JP4293390B2 - 体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生波長を記録波長より短波長側、または長波長側にシフト可能とする体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルであって、単色、またはフルカラーのホログラム体や液晶光学素子におけるカラーフィルタとして適した体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、体積ホログラム積層体は、一般に、基材上に粘着剤層、体積ホログラム層、粘着剤層、透明保護フイルムの順に積層された構成を有し、基材である身分証明書等に体積ホログラム層に顔画像を記録したり、また、液晶光学素子におけるカラーフィルタとしての適用が進められているが、作製される体積ホログラムから再生される像が被記録物と同じ色、すなわち再生波長が記録波長と同一になるための手法が求められている。また、記録波長に戻すだけでなく、目的や要求に合った任意の色みに設定することも必要となる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、撮影波長からの再生波長のシフト量を制御し、希望する再生波長を得ることを可能とする体積ホログラム積層体および体積ホログラム積層体作製用ラベルの提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の体積ホログラム積層体は、基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体において、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、下記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも小さい屈折率を有する記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を短波長側にシフトさせたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
測定方法:サンプル測定用補助ガラスの測定面に、体積ホログラム記録材料を厚さ100μmで積層し、乾燥させた後、中間液を介して屈折率計を使用して測定する。
【0005】
上記の記録波長シフト物質の屈折率が、体積ホログラム層の屈折率よりも、25℃で0.1以上小さいことを特徴とする。
【0006】
上記の記録波長シフト物質が、シリコーン系化合物、弗素系化合物の少なくとも1種であることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の体積ホログラム積層体は、基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体において、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、上記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも大きい屈折率を有し、かつ、3−フェニルピリジン、2−フェニルピリジン、ジフェニルスルフィド、1,1−ジフェニルエチレン、1′−アセトナフトン、1−ナフトアルデヒド、1−ブロモナフタレン、1,2−ジブロモベンゼン、3−ヨードアニリン、ロジン系タッキファイアー、テルペン系タッキファイアー、合成樹脂系タッキファイアーの少なくとも1種である記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を長波長側にシフトさせたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の体積ホログラム積層体における記録波長シフト物質の屈折率が、体積ホログラム層の屈折率よりも、25℃で0.06以上大きいことを特徴とする。
【0010】
上記の粘着剤層が、使用時に架橋剤を添加し架橋させる二液架橋型粘着剤であることを特徴とする。
【0011】
上記の体積ホログラム層が、光重合可能な化合物からなることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体作製用ラベルにおいて、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、上記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも小さい屈折率を有する記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を短波長側にシフトさせたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体作製用ラベルにおいて、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、下記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも大きい屈折率を有し、かつ、3−フェニルピリジン、2−フェニルピリジン、ジフェニルスルフィド、1,1−ジフェニルエチレン、1′−アセトナフトン、1−ナフトアルデヒド、1−ブロモナフタレン、1,2−ジブロモベンゼン、3−ヨードアニリン、ロジン系タッキファイアー、テルペン系タッキファイアー、合成樹脂系タッキファイアーの少なくとも1種である記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を長波長側にシフトさせたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第1または第2の体積ホログラム積層体を、図1に断面図で示す。図中、1は体積ホログラム積層体、2は基材、3は第1粘着剤層、4は第2粘着剤層、5は体積ホログラム層、6は表面保護フイルムである。
【0015】
本発明の体積ホログラム積層体における基材2は、紙、合成紙、合成樹脂や金属からなるフイルムやシートを用いることができ、受験票の如きシート状、またIDカードのようなカード形状、また、パスポートのような小冊子等さまざまな形態をとることができ、顔写真、風景等を単色又はフルカラーでホログラム記録した体積ホログラム体を貼着する基材とされる。また、液晶表示素子のカラーフィルタとする場合には、液晶セルにおけるガラス基板や電極層が基材となる。
【0016】
本発明の体積ホログラム積層体は、図1においては、基材2上に第1粘着剤層3を介して体積ホログラム層5を積層した構成を図示するが、基材2上に体積ホログラム層5を両面粘着テープを介して積層した構造としてもよい。
【0017】
体積ホログラム層5は、支持体フイルム上に体積ホログラム記録材料を塗布した後、物体からの光の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調の形で層内に記録されたもので、2種以上の色を再現するカラーホログラムであっても、また、単色ホログラムであってもよく、また、複製に際しても、体積ホログラム原版を密着させて露光現像することにより容易に作製できるものである。
【0018】
体積ホログラム層5は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤、増感色素、および必要に応じて添加される可塑剤、界面活性剤からなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料である。
