JP2000272295A - ホログラム転写箔 - Google Patents

ホログラム転写箔

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JP2000272295A JP2000010754A JP2000010754A JP2000272295A JP 2000272295 A JP2000272295 A JP 2000272295A JP 2000010754 A JP2000010754 A JP 2000010754A JP 2000010754 A JP2000010754 A JP 2000010754A JP 2000272295 A JP2000272295 A JP 2000272295A
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    • G03H2250/10Laminate comprising a hologram layer arranged to be transferred onto a carrier body

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 箔切れが容易かつ良好で工程上安定にホログ
ラムを転写することができるホログラム転写箔を提供す
ること。 【解決手段】 基材フィルム上に転写層としてホログラ
ム形成層、感熱性接着剤層が順次積層されてなるホログ
ラム転写箔において、ホログラム形成層は、その25℃
における破断点伸度が0.5〜15%、および120℃
における破断点伸度が0.5〜30%であることを特徴
とするホログラム転写箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種被着物質に容
易にホログラムを付与するための良好な箔切れ性を有す
るホログラム転写箔に関する。
【0002】さらに本発明は、多品種小ロットに好適な
ホログラム転写箔の効率的な製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
のホログラム転写箔としては、主にホログラム形成層
に、表面に凹凸が賦型されることでホログラムが形成さ
れる表面レリーフ型ホログラム層が一般的に使用されて
いる。また、その代表的な構成としては、基材フィルム
上に、剥離層、表面レリーフ型ホログラム層、反射性薄
膜層、感熱接着層からなることが知られている。
【0004】ホログラム転写箔は、その熱転写時、換言
すれば、ホットスタンプ時にホログラム層の切れ、すな
わち箔切れ性が良好で、確実にホログラムが被転写物に
転写されることが必要である。
【0005】しかしながら、これまでのホログラム転写
箔は転写時の箔切れが不十分であって、該転写箔がうま
く切れたり、切れなかったりと非常に不安定なものが多
く改善が要望されている。
【0006】そこで本発明では、上記のような問題を解
決して箔切れが容易かつ良好で工程上安定にホログラム
を転写することができるホログラム転写箔を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基材フ
ィルム上に転写層としてホログラム形成層、感熱性接着
剤層が順次積層されてなるホログラム転写箔において、
ホログラム形成層は、その25℃における破断点伸度が
0.5〜15%、および120℃における破断点伸度が
0.5〜30%であることを特徴とするホログラム転写
箔が提供される。
【0008】本発明者は、ホログラム形成層の破断時の
伸度によって箔切れ性が影響されることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】また、本発明に係るホログラム転写箔の製
造方法は、ホログラム形成層を有するフィルムおよび感
熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程に
よって別々に用意し、後の工程において用途に応じてこ
れらを組み合わせて積層することによって、上記のホロ
グラム転写箔を得ることを特徴とする。この方法によれ
ば、必要に応じて、既に別個の工程によって製造された
ホログラム形成層を有するフィルムおよび感熱性接着剤
層を有するフィルムを組み合わせて積層することによっ
てホログラム転写箔を製造することができるので、多品
種小ロットの製造に特に好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0011】図1は本発明のホログラム転写箔の基本形
態を示す断面図である。図1に示す本発明のホログラム
転写箔1は、基材フィルム2上に転写層3として、ホロ
グラム形成層4、感熱接着剤層5が順次積層されてなる
ものであり、ホログラム形成層4が、その25℃におけ
る破断点伸度が0.5〜15%および120℃での破断
点伸度が0.5〜30%であることが特徴である。破断
点伸度を上記の範囲とすることによりホログラム転写時
の箔切れが良好となる。
【0012】本発明の転写箔においては、図2に示され
るように基材フィルム2とホログラム形成層4の間に剥
離層6を設けることで、熱転写時に転写層3と基材フィ
ルム2の剥離性を高める効果が得られるので好ましい。
さらに剥離層6とホログラム形成層4の密着性が弱い場
合は、密着性向上のための層を設けることもできる。ま
た、ホログラム形成層4が表面レリーフ型ホログラム層
である場合には、図3に示す通り、ホログラム形成層4
と感熱接着剤層5の間に、反射層7を設けることもでき
る。
【0013】次に本発明のホログラム転写箔を構成する
基材フィルムおよび各層を形成する材料について説明す
る。
【0014】基材フィルム2としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリカーボネートフィルム、セロハンフィルム、アセテ
ートフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコー
ルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフ
ィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィル
ム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム、
ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)フィルム等が例示され、厚みとして
は、通常、5〜200μm程度、好ましくは10〜50
μmである。
【0015】ホログラム形成層4は、該層が表面レリー
フ型ホログラム形成層である場合には、表面レリーフ型
ホログラムは、例えば、上記基材フィルム2に代表され
るような基材上に表面レリーフ型ホログラム形成材料を
塗布した後、該形成材料表面を、レーザー光を用いて作
ったマスターホログラムから引続き作製したプレススタ
ンパーに加熱プレスし、微細な凹凸パターンを形成させ
ることで作製される。その材料としては、従来からレリ
ーフ型ホログラム形成層の材料として使用されている熱
硬化性樹脂、熱可撓性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各
種樹脂材料がいずれも使用可能であり、特に限定されな
い。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、エポキシ変性アク
リル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アル
キッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可撓性
樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、アク
リルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン
樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独重合体であっ
ても2種以上の構成成分からなる共重合体であっても良
い。また、これらの樹脂は単独であるいは2種以上を組
合せて使用することができる。これらの樹脂には、各種
イソシアネート化合物;ナフテン酸コバルト、ナフテン
酸亜鉛等の金属石鹸;ベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物;ベン
ゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフト
キノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスル
フィド等の熱あるいは紫外線硬化剤を適宜選択、配合す
ることもできる。
【0016】また、電離放射線硬化型樹脂としては、例
えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性ア
クリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙げら
れる。これらのなかでは特にウレタン変性アクリレート
樹脂が好ましく、特に下記の一般式で表されるウレタン
変性アクリル系樹脂が好ましい。
【0017】
【化1】 (式中、5個のRは夫々互いに独立して水素原子また
はメチル基を表わし、RはC〜C16の炭化水素基
を表わし、XおよびYは直鎖状または分岐鎖状のアルキ
レン基を表わす。(a+b+c+d)を100とした場
合に、aは20〜90、bは0〜50、cは10〜8
0、dは0〜20の整数である。) 上記のウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好まし
い1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルとメ
タクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメチク
リレート10〜80モルとを共重合して得られるアクリ
ル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸
基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−
イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得
られる樹脂である。
【0018】従って、上記メタクリロイルオキシエチル
イソシアネートが共重合体中に存在している全ての水酸
基に反応している必要はなく、共重合体中の2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート単位に水酸基の少なくとも1
0モル%以上、好ましくは50モル%以上がメタクリロ
イルオキシエチルイソシアネートと反応していればよ
い。上記の2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代え
てまたは併用して、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリ
レート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸
基を有するモノマーも使用することができる。
【0019】以上の如く、水酸基含有アクリル系樹脂中
に存在している水酸基を利用して、分子中に多数のメタ
クリロイル基を導入したウレタン変性アクリル系樹脂を
主成分とする樹脂組成物によって、例えば、回折格子等
を形成する場合には、硬化手段として紫外線や電子線等
の電離放射線が使用でき、しかも高架橋密度でありなが
ら柔軟性および耐熱性等に優れた回折格子等を形成する
ことができる。
【0020】上記のウレタン変性アクリル系樹脂は、前
記共重合体を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケト
ン、セロソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド
等の溶媒に溶解させ、この溶液を攪拌しながら、メタク
リロイルオキシエチルイソシアネートを滴下および反応
させることにより、イソシアネート基がアクリル系樹脂
の水酸基と反応してウレタン結合を生じ、該ウレタン結
合を介して樹脂中にメタクリロイル基を導入することが
できる。この際使用するメタクリロイルオキシエチルイ
ソシアネートの使用量は、アクリル系樹脂の水酸基とイ
ソシアネート基との比率で水酸基1モル当たりイソシア
ネート基0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの
範囲になる量である。尚、上記樹脂中の水酸基よりも当
量以上のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを
使用する場合には、該メタクリロイルオキシエチルイソ
シアネートは樹脂中のカルボキシル基とも反応して−C
ONH−CHCH−の連結を生じることもあり得
る。
【0021】以上の例は、前記構造式において、全ての
およびRがメチル基であり、XおよびYがエ
チレン基である場合であるが、本発明は、これらに限定
されず、5個のRは夫々独立して水素原子またはメチ
ル基であってもよく、更にR の具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−またはiso−プロピル
基、n−、iso−またはtert−ブチル基、置換ま
