JP4760129B2 - 光導波路構造体 - Google Patents

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本発明は、光導波路構造体に関するものである。
近年、光通信の分野における光部品として、光分岐結合器(光カプラ)、光合分波器等が開発されており、これらに用いる光導波路型素子が有望視されている。この光導波路型素子(以下単に「光導波路」とも言う)としては、従来の石英系光導波路の他、製造(パターニング)が容易で汎用性に富むポリマー系光導波路があり、最近では後者の開発が盛んに行われている。
このような光導波路は、通常、基板上に所定の配置(パターン)で形成され、光導波路構造体として取り扱われる。この光導波路構造体としては、基板上に所定の配線回路と、コア部およびクラッド部で構成される光導波路とを形成し、さらにこの光導波路に発光素子および受光素子を取り付けたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の光導波路構造体では、次のような問題点がある。
1.光導波路の形成工程が複雑であり、伝送光の光路を構成するコア部のパターン形状の設計、選択の自由度が狭い。特に、光路(コア部)の配置が平面的であるため、光路の設計の自由度が狭い。
2.コア部のパターン形状の精度や寸法精度が悪い。
3.配線パターンと組み合わせた場合に、該配線パターンの設計における自由度が狭い。
特開2004−146602号公報
本発明の目的は、パターン形状の設計の自由度が広く、寸法精度の高いコア部(光路)を簡単な方法で形成することができ、また、耐久性に優れる光導波路を備えた光導波路構造体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(64)の本発明により達成される。
(1) 光路を形成するコア部と、前記コア部の外周に形成され、前記コア部と屈折率が異なるクラッド部と、を有する光導波路本体を有し、
前記光導波路本体内に前記コア部が3次元的に配置されており、
前記コア部は、ノルボルネン系ポリマーを主とするポリマーと、該ポリマーと相溶し、かつ、該ポリマーと異なる屈折率を有するノルボルネン系モノマーを主とするモノマーと、を含む材料であって、活性放射線の照射および加熱により屈折率が変化する材料で構成されたに対し前記活性放射線を選択的に照射することにより得られたコア層内において所望の形状に形成されたものであり
記コア層は、前記層に対して加熱処理を施すことにより、前記活性放射線が照射された照射領域または前記活性放射線の未照射領域のいずれか一方の領域において前記モノマーを反応させ、他方の領域から一方の領域へ未反応の前記モノマーが移動することにより、前記照射領域と前記未照射領域との間に屈折率差を生じさせ、前記照射領域および前記未照射領域のいずれか一方を前記コア部とし、他方を前記クラッド部として得られたものであることを特徴とする光導波路構造体。
(2) 前記コア部は、互いに直交するX、YおよびZ方向のうちの少なくとも1つの方向に延在する部分を有している上記(1)に記載の光導波路構造体。
(3) 前記コア部は、互いに直交するX、YおよびZ方向のうちの少なくとも2つの方向に延在する部分を有している上記(1)に記載の光導波路構造体。
(4) 前記光導波路本体は、前記クラッド部を構成するクラッド層と前記コア層とが交互に積層された部分を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(5) 前記光導波路本体は、前記コア層の両面に前記クラッド部を構成するクラッド層をそれぞれ接合してなる積層体を2つ以上重ねた部分を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(6) 前記光導波路本体は、前記コア層を複数積層したコア層積層部を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(7) 異なる前記コア層間に形成された前記コア部同士の間で伝送光の授受が行われるよう構成された部分を有する上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(8) 前記コア部を伝送される伝送光の光路を屈曲させる光路変換部を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(9) 前記光路変換部は、前記伝送光の少なくとも一部を反射する反射面を有するものである上記(8)に記載の光導波路構造体。
(10) 前記光路変換部は、前記伝送光の光路を複数の方向に分割する機能を有するものである上記(8)または(9)に記載の光導波路構造体。
(11) 前記コア部は、前記光導波路本体の外部より前記コア部の所定部位へ入射される伝送光が、コア部の他の部位と交差しないように配置されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(12) 前記コア部は、光路が分岐および/または合流する部分を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(13) 互いに直交するX、YおよびZ方向のうちの1つの入射方向から前記コア部の所定部位へ伝送光が入射したとき、前記伝送光が前記コア部の他の部位から前記入射方向と直交する方向へ出射するよう構成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(14) 前記光導波路本体は、その少なくとも1つの表面が前記コア部の横断面に対し傾斜した傾斜面で構成されている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(15) 発光部または受光部と、端子とを有する素子を少なくとも1つ備える上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(16) 前記素子は、前記光導波路本体の表面に接合されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(17) 前記素子は、その少なくとも一部が前記光導波路本体の内部に設置されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(18) 互いに独立して作動するか、連動して作動するか、または同期的に作動する2以上の素子を有する上記(15)ないし(17)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(19) 導体層を有する上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(20) 導体層を有し、前記端子が前記導体層に電気的に接続されている上記(15)ないし(18)のいずれかに記載の光導波路構造体。
(21) 前記屈折率が変化する材料は、さらに、前記活性放射線の照射により活性化する第1の物質と、前記モノマーの反応を開始させ得る第2の物質であって、活性化した前記第1の物質の作用により、活性化温度が変化する第2の物質とを含むものであり、
前記コア層は、前記層の前記照射領域において、前記第1の物質を活性化させるとともに、前記第2の物質の活性化温度を変化させ、
次いで、前記層に対して加熱処理を施すことにより、活性化温度が変化していない前記第2の物質または活性化温度が変化した前記第2の物質のいずれか活性化温度の低い方を活性化させ、前記照射領域または前記活性放射線の未照射領域のいずれかにおいて前記モノマーを反応させて得られたものである上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の光導波路構造体。
22) 前記第1の物質は、前記活性放射線の照射に伴って、カチオンと弱配位アニオンとを生じる化合物を含むものであり、前記第2の物質は、前記弱配位アニオンの作用により活性化温度が変化するものである上記(21)に記載の光導波路構造体。
23) 前記第2の物質は、活性化した前記第1の物質の作用により活性化温度が低下し、前記加熱処理の温度よりも高い温度での加熱により、前記活性放射線の照射を伴うことなく活性化するものである上記(21)または(22)に記載の光導波路構造体。
24) 前記第2の物質は、下記式Iaで表される化合物を含む上記(23)に記載の光導波路構造体。
(E(R)Pd(Q) ・・・ (Ia)
[式中、E(R)は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(またはその同位体の1つ)または炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレートおよびジチオカルボキシレートから選択されるアニオン配位子を表す。]
25) 前記第2の物質は、下記式Ibで表される化合物を含む上記(23)または(24)に記載の光導波路構造体。
[(E(R)Pd(Q)(LB)[WCA] ・・・ (Ib)
[式中、E(R)は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(またはその同位体の1つ)または炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレートおよびジチオカルボキシレートから選択されるアニオン配位子を表し、LBは、ルイス塩基を表し、WCAは、弱配位アニオンを表し、aは、1〜3の整数を表し、bは、0〜2の整数を表し、aとbとの合計は、1〜3であり、pおよびrは、パラジウムカチオンと弱配位アニオンとの電荷のバランスをとる数を表す。]
26) pおよびrは、それぞれ、1または2の整数から選択される上記(25)に記載の光導波路構造体。
27) 前記コア層は、前記加熱処理の後、前記層を前記加熱処理の温度よりも高い第2の温度で加熱処理することにより得られたものである上記(21)ないし(26)のいずれかに記載の光導波路構造体。
28) 前記コア層は、前記第2の温度での加熱処理の後、前記層を前記第2の温度よりも高い第3の温度で加熱処理することにより得られたものである上記(27)に記載の光導波路構造体。
29) 前記第3の温度は、前記第2の温度より20℃以上高い上記(28)に記載の光導波路構造体。
30) 前記モノマーは、架橋性モノマーを含む上記(21)ないし(29)のいずれかに記載の光導波路構造体。
31) 前記モノマーは、前記架橋性モノマーとして、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シランを含むものである上記(30)に記載の光導波路構造体。
32) 前記ポリマーは、活性化した前記第1の物質の作用により、分子構造の少なくとも一部が主鎖から離脱し得る離脱性基を有し、前記層に対して前記活性放射線を選択的に照射した際に、前記照射領域において、前記ポリマーの前記離脱性基が離脱する上記(21)ないし(31)のいずれかに記載の光導波路構造体。
33) 前記第1の物質は、前記活性放射線の照射に伴って、カチオンと弱配位アニオンとを生じる化合物を含むものであり、前記離脱性基は、前記カチオンの作用により離脱する酸離脱性基である上記(32)に記載の光導波路構造体。
34) 前記コア部と前記クラッド部とは、前記主鎖に結合した状態の前記離脱性基の数が異なること、および、前記ポリマーと異なる屈折率を有するモノマーの反応物の含有量が異なることにより、それらの屈折率が異なっている上記(32)または(33)に記載の光導波路構造体。
35) 光路を形成するコア部と、前記コア部の外周に形成され、前記コア部と屈折率が異なるクラッド部と、を有する光導波路本体を有し、
前記光導波路本体内に前記コア部が3次元的に配置されており、
前記コア部は、活性放射線の照射により活性化する物質と、主鎖と該主鎖から分岐し、活性化した前記物質の作用により、分子構造の少なくとも一部が前記主鎖から離脱し得る離脱性基とを有するポリマーと、を含む材料であって、活性放射線の照射により屈折率が変化する材料で構成されたに対し前記活性放射線を選択的に照射することにより得られたコア層内において所望の形状に形成されたものであり、
前記コア層は、前記層に対して前記活性放射線を選択的に照射することにより、前記活性放射線が照射された照射領域において、前記物質を活性化させ、前記ポリマーの前記離脱性基を離脱させて、当該照射領域と前記活性放射線の非照射領域との間に屈折率差を生じさせることにより、前記照射領域および前記非照射領域のいずれか一方を前記コア部とし、他方を前記クラッド部として得られたものであり、
前記離脱性基は、−O−Si−ジフェニル構造を有するものであることを特徴とする光導波路構造体。
36) 前記コア層は、前記活性放射線の照射の後、前記層に対して加熱処理を施すことにより得られたものである上記(35)に記載の光導波路構造体。
37) 前記物質は、前記活性放射線の照射に伴って、カチオンと弱配位アニオンとを生じる化合物を含むものであり、前記離脱性基は、前記カチオンの作用により離脱する酸離脱性基である上記(35)または(36)に記載の光導波路構造体。
38) 前記離脱性基は、その離脱により前記ポリマーの屈折率に低下を生じさせるものである上記(32)ないし(37)のいずれかに記載の光導波路構造体。
39) 前記活性放射線は、200〜450nmの範囲にピーク波長を有するものである上記(21)ないし(38)のいずれかに記載の光導波路構造体。
40) 前記活性放射線の照射量は、0.1〜9J/cmである上記(21)ないし(39)のいずれかに記載の光導波路構造体。
41) 前記活性放射線は、マスクを介して前記層に照射される上記(21)ないし(40)のいずれかに記載の光導波路構造体。
42) 前記層は、さらに、酸化防止剤を含む上記(21)ないし(41)のいずれかに記載の光導波路構造体。
43) 前記層は、さらに、増感剤を含む上記(21)ないし(42)のいずれかに記載の光導波路構造体。
44) 前記ポリマーは、ノルボルネン系ポリマーを主とするものである上記(35)ないし(37)のいずれかに記載の光導波路構造体。
45) 前記ノルボルネン系ポリマーは、付加重合体である上記(44)に記載の光導波路構造体。
46) 前記コア部は、第1のノルボルネン系材料を主材料として構成され、前記クラッド部は、前記第1のノルボルネン系材料より低い屈折率を有する第2のノルボルネン系材料を主材料として構成されている上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の光導波路構造体。
47) 前記第1のノルボルネン系材料と前記第2のノルボルネン系材料とは、いずれも、同一のノルボルネン系ポリマーを含有し、かつ、前記ノルボルネン系ポリマーと異なる屈折率を有するノルボルネン系モノマーの反応物の含有量が異なることにより、それらの屈折率が異なっている上記(46)に記載の光導波路構造体。
48) 前記反応物は、前記ノルボルネン系モノマーの重合体、前記ノルボルネン系ポリマー同士を架橋する架橋構造、および、前記ノルボルネン系ポリマーから分岐する分岐構造のうちの少なくとも1つである上記(47)に記載の光導波路構造体。
49) 前記ノルボルネン系ポリマーは、アラルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(47)または(48)に記載の光導波路構造体。
50) 前記ノルボルネン系ポリマーは、ベンジルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(47)または(48)に記載の光導波路構造体。
51) 前記ノルボルネン系ポリマーは、フェニルエチルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(47)または(48)に記載の光導波路構造体。
52) 前記ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(47)または(48)に記載の光導波路構造体。
53) 前記ノルボルネン系ポリマーは、ヘキシルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(47)または(48)に記載の光導波路構造体。
54) 前記ノルボルネン系ポリマーは、付加重合体である上記(47)ないし(53)のいずれかに記載の光導波路構造体。
55) 前記コア層の少なくとも一方の面に接触して設けられ、前記コア部より屈折率の低いクラッド層を有する上記(21)ないし(54)のいずれかに記載の光導波路構造体。
56) 前記クラッド層は、ノルボルネン系ポリマーを主材料として構成されている上記(55)に記載の光導波路構造体。
57) 前記ノルボルネン系ポリマーは、付加重合体である上記(56)に記載の光導波路構造体。
58) 前記ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(56)または(57)に記載の光導波路構造体。
59) 前記ノルボルネン系ポリマーは、重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含むものである上記(56)ないし(58)のいずれかに記載の光導波路構造体。
60) 前記重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位は、エポキシ基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、(メタ)アクリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、および、アルコキシシリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位のうちの少なくとも1種である上記(59)に記載の光導波路構造体。
61) 前記ノルボルネン系ポリマーは、その少なくとも一部のものが重合性基において架橋している上記(59)または(60)に記載の光導波路構造体。
62) 前記ノルボルネン系ポリマーは、アリール基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含む上記(56)ないし(58)のいずれかに記載の光導波路構造体。
63) 前記ノルボルネン系ポリマーは、その少なくとも一部のものが架橋剤を介して架橋している上記(62)に記載の光導波路構造体。
64) 前記クラッド層の平均は、前記コア層の平均厚さの0.1〜1.5倍である上記(56)ないし(63)のいずれかに記載の光導波路構造体。
本発明によれば、コア部が3次元的に配置されており、しかも、コア部のパターニングを活性放射線(活性エネルギー光線、電子線、X線等)の照射という簡単な方法で行うことができるので、コア部のパターン形状、すなわち、光路の配置の設計の自由度が広く、しかも寸法精度の高いコア部が得られる。
また、コア層を所望の材料で構成した場合には、光導波路本体に応力が作用したり変形が生じたりした場合でも、コア部とクラッド部との層間剥離や、コア部内にマイクロクラックが発生すること等の欠陥が生じ難く、その結果、光導波路の光伝送性能が維持され、耐久性に優れる。
さらに、コア部をノルボルネン系樹脂を主とする樹脂組成物で構成した場合には、前記変形に対し特に強く欠陥が生じ難いという効果が高い他、コア部とクラッド部との屈折率の差をより大きくすることができ、しかも、耐熱性に優れ、その結果、より高性能で耐久性に優れる光導波路が得られる。
