JP2014091677A - キチナーゼ阻害剤 - Google Patents

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智 大村
Toshiaki Sunatsuka
敏明 砂塚
Tomoyasu Hirose
友靖 廣瀬
Akihiro Sugawara
章公 菅原
Takeshi Yamamoto
剛 山本
Kiyoshi Inoue
浄 井上
Hirofumi Nakano
洋文 中野
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Abstract

【課題】新規で実用的なキチナーゼ阻害剤の提供。
【解決手段】以下の一般式(I)で表される化合物。
Figure 2014091677

[式中、Mは置換されていてもよい14〜16員環のマクロライドを示し、Aは、トリアゾール−直鎖又は分岐状のC1〜6アルキレン基、又は、直鎖又は分岐状のC1〜20アルキレン−NHC(=O)−を示し、Rは水素原子、又はMで表される14員環のマクロライド骨格の5位の炭素原子と結合する基(この場合にはMで表されるマクロライド骨格の5位の炭素原子に結合する水酸基は欠失している)を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、キチナーゼ阻害剤の分野に属する。具体的には、本発明は、キチナーゼ阻害活性を有する化合物、及び当該化合物を有効成分として含有する医薬組成物、特には喘息治療薬に関する。
喘息は世界で3億人が発症しているアレルギー疾患の一種である。喘息の主症状は夜間や朝方に発生する喘鳴を伴う発作性の呼吸困難であり、その他の症状として、咳、胸苦しさ、喀痰などが挙げられる。現在、薬物による治療法として、吸入ステロイド、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、経口ステロイド薬などの服用が推奨されている。しかし、ステロイド薬は効果が強い反面、副作用も強いというデメリットがあり、新たな薬剤の開発が期待されている。
喘息の発生機序は次のように考えられている。体内に取り込まれたほこりや花粉などのアレルゲンは、マスト細胞やマクロファージの活性化を誘導し、Th2細胞からのインターロイキン−13(以下、「IL−13」という)の分泌を促す。これにより気管支上皮細胞や肺胞マクロファージから酸性キチナーゼが誘導され(非特許文献1)、肺組織中でEotaxin、MCP−1、IP−10などのケモカインの産生が誘導される。これらのケモカインは、好酸球、リンパ球、マクロファージなどの炎症性細胞の肺への浸潤を引き起こし、喘息が発症・悪化することが明らかになっている。
酸性キチナーゼは、人工的なキチン様基質の加水分解を触媒する酵素であり、至適pHが酸性である点が特徴的である。酸性キチナーゼは主には消化管(特に胃)に発現しており、より少量が肺で発現していることが示されており、消化や抗寄生体防御において役割を果たしていると考えられている。喘息のモデル動物において酸性キチナーゼのmRNAの発現が高いこと、及び酸性キチナーゼの発現がIL−13経路を介して制御されていることから、酸性キチナーゼの阻害剤は喘息治療薬となりうると考えられている(特許文献1、非特許文献1)。
近年、酸性キチナーゼ阻害剤であるDemethyl allosamidinの投与が、肺への好酸球の浸潤を抑制することが報告されている(非特許文献2)。また、キチナーゼ阻害剤として、カフェイン誘導体などが知られている(特許文献2)。
また、本発明者らは、キチナーゼ阻害剤であるアルギフィンの誘導体として、以下のトリアゾール化合物(以下、「Syntriazole」という)を報告している(非特許文献3)。
Figure 2014091677
国際公開公報WO2004/092404 国際公開公報WO2006/136822
Zhou Zhuら,Science,vol.304,pp.1678−1682(2004) T.Shimizuら,Biochemical and Biophysical Research Communications,vol.390,pp.103−108(2009) T.Hiroseら、Proc.Jpn.Acad.,Ser.B86,No.2,pp.85−102(2010)
しかし、これらの酸性キチナーゼ阻害剤は、in vivoでの吸収代謝が悪く、in vitroで酵素阻害活性が認められてもin vivoでは喘息治療効果を示さないという問題があった。また、天然物の酸性キチナーゼ阻害剤等には、製造コストが高いなどの問題があった。更に、Syntriazole等には、溶解性が悪く、医薬品として利用しにくいとの問題があった。
そこで、本発明者らは新規で実用的なキチナーゼ阻害剤を探索した結果、マクロライド系のアルギフィン誘導体が吸収性、体内動態に優れ、in vivoでも効果を奏すること、具体的には、生体への投与により、肺での酸性キチナーゼの誘導を阻害し、好酸球などの細胞の浸潤を抑えることで気管支喘息を治療する効果を奏することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、具体的には以下の一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物I」という)に関する。
Figure 2014091677
[式中、Mは置換されていてもよい14〜16員環のマクロライドを示し、
Aは、トリアゾール−直鎖又は分岐状のC1〜6アルキレン基、又は、直鎖又は分岐状のC1〜20アルキレン−NHC(=O)−を示し、
は水素原子、又はMで表される14員環のマクロライド骨格の5位の炭素原子と結合する基(この場合にはMで表されるマクロライド骨格の5位の炭素原子に結合する水酸基は欠失している)を示す。]
