JPH0726966Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は化粧料容器に関するものであって、より具体的
には容器本体に化粧料を収納し、容器本体を前端が開口
した箱状ケースに摺動自在に格納するようにしてなる化
粧料容器に関する。

《従来の技術》 従来、この種の化粧料容器では、実公昭61-20969号公報
に示されるようなコンパクト容器が公知となっている。
この公知のコンパクト容器は、前端面だけ開口させた横
長の箱状ケースとこの箱状ケースへ出入自在に嵌合させ
た容器本体とからなり、この容器本体の上面には適当数
の化粧料充填部が設けられている。またこの容器本体の
上面には鏡を下面に貼着した蓋板がその内奥部で枢着さ
れるとともに常時開放方向に弾性体によって付勢されて
おり、容器本体を箱状ケースから前方へ引き出すと、蓋
板が弾性体によって開放してその下面の鏡が立ち上がる
ようになっている。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、上記のような化粧料容器においては、箱
状ケース内に容器本体を収納すると、容器本体上面と蓋
体下面に取り付けた鏡とはわずかな隙間をもって対面す
ることになり、箱状ケースを携帯した際にこれが逆さあ
るいは横倒しになった時に、化粧料の粉末が鏡の表面に
飛着して鏡を汚してしまう問題が発生した。また容器本
体にスポンジ，ブラシなどの化粧具を収納した場合で
も、化粧具が鏡に接触して鏡を汚す問題が発生した。さ
らに容器本体を箱状ケースに収納しても内部で確実に止
錠することが難しく、携帯時に容器本体が箱状ケースか
ら滑り出してしまうといったおそれがあった。また容器
本体を箱状ケースに止錠出来たとしても、使用時に容器
本体を箱状ケースから手で引き出さなければならず、操
作に煩わしさが生じるといった欠点もあった。

本考案は上記の欠点に鑑みなされたもので、その目的
は、容器本体を箱状ケース内に格納した状態において鏡
が容器本体に収納された化粧料や化粧具に対面しないよ
うにする一方、容器本体を箱状ケースから引き出した後
に鏡を使用位置に容易にセットすることが出来る化粧料
容器を提供することにある。さらに化粧料を収納した容
器本体を箱状ケース内に確実に止錠し、かつワンタッチ
で箱状ケースから押し出すことができる化粧料容器を提
供することにある。

《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために本考案では容器本体内に化粧
料を収納し、該容器本体を前端が開口した箱状ケースに
摺動自在に格納するようにしてなる化粧料容器におい
て、該箱状ケース側壁に可撓性を有する押し釦を一体形
成し、該箱状ケースと該容器本体との間には該容器本体
を該箱状ケースの前端開口部から押し出す方向に付勢す
る弾性体を介装するとともに止錠手段を設けて、かつ該
容器本体の内部には鏡枠を引き出し状に摺動自在に収納
するとともに該鏡枠と該容器本体との間には該鏡枠を該
容器本体の側面に設けた開口部から押し出す方向に付勢
するバネ部を設け、該鏡枠を収納した該容器本体を該箱
状ケースに格納した時に該容器本体を該止錠手段によっ
て該箱状ケースに止錠し、かつ該押し釦を押圧すると該
止錠手段が解除され、該弾性体によって該容器本体が該
箱状ケースから押し出され、そして更に該バネ部によっ
て該鏡枠が該容器本体から押し出されるような構成とし
たのである。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について、添付図面を参照
して説明する。

第１図ないし第５図は本考案の化粧料容器を示し、この
化粧料容器は容器本体10、鏡枠20及び箱状ケース30から
なっている。

容器本体10の上面には凹部11が設けられ、ここには化粧
料やパフ、ブラシなどの化粧具を収納するようになって
いる。この容器本体10の後端部12には第２図に示される
ように凹所13が形成され、この凹所13の中央部には突部
14が突出形成されている。この突部14には、弾性体とし
てスプリング15が捲着されている。このスプリング15の
自然長は、第５図に示されるように凹所13の深さ方向の
長さより長く設けられている。またこの容器本体10の両
側面16A,16Bの後端部12寄りには段部17-17が設けられて
いる。

