JP5643417B1 - 白色ソルダーレジスト層の製造方法、白色ソルダーレジスト層、及び白色ソルダーレジスト層の製造に用いられる白色ソルダーレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】白色顔料を含有することなく白色化された白色ソルダーレジスト層の製造方法を提供する。【解決手段】光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有する白色ソルダーレジスト用組成物からなる塗膜を、配線板上に形成する。塗膜を露光する。露光後の塗膜を加熱する。塗膜を形成した時点から、露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、有機化合物の融点よりも低い温度に維持する。塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は塗膜の加熱温度、Tmは、有機化合物の融点である)の関係を満たす。【選択図】なし
Description
本発明は、白色ソルダーレジスト層の製造方法、白色ソルダーレジスト層、及び白色ソルダーレジスト層の製造に用いられるソルダーレジスト用樹脂組成物に関する。
近年、民生用及び産業用の各種プリント回路基板のレジストパターン形成法としては、印刷配線板の高配線密度化に対応するため、スクリーン印刷法に代わって、解像性及び寸法精度等に優れたドライフィルムや液状の現像可能なソルダーレジスト用樹脂組成物を用いる方法が大きな位置を占めてきている。
また、近年、携帯端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶ディスプレイのバックライト、照明器具の光源などに用いられる発光ダイオード等の光学素子を、ソルダーレジスト層が被覆形成されたプリント配線板に直接実装することが増えてきている。
この場合、発光ダイオード等の光をソルダーレジスト層で効率よく反射するためにソルダーレジスト層に酸化チタンなどの白色顔料を含有させてソルダーレジスト層を白色化させることがおこなわれている(特許文献1参照)。
上述の通り、従来はソルダーレジスト層の白色化のために白色顔料を用いていた。
しかし、本発明者は、白色顔料を用いることなくソルダーレジスト層を白色化するという新規な発想のもと、鋭意研究の結果、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、白色顔料を含有することなく白色化された白色ソルダーレジスト層の製造方法、白色ソルダーレジスト層、及び白色ソルダーレジスト層の製造に用いられるソルダーレジスト用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、
〈a〉光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有する白色ソルダーレジスト用組成物からなる塗膜を、配線板上に形成する工程、
〈b〉前記塗膜を露光する工程、及び
〈c〉露光後の前記塗膜を加熱する工程を含み、
前記〈a〉の工程により塗膜を形成した時点から、前記〈b〉の工程における露光が完了する時点までの間、前記塗膜の温度を、前記有機化合物の融点よりも低い温度に維持し、
前記〈c〉の工程での前記塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、前記有機化合物の融点である)の関係を満たすことを特徴とする。
〈a〉光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有する白色ソルダーレジスト用組成物からなる塗膜を、配線板上に形成する工程、
〈b〉前記塗膜を露光する工程、及び
〈c〉露光後の前記塗膜を加熱する工程を含み、
前記〈a〉の工程により塗膜を形成した時点から、前記〈b〉の工程における露光が完了する時点までの間、前記塗膜の温度を、前記有機化合物の融点よりも低い温度に維持し、
前記〈c〉の工程での前記塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、前記有機化合物の融点である)の関係を満たすことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第1の態様において、前記有機化合物の割合が、固形分量に対して1〜65質量%の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第1又は第2の態様において、前記有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第1乃至第3のいずれか一の態様において、前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第1乃至第4のいずれか一の態様において、前記白色ソルダーレジスト用組成物が、前記光重合開始剤に含まれると共に前記有機化合物にも含まれる化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第1乃至第5のいずれか一の態様において、前記〈b〉の工程で、前記塗膜の全体に光を照射することを特徴とする。
本発明の第7の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第1乃至第5のいずれか一の態様において、前記白色ソルダーレジスト用組成物が、カルボキシル基を有する樹脂を含有し、
前記〈b〉の工程で、前記塗膜における第一の部分に光を照射し、前記塗膜における前記第一の部分以外の部分である第二の部分には光を照射せず、
前記〈b〉の工程の後、前記〈c〉の工程の前に、前記塗膜をアルカリ現像液で現像することで前記第二の部分を配線板上から除去することを特徴とする。
前記〈b〉の工程で、前記塗膜における第一の部分に光を照射し、前記塗膜における前記第一の部分以外の部分である第二の部分には光を照射せず、
前記〈b〉の工程の後、前記〈c〉の工程の前に、前記塗膜をアルカリ現像液で現像することで前記第二の部分を配線板上から除去することを特徴とする。
本発明の第8の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第7の態様において、前記カルボキシル基を有する樹脂が、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有し前記光重合性化合物に含まれる化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第9の態様に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法は、第7又は第8の態様において、前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする。
本発明の第10の態様に係る白色ソルダーレジスト層は、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有する白色ソルダーレジスト用組成物の硬化物からなり、
気泡を含むことを特徴とする。
気泡を含むことを特徴とする。
本発明の第11の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第10の態様に係る白色ソルダーレジスト層を製造するための白色ソルダーレジスト用組成物であって、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有することを特徴とする。
本発明の第12の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第11の態様において、前記有機化合物の割合が、固形分量に対して1〜65質量%の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第13の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第11又は第12の態様において、前記有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内であることを特徴とする。
本発明の第14の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第11乃至第13のいずれか一の態様において、前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第15の態様に係る白色ソルダーレジスト層は、第11乃至第14のいずれか一の態様において、前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする。
本発明の第16の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第11乃至第15のいずれか一の態様において、カルボキシル基を有する樹脂を含有することを特徴とする。
本発明の第17の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第16の態様において、前記カルボキシル基を有する樹脂が、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有し前記光重合性化合物に含まれる化合物を含有することを特徴とする。
本発明の第18の態様に係る白色ソルダーレジスト用組成物は、第16又は第17の態様において、前記カルボキシル基を有する樹脂が、カルボキシル基を有し光重合性を有さない樹脂を含有することを特徴とする。
本発明に係る白色ソルダーレジスト層の製造方法によれば、露光後の塗膜を加熱すると、塗膜内に気泡が形成される。これにより、気泡を含有する白色ソルダーレジスト層が形成される。気泡は、白色ソルダーレジスト層内で光の散乱を生じさせる。このため、白色ソルダーレジスト層は、白色顔料を含有しなくても、外観が白色であると共に、光反射性を有する。
本実施形態における白色ソルダーレジスト用組成物について説明する。