より具体的には、Mは、以下の式(a)で表される14員環のマクロライド骨格又は(b)で表される16員環のマクロライド骨格である:
Figure 2014091677
[ここで、(a)で表される14員環のマクロライド骨格において、3位、5位、又は9位から選択される任意の1の水酸基の水素原子が欠失して結合基となる基を示し、
3位及び5位の水酸基はC1〜4アルキレン基(該アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基(好ましくは2個のメチル基)又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)を介して結合して複素環を形成していてもよく、
9位及び11位の水酸基はC1〜4アルキレン基(該アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基(好ましくは2個のメチル基)又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよい置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)を介して結合して複素環を形成していてもよく、
11位と12位の水酸基は、カルボニル基を介して結合して1,3−ジオキソラン部分を形成するように置換されていてもよく、
9位の水酸基と水素原子の代わりに
(マクロライド骨格9位の炭素原子)=N−O−基
となっていてもよく、
5位の水酸基はC2〜6アルキニル基で置換されていてもよいC1〜6アルキル基、又は置換されていてもよいグリコシル基で置換されていてもよい]
Figure 2014091677
[ここで、(b)で表される16員環のマクロライド骨格において、水酸基は、C2〜6アルカノイル基、C1〜6アルキル基、又はC2〜6アルカノイル基で置換されていてもよいグリコシル基で置換されていてもよい]
より更に具体的には、Mは、以下の式(a1)〜(a3)又は(b1)で表される基である。
Figure 2014091677
式(a1)で表される基において、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はC1〜6アルキル基を示し、あるいは、RとRは置換されていてもよいC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する基を示す。
及びRは、好ましくは、同一又は異なって、水素原子又はC1〜4アルキル基、あるいは、1〜2個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよいC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する基を示し、より好ましくは、共に水素原子を示し、あるいは、2個のメチル基で置換されたメチレン基を介して結合して1,3−ジオキサンを形成する基を示す。
とRがC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する場合の「C1〜4アルキレン基」として、好ましくは、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基であり、最も好ましくは、メチレン基である。よって、好ましくは、RとRはメチレン基を介して結合して1,3−ジオキサンを形成する。RとRがC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する場合、該C1〜4アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基、又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい。このような置換基として好ましくは、1又は2個のC1〜4アルキル基であり、より好ましくは、2個のC1〜3アルキル基であり、最も好ましくは2個のメチル基である。
また、式(a1)で表される基において、RとRは、同一又は異なって、水素原子又はC1〜6アルキル基を示し、あるいは、RとRはカルボニル基を介して結合して1,3−ジオキソランを形成する基を示す。RとRは、好ましくは、共に水素原子を示し、あるいは、RとRはカルボニル基を介して結合して1,3−ジオキソランを形成する基を示す。
Figure 2014091677
式(a2)で表される基において、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はC1〜6アルキル基を示し、あるいは、RとRはC1〜4アルキレン基(該アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)を介して結合して複素環を形成する基を示す。
及びRは、好ましくは、同一又は異なって、水素原子又はC1〜4アルキル基、あるいは、1〜2個のC1〜4アルキル基又は4−(C1〜4アルコキシ)フェニル基で置換されていてもよいC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する基を示し、より好ましくは、共に水素原子を示し、あるいは、2個のメチル基又は4−メトキシフェニル基で置換されたメチレン基を介して結合して1,3−ジオキサンを形成する基を示す。
