JP4270414B2 - 体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents

体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単色露光により記録された体積ホログラム積層体をカラーホログラムとして再生でき、フルカラーのホログラム体や液晶光学素子におけるカラーフィルタとして適した体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、体積ホログラム積層体は、一般に、基材上に粘着剤層、体積ホログラム層、粘着剤層、透明保護フイルムの順に積層された構成を有し、基材である身分証明書等に体積ホログラム層に顔画像を記録したり、また、液晶光学素子におけるカラーフィルタとしての適用が進められているが、単色露光によるホログラム記録は単色ホログラムとしての利用がなされているにすぎず、単色露光によるホログラム記録をカラーホログラムとして再生することはなされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、単色露光により記録された体積ホログラム積層体をカラーホログラムとして再生できる体積ホログラム積層体および体積ホログラム積層体作製用ラベルの提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の体積ホログラム積層体は、基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層されると共に、該第1及び/又は第2粘着剤層が、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長をそれぞれ所望の再生波長に制御しうる2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層をそれぞれ体積ホログラム層に接して同一層内でパターン状に塗り分けることにより形成されたことを特徴とする。
【0005】
上記の体積ホログラム層が、光重合可能な化合物からなり、ホログラム記録されたものであることを特徴とする。
【0006】
上記の2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層が、粘着剤層への記録波長シフト物質の添加の有無、または、その添加量の相違により相違する組成とされ、また、該記録波長シフト物質が、体積ホログラム層を構成する光重合可能な化合物、可塑剤および界面活性剤、または、粘着付与剤、ポリアルキレングリコールの少なくとも1種であることを特徴とする。
【0007】
上記の粘着剤層が、使用時に架橋剤を添加し架橋させる二液架橋型粘着剤であることを特徴とする。
【0008】
上記の体積ホログラム層に記録されたホログラム記録が、単一波長のレーザー一種により記録された単色ホログラムであることを特徴とする。
【0009】
上記の体積ホログラム層に記録されたホログラム記録が、単一波長のレーザー二種以上により記録されたカラーホログラムであることを特徴とする。
【0010】
上記の体積ホログラム積層体が、カラーフィルターに使用されるものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層されると共に、該第1及び/又は第2粘着剤層が、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長をそれぞれ所望の再生波長に制御しうる2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層をそれぞれ体積ホログラム層に接して同一層内でパターン状に塗り分けることにより形成されたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の体積ホログラム積層体を、図1に断面図で示し、また、図2は粘着剤層のパターニング例を示す平面図であり、図中、1は体積ホログラム積層体、2は基材、3、3′、3″は第1粘着剤層、4は第2粘着剤層、5は体積ホログラム層、6は表面保護フイルムである。
【0013】
本発明の体積ホログラム積層体における基材2は、紙、合成紙、合成樹脂や金属からなるフイルムやシートを用いることができ、受験票の如きシート状、またIDカードのようなカード形状、また、パスポートのような小冊子等さまざまな形態をとることができ、顔写真、風景等を単色又はフルカラーでホログラム記録した体積ホログラム体が貼着する基材とされる。また、液晶表示素子のカラーフィルタとする場合には、液晶セルにおけるガラス基板や電極層が基材となる。
【0014】
なお、本発明の体積ホログラム積層体は、図1においては、基材2上に第1粘着剤層3を介して体積ホログラム層5を積層した構成を図示するが、基材2上に体積ホログラム層5を両面粘着テープを介して積層した構造や、また、第1粘着剤層3と体積ホログラム層との間に記録波長シフト用フィルム(チューニングフィルム)を介在させてもよく、これらの場合には、第2粘着剤層4を2種以上の相違する組成の粘着剤層により、後述する第1の粘着剤層3のパターンと同様にパターニングして形成されるとよい。
【0015】
体積ホログラム層5は、支持体フイルム上に体積ホログラム記録材料を塗布した後、物体からの光の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調の形で層内に記録されたもので、単一波長のレーザー一種により記録された単色ホログラムであっても、また、単一波長のレーザー二種以上により記録されたカラーホログラムであってもよく、また、複製に際しても、体積ホログラム原版を密着させて露光現像することにより容易に作製できるものである。
【0016】
体積ホログラム層5は、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤、増感色素、および必要に応じて添加される可塑剤、界面活性剤からなる乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料である。
【0017】
光重合可能な化合物としては、後述するような1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例えば不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙げられる。
【0018】
不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0019】
また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレートなどである。
