JPH11290154A - 自動車車両シ―トのためのヘッドレスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】安楽さを改良するとともに、設備の簡単化によ
り製造コストを下げ得る骨組を用いた新規のコンマヘッ
ドレスト。 【解決手段】本体２１と、詰め物２０のための支持体と
して作用する骨組１０に取り付けた唇状物２２とを有す
る。本体はバックレスト５０の頂部５１に当接している
とともに、唇状物２２は、シートパンに向けて延在する
ことによりバックレストの当接面の一部分５２を覆って
いる。ヘッドレストは、また、心棒３０があり、心棒
は、バックレストの骨組に取り付けられたソケット５３
に取り付けてある。ヘッドレストの骨組は薄い板から成
っており、板はバックレストの頂部の輪郭に沿うように
湾曲して、骨組に心棒が取り付けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車両シート
のためのヘッドレストに関し、より具体的には、「コン
マヘッドレスト」として知られているヘッドレストに係
わる。

【０００２】

【従来の技術】特許公開公報ＪＰ−Ａ−０９１６８４５
１は、「コンマヘッドレスト」の一例を示している。ヘ
ッドレストに通常用いられている「コンマ」なる名称
は、それの特殊な輪郭に主としてよるものであり、該特
殊な輪郭により、ヘッドレストが低位置に置かれる際、
該「コンマ」は、シートバックレストの頂部、即ち、バ
ックレストの頂部、また、別の形態では、バックレスト
当接面の一部も覆うのを可能にして該バックレストの頂
部に作られている対応する形状の切り欠きに嵌合してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】添付図面の図１及び図
２は既知の形式の「コンマヘッドレスト」を示してお
り、該既知の形式の「コンマヘッドレスト」は、発泡詰
め物２のための支持体として作用する筒状骨組１を含ん
でおり、これが布３あるいは「カバー」として名称の付
された何らかの他の覆い体により概ね覆われている。

【０００４】図２に示されているごとく、筒状骨組は概
ねＵ字形をしており、また、該Ｕの平行アームは曲げら
れていて、ヘッドレストの高さが調節されるのを可能に
する２つの心棒５を形成している。更に、骨組１は湾曲
されていて、図１に示されているごとく、バックレスト
４の頂部の輪郭に沿うようになっていて、ヘッドレスト
が使用者により低位置に置かれる際、ブラケット４０の
頂部を、また、バックレストの前方当接面の上方部分４
１を覆うようになっている。

【０００５】一般に、コンマヘッドレストは後部シート
のために用いられている。事実、低位置に置かれる際、
バックレストよりも十分上に突出する在来の設計のヘッ
ドレストとは違って、コンマヘッドレストは、それのか
なり小さな全体的寸法のために、運転者の後方視界を改
良するものである。また、折り込み式のバックレストを
備えた後方シートの場合、バックレストからヘッドレス
トを取り除いてバックレストをシートに折る必要性を回
避してしている。

【０００６】一般に、図１のコンマヘッドレストを組み
立てるために、カバー３は、骨組を収容するための２つ
の開口部と、詰め物を形成する発泡体を注入する１つの
穴を含んでいる。カバー嵌合作業は、かようなヘッドレ
ストの製造コストを高める多くの取扱い操作を必要とし
ている。また、詰め物の厚さが、ヘッドレストの下方部
分のカバーと骨組との間で減少されているという事実に
より、骨組の存在はヘッドレストに対する安楽さにとっ
て有害となりうる。

【０００７】本発明の目的は、安楽さが改良されること
を可能にし、且つ、設備を簡単化することにより製造コ
ストを下げている骨組を用いた新規のコンマヘッドレス
トを提案することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】これらの目標を心に留め
て、本発明の主題は自動車車両シートのためのヘッドレ
ストであり、該ヘッドレストは、本体と、詰め物のため
の支持体として作用する骨組に取り付けられた唇状物と
を含んでおり、本体はバックレストの頂部に当接してお
り、また、唇状物は、シートパンに向かって延在するこ
とによりバックレストの当接面の一部分を覆っており、
ヘッドレストは、また、心棒を含んでおり、該心棒はバ
ックレストの骨組に固定されたソケットに嵌合してい
る。ヘッドレストは、該ヘッドレストの骨組が、バック
レストの頂部で輪郭に沿うように湾曲された薄い板から
なっており、該薄い板に心棒が取り付けられていること
を特徴としている。