たは未置換のフェニル基、置換または未置換のベンジル
基等が挙げられ、XおよびYの具体例としては、エチレ
ン基、プロピレン基、ジエチレン基、ジプロピレン基等
が挙げられる。このようにして得られる本発明で使用す
るウレタン変性アクリル系樹脂は全体の分子量として
は、GPCで測定した標準ポリスチレン換算分子量で1
万〜20万、更に2〜4万であることがより好ましい。
【0022】上記のような電離放射線硬化型樹脂を硬化
させる際には、架橋構造、粘度の調整等を目的として、
上記のモノマーとともに下記のような単官能または多官
能のモノマー、オリゴマー等を併用することができる。
【0023】単官能モノマーとしては、例えば、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)
アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)
アクリレート等が、2官能以上のモノマーとしては、骨
格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート
(例えば、エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレー
ト、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等
の)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒ
ダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、ホス
ファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレート
等が挙げられ、紫外線、電子線硬化性である種々のモノ
マー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
【0024】更に詳しく述べると、2官能のモノマー、
オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート等が、3官能のモノマー、オリゴマ
ー、ポリマーとしては、例えばトリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレー
ト等が、4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例え
ば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が、5官能
以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、
ポリエステル骨格、ウレタン骨格、ホスファゼン骨格を
有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数
は特に限定されるものではないが、官能基数が3より小
さいと耐熱性が低下する傾向があり、また、20を超え
る場合には柔軟性が低下する傾向があるため、特に官能
基数が3〜20のものが好ましい。
【0025】上記の材料から構成されるホログラム形成
層にレリーフ型ホログラムを形成する際には、該形成層
の表面に凹凸が形成されているプレススタンパーを圧着
し、凹凸を該形成層表面に形成するが、この時該形成層
が該プレススタンパーより容易に剥離できるように、該
形成層には予め離型剤を含有させることもできる。離型
剤としては従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワ
ックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワ
ックス、フッ素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シ
リコーン等がいずれも使用可能である。特に好ましい離
型剤は、変性シリコーンであり、具体的には、(1)変
性シリコーンオイル側鎖型、(2)変性シリコーンオイ
ル両末端型、(3)変性シリコーンオイル片末端型、
(4)変性シリコーンオイル側鎖両末端型、(5)トリ
メチルシロキシケイ酸を含有するメチルポリシロキサン
(以下ではシリコーンレンジと称する)、(6)シリコ
ーングラフトアクリル樹脂、および(7)メチルフェニ
ルシリコーンオイル等が挙げられる。
【0026】変性シリコーンオイルは、反応性シリコー
ンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。
【0027】反応性シリコーンオイルとしては、例え
ば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル基変性、
カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、
フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙
げられる。
【0028】非反応性シリコーンオイルとしては、例え
ば、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル
変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級
アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げ
られる。
【0029】上記シリコーンオイルの中でも、ホログラ
ム形成層中の被膜形成成分と反応性である基を有する種
類の反応性シリコーンオイルは、該形成層の硬化ととも
に該成分と反応して結合するので、後に凹凸パターンが
形成された該形成層の表面にブリードアウトすることが
なく、ホログラム形成層に特徴的な性能を付与すること
ができる。特に、蒸着工程での蒸着層との密着性向上に
は有効である。
【0030】以上のような表面レリーフ型ホログラム層
の厚みは、通常、0.1〜50μm、好ましくは1〜2
0μmである。
【0031】ホログラム形成層4が、体積型ホログラム
形成層の場合には、体積ホログラムは、支持体フィルム
上に体積型ホログラム形成材料を塗布した後、物体から
の光の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調
の形で該層内に記録されることで形成され、複製に際し
ても、体積ホログラム原版をホログラム形成層に密着さ
せて露光現像することにより容易に作製できる。
【0032】体積型ホログラム層形成材料としては、銀
塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架
橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料がいずれも
使用可能であり、特に、乾式の体積位相型ホログラム記
録用途の感光性材料であるマトリックスポリマー、光重
合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素とからな
るものが好ましいものとして挙げられる。
【0033】光重合可能な化合物としては、後述するよ
うな1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、
プレポリマー、およびそれらの混合物が挙げられ、例え
ば不飽和カルボン酸、およびその塩、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カ
ルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物等
が挙げられる。
【0034】不飽和カルボン酸のモノマーの具体例とし
てはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン際、クロトン
酸、イソクロトン酸、マレイン酸、およびそれらのハロ
ゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カル
ボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カル
ボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては
上記の酸のナトリウム塩およびカリウム塩等がある。
【0035】また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽
和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例として
は、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピ
ル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロ
ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソ
ルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアク
リレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビト
ールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオ
リゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フ
ェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレ
ートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)
エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリ
レート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチ
ル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノートAジア
クリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリ
レート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニ
ルアクリレート等が挙げられる。
【0036】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタク
リルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジ
メチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ
フェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタク
リロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2
−ナフチル等が挙げられる。 イタコン酸エステルと
してはエチレングリコールジイタコネート、プロピレン
グリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジ
イタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネー
ト、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタ
エリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライ
タコネート等が挙げられる。クロトン酸エステルとして
は、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレ
ングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジ
クロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙
げられる。イソクロトン酸エステルとしては、エチレン
グリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトール
ジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネ
ート等が挙げられる。
【0037】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等か挙げられる。ハロゲン化不飽和カルボ
ン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルアクリレート、1H、1H、2H、2H−ヘプタデカ
フルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピルメタクリレート、1H、1H、2H、
2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタ
クリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモ
ネオペンチルジメタクリレート(新中村化学工業社製
NKエステルDBN、)、ジブロモプロピルアクリレー
ト(新中村化学工業社製 NKエステルA−DB
P、)、ジブロモプロピルメタクリレート(新中村化学
