JP3649354B2 - ホログラム作製方法及びホログラム記録体 - Google Patents

ホログラム作製方法及びホログラム記録体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム作製方法及びホログラム記録体に関し、特に、同じホログラムを安定的に多数枚連続して作製可能なホログラム作製方法及び作製されたホログラム記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1つの被写体についてのホログラムを撮影するには、被写体、ホログラム記録感材、及び、レーザー光源の相対的な位置を正確に固定して撮影する必要がある。そして、同じホログラムを多数枚撮影するには、この手間のかかる相対的な位置決めを何度も繰り返して行わなければならず、時間と手数のかかる根気のいる作業であった。
【0003】
また、1つのホログラム原版を作製してそれから複製により同じホログラムを多数枚連続して複製する方法もあるが、用意された原版の被写体以外の種々の被写体あるいは異なる色のホログラムを多数枚複製することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、種々の被写体をブロック体内に固定して構成したホログラム撮影用被写体原版を用いて同じホログラムあるいは異なる照明光によって再生可能なホログラム等を簡単に安定して多数枚連続して撮影できるホログラム作製方法と作製されたホログラム記録体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のホログラム作製方法は、ホログラム撮影用被写体原版に感光材料フィルムを密着して、感光材料フィルム側から光を照射してホログラム記録を行うホログラム作製方法であって、感光材料の両面を支持体フィルムで挟んでなる感光材料フィルムを供給しながらその一面上の支持フィルムを剥離し、その剥離面をホログラム撮影用被写体原版に向けてその反対側から感光材料フィルムをローラーでしごきながら順次ホログラム撮影用被写体原版に張り付け、感光材料フィルム側から光を照射し、次いで、ホログラム撮影用被写体原版から張り付けられた感光材料フィルムをローラーで押さえながら一端から順次剥離し、剥離された感光材料フィルムの剥離面に保護フィルムを順次貼り付け、その後、感光材料フィルムを巻き取ることを特徴とする方法である。
【0006】
本発明のもう1つのホログラム作製方法は、ホログラム撮影用被写体原版に感光材料フィルムを密着して、感光材料フィルム側から光を照射してホログラム記録を行うホログラム作製方法であって、感光材料の両面を支持体フィルムで挟んでなる感光材料フィルムを供給しながらその一面上の支持フィルムを剥離し、その剥離面をホログラム撮影用被写体原版に向けてその反対側から感光材料フィルムをローラーでしごきながら順次ホログラム撮影用被写体原版に張り付け、感光材料フィルム側から光を照射し、次いで、ホログラム撮影用被写体原版から張り付けられた感光材料フィルムをローラーで押さえながら一端から順次剥離し、剥離された感光材料フィルムの剥離面に回折波長を広域化するカラーチューニングフィルムを順次貼り付け、その後、感光材料フィルムを巻き取ることを特徴とする方法である。
【0007】
これらの場合、ホログラム撮影用被写体原版は、透明な固体ブロックからなり、その中にホログラム撮影用の被写体が封入されているものである。
【0008】
このホログラム撮影用被写体原版は、固体ブロックの前面には透明な保護透明体が一体に設けられ、被写体の背面には、無色透明体、着色透明体あるいは黒色吸収体、反射鏡、散乱板、着色板又は模様板の何れかあるいはそれらの2つ以上を組み合わせたもの、又は、ホログラムが一体に設けられているものが望ましい。また、被写体としては、平面あるいは曲面ミラーであってもよい。
【0009】
また、上記の何れの方法においても、感光材料フィルム側から照射する光が複数の異なる波長の光からなっていてもよい。
【0010】
また、本発明のホログラム記録体は、1層以上の接着層又は粘着層及び1層以上の感光材料層からなり、両面を支持体フィルムで挟んでなる長尺の感光材料フィルムに、フィルム長手方向寸法が一定のホログラム記録領域が一定のコマ間間隔を置いて周期的に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
この場合、ホログラム記録領域に体積位相型ホログラムを記録することが好ましい。その際、少なくともホログラム記録領域において回折波長を広域化する処理を施してもよい。また、一方の面側の支持体フィルムが、感光材料層側から順に、着色されるか模様を有するフィルムと接着層又は粘着層と剥離可能なカバーフィルムとからなることが好ましい。
【0012】
本発明の別のホログラム記録体は、ホログラム観察側から順に、各層間に接着層又は粘着層を介するかあるいは直接に、保護フィルム、ホログラム記録層、着色されるか模様を有するフィルム、接着層又は粘着層、剥離可能なカバーフィルムが積層されてなることを特徴とするものである。
【0013】
この場合、このカバーフィルムを剥離して、その上の接着層又は粘着層にて印刷体上に貼着されているものも含まれる。
【0014】
また、ホログラム記録層に波長多重の体積位相型ホログラムが記録され、回折波長を広域化する処理が施されているものも含まれる。
【0015】
本発明のもう1つのホログラム記録体は、波長多重の体積位相型ホログラムが記録され、回折波長を広域化する処理が施されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明のホログラム作製方法においては、ホログラム撮影用被写体原版として、透明な固体ブロックからなり、その中にホログラム撮影用の被写体が封入されてなるものを用い、ホログラム撮影用被写体原版に感光材料フィルムを密着して、感光材料フィルム側から光を照射してホログラム記録を行うので、同一ホログラムを多数枚連続して簡単に安定して撮影することができる。また、感光材料フィルムの一面上の支持フィルムを剥離し、感光材料フィルムをローラーでしごきながら順次露出面でホログラム撮影用被写体原版に張り付け、露光後、張り付けられた感光材料フィルムをローラーで押さえながら一端から順次剥離するので、気泡等の抱き込みがなく、また、剥離に伴う剥離ムラが発生しない良質のホログラムが作製できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のホログラム作製方法及び作製されたホログラム記録体について、実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明に用いるホログラム撮影用被写体原版5の平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)を示し、基板ガラス21の上に接触あるいは離れて立体形状の被写体Sを配置し、その上に接触あるいは離れて保護ガラス22が基板ガラス21と平行に設けられ、基板ガラス21と保護ガラス22の間の被写体Sが占めていない空間を透明な充填剤23で満たされて、ブロック状のホログラム撮影用被写体原版5が構成されている。なお、ブロック5の形体は、直方体に限定されず、図示のように、撮影の際に、原版ホルダーに合うように、一部にテーパー25を有する突起等を設ける等の形状にしてもよく、また、保護ガラス22と基板ガラス21は平行になっていなくてもよい。
【0018】
被写体Sとしては、通常の立体物に限定されず、後記するように、平面、球面、非球面等の反射鏡でもよい。さらに、基板ガラス21の代わりに、レリーフタイプのホログラム、反射鏡、散乱板、着色板、模様板等種々のものを用いることができる。
【0019】