【0020】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシフェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2−ナフチル等がある。
【0021】
イタコン酸エステルとしてはエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
【0022】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
【0023】
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
【0024】
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
【0025】
ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレート(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモフェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアクリレート等が挙げられる。
【0026】
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0027】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式
CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH
(式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。)
で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0028】
また、特開昭51−37193号公報に記載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報にそれぞれ記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
【0029】
さらに、日本接着協会誌Vol.20、No7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0030】
その他、燐を含むモノマーとしてはモノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業(株)製)、モノ(2−メタクリロイキエチル)アシッドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共栄社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシアクリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭和高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭和高分子(株)製)等が挙げられる。
【0031】
また、商品名:NKエステルM−230G(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル23G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0032】
更に、下記の構造式を有するトリアクリレート類、
【0033】
【化1】
Figure 0004270414
【0034】
(東亜合成化学工業(株)製、商品名、アロニックス M−315)
【0035】
【化2】
Figure 0004270414
【0036】
(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、アロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-BPE-4 )、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学 (株)製、商品名、NKエステル A-TMMT)等が挙げられる。
【0037】
また、必要に応じて添加される可塑剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、およびこれらの多価アルコールの末端ヒドロキシル基がエーテル化、アセチル化等によりブロックされた誘導体、重量平均分子量200〜2,000、好ましくは200〜600のポリエチレングリコール、重量平均分子量300〜2,000、好ましくは300〜1000のポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DCapP)、フタル酸(79アルキル)(D79P)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BDP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸−ジ−(メチルシクロヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アゼライン酸−ジ−n−ヘキシル(DNHZ)、アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)等のクエン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(YCP)、リン酸トリプロピレングリコール等のリン酸エステル系可塑剤等のポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
【0038】
次に、開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解されるので好ましい。
【0039】
増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。また、350nm以下、または600nm以上の波長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。
【0040】
マトリックス・ポリマーとしては、ポリメタアクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ましくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、またポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物がが挙げられる。
