JP4100523B2 - 体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents
体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸送時や倉庫等での重ねられ加圧下での保存に際して発生する斑状のホログラム欠陥を減少しうる体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、体積ホログラム積層体は、一般に、基材上に粘着剤層、体積ホログラム層、粘着剤層、透明保護フイルムの順に積層された構成を有し、基材として身分証明書、受験票、IDカード、パスポートのような小冊子等さまざまな形態等に貼着されたものが開発されているが、ホログラム記録材料としてマトリックスポリマーおよび光重合可能な化合物からなる記録材料を乾式の体積位相型ホログラム記録材料とするものが、例えば、本等の如く輸送時や倉庫等で重ねられたり、また、加圧された状態で保存されると、斑状のホログラム欠陥が生じることが問題となっている。
【0003】
この斑状のホログラム欠陥は、ホログラム記録層を観察する際に判明するもので、斑の大きさは長径が0.2〜2mm、短径が0.1〜1.5mm程度の楕円形状、または半径0.1〜2mm程度の円形状のもので、規則的に配列して発生する。このホログラム欠陥は、光源や見る角度に依存することから、体積ホログラム層中の気泡や異物の混入によるものではなく、ホログラフィクな欠陥と考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このようなホログラム欠陥のない体積ホログラム積層体および体積ホログラム積層体作製用ラベルの提供を課題とし、保管時等の加圧された状態での保存によっても体積ホログラム層に斑状のホログラム欠陥が生じることの少ない体積ホログラム積層体および体積ホログラム積層体作製用ラベルの提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の体積ホログラム積層体は、基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体において、前記体積ホログラム層がマトリックスポリマーおよび光重合可能な化合物からなる記録材料にホログラム記録したものであって、ガラス転移点が30℃〜70℃で、かつ、6.28rad/s測定における50℃での動的貯蔵弾性率が5×105 Pa〜5×107 Paのものであると共に、前記第2粘着剤層がアクリル系粘着剤であり、かつ、10-1rad/s〜10rad/sでの周波数依存特性における動的損失弾性率/動的貯蔵弾性率で示される損失正接(tanδ)が、0.4rad/s〜1rad/sでの低周波数側になるにつれて増大するものであって、その増大の程度が1rad/sでのtanδ値に比して0.4rad/sでのtanδ値が少なくとも0.03以上高いものであることを特徴とする。
【0006】
本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層され、前記体積ホログラム層がマトリックスポリマーおよび光重合可能な化合物からなる記録材料にホログラム記録したものであって、ガラス転移点が30℃〜70℃で、かつ、6.28rad/s測定における50℃での動的貯蔵弾性率が5×105 Pa〜5×107 Paのものであると共に、前記第2粘着剤層がアクリル系粘着剤であり、かつ、10-1rad/s〜10rad/sの周波数依存特性における動的損失弾性率/動的貯蔵弾性率で示される損失正接(tanδ)が、0.4rad/s〜1rad/sでの低周波数側になるにつれて増大するものであって、その増大の程度が1rad/sでのtanδ値に比して0.4rad/sでのtanδ値が少なくとも0.03以上高いものであることを特徴とする。
【0007】
また、上記の体積ホログラム積層体および体積ホログラム積層体作製用ラベルにける体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの回折光の半値幅が30nm以下のものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、体積ホログラム積層体におけるホログラム欠陥が、体積ホログラム層の硬さと、体積ホログラム層と表面保護フイルム間に設けられる粘着剤層の硬さとの相関により生じるものであることを突き止め、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の体積ホログラム積層体を、図1に断面図で示す。図中、1は体積ホログラム積層体、2は基材、3は第1粘着剤層、4は第2粘着剤層、5は体積ホログラム層、6は表面保護フイルムである。
【0010】
本発明の体積ホログラム積層体における基材2は、紙、合成紙、合成樹脂や金属からなるフイルムやシートを用いることができ、受験票の如きシート状、またIDカードのようなカード形状、また、パスポートのような小冊子等さまざまな形態をとることができ、顔写真、風景等を単色又はフルカラーでホログラム記録した体積ホログラム体が貼着する基材とされる。また、液晶表示素子のカラーフィルタとする場合には、液晶セルにおけるガラス基板や電極層が基材となる。
【0011】
また、本発明の体積ホログラム積層体は、図1においては、基材2上に第1粘着剤層3を介して体積ホログラム層5を積層した構成を図示するが、基材2上に体積ホログラム層5を両面粘着テープを介して積層した構造としてもよく、この場合には、基材2上に、粘着剤層、透明または着色ポリエチレンテレフタレートフイルム等のプラスチックフイルムを介して、第1粘着剤層3、体積ホログラム層5、第2粘着剤層4、表面保護フイルム6を順次積層したものであってもよい。
【0012】
体積ホログラム層5は、支持体フイルム上に体積ホログラム記録材料を塗布した後、物体からの光の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調の形で層内に記録されたもので、複製に際しても、体積ホログラム原版を密着させて露光現像することにより容易に作製できるものである。
【0013】
体積ホログラム層5は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤、増感色素、および必要に応じて添加される可塑剤からなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料である。
【0014】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例えば不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0015】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0016】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどである。
