JP4260323B2 - ホログラム転写箔 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種被着物質に容易にホログラムを付与するための良好な箔切れ性を有するホログラム転写箔に関する。
【0002】
さらに本発明は、多品種小ロットに好適なホログラム転写箔の効率的な製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来のホログラム転写箔としては、主にホログラム形成層に、表面に凹凸が賦型されることでホログラムが形成される表面レリーフ型ホログラム層が一般的に使用されている。また、その代表的な構成としては、基材フィルム上に、剥離層、表面レリーフ型ホログラム層、反射性薄膜層、感熱接着層からなることが知られている。
【0004】
ホログラム転写箔は、その熱転写時、換言すれば、ホットスタンプ時にホログラム層の切れ、すなわち箔切れ性が良好で、確実にホログラムが被転写物に転写されることが必要である。
【0005】
しかしながら、これまでのホログラム転写箔は転写時の箔切れが不十分であって、該転写箔がうまく切れたり、切れなかったりと非常に不安定なものが多く改善が要望されている。
【0006】
そこで本発明では、上記のような問題を解決して箔切れが容易かつ良好で工程上安定にホログラムを転写することができるホログラム転写箔を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、基材フィルム上に転写層としてホログラム形成層、感熱性接着剤層が順次積層されてなるホログラム転写箔において、ホログラム形成層は、その25℃における破断点伸度が0.5〜15%、および120℃における破断点伸度が0.5〜30%であることを特徴とするホログラム転写箔が提供される。
【0008】
本発明者は、ホログラム形成層の破断時の伸度によって箔切れ性が影響されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
また、本発明に係るホログラム転写箔の製造方法は、ホログラム形成層を有するフィルムおよび感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって別々に用意し、後の工程において用途に応じてこれらを組み合わせて積層することによって、上記のホログラム転写箔を得ることを特徴とする。この方法によれば、必要に応じて、既に別個の工程によって製造されたホログラム形成層を有するフィルムおよび感熱性接着剤層を有するフィルムを組み合わせて積層することによってホログラム転写箔を製造することができるので、多品種小ロットの製造に特に好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明のホログラム転写箔の基本形態を示す断面図である。図1に示す本発明のホログラム転写箔1は、基材フィルム2上に転写層3として、ホログラム形成層4、感熱接着剤層5が順次積層されてなるものであり、ホログラム形成層4が、その25℃における破断点伸度が0.5〜15%および120℃での破断点伸度が0.5〜30%であることが特徴である。破断点伸度を上記の範囲とすることによりホログラム転写時の箔切れが良好となる。
【0012】
本発明の転写箔においては、図2に示されるように基材フィルム2とホログラム形成層4の間に剥離層6を設けることで、熱転写時に転写層3と基材フィルム2の剥離性を高める効果が得られるので好ましい。さらに剥離層6とホログラム形成層4の密着性が弱い場合は、密着性向上のための層を設けることもできる。また、ホログラム形成層4が表面レリーフ型ホログラム層である場合には、図3に示す通り、ホログラム形成層4と感熱接着剤層5の間に、反射層7を設けることもできる。
【0013】
次に本発明のホログラム転写箔を構成する基材フィルムおよび各層を形成する材料について説明する。
【0014】
基材フィルム2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、セロハンフィルム、アセテートフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム等が例示され、厚みとしては、通常、5〜200μm程度、好ましくは10〜50μmである。
【0015】
ホログラム形成層4は、該層が表面レリーフ型ホログラム形成層である場合には、表面レリーフ型ホログラムは、例えば、上記基材フィルム2に代表されるような基材上に表面レリーフ型ホログラム形成材料を塗布した後、該形成材料表面を、レーザー光を用いて作ったマスターホログラムから引続き作製したプレススタンパーに加熱プレスし、微細な凹凸パターンを形成させることで作製される。
その材料としては、従来からレリーフ型ホログラム形成層の材料として使用されている熱硬化性樹脂、熱可撓性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料がいずれも使用可能であり、特に限定されない。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可撓性樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独重合体であっても2種以上の構成成分からなる共重合体であっても良い。また、これらの樹脂は単独であるいは2種以上を組合せて使用することができる。これらの樹脂には、各種イソシアネート化合物;ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物;ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱あるいは紫外線硬化剤を適宜選択、配合することもできる。
【0016】
また、電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。これらのなかでは特にウレタン変性アクリレート樹脂が好ましく、特に下記の一般式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂が好ましい。
【0017】
【化1】
Figure 0004260323
(式中、5個のRは夫々互いに独立して水素原子またはメチル基を表わし、RはC〜C16の炭化水素基を表わし、XおよびYは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表わす。(a+b+c+d)を100とした場合に、aは20〜90、bは0〜50、cは10〜80、dは0〜20の整数である。)