【0019】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例えば不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0020】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0021】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどである。
【0022】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0023】
イタコン酸エステルとしてはエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
【0024】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
【0025】
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
【0026】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
【0027】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0028】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0029】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式
CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH
(式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。)
で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0030】
また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
【0031】
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0032】
その他、燐を含むモノマーとしてはモノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイキエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭和高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0033】
また、商品名:NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0034】
更に、下記の構造式を有するトリアクリレート類、
【0035】
【化1】
(東亜合成化学工業(株)製、商品名、アロニックス M−315)
【0036】
【化2】
(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、アロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-BPE-4 )、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-TMMT)等が挙げられる。
【0037】
また、必要に応じて添加される可塑剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、およびこれらの多価アルコールの末端ヒドロキシル基がエーテル化、アセチル化等によりブロックされた誘導体、重量平均分子量200〜2,000、好ましくは200〜600のポリエチレングリコール、重量平均分子量300〜2,000、好ましくは300〜1000のポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DCapP)、フタル酸(79アルキル)(D79P)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BDP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸−ジ−(メチルシクロヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アゼライン酸−ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)等のクエン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(YCP)、リン酸トリプロピレングリコール等のリン酸エステル系可塑剤等のポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
【0038】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
【0039】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。
【0040】
マトリックス・ポリマーとしては、ポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、またポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物がが挙げられる。
【0041】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0042】
光重合可能な化合物は、バインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
【0043】
光重合開始剤は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。
【0044】
増感色素は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0045】
その他、感光性材料成分としては、各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0046】
これらのホログラム記録材料は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15%〜25%の塗布液とされる。ホログラム記録層の乾燥後膜厚としては、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。
【0047】
このような、ホログラム記録材料としては、例えばデュポン社製のオムニデックス352、706が挙げられる。
【0048】
次に、粘着剤層3、4について説明する。粘着剤層としては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系接着剤が挙げられる。また、粘着剤層が、使用時にイソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤等を添加して架橋する、所謂二液架橋型粘着剤を使用して形成されることもできる。また、粘着剤層としてヒートシール剤を使用してもよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト系樹脂等が挙げられる。粘着剤層の厚みとしては、4μm〜20μmとするとよい。
