JP4390900B2 - 体積ホログラム複製用原版、その製造法、およびそれを使用した体積ホログラムの複製方法 - Google Patents

体積ホログラム複製用原版、その製造法、およびそれを使用した体積ホログラムの複製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体積ホログラムを大量に複製するのに適した体積ホログラム複製用原版、その製造法、および体積ホログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
体積ホログラムは、立体像の表示用、計測用、光学素子等に用いられており、工業的には、同じ体積ホログラムを多量に複製する必要性があるが、従来、このような場合には次のようにして行なっていた。
まず、ホログラムが必要な特性を生じるよう、電子計算機を使用して計算を行ない、計算結果を電子線描画機によりフォトマスクブランク板に描画して、最初のホログラム原版を得る。
これとは別に、ガラス基板上に体積ホログラム形成用樹脂組成物を塗布して、体積ホログラム形成用基板を準備し、この体積ホログラム形成用基板の樹脂組成物層上に、上記で得られたホログラム原版のマスク面とが接するように、ホログラム原版と体積ホログラム形成用基板とを重ね合わせ、ホログラム原版側から、レーザー光により露光する。
露光後、紫外線照射(光重合開始剤の分解)、及び加熱処理(光重合可能な化合物の拡散移動)の各工程を行なう事により、ホログラム原版が、ガラス基板上に塗布された体積ホログラム形成用樹脂組成物層に複製される。
【0003】
こうして複製されたホログラムは、従来、更に複製用原版として、そのまま使用され、前記したのと同様な体積ホログラム形成用基板を準備し、ホログラム層側を体積ホログラム形成用基板に接触させて、露光することにより、体積ホログラムの生産を行なっていた。
しかし、従来技術においては、体積ホログラム複製用原版のホログラム層が露出しており、じかに体積ホログラム形成用基板と密着させると、非常に損傷しやすく、屈折率差をなくすためインデックスマッチング液を介して密着させたり、保護塗料を塗布する等して体積ホログラム形成用基板と密着させても、数回の複製を行なうと複製用原版が損傷してしまい、ホログラム原版から、複製用原版を何度もつくらなければならず、著しく効率が悪かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のように、最初のホログラムを複製して得たホログラムを原版として大量複製を行なう際に、原版が損傷しやすい欠点を解消した体積ホログラム複製用原版、およびその製造法、ならびに、それを使用した体積ホログラムの複製方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、複製用原版を作製する際に、ホログラム層を成形するための体積ホログラム形成用樹脂組成物を利用し、従来1枚の透明基板上に塗布していただけであったのを、2枚の透明基板を使用し、体積ホログラム形成用樹脂組成物層をその間に積層することにより、従来技術によって生じる不都合を解消する。
【0007】
請求項1の発明は、第1の透明ガラス板上に、該透明ガラス板に接するように体積ホログラム形成用の未記録の感光性樹脂組成物層、及び第2の透明ガラス板を順次積層して体積ホログラム形成用積層体を準備し、準備後、前記体積ホログラム形成用積層体に対して、一方の透明ガラス板側から別体のマスクに形成された体積ホログラムを干渉可能な光を使用して露光し、その後、現像することを特徴とする体積ホログラム複製用原版の製造法に関するものである。
【0008】
請求項2の発明は、前記の別体のマスクに形成された体積ホログラムは、電子線描画機を用いて、計算機合成ホログラムを記録したものであることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム複製用原版の製造法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の体積ホログラム複製用原版1を示す断面図であり、図1において符号2、4は、透明な基板であって、例えば、無アルカリガラス、アルカリガラス、もしくは石英、またはポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ボリカーボネート樹脂、もしくはアクリル樹脂等の透明プラスチック類である。
これら透明な基板としては、体積ホログラム形成用樹脂層3と屈折率が近いものが用いられ、特に屈折率が1.40〜1.55の範囲内にあるものが好ましく用いられる。
透明な基板の厚みは、体積ホログラム形成用樹脂層を支持できる厚みであれば特に制限はないが、40μm〜200μmの範囲のものが曲げ強度、均一性の点で好ましい。
中でも、透明基板としてガラス板を使用すると、硬度があって傷がつきにくいだけでなく、複製の都度、液体の洗浄剤や柔らかい布等を使用して清浄化するのも容易であり、しかも清浄化する際に傷が付くこともないので、特に、体積ホログラム形成用樹脂組成物層を接触させる側に透明基板を使用する意義は非常に大きい。
また、透明プラスチック類のうちでは、屈折率の点からアクリル樹脂が好ましい。
【0011】
3は、体積ホログラム形成用樹脂組成物層に、ホログラムが形成されたホログラム層である。ホログラム層3のホログラムは、好ましくは、体積ホログラムと呼ばれるものであって、物体光と参照光との干渉光を、干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に記録したもので、干渉縞の3次元構造が、そのまま記録されたものである。
この体積ホログラムを形成するには、体積ホログラム形成用樹脂組成物層に対し、直接、物体光と参照光との干渉光を記録する方法によるか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、本発明におけるように、工業的には、後者の方法による。
【0012】
一般に、体積ホログラム形成用樹脂組成物としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が挙げられるが、本発明においては、生産効率の観点から、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料を体積ホログラム形成用樹脂組成物として使用する事が好ましい。
【0013】