上記のウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好ましい1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルとメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメチクリレート10〜80モルとを共重合して得られるアクリル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得られる樹脂である。
【0018】
従って、上記メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが共重合体中に存在している全ての水酸基に反応している必要はなく、共重合体中の2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位に水酸基の少なくとも10モル%以上、好ましくは50モル%以上がメタクリロイルオキシエチルイソシアネートと反応していればよい。上記の2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代えてまたは併用して、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基を有するモノマーも使用することができる。
【0019】
以上の如く、水酸基含有アクリル系樹脂中に存在している水酸基を利用して、分子中に多数のメタクリロイル基を導入したウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物によって、例えば、回折格子等を形成する場合には、硬化手段として紫外線や電子線等の電離放射線が使用でき、しかも高架橋密度でありながら柔軟性および耐熱性等に優れた回折格子等を形成することができる。
【0020】
上記のウレタン変性アクリル系樹脂は、前記共重合体を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケトン、セロソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド等の溶媒に溶解させ、この溶液を攪拌しながら、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを滴下および反応させることにより、イソシアネート基がアクリル系樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を生じ、該ウレタン結合を介して樹脂中にメタクリロイル基を導入することができる。この際使用するメタクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量は、アクリル系樹脂の水酸基とイソシアネート基との比率で水酸基1モル当たりイソシアネート基0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの範囲になる量である。尚、上記樹脂中の水酸基よりも当量以上のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを使用する場合には、該メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは樹脂中のカルボキシル基とも反応して−CONH−CHCH−の連結を生じることもあり得る。
【0021】
以上の例は、前記構造式において、全てのRおよびRがメチル基であり、XおよびYがエチレン基である場合であるが、本発明は、これらに限定されず、5個のRは夫々独立して水素原子またはメチル基であってもよく、更にRの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−またはiso−プロピル基、n−、iso−またはtert−ブチル基、置換または未置換のフェニル基、置換または未置換のベンジル基等が挙げられ、XおよびYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ジエチレン基、ジプロピレン基等が挙げられる。このようにして得られる本発明で使用するウレタン変性アクリル系樹脂は全体の分子量としては、GPCで測定した標準ポリスチレン換算分子量で1万〜20万、更に2〜4万であることがより好ましい。
【0022】
上記のような電離放射線硬化型樹脂を硬化させる際には、架橋構造、粘度の調整等を目的として、上記のモノマーとともに下記のような単官能または多官能のモノマー、オリゴマー等を併用することができる。
【0023】
単官能モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート等が、2官能以上のモノマーとしては、骨格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート(例えば、エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等の)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、ホスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、紫外線、電子線硬化性である種々のモノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
【0024】
更に詳しく述べると、2官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が、3官能のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が、4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が、5官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、ホスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に限定されるものではないが、官能基数が3より小さいと耐熱性が低下する傾向があり、また、20を超える場合には柔軟性が低下する傾向があるため、特に官能基数が3〜20のものが好ましい。
【0025】
上記の材料から構成されるホログラム形成層にレリーフ型ホログラムを形成する際には、該形成層の表面に凹凸が形成されているプレススタンパーを圧着し、凹凸を該形成層表面に形成するが、この時該形成層が該プレススタンパーより容易に剥離できるように、該形成層には予め離型剤を含有させることもできる。離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス、フッ素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等がいずれも使用可能である。特に好ましい離型剤は、変性シリコーンであり、具体的には、
