JP4565484B2 - 体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents
体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、身分証明書、受験票、パスポート等に添付されている写真や情報欄の表面に、セキュリティー確保を目的として貼着される透明なホログラム画像入りホログラム積層体又はホログラム積層体作製用ラベルに関し、特に変造等を目的とした故意の貼替えを防止できるホログラム積層体又はホログラム積層体作製用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、身分証明書を持参する者と身分証明書に記載されている者との一致を図るために、変造等を目的とした故意の貼替えを防止することを目的として、写真表面にホログラムを貼着することにより、その偽造を防止する技術が、実公平5−48215号公報、特開平5−201181号公報、特開平10−153944号公報等に開示されている。
【0003】
これらの公報に記載される技術にあっては、画像入りホログラムが、その画像が従来の身分証明書等における刻印等と同等の機能を有することを利用するものであり、特開平5−201181号公報にあっては、変造等を目的として保護フイルムの剥離する際に表面レリーフ型ホログラム層を破壊し、再接着してもホログラム画像を再生不能とし、これにより写真の貼り替え等の偽造を防止しようとするものである。表面レリーフ型ホログラム層はその凹凸面に対する影響を避けるために、硬化した状態で積層される必要があり、それ自体タック性を有しないものとされて積層されている。
【0004】
一方、体積ホログラムは、干渉縞を感光材料の厚み方向に3次元的に記録したものであるが、ここ最近の感光性樹脂の発達や周辺技術の発達等により大量生産が可能になってきている。しかしながら、体積ホログラムにあっては、記録された状態でもタック性、柔軟性を有しており、ラベル等に組み込まれる際にはそのタック性を利用して積層されているので、変造等を目的として保護フイルムを剥離する際にはきれいに剥離され、偽造を可能とするという問題がある。そのため、体積ホログラムの貼り替えによる偽造を防止する技術が提案されて来た。
【0005】
例えば、特開平10−153944号公報には、体積ホログラムを利用した偽造防止技術として、被着体とホログラム層との剥離強度をホログラム層と表面保護層との積層体における破断強度または1%伸びの引っ張り強度より大として、被着体からホログラム層を剥離しようとするとホログラム層内での凝集破壊やホログラム記録の変色が生じ、再使用を不能とすることを開示する。しかしながら、体積ホログラムの材質は軟質のため、表面保護層としても同様の物性とする必要があり、例えば、ラベルの状態やホログラム積層体とした際の体積ホログラム層に対する表面保護性が不充分である。
【0006】
また、特開平10−86565号公報には、被着体/体積ホログラム層/透明保護シートの積層構成において、各層が粘着剤層を介して積層されたホログラム積層体において、接着層内に接着力の分布を設け、剥がそうとするとホログラムが破壊されることにより、貼り替え防止を行なう技術が記載されている。しかしながら、接着力の分布を発生させるために、粘着剤そのものを2種類用いるものであり、加工が複雑になるだけではなく、タイプの異なる接着剤を使用するときは、屈折率の違いによりそのような加工を施してあることが外観から分かってしまう問題があった。
【0007】
また、特開平10−133552号公報には、保護フィルムと体積ホログラム層との間の粘着性を被着体と体積ホログラム層との間の粘着性よりも弱く設定することにより、体積ホログラム層を剥離する方向とは直角方向に「剥離線」を発生させることにより偽造防止を可能とすることが記載されている。しかしながら、剥離の際の引っ張る方向や力の大きさ等により剥離線の発生の状態が異なり、その剥離パターンは明確でなく、偽造されたか否かが不明瞭となるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、体積ホログラムに対する保護性に優れると共に、体積ホログラムを剥離しようとすると体積ホログラムを確実に破壊することができ、偽造防止を確実とする体積ホログラム積層体、および該体積ホログラム積層体を効率よく作成できる体積ホログラム積層体作製用ラベルの提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の体積ホログラム積層体は、被着体上に粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護フィルムが順次積層されてなり、該体積ホログラム層は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなり、ホログラム記録された段階での破断強度が0.01kgf/mm 2 〜5kgf/mm 2 、破断伸度は0.01%〜30%であって、かつ、該体積ホログラム層における破断強度を前記表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度より大きく、かつ、被着体から該体積ホログラム層を剥離する際の剥離強度および表面保護フィルムの破断強度より小さくしたことを特徴とする。
【0010】
上記の表面保護フィルムは体積ホログラム層上から剥離可能であると共に、体積ホログラム層は被着体上から剥離不能であり、剥離しようとすると凝集破壊するものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の体積ホログラム積層体は、被着体上に粘着剤層、体積ホログラム層、該体積ホログラム層に対して易接着性とした表面保護フィルムが順次積層されてなり、該体積ホログラム層は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなり、ホログラム記録された段階での破断強度が0.01kgf/mm 2 〜5kgf/mm 2 、破断伸度は0.01%〜30%であって、かつ、該体積ホログラム層における破断強度を、前記表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度より小さくし、かつ、該表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度を、被着体から体積ホログラム層を剥離する際の剥離強度および表面保護フィルムの破断強度より小さくしたことを特徴とする。
【0012】
上記の第2の体積ホログラム積層体において、その表面保護フイルムが体積ホログラム層に粘着剤層を介して積層されたことを特徴とする。
【0013】
上記の第2の体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層における一方の面、または両面に、体積ホログラム層と該体積ホログラム層が積層される層との間の接着強度を部分的に異ならせる層がパターン状に設けられ、表面保護フイルムと共に体積ホログラム層を剥離する際に、体積ホログラム層が接着強度を部分的に異ならせる層に対応した体積ホログラム層部分と該体積ホログラム層以外の体積ホログラム層部分とにパターン状に破断されることを特徴とする。
【0014】
上記の第2の体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層は表面保護フイルムと共に被着体上から剥離不能であり、体積ホログラム層は剥離しようとすると凝集破壊するものであることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の体積ホログラム積層体において、被着体上に粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護用塗布膜、該表面保護用塗布膜に対して剥離可能な基材が順次積層されてなり、該体積ホログラム層は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなり、ホログラム記録された段階での破断強度が0.01kgf/mm 2 〜5kgf/mm 2 、破断伸度は0.01%〜30%であって、かつ、該基材が剥離された後の体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体における破断強度を、被着体から体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体を剥離する際の剥離強度より小さくしたことを特徴とする。
【0016】
上記の第3の体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層における一方の面に、体積ホログラム層と該体積ホログラム層が積層される層との間の接着強度を部分的に異ならせる層がパターン状に設けられ、基材が剥離された後、体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層フイルムを剥離する際に、接着強度を部分的に異ならせる層に対応した体積ホログラム層部分と該体積ホログラム層以外の体積ホログラム層部分とにパターン状に破断されることを特徴とする。
【0017】
上記の第3の体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層は表面保護用塗布膜と共に被着体上から剥離不能であり、体積ホログラム層は剥離しようとすると破断するものであることを特徴とする。
【0018】
上記の両層間の接着強度を部分的に異ならせる層が、粘着剤樹脂バインダー100重量部に対して離型剤1重量部〜20重量部からなるものであることを特徴とする。
【0019】
上記の粘着剤層が、粘着剤層/着色層/粘着剤層の積層構成からなり、該着色層が着色粘着剤層、印刷層、光反射層、着色樹脂フイルムから選ばれたものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、上記のそれぞれの体積ホログラム積層体における被着体に代えて、粘着剤層上に剥離シートが積層されたものであることを特徴とする。
【0022】
本発明の体積ホログラム積層体は、体積ホログラムに対する保護性に優れると共に、体積ホログラムを剥離しようとすると体積ホログラムを確実に破壊することができ、偽造防止を確実とするものであり、また、体積ホログラム積層体作製用ラベルは、体積ホログラム積層体の作製を容易になしうるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1(a)は本発明の第1〜第4の体積ホログラム積層体の正面図を示し、(b)は、(a)のA−A線での断面図である。
【0024】
図2(a)は本発明の第1の体積ホログラム積層体におけるホログラムシール部分での断面図であり、同図(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【0025】
図3(a)は本発明の第2の体積ホログラム積層体におけるホログラムシール部分での断面図であり、(b)はその剥離状態を説明するための図である。 図4(a)は本発明の第2の体積ホログラム積層体において、両層間の接着強度を部分的に異ならせる層10を設けた場合のホログラムシール部分での断面図であり、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【0026】
図5(a)は本発明の第3の体積ホログラム積層体におけるホログラムシール部分での断面図であり、(b)はその剥離状態を説明するための図である。 図6(a)は本発明の第3の体積ホログラム積層体において、両層間の接着強度を部分的に異ならせる層10を設けた場合のホログラムシール部分での断面図であり、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【0027】
図1〜図6において、1は受験票等の身分証明書、2は被着体、3は写真、4はホログラムシール、5は粘着剤層または第1粘着剤層、6は体積ホログラム層、7は表面保護フイルム、8は表面保護用塗布膜、9は第2粘着剤層、10は両層間の接着強度を部分的に異ならせる層、11は保護基材である。
【0028】
本発明における第1〜第3の体積ホログラム積層体について、図1により、被着体2を受験票とする場合について説明する。図1(a)(b)に示すように受験票においては、氏名や受験番号等の個人情報が記入され、また、写真3が貼着されている。情報欄は、その証明書を持参する人物に関する証明事項等の記載欄であり、写真同様、シール形状で貼着される場合がある。これらの顔写真3や情報欄上には、ホログラムシール4が積層されている。この体積ホログラム層には、例えば学校名や校章といった体積ホログラム画像が、ホログラム干渉パターンに対応した干渉縞で記録されている。
【0029】
被着体2としては、紙、合成紙、合成樹脂や金属からなるフイルムやシートであることができ、図1に示すような受験票の如きシート状、またIDカードのようなカード形状、また、パスポートのような小冊子等さまざまな形態をとることができる。また、写真を被着体上に貼着する糊は、写真を剥離しえない接着強度を有するものであり、一般的な澱粉のり、合成のりである。