工業社製 NKエステルDBP)、メタクリル酸クロラ
イド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニ
ル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレ
ート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−
2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリ
レート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げ
られる。
【0038】また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレ
ンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,
6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレン
トリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアク
リルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フ
ェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド
等が挙げられる。
【0039】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式
(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付
加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有す
るビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0040】
【化2】 (式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。) また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレ
タンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、
特公昭49−43191号公報、特公昭52−3049
0号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステル
アクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等
の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げるこ
とができる。
【0041】更に、日本接着協会誌、第20巻、第7
号、300〜308頁(1984)に光硬化性モノマー
およびオリゴマーとして紹介されているものも使用する
ことができる。
【0042】その他、リンを含むモノマーとしてはモノ
(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(共栄社油脂化学工業社製 ライトエステルPA)、
モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォス
フェート(共栄社油脂化学工業社製 ライトエステルP
M)が挙げられ、またエポキシアクリレート系であるリ
ポキシVR−60(昭和高分子社製)、リポキシVR−
90(昭和高分子社製)等が挙げられる。
【0043】また、NKエステルM−230G(新中村
化学工業社製)、NKエステル23G(新中村化学工業
社製)も挙げられる。
【0044】更に、下記の構造式(2)、(3)で表さ
れるトリアクリレート類、
【化3】 (東亜合成化学工業社 アロニックスM−315)
【化4】 (東亜合成化学工業社 アロニックスM−325)およ
び、2,2′−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフ
ェニル)プロパン(新中村化学社製 NKエステル A
−BPE−4)、テトラメチロールメタンテトラアクリ
レート(新中村化学社製 NKエステル A−TMM
T)等が挙げられる。
【0045】また、必要に応じて添加される可塑剤とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の多価アルコール類、フタル酸ジメチル(DM
P)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル
(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−
n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル
(DCapP)、フタル酸(79アルキル)(D79
P)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDP)、フタル酸
ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル
(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BDP)、エ
チルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチル
フタリルブチルグリコレート(BPBG)等のフタル酸
エステル系可塑剤、アジピン酸−ジ−2−エチルヘキシ
ル(DOA)、アジピン酸−ジ−(メチルシクロヘキシ
ル)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アゼライ
ン酸−ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸−
ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチ
ル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(D
OS)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、クエン酸
トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TB
C)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセ
チルクエン酸トリブチル(ATBC)等のクエン酸エス
テル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑
剤、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル
(TPP)、リン酸トリクレジル(YCP)、リン酸ト
リプロピレングリコール等のリン酸エステル系可塑剤が
挙げられる。
【0046】次に、開始剤系における光重合開始剤とし
ては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−
ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェ
ニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサ
ゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イ
ミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、
記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム
記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸
化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解
されるので好ましい。
【0047】増感色素としては、350〜600nmに
吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン
系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケ
トクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン
系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミ
ン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系
色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示さ
れる。尚、350nm以下、または600nm以上の波
長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。マト
リックスポリマーとしては、ポリメタアクリル酸エステ
ルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはそ
の加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分ア
セタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレ
ン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴ
ム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロ
プレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたは
その誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドンまたはその誘
導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその
半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタク
リル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アク
リルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢
酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つ
を重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が
用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、またポ
リビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビ
ニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙げられ
る。
【0048】記録されたホログラムの安定化工程として
加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためには
これらのマトリックスポリマーは、好ましくはガラス転
移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするもので
あることが必要である。
【0049】光重合可能な化合物は、マトリックスポリ
マー100重量部に対して通常10〜1000重量部、
好ましくは10〜100重量部の割合で使用される。
【0050】光重合開始剤は、マトリックスポリマー1
00重量部に対して通常1〜10重量部、好ましくは5
〜10重量部の割合で使用される。増感色素は、マトリ
ックスポリマー100重量部に対して通常0.01〜1
重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部の割合で使
用される。
【0051】その他、感光性材料成分としては、各種の
非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオ
ン系界面活性剤が挙げられる。
【0052】これらのホログラム記録材料は、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロ
ルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキ
サン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロ
ロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15〜2
5重量%の塗布液とされる。ホログラム記録層の厚みと
しては、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μ
mである。
【0053】上記のホログラム形成材料から形成される
ホログラム形成層4は、いずれも、転写時の箔切れが容
易且つ良好であるためには、硬化後のホログラム形成材
料(ホログラム形成層)の25℃における破断点伸度が
0.5〜15%、および120℃での破断点伸度が0.