(1)変性シリコーンオイル側鎖型、
(2)変性シリコーンオイル両末端型、
(3)変性シリコーンオイル片末端型、
(4)変性シリコーンオイル側鎖両末端型、
(5)トリメチルシロキシケイ酸を含有するメチルポリシロキサン(以下ではシリコーンレンジと称する)、
(6)シリコーングラフトアクリル樹脂、および
(7)メチルフェニルシリコーンオイル
等が挙げられる。
【0026】
変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。
【0027】
反応性シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル基変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙げられる。
【0028】
非反応性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げられる。
【0029】
上記シリコーンオイルの中でも、ホログラム形成層中の被膜形成成分と反応性である基を有する種類の反応性シリコーンオイルは、該形成層の硬化とともに該成分と反応して結合するので、後に凹凸パターンが形成された該形成層の表面にブリードアウトすることがなく、ホログラム形成層に特徴的な性能を付与することができる。特に、蒸着工程での蒸着層との密着性向上には有効である。
【0030】
以上のような表面レリーフ型ホログラム層の厚みは、通常、0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。
【0031】
ホログラム形成層4が、体積型ホログラム形成層の場合には、体積ホログラムは、支持体フィルム上に体積型ホログラム形成材料を塗布した後、物体からの光の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調の形で該層内に記録されることで形成され、複製に際しても、体積ホログラム原版をホログラム形成層に密着させて露光現像することにより容易に作製できる。
【0032】
体積型ホログラム層形成材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料がいずれも使用可能であり、特に、乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料であるマトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素とからなるものが好ましいものとして挙げられる。
【0033】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、およびそれらの混合物が挙げられ、例えば不飽和カルボン酸、およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物等が挙げられる。
【0034】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン際、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、およびそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては上記の酸のナトリウム塩およびカリウム塩等がある。
【0035】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノートAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0036】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等が挙げられる。 イタコン酸エステルとしてはエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
【0037】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等か挙げられる。ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H、1H、2H、2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート(新中村化学工業社製 NKエステルDBN、)、ジブロモプロピルアクリレート(新中村化学工業社製 NKエステルA−DBP、)、ジブロモプロピルメタクリレート(新中村化学工業社製 NKエステルDBP)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0038】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0039】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0040】
【化2】
Figure 0004260323
(式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。)
また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
【0041】
更に、日本接着協会誌、第20巻、第7号、300〜308頁(1984)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0042】
その他、リンを含むモノマーとしてはモノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(共栄社油脂化学工業社製 ライトエステルPA)、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(共栄社油脂化学工業社製 ライトエステルPM)が挙げられ、またエポキシアクリレート系であるリポキシVR−60(昭和高分子社製)、リポキシVR−90(昭和高分子社製)等が挙げられる。
【0043】
また、NKエステルM−230G(新中村化学工業社製)、NKエステル23G(新中村化学工業社製)も挙げられる。
【0044】
更に、下記の構造式(2)、(3)で表されるトリアクリレート類、
【化3】
Figure 0004260323
(東亜合成化学工業社 アロニックスM−315)