【0030】
被着体の一部をなす写真は、銀塩を代表とする公知の写真材料、昇華転写画像等であり、必ずしも顔を写した画像である必要はなく、指紋、掌紋等の個人を特定できる部分を表示する画像であってもよい。また、情報欄としては、その証明書がスポーツ大会等の証明書である場合には、数字、文字等が印刷やサーマルヘッドやインクジェットによる単色、またはカラー表示により表示され、会場名、選手か否か、所属等の資格表示、更に主催者による追記事項等を表示しうるものである。
【0031】
以下、本発明の第1の体積ホログラム積層体について説明する。第1の体積ホログラム積層体は、図2(a)に示すように、被着体2上に粘着剤層5、体積ホログラム層6、表面保護フィルム7の順次積層体である。
【0032】
本発明の第1の体積ホログラム積層体にあっては、ホログラム層における破断強度を前記表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度より大きく、かつ、被着体から該ホログラム層を剥離する際の剥離強度および表面保護フィルムの破断強度より小さく設定される。
【0033】
体積ホログラム層6は、物体光と参照光との干渉光を干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に体積ホログラムを記録したもので、干渉縞の3次元構造がそのまま記録されたものである。この体積ホログラムを形成するには、体積ホログラム形成用材料層に、直接、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、工業的には、後者の方法による。
【0034】
一般に、ホログラム形成用材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が挙げられるが、本発明の体積ホログラムにあっては、生産の効率上、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料を使用するのが好ましい。
【0035】
バインダー樹脂であるマトリックス・ポリマーとしては、ポリメタクリルエステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、又はポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるホリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0036】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが好ましい。
【0037】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、およびそれらの混合物が一例として挙げられ、例えば、不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0038】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0039】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどがある。
【0040】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシー2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビスー〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0041】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエタスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
【0042】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等がある。
【0043】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
【0044】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリスリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエート等がある。
【0045】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート(商品名;NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名;NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルメタクリレート(商品名;NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0046】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミト、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0047】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、
一般式 CH2 =C(R)COOCH2 (R’)OH
(式中R,R’は水素あるいはメチル基を表す)で示される水酸基を有するビニルモノマーを付加させた一分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0048】
また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ基と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。さらに、日本接着協会誌Vo1.20,No.7,300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして、紹介されているものも使用することができる。
【0049】
その他、リンを含むモノマーとしては、モノ(アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名;リポキシVR−60(昭和高分子(株)製)、商品名(リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0050】
また、商品名;NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名;NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0051】
更に、下記の構造を有するトリアクリレート類
【0052】
【化1】
【0053】
(商品名;アロニックスM−315、東亜合成化学工業(株)製)、
下記の構造を有するトリアクリレート類
【0054】
【化2】
【0055】
(商品名;アロニックスM−325、東亜合成化学工業(株)製)、
また、2,2’−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフェニルプロパン(商品名;NKエステルA−BPE−4)、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名;NKエステルA−TMMT)等が挙げられる。
【0056】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’、4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。
【0057】
光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点からホログラム記録後に分解処理されるものが好ましい。例えば、有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより、容易に分解されるので好ましい。
【0058】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素があってもい。
【0059】
マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる、体積ホログラム形成用材料の配合比は次のとおりである。光重合可能な化合物はバインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。光重合開始剤はバインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。増感色素はバインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。体積ホログラム形成用材料の他成分としては、例えば、可塑剤、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0060】
体積ホログラム形成用材料は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固形分15%〜25%程度の塗布液とされる。
【0061】
また、ホログラム記録材料として、バインダー樹脂、ラジカル性光重合開始剤、カチオン性光重合開始剤、増感色素、ラジカル重合性モノマーやオリゴマー、カチオン重合性モノマーやオリゴマーからなる光重合性組成物を使用することもできる。
【0062】
体積ホログラム形成材料層は、支持フィルムが枚葉(1枚毎のシート)の状態であれば、バーコート、スピンコート、又はディッピング等により塗布形成される。また、支持フィルムがロール状の長尺の状態で塗布するのであれば、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、又はコンマコート等により塗布を行なうとよい。体積ホログラム形成層は、塗布液に合わせた乾燥ないし硬化の手段を用いて固化させる。このようにして得られる体積ホログラム形成材料層の厚みは、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。
【0063】
体積ホログラム形成材料層は、2光束のレーザー光、例えばアルゴンイオンレーザー(波長514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(波長647nm)等を使用して干渉縞を記録するか、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、保護フィルムを剥がしてから、体積ホログラム形成用材料層に体積ホログラムの原版を密着し、体積ホログラム形成材料層側からアルゴンレーザー(波長514.5nm)を入射し、原版からの反射光と入射した光の干渉縞を記録して体積ホログラムの情報を与える。
【0064】
その後、加熱処理、例えば、100℃で10分の加熱により、光重合可能な化合物を拡散移動させる工程、また、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から、0.1〜10,000mJ/cm2、好ましくは、10〜5,000mJ/cm2 の紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程により安定な体積ホログラム層とする。
【0065】
本発明における体積ホログラム層は、ホログラム記録され、紫外線照射および加熱処理された状態で、そのガラス転移温度が50℃以上、好ましくは80℃以上、更に好ましくは100℃以上であるとよい。なお、上限は特に限定はない。
これにより、転写に際して、ホログラム記録に影響を与えないものとできる。
【0066】
また、上記の状態での破断強度が0.01kgf/mm2 〜5kgf/mm2 、好ましくは0.03kgf/mm2 〜3kgf/mm2 、また、破断伸度は、0.01%〜30%、好ましくは0.1%〜10%でり、脆質なものであるので、体積ホログラム層を剥離しようとすると、体積ホログラム層自体が破断することを可能とする。ちなみに、同様の体積ホログラ記録材料である「オムニデックス800X」(デュポン社)は、同様に処理した後のガラス転移温度は50℃以下であり、また、破断強度は2.30kgf/mm2 であるが、破断伸度は138%であり、脆質性を有しない。
【0067】
体積ホログラム層のガラス転移温度は、下記の測定条件による。
測定装置: 固体粘弾性アナライザー RSA−II(レオメトリックス製)
測定モード: フイルム引っ張り
測定周波数: 6.28rad/s
(1) サンプルをフイルム引っ張り試験用治具にセットする。
(2) 任意の温度領域で、周波数6.28rad/sでの温度依存性を測定し、tanδのピーク温度を求め、ガラス転移温度とする。
【0068】
また、体積ホログラム層の破断強度と破断伸度は、JIS K7127−1989に従う今田製作所製「SV−201−E」引張圧縮試験機により下記の条件で測定されるものである。
測定雰囲気 : 25℃、RH50%
試験片 : 25mm巾
引張速度 : 200mm/min.