【0049】
本発明の第1の体積ホログラム積層体は、粘着剤層3、4の少なくとも一方に、25℃における屈折率が体積ホログラム層を形成する体積ホログラム記録材料よりも0.1以上小さい記録波長シフト物質を含有させることを特徴とする。
【0050】
本発明において「体積ホログラム層の屈折率」「波長シフト物質の屈折率」と記載する場合には、JIS K7142(プラスチックの屈折率測定方法に準拠し、下記の測定方法で測定されるものである。
(測定方法)
サンプル測定用補助ガラスの測定面に、測定するサンプルを厚さ約100μmで積層し、よく乾燥させた後、その測定面を下にし、中間液を介して屈折率計のサンプル台の主プリズム上に載置し、サンプル測定用補助ガラスを密着させて測定に供する。
【0051】
体積ホログラム層の屈折率は、後述する第2の体積ホログラム積層体においても同様であるが、体積ホログラム層として成膜された状態で(株)アタゴ製アッベ屈折率計で測定して得られる屈折率である。また、記録波長シフト物質の屈折率は、後述する記録波長シフト物質100%からなる膜を成膜し、同様に測定して得られるものである。なお、本発明における屈折率は、25℃、400〜800nmにおける屈折率を適用することができるが、比較する場合には、同一波長での屈折率を使用することは勿論である。
【0052】
記録波長シフト物質としては、体積ホログラム記録層における屈折率より、少なくとも0.1以上、好ましくは0.13以上小さいものを使用する。体積ホログラム記録層が光重合可能な化合物からなる場合、通常、その屈折率は1.5程度であるが、このような体積ホログラム積層体にあっては、記録波長シフト物質としては、例えば屈折率が1.4以下のシリコーン系化合物、弗素系化合物が挙げられる。
【0053】
シリコーン系化合物としては、例えばアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、弗素変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルが挙げられ、例えば、信越化学工業(株)製「KF−858、屈折率1.394」、「KF96−10、屈折率1.399」、「KF96L−1、屈折率1.382」等が例示される。また、トリメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン等のシラン化合物、または混合物が例示される。
【0054】
また、弗素系化合物としては、テトラフルオロ酢酸、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロメチルベンズアルデヒド、1,4−ビストリフルオロメチルベンゼン、トリフルオロメチルベンジルアルコール、また、これらの誘導体等、または混合物が例示される。
【0055】
本発明の第2の体積ホログラム積層体は、粘着剤層3、4の少なくとも一方に、25℃における屈折率が体積ホログラム層の屈折率よりも0.06以上、好ましくは0.1以上大きい記録波長シフト物質を含有させることを特徴とする。体積ホログラム記録材料が光重合可能な化合物からなる場合、通常、その屈折率は1.5程度であるが、このような体積ホログラム積層体にあっては、記録波長シフト物質としては、例えば0.06以上の屈折率を有する芳香族系化合物が挙げられる。芳香族系化合物としては、3−フェニルピリジン、2−フェニルピリジン、ジフェニルスルフィド、1,1−ジフェニルエチレン、1′−アセトナフトン、1−ナフトアルデヒド等が例示されるが、そのヨウ化物、臭化物であってもよく、例えば、1−ブロモナフタレン、1,2−ジブロモベンゼン、3−ヨードアニリン等が挙げられる。
【0056】
また、他にも、上述した粘着剤層を構成する粘着剤として例示したロジン系タッキファイアー、テルペン系タッキファイアー、合成樹脂系タッキファイアー、または混合物であって、体積ホログラム層よりも0.06以上の屈折率を有するものを使用してもよい。ロジン系タッキファイアーとしては、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、多量化ロジン等が具体的に例示され、また、テルペン系タッキファイアーとしては、α−ピネン等を含有するテルペン樹脂、芳香族変性テルペンが具体的に例示され、さらに、合成樹脂系タッキファイアーとしては、シクロペンタジエン、スチレン、キシレンの単独若しくは共重合物等が具体的に例示される。
【0057】
本発明の第1または第2の体積ホログラム積層体にあっては、記録波長シフト物質としては、粘着剤層に添加されて体積ホログラム積層体とされた後、粘着剤層から体積ホログラム層へ移動することが可能である物質であって、体積ホログラム層の屈折率との関係が上述した関係を有する物質であれば、上述した記録波長シフト物質に特定されるものではない。
【0058】
本発明にあっては、記録波長シフト物質の屈折率を体積ホログラム層のそれに比して0.1以上小さいものとすることにより撮影波長に比して再生波長をブルーシフト化でき、また、0.06以上大きくなるように選択することにより撮影波長に比して再生波長をレッドシフト化できるものであり、シフトの程度は記録波長シフト物質の種類、添加量を適宜選択することにより容易に制御することができる。特に、ブルーシフト化させる記録波長物質にあっては、体積ホログラム層中に移行して膨潤させる機能を有するにも係わらず、得られる再生波長は長波長側ではなく、その詳細な理由は不明であるが、短波長側にシフトし、任意の波長にブルーシフト化できる。
【0059】
これらの記録波長シフト物質は、上記の粘着剤と共に有機溶剤中に溶解・分散され、剥離紙上に塗布乾燥されて粘着剤層とされるが、粘着剤層中に0.1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜7重量%の範囲で添加されるとよい。20重量%より多いと、粘着剤層における粘着性を阻害するので好ましくない。
【0060】
また、本発明の体積ホログラム積層体にあっては、第1粘着剤層および/または第2粘着剤層と体積ホログラム層との間で記録波長シフト物質以外の移動成分の移動を生じないものとしておくと、ブルーまたはレッドシフト化の程度をより制御できる。そのために、これらの移動成分を粘着剤層に添加し、体積ホログラム層における移動成分とバランスさせておくとよいが、これらの移動成分としては、体積ホログラム層の構成材料として記載した光重合可能な化合物や可塑剤等が挙げられる。
【0061】
また、体積ホログラム層の構成成分である光重合可能な化合物や可塑剤等と相違していてもよく、例えば、界面活性剤、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらの移動成分は、分子量が100〜5,000の低分子量成分であり、特に分子量が100〜2,000のものを使用するとよい。分子量が100より小さいと揮発性となり好ましくなく、また、5,000を越えると隣接層への移動性が少なくなり、添加の目的を達しない可能性がある。
【0062】
また、粘着剤層に含有させる移動成分は、体積ホログラム層を構成する成分と相溶性を有する物質を選択するのが好ましく、また、体積ホログラム層中に移行して記録された干渉縞を完全に破壊したり、また、記録再生を不能としないものであることが要求される。これらの移動成分は、粘着剤層中に上記した添加成分である記録波長シフト物質と合わせその粘着性を損なわない程度に含有されるとよく、合計量が20重量%以下とされるとよいが、その含有量は、体積ホログラム層における移動成分の含有量との関係、また、所望する再生波長との関係から適宜設定されるとよい。