【化4】
Figure 0004260323
(東亜合成化学工業社 アロニックスM−325)
および、2,2′−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフェニル)プロパン(新中村化学社製 NKエステル A−BPE−4)、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学社製 NKエステル A−TMMT)等が挙げられる。
【0045】
また、必要に応じて添加される可塑剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DCapP)、フタル酸(79アルキル)(D79P)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BDP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸−ジ−(メチルシクロヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アゼライン酸−ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)等のクエン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(YCP)、リン酸トリプロピレングリコール等のリン酸エステル系可塑剤が挙げられる。
【0046】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
【0047】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。尚、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。マトリックスポリマーとしては、ポリメタアクリル酸エステルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドンまたはその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、またポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0048】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックスポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0049】
光重合可能な化合物は、マトリックスポリマー100重量部に対して通常10〜1000重量部、好ましくは10〜100重量部の割合で使用される。
【0050】
光重合開始剤は、マトリックスポリマー100重量部に対して通常1〜10重量部、好ましくは5〜10重量部の割合で使用される。増感色素は、マトリックスポリマー100重量部に対して通常0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部の割合で使用される。
【0051】
その他、感光性材料成分としては、各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0052】
これらのホログラム記録材料は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15〜25重量%の塗布液とされる。ホログラム記録層の厚みとしては、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。
【0053】
上記のホログラム形成材料から形成されるホログラム形成層4は、いずれも、転写時の箔切れが容易且つ良好であるためには、硬化後のホログラム形成材料(ホログラム形成層)の25℃における破断点伸度が0.5〜15%、および120℃での破断点伸度が0.5〜30%であることが必要である。この範囲を外れる場合には箔切れは不十分となり、ホログラムの転写が困難となる。好ましい破断点伸度は、それぞれ1〜10%および1〜15%である。
【0054】
さらに本発明においては、ホログラムが体積型ホログラムの場合にあっては、ホログラム層のガラス転移点が100℃以上であることが特に好ましい。
【0055】
従って、破断点伸度を上記の範囲とするためには、ホログラム形成材料を選択し、選択された該材料の硬化条件等を予め予備実験で決定することが必要である。
【0056】
尚、本発明における硬化ホログラム形成層の破断点伸度は、25℃においては自記録式試験機(ORIENTEC社製 テンシロン万能試験機)を用い、引張速度2mm/minで、120℃においては、固体粘弾性アナライザーRSA−II(Rheometrics社製)を用い、引張り速度3.5×10−4/secで、それぞれ測定した。
【0057】
感熱接着剤層(ヒートシール層)5としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、セルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0058】
剥離層6としては、例えば、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等の中、1種若しくは2種以上を混合したものが用いられる。特に、剥離層は基材フィルムと転写層との間の剥離力が1〜5g/インチ(90°剥離)になるように、その材質等を適宜選択して形成するのが好ましい。この剥離層はインキ化し、塗布等の公知の方法によって基材フィルムの表面に形成することができ、その厚みは剥離力、箔切れ等を考慮すると0.1〜2μmの範囲が好ましい。
【0059】
反射層7としては、光を反射する金属薄膜を用いると不透明タイプのホログラムとなり、透明な物質でホログラム層と屈折率差がある場合は透明タイプとなるがいずれも本発明に使用できる。反射層は、昇華、真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気メッキ等の公知の方法で形成可能である。
【0060】
不透明タイプのホログラムを形成する金属薄膜としては、例えば、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb等の金属およびその酸化物、窒化物等を単独若しくは2種類以上組み合わせて形成される薄膜である。上記金属薄膜の中でもAl、Cr、Ni、Ag、Au等が特に好ましく、その膜厚は1〜10,000nm、望ましくは20〜200nmの範囲である。
【0061】