また、保護ガラス22の最表面から基板ガラス21の充填剤23側の面までの厚さは、被写体原版5を用いて撮影する光源(通常は、レーザー)の可干渉距離に依存する。具体的には、光源の可干渉距離の1/2以下にすることが必要である。また、その厚さが薄すぎると、機械的強度に問題が生じる。この厚さは、好ましくは、0.1mmから1000mm、より好ましくは、1mmから30mmである。撮影光源としては、干渉フィルターを透過した単色光源でも、干渉距離以内ならば撮影は可能であるが、可干渉距離の大きいレーザーが好ましい。特に、エタロンにより波長幅を選択したレーザーが好ましい。例えば、気体レーザーであるヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、液体レーザーである色素レーザー、固体レーザーであるYAGレーザー、YAG(1/2)レーザー、ルビーレーザー、半導体レーザー等が使用できる。
【0020】
図1のような形態において、基板ガラス21は、被写体原版5に十分な強度を付与するために設ける方が好ましいが、省くこともできる。また、基板ガラス21をガラスだけではなく金属性の基材と積層したものを用いることにより、被写体原版5の強度を向上させることができる。なお、ガラス基板21が黒色か着色していると、基板ガラス21内で光を吸収でき、撮影の際に基板ガラス21とそれを囲む空気との界面での内部反射による迷光を低減できる効果を得ることができる。
【0021】
保護ガラス22は、機械的強度が許す限り薄い方が好ましい。0.5〜3mmが一般的である。
充填剤23は、透明度が高く光の散乱が小さい(低ヘイズ)のものが好ましい。また、ガラス基板21及び被写体Sと接着性を有するものが耐久性の観点から好ましい。また、保護ガラス22と被写体Sを一体に合わせる際に介在させる物であるので、泡の抱き込みが少なく、かつ、凹凸面に充填しやすい粘性を持つものが好ましい。流動性が非常に良い接着剤を使用する場合には、硬化の際に被写体原版5としてブロック状の形体を保持させるために、周辺からの流出防止のために当て部材を設ける等の特別の工夫を要する。
【0022】
好ましい充填剤23の粘度は、1〜10000cps、更に好ましくは、100〜1000cpsである。充填剤23は、原版5を形成する際に硬化可能でかつ無溶剤のものではなくてはならない。これが仮に流動性のものであると、後記するホログラム撮影の際に、被写体Sとホログラム記録感材との間の位置関係が変動するため、実質的に有効な多数枚の同じホログラム記録が不可能であり、また、封入した後では溶剤を取り除くことが不可能なためである。充填剤23の硬化形式としては、熱硬化型、電離放射線硬化型、2液混合硬化型、熱溶融硬化型(ホットメルト)等が好ましい。
【0023】
充填剤23の材料としては、天然ゴム系、スチレン−ブタジエン系、ポリイソブチレン系、イソプレン系、天然ゴムラテックス系、スチレンブタジエンラテックス系(以上、ゴム系)、アクリル系、アクリルエマルジョン系(以上、アクリル系)、シリコーン系(以上、シリコーン系)、スチレン−イソプレンブロック共重合体系、スチレン−ブタジエンブロック共重合体系、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系(以上、ホットメルト系)等があげられる。
【0024】
被写体Sとしては、単色の被写体、カラーの被写体、ミラーの被写体があげられる。
1)単色の被写体、カラーの被写体
単色の被写体Sを用いるときは、撮影に用いるレーザーの波長と被写体Sの反射率及び記録するホログラム記録感材の感度から色再現性が決定される。カラーの被写体についても、同様である。ただし、被写体Sの反射率が低いと、参照光と物体光の強度比(RO比)が悪くなるため、ホログラム撮影には適さなくなる。好ましくは、各波長に対する反射率が3%〜100%、特に好ましくは、20%〜100%である。特にカラー記録の際は、使用する光源と被写体反射率及びホログラム記録感材の感度の関係が重要になる。具体的に、以下に記述する。R、G、Bの3色からなる被写体Sがあり、これを647nm、532nm、477nmの3つのレーザー光を用いて多重記録する場合を想定する。被写体Sの反射強度が各々につき、以下の通りとする。
【0025】
Figure 0003649354
この場合、記録光であるレーザーが647nmについて見れば、R部分については40%の反射率、G部分は10%、B部分は4%である。したがって、所望とするR部分以外にも、G部分、B部分もRO比が悪いが記録される可能性がある。これは何れの領域においてもクロストークとなり、色再現性劣化の原因となる。したがって、理想的には、記録レーザー波長以外の反射率が0%であることが好ましい。しかし、現実には、しきい値が存在するため、このしきい値以下であれば許容できる。また、RO比は1:1が最も好ましい。したがって、カラーの被写体の反射率の理想値を示せば、以下の通りになる。
【0026】
Figure 0003649354
逆に、被写体Sの反射率を利用して記録されるホログラムの色を制御することも可能である。また、記録するレーザーを選択し、各色の回折効率を制御することにより、中間色を持つフルカラーホログラムを作製することができる。
【0027】
さらに、特に重要なことであるが、後記する例えば図19のような光学系を用いて2つ又は3つの波長からなる多重光を形成し、その照明光で被写体Sを照明して多波長多重カラーリップマンホログラムを記録する場合であって、ホログラム記録後に後記のカラーチューニングを行って回折波長の半値幅を広げようとする場合に、中心波長も通常は長い方へシフトしてしまう。その場合は、最終的なホログラムの色は、撮影に用いるレーザーの波長と被写体Sの反射率、記録するホログラム記録感材の感度、及び、カラーチューニングによる波長シフトと波長の広がりから決定される。したがって、再現したい色とこれらのパラメータから撮影に用いる各波長での被写体Sの反射率が決められる。
【0028】
なお、被写体Sは保護ガラス22と平行に配置するだけでなく、傾斜を付けることも可能である。特に、撮影の際の照明光が被写体原版5に垂直でない場合、照明光に対して正面を向けるように傾斜を付けると、より鮮明なホログラムの記録ができる。
【0029】
2)ミラーの被写体(この場合をミラー原版と呼ぶ。)
ミラー原版も、被写体原版と同様に作製可能である。被写体Sとして配置するミラーとしては、平面ミラーが保護ガラス22と平行である場合、入射光角度と同一角度で反対側に反射する(リアサーフェスミラー原版)。
被写体Sとして配置する平面ミラーが保護ガラス22と平行でない場合、入射光角度と異なる角度で反対側に反射する(ウェッジミラー原版)。
【0030】
また、同軸あるいは軸外しの各種球面・非球面ミラー(楕円面、放物面、双曲面、軸対称曲面、軸非対称面(アナモルフィック面)等)を被写体Sとして被写体原版(ミラー原版)5中に封入してもよい。この封入するミラー及び位置、角度を適宜選んでミラー原版5を設計することにより、任意の所望の波面を再生するホログラム、任意の結像距離・結像倍率のホログラムを撮影することが可能となる。
【0031】
なお、ミラー被写体Sの表面に染料あるいは顔料を含む塗料を塗って色付けして、より変化に富んだ被写体Sとすることができる。この際も、上記のように、多波長多重カラーリップマンホログラムを最終的にカラーチューニングをする場合には、再現したい色と、撮影に用いる波長での被写体Sの反射率、記録するホログラム記録感材の感度、カラーチューニングによる波長シフトと波長の広がりから、撮影に用いる各波長での被写体Sの反射率が決められる。
【0032】