バインダー樹脂であるマトリックスポリマーとしては、ポリメタクリルエステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、又はポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるホリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0014】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックスポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0015】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例えば、不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0016】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0017】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどがある。
【0018】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0019】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエタスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
【0020】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等がある。
【0021】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
【0022】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例のうち、マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリスリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエート等がある。
【0023】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート、(商品名;NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名;NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルメタクリレート(商品名;NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0024】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミト、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0025】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、一般式CH2 =C(R)COOCH2 (R’)OH(式中R、R’は水素あるいはメチル基を表す。)で示される水酸基を有するビニルモノマーを付加させた一分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0026】
また特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ基と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートろメタクリレートを挙げることができる。
【0027】
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして、紹介されているものも、使用することができる。
【0028】
その他、リンを含むモノマーとしては、モノ(アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名;ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名;リポキシVR−60(昭和高分子(株)製、商品名(リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0029】
また、商品名;NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名;NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0030】
更に、下記の構造を有するトリアクリレート類
【0031】
【化1】
Figure 0004390900
【0032】
(商品名;アロニックスM−315、東亜合成化学工業(株)製)、下記の構造を有するトリアクリレート類
【0033】
【化2】
Figure 0004390900
【0034】
(商品名;アロニックスM−325、東亜合成化学工業(株)製)、また、2,2’−ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフェニルプロパン(商品名;NKエステルA−BPE−4)、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名;NKエステルA−TMMT)等が挙げられる。
【0035】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。
光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば、有機過酸化物系にあっては、紫外線照射することにより、容易に分解されるので好ましい。
【0036】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素があってもい。
【0037】
上記した、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる、体積ホログラム形成用樹脂組成物の配合比は、次のとおりである。
光重合可能な化合物はバインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
光重合開始剤はバインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。
増感色素はバインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0038】
その他、体積ホログラム形成用樹脂組成物の成分としては、例えば、可塑剤、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0039】
体積ホログラム形成用樹脂組成物は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固形分15%〜25%程度の塗布液とされる。なお、このような塗布液として、例えば、デュポン社製のオムニデックス352、706として市販されているものを使用してもよい。
【0040】