【０００９】薄い板を用いたおかげで、骨組の全体の寸
法はかなり低減され、また、ヘッドレストの安楽さは該
ヘッドレストの下方部分で特に改良された。また、ヘッ
ドレストの唇状物を形成している部分に該唇状物に対し
てほぼ垂直な方向に力が加えられる、例えば、衝撃中、
使用者の頭により力が加えられる時、骨組の唇状物は、
ヘッドレスト心棒の取付部と唇状物との間に存在してい
るオーバハングのために、シートのバックレストに向か
って弾性的に曲がることにより変形される。それ故、ヘ
ッドレストの骨組は、衝撃中変形することにより頭の損
傷を制限する。更に、ヘッドレストから力が取り除かれ
る時、ヘッドレストは弾性再現効果によりそれの通常利
用位置に戻ることができる。

【００１０】特定構成によれば、カバーは詰め物を覆っ
て置かれており、また、スタッドのごとき取付手段によ
りその場所に保持され、詰め物は板の上面に置かれる。
好ましくは、カバーは開口部を含んでおり、該開口部の
縁部は板の周部に定着されている。

【００１１】この特定構成においては、板を用いること
により、コンマヘッドレストの組立が容易となる。事
実、カバーはある種のキャップを形成しており、該キャ
ップは板の前面を覆って置かれており、また、より正確
には、カバーの縁部は、板の周部のまわりに置かれ且つ
板の縁部近くに置かれたスタッド上にクリップで留めら
れる。次いで、カバーは注入された発泡体で充填されて
詰め物を形成する。カバーに作られた開口部により、板
の前面への発泡体の接合によってカバーは板に保持され
てスタッドにより確実にされている機能を補足する。

【００１２】再び、好ましくは、板は、モールドにより
得られ、また、挿入体を形成している心棒の端部分は板
に埋め込まれる。

【００１３】この構成により骨組に対する心棒の取り付
けが簡単化されて追加部位の必要性を回避する。

【００１４】他の特徴及び利点は、本発明によるコンマ
ヘッドレストに与えられる記載で明かとなろう。

【００１５】

【発明の実施の形態】われわれは、ここでは図１及び図
２に示されているヘッドレストには戻らない。該ヘッド
レストの記載は本願明細書の導入部で従来技術のコンマ
ヘッドレストの記述部分に与えられている。

【００１６】図３に示されているコンマヘッドレスト
は、詰め物２０のための支持体として作用する骨組、例
えば、発泡体１０と、心棒３０と、該詰め物を覆うカバ
ー４０とを含んでいる。ヘッドレストは、本体２１と、
シートパン（図示せず）に実質的に向かって延在してい
る唇状物２２とを含んでいる。

【００１７】骨組１０は、モールドにより形成されたプ
ラスチック材料で作られた板でなっており、厚みは、例
えば、約３mmである。板１０は、図４に示されているバ
ックレスト５０の頂部の輪郭に沿って湾曲されていて、
一種のコーナー板を形成しており、それにより、該板
は、ヘッドレストが下方位置にある際、バックレスト５
０の頂部５１及びバックレストの当接面の部分５２を覆
う。

【００１８】図４に示されているごとく、心棒３０と板
１０の本体との間の接続は、各心棒３０の端部のうちの
１つを板に埋め込むことにより確実にされており、該心
棒３０は、次いで、それの製作中、板に固定される挿入
体を形成している。心棒３０の埋め込まれた端部は溝を
含んでおり、プラスチック材料は、モールド中、該溝に
浸込むことができ、心棒が板に有効に保持されるのを可
能にしている。他方、心棒３０はバックレスト３０の骨
組に取り付けられたソケット５３に固定されている。

【００１９】ヘッドレストの高さを調節するために、心
棒３０は、ソケット５３中を摺動するよう装着されう
る。並進方向での心棒のロックは、例えば、ソケットに
備えられたロック用手段により、当業者には周知の態様
で確実にされており、これは心棒３０に作られている切
り欠きと噛み合うことができる。

【００２０】板１０の本体を形成している部分１１はヘ
ッドレストの剛性を確実していて、該ヘッドレストの唇
状物２２が、該唇状物のほぼ垂直な方向に沿って生ぜし
められる力の作用の下で変形するようになっている。前
述した通り、唇状物は、シートのバックレストに向かっ
て弾性的に曲がることにより変形する。

【００２１】ヘッドレストのカバー４０は、例えば、ベ
ルベットのごとき、開口部を備えた織物材料でできた外
被である。板１０はスタッド７０を含んでいてカバー４
０の取り付けを確実にしている。スタッド７０は板の前
面に置かれているとともに、該板の縁部の近くの該板の
周部のまわりに分散されており、そのスタッド７０に
は、カバー４０の開口部の縁部が、図４に示されている
ごとく、定着されている。