【0041】
記録されたホログラムの安定化工程として加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためにはこれらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするものであることが必要である。
【0042】
光重合可能な化合物は、バインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
【0043】
光重合開始剤は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。
【0044】
増感色素は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0045】
その他、感光性材料成分としては、各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられる。
【0046】
これらのホログラム記録材料は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15%〜25%の塗布液とされる。ホログラム記録層の厚みとしては、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。
このような、ホログラム記録材料としては、例えばデュポン社製のオムニデックス352、706が挙げられる。
【0047】
次に、粘着剤層3、4について説明する。粘着剤層としては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系接着剤が挙げられる。また、粘着剤層が、使用時にイソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤等を添加して架橋する、所謂二液架橋型粘着剤を使用して形成されることもできる。また、粘着剤層としてヒートシール剤を使用してもよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト系樹脂等が挙げられる。粘着剤層の厚みとしては、4μm〜20μmとするとよい。
【0048】
体積ホログラムにあっては、ホログラム記録された色みに対して、経時と共に実際にホログラムから再生される画像情報の色みが相違することがあるが、その原因として、体積ホログラム層に隣接する粘着剤層から体積ホログラム層を膨潤させ、ホログラム記録を変動させる物質がブリードしたり、浸透したりすることがある。そして、体積ホログラム層の膨潤により、ホログラム記録が長波長側にシフトしたり、また、隣接する粘着剤層にホログラム記録を変動させる物質が含有されていない場合には、体積ホログラム層に含有される移動成分が、逆に隣接する粘着剤層へ移行し、この結果、体積ホログラム層が収縮し、短波長側にシフトしたりする。また、移動成分を含有する体積ホログラム層は、それ自体、経時的にこれらの化合物が体積ホログラム層からの離脱により少なくなり、短波長側にその再生波長がシフトする。
【0049】
本発明の体積ホログラム積層体は、図2に示すように、体積ホログラム積層体に接する、2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層3′、3″をそれぞれパターン状に塗り分け、体積ホログラム層と粘着剤層3′、3″とのそれぞれの間の移動成分を制御し、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長をそれぞれ所望の再生波長に制御することにより、単一波長でホログラム記録されたにもかかわらず、その再生波長をパターンに応じて相違させ、カラーホログラムとして再生できることを見出した。
【0050】
図2においては、体積ホログラム積層体に接する、2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層3′、3″をストライプ状に塗り分ける状態を図示したが、塗り分けるパターンとしては、ストライプ状に限らず、市松模様、網目模様、格子模様、絵柄模様等が挙げられる。
【0051】
体積ホログラム層と粘着剤層3′、3″のそれぞれの間の移動成分を制御するには、後述する記録波長シフト物質をどちらか一方の粘着剤層にのみ添加するか、また、記録波長シフト物質の添加量を粘着剤層3′、3″で相違させると共に、その添加量を調整することにより、それぞれの粘着剤層3′、3″が接する体積ホログラム層の再生波長を所望の再生波長に制御することができる。
【0052】
本発明において、移動成分として粘着剤層に添加される記録波長シフト物質としては、体積ホログラム層の構成材料として記載した光重合可能な化合物や可塑剤等が挙げられる。これらの移動成分は体積ホログラム層の構成成分と同一でも相違していてもよい。また、移動成分としては、粘着付与剤(タッキファイヤー)、界面活性剤、ポリアルキレングリコール等も挙げられる。
【0053】
粘着付与剤(タッキファイヤー)としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、エステル化ロジン、二量化ロジン、ライム化ロジン等のロジン系タッキファイヤー、α−ピネン、β−ピネンカンフェル、ジペンテン等の環状テルペンを含むテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン等のテルペン系タッキファイヤー、炭素数5の石油留分を重合して得られる炭素数5の合成樹脂系タッキファイヤーで、イソプレン、シクロペンダジエン、1,3−ペンタジエン、1−ペンテンの共重合体、2−ペンテン、ジシクロペンダジエンの共重合体、1,3−ペンタジエン主体の樹脂等の合成樹脂系タッキファイヤー、炭素数6〜11の石油留分を重合して得られる炭素数9の合成樹脂系タッキファイヤーで、インデン、スチレン、メチルインデン、α−メチルスチレンの共重合体等の合成樹脂系タッキファイヤーが例示される。
【0054】
また、粘着剤層に添加される界面活性剤としては、陽イオン系界面活性剤としては第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩等、また、陰イオン系界面活性剤としてはカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等、両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が例示される。
【0055】