本発明における表面保護フィルムの破断強度は、同様にして測定されるが、MD(フィルムの長さ方向)、TD(フィルムの巾方向)のいずれの方向においても10kgf/mm2 以上、好ましくは15kgf/mm2 以上のものである。
【0069】
また、表面保護フィルムと体積ホログラム層との間、また、被着体とホログラム層との間の剥離強度(kgf/25mm)は、JIS Z0237に従う180°剥離試験(今田製作所製「SV−201−E」引張圧縮試験機)により下記の条件で測定されるものである。
測定雰囲気 : 25℃、RH50%
試験片 : 25mm巾
貼合 : 2kgのゴムローラー1往復で圧着
貼合時間 : 貼り合わせ60分後
剥離角 : 180°
剥離速度 : 250mm/min.
第1の体積ホログラム積層体にあっては、上記の条件のうち、体積ホログラム層における破断強度(β)を表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度(α)より大きく設定する。
【0070】
表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度(α)は0.005kgf/25mm〜0.05kgf/25mmの程度とするとよいが、この剥離強度は、例えば表面保護フィルム上に体積ホログラム形成材料を塗布形成した後、ホログラム記録を行なうことにより得られる。また、同時に、体積ホログラム層における破断強度(β)をホログラム層を被着体から剥離する際の剥離強度(γ)及び表面保護フィルムの破断強度(δ)より小さく設定する。ホログラム層を被着体から剥離する際の剥離強度(γ)は1kgf/25mm〜10kgf/25mm程度とするとよいが、この剥離強度は体積ホログラム層を粘着剤層を介して被着体に積層することにより得られる。
【0071】
上記の破断強度、剥離強度の関係をまとめると、α<β<<γ・δで示される。(なお、「<<」は大小関係がより大きいことを意味し、また、γとδとの大小は問わない。以下、同様)
本発明の第1の体積ホログラム積層体は、図2(b)に剥離状態を図示するように、被着体2からホログラムシール4を剥離しようとすると、表面保護フィルム7は体積ホログラム層6を破壊することなく剥離するが、被着体2から体積ホログラム層6を剥離しようとすると、体積ホログラム層の破断強度よりホログラム層を被着体から剥離する際の剥離強度が大であるため、体積ホログラム層6が凝集破壊され、その再使用を不可能とできる。
【0072】
なお、破断強度と剥離強度は、直接に数値での比較はできないが、体積ホログラム層、表面保護フイルム、粘着剤層の各材質に対応したそれぞれの破断強度や層間の剥離強度を求めておき、上記の如き剥離状況を可能とする場合に対応させて、その大小関係を実験的に決定するとよい。このように規定する点は、本発明における他の体積ホログラム積層体においても同様である。
【0073】
表面保護フイルム7は、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリイミドフイルム等が例示され、保護フイルムの膜厚としては2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。表面保護フイルムは、必要に応じて、その外表面にハードコート処理が施されていてもよい。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタンーアクリレート系(紫外線硬化型)等をディッピング法、スプレー法、ロールコート法等により、膜厚1μm〜50μmになるよう塗布するとよい。
【0074】
また、後述する第2の体積ホログラム積層体にあっては、表面保護フイルム7のハードコート処理面には、偽造に際して例えば他のフイルムを貼着して剥離されるのを防止するために離型処理が施されるとよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング法、スプレー法、ロールコート法等により塗布するとよい。
【0075】
本発明における粘着剤層は、例えばアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系粘着剤が例示される。これらの粘着剤層の厚みとしては、4μm〜30μmが好ましい。
【0076】
ホログラム層6と被着体2とを接着させる粘着剤層5は、図示しないが、着色層をその層中に含有させるとよい。これにより、体積ホログラムの背景色とでき、コントラストに優れるホログラム像とできる。粘着剤層5中に着色層を含有させることができる点は、後述する本発明の他の体積ホログラム積層体にあっても、同様である。なお、粘着剤層を着色することも考えられるが、着色剤が体積ホログラム層へ移行し、ホログラム記録に影響を与えるので好ましくない。
【0077】
着色層を粘着剤層中に含有させるには、粘着剤層/着色層/粘着剤層の積層構成とするとよく、着色層としては、着色粘着剤層、印刷層、光反射層、着色樹脂フイルム等が例示される。
【0078】
着色粘着剤層としては、透明粘着剤中に着色剤として顔料、染料の単独、または混合物を含有させたものである。顔料としては、カーボンブラック、銅−鉄−マンガン、アニリンブラック等の黒色顔料、また、Cr,Ti,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Au,Ge,A1,Mg,Sb,Pb,Pd,Cd,Bi,Sn,Se,In,Ga,Rb等の金属粉及びその酸化物、窒化物等の粉末を単独若しくは2種類以上組み合わせたもの、また、ナフトールレッドF5RK、フタロシアニンブルー等の着色顔料、赤外線反射顔料を単独または混合して用いられる。顔料として、着色した赤外線反射顔料を使用すると、ホログラム記録層のバック層を可視光とは相違した状態に変化させることができる。顔料は、その平均粒子径が10μm以下、好ましくは1μm以下とするとよい。また、染料としては、アシッドブラック、クロムブラック、リアテクティブブラック等の黒色染料、また、ディスパースレッド、カチオンブルー、カチオンイエロー等の染料が例示され、単独または混合して用いられる。
【0079】
顔料または染料は、粘着剤層中に1重量%〜40重量%、好ましくは10重量%〜30重量%含有させるとよく、着色された粘着剤層の膜厚は1μm〜100μm、好ましくは5〜30μmに塗布形成されるとよい。着色された粘着剤層は、O.D.値が1.5以上、好ましくは1.9以上であり、また、ホログラム層の回折波長の光を50%以上、好ましくは80%以上吸収するものとするとよい。これにより、コントラストに優れるホログラム画像とできる。
【0080】
印刷層としては、印刷インキを使用したベタおよび/または文字パターンからなる印刷層であり、それ自体で粘着剤層上に転写形成できるものである。
【0081】
光反射層としては、金属薄膜を用いることができ、粘着剤層上に設けるとよい。金属薄膜としては、例えば、Cr,Ti,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Au,Ge,A1,Mg,Sb,Pb,Pd,Cd,Bi,Sn,Se,In,Ga,Rb等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは2種類以上組み合わせて形成される薄膜である。上記金属薄膜の中でもA1,Cr,Ni,Ag,Au等が特に好ましく、その膜厚は1〜10000nm、望ましくは20〜200nmである。
【0082】
また、着色樹脂フイルムとしては、透明プラスチックフイルムに着色剤を含有した着色樹脂フィルム、また、透明プラスチックフイルム上に着色層を設けたものが例示される。
【0083】
第1の体積ホログラム積層体を作製するには、第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルを使用して作製される。第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、図2(a)に示す第1の体積ホログラム積層体において、その被着体2に代えて、剥離シートを積層したものである。
【0084】
剥離シートとしては、表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤により離型処理したポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリイミドフイルム、剥離紙等が例示され、膜厚は2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。剥離シートは、透明、または、カーボンブラック等の隠蔽性顔料を練り込んだ不透明フィルムであってもよく、枚葉状、ロール状とされる。本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、剥離シートを剥離した後、その粘着剤層側から被着体上に積層され、本発明の第1の体積ホログラム積層体とされる。
