JP3867865B2 - ホログラム形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーリップマンホログラムにおけるホログラム記録後の後処理に関し、所望の波長の光を選択的に回折する必要のあるホログラムオプティカルエレメント、例えばホログラフィックカラーフィルター又はヘッドアップディスプレーとして有用なホログラム形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラムは、光源からのレーザー光と物体からのレーザー光の干渉によって生ずる干渉縞を感光性樹脂に記録することによって製造される。記録材料としては、フォトレジスト、重クロム酸ゼラチン、ハロゲン化銀等が知られているが、いずれも解像性、コスト、耐湿性等に問題があり、良好な体積位相型ホログラムは得られていない。またこれらの方法は、ホログラム記録後に現像工程が必要不可欠であるため、作業能率が悪いという欠点も有している。
【0003】
これに対して、近年研究が盛んになってきた、モノマーの移動による生ずる屈折率差を利用したホログラム記録方式は、現像工程を必要とせず生産性の優れる体積型位相ホログラム記録材料として注目されている。この方式は、現像液に浸漬する必要が無いことから乾式のホログラム記録材料と呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ホログラム記録材料は、マトリックス・ポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤、増感色素とからなり、開始剤系である光重合開始剤と増感色素との組合せとして、記録光の波長領域に分光感度を有する増感色素を使用し、高感度の開始系とすることを可能としている。
【0005】
しかしながら、増感色素は、レーザー光を記録光とする場合、350〜600nmの可視光領域において高感度を有するものが多く、ホログラム記録を再生するにあたり、透過率を減少させるという問題を有する。ホログラム記録後、現像液を使用して現像処理する場合には、増感色素は現像処理時に除去されるために格別このような問題は生じないが、乾式ホログラム記録層にあっては、ホログラム記録を行なった後、記録の安定化の観点から有機過酸化物等の光重合開始剤は分解処理されるものの、増感色素がホログラム中に依然として残存し、得られたホログラムにおいては透過率が低く、回折効率が見掛け上高くならないという問題がある。このような問題は、透過型の体積型位相ホログラムにあっては、特に問題である。
【0006】
本発明は、乾式ホログラム記録層において、その光透過率が高く、回折効率の向上したホログラムを、容易にかつ迅速に作製することができるホログラム形成方法の提供を課題とする。
【0007】
上記の問題点を解決すべく種々検討の結果、本発明のホログラム形成方法は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる乾式ホログラム記録層にホログラムを記録した後、紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程、加熱処理をして光重合可能な化合物を拡散移動させる工程、前記増感色素固有の吸収波長光を照射して該増感色素を退色させる工程をこの順で施すことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明におけるホログラム記録感材層は、乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料であり、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる。
【0010】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例えば不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0011】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0012】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどである。
【0013】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0014】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0015】
イタコン酸エステルとしてはエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
【0016】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
【0017】
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
【0018】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
【0019】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0020】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0021】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式
CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH
(式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。)
で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0022】
また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
【0023】
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0024】
その他、燐を含むモノマーとしてはモノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイキエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭和高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0025】
また、商品名:NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0026】
更に、下記の構造式を有するトリアクリレート類、
【0027】
【化1】
Figure 0003867865
【0028】
(東亜合成化学工業(株)製、商品名、アロニックス M−315)
【0029】
【化2】
Figure 0003867865
【0030】
(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、アロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-BPE-4 )、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-TMMT)等が挙げられる。
【0031】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。
【0032】
光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
【0033】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。
【0034】
バインダー樹脂であるマトリックス・ポリマーとしては、ポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、またポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物がが挙げられる。