5〜30%であることが必要である。この範囲を外れる
場合には箔切れは不十分となり、ホログラムの転写が困
難となる。好ましい破断点伸度は、それぞれ1〜10%
および1〜15%である。
【0054】さらに本発明においては、ホログラムが体
積型ホログラムの場合にあっては、ホログラム層のガラ
ス転移点が100℃以上であることが特に好ましい。
【0055】従って、破断点伸度を上記の範囲とするた
めには、ホログラム形成材料を選択し、選択された該材
料の硬化条件等を予め予備実験で決定することが必要で
ある。
【0056】尚、本発明における硬化ホログラム形成層
の破断点伸度は、25℃においては自記録式試験機(O
RIENTEC社製 テンシロン万能試験機)を用い、
引張速度2mm/minで、120℃においては、固体
粘弾性アナライザーRSA−II(Rheometric
s社製)を用い、引張り速度3.5×10−4/sec
で、それぞれ測定した。
【0057】感熱接着剤層(ヒートシール層)5として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−
イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、
ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、セルロース系
樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリビニルエ
ーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性
樹脂が挙げられる。
【0058】剥離層6としては、例えば、ポリメタクリ
ル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹
脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活
性剤、金属酸化物等の中、1種若しくは2種以上を混合
したものが用いられる。特に、剥離層は基材フィルムと
転写層との間の剥離力が1〜5g/インチ(90°剥
離)になるように、その材質等を適宜選択して形成する
のが好ましい。この剥離層はインキ化し、塗布等の公知
の方法によって基材フィルムの表面に形成することがで
き、その厚みは剥離力、箔切れ等を考慮すると0.1〜
2μmの範囲が好ましい。
【0059】反射層7としては、光を反射する金属薄膜
を用いると不透明タイプのホログラムとなり、透明な物
質でホログラム層と屈折率差がある場合は透明タイプと
なるがいずれも本発明に使用できる。反射層は、昇華、
真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イ
オンプレーティング、電気メッキ等の公知の方法で形成
可能である。
【0060】不透明タイプのホログラムを形成する金属
薄膜としては、例えば、Cr、Ti、Fe、Co、N
i、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、P
b、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb
等の金属およびその酸化物、窒化物等を単独若しくは2
種類以上組み合わせて形成される薄膜である。上記金属
薄膜の中でもAl、Cr、Ni、Ag、Au等が特に好
ましく、その膜厚は1〜10,000nm、望ましくは
20〜200nmの範囲である。
【0061】透明タイプのホログラムを形成する薄膜
は、ホログラム効果を発現できる光透過性のものであれ
ば、いかなる材質のものも使用できる。例えば、ホログ
ラム形成層(光硬化樹脂層)の樹脂と屈折率の異なる透
明材料がある。この場合の屈折率はホログラム形成層の
樹脂の屈折率より大きくても、小さくてもよいが、屈折
率の差は0.1以上が好ましく、より好ましくは0.5
以上であり、1.0以上が最適である。また、上記以外
では20nm以下の金属性反射膜がある。好適に使用さ
れる透明タイプ反射層としては、酸価チタン(TiO
)、硫化亜鉛(ZnS)、Cu・Al複合金属酸化
物等が挙げられる。
【0062】図4は本発明のホログラム転写箔を用いた
転写例を示す説明図である。本発明のホログラム転写箔
を用いて転写を行う場合、図4に示すようにホログラム
を付与しようとする被転写物8の表面に本発明のホログ
ラム転写箔1を該転写箔の感熱接着剤層5が接するよう
に重ね合せ、ホログラムを付与しようとする部分の転写
箔1の上(基材フィルム2側)を加圧板9等で加熱・加
圧して、所望部分の感熱接着剤層を溶融接着させ、しか
る後に転写箔を剥離すると、所望部分の転写層のみが転
写されて、被転写物表面にホログラムを付与することが
できる。
【0063】さらに、本発明においては、上記剥離層と
ホログラム層との間、ホログラム層と感熱接着剤層との
間のいずれかもしくは双方にバリア層(図示せず)を設
けることもできる。本発明の製造手段に使用する感光材
料や剥離層ならびに感熱接着剤層(ヒートシール層)の
組み合わせによっては、経時的にホログラム層(たとえ
ば体積型ホログラム層)から他の層への低分子量成分の
移行が起こり、これに起因して記録されたホログラムの
ピーク波長が青側(短波長側)に移行したり、剥離層等
にこれが移行した場合にはその剥離性を変化させたりす
る場合がある。上記のようなバリア層を設けることによ
って、これらの阻害要因を解消することができる。
【0064】バリア層として用いる材料としては、その
バリア性を発現する材料であれば、特に制限はないが、
通常、透明性有機樹脂材料を用いることによってその目
的を達成することができる。ならでも、無溶剤系の3官
能以上、好ましくは6官能以上の、紫外線や電子線等の
電離放射線に反応する電離放射線硬化性エポキシ変性ア
クリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アク
リル変性ポリエステル樹脂等を用いることができる。特
に、その中でもウレタン変性アクリレート樹脂がそのバ
リア性の高さから好ましく用いられる。
【0065】また、これらの電離放射線硬化性樹脂とし
ては、そのコーティング適正、最終的に得られるバリア
層の硬度等を考慮すると、その分子量は500〜200