次に、図1のようなホログラム撮影用被写体原版5を用いてリップマンタイプのホログラム(デニシュウクホログラム)の撮影方法を図1(c)を参照にして説明する。被写体原版5の保護ガラス22側に感光材料フィルム1に直接貼り付け、感光材料フィルム1側からレーザー光7を照射すると、感光材料フィルム1を透過したレーザー光7は被写体Sを照明し、その被写体Sからの散乱光(被写体Sがミラーの場合は、反射光)8(物体光)が感光材料フィルム1に入射したレーザー光7(参照光)と感光材料フィルム1中で干渉して干渉縞を形成し、リップマンホログラムとして感光材料フィルム1中に記録される。これが、ホログラム撮影用被写体原版5を用いたホログラム撮影方法である。この方法は、従来のホログラム原版の複製方法と同様であり、同一ホログラムを多数枚連続して簡単に安定して撮影できる。また、参照光を構成するレーザー光7の方向、波長を変更しても同じ被写体Sに関する種々のホログラムを簡単に安定して撮影することもできる。
【0033】
そして、被写体原版5の基板ガラス21の代わりに、反射鏡、散乱板、着色板、模様板等種々のものを用いることにより、意匠性、芸術性に富んだホログラムを記録することができる。また、基板ガラス21の代わりに、立体物を記録したレリーフタイプのホログラムを用いることにより、そのホログラムから再生された立体物と被写体Sとの3次元的に重畳された3次元画像のホログラムを作製することもできる。
【0034】
このような従来のホログラム複製方法と同様の方法を採用して多数のホログラムを連続して作製する場合、原版5への感光材料フィルム1の密着、剥離を良好に行い、かつ、密着液を用いることによる問題、ゴミが密着界面に混入することによる問題等を解決しなけらばならない。そのために、本出願においては、本出願人による特願平6−171261号等で提案した方法及びシステムを採用することにする。以下、詳細に説明する。
【0035】
前記したように、図1のようなホログラム撮影用被写体原版5を用いてリップマンタイプのホログラムを撮影するには、図2(a)に示すように、感光材料フィルム1を被写体原版5上に屈折率がほぼ等しい光学密着液6を介在させて密着させ、感光材料フィルム1側からレーザー光7を入射させ、この光7と原版5からの散乱光8とを密着された感光材料フィルム1中で干渉させて行われるが、ホログラム記録用のフォトポリマー等からなる感光材料フィルム1は、通常、支持体フィルム3/感光材料2/支持体フィルム4の3層構成となっており、密着の際、微小なゴミ9が混入すると、ゴミ9付近を中心として光学密着液6の流動やゴミ9によるフィルム1の浮き上がりによって、記録欠陥が発生してしまう。
【0036】
そこで、原版5側の支持体フィルム3を剥離して、粘弾性体である感光材料層2を露出させ、図2(b)に示すように、この感光材料層2を直接原版5の上に張り合わせることにより、層2中にゴミ粒子9等を埋め込んで記録欠陥の発生を抑制することができる。
【0037】
もちろん、この際、支持体フィルム3、4上にあったゴミ粒子等は粘着ローラー等により取り除くことが望ましく、また、支持体フィルム3剥離時に発生する静電気によるゴミ粒子等の吸着を抑えるために、静電気除去装置(イオン風吹き付け、コロナ放電等)を付加することが望ましい。
【0038】
ところで、このように一方の支持体フィルム3を剥離した感光材料フィルム1を直接原版5上に張り合わせる際、気泡等のだき込みはそのまま記録欠陥となるので、ローラーで感光材料フィルム1を上からしごきながら順次密着させる。圧着させるローラー径及びフィルムのパスは、図3(a)に示すような系よりも、図3(b)に示しように、ローラー10の径がより小さく、フィルム1の巻き込み角θ、及び、被写体原版5とフィルム1との接触角θ′が大きな系の方が望ましい。すなわち、ローラー10の径は100mmφ以下の小口径のものが望ましく、好ましくは50mmφ程度のものがよい。その際、ローラー10のたわみが生じる場合があるので、更にその上から大口径のローラーで圧力を加えるとよい。また、フィルム1の巻き込み角θも90°以上が望ましく、ローラー10のプレス圧0.1kgf/cm2 以上、フィルム1の張力0.1kgf/cm以上と、ローラー10のプレス圧、フィルム1の張力も大きい方が望ましい。なお、図3において、ローラー10の被写体原版5との接触が平面になっているのは、ローラー10に圧力が加わってつぶれるためである。
【0039】
さて、上記のように、支持体フィルム3を剥離した感光材料フィルム1を原版5上に直接張り合わせる際の気泡等のだき込みを防ぐために、ローラー10で感光材料フィルム1を上からしごきながら順次密着させる場合、図4(a)に示すように、原版5全面上に感光材料フィルム1を密着させると、原版5の端縁5′に対応する感光材料フィルム1の位置に力が集中してキズが付き、好ましくない。そこで、同図(b)に示すように、原版5上の全面でなく、端縁5′を避けた中央領域にのみ感光材料フィルム1を上記のようにローラー10でしごきながら密着させる。そして、同図(b)に示すように、ローラー10のしごき方向の両端の密着していない感光材料フィルム1を原版5から持ち上げてその表面に対して微小な角度αをなすように保持する。このように感光材料フィルム1と原版5を張り付けると、気泡等のだき込みがなく、かつ、原版5の端縁5′に対応する位置にキズが付かない。なお、上記角度αは、感光材料フィルム1の感光材料層2の原版5に対する粘着力Fと感光材料フィルム1の張力fとによって、α<sin-1(f/F)と決まるが、通常、2〜10°の範囲に設定すると、感光材料フィルム1にキズが付かず、かつ、原版5撮影中に感光材料フィルム1が原版5から剥離することもない。
【0040】
また、レーザー光を照射して原版5の撮影をするときには、入射光の裏面反射等のノイズを除去する目的で、無反射コートガラス等を使用とすることが望ましい。この場合、図5に層構成を示すように、レーザー光7入射側から、無反射コートガラス11、光学密着液12、支持体フィルム4、感光材料2、被写体原版5の順の層構成で撮影を行うことが望ましい。ここで、支持体フィルム4は光吸収性フィルムもしくは無反射コートフィルムを用いるとよい。
【0041】
また、レーザー光7による撮影に先立って、紫外光のように感光材料2を感光させる電離放射線を、感光材料2の撮影すべき領域外に照射することにより、トリミング処理(撮影すべき領域外を充分感光させ、レーザー光7による感光性を失わせる。)を行う電離放射線マスキング装置を付加することが望ましい。具体的には、図6(a)に示すように、トリミングマスク14を感光材料フィルム1上に密着させて紫外光15で露光する密着露光と、図6(b)のように、トリミングマスク14を感光材料フィルム1から離して、紫外光源16からの発散光17等により投影する投影露光とがあるが、圧着ローラー10(図3)や無反射コートガラス11(図5)等のためのスペースを感光材料フィルム1上に用意する都合上、投影露光の方が有利である。
【0042】
なお、以上のようなレーザー光7によるホログラム撮影後、原版5から記録フィルム1を剥離する際、記録フィルム1の粘着性を低下させるための電離放射線露光照射装置が必要である。これは、前工程の電離放射線マスキング装置からトリミングマスク14を取り外して、紫外光15又は17のみを使用するようにすればよい。なお、原版5自身の粘着性も低下させるため、原版5の記録フィルム1が密着する表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等で予め離型処理をしておくことが望ましい。
【0043】
ところで、原版5から記録フィルム1を剥離する方法として、単にその一端を上側へ引き上げたのでは、面内に剥離の速度差が生じ、剥離が止まるか遅い位置で剥離前線に沿ってスジ等の剥離ムラが発生してしまい、折角良好になされた記録に欠陥が生じる。すなわち、図7(a)に示すように、記録フィルム1の一端から上側へ引き上げると、最初は図の▲1▼の位置まで急激に剥離され、その位置で剥離が一旦止まり、次に、今度は図の▲2▼の位置まで急激に剥離される。このような連続的でない剥離が行われると、この場合、▲1▼及び▲2▼の位置の記録フィルム1にスジが付いてしまう。これを抑えるためには、図7(b)に示すように、圧着時(図3)と同様に、ローラー18で記録フィルム1を押さえながら順次剥離するのが望ましい。この場合も、ローラー18の径は細い方が好ましく、圧着時に使用したローラー10を逆回転で剥離用ローラー18として用いてもよい。