白色ソルダーレジスト用組成物は、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物(以下、特定有機化合物という)を含有する。更に、白色ソルダーレジスト用組成物は、着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有する。
本実施形態では、配線板上に、白色ソルダーレジスト層を形成するにあたり、白色ソルダーレジスト用組成物を配線板上に配置することで塗膜を形成し、続いてこの塗膜を露光し、続いて露光後の塗膜を加熱することで白色ソルダーレジスト層を形成する。
更に、本実施形態では、塗膜を形成した時点から、塗膜の露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、特定有機化合物の融点よりも低い温度に維持する。
更に、本実施形態では、塗膜を加熱するにあたり、塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、特定有機化合物の融点である)の関係を満たす。すなわち、塗膜を加熱する際の加熱温度が、特定有機化合物の融点から30℃を減じた温度以上である。換言すれば、特定有機化合物の融点が、塗膜を加熱する際の加熱温度に30℃を加えた温度以下である。
このため、本実施形態では、露光後の塗膜を加熱すると、塗膜内には、気泡が形成される。このため、白色ソルダーレジスト層の光透過性が低くなる。また、白色ソルダーレジスト層内で光の散乱が生じやすくなる。このため、白色ソルダーレジスト層の外観色は、気泡による光散乱のせいで白色に見える。更に、白色ソルダーレジスト層が高い光反射性を有する。
本実施形態の効果は、次の理由により生じると推察される。
露光後の塗膜は、光重合性化合物の光重合反応により生成した重合体を含んでいる。この状態で塗膜を加熱すると、塗膜内の特定有機化合物が溶融することで、塗膜が変形しようとするが、塗膜は、重合体を含有するため、特定有機化合物の溶融に追随して変形しにくい。このために、塗膜内に気泡が生じるものと、考えられる。
尚、本実施形態では、塗膜を加熱する際の加熱温度が、特定有機化合物の融点よりも低くても、特定有機化合物の融点から30℃を減じた温度以上であれば、塗膜内に気泡が生じる。その理由は明確には解明されていないが、塗膜内では特定有機化合物に別の化合物が混入することで、特定有機化合物の融点降下(凝固点降下)が生じるのが、理由の一つであると推察される。
露光後の塗膜の加熱温度が、更にTm+100≧Th≧Tm−30の関係を満たすことが好ましい。この場合、白色ソルダーレジスト用組成物中の成分の熱による劣化が抑制される。
本実施形態では、白色ソルダーレジスト用組成物からなる塗膜を形成した時点から、塗膜の露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、特定有機化合物の融点よりも低い温度に維持する。このため、白色ソルダーレジスト層内の気泡の割合が、より高くなる。このため白色ソルダーレジスト層の白色の程度及び光反射性が、より高くなる。これは、塗膜内の光重合性化合物が重合する前に塗膜内で特定有機化合物が溶融すると、塗膜内で特定有機化合物が安定してしまい、このため塗膜の露光後に塗膜を加熱しても、塗膜が変形しにくくなるためであると、推察される。更に好ましくは、白色ソルダーレジスト用組成物からなる塗膜を形成した時点から、塗膜の露光が完了する時点までの間、塗膜の温度を、特定有機化合物の融点から30℃減じた温度よりも低い温度に維持する。
本実施形態における白色ソルダーレジスト用組成物について、更に詳細に説明する。
白色ソルダーレジスト用組成物が含有する特定有機化合物は、明確な融点を有し、この融点以上で低粘度の液体になることが好ましい。
特定有機化合物の融点が、100〜230℃の範囲内であることが好ましい。この場合、白色ソルダーレジスト用組成物が充分に露光されてから加熱されると、白色ソルダーレジスト用組成物の硬化物中に、気泡が特に生成しやすくなり、且つ白色ソルダーレジスト用組成物の硬化物全体に対する気泡の割合が高くなりやすい。
特定有機化合物は、例えば結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
また、白色ソルダーレジスト用組成物が、光重合開始剤に含まれると共に特定有機化合物にも含まれる化合物を含有することもできる。
結晶性エポキシ化合物は、エポキシ基を有し且つ結晶性を有するモノマー、プレポリマー及びポリマーからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。このような化合物は市販され、容易に入手可能である。例えば結晶性エポキシ化合物は、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(高融点タイプ)、新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312(ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学株式会社製の品名YSLV−120TE(チオエーテル型結晶性エポキシ樹脂)、日本化薬株式会社製の品名GTR−1800(テトラキスフェノールエタン型結晶性エポキシ樹脂)、ビスフェノールフルオレン型結晶性エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製の品名YX−4000(ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂)、及び1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(低融点タイプ)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
ジカルボン酸は、例えばマロン酸、コハク酸、アジピン酸、シュウ酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
また、光重合開始剤に含まれると共に特定有機化合物にも含まれる化合物は、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、及びエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾールー3−イル〕―1−(0−アセチルオキシム)を含有することができる。
白色ソルダーレジスト用組成物は、エポキシ化合物を含有してもよい。エポキシ化合物は、特定有機化合物に含まれる結晶性エポキシ化合物を含有してもよい。
白色ソルダーレジスト用組成物がエポキシ化合物を含有する場合、白色ソルダーレジスト用組成物が非結晶性エポキシ化合物を含有してもよい。エポキシ化合物が、結晶性エポキシ化合物と非結晶性エポキシ化合物とを両方含有してもよい。
非結晶性エポキシ化合物は、例えば非結晶性のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON N−695)、非結晶性のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON N−775)、非結晶性のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON N−865)、非結晶性のビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品名jER1001)、非結晶性のビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品名jER4004P)、非結晶性のビスフェノールS型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品名EPICLON EXA−1514)、非結晶性のビスフェノールAD型エポキシ樹脂、非結晶性の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、非結晶性のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、及び非結晶性の特殊二官能型エポキシ樹脂(具体例として、三菱化学株式会社製の品番YL7175−500、及びYL7175−1000;DIC株式会社製の品名EPICLON TSR−960、EPICLON TER−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1650−75MPX、EPICLON EXA−4850、EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4822、及びEPICLON EXA−9726;新日鉄住金化学株式会社製の品名YSLV−120T)、及び前記以外の非結晶性のビスフェノール系エポキシ樹脂からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
白色ソルダーレジスト用組成物がエポキシ化合物を含有する場合、白色ソルダーレジスト用組成物は、エポキシ化合物を硬化させるための硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤は、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物;酸無水物;フェノール;メルカプタン;ルイス酸アミン錯体;及びオニウム塩からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。これらの化合物の市販品の例として、四国化成株式会社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ株式会社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)が挙げられる。また、硬化剤は、密着性付与剤としても機能するグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を含有することもできる。
白色ソルダーレジスト用組成物は、カルボキシル基を有する樹脂を含有してもよい。カルボキシル基を有する樹脂は、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される塗膜に、アルカリ性溶液による現像性を付与する。