0の範囲のものが好ましく用いられる。また、バリア層
のコーティングは基本的に無溶剤系であるため、ホログ
ラム形成層、剥離層、ヒートシール層のどの層にも積層
形成することができる。
【0066】次に、本発明のホログラム転写箔の製造方
法の好ましい態様について説明する。
【0067】すなわち、好ましい態様に係る本発明のホ
ログラム転写箔の製造方法は、ホログラム形成層を有す
るフィルムおよび感熱性接着剤層を有するフィルムをそ
れぞれ独立の工程によって別々に用意し、後の工程にお
いて用途に応じてこれらを組み合わせて積層する工程を
含むことを特徴とする。
【0068】さらに具体的には、ホログラム形成層を有
する第1フィルム、感熱性接着剤層を有する第2フィル
ム、および剥離層を有する第3フィルムをそれぞれ独立
の工程によって別々に用意し、第1フィルムのホログラ
ム形成層にホログラム画像を形成したのち、第2フィル
ムおよび第3フィルムを積層する工程を含む。ここで、
上記第1ないし第3フィルムの積層は、ドライプロセス
によって行うことができ、溶剤を使用する必要がないの
で、工程上有利である。
【0069】さらに本発明においては、ホログラム形成
層と剥離層を有するフィルムと、感熱性接着剤層を有す
るフィルムをそれぞれ独立の工程によって用意する方
法、ならびに、ホログラム形成層と感熱性接着剤層とを
有するフィルムと、剥離層を有するフィルムをそれぞれ
独立の工程によって用意する方法をも包含する。
【0070】また、上記のホログラム形成層は、体積型
ホログラムおよびレリーフホログラムを含む。
【0071】さらに、本発明の製造方法においては、上
記第1フィルムのホログラム形成層に体積型ホログラム
を記録したのち、第3フィルムを積層し、現像処理し、
次いでこれに第2フィルムを積層する方法を包含する。
【0072】上述した第1フィルムとしては、PET等
の支持フィルム上にホログラム形成層を形成し、さらに
剥離性PETを積層したもの(PET/ホログラム形成
層/剥離性PET)が用いられ得る。さらに、第2フィ
ルムとしては、剥離性PET上に感熱性接着層を形成
し、さらにこの感熱性接着層上に剥離性PETを形成し
たもの(剥離性PET/感熱性接着剤層/剥離性PE
T)が用いられ得る。さらに、第3フィルムとしては、
PET等の支持フィルム上に剥離層を形成したもの(P
ET/剥離層)が用いられ得る。
【0073】上記のような第1〜第3フィルムを用いて
体積ホログラム型のホログラム転写箔を製造する具体的
方法は以下の通りである。
【0074】まず、第1フィルムのホログラム形成層に
所定のホログラム画像を記録(露光)したのち、剥離性
PETを剥離除去して第3フィルムの剥離層を第1フィ
ルムのホログラム層に対向するように積層する。次い
で、これを現像処理ラインに導入して、所定の加熱処理
およびUV処理を施して記録画像を現像する。さらに、
ホログラム層に積層された支持フィルムを剥離除去して
ホログラム形成層を露出して、第2フィルムの感熱性接
着剤層をホログラム画像に対向するように加熱下(たと
えば、100〜180℃)で積層することによって、剥
離性PET/感熱性接着剤層/ホログラム層/剥離層/
PETフィルム(支持フィルム)の層構成が得られ、さ
らにそこから剥離性PETを剥離することによって、転
写箔を得ることができる。
【0075】上記転写箔を所定の物品に転写する方法は
前述した通りである。被転写物である物品としては、特
に限定されるものではなく、プラスチックカード、携帯
電話、金券、日用品またはCD−ROMのパッケージな
どに適用可能である。
【0076】なお、本発明においては、第1ないし第3
フィルムの各フィルムの層間接着力を制御する方法も包
含する。
【0077】すなわち、上記の転写箔の層構成におい
て、剥離層と支持フィルムとの間の層間接着力Aと剥離
層とホログラム形成層との間の層間接着力Bと、ホログ
ラム形成層と感熱性接着剤層との間の層間接着力Cの相
対関係ならびにBの値が、下記の関係を満足することが
望ましい。
【0078】 層間接着力: C≧B>A B値: 600gf/インチ また、本発明の好ましい態様においては、剥離層が、分
子量20000〜100000程度のアクリル系樹脂単
独、または該アクリル系樹脂と分子量8000〜200
00の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とからなり、
さらに添加剤として分子量1000〜5000のポリエ
ステル樹脂が1〜5重量%含有する組成物からなること
が特に好ましい。
【0079】また、上記感熱性接着剤層としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)からなり、酢酸
ビニル含量が25%以上であり、180℃以下の温度下
でヒートシールが可能な組成物であることが特に好まし
い。さらに、本発明の好ましい態様においては、感熱性
接着剤層が着色されていてもよい。
【0080】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。
【0081】尚、本発明における硬化ホログラム層の破
断点伸度は、下記の測定機器を用い、応力(Stres
s)−伸度(Strain)曲線(S−S曲線)を自記
録させ、この曲線から破断伸度を求める。
【0082】〔測定サンプル〕基材フィルム上に測定を
目的とするホログラム形成材料を塗布し、硬化させた後
に、基材フィルムから剥がし、幅5〜10mm、長さ2
0〜50mmのフィルム状試験片とする。該試験片の厚
さは、取り扱い易さの点から20〜100μmとするの
がよい。尚、フィルム形成の際に、基材フィルム表面が
離型処理されていると、硬化ホログラム形成層の剥離が
容易となる。
【0083】(1)25℃ ・測定機器:テンシロン万能試験機 RTA−100
〔ORIENTEC社製〕 ・引張速度:2mm/min (2)120℃ ・測定機器:固体粘弾性アナライザーRSA−II(Rh
eometrics社製)・測定治具(アタッチメン
ト):フィルム引張り用 ・測定モード:Strain Rate Sweep ・引張り速度:3.5×10−4/sec製造例1 レリーフ型ホログラム形成材料として有用な電離放射線
硬化型ウレタン変性アクリル系樹脂の製造例を以下に示
す。
【0084】冷却器、滴下ロートおよび温度計付きの2