また、ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が例示される。
【0056】
粘着剤層に含有させる記録波長シフト物質である移動成分は、分子量が100〜5,000の低分子量成分であり、特に分子量が100〜2,000のものを使用するとよい。分子量が100より小さいと揮発性となり好ましくなく、また、5,000を越えると隣接層への移動性が少なくなり、添加の目的を達しない可能性がある。
【0057】
また、粘着剤層に含有させる記録波長シフト物質は、体積ホログラム層を構成する成分と相溶性を有する物質を選択するのが好ましく、また、体積ホログラム層中に移行して記録された干渉縞を完全に破壊したり、また、記録再生を不能としないものであることが要求される。また、粘着剤層に含有させる記録波長シフト物質である移動成分は、粘着剤層中にその粘着性を損なわない程度に含有されるとよく、20重量%以下とされるとよいが、その含有量は、体積ホログラム層における移動成分の含有量との関係、また、所望する再生波長との関係から適宜設定されるとよい。
【0058】
粘着剤層における記録波長シフト物質の含有量と、体積ホログラム層における再生波長との関係については、以下のような実験的手法により定めるとよい。
【0059】
(波長シフト量の、光重合可能な化合物添加量依存性)
ホログラム記録フイルム:PETフイルム/体積ホログラム層/ポリ塩化ビニルフイルム(デュポン社製「 Omnidex 706 」)
粘着フイルム:下記組成
・アクリル系粘着剤(日本カーバイド社製「ニッセツPE−118」)・・・100重量部
・メチルエチルケトン ・・・ 30重量部
・トルエン ・・・ 15重量部
・酢酸エチル ・・・ 15重量部
に対して、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)の添加量を相違させて添加して種々のTMPTA濃度の粘着剤を調製し、PETフイルムに乾燥膜厚で15μm塗布し、それぞれ粘着フイルムを作製する。
【0060】
まず、ホログラム記録フイルムに488nmの特定波長のアルゴンレーザーでホログラム記録した後、そのポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、ホログラム面に粘着フイルムを粘着剤層側から貼着する。
【0061】
得られたPETフイルム/体積ホログラム層/粘着剤層/PETフイルムについて、実際の加工プロセスにおける条件である140℃で15分間ベイクした後、島津製作所製「UV−2100PC」を使用して、分光透過率を測定し、そのピーク波長を測定し、記録波長488nmからのシフト量(ピーク波長−488nm=Δλ)を計算する。
【0062】
その測定結果を図3に示す。なお、図3には、TMPTA濃度を相対値として記載するが、その単位は、10-4モルであり、アクリル系粘着剤1g当たりの添加量である。図3に示すように、粘着剤層にTMPTAの添加量0のものは、Δλはマイナスであり、体積ホログラム層から粘着剤層へ未反応モノマーや可塑剤等が移動し、体積ホログラム層が収縮し短波長側へ再生波長がシフトしたことがわかる。また、TMPTAの添加量が増大するとΔλが大となり、再生波長が長波長側にシフトする。
【0063】
(波長シフト量の、ポリエチレングリコール(PEG)添加量依存性)
ホログラム記録フイルム:PETフイルム/体積ホログラム層/ポリ塩化ビニルフイルム(デュポン社製「 Omnidex 706 」)
粘着フイルム:下記組成
・アクリル系粘着剤(日本カーバイド社製「ニッセツPE−118」)・・・100重量部
・メチルエチルケトン ・・・ 30重量部
・トルエン ・・・ 15重量部
・酢酸エチル ・・・ 15重量部
に対して、種々の分子量のPEGをアクリル系粘着剤1gに対してそれぞれ2×10-4モル(黒菱形)、7×10-4モル(黒四角)ずつ添加して粘着剤を調製し、PETフイルムに乾燥膜厚で15μm塗布し、それぞれ粘着フイルムを作製する。
【0064】
まず、ホログラム記録フイルムに488nmの特定波長のアルゴンレーザーでホログラム記録した後、そのポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、ホログラム面に粘着フイルムを粘着剤層側から貼着する。
【0065】
得られたPETフイルム/体積ホログラム層/粘着剤層/PETフイルムについて、実際の加工プロセスにおける条件である140℃で15分間ベイクした後、島津製作所製「UV−2100PC」を使用して、分光透過率を測定し、そのピーク波長を測定し、記録波長488nmからのシフト量(ピーク波長−488nm=Δλ)を計算する。
【0066】
その測定結果を図4に示す。図4に示すように、PEGの分子量が増大するにつれ、また、添加量が増大するにつれΔλが大となり、再生波長が長波長側にシフトすることがわかる。
【0067】
(波長シフト量の、ポリプロピレングリコール(PPG)添加量依存性)
上記のPEG添加量依存性についての実験において、PEGに代えて、PPGを同様に使用し、波長シフト量を測定した。その測定結果を図5に示す。図5に示すように、PPGもPEG同様の効果を示すが、PPGにあって波長を最もシフトさせるには、添加量を同一とすると、分子量が700〜1000程度のPPGであることがわかる。
【0068】
(市販粘着フイルムについての測定例)
ホログラム記録フイルム:PETフイルム/体積ホログラム層/ポリ塩化ビニルフイルム(デュポン社製「 0mnidex 706 」)
粘着フイルム:下記表1の市販粘着フイルム
上記同様にして、ホログラム記録フイルムに粘着剤層を積層し、140℃で15分間ベイクした後の分光透過率を測定し、そのピーク波長を測定し、記録波長488nmからのシフト量(ピーク波長−488nm=Δλ)を計算した結果を、下記の表1に示す。
【0069】
なお、表1には、ホログラム記録フイルムに粘着剤層を積層した直後における分光透過率のピーク波長の測定結果も同時に示し、また、粘着フイルムを貼着しないで、ホログラム記録フイルムについて同様に試験した結果を、「市販粘着フイルムなし」として同時に示す。なお、表中の波長の単位はnmである。
【0070】
【表1】
Figure 0004270414
【0071】
なお、表から、ホログラム記録フイルム単独でも、ベーク後では記録波長よりも短波長側にシフトすることがわかる。
【0072】
本発明においては、このような測定データをもとに、体積ホログラム層と粘着剤層とを適宜組合せることにより、再生波長を所望の波長に制御することを可能とする。
【0073】