カルボキシル基を有する樹脂は、カルボキシル基を有し光重合性を有さない樹脂(以下、カルボキシル基含有非感光性樹脂という)を含有することができる。
カルボキシル基含有非感光性樹脂は、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体である。エチレン性不飽和単量体には更にカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物が含まれていてもよい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、適宜のポリマー及びプレポリマーを含有することができる。例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物を含有することができる。より具体的には、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を複数有する化合物を含有することもできる。より具体的には、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタメタクリレートからなる群から選択されるヒドロキシル基を有する多官能の(メタ)アクリレートに、二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物を含有することができる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と共重合可能な化合物であればよい。カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、芳香環を有する化合物と、芳香環を有さない化合物のうち、いずれも含有することができる。
芳香環を有する化合物は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、ビニルナフタレン、及びビニルビフェニルからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
芳香環を有さない化合物は、例えば直鎖又は分岐の脂肪族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;及びN−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。芳香環を有さない化合物は、更にポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有してもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
カルボキシル基含有非感光性樹脂を得るために用いられる化合物の種類、比率等は、カルボキシル基含有非感光性樹脂の酸価が適当な値となるように適宜選択される。カルボキシル基含有非感光性樹脂の酸価は20〜180mgKOH/gの範囲であることが好ましく、35〜165mgKOH/gの範囲であれば更に好ましい。
カルボキシル基を有する樹脂は、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有する樹脂(以下、カルボキシル基含有不飽和樹脂という)を含有することもできる。尚、カルボキシル基含有不飽和樹脂は、光重合性を有するため、光重合性化合物にも含まれる。すなわち、カルボキシル基含有不飽和樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂に含まれる成分と、光重合性化合物に含まれる成分とを兼ねる。
カルボキシル基含有不飽和樹脂は、例えば一分子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a1)における前記エポキシ基のうち少なくとも一つに、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(a2)が反応し、更に多価カルボン酸及びその無水物から選択される少なくとも一種からなる群から選択される化合物(a3)が付加した構造を有する樹脂(以下、第一の樹脂(a)という)を、含有することができる。
エポキシ化合物(a1)は、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、及びエポキシ基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物の重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することができる。
エポキシ化合物(a1)が、エポキシ基を備える化合物(p1)を含むエチレン性不飽和化合物(p)の重合体を含有してもよい。
この重合体の合成に供されるエチレン性不飽和化合物(p)は、エポキシ基を備える化合物(p1)のみを含有してもよく、エポキシ基を備える化合物(p1)とエポキシ基を備えない化合物(p2)とを含有してもよい。
エポキシ基を備える化合物(p1)は、適宜のポリマー及びプレポリマーから選択される化合物を含有することができる。具体的には、エポキシ基を備える化合物(p1)は、アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、メタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、アクリレートの脂環エポキシ誘導体、メタクリレートの脂環エポキシ誘導体、β−メチルグリシジルアクリレート、及びβ−メチルグリシジルメタクリレートからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。特に、エポキシ基を備える化合物(p1)が、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
エポキシ基を備えない化合物(p2)は、エポキシ基を備える化合物(p1)と共重合可能な化合物であればよい。エポキシ基を備えない化合物(p2)は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(重合度n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、3−マレイミド安息香酸N−スクシンイミジル、直鎖状或いは分岐を有する脂肪族又は脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、及びN−置換マレイミド類(例えばN−シクロヘキシルマレイミド)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エポキシ基を備えない化合物(p2)が、更に一分子中にエチレン性不飽和基を二個以上備える化合物を含有してもよい。この化合物が使用され、その配合量が調整されることで、ソルダーレジスト層の硬度及び油性が容易に調整される。一分子中にエチレン性不飽和基を二個以上備える化合物は、例えばポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和化合物(p)が、例えば溶液重合法、エマルション重合法等の公知の重合法により重合することで、重合体が得られる。溶液重合法の具体例として、エチレン性不飽和化合物(p)を適当な有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法並びに共沸重合法が、挙げられる。
エチレン性不飽和化合物(p)の重合のために使用される有機溶剤は、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和化合物(p)の重合のために使用される重合開始剤は、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、並びにレドックス系の開始剤からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和化合物(a2)は、適宜のポリマー及びプレポリマーからなる群から選択される化合物を含有することができる。エチレン性不飽和化合物(a2)は、エチレン性不飽和基を一個のみ有する化合物を含有することができる。エチレン性不飽和基を一個のみ有する化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。エチレン性不飽和化合物(a2)は、エチレン性不飽和基を複数個備える化合物を更に含有することができる。エチレン性不飽和基を複数個備える化合物は、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を備える多官能アクリレート、並びに多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
特にエチレン性不飽和化合物(a2)が、アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、アクリル酸及びメタクリル酸に由来するエチレン性不飽和基は特に光反応性に優れるため、第一の樹脂(a)の光反応性が高くなる。
エチレン性不飽和化合物(a2)の使用量は、エポキシ化合物(a1)のエポキシ基1モルに対してエチレン性不飽和化合物(a2)のカルボキシル基が0.4〜1.2モルの範囲内となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.5〜1.1モルの範囲内となる量であることが好ましい。
多価カルボン酸及びその無水物からなる群から選択される化合物(a3)は、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、メチルコハク酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸等のジカルボン酸;シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の三塩基酸以上の多価カルボン酸;並びにこれらの多価カルボン酸の無水物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
