JPH0729894Y2 - ヘッドレスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）に備えるヘッドレス
ト、詳しくは、ツーシーターシートなどリヤシートを有
しないシートに備え後面に装飾用の合成樹脂製ボードを
有するヘッドレストの改良に関する。

（従来の技術） 従来、リヤシートを有しないシートにあっては、後方乗
員の安全性を確保する必要がない。そのため、ヘッドレ
ストの後面に装飾用の硬質合成樹脂製ボードを設けて、
ヘッドレストの外観品質を向上させている。

第５図、第６図はこの種の従来品を示し、図中（Ｈ′）
はヘッドレストを示し、このヘッドレスト（Ｈ′）の後
面から左、右両側面の一部に渉って装飾用合成樹脂製ボ
ード（１′）が接着剤で接着されている。

なお、ヘッドレスト（Ｈ′）は下部にシートバック（不
図示）内に挿入されるステー（34）（34）を有する逆Ｕ
字状のフレーム（３）と、このフレーム（３）をモール
ド内で一体発泡した発泡体製のクッション体（２）と、
このクッション体（２）を被覆する表皮（４）とから構
成され、前記フレーム（３）には補強杆（33）が架設さ
れている。

（考案が解決しようとする課題） 以上の従来品はボード（１′）を接着剤で接着している
ため、その接着作業の作業性が頗る悪いばかりか、クッ
ション体（２）内に埋設する略Ｕ字状のフレーム（３）
に補強杆（33）を架設してフレーム（３）を補強しなけ
ればならず、フレーム（３）の構造が複雑化するし、軽
量化を図ることができない不具合があった。

そこで、本考案はフレームの構造を単純化し、前記従来
品の不具合を除去することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案に係るヘッドレスト
は、フレームを発泡体製クッション体内に埋設し、クッ
ション体の背面に装飾用の合成樹脂製ボードを設けてな
るヘッドレストにおいて、前記フレームは略逆Ｕ字状又
は二本の棒体からなり、前記クッション体の後面側に
は、フレームの上部と下部の一部を露出する通口を設
け、前記ボードには前記クッション体の通口内に挿入し
てフレームに係合するフックを一体に設けてなるもので
ある。

（作用） ボードと一体のフックをフレームに係合すると、略逆Ｕ
字状のフレーム又は二本の棒体からなるフレームはボー
ドと一体になるため、フレームの強度が向上する。従っ
て、フレームに補強杆を架設して補強する必要がない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図乃至第４図Ａ、Ｂ、Ｃに
基づいて説明する。

第１図乃至第３図Ａ、Ｂ、Ｃは略Ｕ字状フレーム（３）
を使用した場合を示し、フレーム（３）は第３図Ｂに示
すように、略Ｕ字状に折曲してその両遊端をステー（3
4）（34）としている。このステー（34）（34）はシー
トバック（不図示）内に挿入され、ヘッドレスト（Ｈ）
を支持する。

以上のフレーム（３）はウレタンフォームなどの発泡体
製クッション体（２）に一体成形され、前記ステー（3
4）（34）が外部に突出されている。このクッション体
（２）のモールド成形時に、フレーム（３）の上部と下
部左右の一部が後面側に露出するようにクッション体
（２）の後面側には三ケ所の通口（21）（22）（23）が
開設されている（第３図Ａ）。

フレーム（３）を一体発泡成形したクッション体（２）
は、その前面及び上下、左右側面の一部が表皮（４）で
被覆され、後面及び表皮（４）で被覆されない上下、左
右側面の一部はボード（１）で被覆され、第１図、第２
図に示すヘッドレスト（Ｈ）を形成している。

ボード（１）は第３図に示すように、強化プラスチック
などの強靱な部材で、前記表皮（４）で被覆されていな
い部分を被覆するように、略蓋体状に成形され、その内
部には一体に前記クッション体（２）の通口（21）・・
・から露出するフレーム（３）の一部に係合するフック
（11）（12）（13）が設けてあり、その下部左右のフッ
ク（11）（12）はリブ（18）によって一体に連結されて
いる。

従って、表皮（４）で被覆したクッション体（２）にお
けるフレーム（３）の一部に、ボード（１）のフック
（11）（12）（13）を係合すると、ボード（１）はフレ
ーム（３）に一体に連結され且つクッション体（２）の
後面等を被覆してヘッドレスト（Ｈ）が形成される。

そのため、フレーム（３）はその下部左右間にボード
（１）が一体に架設されるため、このボード（１）が第
５図に示す従来の補強杆（33）の作用をなし得る。

第４図Ａ、Ｂ、Ｃはフレーム（3a）（3b）として、二本
の棒体を採用した場合の実施例を示し、このフレーム
（3a）（3b）も前記実施例と同様にクッション体（２）
と一体発泡し、この発泡時に各フレーム（3a）（3b）の
上、下部の一部が後面側に露出するよう通口（24）（2
5）（26）（27）が開設される。そして、ボード（１）
には、各通口（24）・・・からフレーム（3a）（3b）の
一部に係合するフック（14）（15）（16）（17）が一体
に設けてある。

従って、ボード（１）の各フック（14）・・・をクッシ
ョン体（２）の各通口（24）・・・に挿入してフレーム
（3a）（3b）の一部に係合すると、左右のフレーム（3
a）（3b）はボード（１）を介して一体に連結されるの
で、前記実施例と同様にボード（１）がフレームの補強
部材としてなり得る。

（効果） 本考案によれば、叙上の如く、ヘッドレストの装飾用ボ
ードがフレームの補強部材として作用をなし得るので、
フレームの構造が単純化し、その成形性が良好になるば
かりか、ヘッドレストの軽量化を図ることができる。加
えて、ボードのフックをフレームに係合すれば良いた
め、ボードの装着も簡単、容易になり、その作業性も向
上し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図Ａ、Ｂ、Ｃは本考案の第１実施例を示
し、第１図はその斜視図、第２図は第１図におけるII−
II線断面図、第３図Ａはクッション体の斜視図、同Ｂは
フレームの斜視図、同Ｃはボードの斜視図、第４図Ａ、
Ｂ、Ｃは本考案の第２実施例を示し、第４図Ａはクッシ
ョン体の斜視図、同Ｂはフレームの斜視図、同Ｃはボー
ドの斜視図、第５図は従来品の斜視図、第６図は第５図
におけるVI−VI線断面図である。 図中、（１）はボード、（２）はクッション体、（３）
（3a）（3b）はフレーム、（11）（12）（13）（14）
（15）（16）（17）はフック、（21）（22）（23）（2
4）（25）（26）（27）は通口を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームを発泡体製クッション体内に埋設
   し、クッション体の背面に装飾用の合成樹脂製ボードを
   設けてなるヘッドレストにおいて、前記フレームは略逆
   Ｕ字状又は二本の棒体からなり、前記クッション体の後
   面側には、フレームの上部と下部の一部を露出する通口
   を設け、前記ボードには前記クッション体の通口内に挿
   入してフレームに係合するフックを一体に設けて、前記
   ボードによってフレームを補強することを特徴とするヘ
   ッドレスト。