次に、本発明の体積ホログラム積層体における表面保護フイルム6は、透明性を有し、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等の樹脂が例示され、膜厚としては2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。
【0074】
体積ホログラム積層体において体積ホログラム層が粘着性を有する場合、基材上に、粘着剤層、体積ホログラム層、表面保護フイルムとする場合がある。表面保護フイルムには、一般に、可塑剤が含有されており、この場合においても、体積ホログラム層と表面保護フイルムの層間での移動成分を上記の手法で勘案し体積ホログラム層の再生波長に対する影響を調整するとよい。
【0075】
なお、図示はしないが、表面保護フイルム上には、表面保護フイルム表面の保護性を高める目的で、必要に応じてハードコート処理が施されてもよい。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−アクリレート系(紫外線硬化型)等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により、膜厚1μm〜50μm、好ましくは3μm〜25μmに塗布するとよい。
【0076】
更に、同様に、図示しないが、表面保護フイルム7表面又はハードコート処理面には、離型処理が施されていてもよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸塩系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により行なうとよい。
【0077】
本発明の体積ホログラム積層体は、単一波長のレーザー一種により記録された単色ホログラムの場合には、粘着剤層の塗り分けによりその再生波長を相違するものとでき、粘着剤層のパターンに応じてカラーホログラムとすることができる。また、また、単一波長のレーザー二種以上により記録されたカラーホログラムである場合には、粘着剤層の塗り分けによりその再生波長を変化させることができ、粘着剤層のパターンに応じて、記録されたカラーホログラムとは色合いの変化したカラーホログラムとすることができる。
【0078】
本発明の体積ホログラム積層体の体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生ピーク波長は、420nm〜470nm、520nm〜580nm、600nm〜670nmの3種類の波長域のいずれか、または2種以上の波長域の組み合わせからなるものとされる。
【0079】
次に、本発明の体積ホログラム積層体を作製するにあたって使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルについて、その断面の層構成を図6に示す。図中、10は体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離紙であり、図1と同一符号は同一内容を示す。
【0080】
本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、上述した体積ホログラム積層体の作製に使用されるものであり、図6に示す如く、剥離紙11上に第1粘着剤層3、体積ホログラム層5、第2粘着剤層4、表面保護フイルム6を積層したものである。粘着剤層にあっては、例えば図2に示すように、粘着剤層3′、3″の塗り分けからなるものである。
【0081】
剥離紙11としては、通常使用される剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレートフイルム表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤により離型処理した離型性フィルムを使用してもよく、また、剥離紙の粘着剤層側でない面には、ラベルの横からはみ出した粘着剤によるブロッキングを避けるために剥離処理を施しておくとよい。また、積層体を適宜の大きさで剥離紙から剥離できるように、積層体は所謂「半抜き加工」されていてもよく、また、剥離紙にミシン目等の切れ目を入れておいてもよい。
【0082】
ラベル10は、剥離紙11を剥離した後、第1粘着剤層3側から、基材上に積層され、図1に示される体積ホログラム積層体が作製される。
【0083】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
(透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータの作製)
シリコンセパレータ(東京セロファン(株)製「SP−PE05」膜厚50μm)上に、下記組成
・アクリル系粘着剤(日本カーバイド社製「ニッセツPE−118」)・・・100重量部
・メチルエチルケトン ・・・ 30重量部
・トルエン ・・・ 15重量部
・酢酸エチル ・・・ 15重量部
・イソシアネート系架橋剤(日本カーバイド社製「ニッセツCK−101」)・・・ 16重量部
の粘着剤溶液を乾燥膜厚15μmとなるようにコンマコーターで塗布した。これにポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製「ルミラーT−60、膜厚50μm)をラミネートした。
【0084】
(シリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBの作製)
シリコンセパレータA(東京セロファン(株)製「SP−PET05」膜厚50μm)上に、下記組成の粘着剤溶液(1)
・アクリル系粘着剤(日本カーバイド社製「ニッセツPE−118」)・・・100重量部
・メチルエチルケトン ・・・ 30重量部
・トルエン ・・・ 15重量部
・酢酸エチル ・・・ 15重量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート ・・・ 5重量部
、及び、下記組成の粘着剤溶液(2)
・アクリル系粘着剤(日本カーバイド社製「ニッセツPE−118」)・・・100重量部
・メチルエチルケトン ・・・ 30重量部
・トルエン ・・・ 15重量部
・酢酸エチル ・・・ 15重量部
を、図2に示すように、粘着剤溶液(1)により粘着剤層3′を、また、粘着剤溶液(2)により粘着剤層3″を、それぞれ交互に幅5mm、長さ20mmでストライプ状に、乾燥膜厚がそれぞれ15μmとなるようにパターン塗工した。これにシリコンセパレータB(東京セロファン(株)製「SP−PET02」膜厚50μm)をラミネートした。
【0085】
(ホログラム記録フィルムの作製)
ポリエチレンテレフタレートフイルム(PETフィルム:50μm)/ホログラム記録材料/ポリ塩化ビニルフィルムの積層体からなるホログラム記録フイルム(オムニデックス706;デュポン社製)にリップマンホログラムを、原版を散乱版として、488nmアルゴンレーザーで記録した。