また、光導波路構造体が素子(発光素子または受光素子)を有する場合には、光導波路と光学的に接続することにより、素子の発光部から発せられた光を光導波路により他所へ導くことあるいは他所からの光を光導波路により素子の受光部へ導くことができ、小型で集積された光回路を形成することができる。
また、導体層を形成した場合には、前記素子への配線が容易であるとともに、素子の種類(端子の設置箇所)等に係わらずそれに適した配線が可能となり、汎用性に富む。しかも、このような導体層による配線回路のパターンは、設計の自由度(例えば、端子の設置箇所の選択の自由度)が広い。
このような本発明の光導波路構造体は、光回路(光導波路のパターン)や電気回路の設計の幅が広く、歩留まりが良く、光伝送性能を高く維持し、信頼性、耐久性に優れ、汎用性に富む。そのため、本発明は、種々の電子部品、電子機器等に対し用いることができる。
以下、本発明の光導波路構造体について添付図面に示す好適実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の光導波路構造体の第1実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す光導波路構造体における1段目のコア層のコア部の配置(パターン)を示す図、図3は、図1に示す光導波路構造体における2段目のコア層のコア部の配置(パターン)を示す図、図4は、図1に示す光導波路構造体における3段目のコア層のコア部の配置(パターン)を示す図である。以下これらの図を参照しつつ、光導波路構造体の構成例について説明する。
なお、以下の説明では、図1中に示すX、YおよびZ(ただしX、Y、Zは互いに直交する方向)の方向をそれぞれ、「X方向」、「Y方向」および「Z方向」と言い、X方向、Y方向およびZ方向と反対方向をそれぞれ、「−X方向」、「−Y方向」および「−Z方向」と言う。また、光導波路構造体の図1中の上部を「上」または「上段」と言い、下部を「下」または「下段」と言い、上段と下段の中間部分を「中段」と言う。また、光導波路本体の図1(図8)中の上側の面を「上面」、下側の面を「下面」、右側の面を「右側面」、手前側の面を「前面」、奥側の面を「背面」と言う。
<第1実施形態:図1>
図1に示すように、本発明の光導波路構造体1は、ブロック状をなす光導波路本体2と、5個の発光素子61、62、63、64および65とを備えている。
発光素子61、62、63、64および65は、それぞれ、発光部610、620、630、640および650と、一対の端子(図示せず)とを有している。例えば、発光素子61の端子間に通電(電位差を与える)すると、発光部610が点灯(発光)する。他の発光素子62〜65についても同様である。
発光素子61〜65の発光部610〜650は、それぞれ、1つの発光点で構成されているものの他、発光点が複数個集合したものでもよい。発光点が複数個集合したものとしては、例えば、発光点が列状(例えば発光点が1×4個、1×12個)または行列状(例えば発光点がn×m個:n、mは2以上の整数)に配置されたものや、複数の発光点がランダム(不規則)に配置されたもの等が挙げられる。後述する受光素子における受光部についても同様である。
また、各発光素子61〜65は、それらの発光部610〜650が光導波路本体2の表面に接触または対面するように光導波路本体2の表面に接合されている。ただし、本発明では、各発光素子61〜65は、それぞれ、その全部または一部が光導波路本体2の内部に設置(埋設)されていてもよい。発光素子61〜65と共に、または発光素子61〜65に代えて受光素子を設置する場合も同様である。
なお、各発光素子61〜65は、それぞれ独立して作動(発光)するものであるが、これらのうちに任意の2以上は、連動して(特に同時に)発光するもの、または同期的に発光するものでもよい。各発光素子61〜65の発光パターンは、任意に設定することができ、また、発光パターンが経時的に変化してもよい。
光導波路本体2は、クラッド層91とコア層93とを所定の順序で積層してなるものである。この場合、光導波路本体2は、複数のクラッド層91と、複数(Z方向に3段)のコア層93とを有している。
各コア層93には、それぞれ、所定パターンのコア部94とクラッド部95とが形成されている(図1〜図4参照)。コア部94は、伝送光の光路を形成する部分であり、クラッド部95は、コア層93に形成されているものの伝送光の光路を形成せず、クラッド層91と同様の機能を果たす部分である。
コア部94は、クラッド部95に比べて屈折率が高く、また、クラッド層91に対しても屈折率が高い。コア部94の両側部にはクラッド部95が存在し、コア部94の下部および上部には、クラッド部95またはクラッド層91が存在する。このような構成により、コア部94は、その外周の全周をクラッド部に囲まれた導光路(光導波路)として機能する。
図1に示すように、コア部94は、光導波路本体2内に3次元的に配置されている。すなわち、コア部4は、X(−X)、Y(−Y)およびZ(−Z)方向のうちの少なくとも1つの方向に延在する部分を有しているのが好ましく、X(−X)、Y(−Y)およびZ(−Z)方向のうちの少なくとも2つの方向に延在する部分を有しているのがより好ましい。
なお、クラッド層91は、伝送光がクラッド層91に対し層厚方向(クラッド層に対し垂直な方向)に入射したとき、当該伝送光を比較的高い透過率で透過する。
コア層93の構成材料としては、活性放射線(活性エネルギー光線、電子線またはX線等)の照射により、あるいはさらに加熱することにより屈折率が変化する材料とされる。このような材料の好ましい例としては、ベンゾシクロブテン系樹ポリマー、ノルボルネン系ポリマー(樹脂)等の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とするものが挙げられ、ノルボルネン系ポリマーを含む(主材料とする)ものが特に好ましい。
このような材料で構成されたコア層93は、曲げ等の変形に対する耐性に優れ、特に繰り返し湾曲変形した場合でも、コア部94とクラッド部95との剥離や、コア層93と隣接する層(クラッド層91または他のコア層93)との層間剥離が生じ難く、コア部94内やクラッド部95内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路の光伝送性能が維持され、耐久性に優れた光導波路が得られる。
また、コア層93の構成材料には、例えば、酸化防止剤、屈折率調整剤、可塑剤、増粘剤、補強剤、増感剤、レベリング剤、消泡剤、密着助剤および難燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。酸化防止剤の添加は、高温安定性の向上、耐候性の向上、光劣化の抑制という効果がある。このような酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリフェノール系等のフェノール系や、芳香族アミン系のものが挙げられる。また、可塑剤、増粘剤、補強剤の添加により、曲げに対する耐性をさらに増大させることもできる。
前記酸化防止剤に代表される添加剤の含有率(2種以上の場合は合計)は、コア層93の構成材料全体に対し、0.5〜40重量%程度が好ましく、3〜30重量%程度がより好ましい。この量が少なすぎると、添加剤の機能を十分に発揮することができず、量が多すぎると、添加剤の種類や特性によっては、コア部94を伝送する光(伝送光)の透過率の低下、パターニング不良、屈折率不安定等を生じるおそれがある。
コア層93の形成方法としては、塗布法が挙げられる。塗布法としては、コア層形成用組成物(ワニス等)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法が挙げられる。また、塗布法以外の方法、例えば、別途製造されたシート材を接合する方法を採用することもできる。
以上のようにして得られたコア層93に対し、マスクを用いて活性放射線を選択的に照射し、所望の形状のコア部94をパターニングする。
露光に用いる活性放射線としては、可視光、紫外光、赤外光、レーザ光等の活性エネルギー光線や電子線、X線等が挙げられる。電子線は、例えば50〜2000KGy程度の照射量で照射することができる。
コア層93において、活性放射線が照射された部位は、その屈折率が変化し(コア層93の材料により、屈折率が増大する場合と減少する場合とがある)、活性放射線が照射されなかった部位との間で屈折率の差が生じる。例えば、コア層93の活性放射線が照射された部位がクラッド部954となり、照射されなかった部位がコア部94となる。また、この逆の場合もある。クラッド部95の屈折率は、クラッド層91の屈折率とほぼ等しい。
また、コア層93に対し活性放射線を所定のパターンで照射した後、加熱することにより、コア部94を形成する場合もある。この加熱工程を付加することにより、コア部94とクラッド部95との屈折率の差がより大きくなるので好ましい。なお、この原理等については、後に詳述する。
形成されるコア部94のパターン形状としては、特に限定されず、直線状、湾曲部を有する形状、異形、光路の分岐部、合流部または交差部を有する形状、集光部(幅等が減少している部分)または光拡散部(幅等が増大している部分)、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせた形状等、いかなるものでもよい。活性放射線の照射パターンの設定により、いかなる形状のコア部94をも容易に形成することができる点が、本発明の特徴である。
以下、光導波路本体2内における各コア層中のコア部94の配置(パターン)について具体的に説明する。
<1段目(上段)のコア層>
図2に示すように、光導波路本体2における上から1段目(上段)のコア層93には、Y方向に延在する長手形状の3つのコア部94が、X方向に所定間隔をおいてほぼ平行に形成(配置)されている。
図2中左列のコア部94は、その一端が光導波路本体2の背面に露出し、該露出面が伝送光711の出射端942を構成している。該コア部94の出射端942と反対側の端部には、コア部94の光路を屈曲させる光路変換部(発光部側光路変換部)4aが設けられている。
光路変換部4aは、伝送光の少なくとも一部を反射する反射面(ミラー)5aで構成されている。後述する反射面5b、5c、5dおよび5eについても同様である。
反射面5aは、コア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜しており、伝送光71の一部(例えば光量の50%)を反射し、残部を透過するビームスプリッター(ハーフミラーまたはダイクロイックミラー等)として機能するものであり、発光部610から発せられた伝送光71を複数の方向(直交する2つの方向)に分割する。そして反射面5aの反射率(透過率)の設定により、分割される各伝送光711、712の光量を、所定の比率に設定することができる。典型例としては、伝送光711と712の光量をほぼ等しいものとすることができる。
この光路変換部4aは、例えば、コア部94の一部(端部)を斜めに切断(除去)して傾斜面を形成し、該傾斜面を反射面5aとして用いることができる。反射面5aは、例えば多層光学薄膜や金属薄膜(例えばアルミ蒸着膜)のような反射膜あるいは反射増加膜を有していてもよい。また、図示しないが、光路変換部4aの傾斜面には、充填材、特にコア部94と屈折率の異なる充填材が充填または接合されていてもよい。これらは、後述する反射面5b、5c、5dおよび5eについても同様である。
図2中右列のコア部94は、光導波路本体2の背面から前面まで連続して形成されており、該コア部94の背面への露出面には、発光部640が対面するよう発光素子64が設置され、該コア部94の前面への露出面は、伝送光741の出射端943を構成している。また、図2中右列のコア部94は、その途中にある分岐部941にて分岐し、図2中中央の列のコア部94を形成している。このコア部94は、光導波路本体2の前面に露出し、該露出面が伝送光742の出射端944を構成している。
分岐部941では、発光部640から発せられた伝送光74が、伝送光741と742とに分離される。伝送光741と伝送光742の光量の比率は、特に限定されず、例えば1:9〜9:1程度とすることができる。なお、分岐部941に代え、前記反射面5aと同様の反射面(ビームスプリッター:ハーフミラーまたはダイクロイックミラー)を設置し、光路を複数の方向に分岐(分割)させることもできる。
また、分岐部941と同様の構成の合流部を有していてもよい。この場合には、図示の分岐部941において、伝送光の方向が反対方向であり、2つのコア部(光路)が1つのコア部(光路)に合流する構成とされる。
<2段目(中段)のコア層>
図3に示すように、光導波路本体2における上から2段目(中段)のコア層93には、X方向に延在する長手形状の1つのコア部94が形成(配置)されている。該コア部94は、その一端が光導波路本体2の右側面に露出し、該露出面が伝送光72の出射端945を構成している。該コア部94の出射端945と反対側の端部には、コア部94の光路を屈曲させる光路変換部(発光部側光路変換部)4bが設けられている。
光路変換部4bは、伝送光の少なくとも一部を反射する反射面(ミラー)5bで構成されている。反射面5bは、コア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜しており、伝送光72のほぼ全部(例えば光量の90%以上)を反射する全反射ミラーを構成している。
<3段目(下段)のコア層>
図4に示すように、光導波路本体2における上から3段目(下段)のコア層93には、Y方向に延在する長手形状の3つのコア部94が、X方向に所定間隔をおいてほぼ平行に形成(配置)されている。
図4中左列のコア部94は、その一端が光導波路本体2の背面に露出し、該露出面が伝送光712の出射端946を構成している。該コア部94の出射端946と反対側の端部には、コア部94の光路を屈曲させる光路変換部(発光部側光路変換部)4cが設けられている。
光路変換部4cは、伝送光の少なくとも一部を反射する反射面(ミラー)5cで構成されている。反射面5cは、コア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜しており、上方にある反射面5aを透過した伝送光712のほぼ全部(例えば光量の90%以上)を反射する全反射ミラーを構成している。
図4中中央の列のコア部94は、その一端が光導波路本体2の前面に露出し、該露出面が伝送光73の出射端947を構成している。該コア部94の出射端947と反対側の端部には、コア部94の光路を屈曲させる光路変換部(発光部側光路変換部)4dが設けられている。
光路変換部4dは、伝送光の少なくとも一部を反射する反射面(ミラー)5dで構成されている。反射面5dは、コア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜しており、伝送光73のほぼ全部(例えば光量の90%以上)を反射する全反射ミラーを構成している。
図4中右列のコア部94は、その一端が光導波路本体2の前面に露出し、該露出面が伝送光73の出射端948を構成している。該コア部94は、途中でX方向に向けてL字状に屈曲し、その端部(出射端948と反対側の端部)は、光導波路本体2の右側面に露出している。この露出面には、発光部650が対面するよう発光素子65が設置されている。該コア部94の屈曲部には、コア部94の光路を屈曲させる光路変換部(発光部側光路変換部)4eが設けられている。
光路変換部4eは、伝送光の少なくとも一部を反射する反射面(ミラー)5eで構成されている。反射面5eは、コア部94の長手方向に対しほぼ45°傾斜しており、伝送光75のほぼ全部(例えば光量の90%以上)を反射する全反射ミラーを構成している。
図1に示すように、光導波路本体2の上面には、該上面に発光部610、620および630が対面するよう発光素子61、62および63がそれぞれ所定の位置に設置されている。
発光素子61は、発光部610の真下に光路変換部4aの反射面5aが位置するような位置に設置されている。さらに、反射面5aの真下に、光路変換部4cの反射面5cが位置している。すなわち、Z方向に見たとき、発光部610と反射面5aと反射面5cとは、一致している。
また、発光素子62は、発光部620の真下に光路変換部4bの反射面5bが位置するような位置に設置されている。すなわち、Z方向に見たとき、発光部620と反射面5bとは、一致している。この場合、発光部620の真下には、1段目のコア層93のコア部94(図2参照)は存在していない。つまり、発光部620から発せられた伝送光72は、1段目のコア層93のコア部94とは交差せずに(1段目のコア層93のクラッド部95を透過して)反射面5bに到達するようになっており、これにより、クロストークが防止される。
また、発光素子63は、発光部630の真下に光路変換部4dの反射面5dが位置するような位置に設置されている。すなわち、Z方向に見たとき、発光部630と反射面5dとは、一致している。この場合、発光部630の真下には、1段目のコア層93のコア部94(図2参照)も2段目のコア層93のコア部94(図3参照)も存在していない。つまり、発光部630から発せられた伝送光73は、1段目のコア層93のコア部94とは交差せず(1段目のコア層93のクラッド部95を透過して)、さらに2段目のコア層93のコア部94とも交差せず(2段目のコア層93のクラッド部95を透過して)、反射面5dに到達するようになっており、これにより、クロストークが防止される。
また、発光素子65は、X方向に見たとき発光部650と光路変換部4eの反射面5eとが一致するような位置に設置されている。
図示されていないが、出射端942、943、944、945、946、947、948のうちの一部または全部には、受光素子が設置されていてもよい。この受光素子は、受光部と、受光部で受光した光を光電変換し、電気信号を出力する端子とを有している。出射端942〜948から出射された伝送光が受光素子の受光部で受光されると、受光素子の端子より電子信号が出力される。
次に、光導波路本体2を構成するコア層とクラッド層の構成例について、図5〜図7を参照しつつ説明する。
図5に示す構成では、クラッド層91とコア層93とが交互に積層されている。各コア層93は、それぞれ、所定パターンのコア部94とクラッド部95とを有する。
図6に示す構成では、1つのコア層93の両面にそれぞれクラッド層91が接合された(換言すれば、2つのクラッド層91間にコア層93が介挿された)3層構造の積層体(光導波路)90を1単位とし、該積層体90を2つ以上重ねたものである。各積層体90におけるコア層93は、それぞれ、所定パターンのコア部94とクラッド部95とを有する。
図7に示す構成では、コア層93を複数積層した(図示の場合、4層積層)コア層積層部92を有する。コア層積層部92の上面および下面には、それぞれ、クラッド層91が接合されている。
コア層積層部92を構成する各コア層93は、それぞれ、所定パターンのコア部94とクラッド部95とを有する。この場合、図7中最上部に位置するコア層93と最下部に位置するコア層93には、それぞれ、反射面5f、5gで構成される光路変換部4f、4gが設けられており、それらの間の2つのコア層93には、それぞれ、コア部94が設けられている。これにより、図7中最上部に位置するコア層93のコア部94をY方向に伝送される伝送光76は、反射面5fで反射されて下方(Z方向)へ向けて直角に屈曲し、中間の2つのコア層93に形成されたコア部94内をZ方向に進み、反射面5gで反射されて再び直角に屈曲し、図7中最下部に位置するコア層93のコア部94をY方向に進む。