化合物(a3)は、第一の樹脂(a)に酸価を与えることで、白色ソルダーレジスト用組成物に希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性を付与することを主たる目的として使用される。化合物(a3)の使用量は、第一の樹脂(a)の酸価が好ましくは30mgKOH/g以上、特に好ましくは60mgKOH/g以上となるように調整される。また、化合物(a3)の使用量は、第一の樹脂(a)の酸価が好ましくは160mgKOH/g以下、特に好ましくは130mgKOH/g以下となるように調整される。
第一の樹脂(a)が合成される際に、エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応、並びにこの付加反応による生成物(付加反応生成物)と化合物(a3)との付加反応を進行させるにあたっては、公知の方法が採用され得る。例えばエポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応にあたっては、エポキシ化合物(a1)の溶剤溶液にエチレン性不飽和化合物(a2)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて攪拌混合することで、反応性溶液が得られる。この反応性溶液を常法により好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させることで、付加反応生成物が得られる。熱重合禁止剤としてはハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビンなどが挙げられる。
付加反応生成物と化合物(a3)との付加反応を進行させるにあたっては、付加反応生成物の溶剤溶液に化合物(a3)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合することで、反応性溶液が得られる。この反応性溶液を常法により反応させることで、第一の樹脂(a)が得られる。反応条件はエポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応の場合と同じ条件でよい。熱重合禁止剤及び触媒としては、エポキシ化合物(a1)とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(a2)との付加反応時に使用された化合物をそのまま使用することができる。
カルボキシル基含有不飽和樹脂は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和単量体の重合体におけるカルボキシル基の一部にエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる樹脂(第二の樹脂(b)という)を含有してもよい。エチレン性不飽和単量体には必要に応じてカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物が含まれていてもよい。
第二の樹脂(b)を得るためのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、適宜のポリマー及びプレポリマーを含有することができる。例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物を含有することができる。より具体的には、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、及び2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を複数有する化合物を含有することもできる。より具体的には、例えばカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタメタクリレートからなる群から選択されるヒドロキシル基を有する多官能の(メタ)アクリレートに、二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物を含有することができる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
第二の樹脂(b)を得るためのカルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と共重合可能な化合物であればよい。カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和化合物は、芳香環を有する化合物と、芳香環を有さない化合物のうち、いずれも含有することができる。
芳香環を有する化合物は、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、ビニルナフタレン、及びビニルビフェニルからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
芳香環を有さない化合物は、例えば直鎖又は分岐の脂肪族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;及びN−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。芳香環を有さない化合物は、更にポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含有してもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
第二の樹脂(b)を得るためのエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例として、アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートが用いられることが好ましい。
カルボキシル基含有不飽和樹脂全体の重量平均分子量は、800〜100000の範囲内であることが好ましい。この範囲内において、白色ソルダーレジスト用組成物に特に優れた感光性と解像性とが付与される。
カルボキシル基含有不飽和樹脂全体の酸価は30mgKOH/g以上であることが好ましく、この場合、白色ソルダーレジスト用組成物に良好な現像性が付与される。この酸価は60mgKOH/g以上であれば更に好ましい。また、カルボキシル基含有不飽和樹脂全体の酸価は160mgKOH/g以下であることが好ましく、この場合、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される白色ソルダーレジスト層中のカルボキシル基の残留量が低減し、白色ソルダーレジスト層の良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等が維持される。この酸価は130mgKOH/g以下であれば更に好ましい。
光重合性化合物は、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される塗膜に光硬化性を付与する。光重合性化合物は、例えばエチレン性不飽和基を有するモノマー、エチレン性不飽和基を有するプレポリマー及びエチレン性不飽和基を有するポリマーからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
上述のとおり、光重合性化合物は、カルボキシル基含有不飽和樹脂を含有することができる。
光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有してもよい。エチレン性不飽和基を有するモノマーは、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;並びにジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
エチレン性不飽和基を有するモノマーが、リン含有化合物(リン含有光重合性化合物)を含有することも好ましい。この場合、白色ソルダーレジスト用組成物の硬化物の難燃性が向上する。リン含有光重合性化合物は、例えば2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトエステルP−1M、及びライトエステルP−2M)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトアクリレートP−1A)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート(具体例として大八工業株式会社製の品番MR−260)、並びに昭和高分子株式会社製のHFAシリーズ(具体例としてジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー6003、及びHFA−6007、カプロラクトン変性ジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー3003、及びHFA−6127等)からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
光重合開始剤は、紫外線、可視光線、赤外線、近赤外線、電子線等の所望のエネルギー線露光用の光重合開始剤を含有することができる。尚、上述の通り、白色ソルダーレジスト用組成物が、光重合開始剤に含まれると共に特定有機化合物にも含まれる化合物を含有してもよい。
光重合開始剤は、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラー(t−ブチルペルオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、4,4'−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン等の窒素原子を含む化合物;並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドからなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