【0044】
このようにして剥離した記録フィルム1は感光材料2面が露出しているので、これを巻き取るには、感光材料2面側に保護シートを貼り合わせる必要がある。そのためには、図7(b)に示すように、一面に接着層又は粘着層を有する保護フィルム20をローラー18と反対に回転するローラー19を経て剥離された記録フィルム1にその接着層又は粘着層を向けて貼り付けるようにする。この場合、記録フィルム1に保護フィルム20を貼り合わせた後、その接着力を上げるために電離放射線処理を必要とする場合があり、そのような場合は、電離放射線照射装置を設ける必要がある。なお、保護フィルム20を離型性の高いものとすることにより、記録フィルム1をシールタイプにすることができる。
【0045】
ところで、原版5を撮影するのに、フィルム1としては通常長尺のものを使用し、これを原版5上に間欠的に1コマの寸法にコマ間距離分加えた長さだけ送り出しながら、複数の周期的な記録を行う。すなわち、図8に示すように、記録フィルム1には、フィルム長手方向寸法aのホログラム記録領域Aがコマ間間隔bを置いて周期的に撮影される。このような間欠送りによって原版5を撮影する場合、露光前後のフィルム1は何らかのニップローラー(ローラー対)によって搬送されるのが通常であるが、原版5を撮影する際、フィルム1の送りが停止され、その間、フィルム1のニップローラー停止位置にローラーの圧力が加わり続け、スジ状の凹みができる。この凹みがホログラム領域Aに対応した位置にできるとキズになり、好ましくない。
【0046】
そこで、図9に示すように、露光前後のニップローラーR、R’の原版5中心線からフィルムパスに沿う距離x、x’を次の関係を満たすように、露光前後の全てのニップローラーR、R’の位置を設定すれば、撮影中のフィルム1の送り停止に伴うスジ状の凹みがホログラム領域A間のコマ間間隔に位置することになり、ホログラム領域Aを切り出したときの製品に何ら悪影響がなくなる。なお、上記コマ間間隔bは、ニップローラーR、R’のニップ幅(スジ状の凹みの幅)より大きくなるように選択すべきことは当然である。
n(a+b)+a/2<x,x’<n(a+b)+a/2+b
ただし、nはゼロ又は正の整数である。
【0047】
ところで、図5のように、入射光の裏面反射等のノイズを除去するために、フィルム1のレーザー光7入射側に、光学密着液(屈折率整合液)12を介して無反射コートガラス11を密着させる。この屈折率整合液12がフィルム1の長手方向に広がって付着したままフィルム送り方向に進むと、屈折率整合液12としては、通常、キシレン、アイソパー、カーゲル標準屈折液等の溶媒性のものが用いられるため、NBR系材質、IIRゴム系材質等の材質からなる搬送ローラーに転移して、その形状の変化、寸法の変化、硬度の変化を生起させ、フィルム1にニップ跡が残る等の不具合が生じることになるので、これを防止しなければならない。また、フィルム1の裏面の感光材料層2にこのような屈折率整合液12が回り込むと、感光材料2を傷めるので、これも同様に防止しなければならない。
【0048】
これらを防止するために、図10(a)にフィルム進行方向に沿う断面図、同図(b)にフィルム横断方向に沿う断面図、同図(c)に平面図を示すように、無反射コートガラス11をフィルム1に押し付ける前に、まず、原版5の両端近傍で有効記録領域外の原版5に密着しているフィルム1上に、フィルム進行方向へ広がる屈折率整合液12を止める障壁部材60、60を軽く押し付ける。また、フィルム1の密着側の感光材料層2に屈折率整合液12が回り込むのを防止するために、原版5のフィルム進行方向の両側面に沿ってその表面に溝61、61を設け、原版5の両側面と溝61、61の間に土手部62、62を形成しておき、フィルム1の両側縁が土手部62、62上に位置するようにする。このようにすると、屈折率整合液供給管63から滴下された屈折率整合液12が溢れてフィルム1の感光材料層2に回り込もうとしも、土手部62で阻止され、これを乗り越えても、溝61に落ち込み、有効記録領域の感光材料2には達せず、感光材料2を傷めることはなくなる。
【0049】
なお、フィルム進行方向へ屈折率整合液12が広がるのを止める障壁部材60、60については、図4(b)のように、有効記録領域外のフィルム1を上へ傾斜させる場合は、省くことができる。
【0050】
ところで、このような屈折率整合液12の広がり、回り込み防止策をとったフィルム1上に屈折率整合液12を滴下するのに、図10(c)に明確に示したように、例えば、先端が2本以上に枝分かれしていて複数の穴から同時に屈折率整合液12を滴下できる屈折率整合液供給管63を用いると、滴下時間が短く効率良く均等に屈折率整合液12を滴下できるので、望ましい。
【0051】
次に、原版5記録後に、フィルム1から無反射コートガラス11を取り除き、そのままフィルム1を巻き取りすると、残った屈折率整合液12が上記と同様に搬送ローラーを傷め、感光材料2を駄目にし、また、製品としても液体の屈折率整合液12が付着していることは望ましくない。また、フィルム1から上方へ引き離した無反射コートガラス11に屈折率整合液12が付着し、これが原版5上に落下したり、フィルム1の不所望の位置に落下することも防止しなければならない。そこで、まず、無反射コートガラス11のフィルム1密着面を予めフッ素系撥水処理剤、シリコーン系撥水処理剤等で予め撥水処理をしておく。
【0052】
そして、フィルム1上に残った屈折率整合液12は、図11に示すように、矢印で示すぬぐう方向に凹状(弓形)の湾曲形状に形成されているスキージ(ワイパー)64でぬぐい取るようにすることが望ましい。この代わりに、スポンジを接触させて吸収してもよく、また、エアードクターでかき落としてもよい。そして、さらに残存する屈折率整合液12を乾燥させることが望ましい。
【0053】
以下、上記のホログラム撮影方法を実施するシステムの1具体例について説明する。
図12(a)に示すようなホログラム記録装置に図1のような被写体原版35を組み込む。この装置において、撮影用感光材料フィルム1として、同図(b)▲1▼に断面を示すように、支持体フィルム3/感光材料2/支持体フィルム4の3層構成のOmnidex−706ホログラフィック記録フィルムを用いる。また、保護フィルム50として、同図(b)▲3▼に断面を示すように、50μm厚PET(ポリエチレンテレフタレート)51/1μm厚光学接着剤(米国ノーランド社製NOA−61)52/50μm厚PET53からなる保護フィルムを用いる。
【0054】
この装置の構成を作用と共に説明すると、まず、撮影用感光材料フィルム1がセットされた巻き出しローラー31から送り出されたフィルム1は、粘着ローラーからなるクリーニングユニット44を通ってクリーニングされ、貼り付け・剥離ヘッド32中の剥離ローラー45により片面の支持体フィルム3を剥離する。剥離された支持体フィルム3は巻き取りローラー33で巻き取られる。一方、感光材料2面の露出したフィルム1は、後記するような貼り付け・剥離ヘッド32の図の右から左への移動及び被写体原版35の上昇・下降により、原版35の中央領域上にラミネートされる。このとき、感光材料フィルム1の原版35両端での持ち上げ角度α(図4(b))が2〜10°程度になるように、貼り付け・剥離ヘッド32の停止位置、被写体原版35の上昇・下降タイミング、ガイドローラー37の位置を設定する。
【0055】
次に、フィルム1でラミネートされた原版35上に、図10に示すような障壁部材60、60を横から原版35上方に差し込んで、原版35(5)の両端近傍で有効記録領域外に密着しているフィルム1上に軽く押し付ける。そして、図10(c)に示すような、例えば先端が2本以上に枝分かれしていて複数の穴から同時に屈折率整合液(インデックスマッチング液)を滴下できる屈折率整合液供給管63を横から原版35上方に差し込み、屈折率整合液としてキシレンを原版35に張り付けられたフィルム1上に適量滴下し、その後、屈折率整合液供給管63を退避させてから、泡を抱き込まないように注意深く無反射コートガラス34(11)をその上に被せる。無反射コートガラス34の被せ方については、後でさらに詳細に説明する。なお、無反射コートガラス34の屈折率整合液接触面は予めフッ素系撥水処理剤、シリコーン系撥水処理剤等で撥水処理されている。