【0085】
第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルの作製方法の一例を示す。
(1) 表面保護フィルム/ホログラム形成用材料層/離型性シートの第1積層体
(2) 離型性シート/粘着剤層/剥離性シートの第2積層体
を別々に作製しておく。
【0086】
まず、第1積層体のホログラム記録媒体にホログラム記録−加熱処理を行なった後、離型性シートを剥離し、露出したホログラム層面に第2積層体をその離型性シートを剥離して積層し、表面保護フィルム/ホログラム層/粘着剤層/剥離性シートからなる積層体を作製する。次いで、得られた積層体に高圧水銀灯を使用して紫外線照射し、体積ホログラム層を定着処理する。また、高圧水銀灯を使用して体積ホログラム層を定着処理する操作は、ホログラム記録媒体にホログラム記録−加熱処理を行なった後に引き続いて実施してもよい。
【0087】
次に、本発明の第2の体積ホログラム積層体は、図3(a)に示すように、第1の体積ホログラム積層体において、その表面保護フィルム7が体積ホログラム層6に対して易接着性、すなわち接着性の高いものとされる。第2の体積ホログラム積層体の層構成は、表面保護フィルム7と体積ホログラム層6との間の剥離強度を除けば、第1の体積ホログラム積層体と同じである。
【0088】
表面保護フィルムを体積ホログラム層に対して易接着性とするには、
(1) 表面保護フィルムの体積ホログラム層積層側表面をコロナ処理、火炎処理等により表面処理した後、ホログラム形成材料を塗布し体積ホログラム層とする方法、
(2) 表面保護フィルムをウレタンアクリル共重合体、ポリエステル樹脂等のアンカー剤を使用してアンカーコート処理した後、そのアンカー処理面にホログラム形成材料を塗布し体積ホログラム層とする方法、
(3) 表面保護フィルムと体積ホログラム層間に第1の体積ホログラム積層体の項で説明した粘着剤を使用し粘着剤層を設ける方法のいずれかを採用するとよい。
【0089】
第2の体積ホログラム積層体にあっては、表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度(α)をホログラム層における破断強度(β)より大きくすると同時に表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度(α)を、被着体と体積ホログラム層との間の剥離強度(γ)と表面保護フィルムの破断強度(δ)より小さくする。すなわち、上記の破断強度、剥離強度の関係をまとめると、β<α<<γ・δで示される。
【0090】
表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度(α)は、0.3kgf/25mm〜5kgf/25mmの程度とするとよく、また、β、γ、δは第1の体積ホログラム積層体と同様である。
【0091】
体積ホログラム層6の剥離に際しては、図3(b)に示すように、ホログラム層6を表面保護フィルム7と共に剥離しようとしても、被着体2との剥離強度がより大きいため、体積ホログラム層6の層内で凝集破壊が生じ、その再使用を不可能とできる。
【0092】
また、図4(a)に示すように、表面保護フイルム7が体積ホログラム層6上に第2粘着剤層9を介して積層される場合には、体積ホログラム層6と第2粘着剤層9との間、また、図示しないが体積ホログラム層6と第1粘着剤層5との間、またはその両方に両層間の接着強度を部分的に異ならせる層(以下、パターンともいう)10をパターン状に設けるとよい。
【0093】
パターン10が、第1粘着剤層5とホログラム層6との間のみに設けられる場合には、第2粘着剤層9は上述の粘着剤以外に、ヒートシール剤である、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂を使用してもよい。あるいは、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト性樹脂等を使用して形成してもよい。
【0094】
第1粘着剤層5、及び第2粘着剤層9は、上記したような材料を使用し、膜厚4μm〜30μmになるよう公知の方法で形成するとよい。
【0095】
被着体2とホログラム層6との間の接着強度(γ)は、ホログラム層6と表面保護フイルム7との問の接着強度(α)よりも大きく、好ましくは0.1kgf/25mm以上大きく設定するとよい。そのためには、使用する粘着剤の種類を変えて接着力の異なる粘着剤をそれぞれに使用するか、接着強度の異なる粘着剤を混合して使用し、その際の混合比の異なる2種の混合接着剤を使用して、適当な接着強度差が生じるようにするとよい。また、主成分となる粘着剤は共通としておき、イソシアネート系架橋剤のような架橋剤、タッキファイヤー樹脂の添加量を変えることにより接着強度の大小を付ける等のいずれの方法によってもよい。
【0096】
パターン10としては、接着強度を弱める層または接着強度を強める層がある。接着強度を弱める層としては、粘着剤層を形成する粘着剤に離型剤を添加した塗布材料を使用して形成されるとよい。粘着剤の種類を相違すると、屈折率の違いにより、そのような離型パターン加工を施してあることが外観から分かってしまう可能性がある。離型剤としては、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸系離型剤、ワックス系離型剤等が例示され、粘着剤100重量部に対して1重量部〜20重量部の添加割合とするとよい。離型剤が20重量部より多いと、粘着剤層との接着性の低下や、粘着剤層との屈折率の相違が生じ、そのような加工を施してあることがわかるので好ましくない。両層間の接着強度を弱める層10は、粘着剤層表面に乾燥膜厚1μm〜3μmになるように、グラビア印刷、シルク印刷、パッド印刷等によりパターン状に塗布形成するとよい。
【0097】
なお、第1粘着剤層および/または第2粘着剤層における粘着剤が紫外線や電子線等の電離放射線の照射によりホログラム層との接着性を相違させることができるものである場合には電離放射線をパターン状に照射し、架橋を部分的に行なわせる方法によりパターン10を形成してもよい。
【0098】
粘着剤層及び接着強度を弱める層は、セパレーターと称する、表面が剥離性のシートの剥離性面にまず粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、その表面にパターン状に接着強度を弱める層を転写等により積層し、さらに、そのパターン層側からホログラム層面に圧着されるとよい。セパレーターに粘着剤を塗布してすぐに適用する場合には、セパレーターは1枚でよいが、2枚のセパレーターの間に粘着剤層を挟んだものを作り、まず、一方のセパレーターを剥がして接着させ、その後、他方のセパレーターを剥がして接着させる「両面テープ」を使用するような方法もあり、適宜に使い分けるとよい。
【0099】
第2粘着剤層9とホログラム層6との間に、両層間の接着強度を弱める層をパターン状に設けておくことにより、図4(b)に示すように、体積ホログラム層を剥離しようとするとパターン10と接するホログラム層6は破断されないが、それ以外の部位のホログラム層6は第1粘着剤層と第2粘着剤層との間で凝集破壊される。すなわち、ホログラム層6はパターン10に応じて破断され、再使用を不可能とできる。
【0100】
また、パターン10として、接着強度を部分的に強める層としてもよい。この場合には、体積ホログラム層の剥離パターンは接着強度を部分的に弱める層とは逆パターンとなる。接着強度を強める層としては、上述した粘着剤層より接着強度の高いアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン共重合樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤を用いてパターン10を形成するか、また、粘着剤にイソシアネート系架橋剤のような架橋剤、タッキファイヤー樹脂の添加剤を添加したものを用いてパターン10を形成するとよい。
【0101】
接着強度を部分的に強める層は、接着強度を部分的に弱める層と同様、インキ化し、粘着剤層上にグラビア印刷、シルク印刷、パッド印刷等により0.1〜5.0μm、好ましくは0.5〜3μmの厚みにパターン状に印刷するとよい。厚みをこれ以上大きくすると、パターン10の層内で凝集破壊が生じたり、粘着剤層との屈折率の相違が生じ、そのような加工を施してあることがわかるので好ましくない。また、パターン10を複数箇所に設ける場合には、接着強度を弱める層と接着強度を強める層とを組み合わせて使用してもよい。
【0102】
