JPH07252296A - 新規シクロスポリン類 - Google Patents

新規シクロスポリン類

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JPH07252296A
JPH07252296A JP5039837A JP3983793A JPH07252296A JP H07252296 A JPH07252296 A JP H07252296A JP 5039837 A JP5039837 A JP 5039837A JP 3983793 A JP3983793 A JP 3983793A JP H07252296 A JPH07252296 A JP H07252296A
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cyclosporin
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ser
cyclosporins
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ヨハン・ヤコブ・ベルシュテルリ
Marcel Karl Eberle
マルチェル・カルル・エーベルレ
Reto Naef
レト・ネフ
Trevor Glyn Payne
トレーバー・グリン・ペイン
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    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬として有用であり、特にぜん息治療に使
用される。 【構成】 1位の残基が式(I) 【化1】 [式中、−x−y−は−CH=CH−(トランス)または−
CH2−CH2−であり、XはOまたはSであり、Rは水
素、所望によりハロまたはヒドロキシ置換されていても
よいC1-3−アルキル、−アルコキシまたは−アルキル
チオ、またはアミノまたはモノもしくはジ(C1-2アルキ
ル)−アミノである]を有するシクロスポリン類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規シクロスポリン類
(cyclosporins)、医薬としてのそれらの用途およびそれ
らを含む医薬組成物並びにそれらの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シクロスポリン類は、一般に薬理活性、
特に免疫抑制、抗炎症または抗寄生虫活性または他の薬
剤療法に対する例えば腫ようの抵抗、特に多重薬剤耐性
を除去または改良する活性を有する、一群の構造が特有
で環状のポリ−N−メチル化ウンデカペプチド類を包含
する。分離された最初のシクロスポリン類は、サンディ
ムン(SANDIMMUN、商標)またはサンディムーネ
(SANDIMMUNE、商標)という商標名で市販さ
れ、シクロスポリンAとしても知られている天然菌代謝
物質「シクロスポリン」(CiclosporinまたはCyclospori
n)であった。「シクロスポリン」は、式(A)で示されるシ
クロスポリンである。
【化6】 [式中、−MeBmt−は、式(B)
【化7】 (式中、−x−y−は−CH=CH−(トランス)である)で
示されるN−メチル−(4R)−4−ブタ−2E−エン−
1−イル−4−メチル−(L)スレオニン残基を表す]
【0003】「シクロスポリン」の最初の発見以来、広範
な種類の天然シクロスポリン類が分離および同定され、
多くのさらに別の非天然シクロスポリン類が全もしくは
半合成的手段または修正培養技術の適用により製造され
てきた。すなわち、現在シクロスポリン類が包含する種
類はかなり多く存在し、例えば天然シクロスポリン類A
〜Z[トレイバー等、1、「ヘルベティカ・シミカ・アク
タ」(Helv.Chim.Acta)、60、1247−1255
(1977)、トレイバー等、2、「ヘルベティカ・シミ
カ・アクタ」(Helv.Chim.Acta)、65、1655−
1667(1982)、コーベル等、「ヨーロピアン・ジ
ャーナル・アプライド・マイクロバイオロジー・アンド
・バイオテクノロジー」(Europ.J.Applied Microb
iology and Biotechnology)、14、273−240
(1982)、およびフォン・バルトバーグ等、「プログ
レス・イン・アラージー」(Progress in Allergy)、3
8、28−45(1986)参照]並びに様々な非天然シ
クロスポリン誘導体および人工または合成シクロスポリ
ン類、例えばジヒドロ−シクロスポリン類[ただし、−
MeBmt−残基の−x−y−部分(上記式(B))が飽和され
て−x−y−=−CH2−CH2−を形成する場合]、誘導
体化シクロスポリン類(例、−MeBmt−残基の3'−O
−原子がアシル化されているか、またはさらに別の置換
基が3位のサルコシル残基のα炭素原子に導入されてい
る場合)、および様々なアミノ酸がペプチド配列内の特
定位置に組み込まれているシクロスポリン類が含まれ、
例えばウェンガーにより開発されたシクロスポリン類の
全合成的製造方法が使用される−例えば、トレイバー
等、1、トレイバー等、2およびコーベル等、前出、ア
メリカ合衆国特許第4108985号、第422064
1号、第4288431号、第4554351号、第4
396542号および第4798823号、ヨーロッパ
特許公開第34567A号、第56782A号、第30
0784A号および第300785A号、国際特許公開
第WO86/02080号およびイギリス国特許公開第
2206119号および第2207678号、ウェンガ
ー1、「トランスプランテーション・プロシーディング
ス」(Transpl.Proc.)、15、補遺、1:2230(1
983)、ウェンガー2、「アンゲバンテ・ヘミー、イン
ターナショナル・エディション・イン・イングリッシ
ュ」(Angew Chem.Int.Ed.)、24、77(198
5)およびウェンガー3、「プログレス・イン・ザ・ケミ
ストリー・オブ・オーガニック・ナチュラル・プロダク