これらの塗布液を使用し、図2に示すように、2、4いずれか一方の透明基板に、又は両方の透明基板2および4に、バーコート、スピンコート、又はディッピング等、あるいは、グラビアロールコート、ロールコート、ダイコート、又はコンマコート等により塗布を行なって、塗布後、直ちに両者を合わせて加圧するか、あるいは、塗布液に合わせた乾燥又は硬化の手段を用いて固化させた後に、両者を合わせて、必要に応じて加熱しつつ加圧して、2枚の基板2、4の間に体積ホログラム形成用樹脂組成物層30を挟み込んだ積層体を得る。このとき、気泡が入らないように、基板を多少たわませつつ、一度に全面で接触するのを避け、少しずつ、線状に接触させて行くとよい。
なお、一方の透明基板上に体積ホログラム形成用樹脂組成物をスピンナーを用いて塗布し、直ちに別の透明基板を重ね合わせ、共に回転させることにより貼り合わせてもよい。
いずれの方法を採るにせよ、体積ホログラム形成用樹脂組成物が無溶剤タイプでない限り、加圧後、加圧したまま、又は圧力を開放し、時間をかけて乾燥させるか、減圧、又は加熱等を利用して、接着を行なうが、例えば、(1)乾燥に先立って、予め接着させた後、一定時間(好ましくは1〜10時間)放置した後、加熱乾燥すると均一性が向上するので好ましい。あるいは、(2)体積ホログラム成形用樹脂組成物を塗布した後、加熱乾燥させ、体積ホログラム成形用樹脂組成物が本来有する粘着性を利用して透明基板を貼り合わせてもよい。
なお、体積ホログラム形成用樹脂組成物層30の厚みとしては、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。
【0041】
得られた、透明基板2、体積ホログラム形成用樹脂組成物層30、及び透明基板4の3層からなる積層体に、図4に示すように、ホログラム原版5を使用して露光する。使用するホログラム原版は、必要な特性を生じるよう、電子計算機を使用して計算し、計算結果を電子線描画機により、フォトマスクブランク板等の表面に描画して得たものである。ホログラム原版5を密着させ、ホログラム原版5側から、例えばアルゴンレーザー(波長514.5nm)等のレーザー光8を入射し、露光を行なう。この露光により、ホログラム原版の回折格子で回折した光と回折しないで進んだ光とが干渉し、体積ホログラム形成用樹脂組成物中にホログラム情報を与えるものである。
露光の際のホログラムグラム原版と体積ホログラム形成用樹脂組成物層との間隔は、入射して回折する光と回折しなかった光とが干渉する位置より近くする(通常は密着させる)か、遠くして固定することにより、干渉縞が生じる区域の幅を調整する。
【0042】
露光後、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から、0.1〜10,000mJ/cm2 、好ましくは、10〜1,000mJ/cm2 の紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程、及び加熱処理、例えば、120℃で120分の加熱により、光重合可能な化合物を拡散移動させる工程を順次経て、安定な体積ホログラムとする。これら紫外線照射、および加熱が現像工程となる。
【0043】
上記で得られた、ホログラム層3が2枚の透明基板2、4の間に積層されたものは、体積ホログラム複製用原版として使用すると、図5に示すような方法により、体積ホログラムを大量複製することができる。
【0044】
この大量複製に当たっては、透明基板9上に体積ホログラム形成用樹脂組成物層10を積層した複製用素材11を準備する。複製用原版としては、上記で得られた体積ホログラム複製用原版1を使用し、この複製用原版1を体積ホログラム形成用樹脂組成物層10上に密着させる。密着の際には、体積ホログラム複製用原版1を製造した際に、干渉可能な光が入射した側(図4、及び図5の透明基板2側)を外側にして密着させる。この場合、体積ホログラム複製用原版を製造したときと同様に、密着させずに間隔を開けて固定することもある。
その後、体積ホログラム複製用版1側から、干渉可能な光8を使用して露光し、現像することにより、透明基板上に体積ホログラムのホログラム層を有する複製品が得られる。
【0045】
【発明の効果】
使用する体積ホログラム複製用原版が、従来は、透明基板上に合成樹脂製のホログラム層が露出しているか、合成樹脂の保護塗膜を伴う程度であったのを、2枚の透明ガラス板の間に、該透明ガラス板に接して積層する構造としたので、露光時に被複製材料である体積ホログラム形成用樹脂組成物層にじかに接触させても、損傷する事が極めて少なく、繰り返し、50回以上の複製に使用することができ、体積ホログラム複製用原版をホログラム原版から何度もつくらなければならない煩わしさが解消される。また、体積ホログラム形成用樹脂組成物層にじかに接触する側を清浄にすることも容易であり、別段、保護膜を形成する必要もない。
【0046】
体積ホログラム複製用原版を、透明ガラス板を2枚使用し、それらの間に体積ホログラム形成用樹脂組成物層を積層するだけで、一方からホログラム原版を露光して、現像することにより、容易に製造でき、保護膜を形成する必要がない。
【0047】
体積ホログラム複製用原版を使用し、透明基板上の体積ホログラム形成用樹脂組成物層上に密着露光し、現像する事により、体積ホログラムの形成が容易に行なえ、体積ホログラム複製用原版の損傷による、複製用原版の交換や、場合によっては、新たな複製用原版の作製の手間がかかる事が少なく、複製用原版の清浄化も容易であって、極めて効率良く、体積ホログラムを大量複製できる。
【0048】
大量の複製でも極めて効率良く、製造された体積ホログラムが得られる。また体積ホログラムが強固で高耐久性なガラスに挟まれているので、そのままでも、直ちに、過酷な条件下でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複製用原版の構造を概念的に示す図である。
【図2】複製用原版を製造する工程を示す図である。
【図3】複製用原版を製造する工程を示す図である。
【図4】複製用原版を製造する工程を示す図である。
【図5】複製用原版を使用して複製する工程を示す図である。
【符号の説明】
1 体積ホログラム複製用原版
2、4、9 透明基板
3 ホログラム層
5 ホログラム原版
6 ガラス基板
8 レーザー光
10、30 体積ホログラム形成用樹脂組成物層
11 複製用素材

Claims (2)

  1. 第1の透明ガラス板上に、該透明ガラス板に接するように体積ホログラム形成用の未記録の感光性樹脂組成物層、及び第2の透明ガラス板を順次積層して体積ホログラム形成用積層体を準備し、準備後、前記体積ホログラム形成用積層体に対して、一方の透明ガラス板側から別体のマスクに形成された体積ホログラムを干渉可能な光を使用して露光し、その後、現像することを特徴とする体積ホログラム複製用原版の製造法
  2. 前記の別体のマスクに形成された体積ホログラムは、電子線描画機を用いて、計算機合成ホログラムを記録したものであることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム複製用原版の製造法。
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