本発明における光導波路本体2は、図5〜図7に示す構成のうちの少なくとも1つを有している。また、図5〜図7に示す構成のうちの2以上または全てを有していてもよい。
なお、コア層93およびクラッド層91の構成材料およびコア部94の形成方法等については、後に詳述する。
本発明の光導波路構造体1は、光導波路本体2の表面および/または内部に、導体層(図示せず)を有しているのが好ましい。この導体層は、所定形状にパターンニングされて所望の配線(回路)を構成しているものが好ましい。このような導体層は、各発光素子61〜65の端子に電気的に接続され、各発光素子61〜65への通電用配線を構成しているのが好ましい。また、受光素子を設置した構成の場合、導体層は、受光素子の端子(出力端子)に電気的に接続され、該端子からの出力信号を検出する回路として用いられるのが好ましい。
このような導体層は、光導波路本体2の表面および/または内部において、3次元的に配置することもできる。すなわち、導体層における配線を、例えば、X、YおよびZ方向のうちの2方向または3方向に延在するように設置することができる。
導体層の構成材料としては、例えば、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料が挙げられる。導体層の厚さは、特に限定されないが、通常、3〜120μm程度が好ましく、5〜70μm程度がより好ましい。
また、導体層は、例えば、金属箔の接合(接着)、金属メッキ、蒸着、スパッタリング等の方法により形成されたものであるのが好ましい。導体層へのパターニングは、例えばエッチング、印刷、マスキング等の方法を用いることができる。
次に、図1〜図4に示す光導波路構造体1の作動について説明する。発光素子61の端子へ通電がなされると発光部610が点灯し、Z方向へ向かって発せられた伝送光71は、クラッド部(クラッド層91およびクラッド部95)を透過し、反射面5aにおいて反射光と透過光とに分離される(図1参照)。反射面5aで反射されてほぼ90°屈曲した伝送光(反射光)711は、1段目のコア層93のコア部94に入り、−Y方向に進み、出射端942に到達する(図2参照)。反射面5aを透過してZ方向へ進んだ伝送光(透過光)712は、反射面5cで反射(ほぼ全反射)されてほぼ90°屈曲し、3段目のコア層93のコア部94に入り、−Y方向に進み、出射端946に到達する(図4参照)。
発光素子62の端子へ通電がなされると発光部620が点灯し、Z方向へ向かって発せられた伝送光72は、クラッド部(クラッド層91およびクラッド部95)を透過し、反射面5bで反射(ほぼ全反射)されてほぼ90°屈曲し、2段目のコア層93のコア部94に入り、X方向に進み、出射端945に到達する(図1、図3参照)。
発光素子63の端子へ通電がなされると発光部630が点灯し、Z方向へ向かって発せられた伝送光73は、クラッド部(クラッド層91およびクラッド部95)を透過し、反射面5dで反射(ほぼ全反射)されてほぼ90°屈曲し、3段目のコア層93のコア部94に入り、Y方向に進み、出射端947に到達する(図1、図4参照)。
発光素子64の端子へ通電がなされると発光部640が点灯し、Y方向へ向かって発せられた伝送光74は、2段目のコア層93のコア部94に入りY方向に進み、分岐部941にて、伝送光741と伝送光742とに分離される。伝送光741および742は、それぞれ分岐部941よりY方向側にあるコア部94内を進み、出射端943および944に到達する(図1、図2参照)。
発光素子65の端子へ通電がなされると発光部650が点灯し、−X方向へ向かって発せられた伝送光75は、3段目のコア層93のコア部94に入り−X方向に進み、反射面5eで反射(ほぼ全反射)されてほぼ90°屈曲し、Y方向に進み、出射端948に到達する(図1、図4参照)。
図8は、本発明の光導波路構造体1の第2実施形態を示すが示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態の光導波路構造体1は、光導波路本体2の少なくとも1つの表面が傾斜した傾斜面3となっている。すなわち、図8に示すように、光導波路本体2の前面は、1段目お3段目のコア層3のコア部(Y方向に延在するコア部)94の横断面(=XZ平面)に対しほぼ45°(θ=45°)の角度で傾斜した傾斜面3となっている。これにより、傾斜面3に露出するコア部94の露出面(露出端面)961、962、963、964および965も、同角度の傾斜面となる。そして、これらの露出面961、962、963、964および965を反射面(全反射面:反射率90%以上)として用いることができる。例えば、これらの露出面961〜965に対し、前記と同様に、多層光学薄膜や金属薄膜(例えばアルミ蒸着膜)のような反射膜あるいは反射増加膜を設けることができる。
このような構成としたことにより、露出面961は、発光素子61の発光部610から発せられたZ方向の伝送光71を−Y方向に屈曲するように反射し、露出面962、963、964および965は、それぞれ、コア部94内を進む伝送光742、741、73および75をそれぞれ−Z方向に屈曲するように反射する。
なお、本実施形態では、露出面961を、ほぼ全反射する反射面としたため、3段目のコア層93の左列のコア部94(図4中左列のコア部94に相当)および光路変換部4cは存在しない。
なお、傾斜面3の傾斜角度(XZ平面とのなす角度)θは、45°に限定されるものではなく、例えばθは、20〜70°程度とすることができる。また、露出面961〜965は、全反射面に限らず、例えばハーフミラーやダイクロイックミラーのような、伝送光を反射光と透過光とに分離するような機能を持つもの(ビームスプリッター)でもよい。
また、傾斜面3は、光路を反射等により屈曲させる目的で形成されるものに限定されないことは、言うまでもない。また、このような傾斜面は、光導波路本体2の前面以外の面に形成されていてもよく、光導波路本体2の2以上の面に形成されていてもよい。
以上、各実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限り、他の構成のものでもよい。また、本発明は、上述した各実施形態のうちの任意の2以上の実施形態を組み合わせたものでもよい。
次に、前記各実施形態における、光導波路本体(光導波路)2の製造方法および各部の構成材料等について説明するが、特にコア部94の形成方法について詳細に説明する。
<第1の製造方法>
まず、光導波路本体2における積層体90(以下単に「光導波路」と言う)の第1の製造方法について説明する。
図9−A〜図9−Eは、それぞれ、光導波路の第1の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。
[1A] まず、支持基板951上に、層910を形成する(図9−A参照)。
層910は、コア層形成用材料(ワニス)900を塗布し硬化(固化)させる方法により形成される。
具体的には、層910は、支持基板951上にコア層形成用材料900を塗布して液状被膜を形成した後、この支持基板951を換気されたレベルテーブルに置いて、液状被膜表面の不均一な部分を水平化するとともに、溶媒を蒸発(脱溶媒)することにより形成する。
層910を塗布法で形成する場合、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法等の方法が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
支持基板951には、例えば、シリコン基板、二酸化ケイ素基板、ガラス基板、石英基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が用いられる。
コア層形成用材料900は、ポリマー915と、添加剤920(本実施形態では、少なくともモノマー、助触媒および触媒前駆体を含む)とで構成される光誘発熱現像性材料(PITDM)を含有し、活性放射線の照射および加熱により、ポリマー915中において、モノマーの反応が生じる材料である。
そして、得られた層910中では、ポリマー(マトリックス)915は、いずれも、実質的に一様かつランダムに分配され、添加剤920は、ポリマー915内に実質的に一様かつランダムに分散されている。これにより、層910中には、添加剤920が実質的に一様かつ任意に分散されている。
このような層910の平均厚さは、形成すべきコア層93の厚さに応じて適宜設定され、特に限定されないが、5〜200μm程度であるのが好ましく、10〜100μm程度であるのがより好ましく、15〜65μm程度であるのがさらに好ましい。
ポリマー915には、透明性が十分に高く(無色透明であり)、かつ、後述するモノマーと相溶性を有するもの、さらに、その中で後述するようにモノマーが反応(重合反応や架橋反応)可能であり、モノマーが重合した後においても、十分な透明性を有するものが好適に用いられる。
ここで、「相溶性を有する」とは、モノマーが少なくとも混和して、コア層形成用材料900中や層910中においてポリマー915と相分離を起こさないことを言う。
このようなポリマー915としては、例えば、ノルボルネン系樹脂やベンゾシクロブテン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体など)用いることができる。
これらの中でも、特に、ノルボルネン系樹脂(ノルボルネン系ポリマー)を主とするものが好ましい。ポリマー915としてノルボルネン系ポリマーを用いることにより、優れた光伝送性能や耐熱性を有するコア層93を得ることができる。
また、ノルボルネン系ポリマーは、高い疎水性を有するため、吸水による寸法変化等を生じ難いコア層93を得ることができる。
ノルボルネン系ポリマーとしては、単独の繰り返し単位を有するもの(ホモポリマー)、2つ以上のノルボルネン系繰り返し単位を有するもの(コポリマー)のいずれであってもよい。
このようなノルボルネン系ポリマーとしては、例えば、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体のような付加重合体、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加したポリマーのような開環重合体が挙げられる。これらの重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。
これらのノルボルネン系ポリマーは、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができる。
これらの中でも、ノルボルネン系ポリマーとしては、下記化1(構造式B)で表される少なくとも1個の繰り返し単位を有するもの、すなわち、付加(共)重合体が好ましい。このものは、透明性、耐熱性および可撓性に富むことからも好ましい。
Figure 0004760129
かかるノルボルネン系ポリマーは、例えば、後述するノルボルネン系モノマー(後述する化3で表されるノルボルネン系モノマーや、架橋性ノルボルネン系モノマー)を用いることにより好適に合成される。
なお、比較的高い屈折率を有するポリマー915を得るためには、分子構造中に、芳香族環(芳香族基)、窒素原子、臭素原子や塩素原子を有するモノマーを一般的に選択して、ポリマー915が合成(重合)される。一方、比較的低い屈折率を有するポリマー915を得るためには、分子構造中に、アルキル基、フッ素原子やエーテル構造(エーテル基)を有するモノマーを一般的に選択して、ポリマー915が合成(重合)される。
比較的高い屈折率を有するノルボルネン系ポリマーとしては、アラルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。かかるノルボルネン系ポリマーは、特に高い屈折率を有する。
アラルキルノルボルネンの繰り返し単位が有するアラルキル基(アリールアルキル基)としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、フルオレニルエチル基、フルオレニルプロピル基等が挙げられるが、ベンジル基やフェニルエチル基が特に好ましい。
かかる繰り返し単位を有するノルボルネン系ポリマーは、極めて高い屈折率を有するものであることから好ましい。
また、ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むノルボルネン系ポリマーは、柔軟性が高いため、かかるノルボルネン系ポリマーを用いることにより、光導波路に高いフレキシビリティ(可撓性)を付与することができる。
アルキルノルボルネンの繰り返し単位が有するアルキル基としては、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられるが、ヘキシル基が特に好ましい。なお、これらのアルキル基は、直鎖状または分岐状のいずれであってもよい。
ヘキシルノルボルネンの繰り返し単位を含むことにより、ノルボルネン系ポリマー全体の屈折率が低下するのを防止し、かつ、高い柔軟性を保持することができる。
ここで、光導波路は、例えば、600〜1550nm程度の波長領域の光を使用したデータ通信において好適に使用されるが、ヘキシル(アルキル)ノルボルネンの繰り返し単位を含むノルボルネン系ポリマーは、前述したような波長領域(特に、850nm付近の波長領域)の光に対する透過率が優れることから好ましい。
このようなノルボルネン系ポリマーの好ましい具体例としては、ヘキシルノルボルネンのホモポリマー、フェニルエチルノルボルネンのホモポリマー、ベンジルノルボルネンのホモポリマー、ヘキシルノルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとベンジルノルボルネンとのコポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態のコア層形成用材料900は、添加剤920として、モノマー、助触媒(第1の物質)および触媒前駆体(第2の物質)を含んでいる。
モノマーは、後述する活性放射線に照射により、活性放射線の照射領域において反応して反応物を形成し、この反応物の存在により、層910において照射領域と、活性放射線の未照射領域とにおいて、屈折率差を生じさせ得るような化合物である。
ここで、この反応物としては、モノマーがポリマー(マトリックス)915中で重合して形成されたポリマー(重合体)、ポリマー915同士を架橋する架橋構造、および、ポリマー915に重合してポリマー915から分岐した分岐構造(ブランチポリマーや側鎖(ペンダントグループ))のうちの少なくとも1つが挙げられる。
ここで、層910において、照射領域の屈折率が高くなることが望まれる場合には、比較的低い屈折率を有するポリマー915と、このポリマー915に対して高い屈折率を有するモノマーとが組み合わせて使用され、照射領域の屈折率が低くなることが望まれる場合には、比較的高い屈折率を有するポリマー915と、このポリマー915に対して低い屈折率を有するモノマーとが組み合わせて使用される。
なお、屈折率が「高い」または「低い」とは、屈折率の絶対値を意味するものではなく、ある材料同士の相対的な関係を意味する。
そして、モノマーの反応(反応物の生成)により、層910において照射領域の屈折率が低下する場合、当該部分がクラッド部95となり、照射領域の屈折率が上昇する場合、当該部分がコア部94となる。
このようなモノマーとしては、重合可能な部位を有する化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、ノルボルネン系モノマー、アクリル酸(メタクリル酸)系モノマー、エポキシ系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、モノマーとしては、ノルボルネン系モノマーを用いるのが好ましい。ノルボルネン系モノマーを用いることにより、光伝送性能に優れ、かつ、耐熱性および柔軟性に優れるコア層93(光導波路)が得られる。
ここで、ノルボルネン系モノマーとは、下記化2(構造式A)で示されるノルボルネン骨格を少なくとも1つ含むモノマーを総称し、例えば、下記化3(構造式C)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004760129
Figure 0004760129
[式中、aは、単結合または二重結合を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭化水素基、または官能置換基を表し、mは、0〜5の整数を表す。ただし、aが二重結合の場合、RおよびRのいずれか一方、RおよびRのいずれか一方は存在しない。]
無置換の炭化水素基(ハイドロカルビル基)としては、例えば、直鎖状または分岐状の炭素数1〜10(C〜C10)のアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜10(C〜C10のアルケニル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜10(C〜C10)のアルキニル基、炭素数4〜12(C〜C12)のシクロアルキル基、炭素数4〜12(C〜C12)のシクロアルケニル基、炭素数6〜12(C〜C12)のアリール基、炭素数7〜24(C〜C24)のアラルキル基(アリールアルキル基)等が挙げられ、その他、RおよびR、RおよびRが、それぞれ炭素数1〜10(C〜C10)のアルキリデニル基であってもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基およびシクロヘキセニル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基および2−ブチニル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基およびアントラセニル(anthracenyl)基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
アラルキル(aralkyl)基の具体例としては、ベンジル基およびフェニルエチル(フェネチル:phenethyl)基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、アルキリデニル(alkylidenyl)基の具体例としては、メチリデニル(methylidenyl)基およびエチリデニル(ethylidenyl)基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
置換された炭化水素基としては、前記の炭化水素基が有する水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたもの、すなわち、ハロハイドロカルビル(halohydrocarbyl)基、パーハロハイドロカルビル(perhalohydrocarbyl)基であるか、パーハロカルビル(perhalocarbyl)基のようなハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
