JP2001209324A - 再剥離性ホログラム粘着ラベル - Google Patents

再剥離性ホログラム粘着ラベル

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JP2001209324A
JP2001209324A JP32498299A JP32498299A JP2001209324A JP 2001209324 A JP2001209324 A JP 2001209324A JP 32498299 A JP32498299 A JP 32498299A JP 32498299 A JP32498299 A JP 32498299A JP 2001209324 A JP2001209324 A JP 2001209324A
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removable
hologram
film
volume hologram
layer
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Kenji Ueda
健治 植田
Hiromasa Okawa
浩正 大川
Hiroyuki Otaki
浩幸 大滝
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Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積ホログラムに再剥離性粘着剤を適用した
とき新たに生じる、剥離の際に粘着剤が残る欠点、体積
ホログラムから粘着剤が取られてしまうことによる欠点
を解消した体積ホログラムラベルを提供することであ
る。 【解決手段】 体積ホログラム層2と再剥離性粘着剤層
4との間に、両者を接着するための接着層3を介在させ
て、上記の課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体積ホログラムを
任意の被着体に貼って使用でき、しかも、希望に応じ
て、貼ってある体積ホログラムを、貼ってあった痕跡を
残すことなく、容易に剥がすことの出来る、再剥離性ホ
ログラム粘着ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】体積ホログラムは、情報を厚み方向に記
録でき、また、立体的な画像の記録・再生が可能な手段
である。体積ホログラムの製造方法自体は知られている
が、製造には、光学機器を使用した精密な作業を要する
ため、体積ホログラムの模倣が困難である。さらに、体
積ホログラムは、光の干渉色で表現されるため、他の画
像形成手段では得られにくい外観を有している。
【0003】体積ホログラムの持つ上記の特性を利用す
る意味で、フィルム状の体積ホログラムに粘着剤を適用
して粘着ラベルの形にしたホログラム粘着ラベルを、種
々の被着体に貼ることが行なわれている。
【0004】しかしながら、体積ホログラムを一旦、被
着体に貼ると、強固に接着してしまい、剥離が困難にな
って、元の状態に戻したいときに支障となることがあ
る。また、体積ホログラムを剥離することができたとし
ても、強い力が体積ホログラムに加わるために体積ホロ
グラムが伸びて、着色したり、ホログラム画像が損なわ
れたり、フィルム状の体積ホログラムが破壊することも
ある。さらに、体積ホログラムを剥がす際に、被着体の
表面に粘着剤が残存したり、被着体の表面が粘着剤と共
に除去される等の欠点が生じることもある。
【0005】そこで、体積ホログラムを被着体に貼るた
めに、体積ホログラムに適用する粘着剤として、再剥離
性粘着剤を使用することが考えられた。例えば、出願人
が出願中の特願平11−269662号においては、最
下層の粘着剤として、再剥離性粘着剤を使用する発明が
記載されている。
【0006】ところが、再剥離性粘着剤を使用したこと
により、上記の欠点は一応解消するかに見えたものの、
再剥離性粘着剤は、体積ホログラムとの接着性が十分で
ないために、一旦貼った体積ホログラム粘着ラベルを剥
がす際に、被着体と再剥離性粘着剤との間で剥離せず
に、体積ホログラムと再剥離性粘着剤との間で剥離する
ことが見られ、従って、剥離の際に、被着体の表面に再
剥離性粘着剤の一部が残存してしまい、残存した再剥離
性粘着剤を除去する手間が生じたり、あるいは、体積ホ
ログラム粘着ラベルの再剥離性粘着剤が除かれたしまう
結果、剥がした後の再使用が不可能になることがあるこ
とが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、体
積ホログラムに通常の粘着剤を適用したときの欠点を解
消する際に、粘着剤を単に再剥離性粘着剤に置き換えた
だけでは新たに生じる上記の欠点、即ち、剥離の際に被
着体の表面に再剥離性粘着剤の一部が残存することによ
る欠点、および体積ホログラムから再剥離性粘着剤が除
かれたしまうことによる欠点をいずれも解消した体積ホ
ログラムラベルを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
の課題を解決するため、体積ホログラムと再剥離性粘着
剤との間に、両者を接着するための接着層を介在させた
ので、体積ホログラムラベルを被着体に貼った後に、剥
離を試みても、再剥離性粘着剤と被着体との間で確実に
剥離することが可能になった。
【0009】第1の発明は、上層から下層に向かって、
硬化した樹脂層内に体積ホログラムを有する体積ホログ
ラム層、接着層、および再剥離性粘着剤層とが、記載し
た順に積層されていることを特徴とする再剥離性ホログ
ラム粘着ラベルに関するものである。第2の発明は、第
1の発明において、前記体積ホログラム層の上面に、保
護フィルムが積層されていることを特徴とする再剥離性
ホログラム粘着ラベルに関するものである。第3の発明
は、第2の発明において、前記体積ホログラム層の上面
に、粘着剤層を介して保護フィルムが積層されているこ
とを特徴とする再剥離性ホログラム粘着ラベルに関する
ものである。第4の発明は、第2の発明において、前記
体積ホログラム層の上面に、再剥離性粘着剤層を介して
前記保護フィルムが積層されていることを特徴とする再
剥離性ホログラム粘着ラベルに関するものである。第5
の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、最上面
にハードコート処理が施されていることを特徴とする再
剥離性ホログラム粘着ラベルに関するものである。第6
の発明は、第1〜第5いずれかの発明において、最下面
の前記再剥離性粘着剤層に剥離性シートが積層されてい
ることを特徴とする再剥離性ホログラム粘着ラベルに関
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図4はいずれも、本発明の
再剥離性ホログラム粘着ラベルの構造を示す断面図であ
る。
【0011】図1に示すように、本発明の再剥離性ホロ
グラム粘着ラベル1は、体積ホログラム層2の下面に接
着層3、および再剥離性粘着剤層4が順に積層された構
造を有するものである。図2に示すように、本発明の再
剥離性ホログラム粘着ラベル1の再剥離性粘着剤層4の
下面には、剥離性シート5が積層してあってもよい。
【0012】図3に示すように、本発明の再剥離性ホロ