白色ソルダーレジスト用組成物は、着色剤を含有せず、或いは着色剤を含有するがその割合が白色ソルダーレジスト層に着色を生じない程度の低い値である。
尚、着色剤とは、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される白色ソルダーレジスト層を着色させる物質である。着色剤は、顔料と染料のいずれも含み得る。白色顔料(白色着色剤)も、着色剤に含まれる。但し、有色ではあるが白色ソルダーレジスト用組成物から白色ソルダーレジスト層を製造する過程で加熱されることで無色化する物質は、白色ソルダーレジスト層を着色させないため、着色剤には含まれない。
上述の通り、白色ソルダーレジスト用組成物が白色顔料(白色着色剤)を含有せず、或いはその含有量が少なくても、ソルダーレジスト層が気泡を含有するため、ソルダーレジスト層は白色に見え、且つ高い光反射性を有する。また、白色ソルダーレジスト用組成物は、白色以外の色を有する着色剤も含まず、或いはその含有量が少ないため、白色ソルダーレジスト内で光が吸収されにくい。このため、白色ソルダーレジスト層の光反射性が更に高くなる。
尚、着色剤は、例えばカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されている材料を含有することができる。
例えば着色剤は、赤色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤、及び前記以外の色の着色剤からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
赤色着色剤の具体例として、モノアゾ系赤色着色剤、ジスアゾ系赤色着色剤、アゾレーキ系赤色着色剤、ベンズイミダゾロン系赤色着色剤、ペリレン系赤色着色剤、ジケトピロロピロール系赤色着色剤、縮合アゾ系赤色着色剤、アントラキノン系赤色着色剤、及びキナクリドン系が挙げられる。赤色着色剤のより具体的な例として、Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23,31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258,266, 267, 268,及び269;Pigment Red37, 38, 及び41;Pigment Red 48:1,48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1,63:2, 64:1,及び68;Pigment Red 171;Pigment Red 175;Pigment Red 176;Pigment Red 185;Pigment Red 208; Pigment Red 123;Pigment Red 149;Pigment Red 166;Pigment Red 178;Pigment Red 179;Pigment Red 190;Pigment Red 194;Pigment Red 224;Pigment Red 254;Pigment Red 255;Pigment Red 264;Pigment Red 270;Pigment Red 272;Pigment Red 220;Pigment Red 144;Pigment Red 166;Pigment Red 214;Pigment Red 220;Pigment Red 221;Pigment Red 242;Pigment Red 168;Pigment Red 177;Pigment Red 216;Pigment Red 122;Pigment Red 202;Pigment Red 206;Pigment Red 207;並びにPigment Red 209が挙げられる。
青色着色剤の具体例として、フタロシアニン系青色着色剤、アントラキノン系青色着色剤、及び金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物が挙げられる。青色着色剤のより具体的な例として、Pigment Blue 15;Pigment Blue 15:1;Pigment Blue 15:2;Pigment Blue 15:3;Pigment Blue 15:4;Pigment Blue 15:6;Pigment Blue 16;Pigment Blue 60が、挙げられる。
緑色着色剤の具体例として、フタロシアニン系緑色着色剤、アントラキノン系緑色着色剤、ペリレン系緑色着色剤、及び金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物が挙げられる。緑色着色剤のより具体的な例として、Pigment Green 7;及びPigment Green 36が、挙げられる。
黄色着色剤の具体例として、モノアゾ系黄色着色剤、ジスアゾ系黄色着色剤、縮合アゾ系黄色着色剤、ベンズイミダゾロン系黄色着色剤、イソインドリノン系黄色着色剤、及びアントラキノン系黄色着色剤が挙げられる。黄色着色剤のより具体的な例として、Pigment Yellow 24;Pigment Yellow 108;Pigment Yellow 193;Pigment Yellow 147;Pigment Yellow 199;Pigment Yellow 202;Pigment Yellow 110;Pigment Yellow 109;Pigment Yellow 139;Pigment Yellow 179;Pigment Yellow 185;Pigment Yellow 93;Pigment Yellow 94;Pigment Yellow 95;Pigment Yellow 128;Pigment Yellow 155;Pigment Yellow 166;Pigment Yellow 180; Pigment Yellow 120;Pigment Yellow 151;Pigment Yellow 154;Pigment Yellow 156;Pigment Yellow 175;Pigment Yellow 181;Pigment Yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73,74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 及び183;並びにPigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17,55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 及び198が、挙げられる。
紫色着色剤、オレンジ色着色剤、茶色着色剤等の具体例として、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、及び42; C.I.ピグメントオレンジ1;C.I.ピグメントオレンジ5;C.I.ピグメントオレンジ13;C.I.ピグメントオレンジ14;C.I.ピグメントオレンジ16;C.I.ピグメントオレンジ17;C.I.ピグメントオレンジ24;C.I.ピグメントオレンジ34;C.I.ピグメントオレンジ36;C.I.ピグメントオレンジ38;C.I.ピグメントオレンジ40;C.I.ピグメントオレンジ43;C.I.ピグメントオレンジ46;C.I.ピグメントオレンジ49;C.I.ピグメントオレンジ51;C.I.ピグメントオレンジ61;C.I.ピグメントオレンジ63;C.I.ピグメントオレンジ64;C.I.ピグメントオレンジ71;C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントブラウン23;C.I.並びにピグメントブラウン25が、挙げられる。
黒色着色剤の具体例として、カーボンブラック及びナフタレンブラックが挙げられる。
白色着色剤の具体例として、酸化チタンが挙げられる。
白色ソルダーレジスト用組成物は、更に安息香酸系又はp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤、増感剤等を含有してもよい。また、白色ソルダーレジスト用組成物は、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等を含有してもよい。
白色ソルダーレジスト用組成物は、有色であって、白色ソルダーレジスト用組成物から白色ソルダーレジスト層を製造する過程で加熱されることで無色化する物質を含有してもよい。この物質は、上述のとおり、着色剤には含まれない。このような物質として、例えば、露光後の塗膜を加熱する際の加熱温度よりも低い熱分解温度を有する染料(以下、特定染料という)が挙げられる。この特定染料の熱分解温度は、塗膜の加熱温度にもよるが、60〜200℃の範囲内であることが好ましい。また、特定染料の具体例としては、Solvent Red 135;Solvent Red 179;Solvent Red 149;Solvent Red 150;Solvent Red 52;Solvent Red 207;Solvent Blue 35;Solvent Blue 63;Solvent Blue 68;Solvent Blue 70;Solvent Blue 83;Solvent Blue 87;Solvent Blue 94;Solvent Blue 97;Solvent Blue 122、;Solvent Blue 136;Solvent Blue 67;Solvent Green 3;Solvent Green 5;Solvent Green 20;Solvent Green 28;Solvent Yellow 163;Solvent Violet 13、及び36が挙げられる。
白色ソルダーレジスト用組成物が、充填材を含有してもよい。この場合、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される塗膜の硬化収縮が低減する。充填材は、例えばシリカ、硫酸バリウム、カーボンナノチューブ、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
白色ソルダーレジスト用組成物は、更に必要に応じて適宜の添加剤を含有してもよい。例えば白色ソルダーレジスト用組成物は、シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;並びに高分子分散剤からなる群から選択される一種以上の化合物を含有してもよい。