【0056】
その後、図示しない超高圧水銀灯からの紫外光48をクロムトリミングマスク36を通して投影露光することにより、感光材料2のラミネート領域の中心部のみを遮光し、それ以外の周囲部分に30mJ/cm2 の量で露光して感光性を失わせ、トリミング(マスキング)を行う。
【0057】
次に、Arレーザー光47をフィルム1側から原版35に照射し(照射量:30mJ/cm2 )て被写体の撮影を行う。
上記露光後、無反射コートガラス34をフィルム1から剥離し、その間に、図11に示したように、矢印のぬぐい方向に凹状(弓形)に湾曲しているスキージ(ワイパー)64を差し込み、フィルム1上に軽く押し付けて矢印方向に拭うことにより屈折率整合液をクリーニングし、さらに残存する屈折率整合液を加熱空気で乾燥させる。
【0058】
次に、後記するような貼り付け・剥離ヘッド32の今度は図の左から右への移動及び被写体原版35の上昇・下降により、記録フィルム1を剥離し、フィルム1を1コマ分足すコマ間隔分の長さ送り出す。そのとき、記録フィルム1の感光材料2面側に、接着層52付き保護フィルム50をラミネートローラー38で貼り合わせる。この際、巻き出しローラー40から供給される保護フィルム50のカバーシート51(50μm厚PET)は、剥離ローラー39で剥離され、巻き取りローラー41に巻き取られる。
【0059】
保護フィルム50を貼り合わせた記録フィルム1は、紫外線照射器42に入り、超高圧水銀灯からの紫外光を100mJ/cm2 の量露光された後、巻き取りローラー43に巻き取られる。なお、剥離ローラー45及び39で発生する静電気を除去するために、それぞれの位置に帯電防止装置が取り付けられている。
【0060】
なお、上記の各ニップローラー45、38の原版35中心線からフィルム1のパスに沿う距離xは、図9の関係に従って、
n(a+b)+a/2<x<n(a+b)+a/2+b
の関係を満たすように設定される。ここで、aは1回の撮影で形成されるホログラム記録領域のフィルム1進行方向の寸法(1コマの寸法)、bは各ホログラム記録領域間のフィルム1進行方向の間隔、nはゼロ又は正の整数である。このような関係を満足させることができるように、各ニップローラー45、38は、フィルム1のパスに沿う方向に位置調節可能に構成されている。
【0061】
このような装置において、図12(a)の▲1▼〜▲5▼における感光材料フィルム1、保護フィルム50及びそれらを貼り合わせた状態の層構成は、同図(b)のようになっている。なお、シートにカットした最終製品のカバーシート53を剥離することにより、ホログラムシールとして物品に接着することができる。
【0062】
さて、図13〜図15を参照にして、上記の貼り付け・剥離ヘッド32の移動及び被写体原版35の上昇・下降により、記録フィルム1を被写体原版35にラミネートし、剥離する動作を詳しく説明する。貼り付け・剥離ヘッド32には、剥離ローラー45と貼り付け・剥離共用ローラー46とが取り付けられており、剥離ローラー45を経て撮影用感光材料フィルム1は支持体フィルム3と感光材料2/支持体フィルム4(以後、フィルム▲2▼と言う。)に分離され、フィルム▲2▼は貼り付け・剥離共用ローラー46を経てガイドローラー37へ導かれる。この貼り付け・剥離共用ローラー46とガイドローラー37の間のフィルム▲2▼が原版35にラミネートされ、撮影記録され、原版35から剥離される。そして、貼り付け・剥離ヘッド32には、図の左右に移動させる不図示のヘッド左右移動機構が設けてあり、また、被写体原版35は不図示の原版上下移動機構上に取り付けられる。
【0063】
まず、図13(1)に示すように、原版35にフィルム▲2▼をラミネートするために、原版35は下降位置に位置させ、その原版35を外れた右上方に貼り付け・剥離ヘッド32を移動させる。
【0064】
次いで、図13(2)に示すように、フィルム1とフィルム▲2▼を固定し(巻き出しローラー31、巻き取りローラー43を固定し)た状態で、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の右端縁を通過した位置に来るまで貼り付け・剥離ヘッド32を左側へ移動する。その際、支持体フィルム3は貼り付け・剥離ヘッド32の移動速度の2倍の速度で巻き取る。
【0065】
そして、図13(3)に示すように、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の右端縁を通過し原版35の上に位置する状態で、原版35を上昇させ、貼り付け・剥離共用ローラー46に押し付ける。そして、貼り付け・剥離共用ローラー46を押し付けた状態で貼り付け・剥離ヘッド32を左側へ移動し続け、フィルム▲2▼の原版35へのラミネートを開始する。
【0066】
図13(4)に示すように、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の左端縁に達する直前まで貼り付け・剥離ヘッド32を左側へ移動し、フィルム▲2▼の原版35へのラミネートを完了する。
【0067】
その後、図14(5)に示すように、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の左端縁直前位置にある状態で、原版35を下降させ、貼り付け・剥離共用ローラー46を原版35から離す。
【0068】
その後、図14(6)に示すように、貼り付け・剥離ヘッド32をさらに左側へ移動させ、貼り付け・剥離ヘッド32が原版35を外れた左上方に来るようにし、その位置で貼り付け・剥離ヘッド32の移動を停止する。この状態においては、フィルム▲2▼は図4(b)に示すように、原版35上の全面でなく、両端を避けた中央領域にのみラミネートされ、両端の密着していないフィルム▲2▼を原版35から持ち上げてその表面に対して微小な角度αをなすように保持される。この角度αは、上記のように、2〜10°程度にされる。
【0069】
次に、図14(7)において、上記のように、屈折率整合液を介して無反射コートガラス34を被せ、トリミングを行い、原版35の撮影露光を行い、無反射コートガラス34を剥離し、屈折率整合液をクリーニング・乾燥させる。
【0070】
その後、今度は上記(1)〜(6)の逆の工程を経て、原版35からフィルム▲2▼を剥離する。すなわち、図14(8)に示すように、貼り付け・剥離ヘッド32を右側へ移動させ、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の左端縁を通過し原版35の上に位置する状態に持ってくる。この際、フィルム1とフィルム▲2▼は固定したままで、支持体フィルム3は、今度は貼り付け・剥離ヘッド32の移動速度の2倍の速度で送り出す。
【0071】
次に、図14(9)に示すように、その状態で原版35を上昇させ、貼り付け・剥離共用ローラー46に押し付ける。そして、貼り付け・剥離共用ローラー46を押し付けた状態で貼り付け・剥離ヘッド32を右側へ移動し続け、フィルム▲2▼の原版35からの剥離を開始する。
【0072】
図15(10)に示すように、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の右端縁に達する直前まで貼り付け・剥離ヘッド32を右側へ移動し、フィルム▲2▼の原版35からの剥離を完了する。
【0073】
次いで、図15(11)に示すように、貼り付け・剥離共用ローラー46が原版35の右端縁直前位置にある状態で、原版35を下降させ、貼り付け・剥離共用ローラー46を原版35から離す。
【0074】