式(a2)で表される基において、RとRがC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する場合の「C1〜4アルキレン基」として、好ましくは、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基であり、最も好ましくは、メチレン基である。よって、好ましくは、RとRはメチレン基を介して結合して1,3−ジオキサンを形成する。RとRがC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する場合、該C1〜4アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基、又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい。このような置換基として好ましくは、1又は2個のC1〜4アルキル基又は4−(C1〜4アルコキシ)フェニル基であり、より好ましくは、2個のC1〜3アルキル基又は1個の4−(C1〜3アルコキシ)フェニル基であり、最も好ましくは2個のメチル基又は1個の4−メトキシフェニル基である。
Figure 2014091677
式(a3)で表される基において、Rは、水酸基、C2〜6アルキニルC1〜6アルコキシ基、又は、Rの結合する窒素原子を示す(この場合、RはRの結合するマクロライドにおける5位の炭素原子を示す)。Rは、好ましくは、水酸基、C2〜4アルキニルC1〜4アルコキシ基、又は、Rの結合する窒素原子であり、より好ましくは、水酸基、エチニルメトキシ基、又は、Rの結合する窒素原子である。
式(a3)で表される基において、R及びR10は、同一又は異なって、水素原子又はC1〜6アルキル基を示し、あるいは、RとR10はC1〜4アルキレン基(該アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)を介して結合して複素環を形成する基を示す。
及びR10は、好ましくは、同一又は異なって、水素原子又はC1〜4アルキル基、あるいは、1〜2個のC1〜4アルキル基又は4−(C1〜4アルコキシ)フェニル基で置換されていてもよいC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する基を示し、より好ましくは、共に水素原子を示し、あるいは、2個のメチル基又は4−メトキシフェニル基で置換されたメチレン基を介して結合して1,3−ジオキサンを形成する基を示す。
式(a2)で表される基において、RとR10がC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する場合の「C1〜4アルキレン基」として、好ましくは、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基であり、最も好ましくは、メチレン基である。よって、好ましくは、RとR10はメチレン基を介して結合して1,3−ジオキサンを形成する。RとR10がC1〜4アルキレン基を介して結合して複素環を形成する場合、該C1〜4アルキレン基は1又は2個のC1〜6アルキル基、又はC1〜6アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい。このような置換基として好ましくは、1又は2個のC1〜4アルキル基又は4−(C1〜4アルコキシ)フェニル基であり、より好ましくは、2個のC1〜3アルキル基又は1個の4−(C1〜3アルコキシ)フェニル基であり、最も好ましくは2個のメチル基又は1個の4−メトキシフェニル基である。
Figure 2014091677
また、本発明の化合物Iにおいて、Aとして好ましくは、1,2,3−トリアゾール−(C1〜4アルキレン)基、又は、直鎖又は分岐状(好ましくは直鎖状)のC1〜16アルキレン−NHC(=O)−基であり、より好ましくは、以下で表される基、又は、直鎖又は分岐状(好ましくは直鎖状)の(C1〜12アルキレン)−NHC(=O)−基である。
Figure 2014091677
[ここで、nは、1〜6の自然数(好ましくは1〜4の自然数、より好ましくは1又は2、最も好ましくは1)を示す。]
また、本発明の化合物Iにおいて、Rとして好ましくは、水素原子である。
本発明の化合物Iとして、好ましくは以下の構造式で示される化合物である。
Figure 2014091677
Figure 2014091677
また、本発明者らはトリアゾール骨格を有するアルギフィン誘導体が喘息治療効果に優れることを見出した。よって、別の態様において、本発明は、化合物I、又は以下の一般式(II)で表される化合物(以下、「化合物II」という)を有効成分として含有するヒト酸性キチナーゼが発症又は増悪化に寄与する疾患の治療薬又は予防薬に関する。
Figure 2014091677
[式中、Lは、置換されていてもよいC1〜6アルキレンアミノカルボニルC1〜6アルキレン基を示し、
は、不飽和ヘテロ縮合環で置換されていてもよいメチルイミノオキシC1〜6アルキル基を示す。]
本発明の化合物IIにおいて、Lとして好ましくは、N,N−ジ(フェニルメチル)アミノカルボニル基で置換されていてもよいC1〜4アルキレンアミノカルボニルである。また、Rとして好ましくは、キノリルメチルイミノオキシC1〜4アルキル基である。
本発明の化合物IIとして最も好ましくは、以下の式で表されるSyntriazoleである。
Figure 2014091677
本明細書において、「14〜16員環のマクロライド」とは、14〜16個の原子から構成される環状エステルを意味する。本明細書において、14〜16員環のマクロライドは適宜置換されていてもよい。例えば、14〜16員環のマクロライドとしては、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシン、ロキタマイシン、キタサマイシンを構成するラクトン環又はそれらの誘導体を挙げることができる。また、マクロライドとして、具体的には、上述の式(a1)〜(a3)又は(b1)で表される基を挙げることができる。
本明細書において、「トリアゾール」は、1,2,3−トリアゾール、及び1,2,4−トリアゾールを含み、好ましくは、1,2,3−トリアゾールである。