白色ソルダーレジスト用組成物が、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、白色ソルダーレジスト用組成物の液状化又はワニス化、粘度調整、塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。
有機溶剤は、例えばエタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;並びにジアルキルグリコールエーテル類からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することができる。
白色ソルダーレジスト用組成物中の有機溶剤の割合は、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される塗膜の予備乾燥時に有機溶剤が速やかに揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。特に、白色ソルダーレジスト用組成物中の有機溶剤の割合が、5〜99.5質量%の範囲内であることが好ましい。この場合、白色ソルダーレジスト用組成物の良好な塗布性が得られる。尚、有機溶剤の好適な割合は、塗布方法などにより異なるので、塗布方法に応じて割合が適宜調節されることが好ましい。
上記のような白色ソルダーレジスト用組成物の原料が配合され、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練されることにより、白色ソルダーレジスト用組成物が調製され得る。
保存安定性等を考慮して、白色ソルダーレジスト用組成物の原料の一部を混合することで第一剤を調製し、原料の残部を混合することで第二剤を調製してもよい。例えば、原料のうち光重合性化合物及び有機溶剤の一部及びエポキシ化合物を予め混合して分散させることで第一剤を調製し、原料のうち残部を混合して分散させることで第二剤を調製してもよい。この場合、適時必要量の第一剤と第二剤とを混合することで、白色ソルダーレジスト用組成物を調製することができる。
白色ソルダーレジスト用組成物中の特定有機化合物の割合は、固形分量に対して1.0〜65質量%の範囲内であることが好ましく、1.2〜60質量%の範囲内であればより好ましく、1.4〜55質量%の範囲内であれば更に好ましく、1.6〜50質量%の範囲内であれば特に好ましい。
白色ソルダーレジスト用組成物中の光重合性化合物は、上述の通り、カルボキシル基含有不飽和樹脂と、エチレン性不飽和基を有するモノマーとのうち、少なくとも一方を含有することができる。光重合性化合物の割合は、固形分量に対して10〜90質量%の範囲内であれば好ましく、15〜85質量%の範囲内であれば更に好ましい。
光重合性化合物がエチレン性不飽和基を有するモノマーを含有する場合、エチレン性不飽和基を有するモノマーの割合は、固形分量に対して1〜45質量%の範囲内であれば好ましく、2〜40質量%の範囲内であれば更に好ましい。
光重合性化合物がカルボキシル基含有不飽和樹脂を含有する場合、カルボキシル基含有不飽和樹脂の割合は、固形分量に対して5〜85質量%の範囲内であれば好ましく、10〜80質量%の範囲内であれば更に好ましい。
カルボキシル基を有する樹脂は上述のように、カルボキシル基含有非感光性樹脂と、カルボキシル基含有不飽和樹脂のうち、少なくとも一方を含有することができる。白色ソルダーレジスト用組成物がカルボキシル基を有する樹脂を含有する場合に、白色ソルダーレジスト用組成物から形成される塗膜が充分なアルカリ性溶液による現像性を有するためには、カルボキシル基を有する樹脂の割合は、固形分量に対して5〜85質量%の範囲内であることが好ましく、10〜80質量%の範囲内であれば更に好ましい。
カルボキシル基を有する樹脂がカルボキシル基含有非感光性樹脂を含有する場合、カルボキシル基含有非感光性樹脂の割合は、固形分量に対して5〜80質量%の範囲内であれば好ましく、10〜75質量%の範囲内であれば更に好ましい。
また、白色ソルダーレジスト用組成物がエポキシ化合物を含有する場合、エポキシ化合物の割合は、固形分量に対して1.5〜65質量%の範囲内であることが好ましく、3.0〜60質量%の範囲内であれば更に好ましい。
光重合開始剤の割合は、固形分量に対して0.1〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
また、上述の通り、白色ソルダーレジスト用組成物は、着色剤を含有せず、或いは着色剤を含有するがその割合が白色ソルダーレジスト層に着色を生じない程度の低い値である。着色剤を含有しても白色ソルダーレジスト層に着色を生じないためには、着色剤の割合は、固形分量に対して0.04質量%以下である。
尚、固形分量とは、白色ソルダーレジスト用組成物中の、溶剤などの白色ソルダーレジスト層の形成過程で揮発する成分を除く全成分の合計量のことである。
本実施形態による白色ソルダーレジスト用組成物は、配線板上に白色ソルダーレジスト層を形成するために適用される。
以下に、本実施形態による白色ソルダーレジスト用組成物を用いて配線板上に白色ソルダーレジスト層を形成する方法を、説明する。
まず、露光後の塗膜を現像する工程を含まない方法について説明する。
本方法に適用される白色レジスト用組成物から形成される塗膜は、アルカリ性溶液による現像性を有する必要はない。このため、白色レジスト用組成物は、カルボキシル基を有する化合物を含有する必要はない。尚、白色レジスト用組成物が、カルボキシル基を有する化合物を含有してもよい。
配線板を用意する。配線板は、例えばプリント配線板である。
配線板上に白色レジスト用組成物を塗布して、塗膜を形成する。白色レジスト用組成物の塗布方法は、公知の方法、例えば浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、及びスクリーン印刷法からなる群から選択される。
続いて、必要に応じて白色レジスト用組成物中の有機溶剤を揮発させるために、塗膜を加熱する(予備乾燥)。この場合の加熱温度は、白色レジスト用組成物中の特定有機化合物の融点よりも低い温度であることが好ましく、特に白色レジスト用組成物中の特定有機化合物の融点から30℃減じた温度よりも低い温度であることが好ましい。この加熱温度は、例えば60〜100℃の範囲内である。
配線板上に塗膜を形成するにあたっては、予め適宜の支持体上に白色レジスト用組成物を塗布してから乾燥することで塗膜(ドライフィルム)を形成し、このドライフィルムを配線板に重ねてから、ドライフィルムと配線板に圧力をかけることで、配線板上にドライフィルムを転着させてもよい(ドライフィルム法)。この場合、予備乾燥が省略されてもよい。
続いて、塗膜全体を露光する。露光のための光は、この光の照射を受けて白色レジスト用組成物中の光重合性化合物の光重合反応が進行するように、選択される。例えば露光のための光として、紫外線、可視光、又は近赤外線が選択される。紫外線が選択される場合、紫外線源は、例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ及びメタルハライドランプからなる群から選択される。
このように塗膜を露光すると、塗膜中で光重合性化合物の光重合反応が進行する。塗膜の露光量は、光重合性化合物の光重合反応が充分に進行するように適宜設定される。塗膜の露光量は、例えば100〜5000mJ/cm2の範囲内である。
塗膜の露光後、配線板上の塗膜を加熱する。この場合の塗膜の加熱温度は、Th≧Tm−30の関係を満たし、好ましくはTm+100≧Th≧Tm−30の関係を満たす。この式において、Th(℃)は塗膜の加熱温度であり、Tm(℃)は、特定有機化合物の融点である。加熱温度は、例えば100〜200℃の範囲内である。また加熱時間は10分〜5時間の範囲内である。
このように塗膜が加熱されると、塗膜内で気泡が発生する。また、このように塗膜を加熱すると、白色レジスト用組成物がエポキシ化合物を含有する場合は、エポキシ化合物の熱硬化反応が進行する。
塗膜の加熱後に、塗膜全体に光を照射してもよい。この場合、塗膜内に未反応のまま残存する光重合性化合物の、光重合反応が進行する。
これにより、配線板上に、気泡を含有し、白色で高い光反射性を有する白色ソルダーレジスト層が形成される。
次に、露光後の塗膜を現像する工程を含む方法について説明する。
本方法に適用される白色レジスト用組成物から形成される塗膜は、アルカリ性溶液による現像性を有する。このため、白色レジスト用組成物は、例えばカルボキシル基を有する化合物を含有する。
配線板を用意する。配線板は、例えばプリント配線板である。
この配線板上に、白色ソルダーレジスト用組成物を塗布して、塗膜を形成する。白色ソルダーレジスト用組成物の塗布方法は、公知の方法、例えば浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、及びスクリーン印刷法からなる群から選択される。
続いて、必要に応じて白色ソルダーレジスト用組成物中の有機溶剤を揮発させるために、塗膜を加熱する(予備乾燥)。この場合の加熱温度は、白色ソルダーレジスト用組成物中の特定有機化合物の融点よりも低い温度であることが好ましく、特に白色ソルダーレジスト用組成物中の特定有機化合物の融点から30℃減じた温度よりも低い温度であることが好ましい。この加熱温度は、例えば60〜100℃の範囲内である。
配線板上に塗膜を形成するにあたっては、予め適宜の支持体上に白色ソルダーレジスト用組成物を塗布してから乾燥することで塗膜(ドライフィルム)を形成し、このドライフィルムを配線板に重ねてから、ドライフィルムと配線板に圧力をかけることで、配線板上にドライフィルムを転着させてもよい(ドライフィルム法)。この場合、予備乾燥が省略されてもよい。
続いて、塗膜に、マスクを介して光を照射することで、塗膜を露光する。
露光のための光は、この光の照射を受けて白色ソルダーレジスト用組成物中の光重合性化合物の光重合反応が進行するように、選択される。例えば露光のための光として、紫外線、可視光、又は近赤外線が選択される。紫外線が選択される場合、紫外線源は、例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ及びメタルハライドランプからなる群から選択される。