さらに、容器本体10には、この容器本体10の一方の側面
16Aにおいて開口する空所18が形成されている。この空
所18は、一方の側面16Aの開口部18aから他方の側面16B
に向かって形成され、この空所18の内奥部は他方の側面
16Bの壁になっている。そして空所18は容器本体10の凹
所11の下側に位置しており、その開口部18aの前後方向
の幅は空所18の内部の前後方向の幅より狭くなってい
る。またこの空所18の内奥部には空所18の内部の前後方
向の幅より短い切欠凹所18bが形成され、この切欠凹所1
8bの中央部にはバネ部19が一体的に突出形成されてい
る。このバネ部19は第５図に示されるように中心部19a
と略逆「ハ」字状の肉薄な可撓片19b-19bとからなり、
両可撓片19bの長さは切欠凹所18b内に収納可能な長さ
で、中心部19aから開口部側両端部に向かって斜めに延
長している。

鏡枠20はこの空所18内に収納可能な寸法で、上面に鏡21
が貼着され、鏡枠20の前端部22の容器本体10の前端側角
部には係合突起23が突出形成されている。また、この鏡
枠20の後端部24の両側面には突片25-25が形成されてい
る。

箱状ケース30は、容器本体10を格納可能な寸法で、前端
が開口した箱体で、一方の側壁31Aの開口部32寄りには
第３図に示すようなコ字状に切欠きが形成されるととも
に、この切欠きによってこれに囲まれた部分に押し釦33
が形成されている。この押し釦33は、可撓部33aと肉厚
の押圧部33bとからなり、内方へ撓むことが出来るよう
になっている。

また、この押し釦33の先端とスリットを挟んで対向する
側壁31Aの部分には、他の側壁31Aの厚さより肉厚な係合
凸部34が内方に向かって突出形成され、鏡枠20を収納し
た容器本体10を箱状ケース30に格納した際に鏡枠20の係
合突起23と係合可能になっている。さらにもう一方の側
壁31Bの開口部32には、他の側壁31Bより肉厚な段部35が
内方に向かって形成されている。

上記のような構成の化粧料容器において、容器本体10を
箱状ケース30に格納した状態では、第２図に示されるよ
うに容器本体10の後端部12は箱状ケース30の後壁36と近
接し、かつスプリング15は後壁36と凸部14との間で圧縮
され、容器本体10を箱状ケース30の開口部32から常時押
し出す方向に付勢することになる。一方容器本体10内に
は鏡枠20が、その係合突起23が係合凸部34の内方に位置
し、かつ押し釦33の押圧部33bの内面に当接した状態で
収納されている。また、その後端部24はバネ部19の可撓
片19bの先端部に当接して可撓片19bを押圧し、可撓片19
bが鏡枠20を空所18の開口部18aから押し出す方向に付勢
する状態となっている。そしてこれにより鏡枠20の係合
突起23は容器本体10の側面16Aより突出した位置で箱状
ケース30の係合凸部34と係合し、容器本体10は箱状ケー
ス30内で止錠状態になる。

上記のような止錠状態から第４図に示されるように箱状
ケース30の押し釦33の押圧部33bを内方に押圧すると、
押し釦33は可撓部33aの基部を支点にして内方に撓み、
押圧部33bの内面が容器本体10内に収納された鏡枠20の
係合突起23に当接する。そして鏡枠20の後端部24はバネ
部19の可撓片19bを空所18の切欠凹所18bの内奥面に向か
って押圧し、鏡枠20はいったん係合突起23の先端が空所
18の開口部18aよりも内部に位置するまで引込み、これ
により係合突起23が箱状ケース30の係合凸部34との係合
から解除されると同時に、箱状ケース30の後壁36と容器
本体10の凸部14との間で圧縮されていたスプリング15に
かかる力が解除される。そして容器本体10は、スプリン
グ10の復元力により開口部32より外方向に押し出され、
鏡枠20の前端部22の面が箱状ケース30の側壁31Aを押圧
しつつ摺動しながら外方向へ押し出される。さらに容器
本体10を外方向に引き出すと、第５図に示されるように
容器本体10の段部17は箱状ケース30の開口部32において
係合凸部34及び段部35と当接して係合し、容器本体10は
それ以上箱状ケース30から抜け出ないようになってい
る。

このように容器本体10の使用部分全体が箱状ケース30か
ら引き出されると、容器本体10の空所18の開口部18aは
完全に開放された状態となり、同時に鏡枠20の後端部24
によって押圧され内方に撓んだバネ部19にかかる力も解
除されるので、鏡枠20はバネ部19の復元力によって開口
部18bより外方向に押し出される。さらに鏡枠20を引き
出した使用状態では、鏡枠20の後端両側部の突片25が空
所18の開口部18bと当接して係合し、鏡枠20はそれ以上
容器本体10から抜け出ないようになっている。