これらのハロゲン化炭化水素基において、水素原子に置換するハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素および臭素から選択される少なくとも1種が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
このうち、パーハロゲン化された炭化水素基(パーハロハイドロカルビル基、パーハロカルビル基)の具体例としては、例えば、パーフルオロフェニル基、パーフルオロメチル基(トリフルオロメチル基)、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
なお、ハロゲン化アルキル基には、炭素数1〜10のもの以外に、炭素数11〜20のものも好適に用いることができる。すなわち、ハロゲン化アルキル基には、部分的または完全にハロゲン化され、直鎖状または分岐状をなし、一般式:−CX’’2Z+1で表される基を選択することができる。ここで、X’’は、それぞれ独立して、ハロゲン原子または水素原子を表し、Zは、1〜20の整数を表す。
また、置換された炭化水素基としては、ハロゲン原子の他、直鎖状または分岐状の炭素数1〜5(C〜C)のアルキル基またはハロアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基で更に置換された、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基(アラアルキル基)等が挙げられる。
また、官能置換基としては、例えば、−(CH−CH(CF−O−Si(Me)、−(CH−CH(CF−O−CH−O−CH、−(CH−CH(CF−O−C(O)−O−C(CH、−(CH−C(CF−OH、−(CH−C(O)−NH、−(CH−C(O)−Cl、−(CH−C(O)−O−R、−(CH)n−O−R、−(CH−O−C(O)−R、−(CH−C(O)−R、−(CH−O−C(O)−OR、−(CH−Si(R、−(CH−Si(OR、−(CH−O−Si(Rおよび−(CH−C(O)−OR等が挙げられる。
ここで、前記各式において、それぞれ、nは、0〜10の整数を示し、Rは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖状または分岐状の炭素数1〜20(C〜C20)アルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜20(C〜C20)のハロゲン化もしくはパーハロゲン化アルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜10(C〜C10)のアルケニル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜10(C〜C10)のアルキニル基、炭素数5〜12(C〜C12)のシクロアルキル基、炭素数6〜14(C〜C14)のアリール基、炭素数6〜14(C〜C14)のハロゲン化もしくはパーハロゲン化アリール基または炭素数7〜24(C〜C24)のアラルキル基を表す。
なお、Rで示される炭化水素基は、R〜Rで示されるものと同一の炭化水素基を示す。R〜Rで示すように、Rで示される炭化水素基は、ハロゲン化またはパーハロゲン化されていてもよい。
例えば、Rが炭素数1〜20(C〜C20)のハロゲン化またはパーハロゲン化アルキル基である場合、Rは、一般式:−CX’’2Z+1で表される。ここで、zおよびX’’は、それぞれ、上記の定義と同じであり、X’’の少なくとも1つは、ハロゲン原子(例えば、臭素原子、塩素原子またはフッ素原子)である。
ここで、パーハロゲン化アルキル基とは、前記一般式において、すべてのX’’がハロゲン原子である基であり、その具体例としては、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、−C15、−C1123が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
パーハロゲン化アリール基の具体例としては、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、Rとしては、例えば、−C(CH、−Si(CH、−CH(R)−O−CHCH、−CH(R)OC(CHおよび下記化4の環状基等が挙げられる。
Figure 0004760129
ここで、Rは、水素原子、あるいは直鎖状または分岐状の炭素数1〜5(C〜C)のアルキル基を表す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル、ペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基が挙げられる。
なお、上記化4で表される環状基では、環構造から延びる単結合と酸置換基との間でエステル結合が形成される。
の具体例としては、例えば、1−メチル−1−シクロヘキシル基、イソボルニル(isobornyl)基、2−メチル−2−イソボルニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、テトラヒドロフラニル(tetrahydrofuranyl)基、テトラヒドロピラノイル(tetrahydropyranoyl)基、3−オクソシクロヘキサノイル(3−oxocyclohexanonyl)基、メバロンラクトニル(mevalonic lactonyl)基、1−エトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基等が挙げられる。
また、他のRとしては、例えば、下記化5で表されるジシクロプロピルメチル基(Dcpm)、ジメチルシクロプロピルメチル基(Dmcp)等が挙げられる。
Figure 0004760129
また、モノマーには、上記のモノマーに代えて、または、上記のモノマーとともに架橋性モノマー(架橋剤)を用いることもできる。この架橋性モノマーは、後述する触媒前駆体の存在下で、架橋反応を生じ得る化合物である。
架橋性モノマーを用いることにより、次のような利点がある。すなわち、架橋性モノマーは、より速く重合するので、コア層93(光導波路)の形成(プロセス)に要する時間を短縮することができる。また、架橋性モノマーは、加熱しても蒸発し難くいので、蒸気圧の上昇を抑えることができる。さらに、架橋性モノマーは、耐熱性に優れるため、コア層93の耐熱性を向上させることができる。
このうち、架橋性ノルボルネン系モノマーは、前記化2(構造式A)で表されるノルボルネン系部位(ノルボルネン系二重結合)を含む化合物である。
架橋性ノルボルネン系モノマーとしては、連続多環環系(fused multicyclic ring systems)の化合物と、連結多環環系(linked multicyclic ring systems)の化合物とがある。
連続多環環系の化合物(連続多環環系の架橋性ノルボルネン系モノマー)としては、下記化6で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004760129
[式中、Yは、メチレン(−CH−)基を表し、mは、0〜5の整数を表わす。ただし、mが0である場合、Yは、単結合である。]
なお、簡略化のため、ノルボルナジエン(norbornadiene)は、連続多環環系に含まれ、重合性ノルボルネン系二重結合を含むものと考えることとする。
この連続多環環系の化合物の具体例としては、下記化7で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0004760129
一方、連結多環環系の化合物(連結多環環系の架橋性ノルボルネン系モノマー)としては、下記化8で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004760129
[式中、aは、それぞれ独立して、単結合または二重結合を表し、mは、それぞれ独立して、0〜5の整数を表し、Rは、それぞれ独立して二価の炭化水素基、二価のエーテル基または二価のシリル基を表す。また、nは、0または1である。]
ここで、二価の置換基とは、端部にノルボルネン構造に結合し得る結合手を2つ有する基のことを言う。
二価の炭化水素基(ハイドロカルビル基)の具体例としては、一般式:−(C2d)−で表されるアルキレン基(dは、好ましくは1〜10の整数を表す。)と、二価の芳香族基(アリール基)とが挙げられる。
二価のアルキレン基としては、直鎖状または分岐状の炭素数1〜10(C〜C10)のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基が挙げられる。
なお、分岐アルキレン基は、主鎖の水素原子が、直鎖状または分岐状のアルキル基で置換されたものである。
一方、二価の芳香族基としては、二価のフェニル基、二価のナフチル基が好ましい。
また、二価のエーテル基は、−R10−O−R10−で表される基である。
ここで、R10は、それぞれ独立して、Rと同じものを表す。
この連結多環環系の化合物の具体例としては、下記化9、化10、化11、化12、化13で表される化合物の他、化14、化15で表されるフッ素含有化合物(フッ素含有架橋性ノルボルネン系モノマー)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0004760129
Figure 0004760129
この化10で表される化合物は、ジメチルビス[ビシクロ[2.2.1]へプト−2−エン−5−メトキシ]シランであり、またの命名では、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シラン(「SiX」と略される。)と呼ばれる。
Figure 0004760129
[式中、nは、0〜4の整数を表す。]
Figure 0004760129
Figure 0004760129
[式中、mおよびnは、それぞれ、1〜4の整数を表す。]
Figure 0004760129
Figure 0004760129
各種の架橋性ノルボルネン系モノマーの中でも、特に、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シラン(SiX)が好ましい。SiXは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位および/またはアラルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むノルボルネン系ポリマーに対して十分に低い屈折率を有する。このため、後述する活性放射線を照射する照射領域の屈折率を確実に低くして、クラッド部95とすることができる。また、コア部94とクラッド部95との間における屈折率差を大きくすることができ、コア層93(光導波路)の特性(光伝送性能)の向上を図ることができる。
なお、以上のようなモノマーは、単独または任意に組み合わせて用いるようにしてもよい。
触媒前駆体(第2の物質)は、前記のモノマーの反応(重合反応、架橋反応等)を開始させ得る物質であり、後述する活性放射線の照射により活性化した助触媒(第1の物質)の作用により、活性化温度が変化する物質である。
この触媒前駆体(プロカタリスト:procatalyst)としては、活性放射線の照射に伴って活性化温度が変化(上昇または低下)するものであれば、いかなる化合物を用いてもよいが、特に、活性放射線の照射に伴って活性化温度が低下するものが好ましい。これにより、比較的低温による加熱処理でコア層93(光導波路)を形成することができ、他の層に不要な熱が加わって、光導波路の特性(光伝送性能)が低下するのを防止することができる。
このような触媒前駆体としては、下記式(Ia)および(Ib)で表わされる化合物の少なくとも一方を含む(主とする)ものが好適に用いられる。
Figure 0004760129
[式Ia、Ib中、それぞれ、E(R)は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(またはその同位体の1つ)または炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレートおよびジチオカルボキシレートから選択されるアニオン配位子を表す。また、式Ib中、LBは、ルイス塩基を表し、WCAは、弱配位アニオンを表し、aは、1〜3の整数を表し、bは、0〜2の整数を表し、aとbとの合計は、1〜3であり、pおよびrは、パラジウムカチオンと弱配位アニオンとの電荷のバランスをとる数を表す。]
式Iaに従う典型的な触媒前駆体としては、Pd(OAc)(P(i−Pr)、Pd(OAc)(P(Cy)、Pd(OCCMe(P(Cy)、Pd(OAc)(P(Cp)、Pd(OCCF(P(Cy)、Pd(OCC(P(Cy)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。ここで、Cpは、シクロペンチル(cyclopentyl)基を表し、Cyは、シクロヘキシル基を表す。
また、式Ibで表される触媒前駆体としては、pおよびrが、それぞれ1および2の整数から選択される化合物が好ましい。
このような式Ibに従う典型的な触媒前駆体としては、Pd(OAc)(P(Cy)が挙げられる。ここで、Cyは、シクロヘキシル基を表し、Acは、アセチル基を表す。
これらの触媒前駆体は、モノマーを効率よく反応(ノルボルネン系モノマーの場合、付加重合反応によって効率よく重合反応や架橋反応等)することができる。
また、活性化温度が低下した状態(活性潜在状態)において、触媒前駆体としては、その活性化温度が本来の活性化温度よりも10〜80℃程度(好ましくは、10〜50℃程度)低くなるものが好ましい。これにより、コア部94とクラッド部95との間の屈折率差を確実に生じさせることができる。
かかる触媒前駆体としては、Pd(OAc)(P(i−Pr)およびPd(OAc)(P(Cy)のうちの少なくとも一方を含む(主とする)ものが好適である。
なお、以下では、Pd(OAc)(P(i−Pr)を「Pd545」と、また、Pd(OAc)(P(Cy)を「Pd785」と略すことがある。
助触媒(第1の物質)は、活性放射線の照射によって活性化して、前記の触媒前駆体(プロカタリスト)の活性化温度(モノマーに反応を生じさせる温度)を変化させ得る物質である。
この助触媒(コカタリスト:cocatalyst)としては、活性放射線の照射により、その分子構造が変化(反応または分解)して活性化する化合物であれば、いかなるものでも用いることができるが、特定波長の活性放射線の照射によって分解し、プロトンや他の陽イオン等のカチオンと、触媒前駆体の脱離基に置換し得る弱配位アニオン(WCA)とを発生する化合物(光開始剤)を含む(主とする)ものが好適に用いられる。
弱配位アニオンとしては、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン(FABA)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )等が挙げられる。
この助触媒(光酸発生剤または光塩基発生剤)としては、例えば、下記化17で表されるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩やヘキサフルオロアンチモン酸塩の他、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム酸塩、アルミン酸塩類、アンチモン酸塩類、他のホウ酸塩類、ガリウム酸塩類、カルボラン類、ハロカルボラン類等が挙げられる。
Figure 0004760129
このような助触媒の市販品としては、例えば、ニュージャージ州クランベリーのRhodia USA社から入手可能な「RHODORSIL(登録商標、以下同様である。) PHOTOINITIATOR 2074(CAS番号第178233−72−2番)」、日本国東京の東洋インキ製造株式会社から入手可能な「TAG−372R((ジメチル(2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル)スルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート:CAS番号第193957−54−9番))、日本国東京のみどり化学株式会社から入手可能な「MPI−103(CAS番号第87709−41−9番)」、日本国東京の東洋インキ製造株式会社から入手可能な「TAG−371(CAS番号第193957−53−8番)」、日本国東京の東洋合成工業株式会社から入手可能な「TTBPS−TPFPB(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルフォニウムテトラキス(ペンタペンタフルオロフェニル)ボレート)」、日本国東京のみどり化学工業株式会社より入手可能な「NAI−105(CAS番号第85342−62−7番)」等が挙げられる。
なお、助触媒(第1の物質)として、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074を用いる場合、後述する活性放射線(化学線)としては、紫外線(UV光)が好適に用いられ、紫外線の照射手段としては、水銀灯(高圧水銀ランプ)が好適に用いられる。これにより、層910に対して、300nm未満の十分なエネルギーの紫外線(活性放射線)を供給することができ、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074を効率よく分解して、上記のカチオンおよびWCAを発生させることができる。
また、コア層形成用材料(ワニス)900中には、必要に応じて、増感剤を添加するようにしてもよい。
増感剤は、活性放射線に対する助触媒の感度を増大して、助触媒の活性化(反応または分解)に要する時間やエネルギーを減少させる機能や、助触媒の活性化に適する波長に活性放射線の波長を変化させる機能を有するものである。
このような増感剤としては、助触媒の感度や増感剤の吸収のピーク波長等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、9,10−ジブトキシアントラセン(CAS番号第76275−14−4番)のようなアントラセン類、キサントン類、アントラキノン類、フェナントレン類、クリセン類、ベンツピレン類、フルオラセン類(fluoranthenes)、ルブレン類、ピレン類、インダンスリーン類、チオキサンテン−9−オン類(thioxanthen−9−ones)等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いられる。
増感剤の具体例としては、2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、フェノチアジン(phenothiazine)またはこれらの混合物が挙げられる。
なお、9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)は、日本国神奈川県の川崎化成工業株式会社から入手が可能である。
コア層形成用材料900中の増感剤の含有量は、特に限定されないが、0.01重量%以上であるのが好ましく、0.5重量%以上であるのがより好ましく、1重量%以上であるのがさらに好ましい。なお、上限値は、5重量%以下であるのが好ましい。