マスクは、互いに光透過性の程度が異なる二つの部分を備える。例えばマスクは、光透過性を有する部分(以下、透過性部という)と、光透過性を有しない部分(以下、非透過性部という)とを備える。
このマスクを介して塗膜が露光されると、塗膜における透過性部に対応する部分(第一の部分)には光が照射され、塗膜における非透過性部に対応する部分(第二の部分)には、光が照射されない。尚、第一の部分は露光時に光が照射される部分であり、第二の部分は露光時に光が照射されない部分であると、いうこともできる。マスクは、第一の部分及び第二の部分が、塗膜における所定の箇所に位置するように、設計される。
このように塗膜を露光すると、塗膜における第一の部分では光重合性化合物の光重合反応が進行する。一方、第二の部分では、光重合性化合物の光重合反応は進行しない。
露光時の第一の部分の露光量は、第一の部分における光重合性化合物の光重合反応が充分に進行するように、適宜設定される。第一の部分の露光量は、例えば100〜5000mJ/cm2の範囲内である。
塗膜の露光後、塗膜をアルカリ性現像液で現像する。そうすると、塗膜の第二の部分が配線板上から除去され、第一の部分は配線板上に残存する。
アルカリ性現像液の具体例として、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、及び水酸化リチウム水溶液が挙げられる。現像液として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することもできる。アルカリ性現像液中の溶媒は、水のみであっても、水と低級アルコール類等の親水性有機溶媒との混合物であってもよい。
塗膜の露光後、配線板上の塗膜(第一の部分)を、加熱する。この場合の塗膜の加熱温度は、Th≧Tm−30の関係を満たし、好ましくはTm+100≧Th≧Tm−30の関係を満たす。この式において、Th(℃)は塗膜の加熱温度であり、Tm(℃)は、特定有機化合物の融点である。加熱温度は、例えば100〜200℃の範囲内である。また加熱時間は20分〜5時間の範囲内である。
このように塗膜が加熱されると、塗膜内で気泡が発生する。また、このように塗膜を加熱すると、白色ソルダーレジスト用組成物がエポキシ化合物を含有する場合は、エポキシ化合物の熱硬化反応が進行する。
塗膜の加熱後に、塗膜の全体に光を照射してもよい。この場合、塗膜内に未反応のまま残存する光重合性化合物の、光重合反応が進行する。
これにより、配線板上に、気泡を含有し、白色で高い光反射性を有する白色ソルダーレジスト層が形成される。
白色ソルダーレジスト層における気泡の割合は3〜70%の範囲内であることが好ましく、5〜60%の範囲内であれば更に好ましい。
尚、この気泡の割合は、白色ソルダーレジスト層の表面を研磨することで現れる面(すなわち、白色ソルダーレジスト層の表面に沿った白色ソルダーレジスト層の断面)における、長径0.5μm以上の気泡の面積割合である。この面積割合は、例えば塗膜における20μm2の表面積を有する面における長径0.5μm以上の気泡の面積に基づいて導出される。
この気泡の割合は、露光時の塗膜の露光量を適宜調整することで、制御されうる。
白色ソルダーレジスト層の厚みは、例えば3〜60μmの範囲内である。この厚み範囲において、白色ソルダーレジスト層が、高い光反射性を有する。特に、白色ソルダーレジスト層が厚み3〜25μmの範囲内の薄型の膜であっても、本実施形態では、白色ソルダーレジスト層が、高い光反射性を有し得る。白色ソルダーレジスト層が厚み3〜25μmの範囲内である場合、白色ソルダーレジスト層における気泡の割合は5〜70%の範囲内であることが好ましい。
実施例で用いるカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1を、次のようにして調製した。
まず、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機が取り付けられている四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、品番YDCN−700−5、エポキシ当量203)203質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート103質量部、メチルハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、及びトリフェニルホスフィン1.5質量部を入れることで、混合物を調製した。この混合物を加熱温度110℃、加熱時間10時間の条件で加熱することで、付加反応を進行させた。続いて、混合物にテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート78.9質量部を加えてから、更に混合物を加熱温度80℃、加熱時間3時間の条件で加熱した。これにより、カルボキシル基含有不飽和樹脂の濃度65質量%溶液(カルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1)を得た。
また、実施例で用いるカルボキシル基含有非感光性樹脂溶液A−2を、次のようにして調製した。
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、メタクリル酸42質量部、メチルメタクリレート43質量部、スチレン35質量部、ベンジルアクリレート35質量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部、ラウリルメルカプタン0.5質量部、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を加えた。この四ツ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させた。これにより、共重合体の濃度50質量%溶液(カルボキシル基含有非感光性樹脂溶液A−2)を得た。
また、実施例で用いるカルボキシル基含有不飽和樹脂溶液A−1及びカルボキシル基含有非感光性樹脂A−2以外の原料の詳細は、次の通りである。
・光重合性単量体A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)。
・光重合性単量体B:トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)。
・結晶性エポキシ化合物A:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(高融点タイプ)、融点158℃。
・結晶性エポキシ化合物B:ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂。新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312。融点145℃。
・結晶性エポキシ化合物C:ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂。三菱化学株式会社製の品名YX−4000。融点105℃。
・結晶性エポキシ化合物D:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(低融点タイプ)。融点101℃。
・非結晶性エポキシ化合物A:非結晶性のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−695。
・非結晶性エポキシ化合物B:非結晶性のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−865。
・ジカルボン酸A:マロン酸、融点130℃。
・ジカルボン酸B:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、新日本理化株式会社製、品名リシカッドTH−W、融点165℃。
・光重合開始剤A:BASF社製の品名イルガキュアー907、融点72℃。
・光重合開始剤B:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(DETX)、融点68℃。
・光重合開始剤C:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。BASF社製の品名Lucirin TPO、融点88℃。
・光重合開始剤D:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製の品名イルガキュアー184、融点47℃。
・光重合開始剤E:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASF社製の品名イルガキュアー819、融点130℃。
・硫酸バリウム:堺化学工業株式会社製の品名バリエースB30。
・微粉シリカ:株式会社トクヤマ製の品名レオロシールMT−10。
・メラミン樹脂:日産化学工業株式会社製の品名メラミンHM。
・消泡剤:信越化学工業株式会社製の品名KS−66。
・溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
・光重合性単量体A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)。
・光重合性単量体B:トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)。
・結晶性エポキシ化合物A:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(高融点タイプ)、融点158℃。
・結晶性エポキシ化合物B:ハイドロキノン型結晶性エポキシ樹脂。新日鉄住金化学株式会社製の品名YDC−1312。融点145℃。
・結晶性エポキシ化合物C:ビフェニル型結晶性エポキシ樹脂。三菱化学株式会社製の品名YX−4000。融点105℃。
・結晶性エポキシ化合物D:1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(低融点タイプ)。融点101℃。