【0017】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0018】
イタコン酸エステルとしてはエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
【0019】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
【0020】
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
【0021】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
【0022】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0023】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0024】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式
CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH
(式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。)
で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0025】
また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
【0026】
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0027】
その他、燐を含むモノマーとしてはモノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイキエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭和高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0028】
また、商品名:NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0029】
更に、下記の構造式を有するトリアクリレート類、
【0030】
【化1】
【0031】
(東亜合成化学工業(株)製、商品名、アロニックス M−315)
【0032】
【化2】
【0033】
(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、アロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-BPE-4 )、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-TMMT)等が挙げられる。
【0034】
また、必要に応じて添加される可塑剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DCapP)、フタル酸(79アルキル)(D79P)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BDP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸−ジ−(メチルシクロヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アゼライン酸−ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)等のクエン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(YCP)、リン酸トリプロピレングリコール等のリン酸エステル系可塑剤が挙げられる。
【0035】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
【0036】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。
【0037】
マトリックス・ポリマーとしては、ポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、またポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0038】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0039】
光重合可能な化合物は、バインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
【0040】
光重合開始剤は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。
【0041】
増感色素は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0042】
その他、感光性材料成分としては、各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0043】
これらのホログラム記録材料は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15%〜25%の塗布液とされる。ホログラム記録層の厚みとしては、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。
【0044】
このような、ホログラム記録材料としては、例えばテュポン社製のオムニデックス352、706が挙げられる。
【0045】
また、本発明における体積ホログラム層は、記録光としては、例えば、クリプトンレーザー(1.5W)における337.5nm、350.7nm、356.4nmの波長光、また、アルゴンレーザー(40mW)における351.1nm、368.8nmの波長光、またネオンレーザー(50mW)における332.4nmの波長光、カドミウムレーザー(15mW)における325.0nmの波長光、さらに、可視領域であるアルゴンレーザーにおける514.5nm、488nm、457.9nmの波長光、また、クリプトンレーザーにおける647.1nm、568.2nm、520.8nmの波長光等が例示され、このうちの一波長取りだして光重合開始剤を励起可能とする波長を露光してホログラム記録される単色ホログラム、カラーホログラムである。
【0046】
本発明における体積ホログラム層(以下、体積ホログラム層を種々の物性で規定する場合、ホログラム記録された状態の体積ホログラム層を意味する)は、ガラス転移点が30℃〜70℃、好ましくは35℃〜60℃のものである。
【0047】
また、本発明における体積ホログラム層における動的貯蔵弾性率は、体積ホログラム層の硬度を反映する物性の一つであり、下記の測定装置及び測定方法を採用するものである。