【0086】
(ホログラム積層体の作製)
上記で得たホログラム記録フイルムのポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、また、上記で得たシリコンセパレータA/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからシリコンセパレータAを剥離して、両者をラミネートし、PETフイルム/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBを得た。
【0087】
この積層体からPETフイルムを剥離し、また、上記で得た透明保護フイルム/第2粘着剤層/シリコンセパレータのシリコンセパレータを剥離して両者をラミネートし、透明保護フイルム/第2粘着剤層/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからなる本発明の体積ホログラム積層体ラベルを得た。
【0088】
このラベルを140℃で15分加熱した。得られた体積ホログラム層から再生される像は、第1粘着剤層のパターンに応じ、青と緑のストライプパターンが得られた。
【0089】
(実施例2)
実施例1における、ホログラム記録フイルムにかえて、PETフィルム/ホログラム記録材料/PETフィルムからなるホログラム記録フイルム(オムニデックス706M;デュポン社製)に、476nm、532nmのそれぞれの波長を持ったレーザーを使用して、カラーリップマンホログラムを記録した。
【0090】
得られたホログラム記録フイルムを使用して、実施例1同様に、透明保護フイルム/第2粘着剤層/ホログラム記録材料/第1粘着剤層/シリコンセパレータBからなる本発明の体積ホログラム積層体ラベルを得た。
【0091】
このラベルを140℃で15分加熱した。得られた体積ホログラム層から再生される像は、第1粘着剤層のパターンに応じ、フルカラーのパターンが得られた。
【0092】
【発明の効果】
本発明の体積ホログラム積層体及び体積ホログラム積層体作製用ラベルは、単色露光により記録された体積ホログラム積層体をカラーホログラムとして再生できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の体積ホログラム積層体をその断面図で説明するための図である。
【図2】 粘着剤層の一パターン例を示す平面図である。
【図3】 粘着剤層におけるトリメチロールプロパントリアクリレート添加量と得られた体積ホログラム層における記録波長からの波長シフト量との関係を説明するための図である。
【図4】 粘着剤層における分子量を相違する各種のポリエチレングリコールの添加量と得られた体積ホログラム層における記録波長からの波長シフト量との関係を説明するための図である。
【図5】 粘着剤層における分子量を相違する各種のポリプロピレングリコール添加量と得られた体積ホログラム層における記録波長からの波長シフト量との関係を説明するための図である。
【図6】 本発明の体積ホログラム積層体作製用ラベルをその断面図で説明するための図である。
【符号の説明】
1は体積ホログラム積層体、2は基材、3は第1粘着剤層、4は第2粘着剤層、5は体積ホログラム層、6は表面保護フイルム、10は体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離シートである。

Claims (8)

  1. 基材上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層されると共に、該第1及び/又は第2粘着剤層が、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長をそれぞれ所望の再生波長に制御しうる2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層をそれぞれ体積ホログラム層に接して同一層内でパターン状に塗り分けることにより形成されたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
  2. 体積ホログラム層が、光重合可能な化合物からなり、ホログラム記録されたものであることを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム積層体。
  3. 2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層が、粘着剤層への記録波長シフト物質の添加の有無、または、その添加量の相違する組成とされ、また、該記録波長シフト物質が、体積ホログラム層を構成する光重合可能な化合物、可塑剤および界面活性剤、または、粘着付与剤、ポリアルキレングリコールの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の体積ホログラム積層体。
  4. 粘着剤層が、使用時に架橋剤を添加し架橋させる二液架橋型粘着剤であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
  5. 体積ホログラム層に記録されたホログラム記録が、単一波長のレーザー一種により記録された単色ホログラムであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
  6. 体積ホログラム層に記録されたホログラム記録が、単一波長のレーザー二種以上により記録されたカラーホログラムであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
  7. カラーフィルターに使用されるものであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つ記載の体積ホログラム積層体。
  8. 剥離シート上に、第1粘着剤層、体積ホログラム層、第2粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層されると共に、該第1及び/又は第2粘着剤層が、体積ホログラム層に記録されたホログラム記録の再生波長をそれぞれ所望の再生波長に制御しうる2種類以上の相違する組成を有する粘着剤層をそれぞれ体積ホログラム層に接して同一層内でパターン状に塗り分けることにより形成されたことを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
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