・非結晶性エポキシ化合物A:非結晶性のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−695。
・非結晶性エポキシ化合物B:非結晶性のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂。DIC株式会社製の品名EPICLON N−865。
・ジカルボン酸A:マロン酸、融点130℃。
・ジカルボン酸B:4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、新日本理化株式会社製、品名リシカッドTH−W、融点165℃。
・光重合開始剤A:BASF社製の品名イルガキュアー907、融点72℃。
・光重合開始剤B:2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(DETX)、融点68℃。
・光重合開始剤C:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。BASF社製の品名Lucirin TPO、融点88℃。
・光重合開始剤D:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製の品名イルガキュアー184、融点47℃。
・光重合開始剤E:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASF社製の品名イルガキュアー819、融点130℃。
・硫酸バリウム:堺化学工業株式会社製の品名バリエースB30。
・微粉シリカ:株式会社トクヤマ製の品名レオロシールMT−10。
・メラミン樹脂:日産化学工業株式会社製の品名メラミンHM。
・消泡剤:信越化学工業株式会社製の品名KS−66。
・溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
[実施例1、5〜9、11、13、参考例2〜4、10、12、比較例1〜4]
表1、2に示す成分を、この表1、2に示す割合で混合することで、白色ソルダーレジスト用組成物を調製した。
表1、2に示す成分を、この表1、2に示す割合で混合することで、白色ソルダーレジスト用組成物を調製した。
プリント配線板を用意した。このプリント配線板の表面上に、組成物をスクリーン印刷法で塗布することで、塗膜を形成した。この塗膜を80℃で30分間加熱した。
続いて、塗膜全体に紫外線を照射することで、塗膜を露光した。塗膜の露光量は400mJ/cm2であった。
続いて、塗膜を150℃で1時間加熱した。
更に、実施例9、11及び参考例10、12では、塗膜全体を露光した。この露光量は1000mJ/cm2である。
これにより、プリント配線板上にソルダーレジスト層を形成した。ソルダーレジスト層の厚みは表に示す通りである。
[実施例14〜18、21、23、参考例19、20、22、比較例5〜6]
表3に示す成分を、この表3に示す割合で混合することで、白色ソルダーレジスト用組成物を調製した。
表3に示す成分を、この表3に示す割合で混合することで、白色ソルダーレジスト用組成物を調製した。
また、表面の色が黒色であるプリント配線板を用意した。
このプリント配線板の表面上に、白色ソルダーレジスト用組成物をスクリーン印刷法で塗布することで、塗膜を形成した。この塗膜を80℃で30分間加熱した。
続いて、光透過性を有する透過性部と光透過性を有さない非透過性部とを備えるマスクを介して、塗膜に紫外線を照射することで、塗膜を露光した。塗膜における透過性部を透過する光が照射される部分における露光量は400mJ/cm2であった。
露光後の塗膜に、1%Na2CO3水溶液を0.2MPaの圧力で60秒間スプレー噴射することで、現像した。
続いて、塗膜を150℃で1時間加熱した。
更に、実施例15では、塗膜全体を露光した。この露光量は1000mJ/cm2である。
これにより形成されたソルダーレジスト層の厚みは、表に示す通りである。
[評価]
実施例14〜18、21、23、参考例19、20、22及び比較例5〜6については、ソルダーレジスト層の外観を目視で観察し、露光時に非透過性部により光の照射が遮られた領域(第二の領域)が、現像により除去されているか否かを確認した。その結果、現像残渣が認められない場合を良、現像残渣が認められる場合を不良と評価した。その結果を、後掲の表中の「現像性」の欄に示す。
実施例14〜18、21、23、参考例19、20、22及び比較例5〜6については、ソルダーレジスト層の外観を目視で観察し、露光時に非透過性部により光の照射が遮られた領域(第二の領域)が、現像により除去されているか否かを確認した。その結果、現像残渣が認められない場合を良、現像残渣が認められる場合を不良と評価した。その結果を、後掲の表中の「現像性」の欄に示す。
また、各実施例及び比較例で得られたソルダーレジスト層の外観を目視で観察し、ソルダーレジスト層の外観色を確認した。
また、ソルダーレジスト層の表面を研磨し、それにより現れた面を観察し、その結果に基づいてソルダーレジスト層における気泡の割合を、導出した。気泡の割合を導出するにあたっては、ソルダーレジスト層の表面を研磨することにより現れた面の20μm2の面積の領域での、0.5μm以上の長さを有する気泡の占有割合を、気泡の割合とした。その結果、気泡の割合が9%以上の場合を「A」、気泡の割合が6%以上9%未満の場合を「B」、気泡の割合が3%以上6%未満の割合の場合を「C」、気泡の割合が3%未満の場合を「D」と、評価した。
その結果を後掲の表に示す。
Claims (15)
- 〈a〉光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有し、前記有機化合物の割合が固形分量に対して6.9〜65質量%の範囲内である白色ソルダーレジスト用組成物からなる塗膜を、配線板上に形成する工程、
〈b〉前記塗膜を露光する工程、及び
〈c〉露光後の前記塗膜を加熱する工程を含み、
前記有機化合物の融点が、158〜230℃の範囲内であり、
前記〈a〉の工程により塗膜を形成した時点から、前記〈b〉の工程における露光が完了する時点までの間、前記塗膜の温度を、前記有機化合物の融点よりも低い温度に維持し、前記〈c〉の工程での前記塗膜の加熱温度が、Th≧Tm−30(但し、Th(℃)は前記塗膜の前記加熱温度、Tmは、前記有機化合物の融点である)の関係を満たすことを特徴とする白色ソルダーレジスト層の製造方法。 - 前記有機化合物が、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1に記載の白色ソルダーレジスト層の製造方法。
- 前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の白色ソルダーレジスト層の製造方法。
- 前記〈b〉の工程で、前記塗膜の全体に光を照射することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の白色ソルダーレジスト層の製造方法。
- 前記白色ソルダーレジスト用組成物が、カルボキシル基を有する樹脂を含有し、
前記〈b〉の工程で、前記塗膜における第一の部分に光を照射し、前記塗膜における前記第一の部分以外の部分である第二の部分には光を照射せず、
前記〈b〉の工程の後、前記〈c〉の工程の前に、前記塗膜をアルカリ現像液で現像することで前記第二の部分を配線板上から除去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の白色ソルダーレジスト層の製造方法。 - 前記カルボキシル基を有する樹脂が、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有し前記光重合性化合物に含まれる化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の白色ソルダーレジスト層の製造方法。
- 前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の白色ソルダーレジスト層の製造方法。
- 光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有し、前記有機化合物の割合が固形分量に対して6.9〜65質量%の範囲内であり、前記有機化合物の融点が、158〜230℃の範囲内である白色ソルダーレジスト用組成物の硬化物からなり、
気泡を含むことを特徴とする白色ソルダーレジスト層。 - 請求項8に記載の白色ソルダーレジスト層を製造するための白色ソルダーレジスト用組成物であって、光重合性化合物、光重合開始剤、及び融点を有し且つ光重合性を有しない有機化合物を含有し、且つ着色剤を含有せず、或いは着色剤を固形分量に対して0.04質量%以下の割合で含有し、前記有機化合物の割合が固形分量に対して6.9〜65質量%の範囲内であり、前記有機化合物の融点が、158〜230℃の範囲内であることを特徴とする白色ソルダーレジスト用組成物。
- 前記有機化合物が、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項9に記載の白色ソルダーレジスト用組成物。
- 前記有機化合物が、結晶性エポキシ化合物及びジカルボン酸からなる群から選択される一種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項9又は10に記載の白色ソルダーレジスト用組成物。
- 前記光重合性化合物が、エチレン性不飽和基を有するモノマーを含有することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の白色ソルダーレジスト用組成物。
- カルボキシル基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の白色ソルダーレジスト用組成物。
- 前記カルボキシル基を有する樹脂が、カルボキシル基及びエチレン性不飽和基を有し前記光重合性化合物に含まれる化合物を含有することを特徴とする請求項13に記載の白色ソルダーレジスト用組成物。
- 前記カルボキシル基を有する樹脂が、カルボキシル基を有し光重合性を有さない樹脂を含有することを特徴とする請求項13又は14に記載の白色ソルダーレジスト用組成物。
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