グラム粘着ラベル1の体積ホログラム層2の上面には、
下面の粘着剤層3とは別の層である粘着剤層6を介して
保護フィルム7が積層してあってもい。また、体積ホロ
グラム層2の上面に粘着剤層6を介して保護フィルム7
が積層してある場合、図4に示すように、再剥離性粘着
剤層4の下面に、剥離性シート5が積層してあってもよ
い。
【0013】体積ホログラム層2は、物体光と参照光と
の干渉光を、干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に
記録したもので、物体の3次元構造が、そのまま記録さ
れたものである。この体積ホログラム層2を形成するに
は、支持体フィルム上に体積ホログラム形成用材料を積
層したものに対し、直接、物体光と参照光との干渉光を
記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露
光することにより複製して得るものであり、工業的に
は、後者の方法による。
【0014】体積ホログラム形成用材料を塗布するため
の支持体フィルムとしては、厚さ1μm〜1mm、好ま
しくは10μm〜100μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(通称;PETフィルム)、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフ
ィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフ
ィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等を
用いる。支持体フィルムとしては、透明性が高く、平滑
性が高いフィルムを使用する事が望ましい。
【0015】体積ホログラム形成用材料としては、銀塩
材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋
性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料がいずれも使
用可能であるが、生産の効率上、マトリックスポリマ
ー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素、
更には必要に応じて添加される可塑剤、界面活性剤とか
らなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材
料を体積ホログラム形成用材料として使用する事が好ま
しい。
【0016】バインダー樹脂であるマトリックス・ポリ
マーとしては、ポリメタクリル酸エステル又はその部分
加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリ
ビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリ
アセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレ
ン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩
化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、
ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレン
と無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタク
リル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共
重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とす
る共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。
【0017】マトリックス・ポリマーとして、より好ま
しくは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロ
プレン、ポリビニルアルコール、又はポリビニルアルコ
ールの部分アセタール化物であるホリビニルアセター
ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙
げられる。
【0018】記録されたホログラムの安定化工程として
加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためには
これらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス
転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするもの
であることが必要である。
【0019】光重合可能な化合物としては、後述するよ
うな1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、
プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例え
ば、不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カ
ルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が
挙げられる。
【0020】光重合可能な化合物である、不飽和カルボ
ン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレ
イン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、
例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボ
ン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽
和カルボン酸の塩としては前述のナトリウム塩及びカリ
ウム塩等がある。
【0021】光重合可能な化合物である、脂肪族多価ア
ルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノ
マーの具体例としては、アクリル酸エステルに分類でき
るものとして、エチレングリコールジアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタン
ジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジ
アクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメ
チロールエタントリアクリレート、1,4−シクロヘキ
サンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアク
リレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリ
ゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェ
ノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレー
トモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エ
チルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、
フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレー
ト、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)
エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリ
レート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレー
ト、o−ビフェニルアクリレートなどがある。
【0022】光重合可能な化合物である、脂肪族多価ア
ルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノ
マーの具体例のうち、メタクリル酸エステルに分類でき
るものとしては、テトラメチレングリコールジメタクリ
レート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタン
トリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキ
サンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトール
ジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリ
レート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビト
ールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリ
レート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス
−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチル
メタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェ
ニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等があ
る。
【0023】光重合可能な化合物である、脂肪族多価ア
ルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノ
マーの具体例のうち、イタコン酸エステルに分類できる
ものとしては、エチレングリコールジイタコネート、プ
ロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジ
オールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタ
コネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、
ペンタエタスリトールジイタコネート、ソルビトールテ
トライタコネート等がある。
【0024】光重合可能な化合物である、脂肪族多価ア
ルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノ
マーの具体例のうち、クロトン酸エステルに分類できる
ものとしては、エチレングリコールジクロトネート、テ
トラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリス
リトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネ
ート等がある。
【0025】光重合可能な化合物である、脂肪族多価ア
ルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノ
マーの具体例のうち、イソクロトン酸エステルに分類で
きるものとしては、エチレングリコールジイソクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソル
ビトールテトライソクロトネート等がある。
【0026】光重合可能な化合物である、脂肪族多価ア
ルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノ
マーの具体例のうち、マレイン酸エステルに分類できる
ものとしては、エチレングリコールジマレエート、トリ
エチレングリコールジマレエート、ペンタエリスリトー
ルジマレエート、ソルビトールテトラマレエート等があ
る。
【0027】光重合可能な化合物である、ハロゲン化不
飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフル
オロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−
ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,
3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1
H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレ
ート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニ
ル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート、(商品
名;NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、
ジブロモプロピルアクリレート(商品名;NKエステル
A−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロ
ピルメタクリレート(商品名;NKエステルDBP、新
中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メ
タクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−ク
ロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチ
ル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロ
アクリレート、トリブロモフェールアクリレート、テト
ラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0028】また、光重合可能な化合物である、不飽和
カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノ
マーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、
メチレンビスメタクリルアミト、1,6−ヘキサメチレ
ンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメ
タクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリル
アミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビ
スメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、
ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0029】光重合可能な化合物のその他の例として
は、特公昭48−41708号公報に記載された一分子
に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネ
ート化合物、一般式CH2 =C(R)COOCH
2 (R’)OH(式中R、R’は水素あるいはメチル基
を表す。)で示される水酸基を有するビニルモノマーを
付加させた一分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有
するビニルウレタン化合物等が挙げられる。また特開昭
51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレ
ート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−
43191号公報、特公昭52−30490号公報にそ
れぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート
類、エポキシ基と(メタ)アクリル酸等の多官能性のア
クリレート、もしくはメタクリレートを挙げることがで
きる。さらに、日本接着協会誌Vol.20、No.
7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマ
ーとして、紹介されているものも、使用することができ
る。
【0030】光重合可能な化合物のその他の例で、リン
を含むモノマーとしては、モノ(アクリロイロキシエチ
ル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステル
PA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタ
クリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品
名;ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)
製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商
品名;リポキシVR−60(昭和高分子(株)製、商品
名(リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙
げられる。
【0031】また、光重合可能な化合物のその他の例と
して、商品名;NKエステルM−230G(新中村化学
工業(株)製)、商品名;NKエステル23G(新中村
化学工業(株)製)も挙げられる。更に、下記の構造を
有するトリアクリレート類(商品名;アロニックスM−
315、東亜合成化学工業(株)製)、
【0032】
【化1】
【0033】下記の構造を有するトリアクリレート類
(商品名;アロニックスM−325、東亜合成化学工業
(株)製)、
【0034】
【化2】
【0035】また、2,2’−ビス(4−アクリロキシ
・ジエトキシフェニルプロパン(商品名;NKエステル
A−BPE−4)、テトラメチロールメタンテトラアク
リレート(新中村化学工業(株)製、商品名;NKエス
テルA−TMMT)等が挙げられる。
【0036】次に、開始剤系における光重合開始剤とし
ては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−
ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェ
ニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾ
ロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミ
ダゾール二量体類等が例示される。
【0037】光重合開始剤は、記録されたホログラムの
安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理される
のが好ましい。例えば、有機過酸化物系にあっては、紫
外線照射することにより、容易に分解されるので好まし
い。
【0038】増感色素としては、350〜600nmに
吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン
系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケ
トクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン
系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミ
ン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系
色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示さ
れる。なお、350nm以下、または600nm以上の
波長領域に吸収光を有する増感色素があってもい。
【0039】上記した、マトリックスポリマー(=バイ
ンダー樹脂)、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び
増感色素とからなる、体積ホログラム形成用材料の配合
比は次のとおりである。光重合可能な化合物はバインダ
ー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量
部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用
される。光重合開始剤はバインダー樹脂100重量部に
対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜1
0重量部の割合で使用される。増感色素はバインダー樹
脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好
ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用さ
れる。
【0040】その他、体積ホログラム形成用材料の成分
としては、例えば、可塑剤、グリセリン、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール及び各種の非イオン
系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面
活性剤が挙げられる。
【0041】体積ホログラム形成用材料は、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベ
ンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサ
ン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロ
ホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固形分15%〜
25%程度の塗布液とされる。
【0042】これらの塗布液を使用し、支持体フィルム
が枚葉(1枚毎のシート)の状態で塗布するのであれ
ば、バーコート、スピンコート、又はディッピング等に
より、支持体フィルムがロール状の長尺の状態で塗布す
るのであれば、グラビアコート、ロールコート、ダイコ
ート、又はコンマコート等により塗布を行なって、いず
れも塗布を行なった後、塗布液に合わせた乾燥ないし、
硬化の手段を用いて固化させる。このようにして得られ
る体積ホログラム形成用材料の厚みは、0.1μm〜5
0μm、好ましくは5μm〜20μmである。このよう
な、体積ホログラム形成用材料としては、例えばテュポ
ン社製のオムニデックス352、706が市販されてお
り、利用できる。
【0043】支持体フィルム上に塗布して得られる体積
ホログラム形成用材料の上には、ホログラム情報を露光
するまでの間、カバー用のフィルムを貼っておいてもよ
い。カバー用のフィルムとしては厚さ1μm〜1mm、
好ましくは10μm〜100μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、アクリルフィ
ルム、トリアセチルセルロースフィルム、セルロースア
セテートブチレートフィルム等の透明性が高く、平滑性
が高い樹脂フィルムをゴムローラー等で貼り合わせると
よい。
【0044】カバー用には、上記のような透明樹脂フィ
ルムを貼る替わりに、トリアセチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、ポリメチルメタクリレート等のフィル
ム形成性のある材料を溶解した塗料をスピンコート等に
より塗布して、被膜を形成してもよい。
【0045】支持体フィルム上の体積ホログラム形成用
材料には、カバー用フィルムがある場合には、そのまま
で、あるいはカバー用フィルムを剥がしてから、支持体
フィルム側から、直接、2光束のレーザー光、例えばア
ルゴンレーザー(波長514.5nm)、クリプトンレ
ーザー(波長647nm)等を使用して、物体光と参照
光との干渉光を記録するか、あるいは、保護フィルムを
剥がしてから、体積ホログラム形成用材料に直接、体積
ホログラムの原版を密着し、体積ホログラム形成用材料
の支持体フィルム側からアルゴンレーザー(波長51
4.5nm)を入射し、原版からの反射光と入射した光
の干渉縞を記録し、体積ホログラムの情報を与える。光
源として、476.5nm、532nm、および647
nmの波長の輝線のレーザー光を使用して記録すること
により、フルカラーホログラムを得ることができる。
【0046】記録後、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カー
ボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等
の光源から、0.1〜10,000mJ/cm2 、好ま
しくは、10〜1,000mJ/cm2 の紫外線照射に
より光重合開始剤を分解する工程、及び加熱処理、例え
ば、120℃で24分の加熱により、光重合可能な化合
物を拡散移動させる工程を順次経て、安定な体積ホログ
ラムとする。なお、本発明における体積ホログラム層2
は、ホログラム画像の色を別にすると、無色透明か、種
々の要因により若干着色していても、透明性を有し、ま
た十分な可視光透過性を有している。
【0047】上記のプロセスで得られる体積ホログラム
層2は、体積ホログラムを樹脂層内に有する体積ホログ
ラム層が支持体フィルムと積層した構造である。支持体
フィルムは体積ホログラム層が形成された時点で剥がし
てもよく、あるいは、以降の加工工程で体積ホログラム
層2の露出面が傷付いたり汚染したりするのを防止する
目的で、そのまま付着させておき、加工の必要のあると
きに剥がして除去するか、製品とする直前に剥がすとよ
い。あるいは支持体フィルムをそのまま製品上に残して
おき、本発明の再剥離性ホログラム粘着ラベルを被着体
に貼った時点で剥がすようにしてもよい。
【0048】上記したような体積ホログラム層2は、支
持体フイルム上に体積ホログラム記録材料を塗布した
後、物体からの光の波面に相当する干渉縞が透過率変
調、屈折率変調の形で層内に記録されたもので、複製に
際しても、体積ホログラム原版を密着させて露光現像す
ることにより容易に作製できる利点を有するものであ
る。
【0049】接着層3は、上記のようにして得られる体
積ホログラム層2と次に説明する再剥離性粘着剤層4と
を接着させるためのものであって、具体的には、粘着剤
もしくは接着剤から構成される。粘着剤は、貼り合わせ
時も、また貼り合わせた後もゲル状の軟らかい固体で、
被着体への濡れ、およびその後の状態に置いても態の変
化を起こさずに、剥離に抵抗するものである。これに対
し、接着剤は、貼り合わせ時には流動性を有していて被
着体への濡れを起こし、貼り合わせた後に、加熱もしく
は化学反応により固体となり、界面で強固に結び付き、
剥離に抵抗するもので、言わば、液体で濡れ、固体で接
着するものである。接着層3を構成する粘着剤の素材と
しては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、また
はこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テル
ペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロ
ンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂
等、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコー
ン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン
系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系等の粘着
剤が挙げられる。
【0050】接着層3としては、ヒートシール剤であ
る、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−
イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、
ポリ酢酸ビニル及びその共重合樹脂、セルロース誘導
体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、S
BS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラス
トマー、又は反応ホットメルト系樹脂等を素材として使
用してもよい。なお、いずれの素材を使用するにせよ、
接着層3が無色透明になるよう、万一、着色している場
合でも、ごく淡い着色で、可視光の透過が十分な素材を
選択する。この点は後に述べる再剥離性粘着剤増4にお
いても同様である。また後述する粘着剤層6について
も、保護フィルム5を剥がさないで使用する限り、同様
である。
【0051】接着層3は上記の素材を酢酸エチル、トル