【0048】
測定用試料:ホログラム記録フイルム:PETフイルム/体積ホログラム層/ポリ塩化ビニルフイルム又はPETフイルムの積層フイルムにホログラム記録した後、PETフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム又はPETフイルムを剥離した体積ホログラムフイルム
測定装置: 固体粘弾性アナライザーRSA−II レオメトリックス製
測定アタッチメント(モード): フイルム引っ張り
測定周波数: 6.28rad/s
測定温度: −50℃〜100℃
測定方法:
▲1▼ サンプルをフイルム引っ張り測定用治具にセットする。
▲2▼ −50℃〜100℃の温度領域で6.28rad/sでの温度依存性を測定し、温度依存性のデータから、25℃および50℃での動的貯蔵弾性率(E′、Pa)を求める。なお、室温状態での硬度の対比の観点から25℃を選択し、また、夏期での倉庫等での保存状態での硬度の対比の観点から50℃を選択した。
本発明における体積ホログラム層は、50℃での動的貯蔵弾性率が5×105 Pa〜5×107 Paのものである。
【0049】
また、本発明の体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの回折光の半値幅が30nm以下のものである。カラーチューニングフイルムを使用して記録され、体積ホログラムの回折光の半値幅が30nmを越える体積ホログラムにあっては、その詳細な理由は不明であるが、参考例で後述するように、加圧状態における斑状のホログラム欠陥は生じない。本発明においては、特に、体積ホログラムの回折光の半値幅が30nm以下のカラーリップマンホログラムや単色ホログラムにおいて有効である。
【0050】
次に、粘着剤層3、4について説明する。粘着剤層としては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系粘着剤が挙げられる。また、粘着剤層が、使用時にイソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤等を添加して架橋する、所謂二液架橋型粘着剤を使用して形成されることもできる。粘着剤層の厚みとしては、4μm〜20μmとするとよい。
【0051】
本発明における体積ホログラム層と表面保護フイルムとの間の第2粘着剤層における損失正接(tanδ)は、粘着剤層の硬度を反映する物性の一つであり、下記の測定装置及び測定方法を採用するものである。
【0052】
測定用試料:セパレーターA(東京セロファン(株)製「SP−PET05」)上に、粘着剤を乾燥膜厚15μmに塗布した後、塗布面にセパレーターB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」)をラミネートして室温で1週間エージングする。測定に際して、セパレーターAを剥離し、セパレーターBからスパチュラ等を使用して気泡が入らないように粘着剤層を丸めていき、その大きさを下記測定装置における測定アタッチメント(モード)であるパラレルプレート(圧縮)4.75mmφに収まるようにすると共に、測定装置にセットした時の厚みを2.5〜3.5mmと一定になるようにした。
【0053】
測定装置: 粘弾性アナライザーRSA−II レオメトリックス製
測定アタッチメント(モード): パラレルプレート(圧縮)4.75mmφ
測定周波数: 0.1rad/s〜100rad/s
測定温度: 25℃、50℃
測定方法:
▲1▼ サンプルをパラレルプレートでサンドしてセットする。
▲2▼ 25℃での0.1rad/s〜100rad/sの領域での温度依存性を測定し、次いで、50℃に加温して、50℃で同様に周波数依存性を測定する。
▲3▼ 25℃および50℃での動的貯蔵弾性率(E′、Pa)、動的損失弾性率(E″、Pa)を求め、動的損失弾性率(E″、Pa)/動的貯蔵弾性率(E′、Pa)=tanδを計算する。
【0054】
本発明の体積ホログラム積層体における第2粘着剤層は、10-1rad/s〜10rad/sでの周波数依存特性における動的損失弾性率/動的貯蔵弾性率で示される損失正接(tanδ)が、特に、0.4rad/s〜1rad/sでの低周波数側になるにつれて増大するものである。増大の程度としては、1rad/sでのtanδ値に比して、0.4rad/sでのtanδ値が少なくとも0.03以上高いもの、好ましくは0.1以上高いものである。
【0055】
25℃でのtanδの周波数依存特性について得られるデータの1例を図2に示す。図中、(A)は後述する実施例1において作製される第2粘着剤層における周波数依存特性であり、また、(B)は同じく実施例2、(C)は比較例1において作製される第2粘着剤層における周波数依存特性である。
【0056】
50℃でのtanδの周波数依存特性について得られるデータの1例を図3に示す。図中、(A)は後述する実施例1において作製される第2粘着剤層における周波数依存特性であり、また、(B)は後述する実施例2において作製される第2粘着剤層における周波数依存特性である。
【0057】
次に、本発明の体積ホログラム積層体における表面保護フイルム6は、透明性を有し、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等の樹脂が例示され、膜厚としては2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。
【0058】
なお、図示はしないが、表面保護フイルム上には、表面保護フイルム表面の保護性を高める目的で、必要に応じてハードコート処理が施されてもよい。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−アクリレート系(紫外線硬化型)等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により、膜厚1μm〜50μm、好ましくは3μm〜25μmに塗布するとよい。
【0059】
更に、同様に、図示しないが、表面保護フイルム7表面又はハードコート処理面には、離型処理が施されていてもよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸塩系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により行なうとよい。
【0060】
次に、本発明の体積ホログラム積層体を作製するにあたって使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルについて、その断面の層構成を示す図5に示す。図中、10は体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離紙であり、図1と同一符号は同一内容を示す。
【0061】
本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、上述した体積ホログラム積層体の作製に使用されるものであり、図5に示す如く、剥離紙11上に第1粘着剤層3、体積ホログラム層5、第2粘着剤層4、表面保護フイルム6を積層したものである。
