に加え、いずれの発明においても、塗膜が硬化のために加熱をしないで済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラムの基本的な構造を示す断面図である。
【図2】別のホログラムの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 体積ホログラム層
2 硬化樹脂層
3 基板

Claims (4)

  1. 光硬化性化合物を主成分とするホログラム形成用樹脂組成物層にホログラム情報を露光する露光工程を行なって、前記ホログラム情報に応じた硬化を行なわせた後、前記ホログラム形成用樹脂組成物層を加熱する加熱工程を行なって、未硬化の光硬化性化合物を拡散移動させるのに先立ち、ホログラム形成用樹脂組成物層に直接、ホログラム形成用樹脂組成物の表面に硬化性化合物の層を積層する工程、および積層された前記硬化性化合物の層を加熱を伴なわない手段で硬化させる硬化工程とを行なうことを特徴とするホログラムの製造方法。
  2. ホログラム形成用樹脂組成物層の下面に基板が積層されていることを特徴とする請求項1のホログラムの製造方法。
  3. 硬化性化合物が、反応性官能基を有する高分子化合物と前記官能基と反応する架橋剤からなることを特徴とする請求項1または2記載のホログラムの製造方法。
  4. 硬化性化合物が、電離放射線硬化性化合物であること特徴とする請求項1または2記載のホログラムの製造方法。
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