パターン10は、粘着剤層におけるホログラム積層面に、点状、縞状、格子状、記号状、その他の模様状、あるいは文宇状に設けるとよい。文宇状に設ける場合には「使用済」、「無効」、「開封済」などの剥がした事が分かるような文言形状を塗布形成するとよく、その場合には、より偽造防止効果に優れるものとできる。
【0103】
第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルの作製方法を説明する。
(1) 積層面を易接着性とした表面保護フィルム/ホログラム形成用材料層/離型性シートの第1積層体、
(2) 離型性シート/粘着剤層/剥離性シートの第2積層体を別々に作製する。
【0104】
まず、第1積層体のホログラム記録媒体にホログラム記録−加熱処理を行なった後、離型性シートを剥離し、露出したホログラム層面に第2積層体をその離型性シートを剥離して室温で積層し、積層面を易接着性とした表面保護フィルム/ホログラム層/粘着剤層/剥離性シートの積層体とする。そして、高圧水銀灯で定着処理することにより、本発明の第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルを作製する。高圧水銀灯を使用して体積ホログラム層を定着処理する操作は、ホログラム記録媒体にホログラム記録−加熱処理を行なった後に引き続いて実施してもよい。第2の体積ホログラム積層体は、得られたラベルにおける剥離性シートを剥離してその剥離面から被着体に貼着することにより作製される。
【0105】
本発明の第3の体積ホログラム積層体は、図5(a)に示すように、第1の体積ホログラム積層体における表面保護フィルムを表面保護用塗布膜8とし、その表面保護用塗布膜に対して剥離可能な基材11が積層されるものである。それ以外の積層構成は第1の体積ホログラム積層体と同様である。
【0106】
基材11は、第3の体積ホログラム積層体の未使用時にあっては、体積ホログラム層に対して耐傷性、耐光性、耐候性等の表面保護能を有するとともに、使用時にあっては剥離されて使用されるものである。基材11における表面保護用塗布膜積層面には、離型処理等を行なってもよいが、基材11はラベルにおいては剥離シートと共に体積ホログラム層6を支持するものであり、一定の接着力で接着している必要がある。なお、体積ホログラム積層体の使用に際しては、基材11は剥離される必要があるので、後述するように、表面保護用塗布膜8における離型性を利用して基材の接着性、剥離性を制御するとよい。
【0107】
基材11としては、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリイミドフイルム等が例示される。
膜厚は2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。基材は透明であってもよいが、カーボンブラック等の隠蔽性顔料を練り込んだ不透明性フィルムとするとよく、これにより、使用時までホログラム層を保護することができると共に基材の剥がし忘れを防止できる。
【0108】
表面保護用塗布膜8は、体積ホログラム層6との接着性と基材11との剥離性が要求され、また、基材11が剥離された後は、体積ホログラム層の保護層として機能する層である。そのため、保護性の観点からポリメチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂を主バインダーとし、ハードコート性、印字性、スリップ性等を付与するために各種添加剤を適宜含有する。バインダーとしては、その他、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン等が例示される。また、添加剤としては、各種界面活性剤、ワックス、金属化合物のうち1種または2種以上の混合物が添加される。表面保護用塗布膜は有機溶剤でインキ化し、基材11上に塗布等の方法によって形成されるとよく、その厚みは表面保護性を考慮すると0.1μm〜3μmが好ましい。
【0109】
表面保護用塗布膜8は、基材11との間の剥離力が0.001〜0.1kgf/25mm(90°剥離)、好ましくは0.001〜0.005kgf/25mmになるようにその材質等を適宜選択して形成するのが好ましい。また、基材11と表面保護用塗布膜8との間の剥離力は、表面保護用塗布膜と体積ホログラム層との間の剥離力、また、体積ホログラム層と被着体との間の剥離力のいずれよりも小さく設定されるとよい。なお、基材の破断強度は、MD(フィルムの長さ方向)、TD(フィルムの巾方向)いずれの方向においても10kgf/mm2 以上、好ましくは15kgf/mm2 以上のものである。
【0110】
第3の体積ホログラム積層体は、体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体における破断強度(ζ)を、被着体から体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体を剥離する際の剥離強度(ε)より小さくしたことを特徴とする。すなわち、上記の破断強度、剥離強度の関係をまとめると、ζ<<εで示される。
【0111】
体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体における破断強度(ζ)は0.005kgf/mm2 〜0.05kgf/mm2 のものである。また、被着体から体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体を剥離する際の剥離強度(ε)は0.5kgf/25mm〜3kgf/25mmの程度とするとよい。
【0112】
本発明の第3の体積ホログラム積層体は、図5(b)に示すように、基材11を剥離した後に、被着体2からホログラムシールを剥離しようとすると、体積ホログラム層6が凝集破壊され、その再使用を不可能とできる。
【0113】
また、図6(a)に示すように、粘着剤層5と体積ホログラム層6との間、また、図示しないが体積ホログラム層6と表面保護用塗布膜8との間、又はその両方にパターン10を設けることにより偽造防止性に優れるものとできる。
【0114】
パターン10は、上述した第2の体積ホログラム積層体におけるものと同様、接着強度を弱める層または接着強度を強める層とでき、上述同様に適用するとよい。
【0115】
図6(b)に示すように、第2粘着剤層9とホログラム層6との間に、両層間の接着強度を弱める層をパターン状に設けておくことにより、体積ホログラム層を剥離しようとするとパターン10と接するホログラム層6は破断されないが、それ以外の部位のホログラム層6は粘着剤層5と表面保護用塗布膜8との間で凝集破壊される。すなわち、ホログラム層6はパターン10に応じて破断され、再使用を不可能とできる。
【0116】
第3の体積ホログラム積層体の作製方法を説明する。
(1) 離型性シート/ホログラム形成用材料層/離型性シートの第1積層体、
(2) 離型性シート/粘着剤層/剥離性シートの第2積層体、
(3) 基材/表面保護用塗布膜の各積層体を別々に作製する。
【0117】
まず、第1積層体のホログラム記録媒体にホログラム記録−加熱処理を行なった後、離型性シートを剥離し、露出したホログラム層面に、第3積層体をその表面保護用塗布膜面から80℃程度でラミネートし、基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/離型性シートの積層体とする。さらに、得られた積層体の離型性シートを剥離した後、その剥離面に第2積層体をその離型性シートを剥離して室温でラミネートし、高圧水銀灯で定着処理して、基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/粘着剤層/剥離性シートの本発明の第3の体積ホログラム積層体作製用ラベルを作成するとよい。高圧水銀灯を使用して体積ホログラム層を定着処理する操作は、ホログラム記録媒体にホログラム記録−加熱処理を行なった後に引き続いて実施してもよい。第3の体積ホログラム積層体は、ラベルにおける剥離性シートを剥離してその剥離面から被着体に貼着することにより作成される。
【0118】
本発明のそれぞれの体積ホログラム積層体作製用ラベルは、予め、貼る対象やその部分の形状に合わせて切断しておくとよい。また、剥離シートを伴うときは、剥離性シート以外の部分に切れ目を入れておくことにより、大きいサイズや巻き取った形のラベルから、所定の形状の個々のラベルを取り出して、貼る対象に適用することができる。剥離性シート以外の部分のみに切れ目を入れておくには、ラベルの上面側から打ち抜き刃を剥離性シートの厚み分を残したストロークにより上下動させればよい。また、所定の形状の個々のラベルを残して、隣接するラベルとの間の剥離性シート以外の各層を除去しておいてもよい。この場合、剥離性シートの境界部に、個々のラベルを分離可能とするミシン目を施しておいてもよい。