【0063】
次に、本発明の体積ホログラム積層体における表面保護フイルム6は、透明性を有し、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等の樹脂が例示され、膜厚としては2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。
【0064】
体積ホログラム積層体において体積ホログラム層が粘着性を有する場合、基材上に、粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護フイルムとする場合がある。表面保護フイルムには、一般に、可塑剤が含有されており、この場合においても、粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護フイルムの各層間で移動成分を上記の手法で勘案しそのバランスを調整するとよい。
【0065】
なお、図示はしないが、表面保護フイルム上には、表面保護フイルム表面の保護性を高める目的で、必要に応じてハードコート処理が施されてもよい。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−アクリレート系(紫外線硬化型)等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により、膜厚1μm〜50μm、好ましくは3μm〜25μmに塗布するとよい。
【0066】
更に、同様に、図示しないが、表面保護フイルム6表面又はハードコート処理面には、離型処理が施されていてもよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸塩系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により行なうとよい。
【0067】
本発明の体積ホログラム積層体における体積ホログラム層は、記録波長としては単一波長でホログラム記録してもよく、また、二種以上の波長でカラーホログラム記録されてもよい。
【0068】
次に、本発明の体積ホログラム積層体を作製するにあたって使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルについて、その断面の層構成を図2に示す。図中、10は体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離紙であり、図1と同一符号は同一内容を示す。
【0069】
本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、体積ホログラム積層体の作製に使用されるものであり、図2に示す如く、剥離紙11上に第1粘着剤層3、体積ホログラム層5、第2粘着剤層4、表面保護フイルム6を積層したものである。
【0070】
剥離紙11としては、通常使用される剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレートフイルム表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤により離型処理した離型性フィルムを使用してもよく、また、剥離紙の粘着剤層側でない面には、ラベルの横からはみ出した粘着剤によるブロッキングを避けるために剥離処理を施しておくとよい。また、積層体を適宜の大きさで剥離紙から剥離できるように、積層体は所謂「半抜き加工」されていてもよく、また、剥離紙にミシン目等の切れ目を入れておいてもよい。
【0071】
ラベル10は、剥離紙11を剥離した後、第1粘着剤層3側から、基材上に積層され、図1に示される体積ホログラム積層体が作製される。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0073】
の粘着剤溶液を、直ちに乾燥後膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製「ルミラーT−60、膜厚50μm)をラミネートした。
の粘着剤溶液を、直ちに乾燥後膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにシリコンセパレータB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」膜厚50μm)をラミネートした。
(ホログラム記録フイルムの作製)
ポリエチレンテレフタレートフイルム(PETフィルム:50μm)/ホログラム記録材料層(屈折率1.522)/ポリ塩化ビニルフィルムの積層体からなるホログラム記録フイルム(オムニデックス706;デュポン社製)にリップマンホログラムを514nmアルゴンレーザーで記録した。
(ホログラム積層体の作製)
上記で得たホログラム記録フイルムのポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、また、上記で得たシリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからシリコンセパレータAを剥離して、両者をラミネートし、PETフイルム/体積ホログラム層/第1粘着剤層/シリコンセパレータBを得た。
【0074】
この積層体からPETフイルムを剥離し、また、上記で得た透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータのシリコンセパレータを剥離して両者をラミネートし、透明保護フイルム/第2粘着剤層/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからなる本発明の体積ホログラム積層体ラベルを得た。
【0075】
このラベルを140℃で15分加熱し、分光特性を評価したところ、その再生波長は455nmであり、記録波長とのΔλは−59nmであり、大きくブルーシフト化した。
【0076】
また、このラベルにおけるシリコンセパレータBを剥離し、黒ベタ印刷物基材上に貼着し、青の輝線波長が460nmの照明光源で観察したところ、明るいホログラム像を再生することができた。
【0077】
の粘着剤溶液を、直ちに乾燥後膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製「ルミラーT−60、膜厚50μm)をラミネートした。
の粘着剤溶液を、直ちに乾燥後膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにシリコンセパレータB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」膜厚50μm)をラミネートした。
(ホログラム記録フイルムの作製)
PETフィルム/ホログラム記録材料層(屈折率1.522)/PETフィルムからなるホログラム記録フイルム(オムニデックス706M;デュポン社製)にリップマンホログラムを488nmアルゴンレーザーで記録した。
(ホログラム積層体の作製)
上記で得たホログラム記録フイルムの一方のPETフィルムを剥離し、また、上記で得たシリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからシリコンセパレータAを剥離して、両者をラミネートし、PETフイルム/体積ホログラム層/第1粘着剤層/シリコンセパレータBを得た。
【0078】