透明タイプのホログラムを形成する薄膜は、ホログラム効果を発現できる光透過性のものであれば、いかなる材質のものも使用できる。例えば、ホログラム形成層(光硬化樹脂層)の樹脂と屈折率の異なる透明材料がある。この場合の屈折率はホログラム形成層の樹脂の屈折率より大きくても、小さくてもよいが、屈折率の差は0.1以上が好ましく、より好ましくは0.5以上であり、1.0以上が最適である。また、上記以外では20nm以下の金属性反射膜がある。好適に使用される透明タイプ反射層としては、酸価チタン(TiO)、硫化亜鉛(ZnS)、Cu・Al複合金属酸化物等が挙げられる。
【0062】
図4は本発明のホログラム転写箔を用いた転写例を示す説明図である。本発明のホログラム転写箔を用いて転写を行う場合、図4に示すようにホログラムを付与しようとする被転写物8の表面に本発明のホログラム転写箔1を該転写箔の感熱接着剤層5が接するように重ね合せ、ホログラムを付与しようとする部分の転写箔1の上(基材フィルム2側)を加圧板9等で加熱・加圧して、所望部分の感熱接着剤層を溶融接着させ、しかる後に転写箔を剥離すると、所望部分の転写層のみが転写されて、被転写物表面にホログラムを付与することができる。
【0063】
さらに、本発明においては、上記剥離層とホログラム層との間、ホログラム層と感熱接着剤層との間のいずれかもしくは双方にバリア層(図示せず)を設けることもできる。本発明の製造手段に使用する感光材料や剥離層ならびに感熱接着剤層(ヒートシール層)の組み合わせによっては、経時的にホログラム層(たとえば体積型ホログラム層)から他の層への低分子量成分の移行が起こり、これに起因して記録されたホログラムのピーク波長が青側(短波長側)に移行したり、剥離層等にこれが移行した場合にはその剥離性を変化させたりする場合がある。上記のようなバリア層を設けることによって、これらの阻害要因を解消することができる。
【0064】
バリア層として用いる材料としては、そのバリア性を発現する材料であれば、特に制限はないが、通常、透明性有機樹脂材料を用いることによってその目的を達成することができる。ならでも、無溶剤系の3官能以上、好ましくは6官能以上の、紫外線や電子線等の電離放射線に反応する電離放射線硬化性エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等を用いることができる。特に、その中でもウレタン変性アクリレート樹脂がそのバリア性の高さから好ましく用いられる。
【0065】
また、これらの電離放射線硬化性樹脂としては、そのコーティング適正、最終的に得られるバリア層の硬度等を考慮すると、その分子量は500〜2000の範囲のものが好ましく用いられる。また、バリア層のコーティングは基本的に無溶剤系であるため、ホログラム形成層、剥離層、ヒートシール層のどの層にも積層形成することができる。
【0066】
次に、本発明のホログラム転写箔の製造方法の好ましい態様について説明する。
【0067】
すなわち、好ましい態様に係る本発明のホログラム転写箔の製造方法は、ホログラム形成層を有するフィルムおよび感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって別々に用意し、後の工程において用途に応じてこれらを組み合わせて積層する工程を含むことを特徴とする。
【0068】
さらに具体的には、ホログラム形成層を有する第1フィルム、感熱性接着剤層を有する第2フィルム、および剥離層を有する第3フィルムをそれぞれ独立の工程によって別々に用意し、第1フィルムのホログラム形成層にホログラム画像を形成したのち、第2フィルムおよび第3フィルムを積層する工程を含む。ここで、上記第1ないし第3フィルムの積層は、ドライプロセスによって行うことができ、溶剤を使用する必要がないので、工程上有利である。
【0069】
さらに本発明においては、ホログラム形成層と剥離層を有するフィルムと、感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって用意する方法、ならびに、ホログラム形成層と感熱性接着剤層とを有するフィルムと、剥離層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって用意する方法をも包含する。
【0070】
また、上記のホログラム形成層は、体積型ホログラムおよびレリーフホログラムを含む。
【0071】
さらに、本発明の製造方法においては、上記第1フィルムのホログラム形成層に体積型ホログラムを記録したのち、第3フィルムを積層し、現像処理し、次いでこれに第2フィルムを積層する方法を包含する。
【0072】
上述した第1フィルムとしては、PET等の支持フィルム上にホログラム形成層を形成し、さらに剥離性PETを積層したもの(PET/ホログラム形成層/剥離性PET)が用いられ得る。さらに、第2フィルムとしては、剥離性PET上に感熱性接着層を形成し、さらにこの感熱性接着層上に剥離性PETを形成したもの(剥離性PET/感熱性接着剤層/剥離性PET)が用いられ得る。さらに、第3フィルムとしては、PET等の支持フィルム上に剥離層を形成したもの(PET/剥離層)が用いられ得る。
【0073】
上記のような第1〜第3フィルムを用いて体積ホログラム型のホログラム転写箔を製造する具体的方法は以下の通りである。
【0074】
まず、第1フィルムのホログラム形成層に所定のホログラム画像を記録(露光)したのち、剥離性PETを剥離除去して第3フィルムの剥離層を第1フィルムのホログラム層に対向するように積層する。次いで、これを現像処理ラインに導入して、所定の加熱処理およびUV処理を施して記録画像を現像する。さらに、ホログラム層に積層された支持フィルムを剥離除去してホログラム形成層を露出して、第2フィルムの感熱性接着剤層をホログラム画像に対向するように加熱下(たとえば、100〜180℃)で積層することによって、剥離性PET/感熱性接着剤層/ホログラム層/剥離層/PETフィルム(支持フィルム)の層構成が得られ、さらにそこから剥離性PETを剥離することによって、転写箔を得ることができる。
【0075】
上記転写箔を所定の物品に転写する方法は前述した通りである。被転写物である物品としては、特に限定されるものではなく、プラスチックカード、携帯電話、金券、日用品またはCD−ROMのパッケージなどに適用可能である。
【0076】
なお、本発明においては、第1ないし第3フィルムの各フィルムの層間接着力を制御する方法も包含する。
【0077】
すなわち、上記の転写箔の層構成において、剥離層と支持フィルムとの間の層間接着力Aと剥離層とホログラム形成層との間の層間接着力Bと、ホログラム形成層と感熱性接着剤層との間の層間接着力Cの相対関係ならびにBの値が、下記の関係を満足することが望ましい。
【0078】