【0119】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0120】
(実施例1)
第1の体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体作製用ラベルの作成
(表面保護フィルム/ホログラム形成材料層/離型性シートの第1積層体)
ポリエチレンテレフタレートフィルム{東レ(株)製、ルミラーT−60、厚み50μm、破断強度:(MD)22.0kgf/mm2 、(TD)22.0kgf/mm2 )}上に、ホログラム形成材料として、下記組成
・ ポリメチルメタクリレート系樹脂(Tg:100℃)を基本バインダーとす
る体積ホログラム形成用感光性樹脂組成物 ・・ 60重量部
・ メチルエチルケトン ・・ 25重量部
・ トルエン ・・ 15重量部
からなる塗液を乾燥膜厚10μmとなるようにグラビアコート塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(「SP−PET」50μm、東セロ(株)製)を貼り付け、第1の積層体を作成した。
【0121】
(離型性シート/粘着剤層/剥離性シートの第2積層体)
粘着剤として、下記の組成のものを使用した。
【0122】
【表1】
【0123】
表面離型処理PETフィルム(「SP−PET」50μm、東セロ(株)製)上に、上記組成の粘着剤をコンマコーターを用いて、乾燥膜厚10μmになるように塗布し、その塗布面に表面離型処理PETフィルム(「SP−PET」50μm、東セロ(株)製)を積層し、第2積層体を得た。
【0124】
(ホログラム記録)
第1積層体におけるホログラム層に514nmの波長をもつレーザー光を用いてリップマンホログラムを記録した後、100℃で10分間加熱した。
【0125】
(粘着剤層の積層)
ホログラムを記録した第1積層体から離型性シートを剥離し、そのホログラム層面に第2積層体をその離型性シートを剥離して室温でラミネートした。その後、高圧水銀灯により3000mJ/cm2の紫外線照射を行ない、定着処理し、表面保護フィルム/体積ホログラム層/粘着剤層/剥離性シートの本発明の第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルを得た。
【0126】
(ホログラムシールの形成)
ホログラムラベルから剥離シートを剥離し、被着体として、クレジットカード大の顔写真付きの身分証明書を準備し、顔写真を封印するため写真上に室温でラミネートして24時間放置し、ホログラムシールを形成した。ホログラムシールを写真上から剥がそうとしたところ、表面保護フィルムが剥離し、さらに体積ホログラム層を剥離しようとしたが、体積ホログラム層の層内で凝集破壊が生じ、被着体から剥離できず、ホログラムは再生不能であった。
【0127】
(体積ホログラム層の破断強度の測定)
ホログラム記録をし、加熱処理した上記の第1積層体を、高圧水銀灯により3000mJ/cm2の紫外線照射を行ない、定着処理した。得られた体積ホログラム層の破断強度をJIS K7127−1989の規定に従い測定したところ、破断強度は2.86kgf/mm2 であり、また、破断伸度は4.9%であった。また、ガラス転移温度は97℃であった。
【0128】
(表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度の測定)
表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度を測定したところ、0.012kgf/25mmであった。
【0129】
(体積ホログラム層と被着体との間の剥離強度の測定)
(1) 上記の第1積層体を利用し、PETフイルム/ホログラム形成用材料層/離型性シートの積層体を作製し、上記のホログラム記録と同様の記録・加熱処理を行なった。
【0130】
(2) 別に、離型性PETフイルム(帝人(株)製、「HP−7〕厚み50μm)表面に粘着剤(ニッセツPE−118、日本カーバイド社製)を乾燥膜厚10μmで塗布した。
【0131】
(3) (1) で作製したホログラム積層体の離型性シートを剥離した面に、(2) で作製した積層体の粘着剤層面をラミネートした後、UV露光処理し、PETフイルム/ホログラム形成用材料層/粘着剤層/離型性PETフイルムからなるラベルを作製し、上記と同様に、被着体上に張り付けし、ホログラムシールを形成した。
【0132】
得られたホログラムシールについて、体積ホログラム層と被着体との間の剥離強度を測定したところ、その剥離強度は3.2kgf/25mmであった。
【0133】
(実施例2)
第2の体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体作製用ラベルの作成
(積層面をコロナ処理とした表面保護フィルム/ホログラム形成材料層/離型性シートの第1積層体)
ポリエチレンテレフタレートフィルム{東レ(株)製、ルミラーT−60、厚み50μm、破断強度:(MD)22.0kgf/mm2 、(TD)22.0kgf/mm2 )}の表面をコロナ処理して易接着性としたその易接着性面に、ホログラム形成材料として、下記組成
・ ポリメチルメタクリレート系樹脂(Tg:100℃)を基本バインダーとす
る体積ホログラム形成用感光性樹脂組成物 ・・ 60重量部
・ メチルエチルケトン ・・ 25重量部
・ トルエン ・・ 15重量部
からなる塗液を乾燥膜厚10μmとなるようにグラビアコート塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(「SP−PET」50μm、東セロ(株)製)を貼り付け、第1の積層体を作成した。
【0134】
実施例1における第1積層体に代えて、上記第1積層体を使用した以外は、同様にして第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルおよび第2の体積ホログラム積層体を作成した。
【0135】
得られた体積ホログラム積層体について、そのホログラムシールを被着体から剥離しようとしたが、体積ホログラム層の凝集破壊および破断が生じ、被着体からホログラム層を剥離することができず、ホログラムが再生不能となった。
【0136】
(積層面をコロナ処理した表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度の測定)
上記で得た第1の積層体を実施例1同様にホログラム記録と加熱処理をした。
一方、ポリエチレンテレフタレートフィルム{帝人(株)製、「HP−7」厚み50μm)面に粘着剤(ニッセツPE−118、日本カーバイド社製)を乾燥膜厚10μmで塗布した後、その塗布面に上記で得た第1積層体の離型性シートを剥離し、室温でラミネートし、積層面をコロナ処理とした表面保護フィルム/体積ホログラム層/粘着剤層/PETフィルム{帝人(株)製、「HP−7」厚み50μm)のラベルを作製した後、ホログラムを定着させるためにUV処理し、24時間放置した。
【0137】
その後、積層面をコロナ処理とした表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度を測定したところ、2.4kgf/25mmであった。
【0138】
(実施例3)
パターン層を設けた第2の体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体作製用ラベルの作成
(離型性シート/ホログラム形成材料層/離型性シートの第1積層体)
実施例1で作製した第1の積層体を用意した。
【0139】
(離型性シート/第1粘着剤層/剥離性シートの第2積層体)
第1粘着剤として、下記の組成のものを使用した。
【0140】
【表2】
【0141】
表面離型処理PETフィルム(「SP−PET、50μm、東セロ(株)製)上に、上記組成の第1粘着剤をコンマコーターを用いて、乾燥膜厚10μmになるように塗布し、その塗布面に表面離型処理PETフィルム(「SP−PET、50μm、東セロ(株)製)を積層し、第2積層体を得た。
【0142】
(表面保護フィルム/第2粘着剤層/接着強度を弱めるパターン層/離型性シートの第3積層体)
表面保護フイルム7として、ポリエチレンテレフタレートフィルム{東レ(株)製、ルミラーT−60、厚み50μm、破断強度:(MD)22.0kgf/mm2 、(TD)22.0kgf/mm2 )}を用意し、下記組成の第2粘着剤をコンマコーターを用いて、乾燥膜厚10μmになるように塗布した。
【0143】
【表3】
【0144】
また、別の表面離型処理PETフィルム(「SP−PET、50μm、東セロ(株)製)上に、下記組成
の塗布液を使用してグラビア印刷により所定の文字印刷を乾燥膜厚0.5μmで行なった。
【0145】