本明細書において、「アルキル基」とは、直鎖又は分岐状の飽和炭化水素基を意味し、「C1−6アルキル基」は炭素原子数が1〜6個のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2,3−ジメチルプロピル基、ヘキシル基などが挙げられる。特に言及しない限り、アルキル基として好ましくは、C1−4アルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基であり、最も好ましくは、メチル基またはエチル基である。
本明細書において、「アルキニル基」とは、炭素原子間の三重結合を有する直鎖又は分岐状の不飽和炭化水素基を意味し、「C2−6アルキニル基」は炭素原子数が1〜6個のアルキニル基を示す。アルキニル基としては、例えば、エチニル基、n−プロピニル基、i−プロピニル基、n−ブチニル基、sec−ブチニル基、t−ブチニル基、イソブチニル基、ペンチニル基、イソペンチニル基、2,3−ジメチルプロピニル基、ヘキシニル基などが挙げられる。特に言及しない限り、アルキル基として好ましくは、C1−4アルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基であり、最も好ましくは、メチル基またはエチル基である。
本明細書において、「アルコキシ基」とは、前記アルキル基と酸素原子を介して結合する基(アルキル基−O−基)のことであり、該アルキル基部分は直鎖状であっても分岐状であってもよい。C1−6アルコキシ基とは、該アルキル基部分の炭素原子数が1〜6個であるアルコキシ基を意味する。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、2−メチル−1−プロピルオキシ基、2−メチル−2−プロピルオキシ基、2,2−ジメチル−1−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、2−メチル−1−ブチルオキシ基、3−メチル−1−ブチルオキシ基、2−メチル−2−ブチルオキシ基、3−メチル−2−ブチルオキシ基、1−ペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、2−メチル−1−ペンチルオキシ基、3−メチル−1−ペンチルオキシ基、2−メチル−2−ペンチルオキシ基、3−メチル−2−ペンチルオキシ基、1−ヘキシルオキシ基、2−ヘキシルオキシ基、3−ヘキシルオキシ基などが挙げられ、好ましくはC1−4アルコキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基である。
特に、本発明の化合物が置換基としてアルコキシ基を有する場合、好ましくはC1−3アルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基又は2−プロピルオキシ基である。
本明細書において、「アルカノイル基」は、前記アルキル基とカルボニル基を介して結合する基(アルキル基−(C=O)−基)のことであり、該アルキル基部分は直鎖状であっても分岐状であってもよい。C2−6アルカノイル基とは、該アルキル基部分の炭素原子数とカルボニル基部分の炭素原子の総和が2〜6個であるアルカノイル基を意味する。アルカノイル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等を挙げることができ、好ましくは、アセチル基である。
本明細書において、「アルキレン基」とは、直鎖又は分岐状の二価の飽和炭化水素基を意味し、「C1−20アルキレン基」は炭素原子数が1〜20個のアルキレン基を、「C1〜6アルキレン基」は炭素原子数が1〜6個のアルキレン基を示す。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、2,3−ジメチルプロピレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。「C1〜6アルキレン基」のうち、好ましくは、直鎖又は分岐状のC1−4アルキレン基であり、より好ましくは、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基、イソブチレン基であり、最も好ましくは、メチレン基またはエチレン基である。
本明細書において、C1〜4アルキレン基を介して結合して形成される「複素環」とは、マクロライド骨格中の2個の炭素原子及び3個の酸素原子、並びにC1〜4アルキレン基によって構成される、6〜9員環の含酸素飽和環式構造を意味する。具体的には1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキソカン、1,3−ジオキソナンを挙げることができる。
本明細書において、「不飽和ヘテロ縮合環」とは、炭素原子以外の元素(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子)を環の構成成分として含有する2環以上の環式化合物が縮合した化合物を意味する。不飽和ヘテロ縮合環として、好ましくは、不飽和の含窒素縮合環であり、例えば、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジンである。不飽和ヘテロ縮合環として、好ましくはキノリンである。
本明細書において、「グリコシル基」とは、1〜数個の糖構造を有する置換基を意味し、好ましくは、置換されていてもよい単糖又は二糖を意味する。グリコシル基として好ましくは、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシン、ロキタマイシン、キタサマイシンにおける糖部分又はそれらの誘導体を挙げることができる。