この積層体からPETフイルムを剥離し、また、上記で得た透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータのシリコンセパレータを剥離して両者をラミネートし、透明保護フイルム/第2粘着剤層/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからなる本発明の体積ホログラム積層体ラベルを得た。
【0079】
このラベルを140℃で15分加熱し、分光特性を評価したところ、その再生波長は558mであり、記録波長とのΔλは+70nmであり、大きくレッドシフト化した。
【0080】
また、このラベルにおけるシリコンセパレータBを剥離し、黒ベタ印刷物基材上に貼着し、緑の輝線波長が560nmの照明光源で観察したところ、明るいホログラム像を再生することができた。
(比較例1)
実施例1における第1粘着剤層形成材料において、シリコーンオイル(信越化学工業(株)製「KF−858」、屈折率1.394」を除いた他は同様にして体積ホログラム積層体作製用ラベルを作製し、同様に、その分光特性を評価したところ、その再生波長は472nmであった。
(比較例2)
実施例1における第1粘着剤層形成材料において、1−ブロモナフタレンを除いた他は同様にして体積ホログラム積層体作製用ラベルを作製し、同様に、その分光特性を評価したところ、その再生波長は452nmであった。
【0081】
【発明の効果】
本発明の体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルは、撮影波長からの再生波長のシフト量が制御でき、希望する再生波長を得ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の体積ホログラム積層体をその断面図で説明するための図である。
【図2】 本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルをその断面図で説明するための図である。
【符号の説明】
1は体積ホログラム積層体、2は基材、3は第1粘着剤層、4は第2粘着剤層、5は体積ホログラム層、6は表面保護フイルム、10は体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離シートである。
Claims (9)
- 基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体において、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、下記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも小さい屈折率を有する記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を短波長側にシフトさせたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
測定方法:サンプル測定用補助ガラスの測定面に、体積ホログラム記録材料を厚さ100μmで積層し、乾燥させた後、中間液を介して屈折率計を使用して測定する。 - 記録波長シフト物質の屈折率が、体積ホログラム層の屈折率よりも、25℃で0.1以上小さいことを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム積層体。
- 記録波長シフト物質が、シリコーン系化合物、弗素系化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の体積ホログラム積層体。
- 基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体において、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、下記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも大きい屈折率を有し、かつ、3−フェニルピリジン、2−フェニルピリジン、ジフェニルスルフィド、1,1−ジフェニルエチレン、1′−アセトナフトン、1−ナフトアルデヒド、1−ブロモナフタレン、1,2−ジブロモベンゼン、3−ヨードアニリン、ロジン系タッキファイアー、テルペン系タッキファイアー、合成樹脂系タッキファイアーの少なくとも1種である記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を長波長側にシフトさせたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
測定方法:サンプル測定用補助ガラスの測定面に、体積ホログラム記録材料を厚さ100μmで積層し、乾燥させた後、中間液を介して屈折率計を使用して測定する。 - 記録波長シフト物質の屈折率が、体積ホログラム層の屈折率よりも、25℃で0.06以上大きいことを特徴とする請求項4記載の体積ホログラム積層体。
- 粘着剤層が、使用時に架橋剤を添加し架橋させる二液架橋型粘着剤であることを特徴とする請求項1〜請求項5記載のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
- 体積ホログラム層が、光重合可能な化合物からなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つ記載の体積ホログラム積層体。
- 剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体作製用ラベルにおいて、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、下記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも小さい屈折率を有する記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を短波長側にシフトさせたことを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
測定方法:サンプル測定用補助ガラスの測定面に、体積ホログラム記録材料を厚さ100μmで積層し、乾燥させた後、中間液を介して屈折率計を使用して測定する。 - 剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積ホログラム積層体作製用ラベルにおいて、該第1及び/又は第2粘着剤層中に、下記の測定方法で測定された体積ホログラム記録前の体積ホログラム層の屈折率よりも大きい屈折率を有し、かつ、3−フェニルピリジン、2−フェニルピリジン、ジフェニルスルフィド、1,1−ジフェニルエチレン、1′−アセトナフトン、1−ナフトアルデヒド、1−ブロモナフタレン、1,2−ジブロモベンゼン、3−ヨードアニリン、ロジン系タッキファイアー、テルペン系タッキファイアー、合成樹脂系タッキファイアーの少なくとも1種である記録波長シフト物質を含有させ、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長を長波長側にシフトさせたことを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
測定方法:サンプル測定用補助ガラスの測定面に、体積ホログラム記録材料を厚さ100μmで積層し、乾燥させた後、中間液を介して屈折率計を使用して測定する。
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