エン、メチルエチルケトン等の溶媒に溶解、または分散
され、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコータ
ー等により一時的キャリヤである表面平滑な剥離フィル
ム上に、乾燥膜厚2μm〜20μmに塗布形成する。あ
るいは、体積ホログラム層2に直接に適用することもで
きるが、体積ホログラム層2のホログラムに溶剤が与え
る影響を考慮し、一時的キャリア上に塗布してから、塗
布面を体積ホログラム層2に重ねて加圧することによ
り、適用する方がより好ましい。
【0052】なお、接着層3には、体積ホログラム層2
の構成材料として記載した光重合可能な化合物や可塑
剤、また、粘着付与剤(タッキファイヤー)や界面活性
剤等を、その粘着性を阻害しない範囲で添加すると、こ
れら添加成分は体積ホログラム層2に移行し、体積ホロ
グラム層2を膨潤、または収縮させる作用を有するの
で、ホログラムから再生される画像情報の色みを制御す
ることができる。
【0053】接着層3の下面には、再剥離性粘着剤層4
が積層されている。再剥離性粘着剤層4を構成する粘着
剤の素材としては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル
樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエス
テル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹
脂、クマロンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリ
コーン樹脂等が使用できる。なお、いずれの素材を使用
するにせよ、再剥離性粘着剤層4が無色透明になるよ
う、素材を選択する。
【0054】再剥離性粘着剤層4は、上記の素材を溶剤
で溶解または分散して、接着層3を形成するのと同様に
して形成する。再剥離性粘着剤層4は、接着層3の表面
に直接塗布形成しても、一時的キャリアに一旦形成して
から適用してもよく、また、一時的キャリアに、再剥離
性粘着剤層4、および接着剤層3をこの順に形成したも
のを、体積ホログラム層2に、一度に重ねて、貼り合わ
せもしくは転写してもよい。再剥離性粘着剤層4の膜厚
は、4〜100μm程度である。再剥離性粘着剤層4の
剥離強度としては、被着体の素材や被着体の使用のされ
方にもよるが、10〜1000g/25mm幅が好まし
く、より好ましくは20〜200g/25mm幅であ
る。剥離強度が10g/25mm幅未満であると、外力
で簡単に剥離してしまい問題であり、1000g/25
mm幅を超えると、一旦被着体上に貼った再剥離性ホロ
グラム粘着ラベルを剥がそうとするとき、再剥離性粘着
剤層4の一部もしくは全部が被着体上に残ってしまう等
の問題を生じる。なお、剥がす際に、セロファン粘着テ
ープを再剥離性ホログラム粘着ラベルの表面に貼って、
そのセロファン粘着テープを剥がすことにより、再剥離
性ホログラム粘着ラベルの一部を被着体より剥がし、再
剥離性ホログラム粘着ラベル全体を剥がすきっかけとす
ると便利であるが、セロファン粘着テープの剥離強度が
500g/25mm程度であるので、より好ましい剥離
強度の上限の200g/25mmの剥離強度であれば、
そのように、きっかけを作って剥がすのに特に適してい
る。
【0055】以上の説明と重複する点もあるが、本発明
においては、以上の基本的な構成に加え、現実的な構成
として、次のような点を加味してもよい。加味すること
が好ましい点の一は、図2や図4に示されるような剥離
性シート5を剥離性粘着剤層4に積層する点である。ま
た、加味することが好ましい点の二は、図3や図4に示
されるような保護フィルム7を体積ホログラム層2の上
面に積層する点である。更に、加味することが好ましい
点の三は、最上面になる体積ホログラム層2の上面、も
しくは保護フィルム7が積層されているときは、その保
護フィルム7の上面にハードコート処理を施す点であ
る。
【0056】加味することが好ましい点の一である、剥
離性シート5については、再剥離性粘着剤層4を形成す
る際に、再剥離性粘着剤層4(あるいは再剥離性粘着剤
層4に加えて粘着剤層3)を一時的キャリアである剥離
性フィルム上に塗布して、そのまま、貼り付けて、本発
明の再剥離性ホログラム粘着ラベル1を構成し、再下面
に積層された剥離性フィルムを除去せずに、そのまま、
剥離性シート5として使用できる。あるいは、体積ホロ
グラム層2、および接着層3からなる積層体の接着層3
側に、新たに剥離性シート5を貼り合わせてもよい。
【0057】剥離性シート5としては、通常使用される
剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
ム、もしくはポリプロピレン樹脂フィルム等をフッ素系
離型剤、シリコーン系離型剤等により離型処理して得た
離型性フィルムを使用してもよい。剥離紙を使用すると
きは、再剥離性粘着剤層と触れない方の面に、横からは
み出した粘着剤によるブロッキングを避ける意味で、剥
離処理を施しておくのがよい。なお、剥離性シート5を
形成しなくても、シート状の再剥離性ホログラム粘着ラ
ベル1を重ねたり、長い連続状のラベルを巻き取ったと
きに、再剥離性粘着剤層4と重なり合う別のラベルの上
面とは、一旦接着しても再剥離が可能である。また、最
上面に後述するように離型処理を施しておけば、重なっ
て接着していても容易に剥離できる。ただ、剥離性シー
ト5を積層した方が、再剥離性粘着剤層4を保管時に保
護することが確実に行なえるので好ましい。
【0058】加味することが好ましい点の二である保護
フィルム7については、体積ホログラム層2を形成する
際に、体積ホログラム層形成用材料を塗布する対象であ
る支持体フィルムをそのまま残せる場合には、その支持
体フィルムが保護フィルム7になり得るが、新たに貼り
合わせてもよい。
【0059】保護フイルム7としては、無色透明か万一
着色していてもごく淡い着色で、実質的に無色透明であ
るポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポ
リ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイル
ム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイ
ルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニ
ルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイ
ルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエ
ーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム
等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等の樹
脂のフィルムが例示され、膜厚としては2μm〜200
μm、好ましくは10μm〜50μmである。
【0060】保護フィルム7を新たに貼るときは、粘着
剤層6を介在させ、粘着剤層6は、体積ホログラム層
2、もしくは保護フィルム7のいずれに塗布しておいて
積層してもよい。