本明細書において、「ヒト酸性キチナーゼが発症又は増悪化に寄与する疾患」とは、喘息、真菌を含む感染症等を挙げることができ、好ましくは、喘息である。
本発明者のマクロライド系のアルギフィン誘導体は、in vivoでも効果を奏すること、具体的には、肺での酸性キチナーゼの誘導を阻害し、好酸球などの細胞の浸潤を抑えることで気管支喘息を治療する効果があることから、喘息の治療薬として有用である。また、本発明の化合物は、既存のキチナーゼ阻害剤と比較して製造も容易で(製造コストが低く)、溶解性も高いことから、医薬品としてより有用である。
特に、好酸球は炎症局所に大量に動員され、その顆粒内の前炎症性メディエーターを放出することによって炎症を惹起・増悪させる細胞として知られている。喘息においては、好酸球は肺に浸潤し、傷害性タンパク質を放出することによって血管透過性を増加させ、粘液産生を増強させる。この結果として喘息に特徴的な病理像である組織浮腫と気管支閉塞を引き起こしていることが明らかとなっている。
哺乳類酸性キチナーゼ(AMCase)およびキチナーゼ様タンパク質は、アレルギー性疾患および喘息において、その炎症の惹起に重要な因子であることが示されており、これらの疾患における薬剤標的として注目されている。喘息モデルマウスでは、抗原提示を受けたTh2細胞がIL−13を産生し、IL−13の刺激によってAMCaseの発現量と酵素活性が上昇し、ケモカインの産生を介して好酸球が肺に浸潤する。AllosamidinなどのAMCase阻害剤によりAMCaseを阻害すると、好酸球の浸潤が著しく減少することが明らかにされている。
本発明者ら行った研究の成果においては、喘息モデルマウスに新規キチナーゼ阻害剤であるMCi1およびMCi2を投与すると、喘息に特徴的な病態である気管支および肺胞への好酸球の浸潤を抑制できることが示された。また、既知のキチナーゼ阻害剤であるSyntriazoleについても、初めてin vivoで喘息に特徴的な病態である気管支および肺胞への好酸球の浸潤を抑制できることが示された。これらのことから、本発明のキチナーゼ阻害剤は、喘息に対する優れた治療薬となりうるものである。
モデルマウスにおけるSyntriazole及びスMCi1の喘息治療効果を測定した結果を示すグラフである。グラフ中の各棒グラフはそれぞれ左から順に、喘息モデル非発症群(Naive)、喘息モデルマウス群(OVA投与群)(OVA)、喘息モデルマウスSyntriazole投与群(OVA+Syntriazole)、および喘息モデルマウスMCi1投与群(OVA+MCi1)を示す。グラフにおいて、縦軸は気管支肺胞洗浄液中の各細胞数(×10細胞)を示す。横軸は、細胞の種類を示し、左から順に、総細胞数(Total)、マクロファージ(Mφ)、好中球(Neu)、リンパ球(Lym)、好酸球(Eos)を示す。「*」は喘息モデルマウス群(OVA投与群)との比較においてP<0.05を示し、「**」は喘息モデルマウス群(OVA投与群)との比較においてP<0.01を示す。 モデルマウスにおけるSyntriazole及びスMCi2の喘息治療効果を測定した結果を示すグラフである。グラフ中の各棒グラフはそれぞれ左から順に、喘息モデル非発症群(Naive)、喘息モデルマウス群(OVA投与群)(OVA)、喘息モデルマウスSyntriazole投与群(OVA+Syntriazole)、および喘息モデルマウスMCi2投与群(OVA+MCi2)を示す。グラフにおいて、縦軸は気管支肺胞洗浄液中の各細胞数(×10細胞)を示す。横軸は、細胞の種類を示し、左から順に、総細胞数(Total)、マクロファージ(Mφ)、好中球(Neu)、リンパ球(Lym)、好酸球(Eos)を示す。「*」は喘息モデルマウス群(OVA投与群)との比較においてP<0.05を示し、「**」は喘息モデルマウス群(OVA投与群)との比較においてP<0.01を示す。
本発明のマクロライド系のアルギフィン誘導体は、当業者が入手可能な原料を用いて当業者周知の方法を用いることにより製造することができる。例えば、Mが(a3)で表される化合物の一部は、以下の手順に従って合成することができる。また、(a1)及び(a2)で表される5位及び9位の置換体は、水酸基を選択的に保護することにより同様の方法により合成することができる。
Figure 2014091677
雰囲気下、化合物(1)のテトラヒドロフラン(THF)溶解液に、室温でNaHとカルボニルジイミダゾール(CDI)を加え、数時間撹拌する。反応液にEtOAcを加えて希釈し、sat.aq.NHCl、brineで順次洗浄する。有機層をNaSOで乾燥した後、ろ過し、濾液を減圧下で濃縮する。得られた粗生成物をflash column chromatography(CHCl:MeOH=100:0 to 100:1)で分離精製して白色粉末の化合物(2)を得る。
雰囲気下、1、(p+2)−ジアミノC(p+2)〜(p+20)アルキル(pは1〜20の自然数)のTHF溶液に、化合物(2)のTHF溶解液を、室温で数十分かけて滴下し、数〜10時間撹拌する。反応終了後、反応溶液をEtOAcで希釈し、sat.aq.NHCl、brineで洗浄する。有機層をNaSOで乾燥した後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をflash column chromatography (CHCl:MeOH:NHOH=50:1:0.1 to 20:1:0.1)で分離精製して白色粉末の化合物(3)を得る。
雰囲気下、市販の1H−Pyrazole−1−carboxamidine・HCl(4)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液に、室温でN−succinimidyl N−methyl carbamateとN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を加え、数時間撹拌する。反応終了後、EtOAcで希釈し、HO、brineで洗浄し、有機層をNaSOで乾燥した後、ろ過し、減圧下で溶媒を留去する。得られた粗生成物をflash column chromatography(100% CHCl)で分離精製して淡黄色固体の化合物(5)を得る。