さらに、コア層形成用材料900中には、酸化防止剤を添加することができる。これにより、望ましくないフリーラジカルの発生や、ポリマー915の自然酸化を防止することができる。その結果、得られたコア層93(光導波路)の特性の向上を図ることができる。
この酸化防止剤としては、ニューヨーク州タリータウンのCiba Specialty Chemicals社から入手可能なCiba(登録商標、以下同様である。) IRGANOX(登録商標、以下同様である。) 1076およびCiba IRGAFOS(登録商標、以下同様である。) 168が好適に用いられる。
また、他の酸化防止剤としては、例えば、Ciba Irganox(登録商標、以下同様である。) 129、Ciba Irganox 1330、Ciba Irganox 1010、Ciba Cyanox(登録商標、以下同様である。) 1790、Ciba Irganox(登録商標) 3114、Ciba Irganox 3125等を用いることもできる。
なお、このような酸化防止剤は、例えば、層910が酸化条件に曝されない場合や、曝される期間が極めて短い場合等には、省略することもできる。
コア層形成用材料(ワニス)900の調製に用いる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒等の各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
さて、支持基板951上に形成された液状被膜中から溶媒を除去(脱溶媒)する方法としては、例えば、自然乾燥、加熱、減圧下での放置、不活性ガスの吹付け(ブロー)などによる強制乾燥等の方法が挙げられる。
以上のようにして、支持基板951上には、コア層形成用材料900のフィルム状の固化物(または硬化物)である層910が形成される。
このとき、層(PITDMの乾燥フィルム)910は、第1の屈折率(RI)を有している。この第1の屈折率は、層910中に一様に分散(分布)するポリマー915およびモノマーの作用による。
[2A] 次に、開口(窓)9351が形成されたマスク(マスキング)935を用意し、このマスク935を介して、層910に対して活性放射線930を照射する(図9−B参照)。
以下では、モノマーとして、ポリマー915より低い屈折率を有するものを用い、また、触媒前駆体として、活性放射線930の照射に伴って活性化温度が低下するものを用いる場合を一例に説明する。
すなわち、ここで示す例では、活性放射線930の照射領域925がクラッド部95となる。
したがって、ここで示す例では、マスク935には、形成すべきクラッド部95のパターンと等価な開口(窓)9351が形成される。この開口9351は、照射する活性放射線930が透過する透過部を形成するものである。
マスク935は、予め形成(別途形成)されたもの(例えばプレート状のもの)でも、層910上に例えば気相成膜法や塗布法により形成されたものでもよい。
マスク935として好ましいものの例としては、石英ガラスやPET基材等で作製されたフォトマスク、ステンシルマスク、気相成膜法(蒸着、スパッタリング等)により形成された金属薄膜等が挙げられるが、これらの中でもフォトマスクやステンシルマスクを用いるのが特に好ましい。微細なパターンを精度良く形成することができるとともに、ハンドリングがし易く、生産性の向上に有利であるからである。
また、図9−Bにおいては、形成すべきクラッド部95のパターンと等価な開口(窓)9351は、活性放射線930の未照射領域940のパターンに沿ってマスクを部分的に除去したものを示したが、前記石英ガラスやPET基材等で作製されたフォトマスクを用いる場合、該フォトマスク上に例えばクロム等の金属による遮蔽材で構成された活性放射線930の遮蔽部を設けたものを用いることもできる。このマスクでは、遮蔽部以外の部分が前記窓(透過部)となる。
用いる活性放射線930は、助触媒に対して、光化学的な反応(変化)を生じさせ得るものであればよく、例えば、可視光、紫外光、赤外光、レーザ光の他、電子線やX線等を用いることもできる。
これらの中でも、活性放射線930は、助触媒の種類、増感剤を含有する場合には、増感剤の種類等によって適宜選択され、特に限定されないが、波長200〜450nmの範囲にピーク波長を有するものであるのが好ましい。これにより、助触媒を比較的容易に活性化させることができる。
また、活性放射線930の照射量は、0.1〜9J/cm程度であるのが好ましく、0.2〜6J/cm程度であるのがより好ましく、0.2〜3J/cm程度であるのがさらに好ましい。これにより、助触媒を確実に活性化させることができる。
前記マスク935の構成材料としては、照射する活性放射線930により適宜選定される。具体的には、マスク935の構成材料としては、活性放射線930を遮光し得る材料とされる。このような特性を有するものであれば、マスク935の材料自体は、公知のいずれのものも使用することができる。
マスク935を介して、活性放射線930を層910に照射すると、活性放射線930が照射された照射領域925内に存在する助触媒(第1の物質:コカタリスト)は、活性放射線930の作用により反応(結合)または分解して、カチオン(プロトンまたは他の陽イオン)と、弱配位アニオン(WCA)とを遊離(発生)する。
そして、これらのカチオンや弱配位アニオンは、照射領域925内に存在する触媒前駆体(第2の物質:プロカタリスト)の分子構造に変化(分解)を生じさせ、これを活性潜在状態(潜在的活性状態)に変化させる。
ここで、活性潜在状態(または潜在的活性状態)の触媒前駆体とは、本来の活性化温度より活性化温度が低下しているが、温度上昇がないと、すなわち、室温程度では、照射領域925内においてモノマーの反応を生じさせることができない状態にある触媒前駆体のことを言う。
したがって、活性放射線930照射後においても、例えば−40℃程度で、層910を保管すれば、モノマーの反応を生じさせることなく、その状態を維持することができる。このため、活性放射線930照射後の層910を複数用意しておき、これらに一括して加熱処理を施すことにより、コア層93を得ることができ、利便性が高い。
なお、活性放射線930として、レーザ光のように指向性の高い光を用いる場合には、マスク935の使用を省略してもよい。
[3A] 次に、層910に対して加熱処理(第1の加熱処理)を施す。
これにより、照射領域925内では、活性潜在状態の触媒前駆体が活性化して(活性状態となって)、モノマーの反応(重合反応や架橋反応)が生じる。
そして、モノマーの反応が進行すると、照射領域925内におけるモノマー濃度が徐々に低下する。これにより、照射領域925と未照射領域940との間には、モノマー濃度に差が生じ、これを解消すべく、未照射領域940からモノマーが拡散(モノマーディフュージョン)して照射領域925に集まってくる。
その結果、照射領域925では、モノマーやその反応物(重合体、架橋構造や分岐構造)が増加し、当該領域の屈折率にモノマー由来の構造が大きく影響を及ぼすようになり、第1の屈折率より低い第2の屈折率へと低下する。なお、モノマーの重合体としては、主に付加(共)重合体が生成する。
一方、未照射領域940では、当該領域から照射領域925にモノマーが拡散することにより、モノマー量が減少するため、当該領域の屈折率にポリマー915の影響が大きく現れるようになり、第1の屈折率より高い第3の屈折率へと上昇する。
このようにして、照射領域925と未照射領域940との間に屈折率差(第2の屈折率<第3の屈折率)が生じて、コア部94(未照射領域940)とクラッド部95(照射領域925)とが形成される(図9−C参照)。
この加熱処理における加熱温度は、特に限定されないが、30〜80℃程度であるのが好ましく、40〜60℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、照射領域925内におけるモノマーの反応がほぼ完了するように設定するのが好ましく、具体的には、0.1〜2時間程度であるのが好ましく、0.1〜1時間程度であるのがより好ましい。
ここで、コア部94は、その横断面形状が、図示のように、正方形または矩形(長方形)のような四角形に形成されるが、その幅および高さは、それぞれ、好ましくは1〜200μm程度、より好ましくは5〜100μm程度、さらに好ましくは10〜60μm程度とされる。
[4A] 次に、層910に対して第2の加熱処理を施す。
これにより、未照射領域940および/または照射領域925に残存する触媒前駆体を、直接または助触媒の活性化を伴って、活性化させる(活性状態とする)ことにより、各領域925、940に残存するモノマーを反応させる。
このように、各領域925、940に残存するモノマーを反応させることにより、得られるコア部94およびクラッド部95の安定化を図ることができる。
この第2の加熱処理における加熱温度は、触媒前駆体または助触媒を活性化し得る温度であればよく、特に限定されないが、70〜100℃程度であるのが好ましく、80〜90℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、0.5〜2時間程度であるのが好ましく、0.5〜1時間程度であるのがより好ましい。
[5A] 次に、層910に対して第3の加熱処理を施す。
これにより、得られるコア層93に生じる内部応力の低減や、コア部94およびクラッド部95の更なる安定化を図ることができる。
この第3の加熱処理における加熱温度は、第2の加熱処理における加熱温度より20℃以上高く設定するのが好ましく、具体的には、90〜180℃程度であるのが好ましく、120〜160℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、0.5〜2時間程度であるのが好ましく、0.5〜1時間程度であるのがより好ましい。
以上の工程を経て、コア層93が得られる。
なお、例えば、第2の加熱処理や第3の加熱処理を施す前の状態で、コア部94とクラッド部95との間に十分な屈折率差が得られている場合等には、本工程[5A]や前記工程[4A]を省略してもよい。
図7に示す構成を製造する場合、上述した方法により複数のコア層93を作製しておき、これらを重ねて接合(圧着)することによりコア層積層部92を得る。この場合、各コア層93におけるコア部94のパターンは、各コア層93を所望の順序で積層したとき、予め設計された3次元方向の光路パターを形成し得るものとされる。
また、コア層積層部92の上面および下面にそれぞれ後述するクラッド層91を接合し(圧着)することにより、図7に示す構成が完成する。他の方法として、図6中下部のクラッド層91に複数のコア層93を順次積層(接合)し、最後に図6中上部のクラッド層91を接合(圧着)してもよい。
[6A] 次に、支持基板952上に、クラッド層91を形成する(図9−D参照)。
クラッド層91の形成方法としては、クラッド材を含むワニス(クラッド層形成用材料)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法等、いかなる方法でもよい。
クラッド層91を塗布法で形成する場合、例えば、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法等の方法が挙げられる。
支持基板952には、支持基板951と同様のものを用いることができる。
クラッド層91の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体、複合体(積層体)など)用いることができる。
これらのうち、特に耐熱性に優れるという点で、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、またはそれらを含むもの(主とするもの)を用いるのが好ましく、特に、ノルボルネン系樹脂(ノルボルネン系ポリマー)を主とするものが好ましい。
ノルボルネン系ポリマーは、耐熱性に優れるため、これをクラッド層91の構成材料として使用する光導波路では、光導波路に導体層を形成する際、導体層を加工して配線を形成する際、光学素子を実装する等に加熱されたとしても、クラッド層91が軟化して、変形するのを防止することができる。
また、高い疎水性を有するため、吸水による寸法変化等を生じ難いクラッド層91を得ることができる。
また、ノルボルネン系ポリマーまたはその原料であるノルボルネン系モノマーは、比較的安価であり、入手が容易であることからも好ましい。
さらに、クラッド層91の材料として、ノルボルネン系ポリマーを主とするものを用いると、曲げ等の変形に対する耐性に優れ、繰り返し湾曲変形した場合でも、クラッド層91、91とコア層93との層間剥離が生じ難く、クラッド層91の内部にマイクロクラックが発生することも防止される。しかも、コア層93の構成材料として好適に用いられる材料と同種となるため、コア層93との密着性がさらに高いものとなり、クラッド層91とコア層93との間での層間剥離を防止することができる。このようなことから、光導波路の光伝送性能が維持され、耐久性に優れた光導波路が得られる。
このようなノルボルネン系ポリマーとしては、例えば、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体のような付加重合体、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加したポリマーのような開環重合体が挙げられる。これらの重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。
これらのノルボルネン系ポリマーは、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができる。
これらの中でも、ノルボルネン系ポリマーとしては、付加(共)重合体が好ましい。このものは、透明性、耐熱性および可撓性に富むことからも好ましい。
特に、ノルボルネン系ポリマーは、重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位や、アリール基を含む置換基を有するノルボンネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。
重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含むことにより、クラッド層91において、ノルボルネン系ポリマーの少なくとも一部のものの重合性基同士を、直接または架橋剤を介して架橋させることができる。また、重合性基の種類、架橋剤の種類、コア層93に用いるポリマーの種類等によっては、このノルボルネン系ポリマーとコア層93に用いるポリマーとを架橋させることもできる。換言すれば、かかるノルボルネン系ポリマーは、その少なくとも一部のものが重合性基において架橋しているのが好ましい。
その結果、クラッド層91自体の強度や、クラッド層91とコア層93との密着性の更なる向上を図ることができる。
このような重合性基を含むノルボルネンの繰り返し単位としては、エポキシ基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、(メタ)アクリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、および、アルコキシシリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位がのうちの少なくとも1種が好適である。これらの重合性基は、各種重合性基の中でも、反応性が高いことから好ましい。
また、このような重合性基を含むノルボルネンの繰り返し単位を、2種以上含むものを用いれば、架橋密度をさらに向上させることができ、前記効果がより顕著となる。
一方、アリール基を含む置換基を有するノルボンネンの繰り返し単位を含むことにより、アリール基は、疎水性が極めて高いため、クラッド層91の吸水による寸法変化等をより確実に防止することができる。また、アリール基は、脂溶性(親油性)に優れ、前述したようなコア層93に用いられるポリマーとの親和性が高いため、クラッド層91とコア層93との間での層間剥離をより確実に防止することができ、より耐久性に優れた光導波路が得られる。
さらに、ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。なお、アルキル基は、直鎖状または分岐状のいずれであってもよい。
アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むことにより、ノルボルネン系ポリマーは、柔軟性が高くなるため、クラッド層91、91(光導波路)に高いフレキシビリティ(可撓性)を付与することができる。
また、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むノルボルネン系ポリマーは、前述したような波長領域(特に、850nm付近の波長領域)の光に対する透過率が優れることからも好ましい。
なお、クラッド層91に用いるノルボルネン系ポリマーは、比較的屈折率の低いものが好適であるのに対して、アリール基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含むと、一般に屈折率が高くなる傾向を示すが、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むことにより、屈折率の上昇を防止することもできる。
このようなことから、クラッド層91に用いるノルボルネン系ポリマーとしては、下記化18〜21や、化25で表されるものが好適である。
Figure 0004760129
[式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、aは、0〜3の整数を表し、bは、1〜3の整数を表し、p/qが20以下である。]
なお、化18で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、特に、Rが炭素数4〜10のアルキル基であり、aおよびbがそれぞれ1である化合物、例えば、ブチルボルネンとメチルグリシジルエーテルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとメチルグリシジルエーテルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとメチルグリシジルエーテルノルボルネンとのコポリマー等が好ましい。
Figure 0004760129
[式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、水素原子またはメチル基を表し、aは、0〜3の整数を表し、p/qが20以下である。]
なお、化19で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、特に、Rが炭素数4〜10のアルキル基であり、aが1である化合物、例えば、ブチルボルネンとアクリル酸2−(5−ノルボルネニル)メチルとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとアクリル酸2−(5−ノルボルネニル)メチルとのコポリマー、デシルノルボルネンとアクリル酸2−(5−ノルボルネニル)メチルとのコポリマー等が好ましい。
Figure 0004760129