なお容器本体10と箱状ケース30との間に圧縮介装するス
プリング15は、ほかにゴムまたはスポンジといったその
他の弾性体を用いることも出来る。

また、容器本体10の空所18に形成されたバネ部19にも他
の弾性体を用いることが出来るが、止錠が解除された後
の容器本体10が箱状ケース30から押し出される際に摺動
可能な範囲の強度に調節することが必要である。また、
好ましくは、容器本体10を箱状ケース30から押し出した
後に釦などを押すと鏡が飛び出す機構を設けてもよい。

《効果》 以上のように本考案に係る化粧料容器では、容器本体内
に化粧料を収納し、容器本体を前端が開口した箱状ケー
スに摺動自在に格納するようにしてなる化粧料容器にお
いて、箱状ケース側面に可撓性を有する押し釦を一体形
成し、箱状ケースと容器本体との間には容器本体を箱状
ケースの前端開口部から押し出す方向に付勢する弾性体
を介装するとともに止錠手段を設けて、かつ容器本体の
内部には鏡枠を引き出し状に摺動自在に収納するととも
に鏡枠と容器本体との間には鏡枠を容器本体の側面に設
けた開口部から押し出す方向に付勢するバネ部を設け、
鏡枠を収納した容器本体を箱状ケースの格納した時に容
器本体を該止錠手段によって箱状ケースに止錠し、かつ
押し釦を押圧すると止錠手段が解除され、弾性体によっ
て容器本体が箱状ケースから押し出され、そして更に、
バネ部によって鏡枠が容器本体から押し出されるように
なっているため、容器本体の格納時に鏡が化粧料や化粧
具に対面しなくてすむので、携帯時に化粧料が飛散した
り、化粧具が接触して鏡の表面を汚すといった問題点が
解消されるのである。従って、この化粧料容器を使用時
に汚れた鏡を拭く必要もなくなり、常に清潔な状態で化
粧をすることが出来るようになる。また、最近、揮発性
を持った化粧料も多く開発され、従来の化粧料容器で
は、鏡が揮発成分により曇る問題が発生しているが、本
考案にかかる化粧料容器によれば、このような問題も解
消されるのである。

さらに、本考案にかかる化粧料容器では、容器本体を箱
状ケース内に確実に止錠することが出来、また使用時に
は化粧料を収納した容器本体を箱状ケースから手で引き
出す操作に煩わされることなく、ワンタッチで箱状ケー
スから弾性体の作用により押し出すことが出来、使用性
が向上するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る化粧料容器を使用する状態の斜視
図、第２図は本考案に係る化粧料容器を箱状ケース内に
収納した時の平断面図、第３図は本考案に係る止錠手段
を示す要部拡大側面図、第４図は本考案に係る止錠手段
を解除する状態を示す要部拡大平断面図、第５図は本考
案に係る化粧料容器を使用する状態の平断面図を示す。 10……容器本体、12……後端部 15……スプリング、16A,16B……側面 18……空所、18a……開口部 18b……切欠凹所、19……バネ部 20……鏡枠、21……鏡 22……開口部、23……係合突起 24……後端部、30……箱状ケース 31A,31B……側壁、32……開口部 33……押し釦、33a……可撓部 33b……押圧部、34……係合凸部 36……後壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体内に化粧料を収納し、該容器本体
   を前端が開口した箱状ケースに摺動自在に格納するよう
   にしてなる化粧料容器において、該箱状ケース側壁に可
   撓性を有する押し釦を一体形成し、該箱状ケースと該容
   器本体との間には該容器本体を該箱状ケースの前端開口
   部から押し出す方向に付勢する弾性体を介装するととも
   に止錠手段を設け、かつ該容器本体の内部には鏡枠を引
   き出し状に摺動自在に収納するとともに該鏡枠と該容器
   本体との間には該鏡枠を該容器本体の側面に設けた開口
   部から押し出す方向に付勢するバネ部を設け、該鏡枠を
   収納した該容器本体を該箱状ケースに格納した時に該容
   器本体を該止錠手段によって該箱状ケースに止錠し、か
   つ該押し釦を押圧すると該止錠手段が解除され、該弾性
   体によって該容器本体が該箱状ケースから押し出される
   そして更に該バネ部によって該鏡枠が該容器本体から押
   し出されるようにしてなることを特徴とする化粧料容
   器。