得られた2種類の積層物をその粘着剤側からラミネートし、第3積層体を作成した。
【0146】
(ホログラム記録)
第1積層体におけるホログラム層に514nmの波長をもつレーザー光を用いてリップマンホログラムを記録した後、100℃で10分間加熱した。
【0147】
(第1粘着剤層の積層)
ホログラムを記録した第1積層体から離型性シートを剥離し、そのホログラム層面に第2積層体をその離型性シートを剥離して室温でラミネートし、離型性シート/ホログラム層/第1粘着剤層/剥離性シートの積層体を得た。
【0148】
その積層体におけるホログラム層側の離型性シートを剥離すると共に、上記で得た第3積層体における離型性シートを剥離し、室温でラミネートし、表面保護フィルム/第2粘着剤層/接着強度を弱めるパターン層/ホログラム層/第1粘着剤層/剥離性シートからなる積層体とした。
【0149】
そして、高圧水銀灯により3000mJ/cm2の紫外線照射を行ない、定着処理し、本発明の第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルを得た。
【0150】
(ホログラムシールの形成)
ホログラムラベルから剥離シートを剥離し、被着体として、クレジットカード大の顔写真付きの身分証明書を準備し、顔写真を封印するため写真上に室温でラミネートして24時間放置し、ホログラムシールを形成した。得られたホログラムシールは、放置後にあっても、外観上変化がなく、接着強度を弱める層のパターンを確認することはできないものであった。
【0151】
また、ホログラムシールを写真上から剥がそうとしたところ、表面保護フィルムが剥離すると共に接着強度を弱める層を設けた部分はホログラム層が剥離し、パターンに応じたデザインで被着体上に残存した。また、設けない部分におけるホログラム層は層内で凝集破壊が生じ、被着体と表面保護フィルムの両側に破断されたことが確認できた。
【0152】
(実施例4)
第3の体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体作製用ラベルの作成
実施例1と同様に、離型性シート/ホログラム形成用材料層/離型性シートからなる第1の積層体を用意した。
【0153】
実施例1と同様に、離型性シート/粘着剤層/剥離性シートからなる第2積層体を用意した。
【0154】
(基材/表面保護用塗布膜の第3積層体)
ポリエチレンテレフタレートフィルム{東レ(株)製、ルミラーT−60、厚み50μm、破断強度:(MD)22.0kgf/mm2 、(TD)22.0kgf/mm2 )}を基材とし、その上にハクリニスUVC−5W((株)昭和インク工業所製)を乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコーターにて塗工し、表面保護用塗布膜を形成し、第3積層体を作製した。
【0155】
第1積層体におけるホログラム形成材料層に実施例1同様にリップマンホログラムを記録した後、その離型性シートを剥離し、ホログラム層面に第3積層体を、その表面保護用塗布膜側から80℃でラミネートした。これにより、基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/離型性シートの積層体を得た。
【0156】
この積層体の離型性シートを剥離し、その剥離面に第2積層体の離型性シートを剥離して室温でラミネートした。その後、高圧水銀灯により3000mJ/cm2の紫外線照射を行ない、定着処理し、基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/粘着剤層/剥離性シートからなる本発明の第3の体積ホログラム積層体作製用ラベルを得た。
【0157】
(ホログラムシールの形成)
ホログラムラベルから剥離シートを剥離し、被着体として、クレジットカード大の顔写真付きの身分証明書を準備し、顔写真を封印するため写真上に室温でラミネートして24時間放置し、ホログラムシールを形成した。基材を剥離した後、ホログラムシールを写真上から剥がそうとしたところ、体積ホログラム層が層内で凝集破壊が生じ、被着体から剥離できず、ホログラムは再使用不能であった。
【0158】
(基材と表面保護用塗布膜との間の剥離強度の測定)
基材と表面保護用塗布膜との間の剥離強度を測定したところ、0.021kgf/25mmであった。
【0159】
(表面保護用塗布膜と体積ホログラム層からなる積層体の破断強度の測定)
上記で得た基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/離型性シートの積層体を使用して、表面保護用塗布膜と体積ホログラム層の積層体の破断強度を測定したところ、2.9kgf/mm2 であった。
【0160】
また、基材/表面保護用塗布膜の第3積層体における基材に代えて、カーボンブラックを練り込んだポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製「X30」、厚み50μm)を使用した以外は、上記と同様にして体積ホログラム積層体を作成した。基材を不透明とすることによりホログラムの意匠および写真を秘匿できるものであった。
【0161】
(実施例5)
パターン10を設けた第3の体積ホログラム積層体、体積ホログラム積層体作製用ラベルの作成
(離型性シート/ホログラム記録材料層/離型性シートの第1積層体)
ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000)500重量部に3,9−ジエチル−3′−カルボキシルメチル−2,2′−チアカルボシアニン沃素塩5重量部、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート60重量部、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン800重量部、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル800重量部からなるホログラム記録材料を、剥離性PETフイルム(50μm、東レ(株)製)上に、乾燥膜厚10μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフイルム(50μm、東セロ(株)製)を貼付け、離型性シート/ホログラム記録材料層/離型性シートからなる第1積層体を作製した。
【0162】
(ホログラム記録)
第1積層体におけるホログラム層に514nmの波長をもつレーザー光を用いてリップマンホログラムを記録した後、100℃で10分間加熱し、さらに、高圧水銀灯により3000mJ/cm2の紫外線照射を行ない、定着処理した。
【0163】
(体積ホログラム層の破断強度の測定)
得られた体積ホログラム層の破断強度をJIS K7127−1989の規定に従い測定したところ、破断強度は2.18kgf/mm2 であり、また、破断伸度は24%であった。
【0164】
次に、離型性シートを剥離し、ホログラム層面に実施例4で作製した基材/表面保護用塗布膜からなる積層体を、その表面保護用塗布膜側から80℃でラミネートし、基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/離型性シートの第2積層体を得た。
【0165】
(離型性シート/パターン層/粘着剤層/着色層/粘着剤層/剥離性シートの第3積層体)
離型性シート上に、組成
からなる塗布液を使用して、乾燥膜厚0.5μmでグラビア印刷による所定の文字印刷し、パターン層を形成した。
【0166】
ついで、パターン層面に、実施例1で作製した離型性シート/粘着剤層/離型性シートからなる積層体をその離型性シートを剥離した面から積層し、離型性シート/パターン層/粘着剤層/離型性シートからなる積層体Aを作製した。
【0167】
一方、実施例1で作製した離型性シート/粘着剤層/剥離性シートからなる積層体の離型性シート剥離面に、下記組成
の着色剤溶液をただちに乾燥膜厚10μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにシリコンセパレータB(東セロ(株)製「SP−PET」膜厚50μm)をラミネートし、離型性シート/着色層/粘着剤層/剥離性シートからなる積層体Bを作製した。
【0168】
上記で得た積層体A、積層体Bのそれぞれの離型性シートを剥離した後、積層体A、積層体Bを積層して、離型性シート/パターン層/粘着剤層/着色層/粘着剤層/剥離性シートからなる第3積層体を得た。
【0169】
(第3の体積ホログラム積層体作製用ラベルの作製)
上記で得た第2積層体、第3積層体におけるそれぞれの離型性シートを剥離した後、第2積層体、第3積層体を積層し、基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/パターン層/粘着剤層/着色層/粘着剤層/剥離性シートからなるラベルを作製した。