リットルの四つ口フラスコに、トルエン40gおよびメ
チルエチルケトン(MEK)40gをアゾ系の開始剤と
ともに仕込み、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA)22.4g、メチルメタクリレート(MM
A)70.0g、トルエン20g、およびMEK20g
の混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させ
ながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた
後、室温まで冷却した。
【0085】これに、2−イソシアネートエチルメタク
リレート(昭和電工社製 カレンズMOI)27.8
g、トルエン20gおよびメチルエチルケトン(ME
K)20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を
触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析によ
りイソシアネート基の2200cm−1の吸収ピークの
消失を確認して反応を終了した。
【0086】得られた樹脂溶液の固形分は41.0%、
粘度は130mPa・sec、(30℃)、GPCで測
定した標準ポリスチレン換算の分子量は35000、1
分子中の平均C=C結合導入量は13.8モル%であっ
た。
【0087】実施例1 (ホログラム形成層が表面レリーフ型ホログラム層の場
合)上記で得た樹脂溶液を用いて下記の光硬化性樹脂組
成物を調製し、表面レリーフ型ホログラム形成材料とし
た。
【0088】 製造例1の樹脂溶液(固形分基準) 100部 離型剤(トリメチルシロキシケイ酸含有メチルポリシロキサン 1部 :信越化学工業社製 KF−7312、) 多官能モノマー(サートマー社製 SR−399) 10部 ポリエステルアクリレート 10部 (東亜合成化学社製 M−6100) 光増感剤 5部 (チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア907) 上記の各成分をMEKで希釈して組成物の固形分を50
%に調製した。
【0089】25μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PET;東レ社製 ルミラーT60)に20m
/min.の速度で剥離層(昭和インク工業所製 ハク
リニス45−3)をグラビアコートで塗工し、100℃
で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/m
の剥離層/PETの層構成からなるフィルムを得
た。
【0090】本発明の光硬化性樹脂組成物を剥離層/P
ETの層構成からなるフィルムの剥離層上にロールコー
ターで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた
後、乾燥膜厚で2g/mの複製用感光性フィルムを
得た。得られたフィルムはいずれも常温ではべとつか
ず、巻き取り状態で保管できるものであった。
【0091】また、上記の光硬化性樹脂組成物を用いて
フィルムを形成し、光硬化後の破断点伸度を測定したと
ころ、25℃では5%、120℃では10%であった。
図5にS−S曲線を示す。
【0092】複製装置のエンボスローラーには、レーザ
ー光を用いて作ったマスターホログラムから引続き作成
したプレススタンパーが設置されている。尚、樹脂製版
にマスターホログラムから複製ホログラムを作製し、こ
れをシリンダー上に貼り付けたものも使用できる。上記
で作製した複製用感光性フィルムを給紙側に仕掛け、1
50℃で加熱プレスして微細な凹凸パターンを形成させ
た。次いで、水銀灯より発生した紫外線を照射して光硬
化させた。引き続き真空蒸着法によりアルミニウム層を
この上に蒸着して反射型のレリーフホログラムを形成し
た。この表面に、感熱接着剤層(HS−ASV(インク
テック社製)10部/HS−31(和信化学工業社製)
3部)をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して
溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/mの接着剤
層を得た。
【0093】得られた転写箔の基材フィルム側から特定
の金型で130℃で加熱、加圧して塩化ビニルカードに
転写したところ、箔切れも良好に転写することができ
た。
【0094】実施例2 (ホログラム形成層が体積型ホログラム形成層の場合)
体積型ホログラム形成材料として、基本バインダーをガ
ラス転移点が100℃付近にあるポリメチルメタクリレ
ート系樹脂とした光硬化性樹脂組成物を用いた。
【0095】上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂
組成物を、下記の溶剤と混合して、コーティング組成物
とした。
【0096】 体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物 60重量部 メチルエチルケトン(MEK) 25重量部 トルエン 15重量部 上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物溶液
を、50μmのPETフィルム(デュポン社製 Myl
er200D)に乾燥後膜厚が3g/mとなるよう
にグラビアコートで塗工し、さらに塗工面に50μmの
PETフィルムをラミネートして、体積型ホログラム形
成用フィルムを作成した。また、この体積型ホログラム
形成用光硬化性樹脂組成物を用い下記の工程とは別に形
成した硬化後のフィルムの破断点伸度を測定したとこ
ろ、25℃では6%、120℃では13%であった。
【0097】上記体積型ホログラム形成用フィルムの一
方の側のPETフィルムを剥離し、予め用意された体積
型ホログラム原版に、コーティングされた光硬化性樹脂
組成物面をラミネートした。そこで、ホログラム形成用
フィルム側から、波長が514nmのアルゴンレーザー
光を入射して体積型ホログラムを得た。
【0098】25μmのPETフィルム(東レ社製 ル
ミラーT60)に20m/min.の速度で剥離層(ハ
クリニス45−3;昭和インク工業所製)をグラビアコ
ートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた
後、乾燥膜厚で1g/mの剥離層/PETの層構成
からなるフィルムを得た。
【0099】この剥離層上に、上記で作成した体積型ホ
ログラムを原版から剥離してラミネートし、PET/剥
離層/体積型ホログラム層/PETの構成を得、さらに
加熱、紫外線照射で処理した。
【0100】上記構成より体積型ホログラム層に接して
いるPETを剥離し、該体積型ホログラム層上に感熱性
接着剤(中央理化工業社製 アクアテックスEC−17
00)を、グラビアコートで乾燥後2g/mとなる
ように塗工し、PET/剥離層/体積型ホログラム層/
感熱接着剤層からなる、体積型ホログラム転写箔を得
た。
【0101】得られた転写箔の基材フィルム側から特定
の金型で130℃で加熱、加圧して塩化ビニルカードに
転写したところ、箔切れも良好に転写することができ
た。
【0102】実施例3 (ホログラム形成層が体積型ホログラム形成層の場合)
体積型ホログラム形成材料として、基本バインダーをガ
ラス転移点が100℃付近にあるポリメチルメタクリレ
ート系樹脂とした光硬化性樹脂組成物を用いた。
【0103】上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂
組成物を、下記の溶剤と混合して、コーティング組成物
とした。
【0104】 体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物 60重量部 メチルエチルケトン(MEK) 25重量部 トルエン 15重量部 上記体積型ホログラム形成用光硬化性樹脂組成物溶液
を、50μmのPETフィルム(デュポン社製 Myl
er200D)に乾燥後膜厚が3g/mとなるよう
にグラビアコートで塗工し、さらに塗工面に50μmの
PETフィルムをラミネートして、体積型ホログラム形
成用フィルムを作成した。また、この体積型ホログラム
形成用光硬化性樹脂組成物を用い下記の工程とは別に形
成した硬化後のフィルムの破断点伸度を測定したとこ
ろ、25℃では6%、120℃では13%であった。
【0105】上記体積型ホログラム形成用フィルムの一
方の側のPETフィルムを剥離し、予め用意された体積
型ホログラム原版に、コーティングされた光硬化性樹脂
組成物面をラミネートした。そこで、ホログラム形成用
フィルム側から、波長が514nmのアルゴンレーザー
光を入射して体積型ホログラムを得た。
【0106】25μmのPETフィルム(東レ社製 ル
ミラーT60)に20m/min.の速度で剥離層(ハ
クリニス45−3;昭和インク工業所製)をグラビアコ
ートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた
後、乾燥膜厚で1g/mの剥離層/PETの層構成
からなるフィルムを得た。
【0107】この剥離層上に、上記で作成した体積型ホ
ログラムを原版から剥離してラミネートし、PET/剥
離層/体積型ホログラム層/PETの構成を得、さらに
加熱、紫外線照射で処理した。
【0108】剥離性PET(東セロ製,SP−PET−
03−50BU)上に感熱性接着剤(東洋モートン製、
AD−1790−15)をグラビアコートで乾燥後3g
/m となるように塗工した。PET/剥離層/体積型
ホログラム層/PETから、体積型ホログラム層に接し
ているPETを剥離し、そこに感熱接着剤層を140℃
でラミネートして、PET/剥離層/体積型ホログラム
層/感熱接着剤層/剥離性PETからなる構成を得、さ
らに剥離性PETを剥離することによって、目的とする
体積ホログラム転写箔を得た。得られた転写箔の基材フ
ィルム側から特定の金型で130℃で加熱、加圧して塩
化ビニルカードに転写したところ、箔切れも良好に転写
することができた。
【0109】比較例1 表面レリーフ型ホログラム形成材料のうち、ポリエステ
ルアクリレートをウレタンアクリレート(日本合成化学
工業社製 紫光UV−3000B)とした以外は実施例
1と同様にして表面レリーフ型ホログラムの形成および
転写を行った。
【0110】破断点伸度測定用に調製した表面レリーフ
型ホログラム形成材料フィルムの光硬化後の破断点伸度
は、25℃において35%、120℃において18%で
あった。また、上記のホログラム形成材料を用いたホロ
グラムの転写工程では、転写時の箔切れが悪く、ばりが
発生して良好に被転写物に転写することができなかっ
た。
【0111】比較例2 体積型ホログラム形成材料にガラス転移点が40℃付近
である酢酸ビニル系樹脂を使用した以外は実施例2と同
様にしてホログラムの形成および転写を行った。
【0112】破断点伸度測定用に調製した体積型ホログ
ラム形成材料フィルムの光硬化後の破断点伸度は、25
℃において20%以上、また、120℃においては測定
装置にセットした時点で伸びてしまい、測定不可能であ
った。また、上記のホログラム形成材料を用いたホログ
ラムの転写工程では、転写時の箔切れが悪く、ばりが発
生して良好に被転写物に転写することができなかった。
【0113】実施例4 実施例2と同様の方法で体積型ホログラム転写箔を製造
した。但し、剥離層とホログラム層との間にバリア層を
形成し、各材料は、以下のものを使用した。
【0114】 剥離層:昭和インク(株)製(製品名UVC−5W) バリア層:ウレタンアクリレート ホログラム記録層:実施例1において用いた感光性材料 感熱性接着剤:東洋モートン社製感熱接着剤(製品名A
D1790−15) 上記ホログラム記録層に514.5nmアルゴンレーザ
ーによってホログラムを記録し、各層を熱ラミネートし
たところ、ホログラムのピーク波長は512〜515n
mであった。
【0115】一方、バリア層を形成しなかったものにつ
いても同様の試験を行ったところ、熱ラミネート後のホ
ログラムのピーク波長は495〜500nmであった。
【0116】実施例5 実施例3で得られたホログラム転写箔に対して、剥離層
上に電子線硬化型樹脂として、ウレタンアクリレート樹
脂(分子量800:製品名CN−975、サートマー社
製)を用い、グラビア印刷により10m/分で塗工し、
その後5Mradの電子線照射により硬化膜厚1μmの
バリア層を形成した以外については実施例3と同様の体
積ホログラム転写箔を得た。
【0117】その結果、得られたホログラム画像の経時
的な色の変化は見られず、安定なホログラム画像が得ら