【0061】保護フィルム7の性格、予想される使用の
され方により、粘着剤層6を構成する粘着剤を、接着剤
層3を粘着剤で構成するときと同様のものにするか、再
剥離性粘着剤層4と同様にするかの選択が可能である。
【0062】加味することが好ましい点の三として、最
上面の体積ホログラム層2の上面、保護フイルム7があ
るときはその上面に、最上面の保護性を高める目的で、
必要に応じてハードコート処理が施されてもよい。ハー
ドコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコ
ーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−アクリレー
ト系(紫外線硬化型)等をディッピング塗布、スプレー
塗布、ロールコート塗布法により、膜厚1μm〜50μ
m、好ましくは3μm〜25μmに塗布するとよい。ハ
ードコート処理においても、使用する素材としては、実
質的に無色透明であるものを選択して使用する。
【0063】また、保護フイルム7の表面又はハードコ
ート処理面には、離型処理が施されていてもよい。離型
処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステア
リン酸塩系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング
塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により行なう
とよい。なお、この最上面への離型処理は、体積ホログ
ラム層2が保護フィルムもハードコートも伴わないとき
は、直接、体積ホログラム層2上に施してもよい。
【0064】本発明の再剥離性ホログラム粘着ラベル1
は、剥離性シート5があるときは、剥離性シート5を剥
離した後、再剥離性粘着剤層4側が被着体の表面に接す
るようにして重ね、被着体上に積層される。
【0065】本発明の再剥離性ホログラム粘着ラベル1
は下層を透視可能に構成できるので、種々な対象に貼る
ことができる。適用する対象としては、例えば、ガラ
ス、プラスチック等の透明な材質でできたものが好まし
い例として挙げられる。
【0066】プラスチックとしては、アクリル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等、あるいは汎
用されているプラスチックのうち、透明なものである。
保護フィルムや体積ホログラム形成材料の支持体フィル
ムとして挙げた透明プラスチックフィルムの例として列
挙したものと同様な素材のものが再剥離性ホログラム粘
着ラベル1を貼る対象となり得る。これらの素材からな
る具体的な物品の例としては、例えば、自動車、鉄道車
両、船舶、もしくは航空機等の交通機関の窓、展望用
窓、またはドア等がある。あるいは、建造物の窓、ド
ア、はめ殺しの窓、明かり採り窓等がある。
【0067】また、上記のような交通機関においては、
運転席、操縦席やその他の場所に備えられた計器類やデ
ィスプレイの表面の透明ガラス、もしくは透明プラスチ
ック板にも再剥離性ホログラム粘着ラベル1を貼ること
が出来る。同様な表示は、電気器具、時計、カメラ、等
の機器類にも、種々の表示部分があり、必ずしも無色透
明ではなく、非表示時には黒色のものもあるが、このよ
うなものの表面にも再剥離性ホログラム粘着ラベル1を
貼ることができる。
【0068】具体的に列挙すれば、上記の他に、電卓、
携帯可能なパソコン等や携帯可能な端末機器、携帯電
話、IC録音機、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、
MDプレーヤー、ビデオテープレコーダー、各種オーデ
ィオ機器等の表示機能を有する機器類である。これらに
おいては、本発明の再剥離性ホログラム粘着ラベル1は
透明であり、透視性を有するため、機器本来の表示機能
を妨げずに、体積ホログラム層2のホログラム画像を重
ねることができる。
【0069】これらに加えて、高級腕時計、宝飾品、貴
金属、骨董品等、もしくはそれらのケース等には、再剥
離性ホログラム粘着ラベル1の体積ホログラム層2の製
造の困難性を利用して、真正品である旨の表示のために
適用することも出来る。この場合、貼る対象が透明であ
ってもよいが、不透明であってもよい。
【0070】ただ、本発明の再剥離性ホログラム粘着ラ
ベル1は、剥がそうと思えば、きれいに剥がせるので、
貼った対象が真正品である旨の保証能力は、剥がせない
ホログラム粘着ラベルに比べると低いが、再剥離性ホロ
グラム粘着ラベル1の入手のためには、真正品を入手し
て再剥離性ホログラム粘着ラベル1を剥がして転用しな
ければならないため、不正な転用のためのコストが高く
なり、効果のレベルはともかく、偽造防止効果を有して
いる。
【0071】再剥離性ホログラム粘着ラベル1は、身分
証明書、受験票の如きシート、またIDカードのような
カード、また、パスポートのような小冊子に貼ってもよ
く、また、防火、消毒もしくは防火等の保安、衛生上の
等級を示す証書として、あるいはそのための処置を施し
た事の証書に使用するのに適している。このほか、従
来、紙製の証書を貼って封印した用途であって、対象物
品が透明で、かつ、ほぼ平板状か、または2次曲面であ
るものには、原則的に証書に置き換えての使用が可能で
ある。
【0072】さらに、再剥離性ホログラム粘着ラベル1
を貼る対象としては、広く、紙、合成紙、合成樹脂、金
属からなるフイルムやシート、あるいはガラス板等で出
来た部分を持つ物品に用いることができる。また、体積
ホログラムの持つ独特で立体が表現できる特性等を利用
し、本や中綴じの週刊誌等の雑誌や、自動車等のガラス
窓、プレミアム商品等に貼付するラベルとしても利用で
きる。
【0073】従って、本発明においては、体積ホログラ
ム層2のホログラム画像としては、上記した対象、用途
・目的に合わせたデザインを施すことができ、必要な意
味を表現する記号や文字を自由に含む事ができる。ホロ
グラム画像自体は、実物の撮影以外に、ホログラム回折
格子を計算で求めたり、デジタルカメラで取り込んだデ
ジタル画像やコンピュータグラフイックスから得られる
2次元あるいは3次元の画像データから、ホログラフィ
ックステレオグラム技術等の適宜な手段により作成でき
る。
【0074】本発明の再剥離性ホログラム粘着ラベル1
は、用途によって、予め、貼る対象やその部分の形状に
合わせて切断しておくとよい。あるいは、剥離性シート
5を伴うときは、剥離性シート5以外の部分を切り抜い
ておくことにより、大きいサイズや巻き取った形の再剥
離性ホログラム粘着ラベル1から、所定の形状の個々の
ラベルを取り出して、貼る対象に適用することができ
る。このような加工は、打ち抜き加工によって行なえ、
剥離性シート5以外の部分のみを打ち抜くには、再剥離
性ホログラム粘着ラベル1の上面側から、打ち抜き刃を
剥離性シート5の厚み分を残したストロークにより上下
動させればよい。また、所定の形状の個々のラベルを残
して、隣接するラベルとの間の剥離性シート以外の各層
を除去しておいてもよい。この場合、剥離性シートの境
界部に、個々のラベルを分離可能とするミシン目を施し
ておいてもよい。
【0075】
【実施例】(実施例1)PETフィルム/体積ホログラ
ム形成用材料/PETフィルム(ただし「/」はその記