ツ」(Progress in the Chemistry of Organic Natur
al Products)、50、123(1986)参照。
【0004】すなわち、現在シクロスポリン類が包含す
る種類は非常に多大であり、例えば[Thr]2−、[Val]2
−、[Nva]2−および[Nva]2−[Nva]5−「シクロスポリ
ン」(各々シクロスポリンC、D、GおよびMとしても知
られている)、[3−O−アセチル−MeBmt]1−「シクロ
スポリン」(シクロスポリンA酢酸塩としても知られてい
る)、[ジヒドロ−MeBmt]1−[Val]2−「シクロスポリ
ン」(ジヒドロ−シクロスポリンDとしても知られてい
る)、[(D)Ser]8−「シクロスポリン」、[MeIle]11
「シクロスポリン」、[(D)MeVal]11−「シクロスポリ
ン」(シクロスポリンHとしても知られている)、[MeAl
a]6−「シクロスポリン」、[(D)Pro]3−「シクロスポリ
ン」などがある。
【0005】[シクロスポリン類に関する慣用的命名法
に従い、特許請求の範囲を含む本明細書では、これらは
終始「シクロスポリン」(すなわちシクロスポリンA)の構
造に基づいて定義されている。これは、まず「シクロス
ポリン」に存在する残基とは異なる分子中の残基を示
し、次に「シクロスポリン」という語を適用して「シクロ
スポリン」に存在する残基と同一である残りの残基の特
性を示すことにより行なわれる。すなわち、[ジヒドロ
MeBmt]1−[Val]2−「シクロスポリン」は、式Aに示さ
れた配列を有するが、1位の−MeBmt−残基が−ジヒ
ドロMeBmt−(上記式Bの残基、ただし、−x−y−は−
CH2−CH2−である)により置換され、2位の−αAb
u−が−Val−により置換されたシクロスポリンであ
る。さらに、例えば−Ala−、−MeVal−、−αAbu
−等といった省略形により示されるアミノ酸残基は、慣
用的実践法によると、例えば「−(D)Ala−」の場合のよ
うに特記されている場合以外は(L)立体配置を有するも
のとして理解される。「−MeLeu−」の場合のように「M
e」が先行する残基省略形は、α−N−メチル化残基を表
す。シクロスポリン分子の個々の残基は、技術文献と同
様、残基−MeBmt−、−ジヒドロ−MeBmt−またはそ
れに対応する1位の残基から出発して時計回りで番号付
けされている。特許請求の範囲を含む本明細書では、終
始同じ数字で表した配列が使用されている]
【0006】
【発明の構成】本発明は、例えば肺の疾患または症状の
処置における局所適用に特に有用な新規シクロスポリン
類に関するものである。
【0007】さらに詳細には、本発明は、1位の残基が
式(I)
【化8】 [式中、Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ
またはC1-3アルキルチオ、ハロ−置換−C1-3アルキ
ル、−C1-3アルコキシもしくはC1-3アルキルチオ、ヒ
ドロキシ−置換−C1-3アルキル、−C2-3アルキルオキ
シもしくは−C2-3アルキルチオ、またはアミノまたは
モノ−もしくはジ−(C1-2アルキル)−アミノであり、
Xは酸素または硫黄であり、−x−y−は、−CH=CH
−(トランス)または−CH2−CH2−である]で示され
る残基であるシクロスポリンを提供する。
【0008】本発明の好ましいシクロスポリン類は、式
(II)
【化9】 [式中、Aは上記式(I)の残基であり、Bは、−αAbu
−、−Val−、−Thr−または−Nva−であり、Qは、
−(D)Ala−、−(D)Ser−または−[O−(2−ヒドロ
キシエチル)(D)Ser]−、または−[O−アシル(D)Se
r]−または−[O−(2−アシルオキシエチル)(D)Ser]
−(ただし、アシル残基は生理学的に加水分解可能で許
容し得るものである)である]で示されるものである。
【0009】Rとして好ましいアルキル基は、メチルお
よびエチルである。Rとして好ましいアルコキシおよび
アルキルチオ基は、メトキシ、エトキシ、メチルチオお
よびエチルチオである。ハロ−置換された状態とは、ク
ロロ−、ブロモ−、フルオロ−またはヨード−置換され
た状態を意味する。Rとしてのハロ−置換基は、モノ
−、ジ−またはポリ−ハロ−置換され得る。Rとして適
当なハロ−置換−C1-3アルキル基は、トリフルオロメ
チルである。Rとして適当なヒドロキシ−置換−C1-3
アルキル基は、ヒドロキシメチルおよび1−ヒドロキシ
エチルである。Rとして適当なモノ−およびジ−アルキ
ルアミノ基は、メチルアミノ、ジメチルアミノおよびメ
チルエチルアミノであり、ジメチルアミノが好ましい。
【0010】本発明による実施態様では、Rは、水素、
1-2アルキル、C1-2アルコキシ、C1-2アルキルチ
オ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ−置換−C1-2
ルキル、アミノまたはモノ−もしくはジ−(C1-2アルキ
ル)−アミノ、特に水素、C1-2アルキル、C1-2アルコ
キシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ−置換−C1-2
アルキルまたはジメチルアミノである。好ましくは、R
は、水素、C1-2アルキル、C1-2アルコキシまたはC
1-2アルキルチオ、特にC1-2アルキルまたはC1-2アル
コキシ、最も限定すればメチルまたはメトキシである。
最も好ましくは、RはC1-2アルコキシ、特にメトキシ
である。
【0011】Xは好ましくは酸素である。−x−y−は好
ましくは−CH=CH−トランスである。Bは好ましく
は−αAbu−である。Qの定義で使用されている「生理
学的に加水分解可能で許容し得る」という語は、生理学
的条件下で開裂し得、投与される用量でそれ自体生理学
的に耐容性のある酸を生成し得るアシル残基を定義す
る。適当なアシル残基には、ベンゾイルおよびサリチル
並びに式R'−CX'−(ただし、R'はRに関する上記の
意味を有するが、アミノおよびモノ−およびジ−(C1-2
アルキル)−アミノは除くものとし、X'は酸素または硫
黄である)で示される残基がある。
【0012】すなわち、本発明による一群のシクロスポ