雰囲気下、化合物(3)のtoluene溶液に、室温で化合物(5)とDIPEAを加え、室温で30分〜2時間撹拌する。その後、約90℃に昇温し、10〜14時間後にDIPEAを加え、更に3〜7時間後にDIPEAを加える。6〜10時間後、化合物(4)を加え、30分〜2時間撹拌する。その後、反応液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を留去する。得られた粗生成物をflash column chromatography(CHCl:MeOH:NHOH=20:1:0.1 to 10:1:0.1)で分離精製して無色油状の化合物Iを得ることができる。
あるいは、例えば、Mが(b)で表される化合物の一部は、以下の手順に従って合成することができる。以下の式中、R11〜R14は、同一又は異なって、水素原子、C2〜6アルカノイル基、C1〜6アルキル基、又はC2〜6アルカノイル基で置換されていてもよいグリコシル基を示す。
Figure 2014091677
化合物(10)は、例えば、S.Omuraら、J.Med.Chem.,1977,20,732−736に従って合成したLeucomycin A3,9−propionateを必要に応じて置換することにより得ることができる。Ar雰囲気下、0℃で化合物(10)とN−methylpropargylamineの1,2−dichloroethane溶液に、AcOHを加え、この混合溶液にNaBH(OAc)を加えた後、反応液を室温に昇温し、30〜90分間撹拌する。反応溶液に、sat.aq.NaHCO溶液を加え反応を停止し、この混合溶液をCHClで抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥し濃縮する。得られた粗生成物をflash chromatography(CHCl:MeOH=100:1)で分離精製して無色固形物質として化合物(11)を得る。
実施例2の(2)〜(4)に従って化合物(9)を合成することができる。 室温で化合物(10)のt−BuOH/HO(1/1)溶液に、化合物(9)、CuSO、Cu(0)turning(a small piece)を順次加え、数〜12時間攪拌する。反応終了後、Rochell塩の飽和水溶液を加えて、CHClで抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥後濃縮する。得られた粗生成物をflash column chlomatography(CHCl:MeOH:NHOH=30:1:0.1 to 10:1:0.1)で分離精製し、淡黄色固体物質として化合物Iを得ることができる。
本発明の医薬組成物(治療薬、予防薬)は、経口投与形態、又は注射剤、点滴剤等の非経口投与形態で用いることができる。本化合物を哺乳動物等に投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等として経口投与してもよいし、又は、注射剤、点滴剤として非経口的に投与してもよい。投与量は症状の程度、年齢、疾患の種類等により異なるが、通常成人1日当たり50mg〜500mgを1日1〜数回に分けて投与する。
本発明の医薬組成物は、通常の薬学的に許容される担体を用いて、常法により製剤化することができる。経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形剤、更に必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えた後、常法により溶剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等とする。注射剤を調製する場合には、主薬に必要によりpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤等を添加し、常法により皮下又は静脈内用注射剤とすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本願全体を通して引用される全文献は参照によりそのまま本願に組み込まれる。
(測定機器)
H−NMRスペクトルはJEOL JNM−EX−270(270MHz), JEOL JNM−ECA−500(500MHz),Varian XL−400(400MNz)を用いて測定した。測定温度は、特別の表記の無いものは室温で測定した。以下のH−NMRスペクトルデータにおいて、化学シフトはd(ppm)で表し,カップリングパターンは以下の略語で示した。
s:singlet;d:doublet;dd:double doublet;ddd:double double doublet;q:qualtet;t:triplet;m:mutiplet,b:broadpeak
低分解能マススペクトル(LR−MS)はWaters micromass ZQを用い、高分解能マススペクトル(HR−MS)はJOEL JMS−AX505 HA Mass Spectrometerを用いて測定した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)は,Merck社製silica gel 60 F254を使用し,化合物の検出にはUV照射(254nm), リンモリブデン発色を用いた。
カラムクロマトグラフィーはflash chromatographyで行い, Merck社製silica gel 60(Art.1.09385)をカラム管に充填したものを用いた.
