JPH0642560Y2 - ヘッドレスト付シートバック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）におけるヘッドレスト
付シートバック、詳しくはヘッドレストの発泡体製クッ
ション体をシートバックのクッション体と一体発泡して
なるヘッドレスト付シートバックに関する。

（従来の技術とその問題点） 従来この種のヘッドレスト付シートバックは、シートバ
ックの発泡体製クッション体とヘッドレストの発泡体製
クッション体とを一体発泡して、これらを表皮で被覆す
ることにより形成している。そのため、このヘッドレス
トとシートバックとを一体形成のものはクッション体等
の成形性が良い利点があるが、ヘッドレストがシートバ
ックの一部分状の外観を呈する。従って、この一体形成
のものはヘッドレストとシートバックを夫々別体に成形
して、ヘッドレストをシートバックにステー等を使用し
て組付けるものに対して外観品質が損なわれる不具合が
あった。

一方、シートバックとヘッドレストとを夫々別体に成形
し、そのヘッドレストをシートバックに組付けるもの
は、例えば実開昭55-158949公報に開示されているよう
に、シートバックとヘッドレストとを構成するフレー
ム、発泡体、表皮等を夫々別体に成形した後、これらを
一体に連結する必要がある。そのため、このシートバッ
クとヘッドレストとを別体成形するものは、前記一体形
成のものに比べ外観品質が向上するが、成形性に損なわ
れる不具合がある。

そこで、本考案は前記一体形成のものにおいて、外観品
質の向上を目的とするものである。

（考案が解決しようとする課題） 以上の目的を達成するための本考案は、シートバック用
発泡体製メインクッション体と、このメインクッション
体と一体発泡してなるヘッドレスト用サブクッション体
と、前記メインクッション体及びサブクッション体とを
被覆する表皮とからなり、この表皮の裏面における前記
メインクッション体とサブクッション体との境界に沿っ
て吊袋を設け、該吊袋内に弾性吊りバンドを挿通すると
共に、該吊りバンドの両端を一体に結着してなるもので
ある。

以上のメインクッション体とサブクッション体との境界
には凹溝を設けることが望ましく、斯様に凹溝を設ける
ことにより、該凹溝内に吊袋が挿入して、メインクッシ
ョン体とサブクッション体を被覆する表皮は、そのメイ
ンクッション体とサブクッション体との境界部に沿って
吊込まれるため、ヘッドレストはシートバックとの間に
深い吊込溝が形成され、ヘッドレストが別体状態の外観
になる。

（作用） シートバックを構成するメインクッション体とヘッドレ
ストを構成するサブクッション体とを被覆する表皮は、
メインクッション体とサブクッション体との境界に沿っ
て、吊りバンドで吊込まれるため、メインクッション体
とサブクッション体との間における表皮に吊込溝が形成
され、ヘッドレストはシートバックに対して別体状の外
観を呈する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、本案に係るヘッドレスト（Ｈ）一体のシート
バック（リヤシートバック）（Ｓ）を示し、この図示す
るヘッドレスト（Ｈ）はシートバック（Ｓ）を構成する
発泡体製メインクッション体（１）とモールドで一体発
泡したサブクッション体（２）と、このサブクッション
体（２）を被覆する袋状のヘッドレスト表皮（3b）とか
らなり、前記サブクッション体（２）は第３図に示すよ
うにメインクッション体（１）の上方に突出状に形成さ
れている。第３図において、（６）（６）は線材製のフ
レームを示す。

そして、サブクッション体（２）とメインクッション体
（１）との境界に沿って第２図に示すように凹溝（2a）
が穿設され、この凹溝（2a）内に、第４図に示すように
前記ヘッドレスト表皮（3b）の端末と、シートバック用
表皮の（3a）の端末が吊込まれている。

この端末は折り返されて袋状に、メインクッション体
（１）を被覆するシートバック表皮（3a）と共に一体に
縫着されている。以上のヘッドレスト表皮（3b）の端末
を袋状に縫着した部分を吊袋（４）とする。

この吊袋（４）は前記凹溝（2a）に吊込まれるシートバ
ック表皮（3a）側に設けるも任意である。また、吊袋
（４）はヘッドレスト表皮（3a）或いはシートバック表
皮（3a）と別体の部材、例えば金巾を袋状に縫着したも
のを使用しても良い。

以上のヘッドレスト表皮（3b）とシートバック表皮（3
a）とは別体に縫製されているが、シートバック表皮（3
a）の一部を延長し、この延長した部分をヘッドレスト
表皮（3b）とするも任意である。

そして、前記吊袋（４）内には、ゴムなどの弾性を有す
る吊りバンド（５）が挿通され、この吊りバンド（５）
の両端には相互に係止する金属、硬質合成樹脂製のフッ
ク（5a）（5b）が設けてあり、このフック（5a）（5b）
は第５図に示すようにヘッドレスト（Ｈ）の裏側におい
て、第６図に示すように一体に結着される。

この吊りバンド（５）の結着によって吊袋（４）は凹溝
（2a）内に吊込まれるため、ヘッドレスト（Ｈ）とシー
トバック（Ｓ）との間に吊込溝（ａ）が形成される。

なお、メインクッション体（１）とサブクッション体
（２）との間に、前記凹溝（2a）を設けないものにおい
ても、前記吊りバンド（５）で吊袋（４）を吊込むと、
その吊込力によってメインクッション体（１）とサブク
ッション体（２）との間が凹むため、前記吊込溝（ａ）
が形成される。

そのため、このヘッドレスト表皮（3b）とシートバック
表皮（3a）との間の吊込溝（ａ）によって、ヘッドレス
ト（Ｈ）はシートバック（Ｓ）に対して別体状の外観を
呈する。

（効果） 本案品によれば、叙上の如くヘッドレストを構成するサ
ブクッション体と、シートバックを構成するメインクッ
ション体との境界に沿って表皮を吊りバンドで吊込むた
め、ヘッドレストとシートバックとの間に吊込溝が形成
される。そのため、この吊込溝によってシートバックに
対してヘッドレストが別体状の外観を呈し、前記ヘッド
レスト一体形成のものに比べ、外観品質が向上する。ま
た、前記一体形成のものにおいて、その表皮に吊袋を設
け、この吊袋に吊りバンドを挿通するのみで良いため、
前記別体形成のものに対して、成形性が頗る向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は部分切欠斜視
図、第２図は要部の部分切欠断面図、第３図は第１図に
おけるIII-III線に沿える断面図、第４図は同IV-IV線に
沿える断面図、第５図は裏側方向からの斜視図、第６図
は吊りバンドの結着部の斜視図である。 図中、（Ｓ）はシートバック、（Ｈ）はヘッドレスト、
（１）はメインクッション体、（２）はサブクッション
体、（3a）（3b）は表皮、（４）は吊袋、（５）は吊り
バンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバック用発泡体製メインクッション
   体と、このメインクッション体と一体発泡してなるヘッ
   ドレスト用サブクッション体と、前記メインクッション
   体及びサブクッション体とを被覆する表皮とからなり、
   この表皮の裏面における前記メインクッション体とサブ
   クッション体との境界に沿って吊袋を設け、該吊袋内に
   弾性吊りバンドを挿通すると共に、該吊りバンドの両端
   を一体に結着してなるヘッドレスト付シートバック。