れる転写箔を得ることができた。
【0118】
【発明の効果】以上の本発明によれば、ホログラム形成
材料のホログラム転写時の箔切れが容易且つ良好であ
り、表面レリーフ型ホログラムおよび体積型ホログラム
を被転写物へ容易に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム転写箔の基本形態を示す概略断面図
である。
【図2】剥離層を設けたホログラム転写箔の概略断面図
である。
【図3】反射層を設けた表面レリーフ型ホログラム転写
箔の概略断面図である。
【図4】本発明のホログラム転写箔を使用する転写例を
説明する図である。
【図5】実施例1における硬化ホログラム形成層のS−
S曲線である。
【符号の説明】
1 ホログラム転写箔 2 基材フィルム 3 転写層 4 ホログラム形成層 5 接着剤層 6 剥離層 7 反射層 8 被転写物 9 加圧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 滝 浩 幸 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 植 田 健 治 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 利 根 哲 也 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムと、 前記基材フィルム上に形成されたホログラム形成層と、 前記ホログラム形成層上に形成された感熱性接着剤層と
    を含んでなるホログラム転写箔において、 前記ホログラム形成層は、その25℃における破断点伸
    度が0.5〜15%、および120℃における破断点伸
    度が0.5〜30%であることを特徴とする、ホログラ
    ム転写箔。
  2. 【請求項2】基材フィルムとホログラム形成層の間に剥
    離層が設けられてなる、請求項1に記載のホログラム転
    写箔。
  3. 【請求項3】ホログラム形成層が、表面レリーフ型ホロ
    グラム形成層である、請求項1または2に記載のホログ
    ラム転写箔。
  4. 【請求項4】ホログラム形成層が、体積型ホログラム形
    成層である、請求項1または2に記載のホログラム転写
    箔。
  5. 【請求項5】ホログラム形成層を有するフィルムおよび
    感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立の工程
    によって別々に用意し、後の工程において用途に応じて
    これらを組み合わせて積層することによって、請求項1
    に記載のホログラム転写箔を得ることを特徴とする、ホ
    ログラム転写箔の製造方法。
  6. 【請求項6】ホログラム形成層を有する第1フィルム、
    感熱性接着剤層を有する第2フィルム、および剥離層を
    有する第3フィルムをそれぞれ独立の工程によって別々
    に用意し、 前記第1フィルムのホログラム形成層にホログラム画像
    を形成したのち、第2フィルムおよび第3フィルムを積
    層する工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記第1ないし第3フィルムの積層がドラ
    イプロセスによって行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】ホログラム形成層と剥離層を有するフィル
    ムと、感熱性接着剤層を有するフィルムをそれぞれ独立
    の工程によって用意する、請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】ホログラム形成層と感熱性接着剤層とを有
    するフィルムと、剥離層を有するフィルムをそれぞれ独
    立の工程によって用意する、請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】ホログラム形成層が体積型ホログラムで
    ある、請求項5に記載の方法。
  11. 【請求項11】ホログラム形成層がレリーフホログラム
    である、請求項5に記載の方法。
  12. 【請求項12】第1フィルムのホログラム形成層に体積
    型ホログラムを記録したのち、第3フィルムを積層し、
    現像処理し、次いでこれに第2フィルムを積層する、請
    求項6に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記ホログラム形成層の屈折率と前記剥
    離層の屈折率との差が、0.01以下である、請求項6
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】第1ないし第3フィルムの各フィルムの
    層間接着力を制御する、請求項6に記載の方法。
  15. 【請求項15】請求項1に記載のホログラム転写箔を用
    いてホログラム層がその表面に形成されてなることを特
    徴とする、物品。
  16. 【請求項16】前記物品が、プラスチックカード、携帯
    電話、金券、日用品またはCD−ROMのパッケージで
    ある、請求項15に記載の物品。
  17. 【請求項17】前記ホログラム層と剥離層との間にバリ
    ア層が形成されてなる、請求項2に記載のホログラム転
    写箔。
  18. 【請求項18】前記バリア層が、電離放射線硬化型樹脂
    からなる、請求項17に記載のホログラム転写箔。
  19. 【請求項19】前記ホログラム層と感熱接着剤層との間
    にバリア層が形成されてなる、請求項2に記載のホログ
    ラム転写箔。
  20. 【請求項20】前記バリア層が、電離放射線硬化型樹脂
    からなる、請求項19に記載のホログラム転写箔。
  21. 【請求項21】前記剥離層とホログラム層、およびホロ
    グラム層と感熱接着剤層との間にバリア層が形成されて
    なる、請求項2に記載のホログラム転写箔。
  22. 【請求項22】前記バリア層が、電離放射線硬化型樹脂
    からなる、請求項21に記載のホログラム転写箔。
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