層間接着力: C≧B>A
B値: 600gf/インチ
また、本発明の好ましい態様においては、剥離層が、分子量20000〜100000程度のアクリル系樹脂単独、または該アクリル系樹脂と分子量8000〜20000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とからなり、さらに添加剤として分子量1000〜5000のポリエステル樹脂が1〜5重量%含有する組成物からなることが特に好ましい。
【0079】
また、上記感熱性接着剤層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)からなり、酢酸ビニル含量が25%以上であり、180℃以下の温度下でヒートシールが可能な組成物であることが特に好ましい。さらに、本発明の好ましい態様においては、感熱性接着剤層が着色されていてもよい。
【0080】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0081】
尚、本発明における硬化ホログラム層の破断点伸度は、下記の測定機器を用い、応力(Stress)−伸度(Strain)曲線(S−S曲線)を自記録させ、この曲線から破断伸度を求める。
【0082】
〔測定サンプル〕
基材フィルム上に測定を目的とするホログラム形成材料を塗布し、硬化させた後に、基材フィルムから剥がし、幅5〜10mm、長さ20〜50mmのフィルム状試験片とする。該試験片の厚さは、取り扱い易さの点から20〜100μmとするのがよい。尚、フィルム形成の際に、基材フィルム表面が離型処理されていると、硬化ホログラム形成層の剥離が容易となる。
【0083】
(1)25℃
・測定機器:テンシロン万能試験機 RTA−100〔ORIENTEC社製〕
・引張速度:2mm/min
(2)120℃
・測定機器:固体粘弾性アナライザーRSA−II(Rheometrics社製)・測定治具(アタッチメント):フィルム引張り用
・測定モード:Strain Rate Sweep
・引張り速度:3.5×10−4/sec
製造例1
レリーフ型ホログラム形成材料として有用な電離放射線硬化型ウレタン変性アクリル系樹脂の製造例を以下に示す。
【0084】
冷却器、滴下ロートおよび温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、トルエン40gおよびメチルエチルケトン(MEK)40gをアゾ系の開始剤とともに仕込み、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)22.4g、メチルメタクリレート(MMA)70.0g、トルエン20g、およびMEK20gの混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。
【0085】
これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工社製 カレンズMOI)27.8g、トルエン20gおよびメチルエチルケトン(MEK)20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析によりイソシアネート基の2200cm−1の吸収ピークの消失を確認して反応を終了した。
【0086】
得られた樹脂溶液の固形分は41.0%、粘度は130mPa・sec、(30℃)、GPCで測定した標準ポリスチレン換算の分子量は35000、1分子中の平均C=C結合導入量は13.8モル%であった。
【0087】
実施例1
(ホログラム形成層が表面レリーフ型ホログラム層の場合)
上記で得た樹脂溶液を用いて下記の光硬化性樹脂組成物を調製し、表面レリーフ型ホログラム形成材料とした。
【0088】
製造例1の樹脂溶液(固形分基準) 100部
離型剤(トリメチルシロキシケイ酸含有メチルポリシロキサン 1部
:信越化学工業社製 KF−7312、)
多官能モノマー(サートマー社製 SR−399) 10部
ポリエステルアクリレート 10部
(東亜合成化学社製 M−6100)
光増感剤 5部
(チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア907)
上記の各成分をMEKで希釈して組成物の固形分を50%に調製した。
【0089】
25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET;東レ社製 ルミラーT60)に20m/min.の速度で剥離層(昭和インク工業所製 ハクリニス45−3)をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/mの剥離層/PETの層構成からなるフィルムを得た。
【0090】
本発明の光硬化性樹脂組成物を剥離層/PETの層構成からなるフィルムの剥離層上にロールコーターで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で2g/mの複製用感光性フィルムを得た。得られたフィルムはいずれも常温ではべとつかず、巻き取り状態で保管できるものであった。
【0091】
また、上記の光硬化性樹脂組成物を用いてフィルムを形成し、光硬化後の破断点伸度を測定したところ、25℃では5%、120℃では10%であった。図5にS−S曲線を示す。
【0092】
複製装置のエンボスローラーには、レーザー光を用いて作ったマスターホログラムから引続き作成したプレススタンパーが設置されている。尚、樹脂製版にマスターホログラムから複製ホログラムを作製し、これをシリンダー上に貼り付けたものも使用できる。上記で作製した複製用感光性フィルムを給紙側に仕掛け、150℃で加熱プレスして微細な凹凸パターンを形成させた。次いで、水銀灯より発生した紫外線を照射して光硬化させた。引き続き真空蒸着法によりアルミニウム層をこの上に蒸着して反射型のレリーフホログラムを形成した。この表面に、感熱接着剤層(HS−ASV(インクテック社製)10部/HS−31(和信化学工業社製)3部)をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/mの接着剤層を得た。
【0093】
得られた転写箔の基材フィルム側から特定の金型で130℃で加熱、加圧して塩化ビニルカードに転写したところ、箔切れも良好に転写することができた。
【0094】
実施例2
(ホログラム形成層が体積型ホログラム形成層の場合)
体積型ホログラム形成材料として、基本バインダーをガラス転移点が100℃付近にあるポリメチルメタクリレート系樹脂とした光硬化性樹脂組成物を用いた。
【0095】
上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物を、下記の溶剤と混合して、コーティング組成物とした。