[式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、aは、0〜3の整数を表し、p/qが20以下である。]
なお、化20で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、特に、Rが炭素数4〜10のアルキル基であり、aが1または2、Xがメチル基またはエチル基である化合物、例えば、ブチルボルネンとノルボルネニルエチルトリメトキシシランとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとノルボルネニルエチルトリメトキシシランとのコポリマー、デシルノルボルネンとノルボルネニルエチルトリメトキシシランとのコポリマー、ブチルボルネンとトリエトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとトリエトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとトリエトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、ブチルボルネンとトリメトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとトリメトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとトリメトキシシリルノルボルネンとのコポリマー等が好ましい。
Figure 0004760129
[式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、AおよびAは、それぞれ独立して、下記化22〜24で表される置換基を表すが、同時に同一の置換基であることはない。また、p/q+rが20以下である。]
Figure 0004760129
[式中、aは、0〜3の整数を表し、bは、1〜3の整数を表す。]
Figure 0004760129
[式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、aは、0〜3の整数を表す。]
Figure 0004760129
[式中、Xは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、aは、0〜3の整数を表す。]
なお、化21で表されるノルボルネン系ポリマーとしては、例えば、ブチルボルネン、ヘキシルノルボルネンまたはデシルノルボルネンのいずれかと、アクリル酸2−(5−ノルボルネニル)メチルと、ノルボルネニルエチルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルノルボルネンまたはトリメトキシシリルノルボルネンのいずれかとのターポリマー、ブチルボルネン、ヘキシルノルボルネンまたはデシルノルボルネンのいずれかと、アクリル酸2−(5−ノルボルネニル)メチルと、メチルグリシジルエーテルノルボルネンとのターポリマー、ブチルボルネン、ヘキシルノルボルネンまたはデシルノルボルネンのいずれかと、メチルグリシジルエーテルノルボルネン、ノルボルネニルエチルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルノルボルネンまたはトリメトキシシリルノルボルネンのいずれかとのターポリマー等が挙げられる。
Figure 0004760129
[式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Arは、アリール基を表し、Xは、酸素原子またはメチレン基を表し、Xは、炭素原子またはシリコン原子を表し、aは、0〜3の整数を表し、cは、1〜3の整数を表し、p/qが20以下である。]
なお、化25で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、特に、Rが炭素数4〜10のアルキル基であり、Xが酸素原子、Xがシリコン原子、Arがフェニル基、Rがメチル基、aが1、cが2である化合物、例えば、ブチルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマー、デシルノルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマー等や、Rが炭素数4〜10のアルキル基であり、Xがメチレン基、Xが炭素原子、Arがフェニル基、Rが水素原子、aが0、cが1である化合物、例えば、ブチルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー等が好ましい。
また、p/qまたはp/q+rは、20以下であればよいが、15以下であるのが好ましく、0.1〜10程度がより好ましい。これにより、複数種のノルボルネンの繰り返し単位を含む効果が如何なく発揮される。
以上のようなノルボルネン系ポリマーは、前述した特性に加えて、比較的低い屈折率のものであり、かかるノルボルネン系ポリマーを主材料としてクラッド層91を構成することにより、光導波路の光伝送性能をより向上させることができる。
なお、ノルボルネン系ポリマーが、(メタ)アクリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含む場合、(メタ)アクリル基同士は、加熱により比較的容易に架橋(重合)させることができるが、クラッド層形成用材料中に、ラジカル発生剤を混合することにより、(メタ)アクリル基同士の架橋反応を促進することができる。
ラジカル発生剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,1−ビス(t−ブチルペロキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好適に用いられる。
また、ノルボルネン系ポリマーが、エポキシ基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位や、アルコキシシリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含む場合、これらの重合性基同士を直接架橋させるためには、クラッド層形成用材料中に、前述した助触媒と同種の物質(光酸発生剤または光塩基発生剤)を混合しておき、この物質の作用により、エポキシ基やアルコキシシリル基を架橋させればよい。
一方、エポキシ基同士、(メタ)アクリル基同士やアルコキシシリル基同士を架橋剤を介して架橋させるためには、さらに、クラッド層形成用材料中に、架橋剤として、各重合性基に対応する重合性基を少なくとも1つを有する化合物を混合するようにすればよい。
エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(γ−GPS)、シリコーンエポキシ樹脂等が好適に用いられる。
(メタ)アクリル基を有する架橋剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラントリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等が好適に用いられる。
アルコキシシリル基を有する架橋剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランのようなシランカップリング剤等が好適に用いられる。
これらの重合性基同士の架橋反応は、本工程[6A]の最終段階で行うようにしてもよいし、次工程[7A]において光導波路を得た後に行うようにしてもよい。
また、クラッド層形成用材料中には、各種の添加剤を添加(混合)するようにしてもよい。
例えば、クラッド層形成用材料中には、前記コア層形成用材料で挙げたモノマー、触媒前駆体および助触媒を混合してもよい。これにより、クラッド層91中において、前述したのと同様にして、モノマーを反応させて、クラッド層91の屈折率を変化させることができる。
特に、モノマーとしては、架橋性モノマーを含むものを用いると、クラッド層91において、ノルボルネン系ポリマーの少なくとも一部のもののを、架橋性モノマーを介して架橋させることができる。また、架橋剤の種類、コア層93に用いるポリマーの種類等によっては、このノルボルネン系ポリマーとコア層93に用いるポリマーとを架橋させることもできる。
また、この場合、クラッド層91中において、屈折率の差を設けることが要求されないので、助触媒を省略して、加熱により容易に活性化する触媒前駆体を用いることもできる。
かかる触媒前駆体としては、例えば、[Pd(PCy(OCCH)(NCCH)]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[2−methallyl Pd(PCy3)2]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[Pd(PCy3)2H(NCCH3)]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[Pd(P(iPr)3)2(OCOCH3)(NCCH3)]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
その他の添加剤としては、前述したような酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤を混合することにより、クラッド材(ノルボルネン系ポリマー)の酸化による劣化を防止することができる。
以上のようにして、支持基板952上に、クラッド層91が形成される。
クラッド層91の平均厚さは、コア層93の平均厚さの0.1〜1.5倍程度であるのが好ましく、0.3〜1.25倍程度であるのがより好ましく、具体的には、クラッド層91の平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、通常、1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、10〜60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路が不要に大型化(圧膜化)するのを防止しつつ、クラッド層としての機能が好適に発揮される。
[7A] 次に、支持基板951からコア層93を剥離し、このコア層93を、クラッド層91が形成された支持基板952と、もう一方のクラッド層91が形成された支持基板952とで挟持する(図9−E参照)。
そして、図9−E中の矢印で示すように、上側のクラッド層91が形成された支持基板952の上面側から加圧し、クラッド層91、91とコア層93とを圧着する。
これにより、クラッド層91、91とコア層93とが接合、一体化される。
また、この圧着作業は、加熱下で行われるのが好ましい。加熱温度は、クラッド層91、91やコア層93の構成材料等により適宜決定されるが、通常は、80〜200℃程度が好ましく、120〜180℃程度がより好ましい。
次いで、両クラッド層91から、それぞれ、支持基板952を剥離、除去する。これにより、光導波路(積層体90)が得られる。
図6に示す構成を製造する場合、上述した方法により複数の光導波路(積層体90)を作製しておき、これらを重ねて接合(圧着)する。この場合、各積層体90のコア層93におけるコア部94のパターンは、各積層体90を所望の順序で積層したとき、予め設計された3次元方向の光路パターを形成し得るものとされる。
また、図5に示す構成を製造する場合、例えば次の3つの方法が可能である。まず第1の方法としては、1つの光導波路(積層体90)を作製し、その上にコア層93、クラッド層91をこの順に繰り返し積層し、これらを圧着する方法が挙げられる。第2の方法としては、2つの光導波路(積層体90)を作製し、該光導波路(積層体90)間にコア層93を介挿して、これらを圧着し一体化する方法が挙げられる。第3の方法としては、クラッド層91とコア層93とを積層した2層積層体を複数組作製し、各々の2層積層体を所望の順序で積層し、圧着する方法が挙げられる。第4の方法としては、各クラッド層91およびコア層93のそれぞれを1層ずつ作製し、これらを所望の順序で積層し、圧着する方法が挙げられる。
前記第1〜第4の方法において、各コア層93におけるコア部94のパターンは、各クラッド層91およびコア層91を所望の順序で積層したとき、予め設計された3次元方向の光路パターを形成し得るものとされる。
このような光導波路の好ましい例では、コア層93において、コア部94が第1のノルボルネン系材料を主材料として構成され、クラッド部95が第1のノルボルネン系材料より低い屈折率を有する第2のノルボルネン系材料を主材料として構成され、両クラッド層91が、それぞれ、第1のノルボルネン系材料(コア層93のコア部94)より屈折率が低いノルボルネン系ポリマーを主材料として構成される。
そして、第1のノルボルネン系材料と前記第2のノルボルネン系材料とは、いずれも、同一のノルボルネン系ポリマーを含有するが、このノルボルネン系ポリマーと異なる屈折率を有するノルボルネン系モノマーの反応物の含有量が異なることにより、互いに屈折率が異なっている。
ノルボルネン系ポリマーは、透明性が高いため、かかる構成の光導波路を有する光導波路本体2では、高い光伝送性能が得られる。
また、このような構成により、コア部94とクラッド部95との間の高い密着性のみならず、コア層93と両クラッド層91との間の高い密着性が得られ、光導波路に曲げ等の変形が生じた場合でも、コア部94とクラッド部95との剥離や、コア層93とクラッド層91との層間剥離が生じ難く、コア部94内やクラッド部95内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路の光伝送性能が維持される。
さらに、ノルボルネン系ポリマーは、高い耐熱性、高い疎水性を有するため、かかる構成の光導波路では、耐久性に優れたものとなる。
また、光導波路に高い耐熱性や高い疎水性を付与することができるため、その特性の低下(劣化)を防止しつつ、前述したような各種の方法を採用して導体層を確実に形成することができる。特に、光の伝送に重要なコア部94と重なるように、導体層を形成した場合でも、コア部94の変質・劣化を防止することができる。
また、以上のような製造方法によれば、簡単な処理で、しかも短時間に、所望の形状を有し、かつ、寸法精度の高いコア部94を有する光導波路を得ることができる。
<第2の製造方法>
次に、光導波路の第2の製造方法について説明する。
以下、第2の製造方法について説明するが、前記第1の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2の製造方法では、コア層形成用材料900の組成が異なり、それ以外は、前記第1の製造方法と同様である。
すなわち、第2の製造方法で用いられるコア層形成用材料900は、活性放射線の照射により活性化する離脱剤(物質)と、主鎖と該主鎖から分岐し、活性化した離脱剤の作用により、分子構造の少なくとも一部が主鎖から離脱し得る離脱性基(離脱性ぺンダントグループ)とを有するポリマー915とを含有している。
離脱剤には、前記第1の製造方法で挙げた助触媒と同様のものを用いることができる。
第2の製造方法において用いられるポリマー915としては、前記第1の製造方法で挙げたポリマー915が有する置換基を離脱性基で置換したものや、前記第1の製造方法で挙げたポリマー915に離脱性基を導入したもの等が挙げられる。
かかるポリマー915は、離脱性基の離脱(切断)により、その屈折率が変化(上昇または低下)する。
離脱性基は、カチオン、アニオンまたはフリーラジカルの作用により離脱するもの、すなわち、酸(カチオン)脱離性基、塩基(アニオン)脱離性基、フリーラジカル脱離性基のいずれであってもよいが、好ましくはカチオン(プロトン)の作用により離脱するもの(酸基離脱性基)である。
酸離脱性基としては、その分子構造中に、−O−構造、−Si−アリール構造および−O−Si−構造のうちの少なくとも1つを有するものが好ましい。かかる酸離脱性基は、カチオンの作用により比較的容易に離脱する。
このうち、離脱によりポリマー915の屈折率に低下を生じさせる酸離脱性基としては、−Si−ジフェニル構造および−O−Si−ジフェニル構造の少なくとも一方が好ましい。
なお、フリーラジカルの作用により離脱するフリーラジカル脱離性基としては、例えば、末端にアセトフェノン構造を有する置換基等が挙げられる。
また、ポリマー915は、前記第1の製造方法で説明したのと同様の理由から、ノルボルネン系ポリマーを用いるのが好ましく、アルキル(特にヘキシル)ノルボルネンの繰り返し単位を含むノルボルネン系ポリマーを用いるのがより好ましい。
以上のことを考慮した場合、離脱性基の離脱により屈折率が低下するポリマー915としては、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランのホモポリマーや、ヘキシルノルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマーが好適に用いられる。
以下では、ポリマー915として、離脱性基(特に酸離脱性基)の離脱により屈折率が低下するものを用いる場合を一例に説明する。
すなわち、ここで示す例では、活性放射線930の照射領域925がクラッド部95となる。
[1B] 前記工程[1A]と同様の工程を行う。
このとき、層(PITDMの乾燥フィルム)910は、第1の屈折率(RI)を有している。この第1の屈折率は、層910中に一様に分散(分布)するポリマー915の作用による。
[2B] 前記工程[2A]と同様の工程を行う。
マスク935を介して、活性放射線930を層910に照射すると、活性放射線930が照射された照射領域925内に存在する離脱剤は、活性放射線930の作用により反応(結合)または分解して、カチオン(プロトンまたは他の陽イオン)と、弱配位アニオン(WCA)とを遊離(発生)する。
そして、カチオンは、離脱性基そのものを主鎖から離脱させるか、または、離脱性基の分子構造の途中から切断する(フォトブリーチ)。
これにより、照射領域925では、未照射領域940よりも完全な状態の離脱性基の数が減少し、第1の屈折率より低い第2の屈折率へと低下する。なお、このとき、未照射領域940の屈折率は、第1の屈折率が維持される。
このようにして、照射領域925と未照射領域940との間に屈折率差(第2の屈折率<第1の屈折率)が生じて、コア部94(未照射領域940)とクラッド部95(照射領域925)とが形成される。
なお、この場合、活性放射線930の照射量は、0.1〜9J/cm程度であるのが好ましく、0.3〜6J/cm程度であるのがより好ましく、0.6〜6J/cm程度であるのがさらに好ましい。これにより、離脱剤を確実に活性化させることができる。
[3B] 次に、層910に対して加熱処理を施す。
これにより、ポリマー915から離脱(切断)された離脱性基が、例えば、照射領域925から除去されたり、ポリマー915内において再配列または架橋する。
さらに、このとき、クラッド部95(照射領域925)に残存する離脱性基の一部がさらに離脱(切断)すると考えられる。
したがって、このような加熱処理を施すことにより、コア部94とクラッド部95との間の屈折率差をより大きくすることができる。
