JPH0729890Y2 - ヘッドレストの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はヘッドレスト一体の自動車用シートなどの車両
用シート、詳しくは、シートバックの頂部より上方にシ
ートバックと一体のヘッドレスト支持部を延設し、該ヘ
ッドレスト支持部の前面側にヘッドレストを取付けてな
る車両用シートのヘッドレスト取付構造の改良に関す
る。

（従来の技術） この種のヘッドレスト一体の自動車用シートにおける従
来品のシートバックを第４図に示す。

図中（SB）に示すシートバックの頂部には、ヘッドレス
ト支持部（SH）が一体に延設され、このシートバック
（SB）及びヘッドレスト支持部（SH）はフレームに支持
した発泡体製クッション体と、このクッション体を被覆
する袋状のトリムカバー（１）から構成されている。図
中（イ）は、ヘッドレスト支持部（SH）とシートバック
（SB）との間に設けた通口を示す。

そして、前記ヘッドレスト支持部（SH）の前面側にはヘ
ッドレスト（HR）が取付けられる。このヘッドレスト
（HR）は発泡体製パット内にフレームを内蔵し、このフ
レームに取付脚（31）（31）を溶接し、前記パットを袋
状のカバー（33）で被覆して形成したものであり、この
ヘッドレスト（HR）の取付脚（31）（31）を前記ヘッド
レスト支持部（SH）に設けた通孔（32）（32）に挿入す
ることにより、ヘッドレスト（HR）をヘッドレスト支持
部（SH）の前面に取付けている。

（考案が解決しようとする課題） 従って、前記従来品はシートバック（SB）のヘッドレス
ト支持部（SH）に対して、ヘッドレストを別体に形成し
ている。そのため、ヘッドレスト（HR）とシートバック
（SB）、ヘッドレスト支持部（SH）を夫々別体に成形
後、ヘッドレスト（HR）をシートバック（SB）側に組付
ける必要がある。

従って、ヘッドレスト（HR）等の組立に作業性を要する
不具合があった。即ち、ヘッドレスト（HR）のカバー
（33）、フレーム等をシートバック（SB）のそれらと別
体に成形して夫々組立てる必要があるためである。

そこで、本考案は前述の如くヘッドレストをシートバッ
クのヘッドレスト支持部前面に一体に組付ける車両用シ
ートにおいて、その組立性の向上を図ることを目的とす
るものである。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案に係る車両用シート
のシートレスト取付構造は、前記ヘッドレストは前記シ
ートバックのトリムカバーと一体且つヘッドレスト支持
部方向に開口部を有する袋状のヘッドレストカバーと、
このヘッドレストカバー内に接着され且つヘッドレスト
支持部前面に設けたフックが挿入係止する係止孔を有す
る発泡体製パットとからなり、該パットを前記ヘッドレ
スト支持部のフックに掛止することにより、ヘッドレス
トをシートバックのヘッドレスト支持部に取付けてなる
ものである。

（作用） ヘッドレストのヘッドレストカバーは、シートバックの
トリムカバーの一部を利用し得る。そして、ヘッドレス
トにはヘッドレスト支持部前面に設けたフックが挿入係
止する係止孔を設けて、ヘッドレスト支持部前面に設け
たフックにヘッドレストが掛止し得るようにしてあるた
め、ヘッドレスト内にヘッドレスト専用のフレームを内
蔵させる必要もなくなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に基づいて
説明する。

図中、（11）はシートバック（SB）のトリムカバーで、
このトリムカバー（11）にはヘッドレスト（HR）のヘッ
ドレストカバー（13）及びヘッドレスト支持部（SH）の
カバー（12）が一体に縫製されている。そして、ヘッド
レストカバー（13）は内部にヘッドレスト（HR）の外形
形状にモールド成形した発泡体製（ウレタンフォーム）
パット（23）が収容できるように袋状に形成されてい
る。

このヘッドレスト（HR）のパット（23）には、ヘッドレ
スト支持部（SH）に設けたフック（34）に掛止するため
の係止孔（35）が開孔されている。この係止孔（35）は
第２図に示すようにクッション体（23）内に断面Ｌ字状
に形成され、その底部よりフック（34）を挿入し、上部
内にフック（34）を係止することにより、ヘッドレスト
支持部（22）側にパット（23）を固定するものである。

そして、このパット（23）はヘッドレストカバー（13）
内に接着剤（23a）によって接着される。

ヘッドレスト支持部（SH）はシートバック（SB）の頂部
に上方に向けて延設し、その前面側には前記フック（3
4）が固定され、このフック（34）は側面Ｌ字状に折曲
され、その両端はフレーム（３）に溶接されている。図
中（22）はシートバック（SB）のクッション体（21）と
同時に発泡成形したヘッドレスト支持体（SH）のクッシ
ョン体を示す。

次に、ヘッドレスト（HR）の組付方法を説明すると、ま
ず、あらかじめシートバック（SB）のトリムカバー（1
1）と一体に縫製したヘッドレスト（HR）のヘッドレス
トカバー（13）内に、ヘッドレスト（HR）のパット（2
3）を接着剤（23a）で接着して収容する。

次に、このヘッドレストカバー（13）付のパット（23）
に設けた係止孔（35）にヘッドレスト支持体（SH）のフ
ック（34）を挿入して、掛止することにより固定する。
その際、パット（23）をヘッドレスト支持体（SH）のク
ッション体（22）前面に第２図に示すように接着剤（23
b）で接着するも任意である。然る後、トリムカバー（1
1）でシートバック（SB）を構成するクッション体（2
1）を、カバー（12）でヘッドレスト支持体（SH）を構
成するクッション体（22）を夫々被覆することにより、
ヘッドレスト（HR）一体のシートバック（SB）が成形さ
れる。

（効果） 本考案は叙上の如く、シートバックのトリムカバーと一
体のヘッドレストカバーにパットを接着することにより
ヘッドレストが形成でき、このヘッドレストのパットを
ヘッドレスト支持体に掛止することにより、シートバッ
ク側にヘッドレストを固定できる。そのため、前記従来
品の如くヘッドレストをシートバックと別体に形成する
必要がないため、シートバック、ヘッドレストの組立性
が向上する。加えて、部品点数が削減され低原価で提供
できるし、ヘッドレストのパットをヘッドレストカバー
に接着してヘッドレストを形成しているので、前記従来
品の如き、ヘッドレストがシートバックに対して別体で
あるかの如き外観に優れた車両用シートを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部を切欠して示す斜視図、第２図は第１図に
おけるII−II線断面図、第３図は分解斜視図、第４図は
従来品の斜視図を示す。 図中（SB）はシートバック、（SH）はヘッドレスト支持
部、（HR）はヘッドレスト、（11）はトリムカバー、
（13）はヘッドレストカバー、（23）はヘッドレストの
パット、（34）はフック、（35）は係止孔を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックの頂部より上方にシートバッ
   クと一体のヘッドレスト支持部を延設し、該ヘッドレス
   ト支持部の前面側にヘッドレストを取付けてなる車両用
   シートにおいて、 前記ヘッドレストは前記シートバックのトリムカバーと
   一体且つヘッドレスト支持部方向に開口部を有する袋状
   のヘッドレストカバーと、このヘッドレストカバー内に
   接着され且つヘッドレスト支持部前面に設けたフックが
   挿入係止する係止孔を有する発泡体製パットとからな
   り、該パットを前記ヘッドレスト支持部のフックに掛止
   することにより、ヘッドレストをシートバックのヘッド
   レスト支持部に取付けてなるヘッドレストの取付構造。