【0170】
(ホログラムシールの形成)
ホログラムラベルから剥離シートを剥離し、被着体として、クレジットカード大の顔写真付きの身分証明書を準備し、顔写真を封印するため写真上に室温でラミネートして24時間放置し、ホログラムシールを形成した。
【0171】
基材を剥離したところ、着色層を有するため、コントラストに優れた体積ホログラムが観察できた。また、ホログラムシールを写真上から剥がそうとしたところ、体積ホログラム層がパターン状に凝集破壊した。
【0172】
(基材と表面保護用塗布膜との間の剥離強度の測定)
基材と表面保護用塗布膜との間の剥離強度を測定したところ、0.021kgf/25mmであった。
【0173】
(表面保護用塗布膜と体積ホログラム層からなる積層体の破断強度の測定)
上記で得た基材/表面保護用塗布膜/体積ホログラム層/離型性シートの第2積層体を使用して、破断強度を測定したところ、2.23kgf/mm2 であった。また、体積ホログラム層と被着体との間の剥離強度を実施例1と同様に測定したところ、3.02kgf/25mmであった。
【0174】
【発明の効果】
本発明の体積ホログラム積層体は、体積ホログラムに対する保護性に優れると共に、体積ホログラムを剥離しようとすると体積ホログラムを確実に破壊することができ、偽造防止を確実とするものであり、また、体積ホログラム積層体作製用ラベルは、体積ホログラム積層体の作製を容易になしうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の体積ホログラム積層体をその正面図で、(b)はそのA−A線での断面図により説明するための図である。
【図2】 (a)は本発明の第1の体積ホログラム積層体を断面図により説明するための図で、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【図3】 (a)は本発明の第2の体積ホログラム積層体を断面図により説明するための図で、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【図4】 (a)は本発明の第2の体積ホログラム積層体の他の形態を断面図により説明するための図で、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【図5】 (a)は本発明の第3の体積ホログラム積層体を断面図により説明するための図で、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【図6】 (a)は本発明の第3の体積ホログラム積層体の他の形態を断面図により説明するための図で、(b)はその剥離状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1は受験票等の身分証明書、2は被着体、3は写真、4はホログラムシール、5は粘着剤層または第1粘着剤層、6は体積ホログラム層、7は表面保護フイルム、8は表面保護用塗布膜、9は第2粘着剤層、10は両層間の接着強度を部分的に異ならせる層(パターン層)、11は保護基材
Claims (12)
- 被着体上に粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護フィルムが順次積層されてなり、該体積ホログラム層は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなり、ホログラム記録された段階での破断強度が0.01kgf/mm 2 〜5kgf/mm 2 、破断伸度は0.01%〜30%であって、かつ、該体積ホログラム層における破断強度を前記表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度より大きく、かつ、被着体から該体積ホログラム層を剥離する際の剥離強度および表面保護フィルムの破断強度より小さくしたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 表面保護フィルムは体積ホログラム層上から剥離可能であると共に、体積ホログラム層は被着体上から剥離不能であり、剥離しようとすると凝集破壊するものであることを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム積層体。
- 被着体上に粘着剤層、体積ホログラム層、該体積ホログラム層に対して易接着性とした表面保護フィルムが順次積層されてなり、該体積ホログラム層は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなり、ホログラム記録された段階での破断強度が0.01kgf/mm 2 〜5kgf/mm 2 、破断伸度は0.01%〜30%であって、かつ、該体積ホログラム層における破断強度を、前記表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度より小さくし、かつ、該表面保護フィルムと体積ホログラム層との間の剥離強度を、被着体から体積ホログラム層を剥離する際の剥離強度および表面保護フィルムの破断強度より小さくしたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 表面保護フイルムが体積ホログラム層に粘着剤層を介して積層されたことを特徴とする請求項3記載の体積ホログラム積層体。
- 体積ホログラム層における一方の面、または両面に、体積ホログラム層と該体積ホログラム層が積層される層との間の接着強度を部分的に異ならせる層がパターン状に設けられ、表面保護フイルムと共に体積ホログラム層を剥離する際に、体積ホログラム層が接着強度を部分的に異ならせる層に対応した体積ホログラム層部分と該体積ホログラム層以外の体積ホログラム層部分とにパターン状に破断されることを特徴とする請求項3、または請求項4記載の体積ホログラム積層体。
- 体積ホログラム層は表面保護フイルムと共に被着体上から剥離不能であり、体積ホログラム層は剥離しようとすると凝集破壊するものであることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
- 被着体上に粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護用塗布膜、該表面保護用塗布膜に対して剥離可能な基材が順次積層されてなり、該体積ホログラム層は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなり、ホログラム記録された段階での破断強度が0.01kgf/mm 2 〜5kgf/mm 2 、破断伸度は0.01%〜30%であって、かつ、該基材が剥離された後の体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体における破断強度を、被着体から体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層体を剥離する際の剥離強度より小さくしたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 体積ホログラム層における一方の面に、体積ホログラム層と該体積ホログラム層が積層される層との間の接着強度を部分的に異ならせる層がパターン状に設けられ、基材が剥離された後、体積ホログラム層と表面保護用塗布膜とからなる積層フイルムを剥離する際に、接着強度を部分的に異ならせる層に対応した体積ホログラム層部分と該体積ホログラム層以外の体積ホログラム層部分とにパターン状に破断されることを特徴とする請求項7記載の体積ホログラム積層体。
- 体積ホログラム層は表面保護用塗布膜と共に被着体上から剥離不能であり、体積ホログラム層は剥離しようとすると破断するものであることを特徴とする請求項7、または請求項8記載の体積ホログラム積層体。
- 両層間の接着強度を部分的に異ならせる層が、粘着剤樹脂バインダー100重量部に対して離型剤1重量部〜20重量部からなるものであることを特徴とする請求項5または請求項8記載の体積ホログラム積層体。
- 粘着剤層が、粘着剤層/着色層/粘着剤層の積層構成からなり、該着色層が着色粘着剤層、印刷層、光反射層、着色樹脂フイルムから選ばれたものであることを特徴とする請求項1、3、7のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
- 被着体に代えて、粘着剤層上に剥離シートが積層されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体作製用ラベル。
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