この加熱処理における加熱温度は、特に限定されないが、70〜195℃程度であるのが好ましく、85〜150℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱時間は、照射領域925から離脱(切断)された離脱性基を十分に除去し得るに設定され、特に限定されないが、0.5〜3時間程度であるのが好ましく、0.5〜2時間程度であるのがより好ましい。
なお、例えば、加熱処理を施す前の状態で、コア部94とクラッド部95との間に十分な屈折率差が得られている場合等には、本工程[3B]を省略してもよい。
また、必要に応じて、1回または複数回の加熱処理(例えば、150〜200℃×1〜8時間程度)の工程を追加することもできる。
以上の工程を経て、コア層93が得られる。
[4B] 前記工程[6A]と同様の工程を行う。
[5B] 前記工程[7A]と同様の工程を行う。
以上のようにして、光導波路が完成する。
このような光導波路の好ましい例では、コア層93がノルボルネン系材料を主材料として構成され、両クラッド層91が、それぞれ、コア層93のコア部94より屈折率が低いノルボルネン系ポリマーを主材料として構成される。
そして、コア部94とクラッド部95とは、主鎖と主鎖から分岐し、分子構造の少なくとも一部が主鎖から離脱し得る離脱性基とを有するノルボルネン系ポリマーを主材料として構成され、コア部94とクラッド部95とは、主鎖に結合した状態の離脱性基の数が異なることにより、それらの屈折率が異なっている。
ノルボルネン系ポリマーは、透明性が高いため、かかる構成の光導波路では、高い光伝送性能が得られる。
また、このような構成により、コア部94とクラッド部95との間の高い密着性のみならず、コア層93と両クラッド層91との間の高い密着性が得られ、光導波路に曲げ等の変形が生じた場合でも、コア部94とクラッド部95との剥離や、コア層93とクラッド層91との層間剥離が生じ難く、コア部94内やクラッド部95内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路の光伝送性能が維持される。
さらに、ノルボルネン系ポリマーは、高い耐熱性、高い疎水性を有するため、かかる構成の光導波路では、耐久性に優れたものとなる。
また、光導波路に高い耐熱性や高い疎水性を付与することができるため、その特性の低下(劣化)を防止しつつ、前述したような各種の方法を採用して導体層を確実に形成することができる。特に、光の伝送に重要なコア部94と重なるように、導体層を形成した場合でも、コア部94の変質・劣化を防止することができる。
また、以上のような製造方法によれば、簡単な処理で、しかも短時間に、所望の形状を有し、かつ、寸法精度の高いコア部94を有する光導波路を得ることができる。
特に、第2の製造方法によれば、少なくとも活性放射線をすればよく、極めて簡単な処理で、コア層93を形成することができる。
<第3の製造方法>
次に、光導波路の第3の製造方法について説明する。
以下、第3の製造方法について説明するが、前記第1および第2の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3の製造方法では、コア層形成用材料900として、第1および第2の製造方法で用いたコア層形成用材料を組み合わせたものを用い、それ以外は、前記第1または第2の製造方法と同様である。
すなわち、第3の製造方法で用いられるコア層形成用材料900は、前述したような離脱性基を有するポリマー915と、モノマーと、助触媒(第1の物質)と、触媒前駆体(第2の物質)とを含有している。また、助触媒は、前記第2の製造方法における離脱剤と同じものであり、離脱剤を離脱させる機能も有する。
このようなコア層形成用材料900では、選択する離脱性基と、選択するモノマーとの組み合わせにより、得られるコア層93において、コア部94とクラッド部95との間の屈折率差をより多段階に調整することが可能となる。
なお、前述したように、モノマーとして、ポリマー915より低い屈折率を有するものを用い、また、触媒前駆体として、活性放射線930の照射に伴って活性化温度が低下するものを用い、ポリマー915として、離脱性基の離脱により屈折率が低下するものを用いると、照射領域925をクラッド部95とし、コア部94との屈折率差が極めて大きいコア層93を得ることができる。
以下では、このような組み合わせのポリマー915、モノマーおよび触媒前駆体を用いる場合を一例に説明する。
すなわち、ここで示す例では、活性放射線930の照射領域925がクラッド部95となる。
[1C] 前記工程[1A]と同様の工程を行う。
このとき、層(PITDMの乾燥フィルム)910は、第1の屈折率(RI)を有している。この第1の屈折率は、層910中に一様に分散(分布)するポリマー915およびモノマーの作用による。
[2C] 前記工程[2A]と同様の工程を行う。
マスク935を介して、活性放射線930を層910に照射すると、活性放射線930が照射された照射領域925内に存在する助触媒(第1の物質:コカタリスト)は、活性放射線930の作用により反応または分解して、カチオン(プロトンまたは他の陽イオン)と、弱配位アニオン(WCA)とを遊離(発生)する。
そして、これらのカチオンや弱配位アニオンは、照射領域925内に存在する触媒前駆体(第2の物質:プロカタリスト)の分子構造に変化(分解)を生じさせ、これを活性潜在状態(潜在的活性状態)に変化させる。
また、カチオンは、離脱性基そのものを主鎖から離脱させるか、または、離脱性基の分子構造の途中から切断する。
これにより、照射領域925では、未照射領域940よりも完全な状態の離脱性基の数が減少し、屈折率が低下して第1の屈折率より低くなる。なお、このとき、未照射領域940の屈折率は、第1の屈折率が維持される。
なお、この場合、活性放射線930の照射量は、0.1〜9J/cm程度であるのが好ましく、0.2〜5J/cm程度であるのがより好ましく、0.2〜4J/cm程度であるのがさらに好ましい。これにより、助触媒を確実に活性化させることができる。
[3C] 前記工程[3A]と同様の工程を行う。
これにより、照射領域925内では、活性潜在状態の触媒前駆体が活性化して(活性状態となって)、モノマーの反応(重合反応や架橋反応)が生じる。
そして、モノマーの反応が進行すると、照射領域925内におけるモノマー濃度が徐々に低下する。これにより、照射領域925と未照射領域940との間には、モノマー濃度に差が生じ、これを解消すべく、未照射領域940からモノマーが拡散して照射領域925に集まってくる。
また、この加熱処理により、ポリマー915から離脱(切断)された離脱性基が、例えば、照射領域925から除去されたり、ポリマー915内において再配列または架橋する。
その結果、照射領域925では、モノマーやその反応物(重合体、架橋構造や分岐構造)が増加し、当該領域の屈折率にモノマー由来の構造が大きく影響を及ぼすようになること、ポリマー915から離脱(切断)された離脱性基が減少すること等により、さらに屈折率が低下して第2の屈折率となる。
一方、未照射領域940では、当該領域から照射領域925にモノマーが拡散することにより、モノマー量が減少するため、当該領域の屈折率にポリマー915の影響が大きく現れるようになり、第1の屈折率より高い第3の屈折率へと上昇する。
このようにして、照射領域925と未照射領域940との間に屈折率差(第2の屈折率<第3の屈折率)が生じて、コア部94(未照射領域940)とクラッド部95(照射領域925)とが形成される。
[4C] 前記工程[4A]と同様の工程を行う。
[5C] 前記工程[5A]と同様の工程を行う。
[6C] 前記工程[6A]と同様の工程を行う。
[7C] 前記工程[7A]と同様の工程を行う。
以上のようにして、光導波路が完成する。
このような光導波路の好ましい例では、コア層93は、主鎖とこの主鎖から分岐し、分子構造の少なくとも一部が主鎖から離脱し得る離脱性基とを有するノルボルネン系ポリマーを含有しており、コア部94とクラッド部95とは、主鎖に結合した状態の離脱性基の数が異なること、および、ノルボルネン系ポリマーと異なる屈折率を有するノルボルネン系モノマーの反応物の含有量が異なることにより、それらの屈折率が異なっており、また、両クラッド層91が、それぞれ、コア層93のコア部94より屈折率が低いノルボルネン系ポリマーを主材料として構成される。
ノルボルネン系ポリマーは、透明性が高いため、かかる構成の光導波路では、高い光伝送性能が得られる。
また、このような構成により、コア部94とクラッド部95との間の高い密着性のみならず、コア層93と両クラッド層91との間の高い密着性が得られ、光導波路に曲げ等の変形が生じた場合でも、コア部94とクラッド部95との剥離や、コア層93とクラッド層91との層間剥離が生じ難く、コア部94内やクラッド部95内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路の光伝送性能が維持される。
さらに、ノルボルネン系ポリマーは、高い耐熱性、高い疎水性を有するため、かかる構成の光導波路では、耐久性に優れたものとなる。
また、光導波路に高い耐熱性や高い疎水性を付与することができるため、その特性の低下(劣化)を防止しつつ、前述したような各種の方法を採用して導体層を確実に形成することができる。特に、光の伝送に重要なコア部94と重なるように、導体層を形成した場合でも、コア部94の変質・劣化を防止することができる。
また、以上のような製造方法によれば、簡単な処理で、しかも短時間に、所望の形状を有し、かつ、寸法精度の高いコア部94を有する光導波路を得ることができる。
特に、第3の製造方法によれば、コア部94とクラッド部95との間の屈折率差を多段階に設定することが可能となる。
<第4の製造方法>
次に、光導波路の第4の製造方法について説明する。
図10−A〜図10−Eは、それぞれ、光導波路の第4の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。
以下、第4の製造方法について説明するが、前記第1〜第3の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4の製造方法では、コア層形成用材料900やクラッド層形成用材料には、前記第1〜第3の製造方法で説明したのと同様のものを用いることができる。
なお、以下では、コア層形成用材料として、前記第1の製造方法で挙げたものを用いる場合を代表に説明する。
[1D] まず、支持基板1000上に、クラッド層形成用材料(第1のワニス)を前述したのと同様の方法を用いて塗布して、第1の層1110を形成する(図10−A参照)。
支持基板1000には、支持基板951と同様のものを用いることができる。
第1の層1110の平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μm程度であるのが好ましく、10〜100μm程度であるのがより好ましく、15〜65μm程度であるのがさらに好ましい。
[2D] 次に、第1の層1110上に、コア層形成用材料(第2のワニス)を前述したのと同様の方法を用いて塗布して、第2の層1120を形成する(図10−B参照)。
コア層形成用材料は、第1の層1110をほぼ完全に乾燥させた後に塗布するようにしてもよいし、第1の層1110が乾燥する前に塗布するようにしてもよい。
後者の場合、第1の層1110と第2の層1120とは、それらの界面において相互に混ざり合った状態となる。この場合、得られた光導波路において、クラッド層91とコア層93との密着性の向上を図ることができる。
また、この場合、第1のワニスおよび第2のワニスは、それぞれ、粘度(常温)が好ましくは100〜10000cP程度、より好ましくは150〜5000cP程度、さらに好ましくは200〜3500cP程度に調製される。これにより、第1の層1110と第2の層1120とが、それらの界面において必要以上に混ざり合うのを防止することができるとともに、第1の層1110および第2の層1120の厚さが不均一となるのを防止することができる。
なお、第2のワニスの粘度は、第1のワニスの粘度より高くするのが好ましい。これにより、第1の層1110と第2の層1120とが、それらの界面において必要以上に混ざり合うのを確実に防止することができる。
第2の層1120の平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μm程度であるのが好ましく、15〜125μm程度であるのがより好ましく、25〜100μm程度であるのがさらに好ましい。
[3D] 次に、第2の層1120上に、クラッド層形成用材料(第3のワニス)を前述したのと同様の方法を用いて塗布して、第3の層1130を形成する(図10−C参照)。
第3の層1130は、前記第2の層1120と同様にして形成することができる。
第3の層1130の平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μm程度であるのが好ましく、10〜100μm程度であるのがより好ましく、15〜65μm程度であるのがさらに好ましい。
これにより、積層体2000が得られる。
[4D] 次に、積層体2000中の溶媒を除去(脱溶媒)する。
脱溶媒の方法としては、例えば、加熱、大気圧または減圧下での放置、不活性ガス等の噴き付け(ブロー)等の方法が挙げられるが、加熱による方法が好ましい。これにより、比較的容易かつ短時間での脱溶媒が可能である。
この加熱の温度は、25〜60℃程度であるのが好ましく、30〜45℃程度であるのがより好ましい。
また、加熱の時間は、15〜60分程度であるのが好ましく、15〜30分程度であるのがより好ましい。
[5D] 次に、開口(窓)9351が形成されたマスク(マスキング)935を用意し、このマスク935を介して、積層体2000に対して活性放射線930を照射する(図10−D参照)。
マスク935を介して、活性放射線930を積層体2000に照射すると、第2の層1120の活性放射線930が照射された照射領域925内に存在する助触媒(第1の物質:コカタリスト)は、活性放射線930の作用により反応または分解して、カチオン(プロトンまたは他の陽イオン)と、弱配位アニオン(WCA)とを遊離(発生)する。
そして、これらのカチオンや弱配位アニオンは、照射領域925内に存在する触媒前駆体(第2の物質:プロカタリスト)の分子構造に変化(分解)を生じさせ、これを活性潜在状態(潜在的活性状態)に変化させる。
[6D] 次に、積層体2000に対して加熱処理(第1の加熱処理)を施す。
これにより、照射領域925内では、活性潜在状態の触媒前駆体が活性化して(活性状態となって)、モノマーの反応(重合反応や架橋反応)が生じる。
そして、モノマーの反応が進行すると、照射領域925内におけるモノマー濃度が徐々に低下する。これにより、照射領域925と未照射領域940との間には、モノマー濃度に差が生じ、これを解消すべく、未照射領域940からモノマーが拡散して照射領域925に集まってくる。
その結果、照射領域925では、モノマーやその反応物(重合体、架橋構造や分岐構造)が増加し、当該領域の屈折率にモノマー由来の構造が大きく影響を及ぼすようになり、第1の屈折率より低い第2の屈折率へと低下する。
一方、未照射領域940では、当該領域から照射領域925にモノマーが拡散することにより、モノマー量が減少するため、当該領域の屈折率にポリマー915の影響が大きく現れるようになり、第1の屈折率より高い第3の屈折率へと上昇する。
このようにして、照射領域925と未照射領域940との間に屈折率差(第2の屈折率<第3の屈折率)が生じて、コア部94(未照射領域940)とクラッド部95(照射領域925)とが形成される(図10−E参照)。
[7D] 次に、積層体2000に対して第2の加熱処理を施す。
これにより、未照射領域940および/または照射領域925に残存する触媒前駆体を、直接または助触媒の活性化を伴って、活性化させる(活性状態とする)ことにより、各領域925、940に残存するモノマーを反応させる。
このように、各領域925、940に残存するモノマーを反応させることにより、得られるコア部94およびクラッド部95の安定化を図ることができる。
[8D] 次に、積層体2000に対して第3の加熱処理を施す。
これにより、得られるコア層93に生じる内部応力の低減や、コア部94およびクラッド部95の更なる安定化を図ることができる。
以上の工程を経て、光導波路が得られる。
かかる方法では、第1の加熱処理の後、積層体2000内にコア部94が目視で確認することができるようになる。
また、第1のワニスおよび第3のワニスとして、第2のワニスと同様の組成、すなわち、ポリマー915、モノマー、助触媒および触媒前駆体を含有するものを用いるようにしてもよい。これにより、モノマーの反応が、第1の層1110および第3の層1130と、第2の層1120の界面、および/または、かかる界面を越えて第1の層1110および第3の層1130内で生じて、クラッド層91とコア層93との剥離をより確実に防止することができる。
また、この場合、例えば、I:第1の層1110および第3の層1130のポリマー915として、第2の層1120のポリマー915の屈折率より相対的に低い屈折率(RI)のものを選択したり、II:第1の層1110および第3の層1130のモノマーとして、第2の層1120のモノマーと同じものを用いるが、第1の層1110および第3の層1130における触媒前駆体およびモノマーの比率を、第2の層1120のそれより低くなるように調節するようにしたりすればよい。
これにより、活性放射線930を照射しても、クラッド層91、91内に、コア層93のコア部94より高い屈折率を有する領域が形成されるのを防止することができる。
なお、コア層形成用材料(第2のワニス)として、離脱性基を有するポリマー915を含有するものを用いる場合、クラッド層形成用材料(第1のワニス、第3のワニス)としては、脱離性基を有しないポリマー915を用いて調製したものを用いるか、離脱性基を有するポリマー915を用いるが、離脱剤を含有しないものを用いるようにすればよい。
これにより、第1の層1110および第3の層1130において、ポリマー915から離脱性基が離脱(分解)することを防止することができる。
また、この場合、助触媒には、コア層93を形成する際には、活性化しないものを選択するようにしてもよい。例えば、第2のワニスが含有する助触媒の活性化に適した活性放射線を吸収しないか、または、活性放射線に代わって熱の作用により活性化される助触媒を選択するようにすればよい。
このような助触媒としては、例えば、非吸収性光塩基発生剤(PBG)や熱塩基発生剤(TBG)等が挙げられる。
なお、本発明において、光導波路構造体の基本構造、層構成、各部の形状、数、配置等は、図示のものに限定されないことは言うまでもない。
また、前記各実施形態において、素子として、発光素子61ないし65を備える構成について説明したが、1つ以上の受光素子を備える構成であってもよく、あるいは1つ以上の発光素子と1つ以上の受光素子とを備える構成であってもよい。もちろん、発光素子と受光素子の組を2組以上有する構成であってもよい。
以上、本発明を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができ、また、任意の構成が付加されていてもよい。