(実施例1)3−O−[3−{N’−(N−methylcarbamoyl)guanidiyl}propyl]carbamoyl−9,11−O−iso− propylidene−5−O−propargyl−(9S)−9−dihydroerythronolide A(化合物5:MCi1)の合成

(1)9, 11−O−Isopropylidene−5−O−propargyl−(9S)−9−dihydroerythronolide A (化合物1)の合成
Figure 2014091677
(9S)−9−Dihydro−9,11−O−isopropylideneerythronolide Aは、P.H.Jones,E.K.Rowley J.Org.Chem.(1968)33,665−670に従って合成した。N雰囲気下、(9S)−9−Dihydro−9,11−O−isopropylideneerythronolide A(600mg, 1.30mmol)のTHF(26ml)溶液に、0℃でNaH(284 mg,6.50mmol)とpropargyl bromide (578μl, 6.50 mmol)を加え、2時間撹拌した。反応液にsat.aq.NHCl(40 mL)を加え、反応を停止後、CHCl(60mL×2)で抽出し、合わせた有機層をbrine(40mL)で順次洗浄し、NaSOで乾燥した後、ろ過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をflash column chromatography(100%CHCl)で分離精製して白色粉末の化合物1(490mg,0.983mol)を収率40%で得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):
5.26(s,1H,),5.10(dd,J=8.9,J=2.3Hz,1H),4.44(dd,J=13.5,2.3Hz,1H),4.29(dd,J=13.5,2.3Hz,1H), 3.86(d,J=3.3Hz,1H),3.60(d,J=10.2Hz,1H),3.55(t,J=3.1Hz,1H),3.53(d,J=2.6Hz,1H),2.79(dq,J=6.9,6.6Hz,1H),2.49(t, J=2.3Hz,1H),2.12−2.17(m,1H),2.01−1.87(m,1H),1.75−1.64(m,1H),1.56−1.49(m,1H),1.47(s,6H),1.28−1.23(m,1H),1.27(d,J=6.6Hz,3H),1.26(s,3H),1.19(s,3H),1.17(d,J= 6.9Hz,3H),1.01(d,J=7.6Hz,3H),0.97(d,J=7.3Hz,3H),0.83(t,J=7.4Hz,3H);
HR−MS (FAB,PEG600):
calcd for C2747:499.3271[M+H],found m/z:499.3276 [M+H]
(2)3−O−Acylimidazolyl−9,11−O−isopropylidene−5−O−propargyl−(9S)−9−dihydro−erythronolide A(化合物2)の合成
Figure 2014091677
雰囲気下、化合物1(50.0mg,0.100mmol)のTHF(10ml)溶解液に、室温でNaH(21.9mg,0.50mmol)とCDI(81.3mg,0.500mmol)を加え、3時間撹拌した。反応液にEtOAc(15mL)を加えて希釈し、sat.aq.NHCl(40 mL)、brine(40mL)で順次洗浄した。有機層をNaSOで乾燥した後、ろ過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をflash column chromatography(CHCl:MeOH=100:0 to 100:1)で分離精製して白色粉末の化合物2(52.4mg,0.088mol)を収率88%で得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):
8.11(s, 1H),7.40(s,1H),7.04(d,J=0.8Hz,1H),5.38(d,J=10.8Hz,1H),5.21(s,1H),5.13(dd,J=11.2,2.4Hz,1H),4.03(dd,J=15.8,2.4Hz,1H),3.88(dd,J=15.8,2.4Hz,1H),3.52(t,J=2.8Hz,1H),3.50(d,J=2.0Hz,1H),3.35(d,J=4.0Hz,1H),3.01(m,1H),2.61(s,1H),2.37−2.31(m,1H),2.16−2.12(m, 1H),2.08(t,J=2.4Hz,1H),1.94−1.89(m,1H),1.89−1.83(m,1H),1.60−1.54(m,1H),1.51−1.44(m,1H),1.44(s,3H),1.43(s,3H),1.24−1.20(m,1H),1.19(s,3H),1.15(s,3H),1.15(d,J=5.6Hz,3H),1.13(d,J=6.8Hz,3H),1.10(d,J=7.2Hz,3H),0.91(d,J=7.6Hz,3H),0.79(t,J=7.2Hz,3H);
HR−MS(FAB,PEG600):
calcd for C3148:593.3438[M+H], found m/z:593.3444[M+H]