【0035】
記録されたホログラムの安定化工程として、加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためには、これらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0036】
光重合可能な化合物は、バインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
【0037】
光重合開始剤は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。
【0038】
増感色素は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0039】
その他、感光性材料成分としては、例えば可塑剤、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0040】
これらのホログラム記録材料は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15%〜25%の塗布液とされる。なお、このような塗布液は、例えばテュポン社製のオムニデックス352、706を使用してもよい。
【0041】
ホログラム記録層は、基材上に塗布液を乾燥後膜厚1μm〜100μm、好ましくは4μm〜20μmで塗布して形成される。
【0042】
基材としては、厚さ0.01〜100mm、好ましくは1〜5mmのガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板、ポリエチレン板、ポリプロピレン板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリスチレン板等が挙げられる。好ましくは、機械的強度が十分で、複屈折率が少なく、透明度が高いガラス基板、アクリル基板、ポリカーボネート基板である。
【0043】
ホログラム記録層上には保護層が設けられる。保護膜としては、厚さ0.001〜10mm、好ましくは0.01〜0.1mmのポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、アクリルフィルム、ポリアセチルロースフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルムなど耐候性の良好な透明樹脂フィルムをゴムローラーで貼り合わせて形成するとよく、また、トリアセチルロース、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート等フィルム形成材料をスピンコートにより塗布して形成してもよい。
【0044】
次に、本発明のホログラム形成方法について説明する。上記のごとくに作製されたホログラム記録用媒体は、従来の乾式ホログラムの作製方法と同様に、
(1)リップマン型ホログラム形成装置により、2光束のレーザー光、例えばアルゴン光、レーザー光(波長514.5nm)等を使用して、ホログラム記録層に干渉縞を記録する工程、
(2)超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から0.1〜10000mJ/cm2 、好ましくは10〜1000mJ/cm2 の紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程、
(3)加熱処理(例えば、120℃、120分)して光重合可能な化合物を拡散移動させる工程を順次経て、安定なホログラムとされる。
【0045】
本発明は、上記工程の後で、ホログラム記録層に、ホログラム記録層中に残存する増感色素固有の吸収波長光を照射し、増感色素を退色させる。
【0046】
退色工程としては、例えば350nm〜600nmの波長域に吸収を有する増感色素を退色させるには、色素量にもよるが、500ルックスの強度の蛍光光、自然光を20時間〜60時間、露光するとよく、これにより、短時間で容易にホログラム記録層における着色を退色させ、93%にまで透過率を上げることができる。なお、350nm以下、または600nm以上の波長域に吸収を有する増感色素を退色させるには、同様に、対応した波長域の光を照射するとよい。
以下、実施例により、本発明を説明する。なお、実施例中「部」は重量部を示す。
【0047】
【実施例1】
Figure 0003867865
をメチルエチルケトン:トルエン=75:25の混合溶媒に溶解し、固型分20%とした塗布液を、厚さ3.0mmのガラス基板(スズキグラステック社)上に、スピンコート法にて塗布・乾燥し、厚さ25μmの塗膜を形成した後、この記録層面に膜厚50μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製、無色透明)をラミネートし、ホログラム記録媒体とした。
【0048】
このホログラム記録媒体に、リップマン型ホログラム形成装置(Du−pont社製、オムニデックス複製機)で、514nmのArレーザを用いて、透過型のホログラム回折格子を作製した。
【0049】
次いで、高圧水銀灯を用いて1mW/cm2 紫外線を100秒間照射し、さらに120℃で120分間、加熱処理した。
【0050】
得られたホログラム記録層は、依然としてオレンジ色に着色した状態であり、光学特性を514nmレーザーで測定したところ、透過率は80%、回折効率は76%であった。
【0051】
次いで、このホログラムを500ルックスの蛍光ランプ(435〜620nm)を使用し、60時間照射したところ、殆どその着色は消え、再度、光学特性を514nmレーザーで測定したところ、透過率は95%、回折効率は90%であり、回折効率は1.2倍となった。
【0052】
【実施例2】
Figure 0003867865
を、厚さ3.0mmのガラス基板(スズキグラステック社)上に、スピンコート法にて塗布・乾燥し、厚さ25μmの塗膜を形成した後、この記録層面に膜厚50μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製、無色透明)をラミネートし、ホログラム記録媒体とした。
【0053】
このホログラム記録媒体に、リップマン型ホログラム形成装置(Du−pont社製、オムニデックス複製機)で、514nmのArレーザを用いて、透過型のホログラム回折格子を作製した。
【0054】
次いで、高圧水銀灯を用いて1mW/cm2 紫外線を100秒間照射し、さらに120℃で120分間、加熱処理した。
【0055】
得られたホログラム記録層は、依然としてオレンジ色に着色した状態であり、光学特性を514nmレーザーで測定したところ、透過率は80%、回折効率は76%であった。
【0056】
次いで、このホログラムを500ルックスの蛍光ランプ(435〜620nm)を使用し、60時間照射したところ、殆どその着色は消え、再度、光学特性を514nmレーザーで測定したところ、透過率は95%、回折効率は90%であり、回折効率は1.2倍となった。
【0057】
【比較例】
実施例1において、退色処理をしていないホログラムを、7日間自然光の中で放置したところ、その透過率は95%となり、一定その着色は消えたが、回折効率か70%に減少した。自然光の下に放置した場合、自然光に含まれる紫外線により重合部と非重合部との屈折率差(Δn)が小さくなり、回折効率の減少または波長のシフト等の問題が生じる。
【0058】
【発明の効果】
本発明のホログラム形成方法は、乾式ホログラム記録層において、その光透過率が高く、回折効率の向上したホログラムを、容易にかつ迅速に作製することができる。

Claims (1)

  1. マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる乾式ホログラム記録層にホログラムを記録した後、紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程、加熱処理をして光重合可能な化合物を拡散移動させる工程、前記増感色素固有の吸収波長光を照射して該増感色素を退色させる工程をこの順で施すことを特徴とするホログラム形成方法。
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