最後に、図15(12)に示すように、貼り付け・剥離ヘッド32をさらに右側へ移動させ、貼り付け・剥離ヘッド32が原版35を外れた右上方に来るようにし、その位置で貼り付け・剥離ヘッド32の移動を停止する。そして、この状態において、巻き出しローラー31からフィルム1を1コマとコマ間間隔の寸法(図8の(a+b))だけ送り出し、フィルム3、フィルム▲2▼を同じ距離だけ、巻き取りローラー33、43で巻き取る。
そして、図13(1)の工程に戻り、次の撮影を行う。
【0075】
以上は、感光材料フィルム1を被写体原版35にラミネートし、剥離する工程の説明であったが、次に、原版35に貼り付けられたフィルム1上に屈折率整合液を滴下して、泡を抱き込まないように無反射コートガラス34をその上に被せる方法について、図16〜図17を参照にして詳しく説明する。
【0076】
図16(1)に示すように、無反射コートガラス34には、これを上下させる無反射コートガラス上下移動機構66が取り付けられている。具体的には、図の場合、無反射コートガラス34の四隅にエアーシリンダーによって独立に上下できるロッド67がユニバーサルジョイント68を介して取り付けられている。原版35上に撮影用感光材料フィルム1(厳密には、図12(b)の▲2▼の状態のフィルム1)をラミネートするとき、無反射コートガラス上下移動機構66は原版35上から退避されており、フィルム1のラミネートが完了すると、無反射コートガラス上下移動機構66は原版35面上に移動する。この状態で、無反射コートガラス34は上昇位置に保持される。そして、屈折率整合液供給管63を横から原版35上方に差し込み、屈折率整合液12を原版35に張り付けられたフィルム1面上に適量滴下し、その後、屈折率整合液供給管63を退避させる。
【0077】
次に、図16(2)に示すように、無反射コートガラス上下移動機構66を動作させ、まず、無反射コートガラス34の一隅のみがラミネートされたフィルム1に接触するように無反射コートガラス34をゆっくり下降させる。このとき、この位置には、先の屈折率整合液が滴下されている。これは、一度に無反射コートガラス34全体が下降すると、屈折率整合液12中に気泡を抱き込んでしまい撮影記録欠陥となるのを防ぐためである。
【0078】
次いで、図17(3)に示すように、無反射コートガラス34の隣接する他の一隅をゆっくり下降させ、接触が1点接触から1辺接触となるようにする。
【0079】
その後、図17(4)に示すように、屈折率整合液12をフィルム1の幅方向へ展開させるように、接触していない残り2隅の中の1隅をゆっくり下降させて接触させる。このとき、無反射コートガラス34は3次元的に撓むことになるが、その歪量は、無反射コートガラス34及びその支持枠の弾性の許す範囲内のわずかな量で充分である。具体的には、300mm×400mm×5mmの無反射コートガラス34で撓み量は1〜2mm程度である。
【0080】
最後に、図17(5)に示すように、残った1隅を接触させ、気泡を抱き込まずに、原版/感光材料フィルム/屈折率整合液/無反射コートガラスの順に積層させて、撮影露光用積層体を完成させる。
【0081】
以上のような構成のホログラム記録装置を用いると、ゴミ、気泡等の異物による記録欠陥の発生がなく、また、剥離ムラのない良好なホログラムを連続的に効率よく作製することができる。
【0082】
なお、被写体原版35から3つのレーザー光を用いて多重記録するには、図12の配置において、撮影時にレーザー光47の波長を順に交換してあるいは異なる波長の光を同時にフィルム1側から原版35に照射すればよい。
【0083】
ところで、図12の配置の場合、被写体原版35中には1つのシーンを構成する被写体が配置され、感光材料フィルム1には1つずつ順にホログラム領域A(図8)を形成して行く例であったが、被写体原版35として図18に示すように、被写体が複数個S1〜S4並列されているものを用い、それに対応した数のコマ(ホログラム領域A)だけ1回の撮影で同時に多面付けして記録するようにすることもできる。その場合、原版35照明用のレーザー光47としては、その複数の被写体S1〜S4を全てカバーする断面の大きなビームを用いてもよいが、その場合は中心の光強度が強く各ホログラム領域Aに均一の露光が行い難いので、その多面付けの数に分けたレーザー光471〜474を用い、各ホログラム領域A毎に別のレーザー光471〜474で照明するようにするのが望ましい。
【0084】
図19は、このような複数の照明用レーザー光471〜474を各々3つの波長のレーザーからの多重光で形成し、3原色多重のフルカラーリップマンホログラムを多面付けで記録する際に用いる照明光学系の1例を示す光路図であり、3つの波長のレーザーを用いている。すなわち、R用光源としてKrレーザー71(647nm)を、G用光源としてArレーザー74を励起用レーザーとした色素レーザー72(550nm)を、B用光源としてArレーザー73(477nm)を用い、これらからのレーザー光をそれぞれ可変ビームスプリッター75〜77を介し、その後1つの光路に合成するために、全反射ミラー78及びダイクロイックミラー79、80を用いている。図示の配置の場合、ダイクロイックミラー79は裏面に無反射コートを施した赤色狭帯域ミラーであり、ダイクロイックミラー80は裏面に無反射コートを施した波長500nm以上の光のみを選択的に透過するミラーであるが、レーザー71〜73の配置は図示のものに限定されず変更可能であり、その場合、全反射ミラー78、ダイクロイックミラー79、80の配置及び反射帯域は変更する必要がある。なお、図示の符号81は遮光板であり、可変ビームスプリッター75〜77で分けられ不要になった光を吸収して迷光にならないようにするためのものである。
【0085】
ダイクロイックミラー79、80で1つの光路に合成された光は、全反射ミラー82で反射された後、ビームスプリッター83で2つに分割され、それぞれの光は更にビームスプリッター84、85でさらに2つに分割され、合計4本の光はスペーシャルフィルター89〜92を経てそれぞれの被写体S1〜S4の領域を照明するレーザー光471〜474となる。なお、全反射ミラー86〜88は分割された光をそれぞれ所定位置に導くためのものである。
【0086】
さて、図12の場合、原版35から剥離された記録フィルム1の感光材料2を保護するのに、図12(b)に▲3▼で断面が示されている保護フィルム50を用い、そのカバーシート51を剥離して接着層52で感光材料2に貼り付けてPETからなるカバーシート53で保護し、最終製品においてこのカバーシート53を剥離することにより、ホログラムシールとして物品に接着するようにしていた。この代わりに、保護フィルムとして図20に断面を示すような層構成の保護フィルム50′を用いることもできる。すなわち、図12(b)▲3▼の3層構造の代わりに5層構成のものを用いている。図20において、51、53は図12(b)の場合と同様、PET等からなるカバーシートであり、それらの間に、接着層55、56を介してPET等からなる黒色シート54が挟持されている。したがって、このような保護フィルム50′を用い、カバーシート51を剥離ローラー39で剥離して、原版35から剥離された記録フィルム1の感光材料2側にラミネートローラー38で貼り合わせると、図12(a)の▲5▼の位置では、図21のような断面の保護フィルム50′を貼り合わせたホログラム記録フィルム1が得られ、紫外線照射器42で紫外光が露光された後、巻き取りローラー43に巻き取られる。
【0087】
このように、ホログラム層2の下側に黒色シート54が配置されていると、ホログラムの背景が黒くなり、ホログラムをシール等として用いる場合、記録されている画像が鮮明に見え、表示効果が高まる。また、この黒色シート54の代わりに、各種着色シート、絵柄のあるシート(例えば、スクリーントーン)等を用いると、より意匠効果の高いものとなる。なお、この中間のシートの代わりに、接着層52自身を黒色のものあるいは着色されたものとしても、ある程度同様の効果を得ることができる。また、この中間のシートあるいは着色された接着層52は、ある程度の透視性がある方が奥行きを感じさせ立体的に見える。