リン類は、上記式(II)(ただし、Qは、−(D)Ala−、
−(D)Ser−、−[O−(2−ヒドロキシエチル)(D)Se
r]−または式(III)
【化10】 (式中、nはゼロまたは1であり、R'およびX'は前記の
意味を有する)で示される残基である)で示されるものを
包含する。Qが式(III)で示される基である場合、式(II
I)におけるR'およびX'は、好都合には式(I)における
RおよびXと同じ意味を有する。
【0013】好適には、Qは、−(D)Ala−または上記
式(III)で示される基、特に−(D)Ala−または上記式
(III)(ただし、nはゼロである)で示される基である。好
ましくは、Qは−(D)−Ala−である。
【0014】Rおよび/またはR'が不斉である、例え
ばRがα−ヒドロキシエチルである場合の本発明シクロ
スポリン類は、光学異性現象を呈する。それらの場合、
個々の異性体は、常法、例えば光学活性出発物質からの
合成(後記実施例10および11の場合と同様)または例
えばキラルクロマトグラフィー技術の使用による最初に
得られた異性体混合物の分離により生成され得る。それ
らの異性現象が存在する場合、本発明は、特記しない場
合、個々の異性体形態、例えばS−およびR−光学対掌
体、並びにその混合物、例えばラセミおよびジアステレ
オマー混合物の両方を包含するものとして理解される。
しかしながら、一般に、本発明による医薬用途の場合、
純粋または実質的に純粋な形態、例えば95%以下また
はそれ以上の割合で純粋な単一光学対掌体を含む個々の
光学対掌体の使用が好ましい。
【0015】また、本発明は、前記シクロスポリンの製
造方法であって、 a)1位の残基が前記式(I)の残基であって、遊離ヒドロ
キシ基を有するシクロスポリン、例えば前記式(II)(た
だし、Aは前記式(I)(ただし、Rは、ヒドロキシ−置
換−C1-3アルキル、−C1-3アルコキシまたは−C1-3
アルキルチオである)で示される残基、および/また
は、Qは、−(D)Ser−、−[O−(2−ヒドロキシエチ
ル)(D)Ser]−または前記式(III)(ただし、R'は、ヒ
ドロキシ−置換−C1-3アルキル、−C1-3アルコキシま
たは−C1-3アルキルチオである)で示される残基であ
る)で示されるシクロスポリンを製造するため、そのヒ
ドロキシ保護形態を脱保護し、
【0016】b)1位の残基が前記式(I)で示される残基
であるシクロスポリン、例えば前記式(II)のシクロスポ
リンを製造するため、1位の残基が式(IV)
【化11】 [式中、−x−y−は式(I)に関して与えられた意味を有
する]で示される残基であるシクロスポリン、例えば上
記式(II)(ただし、Aは前記式(IV)の残基であり、Bお
よびQは式(II)に関して与えられた意味を有する)で示
されるシクロスポリンを、式(V)
【化12】 (式中、Zは脱離原子または基であり、RおよびXは式
(I)に関して与えられた意味を有し、ただし、Rとして
のヒドロキシ−置換−C1-3アルキル、−C1-3アルコキ
シまたは−C1-3アルキルチオ基は全てヒドロキシ保護
形態である)で示される化合物と反応させ、必要ならば
製造段階(a)を実行し、
【0017】c)前記式(II)(ただし、Qは、−[O−アシ
ル(D)Ser]−または−[O−(2−アシルオキシエチル)
(D)Ser]−(ただし、アシル残基は生理学的に加水分解
可能で許容し得るものである)である)で示されるシクロ
スポリンを製造するため、前記式(II)(ただし、Qは、
−(D)Ser−または−[O−(2−ヒドロキシエチル)
(D)Ser]−である)のシクロスポリンを、適当なアシル
化剤で、例えば式(V')
【化13】 [式中、R'およびX'は式(III)に関する前記の意味を有
し、ただし、R'としてのヒドロキシ−置換−C1-3アル
キル、−C1-3アルコキシまたは−C1-3アルキルチオ基
は全て、ヒドロキシ保護形態を呈し、Zは脱離原子また
は基である]で示される化合物との反応によりアシル化
し、そして必要ならば製造段階(a)を実行し、こうして
得られたシクロスポリンを回収することを含む方法を提
供する。
【0018】製造段階(a)に関連した適当な保護基に
は、t−ブチルシリルがある。段階(a)による脱保護は、
例えばコレイ等、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティー」(J.Am.Chem.Soc.)、
94、6190(1972)に記載された方法に従いテト
ラブチルアンモニウムフロリドを用いた慣用的方法によ
り行なわれ得る。
【0019】製造段階(b)および(c)に関する使用に適し
た化合物VおよびV'には、アシル−およびチオアシル
−ハライド類(例、Z=塩素または臭素の場合)および−
無水物(すなわち、Z=R−CX−O−またはR'−C
X'−O−の場合)がある。反応は、好適には酸結合剤、
例えば4−ジメチルアミノピリジンの存在下、約−20
°〜+60℃の温度で行なわれる。
【0020】上記方法におけるシクロスポリン出発物質
において、1位残基(式IV)の8'−ヒドロキシ基は、8
位残基に存在し得るヒドロキシ基、例えばQが−(D)S
er−である場合よりも反応性が高い。従って、製造段階
(b)によって、すなわち1当量の式(V)化合物を用い
て、1位残基に基R−CX−を優先的に導入することが
可能である。この後、反応段階(c)を行なうことによ
り、8位残基に異なる基R'−CX'−が導入され得る。
1位の基R−CX−と同一である8位の基R'−CX'−
を導入するのが望ましい場合、段階(a)および(b)は、2
当量の(同じ)式(V/V')化合物を用いた単一反応で行
なわれ得る。
【0021】式(V)および(V')の出発物質は、既知で
あるか、または既知物質と同様の方法で製造され得る。
O−t−ブチルシリル保護形態のヒドロキシ−置換酸ハ
ライドは、例えば「ケミカル・アブストラクツ」(Chemic
al Abstracts)、109−149284およびビショー
フスバーガー等、「ジャーナル・オブ・オーガニック・
ケミストリー」(J.Org.Chem.)、53、3457(1
988)に記載されている。
