JPH0729892Y2 - ヘッドレスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）に備えるヘッドレス
ト、詳しくは、ツーシーターシートなどリヤシートを有
しないシートに備え後面に装飾用の合成樹脂製ボードを
有するヘッドレストの改良に関する。

（従来の技術） 従来、リヤシートを有しないシートにあっては、後方乗
員の安全性を確保する必要がない。そのため、ヘッドレ
ストの後面に装飾用の硬質合成樹脂製ボードを設けて、
ヘッドレストの外観品質を向上させている。

第５図、第６図はこの種の従来品を示し、図中（Ｈ′）
はヘッドレスト本体を示し、このヘッドレスト本体
（Ｈ′）の後面から左、右両側面の一部に渉って装飾用
合成樹脂製ボード（１′）が接着剤で接着されている。

なお、ヘッドレスト本体（Ｈ′）は下部にシートバック
（不図示）内に挿入されるステー（34）（34）を有する
逆Ｕ字状のフレーム（３）と、このフレーム（３）をモ
ールド内で一体発泡した発泡体製のクッション体（２）
と、このクッション体（２）を被覆する表皮（４）とか
ら構成され、フレーム（３）には補強杆（33）を架設し
ている。

（考案が解決しようとする課題） 以上の従来品はボード（１′）を接着剤で接着している
ため、その接着作業の作業性が頗る悪い不具合があるば
かりか、所定位置に的確に接着できず、ヘッドレストの
外観品質が損なわれていた。

そこで、本考案はボードのヘッドレスト本体側への取付
が簡単で所定位置に的確に固定できるようにすることを
目的とする。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案に係るヘッドレスト
は、前記ボードの内側にフックを一体に設け、このフッ
クが臨むヘッドレスト本体後面のクッション体には凹欠
部を設け、該凹欠部内にフレームと一体の掛止杆の一部
を突設し、該掛止杆に前記フックを掛止してボードをヘ
ッドレスト本体の後面に固定してなるものである。

以上のボードはヘッドレスト本体の後面と左、右両側面
の一部及び底面の一部を被覆する大きさに形成し、底面
の一部を被覆する部分にフレームと一体のステーを挿通
する通孔を開孔するのが望ましく、斯様にすることによ
り、ボードの一部がヘッドレスト本体に対する固定部材
となる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第４図に基づいて
説明する。

第１図は本案に係るヘッドレストを示し、図中（Ｈ）に
示すヘッドレスト本体の後面側にはボード（１）が固定
されている。このボード（１）の上部内側に開口部を上
向きにしたフック（11）が一体に設けてあり、このフッ
ク（11）が掛止杆（31）に掛止され、掛止杆（31）はヘ
ッドレスト本体（Ｈ）を構成するクッション体（２）に
おける後面側に切欠した切欠部材（21）より露出するよ
うに配設されている。

図示するクッション体（２）はモールド内に収容したフ
レーム（３）と一体発泡成形されているウレタンフォー
ムで、このクッション体（２）の底部からフレーム
（３）と一体のステー（34）が下方に突出している。そ
して、このステー（34）には前記ボード（１）の取付部
（12）が挿通され、取付部（12）はボード（１）の底部
（1c）に延設されている。

以上のクッション体（２）は表皮（４）によって被覆さ
れ、前記フレーム（３）には補強杆（33）が横架されて
いる。

第２図はボード（１）をヘッドレスト本体（Ｈ）に固定
する前の状態を示し、ボード（１）は合成樹脂で、クッ
ション体（２）の後面（22）中央から下部、左、右両側
面及び底面の後面側を被覆するような形状に形成され、
クッション体（２）の後面を被覆する主体（1a）とクッ
ション体（２）の側面の一部を被覆する側部（1b）、
（1b）とクッション体（２）の底面一部を被覆する底部
（1c）とから構成されている。そして、前記主体（1a）
の内面上部にはフック（11）が一体成形され、このフッ
ク（11）は開口部が掛止杆（31）の外径に対して小径に
形成して、内部に装着した掛止杆（31）の脱落を防止し
ている。また、ボード（１）の底部（1c）から延設した
取付部（12）、（12）には、スリットにより連通する通
孔（12a）、（12a）を開孔して、スリットから通孔（12
a）、（12a）内にステー（34）、（34）が嵌合するよう
にしている。

このボード（1c）の取付前に、クッション体（２）を表
皮（４）で被覆してヘッドレスト本体（Ｈ）を組付け
る。

第３図はクッション体（２）をモールドでフレーム
（３）と一体発泡した状態を示し、クッション体（２）
の後面（22）に凹欠部（21）を設けて掛止杆（31）が露
出するようにクッション体（２）がモールド成形されて
いる。

このクッション体（２）内に一体に埋設されるフレーム
（３）は第４図に示すように、両遊端に前記ステー（3
4）、（34）を有する逆Ｕ字状の金属製パイプからなる
本体（32）と、この本体（32）の下部間に架設した補強
杆（33）とから構成されている。そして、この補強杆
（33）の上方には前記掛止杆（31）が架設され、掛止杆
（31）はクッション体の凹欠部（21）内に露出するよう
に、中央部が後方に向けて湾曲状に形成されている。

（効果） 本考案によれば、フレームと一体の掛止杆にボードのフ
ックを掛止することにより、ボードはヘッドレスト本体
に固定されるので、ボードのヘッドレスト本体に対する
取付を簡単に行なうことができ、その作業性を向上し得
る。しかも、接着剤を使用せずにフックを掛止杆に掛止
して固定するので、ヘッドレスト本体の所定位置に的確
に位置定めされて固定され、ヘッドレストの外観品質も
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案品の断面図、第２図は同部分断面分解図、
第３図は同クッション体の斜視図、第４図は同フレーム
の斜視図、第５図は従来品の斜視図、第６図は第５図に
おけるVI−VI線断面図である。 図中（１）はボード、（２）はクッション体、（３）は
フレーム、（11）はフック、（31）は掛止杆を夫々示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後面に装飾用の合成樹脂製ボードを設けて
   なるヘッドレストにおいて、 前記ボードの内側にフックを一体に設け、このフックが
   臨むヘッドレスト本体後面のクッション体には凹欠部を
   設け、該凹欠部内にフレームと一体の掛止杆の一部を突
   設し、該掛止杆に前記フックを掛止して前記ボードをヘ
   ッドレスト本体の後面に固定してなるヘッドレスト。