【００２２】カバーが板に装着される際、ヘッドレスト
はモールド内に置かれ、該モールドのキャビティはヘッ
ドレストに与えられる外側形状に対応している。次い
で、板に作られた穴（図示せず）を介して通っているノ
ズルにより、カバーの内側に発泡体が注入される。カバ
ーに作られた開口部により、一方で、板の前面に、他方
で、カバーの内面上に発泡体を接合することにより、カ
バー４０は板の上に保持されて、スタッド７０により確
実にされる機能を補足している。

【００２３】ヘッドレストの骨組板を完全に隠すため
に、板のまわり全てに詰め物を置くこともできる。この
場合、ヘッドレスト骨組板１０もモールド内に置くこと
ができ、該モールドのキャビティは詰め物及び注入され
る発泡体に与えられるべき外側形状に対応している。ヘ
ッドレスト用のカバーを形成する外被を装着する後の問
題を回避するために、例えば、当業者に知られているフ
ロック加工を用いて織物繊維で詰め物を覆うことができ
る。

【００２４】図５は、ヘッドレストの板１０に心棒３０
を取り付けるための変形例を示している。有利なことに
は、板はモールドにより作ることができるので、ボスを
板に作ることができる。各心棒３０の端部の内の１つ
は、ボスに作られた穴に挿入され、締り嵌めより所定の
位置に保持される。加えて、心棒７０もモールドにより
得ることができる。

【００２５】本発明は、例としてのみ示された設計形態
に限定されるものでない。特に、リブが板に作られう
る。この構成により、唇状物を形成するヘッドレストの
部分は剛直にされ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】既知の形式のコンマヘッドレストの側面図であ
る。

【図２】図１のヘッドレストの斜視図で、特に、筒状骨
組を用いることを示している。

【図３】本発明によるコンマヘッドレストの斜視図で、
ヘッドレストの骨組を形成する板を用いることを示して
いる。

【図４】図３のヘッドレストの側面断面図で、特に、心
棒の取り付けを、また、板へのカバーの取り付けを示し
ている。

【図５】板への心棒の取り付けの設計変形例の詳細図で
ある。

【符号の説明】

１０ 骨組 １１ 板の本体を形成している部分 １３ 板の前面 ２０ 詰め物 ２１ 本体 ２２ 唇状物 ３０ 心棒 ４０ カバー ４１ 上方部分 ５０ バックレスト ５１ バックレストの頂部 ５２ バックレストの前面の頂部部分 ５３ ソケット ７０ 取付手段

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車車両シートのためのヘッドレスト
   であって、本体（２１）と、詰め物（２０）のための支
   持体として作用する骨組（１０）に取り付けられた唇状
   物（２２）とを含んでおり、前記本体（２１）はバック
   レスト（５０）の頂部（５１）に当接しており、また、
   前記唇状物（２２）は、シートパンに向かって延在する
   ことにより前記バックレストの前面の頂部部分（５２）
   を覆っており、前記ヘッドレストは、また、心棒（３
   ０）を含んでおり、該心棒（３０）は前記バックレスト
   の前記骨組（１０）に定着されたソケット（５３）に嵌
   合しているヘッドレストにおいて、 該ヘッドレストの前記骨組（１０）は、前記バックレス
   トの頂部で輪郭に沿うように湾曲された薄い板からなっ
   ており、該薄い板に前記心棒（３０）が取り付けられて
   いることを特徴とするヘッドレスト。
2. 【請求項２】 前記詰め物（２０）は前記板（１０）に
   オーバーモールドされていることを特徴とする請求項１
   に記載のヘッドレスト。
3. 【請求項３】 前記詰め物（２０）を覆っているととも
   に取付手段（７０）により前記板に保持されているカバ
   ー（４０）を含んでおり、前記詰め物は前記板の前面
   （１３）上になされていることを特徴とする請求項１に
   記載のヘッドレスト。
4. 【請求項４】 前記カバー（４０）は開口部を含んでお
   り、該開口部の縁部は前記板の周囲に保持されているこ
   とを特徴とする請求項３に記載のヘッドレスト。
5. 【請求項５】 前記取付手段（７０）はスタッドからな
   っていることを特徴とする請求項３に記載のヘッドレス
   ト。
6. 【請求項６】 前記板（１０）はプラスチック材料で作
   られていることを特徴とする請求項１に記載のヘッドレ
   スト。
7. 【請求項７】 前記板はモールディングにより得られて
   おり、また、挿入体を形成している前記心棒（３０）の
   端部の一部分は前記板（１０）に埋め込まれていること
   を特徴とする請求項６に記載のヘッドレスト。