【0088】
ところで、記録フィルム1に後処理として紫外線照射器42で紫外光を照射すると、感光材料2への支持体フィルム4の接着力が減少し、図12(b)の▲5▼の状態あるいは上記図21の状態において、支持体フィルム4が剥がれやすくなる。例えば、記録フィルム1を最終製品として後記するような転写シールとして用いる場合、支持体フィルム4が容易に剥がれることは好ましくない。そこで、そのような場合、支持体フィルム4を剥離して、その代わりに別に用意した保護シートを貼り付けるようにすることが望ましい。図22はそのような保護シートの断面図であり、保護シート101と接着層103とカバーシート102からなり、カバーシート102を剥離し、接着層103の面で支持体フィルム4が剥離された感光材料2の面に保護シート101が貼り付けられる。この場合、保護シート101を貼り代えた後、必要に応じて加熱処理する。なお、この保護シート101としては、透明なものに限らず、各種着色シート、絵柄のあるシート等を用いても意匠性を向上させる上で好ましい。また、保護機能をより高めるためにハードコート性材料のシートを用いてもよい。
【0089】
図23は、感光材料2の下側が上記図20の保護フィルム50′で保護され、感光材料2の上側の支持体フィルム4が剥離されて上記図22の保護シート101で保護された場合の全体のホログラム記録フィルム1の層構成を示すものである。このようなホログラム記録フィルム1を適当な大きさにカットして転写シールとして用いることができる。図24は図23の層構成の転写シール104を各種基材105、例えば、本、パンフレット、カード等の表面へ貼り付けた状態を示しており、カバーシート53を剥離紙として接着層56から剥がし、接着層56で本、パンフレット、カード等の基材105表面に貼り付ける。
【0090】
さて、以上のホログラム作製方法では、感光材料2中でレーザー光7、47と原版5、35からの散乱光8とを干渉させて反射型のリップマンホログラムを記録して転写シール等の最終製品にすることを考えていたが、このようなホログラムの回折波長特性は狭いものである。そこで、次に、干渉記録後のホログラムにカラーチューニングの手法を採用して回折波長の半値幅を広げてより明るいホログラムとすることを考える。
【0091】
カラーチューニングは、ホログラムが記録されたフォトポリマー等の感光材料2にカラーチューニングフィルムを密着させて加熱することにより、感光材料2中にモノマー、可塑剤等を拡散させて回折波長を広域化する技術であり(特開平3−46687号)、回折波長の半値幅が増加するので、カラーチューニング後のリップマンホログラムを白色光で照明すると、回折光が増加し、輝度が向上するものである。
【0092】
そこで、本発明においては、例えば図12の保護フィルム50の代わりに略同じ層構成のカラーチューニングフィルムを用いて感光材料2に貼り付ける。その場合は、層52が接着層の代わりにカラーチューニングフィルム層になる。あるいは、図12の▲4▼の断面において、接着層52の露出面上にカラーチューニングフィルム層がさらに積層されているものを感光材料2に貼り付けるようにしてもよい。そして、紫外線照射器42の上流に加熱装置を配置する。なお、カラーチューニングフィルムを貼り付ける前にも感光材料2に紫外線を照射してカラーチューニングに伴う干渉縞の乱れを小さくするようにしてもよい。このような構成の変更によって、感光材料2中に記録されたホログラムの回折波長の半値幅を広げて明るいホログラムとすることができるが、後記の具体例でも明らかなように、カラーチューニングに伴って中心回折波長が通常は長い波長側にシフトしてしまう(短い波長側にシフトすることもある。)。そこで、前記したように、被写体原版5を作製する場合に、この波長シフト分を考慮して被写体Sの色付けをしておかなければ、希望通りの色再現性を得ることができない。このことは、特に3原色多重のフルカラーリップマンホログラムを作製する場合に重要なことで、各原色の中心波長における波長シフト分を補償するような中心波長を有する色の塗料を各原色用に用いればよいことになる。
【0093】
次に、図12のような配置でホログラムを作製し、かつ、上記のような変更を施してカラーチューニングを行って得たホログラムの具体例を説明する。
パターニングされたアルミニウム板にニッケルメッキを施し、さらに青色塗料(田宮模型(株)エナメル塗料クリアーブルー,X−23)と緑色塗料(田宮模型(株)エナメル塗料クリアーグリーン,X−25)で色付けをした。これら色付けをしたアルミニウム板をガラス板で構成した箱の中に透明シリコーン系充填剤で封入してホログラム撮影用被写体原版を作製した。これを被写体原版とし、片面にPVCフィルム、他面にPETフィルムが貼られたホログラム感材(デュポン社:オムニデックス706 感光層の厚さ20μm)のPVCフィルムを剥離し、その剥離面を被写体原版に向けてその反対側からホログラム感材をローラーでしごきながら被写体原版に張り付け、ホログラム感材側から波長458nm、514nmのレーザー光を同時に照明してホログラム記録を行った。次いで、被写体原版から張り付けられたホログラム感材をローラーで押さえながら一端から順次剥離し、剥離された感光層に、再生波長を長波長に移行させかつ半値幅を広域化させるカラーチューニングフィルム(デュポン社:GA2RED 厚さ20μm)を張り付け、15分間140℃の加熱処理を行って、中心再生波長が約80nm長波長側に移行してそれぞれ黄緑色とオレンジ色を呈し、半値幅が20〜30nm広域化して40〜50nmとなったホログラムを得た。このときの明るさ(回折効率ピークの面積)は、カラーチューニングを行わない場合の約1.5倍になった。ここで特徴的なことは、被写体に塗る塗料は、最終的なホログラムの色ではなく、撮影に使用するレーザーの色で選ばれたことである。図25に、この場合の青色塗料塗布部に対応する部分のカラーチューニングを行ったものと行わなかったものの回折効率を示す図を示す。
【0094】
なお、従来、本発明のように波長多重化されたリップマンホログラムをカラーチューニングにより回折波長を広域化することは考えられていなかったが、カラーチューニングを行ったものであるか否かを見分ける方法としては、次の3つの方法がある。
第1の方法は、ホログラム記録層に積層されたカラーチューニングフィルムが一体に残っている場合で、この場合はカラーチューニングを行ったものか否かは簡単に見分けられる。
【0095】
第2、第3の方法は、カラーチューニングフィルムが一体に残っていない場合でも見分けられる方法であり、その中、第2の方法は、回折効率スペクトルを測定してコゲルニクの理論式("The Bell System Technical Journal”48(9)1969,pp.2909-2947、特に、p.2932のロスのない誘電体格子の回折効率の理論式)にフィッティングできるか否かを調べ、フィッティングできればカラーチューニングを行っていないと見分けられる。
第3の方法は、ホログラム断面を電子顕微鏡で観察し、ピッチが膜厚方向で順次広がるかあるいは狭まっている場合はカラーチューニングを行っていると見分ける方法である。
【0096】
以上、本発明のホログラム作製方法及びホログラム記録体をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のホログラム作製方法によると、ホログラム撮影用被写体原版として、透明な固体ブロックからなり、その中にホログラム撮影用の被写体が封入されてなるものを用い、ホログラム撮影用被写体原版に感光材料フィルムを密着して、感光材料フィルム側から光を照射してホログラム記録を行うので、同一ホログラムを多数枚連続して簡単に安定して撮影することができる。また、感光材料フィルムの一面上の支持フィルムを剥離し、感光材料フィルムをローラーでしごきながら順次露出面でホログラム撮影用被写体原版に張り付け、露光後、張り付けられた感光材料フィルムをローラーで押さえながら一端から順次剥離するので、気泡等の抱き込みがなく、また、剥離に伴う剥離ムラが発生しない良質のホログラムが作製できる。