【0022】製造段階(b)で必要とされるシクロスポリ
ン出発物質は、下記反応順序に従い製造され得る。(こ
の反応順序では、シクロスポリン分子の1位残基のみが
詳細に示されている。分子の残りは「(rs2−11)」とし
て示されており、これは例えば上記式(II)の場合、式(I
I)で示され、定義されている残基配列2〜11を表す。
−x−y−は式(I)の場合と同じ意味を有する)。
【化14】
【0023】段階(c)〜(f)は、好適には実施例11で後
述されている一般的方法またはそれと同様の方法に従い
行なわれる。(rs2−11)の8位残基(すなわち式(II)
の場合、残基Q)が−(D)Ser−または−[O−(2−ヒ
ドロキシエチル)(D)Ser]−である場合、その遊離ヒド
ロキシ基に対して同じく段階(c)ではホルミル化、続い
て段階(f)では脱ホルミル化が行なわれる。
【0024】式(V)で示されるシクロスポリン出発物質
は、既知であるか、または既知シクロスポリン類の場合
と同様の方法で製造され得る。すなわち、(rs2−11)
が式(II)の配列2ないし11を表す場合(ただし、Bは
式(II)に関して与えられた意味を有し、Qは−(D)Ala
−である)、前記シクロスポリン類は、シクロスポリン
およびジヒドロシクロスポリンA、C、DおよびGであ
る。Qが−(D)Ser−または−[O−アシル(D)Ser]−
である場合の対応するシクロスポリン類は、例えばヨー
ロッパ特許公開56782Aおよびイギリス国特許明細
書2155936Aに記載されている。Qが−[O−(2
−ヒドロキシエチル)(D)Ser]−または−[O−(2−ア
シルオキシエチル)(D)Ser]−である場合の対応するシ
クロスポリン類は、例えばヨーロッパ特許公開4146
32(=出願番号P0810567.9)に記載されてい
る。
【0025】上記式(II)(ただし、Aは上記式(IV)(ただ
し、−x−y−は−CH=CH−(トランス)で示される残
基であり、Bは−αAbu−であり、Qは−(D)Ala−で
ある)のシクロスポリンもまた、シクロスポリンAの代
謝物として知られている。それは当技術文献でM17と
して命名された代謝物である。下記実施例は、本発明シ
クロスポリン類の製造方法の実例である。
【0026】
【実施例】
実施例1 [(8'−メトキシカルボニルオキシ)MeBmt]1−「シクロ
スポリン」の製造。[式II:A=式(I)(ただし、R=CH
3O−、X=Oおよび−x−y−=−CH=CH−(トラン
ス))で示される残基、B=−αAbu−、Q=−(D)Ala
−]。 製造段階(a):0.33mlのクロロ蟻酸メチルを、無水条
件下50mlのジメチルホルムアミドに4.9gの[(8'−
ヒドロキシ)MeBmt]1−「シクロスポリン」および1.9g
の4−ジメチルアミノピリジンに溶かした溶液に加え
る。反応混合物を室温で18時間撹はんし、溶媒を減圧
下除去する。残留物を酢酸エチル中にとり、酒石酸水溶
液およびNa2CO3水溶液で洗浄し、溶媒を減圧下除去
し、残留物を、水で飽和させた酢酸エチルを用いるシリ
カゲル・クロマトグラフィーにかけると、標記生成物が
得られる。[α]D 20=−151.8°(c=2、CHCl
3中)、r F=0.57(H2O:SiO2により飽和させた酢酸
エチル)。
【0027】出発物質は次の要領で製造され得る。 製造段階(c): [(3'−O−ホルミル)MeBmt]1−「シクロスポリン」[=
式VI]の製造。 15mlのアセチルホルメートを、室温で30分間かけ
て、100mlのアセトンに9.6gの「シクロスポリン」
(シクロスポリンA)および3.9gの4−ジメチルアミノ
ピリジンを溶かした溶液に加える。反応混合物を室温で
20時間撹はんし、溶媒を減圧下除去する。残留物を酢
酸エチル中にとり、Na2SO4水溶液で洗浄し、有機溶
媒を減圧下除去する。残留物を沸騰ヘキサンから結晶化
すると、標記生成物が得られる。mp=195−197
℃。
【0028】製造段階(d): [(8'−ブロモ−3'−O−ホルミル)MeBmt]1−「シク
ロスポリン」[=式VII]の製造。 750mlのCCl4に段階(c)の生成物75g、N−ブロモ
−スクシンイミド11.7gおよびアゾイソブチロニトリ
ル1gを懸濁したものを2時間還流下加熱する。残留物
をろ過し、NaHCO3水溶液、酒石酸水溶液および食塩
水で洗浄し、有機層をNa2SO4で乾燥する。溶媒を減
圧下除去すると、標記化合物が得られ、これをそれ以上
追加精製せずに反応させる。
【0029】製造段階(e): [(3'−O−ホルミル−8'−ホルミルオキシ)MeBmt]1
−「シクロスポリン」[式VIII]の製造。 750mlのメチルエチルケトン中、段階(d)の生成物8
6g、1gのNaIおよび27gのテトラエチルアンモニウ
ムホルミエートを4時間還流下加熱する。溶媒を減圧下
除去し、残留物を酢酸エチル中にとり、Na2CO3水溶
液、酒石酸水溶液および食塩水で洗浄する。有機層をN
a2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下除去すると、標記生成
物が得られ、これをそれ以上追加精製せずに反応させ
る。
【0030】製造段階(f): [(8'−ヒドロキシ)MeBmt]1−「シクロスポリン」[=M
17]の製造。 段階(e)の生成物71gを、0.8モルのエタノール性メ
チルアミン中室温で18時間撹はんする。溶媒を減圧下
除去し、残留物を、H2Oで飽和させた酢酸エチルを用
いるシリカゲル・クロマトグラフィーにかける。減圧下
溶媒を除去すると、白色泡状物として標記生成物が得ら
れる。r F=0.31(H2Oで飽和させた酢酸エチル:シリ
カ)。
【0031】上記式(II)[ただし、Aは式(Ia)
【化15】 (式中、Rおよび−x−y−は下記の意味を有する)で示
される残基であり、Bは−αAbu−であり、Qは−(D)
Ala−である]で示される下記シクロスポリン類も同様
の要領で製造され得る。
【0032】
【表1】 * 製造プロセスは、コレイ等、「ジャーナル・オブ・
ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」(J.Am.