【0096】
体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物 60重量部
メチルエチルケトン(MEK) 25重量部
トルエン 15重量部
上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物溶液を、50μmのPETフィルム(デュポン社製 Myler200D)に乾燥後膜厚が3g/mとなるようにグラビアコートで塗工し、さらに塗工面に50μmのPETフィルムをラミネートして、体積型ホログラム形成用フィルムを作成した。また、この体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物を用い下記の工程とは別に形成した硬化後のフィルムの破断点伸度を測定したところ、25℃では6%、120℃では13%であった。
【0097】
上記体積型ホログラム形成用フィルムの一方の側のPETフィルムを剥離し、予め用意された体積型ホログラム原版に、コーティングされた光硬化性樹脂組成物面をラミネートした。そこで、ホログラム形成用フィルム側から、波長が514nmのアルゴンレーザー光を入射して体積型ホログラムを得た。
【0098】
25μmのPETフィルム(東レ社製 ルミラーT60)に20m/min.の速度で剥離層(ハクリニス45−3;昭和インク工業所製)をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/mの剥離層/PETの層構成からなるフィルムを得た。
【0099】
この剥離層上に、上記で作成した体積型ホログラムを原版から剥離してラミネートし、PET/剥離層/体積型ホログラム層/PETの構成を得、さらに加熱、紫外線照射で処理した。
【0100】
上記構成より体積型ホログラム層に接しているPETを剥離し、該体積型ホログラム層上に感熱性接着剤(中央理化工業社製 アクアテックスEC−1700)を、グラビアコートで乾燥後2g/mとなるように塗工し、PET/剥離層/体積型ホログラム層/感熱接着剤層からなる、体積型ホログラム転写箔を得た。
【0101】
得られた転写箔の基材フィルム側から特定の金型で130℃で加熱、加圧して塩化ビニルカードに転写したところ、箔切れも良好に転写することができた。
【0102】
実施例3
(ホログラム形成層が体積型ホログラム形成層の場合)
体積型ホログラム形成材料として、基本バインダーをガラス転移点が100℃付近にあるポリメチルメタクリレート系樹脂とした光硬化性樹脂組成物を用いた。
【0103】
上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物を、下記の溶剤と混合して、コーティング組成物とした。
【0104】
体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物 60重量部
メチルエチルケトン(MEK) 25重量部
トルエン 15重量部
上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物溶液を、50μmのPETフィルム(デュポン社製 Myler200D)に乾燥後膜厚が3g/mとなるようにグラビアコートで塗工し、さらに塗工面に50μmのPETフィルムをラミネートして、体積型ホログラム形成用フィルムを作成した。また、この体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物を用い下記の工程とは別に形成した硬化後のフィルムの破断点伸度を測定したところ、25℃では6%、120℃では13%であった。
【0105】
上記体積型ホログラム形成用フィルムの一方の側のPETフィルムを剥離し、予め用意された体積型ホログラム原版に、コーティングされた光硬化性樹脂組成物面をラミネートした。そこで、ホログラム形成用フィルム側から、波長が514nmのアルゴンレーザー光を入射して体積型ホログラムを得た。
【0106】
25μmのPETフィルム(東レ社製 ルミラーT60)に20m/min.の速度で剥離層(ハクリニス45−3;昭和インク工業所製)をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/mの剥離層/PETの層構成からなるフィルムを得た。
【0107】
この剥離層上に、上記で作成した体積型ホログラムを原版から剥離してラミネートし、PET/剥離層/体積型ホログラム層/PETの構成を得、さらに加熱、紫外線照射で処理した。
【0108】
剥離性PET(東セロ製,SP−PET−03−50BU)上に感熱性接着剤(東洋モートン製、AD−1790−15)をグラビアコートで乾燥後3g/mとなるように塗工した。PET/剥離層/体積型ホログラム層/PETから、体積型ホログラム層に接しているPETを剥離し、そこに感熱接着剤層を140℃でラミネートして、PET/剥離層/体積型ホログラム層/感熱接着剤層/剥離性PETからなる構成を得、さらに剥離性PETを剥離することによって、目的とする体積ホログラム転写箔を得た。得られた転写箔の基材フィルム側から特定の金型で130℃で加熱、加圧して塩化ビニルカードに転写したところ、箔切れも良好に転写することができた。
【0109】
比較例1
表面レリーフ型ホログラム形成材料のうち、ポリエステルアクリレートをウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製 紫光UV−3000B)とした以外は実施例1と同様にして表面レリーフ型ホログラムの形成および転写を行った。
【0110】
破断点伸度測定用に調製した表面レリーフ型ホログラム形成材料フィルムの光硬化後の破断点伸度は、25℃において35%、120℃において18%であった。また、上記のホログラム形成材料を用いたホログラムの転写工程では、転写時の箔切れが悪く、ばりが発生して良好に被転写物に転写することができなかった。
【0111】
比較例2
体積型ホログラム形成材料にガラス転移点が40℃付近である酢酸ビニル系樹脂を使用した以外は実施例2と同様にしてホログラムの形成および転写を行った。
【0112】
破断点伸度測定用に調製した体積型ホログラム形成材料フィルムの光硬化後の破断点伸度は、25℃において20%以上、また、120℃においては測定装置にセットした時点で伸びてしまい、測定不可能であった。また、上記のホログラム形成材料を用いたホログラムの転写工程では、転写時の箔切れが悪く、ばりが発生して良好に被転写物に転写することができなかった。
【0113】
実施例4
実施例2と同様の方法で体積型ホログラム転写箔を製造した。但し、剥離層とホログラム層との間にバリア層を形成し、各材料は、以下のものを使用した。