【0062】
剥離紙11としては、通常使用される剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレートフイルム表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤により離型処理した離型性フィルムを使用してもよく、また、剥離紙の粘着剤層側でない面には、ラベルの横からはみ出した粘着剤によるブロッキングを避けるために剥離処理を施しておくとよい。また、積層体を適宜の大きさで剥離紙から剥離できるように、積層体は所謂「半抜き加工」されていてもよく、また、剥離紙にミシン目等の切れ目を入れておいてもよい。
【0063】
ラベル10は、剥離紙11を剥離した後、第1粘着剤層3側から、体積ホログラム積層体における基材上に積層され、図1に示される体積ホログラム積層体が作製される。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
(透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータの作製)
シリコンセパレータ(東京セロファン(株)製「SP−PE05」膜厚50μm)上に、下記組成
の粘着剤溶液をただちに乾燥膜厚20μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製「ルミラーT−60、膜厚50μm)をラミネートした。
【0065】
この粘着剤層における25℃でのtanδの周波数依存特性を図2(A)線で、50℃での周波数依存特性を図3(A)線で示す。
【0066】
(シリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBの作製)
シリコンセパレータA(東京セロファン(株)製「SP−PET05」膜厚50μm)上に、上記組成の粘着剤溶液をただちに乾燥膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布し、これにシリコンセパレータB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」膜厚50μm)をラミネートした。
【0067】
(ホログラム記録フイルムの作製)
ポリエチレンテレフタレートフイルム(PETフィルム:50μm)/ホログラム記録材料層(膜厚15μm)/PETフイルムの積層体からなるホログラム記録フイルム(HRF800x001;デュポン社製)に、476nm、532nm、647nmのそれぞれの波長を有するレーザーでカラーリップマンホログラムを記録した後、PETフイルムを剥離し、再剥離系粘着剤層を有する粘着シート(サンエー化研(株)製、H225E)をラミネートし、120℃で24分間加熱処理した。
【0068】
この体積ホログラム層のガラス転移点は、46℃であり、また、6.28rad/s測定における50℃での動的貯蔵弾性率は6.28×106 Paであった。
【0069】
(ホログラム積層体の作製)
上記で得たホログラム記録フイルムから再剥離系粘着シートを剥離し、次いで、上記で得たシリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからシリコンセパレータAを剥離して、両者をラミネートし、PETフイルム/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBを得た。
【0070】
この積層体からPETフイルムを剥離し、また、上記で得た透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータのシリコンセパレータを剥離して両者をラミネートし、透明保護フイルム/第2粘着剤層/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからなる本発明の体積ホログラム積層体ラベルを得た。このホログラムの分光特性を評価したところ、その半値幅は17〜20nmであった。
【0071】
次いで、このラベルにおけるシリコンセパレータBを剥離して、紙基材上に貼着し、これを50℃、0.12kg/cm2 の条件下で3日間保存した。
【0072】
保存後のホログラムを、三輝線蛍光管(ハイルミックN FL4EX−N−PK:日立製作所製)の下で最も欠陥が濃く見える角度でそのホログラム欠陥の目視評価を行なったところ、ホログラムの欠陥レベルは、0.25であり、保存安定性に優れるものであった。
【0073】
なお、この欠陥レベルとは、斑状ホログラム欠陥が全くない状態を0とし、また、発生した斑のサイズ(mm)と濃さ(相対値1〜10)を目視評価し、その積をもって欠陥レベルとした。欠陥レベルが3以下のものは保存安定性に優れるものとした。
【0074】
(実施例2)
(透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータの作製)
シリコンセパレータ(東京セロファン(株)製「SP−PE05」膜厚50μm)上に、下記組成
の粘着剤溶液をただちに乾燥膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製「ルミラーT−60、膜厚50μm)をラミネートした。
【0075】
この粘着剤層における25℃でのtanδの周波数依存特性を図2(B)線で、50℃でのtanδの周波数依存特性を図3(B)線で示す。
【0076】
(シリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBの作製)
シリコンセパレータA(東京セロファン(株)製「SP−PET05」膜厚50μm)上に、上記組成の粘着剤溶液をただちに乾燥膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布し、これにシリコンセパレータB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」膜厚50μm)をラミネートした。
【0077】
後は実施例1と同様にして、体積ホログラム積層体ラベルを作製した。
【0078】
そして、実施例1同様に、体積ホログラム積層体を作製し、同様に保存した後、ホログラム欠陥の目視評価を行なったところ、ホログラムの欠陥レベルは、1.3であり、保存安定性に優れるものであった。
【0079】
(比較例1)
(透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータの作製)
シリコンセパレータ(東京セロファン(株)製「SP−PE05」膜厚50μm)上に、下記組成
に変えた以外は、実施例1と同様にして、透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータを作製した。
【0080】
この粘着剤層における25℃でのtanδの周波数依存特性を図2(C)線で示す。