Chem.Soc.)、94、6190(1972)の方法によ
る(CH3)3C−Si−O−CH2COCl/(CH3)3C−
Si−O−CH(CH3)COClとの開始反応、次いでテ
トラブチルアンモニウムフロリドによる脱保護を必然的
に伴う。
【0033】上記式(II)[ただし、Aは上記式(Ia)(た
だし、Rは下表に示された意味を有し、−x−y−は−C
H=CH−(トランス)である)で示される残基であり、
Bは−αAbu−であり、Qは式(IIIa)
【化16】 (式中、R'は下表に示された意味を有する)で示される
残基である]で示される下記シクロスポリン類もまた、
同様の要領で製造され得るが、ただし必要とされるアシ
ル化剤2当量を用いる。
【表2】
【0034】本発明のシクロスポリン類は、強力な免疫
抑制および抗炎症活性を有する。特に、それらは例えば
気道への抗原誘発性炎症細胞浸潤を阻止する。インビボ
でのこの活性は、局所投与後、例えば肺経路による気道
への局所投与後に明白となる。対照的に、本発明のシク
ロスポリン類は、例えば経口投与後に全身投与された場
合、実質的に低減化されたインビボでの活性、例えば抗
炎症または免疫抑制活性を有するかまたは前記活性を実
質的に欠くことが見出された。本発明シクロスポリン類
の免疫抑制および抗炎症特性は、例えば下記のインビボ
およびインビトロ標準試験モデルで立証され得る。
【0035】1.免疫抑制活性(インビトロ) 1.1.ネズミ混合リンパ球反応。 雌(8−10週)Balb/cマウスのひ臓からの約0.5×
106リンパ球を、雌(8−10週)CBAマウスのひ臓
からの約0.5×106リンパ球と共に0.2ml細胞生長
培地中で5日間インキュベーションする。試験物質を様
々な濃度で培地に加える。放射性標識したチミジンの取
り込みにより測定される増殖随伴DNA合成抑制能力に
より活性を評価する。本発明によるシクロスポリン類
は、0.005〜0.025μg/mlの範囲の濃度でチミ
ジン取り込みを阻止する。
【0036】1.2.ミシェル−ダットン試験。 OFI、雌マウスのひ臓からの約107リンパ球を、3
日間約3×107ひつじ赤血球と共に培養する。試験物
質を様々な濃度でインキュベーション培地に加える。リ
ンパ球を採取し、抗原としての新鮮なひつじ赤血球と共
に寒天上で培養する。感作したリンパ球は、赤血球を被
覆する抗体を分泌し、補体の存在下で溶解してプラーク
を形成する。プラーク形成、すなわち抗体産生細胞の数
の低減化により活性を評価する。本発明によるシクロス
ポリン類は、0.03〜0.05μg/ml程度の濃度でプ
ラーク形成細胞の数を低減化する。
【0037】2.アレルゲン誘発性肺好酸球増加に対す
る影響(インビボ)。 1mlのAl(OH)3(100mg)によるOA(10μg)の懸
濁液および食塩水(0.9%w/v)中B−百日咳ワクチン
(0.25ml)の腹腔内注射により、雄のヒマラヤブチ(H
imalayan spotted)モルモット(300g、BRL)を卵ア
ルブミン(OA)に対して感作する。経口試験の場合、こ
の手順を2週間後に1回反復し、動物を1週間後に使用
する。吸入試験の場合、この手順を3週間間隔で2回反
復し、最後の注射の1週間後に動物を使用する。
【0038】OAの食塩水溶液を用い、暴露チャンバー
中へ噴霧放出することにより攻撃を行う。60分間鼻の
みの吸入により試験動物をOAにさらす。経口試験の場
合、OA溶液を0.05%の濃度で使用する。吸入試験
の場合、OA溶液を0.01%の濃度で使用する。
【0039】試験物質を(a)経口経路および(b)吸入によ
り投与する。経口試験の場合、試験物質を、OA攻撃前
に1回、メチルセルロース中粉末形態で3日間1日1回
オリーブ油に溶かして経口投与する。3日目、OA攻撃
の1.5時間前および6時間後、試験動物に試験物質を
与える。吸入試験の場合、試験物質を微粉状にすること
により、鼻のみのフロー・パスト式吸入チャンバー内に
拘束された試験動物へ送達する。OA攻撃の15分前に
吸入投与を行う。
【0040】投与された試験物質の効力を、気管支肺胞
洗浄(BAL)および細胞計数により測定する。この目的
のため、動物をNaペントバルビトン(100mg/kg腹腔
内)により殺し、気管を切開し、カニューレを挿入す
る。次いで、牛血清アルブミン(BSA、0.3%)、E
DTA(10ミリモル)およびHEPES(10ミリモル)
を含むCa2+およびMg2+不含有ハンク平衡塩溶液(H
BSS)の5連続10mlアリコートを、肺へ導入し、即
座に肺組織を静かに圧迫することにより吸引する。自動
式細胞カウンターを用いて、プールされた溶離液におけ
る総細胞数を測定する。洗浄液を10分間200gで遠
心分離し、細胞沈澱物を補充したHBSS1mlに再懸濁
する。細胞懸濁液10μlを、190μlのターク溶液
(1:20希釈率)に加える。ディフ・クイックにより染
色したスミアから微分細胞計数を行う。細胞を同定し、
油性浸漬液(×1000)下で計数する。1スミア当たり
最少限500の細胞が計数され、各細胞型の総個体数が
計算される。
【0041】非処理動物の場合、OA攻撃は、攻撃の2
4時間後にBAL液中の全細胞型の増加を誘発する。
1.0〜15.0mg/kg程度の用量で本発明によるシクロ
スポリンを吸入により事前投与すると、BAL中の好酸
球数は、非処理対照の場合と比べて用量依存的に減少す
る。また、他の白血球(マクロファージ、好中球)に関す
る細胞数も減少する。対照的に、本発明によるシクロス
ポリンの反復経口投与は、非処理対照と比べた場合、実
質的に細胞数に対しては何等影響を及ぼさない。
【0042】従って、本発明シクロスポリン類は、局所
的抗炎症、免疫抑制または関連療法に反応するか、また
はそれを必要とする疾患または症状の処置に有用であ