【0098】
また、本発明によるホログラム記録体は、極めて意匠性に富み、転写シート等として用いることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるホログラム撮影用被写体原版の3面図である。
【図2】本発明のホログラム作製方法を説明するための図である。
【図3】本発明に基づくフィルムラミネート方法を説明するための図である。
【図4】ラミネートされたフィルムに被写体原版端縁でキズが付く様子及びそれを防ぐ方法を説明するための図である。
【図5】ホログラム作製の際の層構成を示す図である。
【図6】ホログラム作製におけるトリミング処理方法を説明するための図である。
【図7】本発明に基づくフィルム剥離方法を説明するための図である。
【図8】撮影されたフィルムのホログラム記録領域の配置を示す図である。
【図9】露光前後のニップローラーの配置位置を説明するための図である。
【図10】フィルム上に屈折率整合液を滴下するための構成と屈折率整合液が広がり裏面へ回り込むのを防止する構成を説明するための図である。
【図11】屈折率整合液をぬぐい取るための構成を説明するための図である。
【図12】本発明の1実施例におけるホログラム作製装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の1実施例における感光材料フィルムの被写体原版へのラミネート・剥離工程を説明するための一部の工程図である。
【図14】図13の工程に続く別の部分の工程図である。
【図15】図14の工程に続く残りの工程図である。
【図16】ラミネートした感光材料フィルム上に無反射コートガラスを被せる方法を説明するための一部の工程図である。
【図17】図16の工程に続く残りの工程図である。
【図18】本発明で用いる他の例のホログラム撮影用被写体原版の3面図である。
【図19】本発明において用いる照明光学系の1例を示す光路図である。
【図20】保護フィルムの別の例の層構成を示す断面図である。
【図21】図20の保護フィルムを貼り合わせたホログラム記録フィルムの層構成を示す断面図である。
【図22】支持体フィルム代わりに貼り代える保護シートの層構成を示す断面図である。
【図23】図20の保護フィルムと図22の保護シートとで保護されたホログラム記録フィルムの層構成を示す断面図である。
【図24】図23の層構成の転写シールを基材へ貼り付けた状態を示す図である。
【図25】本発明の1つの具体例の青色塗料塗布部に対応する部分のカラーチューニングを行った場合と行わなかった場合の回折効率を示す図である。
【符号の説明】
S、S1〜S4…被写体
A…ホログラム複製領域
R、R’…ニップローラー
1…感光材料フィルム
1…感光材料フィルム
2…感光材料
3、4…支持体フィルム
5…ホログラム撮影用被写体原版
5′…原版の端縁
6…光学密着液
7…レーザー光
8…散乱光(反射光)
9…ゴミ
10…圧着ローラー
11…無反射コートガラス
12…光学密着液(屈折率整合液)
14…トリミングマスク
15…紫外光
16…紫外光源
17…発散光
18…剥離用ローラー
19…ローラー
20…保護フィルム
21…基板ガラス
22…保護ガラス
23…充填剤
24…突起
25…テーパー
31…巻き出しローラー
32…貼り付け・剥離ヘッド
33…巻き取りローラー
34…無反射コートガラス
35…ホログラム撮影用被写体原版
36…クロムトリミングマスク
37…ガイドローラー
38…ラミネートローラー
39…剥離ローラー
40…巻き出しローラー
41…巻き取りローラー
42…紫外線照射器
43…巻き取りローラー
44…クリーニングユニット
45…剥離ローラー
46…貼り付け・剥離共用ローラー
47…Arレーザー光
48…紫外光
50…保護フィルム
50′…保護フィルム
51、53…カバーシート
52…光学接着剤
54…黒色シート
55、56…接着層
60…障壁部材
61…溝
62…土手部
63…屈折率整合液供給管
64…スキージ(ワイパー)
66…無反射コートガラス上下移動機構
67…ロッド
68…ユニバーサルジョイント
71…Krレーザー
72…色素レーザー
73…Arレーザー
74…Arレーザー(励起用レーザー)
75〜77…可変ビームスプリッター
78…全反射ミラー
79、80…ダイクロイックミラー
81…遮光板
82…全反射ミラー
83、84、85…ビームスプリッター
89〜92…スペーシャルフィルター
86〜88…全反射ミラー
101…保護シート
102…カバーシート
103…接着層
104…転写シール
105…基材
471〜474…レーザー光

Claims (7)

  1. ホログラム撮影用被写体原版に感光材料フィルムを密着して、感光材料フィルム側から光を照射してホログラム記録を行うホログラム作製方法であって、ホログラム撮影用被写体原版として、透明な固体ブロックからなり、その中にホログラム撮影用の被写体が封入されてなるものを用い、感光材料の両面を支持体フィルムで挟んでなる感光材料フィルムを供給しながらその一面上の支持フィルムを剥離し、その剥離面をホログラム撮影用被写体原版に向けてその反対側から感光材料フィルムをローラーでしごきながら順次ホログラム撮影用被写体原版に張り付け、感光材料フィルム側から光を照射し、次いで、ホログラム撮影用被写体原版から張り付けられた感光材料フィルムをローラーで押さえながら一端から順次剥離し、剥離された感光材料フィルムの剥離面に保護フィルムを順次貼り付け、その後、感光材料フィルムを巻き取ることを特徴とするホログラム作製方法。
  2. ホログラム撮影用被写体原版に感光材料フィルムを密着して、感光材料フィルム側から光を照射してホログラム記録を行うホログラム作製方法であって、ホログラム撮影用被写体原版として、透明な固体ブロックからなり、その中にホログラム撮影用の被写体が封入されてなるものを用い、感光材料の両面を支持体フィルムで挟んでなる感光材料フィルムを供給しながらその一面上の支持フィルムを剥離し、その剥離面をホログラム撮影用被写体原版に向けてその反対側から感光材料フィルムをローラーでしごきながら順次ホログラム撮影用被写体原版に張り付け、感光材料フィルム側から光を照射し、次いで、ホログラム撮影用被写体原版から張り付けられた感光材料フィルムをローラーで押さえながら一端から順次剥離し、剥離された感光材料フィルムの剥離面に回折波長を広域化するカラーチューニングフィルムを順次貼り付け、その後、感光材料フィルムを巻き取ることを特徴とするホログラム作製方法。
  3. 請求項1又は2において、前記固体ブロックの前面には透明な保護透明体が一体に設けられ、被写体の背面には、無色透明体、着色透明体あるいは黒色吸収体が一体に設けられていることを特徴とするホログラム作製方法。
  4. 請求項1又は2において、前記固体ブロックの前面には透明な保護透明体が一体に設けられ、被写体の背面には、反射鏡、散乱板、着色板又は模様板の何れかあるいはそれらの2つ以上を組み合わせたものが一体に設けられていることを特徴とするホログラム作製方法。
  5. 請求項1又は2において、前記固体ブロックの前面には透明な保護透明体が一体に設けられ、被写体の背面には、ホログラムが一体に設けられていることを特徴とするホログラム作製方法。
  6. 請求項3からの何れか1項において、前記被写体が平面あるいは曲面ミラーからなることを特徴とするホログラム作製方法。
  7. 請求項1又は2において、感光材料フィルム側から照射する光が複数の異なる波長の光からなることを特徴とするホログラム作製方法。
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