本発明の光導波路構造体の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示す光導波路構造体における1段目のコア層のコア部の配置を示す図である。 図1に示す光導波路構造体における2段目のコア層のコア部の配置を示す図である。 図1に示す光導波路構造体における3段目のコア層のコア部の配置を示す図である。 光導波路本体の層構成の例を示す断面図である。 光導波路本体の層構成の例を示す断面図である。 光導波路本体の層構成の例を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明の光導波路構造体の第1の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第1の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第1の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第1の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第1の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第4の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第4の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第4の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第4の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第4の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 光導波路構造体
2 光導波路本体
3 傾斜面
4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g 光路変換部
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g 反射面
61、62、63、64、65 発光素子
610、620、630、640、650 発光部
71、711、712 伝送光
72 伝送光
73 伝送光
74、741、742 伝送光
75 伝送光
76 伝送光
90 積層体(光導波路)
91 クラッド層
92 コア層積層部
93 コア層
94 コア部
941 分岐部
942、943、944、945、946、947、948 出射端
95 クラッド部
961、962、963、964、965 露出面(露出端面)
900 コア層形成用材料
910 層
915 ポリマー
920 添加剤
925 照射領域
930 活性放射線
935 マスク
9351 開口
940 未照射領域
951、952 支持基板
1000 支持基板
1110 第1の層
1120 第2の層
1130 第3の層
2000 積層体

Claims (64)

  1. 光路を形成するコア部と、前記コア部の外周に形成され、前記コア部と屈折率が異なるクラッド部と、を有する光導波路本体を有し、
    前記光導波路本体内に前記コア部が3次元的に配置されており、
    前記コア部は、ノルボルネン系ポリマーを主とするポリマーと、該ポリマーと相溶し、かつ、該ポリマーと異なる屈折率を有するノルボルネン系モノマーを主とするモノマーと、を含む材料であって、活性放射線の照射および加熱により屈折率が変化する材料で構成されたに対し前記活性放射線を選択的に照射することにより得られたコア層内において所望の形状に形成されたものであり
    記コア層は、前記層に対して加熱処理を施すことにより、前記活性放射線が照射された照射領域または前記活性放射線の未照射領域のいずれか一方の領域において前記モノマーを反応させ、他方の領域から一方の領域へ未反応の前記モノマーが移動することにより、前記照射領域と前記未照射領域との間に屈折率差を生じさせ、前記照射領域および前記未照射領域のいずれか一方を前記コア部とし、他方を前記クラッド部として得られたものであることを特徴とする光導波路構造体。
  2. 前記コア部は、互いに直交するX、YおよびZ方向のうちの少なくとも1つの方向に延在する部分を有している請求項1に記載の光導波路構造体。
  3. 前記コア部は、互いに直交するX、YおよびZ方向のうちの少なくとも2つの方向に延在する部分を有している請求項1に記載の光導波路構造体。
  4. 前記光導波路本体は、前記クラッド部を構成するクラッド層と前記コア層とが交互に積層された部分を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の光導波路構造体。
  5. 前記光導波路本体は、前記コア層の両面に前記クラッド部を構成するクラッド層をそれぞれ接合してなる積層体を2つ以上重ねた部分を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の光導波路構造体。
  6. 前記光導波路本体は、前記コア層を複数積層したコア層積層部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の光導波路構造体。
  7. 異なる前記コア層間に形成された前記コア部同士の間で伝送光の授受が行われるよう構成された部分を有する請求項4ないし6のいずれかに記載の光導波路構造体。
  8. 前記コア部を伝送される伝送光の光路を屈曲させる光路変換部を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の光導波路構造体。
  9. 前記光路変換部は、前記伝送光の少なくとも一部を反射する反射面を有するものである請求項8に記載の光導波路構造体。
  10. 前記光路変換部は、前記伝送光の光路を複数の方向に分割する機能を有するものである請求項8または9に記載の光導波路構造体。
  11. 前記コア部は、前記光導波路本体の外部より前記コア部の所定部位へ入射される伝送光が、コア部の他の部位と交差しないように配置されている請求項1ないし10のいずれかに記載の光導波路構造体。
  12. 前記コア部は、光路が分岐および/または合流する部分を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の光導波路構造体。
  13. 互いに直交するX、YおよびZ方向のうちの1つの入射方向から前記コア部の所定部位へ伝送光が入射したとき、前記伝送光が前記コア部の他の部位から前記入射方向と直交する方向へ出射するよう構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の光導波路構造体。
  14. 前記光導波路本体は、その少なくとも1つの表面が前記コア部の横断面に対し傾斜した傾斜面で構成されている請求項1ないし13のいずれかに記載の光導波路構造体。
  15. 発光部または受光部と、端子とを有する素子を少なくとも1つ備える請求項1ないし14のいずれかに記載の光導波路構造体。
  16. 前記素子は、前記光導波路本体の表面に接合されている請求項1ないし15のいずれかに記載の光導波路構造体。
  17. 前記素子は、その少なくとも一部が前記光導波路本体の内部に設置されている請求項1ないし15のいずれかに記載の光導波路構造体。
  18. 互いに独立して作動するか、連動して作動するか、または同期的に作動する2以上の素子を有する請求項15ないし17のいずれかに記載の光導波路構造体。
  19. 導体層を有する請求項1ないし18のいずれかに記載の光導波路構造体。
  20. 導体層を有し、前記端子が前記導体層に電気的に接続されている請求項15ないし18のいずれかに記載の光導波路構造体。
  21. 前記屈折率が変化する材料は、さらに、前記活性放射線の照射により活性化する第1の物質と、前記モノマーの反応を開始させ得る第2の物質であって、活性化した前記第1の物質の作用により、活性化温度が変化する第2の物質とを含むものであり、
    前記コア層は、前記層の前記照射領域において、前記第1の物質を活性化させるとともに、前記第2の物質の活性化温度を変化させ、
    次いで、前記層に対して加熱処理を施すことにより、活性化温度が変化していない前記第2の物質または活性化温度が変化した前記第2の物質のいずれか活性化温度の低い方を活性化させ、前記照射領域または前記活性放射線の未照射領域のいずれかにおいて前記モノマーを反応させて得られたものである請求項1ないし20のいずれかに記載の光導波路構造体。
  22. 前記第1の物質は、前記活性放射線の照射に伴って、カチオンと弱配位アニオンとを生じる化合物を含むものであり、前記第2の物質は、前記弱配位アニオンの作用により活性化温度が変化するものである請求項21に記載の光導波路構造体。
  23. 前記第2の物質は、活性化した前記第1の物質の作用により活性化温度が低下し、前記加熱処理の温度よりも高い温度での加熱により、前記活性放射線の照射を伴うことなく活性化するものである請求項21または22に記載の光導波路構造体。
  24. 前記第2の物質は、下記式Iaで表される化合物を含む請求項23に記載の光導波路構造体。
    (E(R)Pd(Q) ・・・ (Ia)
    [式中、E(R)は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(またはその同位体の1つ)または炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレートおよびジチオカルボキシレートから選択されるアニオン配位子を表す。]
  25. 前記第2の物質は、下記式Ibで表される化合物を含む請求項23または24に記載の光導波路構造体。
    [(E(R)Pd(Q)(LB)[WCA] ・・・ (Ib)
    [式中、E(R)は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(またはその同位体の1つ)または炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレートおよびジチオカルボキシレートから選択されるアニオン配位子を表し、LBは、ルイス塩基を表し、WCAは、弱配位アニオンを表し、aは、1〜3の整数を表し、bは、0〜2の整数を表し、aとbとの合計は、1〜3であり、pおよびrは、パラジウムカチオンと弱配位アニオンとの電荷のバランスをとる数を表す。]
  26. pおよびrは、それぞれ、1または2の整数から選択される請求項25に記載の光導波路構造体。
  27. 前記コア層は、前記加熱処理の後、前記層を前記加熱処理の温度よりも高い第2の温度で加熱処理することにより得られたものである請求項21ないし26のいずれかに記載の光導波路構造体。
  28. 前記コア層は、前記第2の温度での加熱処理の後、前記層を前記第2の温度よりも高い第3の温度で加熱処理することにより得られたものである請求項27に記載の光導波路構造体。
  29. 前記第3の温度は、前記第2の温度より20℃以上高い請求項28に記載の光導波路構造体。
  30. 前記モノマーは、架橋性モノマーを含む請求項21ないし29のいずれかに記載の光導波路構造体。
  31. 前記モノマーは、前記架橋性モノマーとして、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シランを含むものである請求項30に記載の光導波路構造体。
  32. 前記ポリマーは、活性化した前記第1の物質の作用により、分子構造の少なくとも一部が主鎖から離脱し得る離脱性基を有し、前記層に対して前記活性放射線を選択的に照射した際に、前記照射領域において、前記ポリマーの前記離脱性基が離脱する請求項21ないし31のいずれかに記載の光導波路構造体。
  33. 前記第1の物質は、前記活性放射線の照射に伴って、カチオンと弱配位アニオンとを生じる化合物を含むものであり、前記離脱性基は、前記カチオンの作用により離脱する酸離脱性基である請求項32に記載の光導波路構造体。
  34. 前記コア部と前記クラッド部とは、前記主鎖に結合した状態の前記離脱性基の数が異なること、および、前記ポリマーと異なる屈折率を有するモノマーの反応物の含有量が異なることにより、それらの屈折率が異なっている請求項32または33に記載の光導波路構造体。
  35. 光路を形成するコア部と、前記コア部の外周に形成され、前記コア部と屈折率が異なるクラッド部と、を有する光導波路本体を有し、
    前記光導波路本体内に前記コア部が3次元的に配置されており、
    前記コア部は、活性放射線の照射により活性化する物質と、主鎖と該主鎖から分岐し、活性化した前記物質の作用により、分子構造の少なくとも一部が前記主鎖から離脱し得る離脱性基とを有するポリマーと、を含む材料であって、活性放射線の照射により屈折率が変化する材料で構成されたに対し前記活性放射線を選択的に照射することにより得られたコア層内において所望の形状に形成されたものであり、
    前記コア層は、前記層に対して前記活性放射線を選択的に照射することにより、前記活性放射線が照射された照射領域において、前記物質を活性化させ、前記ポリマーの前記離脱性基を離脱させて、当該照射領域と前記活性放射線の非照射領域との間に屈折率差を生じさせることにより、前記照射領域および前記非照射領域のいずれか一方を前記コア部とし、他方を前記クラッド部として得られたものであり、
    前記離脱性基は、−O−Si−ジフェニル構造を有するものであることを特徴とする光導波路構造体。
  36. 前記コア層は、前記活性放射線の照射の後、前記層に対して加熱処理を施すことにより得られたものである請求項35に記載の光導波路構造体。
  37. 前記物質は、前記活性放射線の照射に伴って、カチオンと弱配位アニオンとを生じる化合物を含むものであり、前記離脱性基は、前記カチオンの作用により離脱する酸離脱性基である請求項35または36に記載の光導波路構造体。
  38. 前記離脱性基は、その離脱により前記ポリマーの屈折率に低下を生じさせるものである請求項32ないし37のいずれかに記載の光導波路構造体。
  39. 前記活性放射線は、200〜450nmの範囲にピーク波長を有するものである請求項21ないし38のいずれかに記載の光導波路構造体。
  40. 前記活性放射線の照射量は、0.1〜9J/cmである請求項21ないし39のいずれかに記載の光導波路構造体。
  41. 前記活性放射線は、マスクを介して前記層に照射される請求項21ないし40のいずれかに記載の光導波路構造体。
  42. 前記層は、さらに、酸化防止剤を含む請求項21ないし41のいずれかに記載の光導波路構造体。
  43. 前記層は、さらに、増感剤を含む請求項21ないし42のいずれかに記載の光導波路構造体。
  44. 前記ポリマーは、ノルボルネン系ポリマーを主とするものである請求項35ないし37のいずれかに記載の光導波路構造体。
  45. 前記ノルボルネン系ポリマーは、付加重合体である請求項44に記載の光導波路構造体。
  46. 前記コア部は、第1のノルボルネン系材料を主材料として構成され、前記クラッド部は、前記第1のノルボルネン系材料より低い屈折率を有する第2のノルボルネン系材料を主材料として構成されている請求項1ないし20のいずれかに記載の光導波路構造体。
  47. 前記第1のノルボルネン系材料と前記第2のノルボルネン系材料とは、いずれも、同一のノルボルネン系ポリマーを含有し、かつ、前記ノルボルネン系ポリマーと異なる屈折率を有するノルボルネン系モノマーの反応物の含有量が異なることにより、それらの屈折率が異なっている請求項46に記載の光導波路構造体。
  48. 前記反応物は、前記ノルボルネン系モノマーの重合体、前記ノルボルネン系ポリマー同士を架橋する架橋構造、および、前記ノルボルネン系ポリマーから分岐する分岐構造のうちの少なくとも1つである請求項47に記載の光導波路構造体。
  49. 前記ノルボルネン系ポリマーは、アラルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項47または48に記載の光導波路構造体。
  50. 前記ノルボルネン系ポリマーは、ベンジルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項47または48に記載の光導波路構造体。
  51. 前記ノルボルネン系ポリマーは、フェニルエチルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項47または48に記載の光導波路構造体。
  52. 前記ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項47または48に記載の光導波路構造体。
  53. 前記ノルボルネン系ポリマーは、ヘキシルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項47または48に記載の光導波路構造体。
  54. 前記ノルボルネン系ポリマーは、付加重合体である請求項47ないし53のいずれかに記載の光導波路構造体。
  55. 前記コア層の少なくとも一方の面に接触して設けられ、前記コア部より屈折率の低いクラッド層を有する請求項21ないし54のいずれかに記載の光導波路構造体。
  56. 前記クラッド層は、ノルボルネン系ポリマーを主材料として構成されている請求項55に記載の光導波路構造体。
  57. 前記ノルボルネン系ポリマーは、付加重合体である請求項56に記載の光導波路構造体。
  58. 前記ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項56または57に記載の光導波路構造体。
  59. 前記ノルボルネン系ポリマーは、重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含むものである請求項56ないし58のいずれかに記載の光導波路構造体。
  60. 前記重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位は、エポキシ基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、(メタ)アクリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、および、アルコキシシリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位のうちの少なくとも1種である請求項59に記載の光導波路構造体。
  61. 前記ノルボルネン系ポリマーは、その少なくとも一部のものが重合性基において架橋している請求項59または60に記載の光導波路構造体。
  62. 前記ノルボルネン系ポリマーは、アリール基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含む請求項56ないし58のいずれかに記載の光導波路構造体。
  63. 前記ノルボルネン系ポリマーは、その少なくとも一部のものが架橋剤を介して架橋している請求項62に記載の光導波路構造体。
  64. 前記クラッド層の平均は、前記コア層の平均厚さの0.1〜1.5倍である請求項56ないし63のいずれかに記載の光導波路構造体。
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