り、例えば局所投与の場合、目、鼻道、頬面か洞、皮
膚、腸または特に気道または肺の前記疾患または症状の
処置に有用である。特に、本発明シクロスポリンによっ
て、局所的抗炎症、免疫抑制または関連療法を行うと同
時に望ましくない全身的副作用、例えば総体的全身的免
疫抑制が回避または低減化され得る。
【0043】本発明シクロスポリン類は、気道または肺
の疾患および症状、特に炎症性または閉塞性気道疾患の
処置に特に有用である。それらは、炎症性細胞浸潤また
は炎症性細胞、例えば好酸球および/または好中球蓄積
を伴う他の炎症性事象に関連するかまたはそれを特徴と
する気道または肺の疾患または症状の処置に特に有用で
ある。それらはぜん息の処置に極めて有用である。
【0044】本発明シクロスポリン類は、内因性および
特に外因性ぜん息を含むあらゆるタイプまたは起源のぜ
ん息の処置に有用である。それらは、アレルギー性ぜん
息、気管支ぜん息、運動誘発性ぜん息、職業病的ぜん
息、細菌感染後に誘発されるぜん息および他の非アレル
ギー性ぜん息を含むアトピー性または非アトピー性ぜん
息の処置に有用である。また、ぜん息の処置は、「小児
ぜん息症候群」の処置、すなわち特に夜間にぜん鳴症候
群を呈し、「小児ぜん息児」という、主たる医学的関心事
であって現在より正確には初期または早期ぜん息患者と
して同定されている、確立された患者のカテゴリーとし
て診断されたかまたは診断され得る例えば年令4または
5歳未満の対象の処置を包含するものとして理解される
べきである。本発明のシクロスポリン類は、ぜん息症状
がステロイド依存的またはステロイド耐性である対象に
おけるぜん息の処置に特に有用である。
【0045】また、本発明のシクロスポリン類は、気管
支炎の処置またはそれに伴う慢性もしくは急性閉塞の処
置に有用である。本発明のシクロスポリン類は、例えば
急性気管支炎、落花生気管支炎、カタル性気管支炎、慢
性気管支炎、クループ性気管支炎、結核様気管支炎など
を含む、あらゆるタイプまたは起源の気管支炎の処置に
使用され得る。
【0046】さらに本発明のシクロスポリン類は、例え
ばアルミニウム症、炭粉症、石綿症、ベリリウム症、石
粉症、まつ毛脱落、鉄症、珪石症、タバコ肺および特に
綿肺症を含む、あらゆるタイプまたは起源の塵肺症(慢
性または急性で気道閉塞を伴うことが多く、ダストの反
復吸入により誘発される、炎症性で一般に職業的な肺疾
患)の処置に有用である。
【0047】また本発明のシクロスポリン類は、好酸球
増加症を含む(気道および/または肺に影響を及ぼすた
め)気道の好酸球関連疾患(例えば、肺組織の疾患性好酸
球浸潤を伴う)、並びに、例えば、レフラー症候群、好
酸球性肺炎、寄生虫(特に後生動物)侵入(熱帯性好酸球
増加症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多
発動脈炎(チャウグ・シュトラウス症候群を含む)、好酸
球性肉芽腫および薬物反応が誘因の気道に影響を及ぼす
好酸球関連疾患の結果として起こるかまたはそれに付随
して起こる気道の好酸球関連疾患の処置に使用され得
る。
【0048】気道および肺の疾患、特にぜん息の処置に
関して上記で使用されている「処置」という語は、徴候的
および予防的方法の両方、すなわち例えば急性炎症の応
急処置(徴候的処置)および長期疾患の総合的症状を予
防、改善または制限するための事前処置(予防的処置)を
包含するものとして理解されるべきである。従って、前
記疾患に関して特許請求の範囲を含む本明細書中で使用
されている「処置」という語は、例えばぜん息の場合にお
ける徴候的および予防的処置の両方、急性炎症事象を改
善するための徴候的処置および進行中の炎症症状を制限
し、それに伴う将来の気管支増悪を改善するための予防
的処置を含むものとして解釈されるべきである。
【0049】また本発明のシクロスポリン類は、免疫抑
制療法を必要とする気道または肺のあらゆる疾患または
症状の処置、例えば肺の、または肺に影響を及ぼす自己
免疫疾患の処置(例えば、サルコイドーシス、肺胞炎ま
たは慢性過敏性肺炎の処置)または例えば肺もしくは心
肺移植後における、同種間肺移植物の維持に使用され得
る。
【0050】上記目的に関して先に示した通り、本発明
のシクロスポリン類は、例えば肺経路/吸入により気道
内に局所投与される。また先に示した通り、本発明のシ
クロスポリン類は、局所投与されると強い効力を有する
が、例えば経口投与後には全身的活性を全く欠くかまた
は比較的低い全身的活性を呈する。すなわち、本発明の
シクロスポリン類は、例えば吸入療法中における薬剤物
質の不注意な飲み込みの結果として起こる、望ましくな
い全身的副作用を回避すると共に、例えば上記で示され
た気道または肺の疾患および症状の処置手段を提供す
る。(吸入による投与の実施に必要とされる操作が行な
われている間、通常投与された薬剤物質の90%以下ま
たはそれ以上が吸入されずに飲み込まれると推定され
る)。
【0051】局所的には活性、例えば吸入時には有効で
あるが、全身的には不活性であるシクロスポリン類の供
給により、本発明は、シクロスポリン療法が例えば全身
的、特に免疫抑制的副作用の危険があるため他方で排除
され得る対象にとって前記療法を利用可能なものとし
た。
【0052】また、本発明のシクロスポリン類は、他の
疾患または症状、特に自己免疫または炎症成分を有し、
局所療法が実践され得る疾患または症状の処置、例えば
目の疾患および症状、例えば結膜炎、乾燥性角結膜炎お
よび春季結膜炎の処置、および角膜移植の維持、アレル
ギー性鼻炎を含む鼻に影響を及ぼす疾患、乾せん、アト
ピー性皮膚炎、天ぼうそうおよび接触皮膚炎を含む皮膚
の疾患および症状並びに腸疾患、例えばクローン病およ
び潰よう性大腸炎の処置に有用である。