【0081】
(シリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBの作製)
シリコンセパレータA(東京セロファン(株)製「SP−PET05」膜厚50μm)上に、上記組成の粘着剤溶液をただちに乾燥膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布し、これにシリコンセパレータB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」膜厚50μm)をラミネートした。
【0082】
後は、実施例1と同様にして体積ホログラム積層体ラベルを作製した。
【0083】
実施例1同様に体積ホログラム積層体を作製した後、同様に保存しホログラム欠陥の目視評価を行なったところ、ホログラムに斑状の点欠陥が発生し、欠陥レベルは、10.8であり、保存安定性に問題があった。
【0084】
(参考例)
比較例1と同様に透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータ、及びシリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBを作製した。
【0085】
(ホログラム記録フイルムの作製)
ポリエチレンテレフタレートフイルム(PETフィルム:50μm)/ホログラム記録材料層(膜厚20μm)/ポリ塩化ビニルフイルムの積層体からなるホログラム記録フイルム(Omnidex706;デュポン社製)にリップマンホログラムを514nmアルゴンレーザーにより記録した後、ポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、この面にカラーチューニングフイルム(CTF−75:デュポン社製)をラミネートし、100℃で15分間加熱した。
【0086】
この体積ホログラム層のガラス転移点は42℃であり、また、6.28rad/s測定における50℃での動的貯蔵弾性率は2.7×106 Paであった。
【0087】
(ホログラム積層体の作製)
上記で得たホログラム記録フイルムからカラーチューニングフイルムを剥離し、上記で得たシリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからシリコンセパレータAを剥離して、両者をラミネートし、PETフイルム/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBを得た。
【0088】
この積層体からPETフイルムを剥離し、また、上記で得た透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータのシリコンセパレータを剥離して両者をラミネートし、透明保護フイルム/第2粘着剤層/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからなる本発明の体積ホログラム積層体ラベルを得た。このホログラムの分光特性を評価したところ、その半値幅は35nmであった。
【0089】
次いで、このラベルにおけるシリコンセパレータBを剥離して、紙基材上に貼着し、これを50℃、0.12kg/cm2 の条件下で3日間保存した。
【0090】
保存後のホログラムを、三輝線蛍光管(ハイルミックN FL4EX−N−PK:日立製製作所)の下でそのホログラム欠陥の目視評価を行なったところ、ホログラムの欠陥は発生しなかった。
【0091】
【発明の効果】
本発明の体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルは、保管時等の加圧された状態での保存によっても体積ホログラム層に斑状のホログラム欠陥が生じることの少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の体積ホログラム積層体をその断面図で説明するための図である。
【図2】 第2粘着剤層における25℃でのtanδの周波数依存性を示す図である。
【図3】 第2粘着剤層における50℃でのtanδの周波数依存性を示す図である。
【図4】 本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルをその断面図で説明するための図である。
【符号の説明】
1は体積ホログラム積層体、2は基材、3、4は粘着剤層、5は体積ホログラム層、6は表面保護フイルム、10は体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離シートである。
Claims (4)
- 基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体において、前記体積ホログラム層がマトリックスポリマーおよび光重合可能な化合物からなる記録材料にホログラム記録したものであって、ガラス転移点が30℃〜70℃で、かつ、6.28rad/s測定における50℃での動的貯蔵弾性率が5×105 Pa〜5×107 Paのものであると共に、前記第2粘着剤層がアクリル系粘着剤であり、かつ、10-1rad/s〜10rad/sでの周波数依存特性における動的損失弾性率/動的貯蔵弾性率で示される損失正接(tanδ)が、0.4rad/s〜1rad/sでの低周波数側になるにつれて増大するものであって、その増大の程度が1rad/sでのtanδ値に比して0.4rad/sでのtanδ値が少なくとも0.03以上高いものであることを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの回折光の半値幅が30nm以下のものであることを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム積層体。
- 剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層され、前記体積ホログラム層がマトリックスポリマーおよび光重合可能な化合物からなる記録材料にホログラム記録したものであって、ガラス転移点が30℃〜70℃で、かつ、6.28rad/s測定における50℃での動的貯蔵弾性率が5×105 Pa〜5×107 Paのものであると共に、前記第2粘着剤層がアクリル系粘着剤であり、かつ、10-1rad/s〜10rad/sの周波数依存特性における動的損失弾性率/動的貯蔵弾性率で示される損失正接(tanδ)が、0.4rad/s〜1rad/sでの低周波数側になるにつれて増大するものであって、その増大の程度が1rad/sでのtanδ値に比して0.4rad/sでのtanδ値が少なくとも0.03以上高いものであることを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
- 体積ホログラム層に記録された体積ホログラムの回折光の半値幅が30nm以下のものであることを特徴とする請求項3記載の体積ホログラム積層体作製用ラベル。
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