【0114】
剥離層:昭和インク(株)製(製品名UVC−5W)
バリア層:ウレタンアクリレート
ホログラム記録層:実施例1において用いた感光性材料
感熱性接着剤:東洋モートン社製感熱接着剤(製品名AD1790−15)
上記ホログラム記録層に514.5nmアルゴンレーザーによってホログラムを記録し、各層を熱ラミネートしたところ、ホログラムのピーク波長は512〜515nmであった。
【0115】
一方、バリア層を形成しなかったものについても同様の試験を行ったところ、熱ラミネート後のホログラムのピーク波長は495〜500nmであった。
【0116】
実施例5
実施例3で得られたホログラム転写箔に対して、剥離層上に電子線硬化型樹脂として、ウレタンアクリレート樹脂(分子量800:製品名CN−975、サートマー社製)を用い、グラビア印刷により10m/分で塗工し、その後5Mradの電子線照射により硬化膜厚1μmのバリア層を形成した以外については実施例3と同様の体積ホログラム転写箔を得た。
【0117】
その結果、得られたホログラム画像の経時的な色の変化は見られず、安定なホログラム画像が得られる転写箔を得ることができた。
【0118】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、ホログラム形成材料のホログラム転写時の箔切れが容易且つ良好であり、表面レリーフ型ホログラムおよび体積型ホログラムを被転写物へ容易に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム転写箔の基本形態を示す概略断面図である。
【図2】剥離層を設けたホログラム転写箔の概略断面図である。
【図3】反射層を設けた表面レリーフ型ホログラム転写箔の概略断面図である。
【図4】本発明のホログラム転写箔を使用する転写例を説明する図である。
【図5】実施例1における硬化ホログラム形成層のS−S曲線である。
【符号の説明】
1 ホログラム転写箔
2 基材フィルム
3 転写層
4 ホログラム形成層
5 接着剤層
6 剥離層
7 反射層
8 被転写物
9 加圧板

Claims (18)

  1. 基材フィルムと、
    前記基材フィルム上に形成されたホログラム形成層と、
    前記ホログラム形成層上に形成された感熱性接着剤層とを含んでなるホログラム転写箔において、
    前記基材フィルムと前記ホログラム形成層の間に剥離層が設けられてなり、
    前記ホログラム形成層が、電離放射線によって硬化されたウレタン変成アクリル系樹脂を主成分とする表面レリーフ型ホログラム形成層であり、その25℃における破断点伸度が0.5〜15%、および120℃における破断点伸度が0.5〜30%であることを特徴とする、ホログラム転写箔。
  2. 基材フィルムと、
    前記基材フィルム上に形成されたホログラム形成層と、
    前記ホログラム形成層上に形成された感熱性接着剤層とを含んでなるホログラム転写箔において、
    前記基材フィルムと前記ホログラム形成層の間に剥離層が設けられてなり、
    前記ホログラム形成層が、ホログラム記録材料を光硬化させたものであって、前記ホログラム記録材料は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有するものであって、前記光重合可能な化合物は、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマー、およびそれらの混合物である体積型ホログラムであり、その25℃における破断点伸度が0.5〜15%、および120℃における破断点伸度が0.5〜30%であることを特徴とする、ホログラム転写箔。
  3. ホログラム形成層を有するフィルムおよび感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって別々に用意し、後の工程において用途に応じてこれらを組み合わせて積層することによって、請求項に記載のホログラム転写箔を得ることを特徴とする、ホログラム転写箔の製造方法。
  4. ホログラム形成層を有する第1フィルム、感熱性接着剤層を有する第2フィルム、および剥離層を有する第3フィルムをそれぞれ独立の工程によって別々に用意し、
    前記第1フィルムのホログラム形成層にホログラム画像を形成したのち、第2フィルムおよび第3フィルムを積層する工程を含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記第1ないし第3フィルムの積層がドライプロセスによって行われる、請求項に記載の方法。
  6. ホログラム形成層と剥離層を有するフィルムと、感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって用意する、請求項に記載の方法。
  7. ホログラム形成層と感熱性接着剤層とを有するフィルムと、剥離層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程によって用意する、請求項に記載の方法。
  8. 第1フィルムのホログラム形成層に体積型ホログラムを記録したのち、第3フィルムを積層し、現像処理し、次いでこれに第2フィルムを積層する、請求項に記載の方法。
  9. 前記ホログラム形成層の屈折率と前記剥離層の屈折率との差が、0.01以下である、請求項に記載の方法。
  10. 第1ないし第3フィルムの各フィルムの層間接着力を制御する、請求項に記載の方法。
  11. 請求項1または請求項2に記載のホログラム転写箔を用いてホログラム層がその表面に形成されてなることを特徴とする、物品。
  12. 前記物品が、プラスチックカード、携帯電話、金券、日用品またはCD−ROMのパッケージである、請求項11に記載の物品。
  13. 前記ホログラム層と剥離層との間にバリア層が形成されてなる、請求項1または請求項2に記載のホログラム転写箔。
  14. 前記バリア層が、電離放射線硬化型樹脂からなる、請求項13に記載のホログラム転写箔。
  15. 前記ホログラム層と感熱接着剤層との間にバリア層が形成されてなる、請求項1または請求項2に記載のホログラム転写箔。
  16. 前記バリア層が、電離放射線硬化型樹脂からなる、請求項15に記載のホログラム転写箔。
  17. 前記剥離層とホログラム層、およびホログラム層と感熱接着剤層との間にバリア層が形成されてなる、請求項1または請求項2に記載のホログラム転写箔。
  18. 前記バリア層が、電離放射線硬化型樹脂からなる、請求項17に記載のホログラム転写箔。
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