【0053】上記目的の場合、本発明のシクロスポリン
類は、目的部位への局所投与に適した用量形態で使用さ
れ得る。すなわち、気道または肺の疾患の処置の場合、
本発明のシクロスポリン類は、肺経路/適当な投薬装置
からの吸入により投与され得る。
【0054】この目的に関して、本発明のシクロスポリ
ン類は、気道または肺への投与を可能にする、適当な微
細分散または微細分散可能形態、例えば微細分割された
乾燥粒子形態または適当な(すなわち肺経路で投与可能
な)固体または液体担体媒質での分散液もしくは溶液で
使用され得る。乾燥粒子形態での投与の場合、本発明の
シクロスポリン類は、例えばそれ自体、すなわち添加物
質を全く含まない微粉化形態、他の適当な微細分割不活
性固体担体または希釈剤(例、グルコース、ラクトー
ス、マンニトール、ソルビトール、リボース、マンノー
スまたはキシロース)による希釈液、被覆粒子形態また
は微細分割固体の肺投与に関して当業界で公知の他の適
当な形態で使用され得る。
【0055】肺投与は、吸入による乾燥または液体形態
での薬剤物質送達に関して当業界で公知の適当なシステ
ム、例えば噴霧器、ネブライザー、乾燥粉末吸入器また
は同様の装置を用いて実施され得る。好ましくは、計量
式送達装置、すなわち各発動作用時に予め定められた量
のシクロスポリンを送達し得る装置が使用される。前記
装置は当業界では周知である。
【0056】経鼻投与の場合、本発明のシクロスポリン
類は、好適には経鼻アプリケーターから液体形態で投与
される。皮膚の疾患または症状の処置に適した局所形態
には、例えばクリーム、ゲル、軟膏、ペースト、パッ
プ、プラスター、経皮パッチなどがある。皮膚適用製剤
は、好適には皮膚浸透促進剤、例えば当業界で周知のも
の、例えばアゾンを含む。眼科用途に適した形態には、
同じく当業界で公知のローション、チンキ、ゲル、軟膏
および眼用挿入物がある。直腸投与の場合、すなわち腸
の局所療法の場合、本発明のシクロスポリン類は、坐薬
またはかん腸器形態、特に停留かん腸器として使用され
る溶液、例えば植物油または同様の油脂系を用いて投与
され得る。
【0057】従って、本発明は、さらに次のものを提供
する。 A.処置を必要とする対象における抗炎症、免疫抑制ま
たは関連療法を必要とする疾患または症状の処置方法で
あって、本発明シクロスポリンの有効量を局所投与する
ことを含む方法、および
【0058】B.医薬として使用される、例えば抗炎
症、免疫抑制または関連療法を必要とする疾患または症
状の処置で使用される、例えば上記A項記載の方法で使
用される本発明シクロスポリン。
【0059】上記A項記載の方法は、特に目、鼻、咽
喉、頬面か洞、皮膚、腸または特に気道もしくは肺の疾
患および症状の処置に適用される。それは、前記疾患ま
たは症状、特に抗炎症または関連療法を必要とする気道
または肺の疾患または症状、特に炎症性細胞浸潤を特徴
とする気道または肺の疾患または症状、および最も特定
すればぜん息の処置に適用され得る。
【0060】さらに本発明は、次のものを提供する。 C.医薬的に許容し得る希釈剤または担体と一緒に本発
明シクロスポリンを含むかまたは局所投与を可能または
容易にする形態または手段もしくは装置中に本発明シク
ロスポリンを含む、局所投与用、すなわち局所投与可能
形態の医薬組成物。
【0061】上記D項の医薬的に許容し得る希釈剤また
は担体は、意図された治療側面での局所適用に許容し得
る希釈剤または担体、例えば肺、皮膚、鼻、目または直
腸経路による局所投与に許容し得る希釈剤または担体で
ある。例えば局所投与を可能または容易にする局所投与
可能形態における形態には、例えば実質的に純粋な形態
での有効成分(すなわち本発明シクロスポリン)の乾燥粉
末製剤、例えば乾燥粉末吸入装置からのデリバリーに関
して当業界で使用されるものがある。局所投与を可能ま
たは容易にする手段または装置には、特に有効成分が局
所適用可能な形態で送達され得る吸入装置および容器な
どがある。C項記載の好ましい具体例は、例えば吸入に
よる、例えば気道または肺内での局所投与を可能にする
ものである。
【0062】勿論、本発明方法を実施する場合に使用さ
れる本発明シクロスポリンの用量は、処置部位、処置さ
れる特定の症状、症状の重症度、処置される対象(例え
ば、体重、年令などに関して)並びに所望の効果により
変動する。一般に、気道または肺の疾患または症状を処
置する場合、例えば炎症性または閉塞性気道疾患、例え
ばぜん息の処置で使用する場合、本発明のシクロスポリ
ンは、好適には例えば吸入により、20〜400mg/日
程度、例えば50または100〜300、例えば200
〜300mg/日の用量で気道または肺へ局所投与され
る。用量は、好適には各投与につき一連の1〜5パフで
計量式デリバリーシステムから投与され、投与は1日1
〜4回行なわれる。すなわち、各投与での用量は、好都
合には約5〜100mg、さらに好適には12.5または
25〜100mgの範囲であり、例えば1発動当たり例え
ば1〜25mgのシクロスポリンを送達し得る、例えば計
量式デリバリー装置により投与される。
【0063】目および鼻の疾患を処置する場合、本発明
のシクロスポリン類は、一般に組成物約0.05〜約0.
2ml、例えば組成物約0.05〜約0.1mlの量で1日1
回または2〜3回目の表面または鼻へ適用するため目ま
たは鼻に適用可能な希釈剤または担体中、重量にして約
0.05〜約10%、特に約0.05〜約5%、さらに好
ましくは約0.1〜約2.5%の割合でシクロスポリンを
含む適当な組成物形態、例えば点眼液、ゲル、洗眼剤な
どまたは点鼻液、鼻スプレーなどで投与される。
【0064】腸の疾患または症状を処置する場合、本発
明シクロスポリン類の一般に適当な一日用量は、約0.