号の前後のものが積層されていることを示す。)からな
るホログラム記録フィルム(デュポン社製、HRF80
0x001)に、476nm、532nm、および64
7nmのそれぞれの波長を持つレーザー光を用いて、カ
ラーリップマンホログラムを記録した後、片面のPET
フィルムを剥がし、剥がした面に剥離フィルム/粘着剤
層/剥離フィルムからなる粘着フィルム(リンテック
(株)製、ノンキャリアPLシン)の一方の剥離フィル
ムを剥がした面を重ねてラミネートし、その後、140
℃で15分間加熱した。
【0076】さらに、もう一方の剥離フィルムを剥が
し、剥がした面に、剥離フィルム/再剥離性粘着剤層/
剥離フィルムからなる再剥離性粘着フィルム(リンテッ
ク(株)製、ノンキャリアMF)の一方の剥離フィルム
を剥がした面を重ねてラミネートし、PETフィルム/
体積ホログラム/粘着剤層/再剥離性粘着剤層/剥離フ
ィルムからなる再剥離性ホログラム粘着ラベルを得た。
得られた再剥離性ホログラム粘着ラベルから、剥離フィ
ルムを剥がし、携帯電話の表示窓に貼り付け、1週間後
に剥がしたところ、粘着剤が携帯電話の表示窓に残るこ
となく、きれいにラベルを剥がすことができた。
【0077】(実施例2)実施例1と同様にして、ただ
し、カラーリップマンホログラムの片面に粘着フィルム
をラミネートした後、反対側の面のPETフィルムを剥
がし、剥がした面にPETフィルム/粘着剤層/剥離フ
ィルムからなるPET粘着フィルム(リンテック(株)
製、PETPLシン)から剥離フィルムを剥がした面を
重ねてラミネートする工程を追加した後、140℃で1
5分間加熱し、以降は実施例1のやり方に従って、PE
Tフィルム/粘着剤層/体積ホログラム/粘着剤層/再
剥離性粘着剤層/剥離フィルムからなる再剥離性ホログ
ラム粘着ラベルを得た。得られた再剥離性ホログラム粘
着ラベルは実施例1で得られたものと同様な性能を示
し、最上面のPETフィルムによる保護機能を有するも
のであった。
【0078】(比較例)実施例1と同様にして得られた
カラーリップマンホログラムの片面のPETフィルムを
剥がし、剥がした面に、実施例2で用いたのと同じPE
T粘着フィルムを用いて、ラミネートを行ない、カラー
リップマンホログラムの他面には、実施例1で用いたの
と同じ再剥離性粘着フィルムを使用して、PETフィル
ム/粘着剤層/体積ホログラム/再剥離性粘着剤層/剥
離フィルムからなる再剥離性ホログラム粘着ラベルを得
た。得られた再剥離性ホログラム粘着ラベルから、剥離
フィルムを剥がし、携帯電話の表示窓に貼り付け、1週
間後に剥がそうとしたところ、粘着剤が携帯電話の表示
窓側およびラベル側の双方に残ってしまい、きれいにラ
ベルを剥がすことができなかった。
【0079】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、体積ホログラ
ム層に、再剥離性粘着剤層が接着層を介して積層されて
いるので、再剥離性粘着剤層がラベルから剥離すること
がなく、被着体と再剥離性粘着剤層との界面で確実に剥
離し、被着体上に再剥離性粘着剤層が残って、除去する
手間が生じたり、ラベルの粘着剤層が欠落して再使用で
きなくなる欠点が極めて生じにくい再剥離性ホログラム
粘着ラベルを提供できる。請求項2の発明によれば、請
求項1の発明の効果に加え、保護フィルムを有している
ので、再剥離性ホログラム粘着ラベルの保管時の保護、
被着体に貼った後の体積ホログラムの保護機能が向上し
た再剥離性ホログラム粘着ラベルを提供できる。請求項
3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、保護
フィルムが粘着剤層を介して積層されているので、保護
フィルムの保護機能の維持が確実な再剥離性ホログラム
粘着ラベルを提供できる。請求項4の発明によれば、請
求項2の発明の効果に加え、保護フィルムが再剥離性粘
着剤層を介して積層されているので、所望の時期に保護
フィルムを取り除いて、体積ホログラムが直接に見える
再剥離性ホログラム粘着ラベルを提供できる。請求項5
の発明によれば、請求項1〜請求項4いずれかの発明の
効果に加え、最上面がハードコート処理されているてめ
に、硬度が高く、傷が付きにくい再剥離性ホログラム粘
着ラベルを提供できる。請求項6の発明によれば、請求
項1〜請求項5いずれかの発明の効果に加え、最下面の
再剥離性粘着剤層に剥離性シートが被覆されているの
で、保管時に再剥離性粘着剤層に異物が接着したり、汚
染することが回避可能な再剥離性ホログラム粘着ラベル
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】再剥離性ホログラム粘着ラベルの断面図であ
る。
【図2】剥離性シートを下面に加えたものの断面図であ
る。
【図3】保護フィルムを上面に加えたものの断面図であ
る。
【図4】保護フィルムと剥離性シートとを加えたものの
断面図である。
【符号の説明】
1 再剥離性ホログラム粘着ラベル 2 体積ホログラム層 3 接着層 4 再剥離性粘着剤層 5 剥離性シート 6 粘着剤層(もしくは再剥離性粘着剤層) 7 保護フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大滝 浩幸 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2K008 AA04 AA13 BB04 BB06 DD03 DD13 DD15 EE04 FF03 FF17 FF24 GG01 HH02 4F100 AK01A AK42A AR00B AR00C AR00D AR00E BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E CB05C JB12A JL00D JL13C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層から下層に向かって、硬化した樹脂
    層内に体積ホログラムを有する体積ホログラム層、接着
    層、および再剥離性粘着剤層とが、記載した順に積層さ
    れていることを特徴とする再剥離性ホログラム粘着ラベ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記体積ホログラム層の上面に、保護フ
    ィルムが積層されていることを特徴とする請求項1記載
    の再剥離性ホログラム粘着ラベル。
  3. 【請求項3】 前記体積ホログラム層の上面に、粘着剤
    層を介して保護フィルムが積層されていることを特徴と
    する請求項2記載の再剥離性ホログラム粘着ラベル。
  4. 【請求項4】 前記体積ホログラム層の上面に、再剥離
    性粘着剤層を介して前記保護フィルムが積層されている
    ことを特徴とする請求項2記載の再剥離性ホログラム粘
    着ラベル。
  5. 【請求項5】 最上面にハードコート処理が施されてい
    る請求項1〜4いずれか記載の再剥離性ホログラム粘着
    ラベル。
  6. 【請求項6】 最下面の前記再剥離性粘着剤層に剥離性
    シートが積層されていることを特徴とする請求項1〜5
    いずれか記載の再剥離性ホログラム粘着ラベル。
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