JPH0337513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車用座席における表皮部材の端
末固定構造に関し、より詳しくはシートクツシヨ
ンのフレームに、Ｓ形ばね等の支持体を張架し、
その上に発泡体などのクツシヨン体を載置し、こ
れらを表皮部材で被包する際におけるその表皮部
材端末を前記フレーム底部に固定する構造の改良
に係るものである。

（考案の背景） 従来、この種の構造としては第５図に示すもの
がある。図中、１はシートクツシヨンのフレーム
で、その左右側底部先端１ａが折曲されるととも
に、底部を基端方向に折曲げて鉤片１ｂが突設さ
れている。この鉤片１ｂはフレーム１の左右側底
部の奥行き方向に沿つて設けられている。さら
に、この鉤片１ｂ間にはＳばね部材２が張架し、
発泡体製のクツシヨン体３を載置する。そして、
表皮部材４は前記発泡体製クツシヨン体３を被包
し、フレーム１の底部先端１ａにその端末４ａを
ホツグリング５で結着する。

（考案が解決しようとする問題点） 上記構成に係る表皮部材の端末固定構造によれ
ば、表皮部材４の端末４ａをフレーム１の底部先
端１ａにホツグリング５で結着して表皮部材４の
端末４ａをフレーム１に固定し、Ｓばね部材２を
鉤片１ｂ間に張架していたため、Ｓばね部材２と
フレーム１の底部先端１ａとが接触し、Ｓばね部
材２の振動によつて異音が発生して快適な走行感
が得られなかつた。また、表皮部材４の端末４ａ
をフレーム１の底部先端１ａにホツグリング５に
より結着しなければならず、表皮部材端末４ａの
固定作業が必要で時間を要していた。

この考案はかかる問題点を解決すべくなされた
ものであり、フレームの鉤片間に張架するばね部
材と、フレームの底部先端とが接触することなく
異音発生が防止できるとともに表皮部材端末の固
定作業の容易な表皮部材の端末固定構造を提供す
ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案にかかる自動車用座席の表皮部材の端
末固定構造は、表皮部材端末に合成樹脂製部材を
取付け、この合成樹脂製部材をシートクツシヨン
のフレーム底部先端の折曲部と前記フレーム底部
に形成した鉤片間のばね部材との間に配設したも
のである。

（作用） この考案にかかる自動車用座席における表皮部
材の端末固定構造は、表皮部材の端末に合成樹脂
製部材を取付け、この合成樹脂製部材をフレーム
の折曲部と左右のフレーム間に張架したばね製部
材との間に配設したため、前記ばね製部材とフレ
ームの折曲部との間の前記合成樹脂製部材が緩衝
部材となつて、前記ばね製部材とフレームの折曲
部との接触が防止できて異音発生を防ぐことがで
きる。

（実施例） この考案にかかる一実施例を第１図ないし第４
図に基づいて説明する。１０はシートクツシヨン
のフレームで、その左右底部先端１０ａが断面
字形状に形成される。さらに、このフレーム１０
の左右底部には鉤片１０ｂが突設され、フレーム
底部の基端方向に折曲げられる。この左右の鉤片
１０ｂにはＳばね部材１１の端部が係止し、Ｓば
ね部材１１が鉤片１０ｂ間に張架する。このＳば
ね部材１１上に発泡体製クツシヨン部材１２を載
置する。そして、これら発泡体製クツシヨン部材
１２およびフレーム１０は表皮部材１３によつて
被包される。この表皮部材１３はこの種の座席に
使用される織物地などの周知部材で、略袋状に縫
着成形されており、その開口部を形成する端末に
沿つて合成樹脂部材１４（例えば塩化ビニール、
ポリプロピレン）が方向縫着される。合成樹脂部
材１４はその端末１４ａは前記フレーム１０の底
部先端１０ａに背面から配設され、Ｓばね部材１
１とフレーム底部先端１０ａとにより挟持され
る。

上記構成にかかる表皮部材の端末固定構造は、
表皮部材１３の端末に合成樹脂部材１４を縫着
し、この合成樹脂部材１４をフレーム１０の底部
先端１０ａとＳばね部材１１とにより挟持して固
定しているため、Ｓばね部材１１とフレーム底部
先端１０ａとは接触せずに合成樹脂部材１４が緩
衝材として作用し、Ｓばね部材１１による異音が
発生しない。また、表皮部材１３に縫着した合成
樹脂部材１４をＳばね１１とフレーム１０との間
に配設し、表皮部材１３をフレーム１０に固定す
ることができるため、表皮部材１３の取付作業が
容易化する。さらに、Ｓばね部材１１とフレーム
１０との接触による異音発生防止のための部品を
特別に設ける必要がなく、部品点数の削減が図ら
れて経済的である。

なお、上記実施例においては表皮部材１３に合
成樹脂部材１４を縫着したものについて説明した
が、合成樹脂部材１４に限られるものではなく緩
衝作用を有する素材であればよい。

（考案の効果） この考案によれば、発泡体製クツシヨン部材を
被覆する表皮部材の端末に合成樹脂部材を取付
け、この合成樹脂部材をシートクツシヨンのフレ
ーム底部先端の折曲部と、フレーム底部の鉤片間
に張架したばね製部材との間に配設し、前記表皮
部材をフレームに固定するという簡単な構造によ
り、ばね製部材による異音発生を防止して乗心地
が良好な自動車用座席における表皮部材の端末固
定構造が得られるという効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる一実施例を示す自動
車座席の部分切欠斜視図、第２図は第１図に示す
座席のシートクツシヨンフレームの斜視図、第３
図は第１図に示す要部の斜視図、第４図は第３図
要部の縦断面図、第５図は従来構造の第４図相当
の縦断面図である。 図中、１０はフレーム、１３は表皮部材、１４
は合成樹脂部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンのフレーム底部先端に折曲部
   を形成するとともに、前記フレームの両側底部に
   長手方向に沿つて鉤片を突設し、前記両側の鉤片
   間に発泡体製クツシヨン部材を載置するばね製部
   材を張架し、前記発泡体製クツシヨン部材を被覆
   する表皮部材の端末を前記フレームの底部先端に
   固定する自動車座席における表皮部材の端末固定
   構造において、前記表皮部材の端末に合成樹脂製
   部材を取付け、この合成樹脂製部材を前記フレー
   ムの底部先端の折曲部と前記ばね製部材との間に
   配設したことを特徴とする自動車座席における表
   皮部材の端末固定構造。