5〜約15.0、好ましくは約2.5〜約10.0mg/kg
の範囲であり、好適には1日1回または分割用量で2回
投与される停留かん腸剤として投与される。すなわち、
各投与用量は、好適には約17.5〜約1000、好ま
しくは約35〜約700、さらに好ましくは約87.5
〜約550mgの本発明シクロスポリンを、適当な直腸適
用可能な希釈剤または担体と一緒に含む。前記停留かん
腸システムで使用される適当なシクロスポリン濃度は、
約0.5〜約12.0、好ましくは約1.0〜約10.0、
さらに好ましくは約2.0〜約7.0mg/mlの範囲であ
る。
【0065】皮膚の疾患または症状の処置において皮膚
投与する場合、本発明シクロスポリン類は、一般に、皮
膚に関して許容し得る希釈剤または担体と一緒に約1〜
10重量%の割合でシクロスポリンを含む、適当な、す
なわち皮膚適用可能な形態で投与される。前記組成物
は、好適には約0.005〜約0.05g/cm2の量で1日
1、2または3回処置部位へ適用される。
【0066】本発明の好ましいシクロスポリンは、実施
例1の生成物、すなわち[(8'−メトキシカルボニルオ
キシ)MeBmt]1−「シクロスポリン」である。上記1.1
〜1.3および2項記載の方法に従い遂行された一連の
試験におけるこのシクロスポリンに関する具体的な結果
は次の通りである。
【表3】 試験 結果 1.1 IC50=0.015μg/ml 1.2 IC50=0.043μg/ml 2.吸入による IC50=約4mg/kg 2.経口的 油中100mg/kg/日(3回)またはメチルセルロース中3 20mg/kg(1回)で好酸球蓄積は阻止されず。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ACD C07K 1/113 A61K 37/02 ACD (72)発明者 レト・ネフ スイス4310ラインフェルデン、マルクトガ ッセ8アー番 (72)発明者 トレーバー・グリン・ペイン スイス3005ベルン、ダルマツィライン26番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1位の残基が式(I) 【化1】 [式中、 Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはC
    1-3アルキルチオ、ハロ−置換−C1-3アルキル、−C
    1-3アルコキシもしくはC1-3アルキルチオ、ヒドロキシ
    −置換−C1-3アルキル、−C2-3アルコキシもしくは−
    2-3アルキルチオ、またはアミノまたはモノ−もしく
    はジ−(C1-2アルキル)−アミノであり、 Xは酸素または硫黄であり、 −x−y−は、−CH=CH−(トランス)または−CH2
    −CH2−である]で示される残基であるシクロスポリ
    ン。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化2】 [式中、 Aは、請求項1記載の式(I)(ただし、R、Xおよび−x
    −y−は請求項1記載の意味を有する)で示される残基で
    あり、 Bは、−αAbu−、−Val−、−Thr−または−Nva−
    であり、 Qは、−(D)Ala−、−(D)Ser−または−[O−(2−
    ヒドロキシエチル)(D)Ser]−、または−[O−アシル
    (D)Ser]−または−[O−(2−アシルオキシエチル)
    (D)Ser]−(ただし、アシル残基は生理学的に加水分解
    可能で許容し得るものである)である]で示される請求項
    1記載のシクロスポリン。
  3. 【請求項3】 Rがメトキシ、Xが酸素、−x−y−が−
    CH=CH−(トランス)、Bが−αAbu−およびQが−
    (D)Ala−である、請求項2記載のシクロスポリン。
  4. 【請求項4】 Xが酸素、−x−y−が−CH=CH−
    (トランス)、Bが−αAbu−およびQが−(D)Ala−で
    あり、Rが、水素、メチル、エチル、エトキシ、トリフ
    ルオロメチル、ジメチルアミノ、ヒドロキシメチル、
    [S]α−ヒドロキシエチルまたは[R]α−ヒドロキシエ
    チルであるか、またはXが酸素、−x−y−が−CH2
    CH2−、Bが−αAbu−、Qが−(D)Ala−およびR
    がメチルであるか、またはXが酸素、−x−y−が−CH
    =CH−(トランス)、Bが−αAbu−、Qが式(IIIa) 【化3】 で示される残基であって、式(I)におけるRおよび式(I
    II)におけるR'が両方ともメチルまたは両方ともメトキ
    シである、請求項2記載のシクロスポリン。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のシクロスポリンの製造方
    法であって、 a)遊離ヒドロキシ基を有する請求項1記載のシクロスポ
    リンを製造するため、そのヒドロキシ保護形態を脱保護
    するか、 b)請求項1記載のシクロスポリンを製造するため、1位
    の残基が式(IV) 【化4】 (式中、−x−y−は請求項記載の意味を有する)で示され
    る残基であるシクロスポリンを、式(V) 【化5】 (式中、Zは脱離原子または基であり、RおよびXは請
    求項1記載の意味を有し、ただし、Rとしてのヒドロキ
    シ−置換−C1-3アルキル、−C1-3アルコキシまたは−
    1-3アルキルチオ基は全てヒドロキシ保護形態を呈す
    る)で示される化合物と反応させ、必要に応じて処理段
    階(a)を実施するか、 c)請求項2記載の式(II)(ただし、Qは−[O−アシル
    (D)Ser]−または−[O−(2−アシルオキシエチル)
    (D)Ser]−であって、前記アシル残基は生理学的に加
    水分解可能で許容し得るものである)で示されるシクロ
    スポリンである、請求項1記載のシクロスポリンを製造
    するため、請求項2記載の式(II)(ただし、Qは−[(D)
    Ser]−または−[O−(2−ヒドロキシ−エチル)(D)S
    er]−である)で示されるシクロスポリンを適当なアシル
    化剤によりアシル化し、こうして得られたシクロスポリ
    ンを回収することを含む方法。
  6. 【請求項6】 医薬的に許容し得る希釈剤または担体と
    一緒に、請求項1〜4のいずれか1項記載のシクロスポ
    リンを含むか、または局所投与を可能にするかまたは容
    易にする形態または手段もしくは装置中に請求項1〜4
    のいずれか1項記載のシクロスポリンを含む、局所投与
    用医薬組成物。
  7. 【請求項7】 免疫抑制または抗炎症剤として使用され
    る、請求項6記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 免疫抑制または抗炎症治療を必要とする
    肺の疾患または症状の処置において気道または肺内で局
    所的に投与される、請求項6記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 ぜん息の処置において気道または肺内で
    局所的に投与される、請求項6記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 目、鼻、口腔前庭、皮膚、腸または気
    道または肺の疾患または症状の処置を目的とする、請求
    項6記載の医薬組成物。
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