(3)3−O−(3−aminopropyl)carbamoyl−9, 11−O−isopropylidene−5−O−propargyl −(9S)−9− dihydroerythronolide A (化合物3)
Figure 2014091677
雰囲気下、1,3−diaminopropane(119 μL,1.43mmol)のTHF(2.8mL)溶液に、化合物2(85.0mg,0.100mmol)のTHF(2.8mL)溶解液を、室温で30分かけて滴下し、5時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をEtOAc(15mL)で希釈し、sat.aq.NHCl(15mL)、brine(15mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥した後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をflash column chromatography (CHCl:MeOH:NHOH=50:1:0.1 to 20:1:0.1)で分離精製して白色粉末の化合物3(81.8mg,0.137mol)を収率95%で得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):
5.34(t,J=6.0Hz,1H),5.01(d,J=11.0Hz,1H),5.15(s,1H),5.14(dd,J=11.0,2.5Hz,1H),4.14(dd,J=13.0,2.0Hz,1H),4.06(dd,J=13.0,2.0Hz,1H),3.54(d,J=2.0Hz,1H),3.53(t,J=3.0Hz,1H),3.31(q,J=6.0Hz,2H),3.24(d,J=3.0Hz,1H),2.81(m,1H),2.79(t,J=6.0Hz,2H),2.39(t,J=2.0Hz,1H),2.20−2.14(m,1H),2.18−2.13(m,1H),1.96−1.91(m,1H),1.94−1.86(m,1H),1.68−1.60(m,1H),1.64(m,2H),1.54−1.46(m,1H),1.4(s,3H),1.45(s,3H),1.27−1.20(m,1H),1.24(s,3H),1.18(s,3H),1.15(d,J=7.5Hz,3H), 1.15(d,J=7.5 Hz,3H),1.00(d,J=8.0Hz,3H),0.90(d,J=7.5Hz,3H),0.82(t,J=7.5Hz,3H);
HR−MS(FAB,PEG400):
calcd for C3154:599.3908[M+H], found m/z:599.3911[M+H]
(4)1−H−Pyrazole−N’−(N−methylcarbamoyl)−carboxamidine(化合物4)
Figure 2014091677
雰囲気下、市販の1H−Pyrazole−1−carboxamidine・HCl(200mg,1.36mmol)のDMF(13.6ml)溶液に、室温でN−succinimidyl N−methyl carbamate(258mg,1.50mmol)とDIPEA(523μL,3.00mmol)を加え、3時間撹拌した。反応終了後、EtOAc(25mL)で希釈し、HO(20mL)、brine(20mL)で洗浄、有機層をNaSOで乾燥した後、ろ過し、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生成物をflash column chromatography(100% CHCl)で分離精製して淡黄色固体の化合物4(203mg,1.214mol)を収率88%で得た。
H−NMR(400MHz,CDCl):
9.26(bs,1H),8.25(d,J=2.8Hz,1H),7.57(d,J=1.2Hz,1H),7.36(bs,1H),6.29(dd,J=2.8,1.6Hz,1H),5.78(bs,1H),2.75(d,J=5.2Hz,3H);
HR−MS(FAB,PEG600):
calcd for CO:168.0885[M+H],found m/z:168.0883[M+H]
(5)3−O−[3−{N’−(N−methylcarbamoyl)guanidiyl}propyl]carbamoyl−9,11−O−iso− propylidene−5−O−propargyl−(9S)−9−dihydroerythronolide A(化合物5)
Figure 2014091677
雰囲気下、化合物3(10mg,0.017mmol)のtoluene(0.34ml)溶液に、室温で化合物4(3.4mg,0.020mmol)とDIPEA(4.4μL,0.025mmol)を加え、室温で80分撹拌した。その後、90℃に昇温し、12時間後にDIPEA(5.8μL,0.033mmol)を加え、更に5時間後にDIPEA(5.8μL,0.0334mmol)を加えた。そして8時間後、化合物4(3.4mg,0.020mmol)を加えた後、1時間撹拌することで原料(化合物3)が消失した。その後、反応液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗生成物をflash column chromatography(CHCl:MeOH:NHOH=20:1:0.1 to 10:1:0.1)で分離精製して無色油状の化合物5(5.4mg,0.008mmol)を収率46%で得た。
H−NMR(500MHz,CDCl):
5.86(bs,1H),5.34(s,1H),5.08(dd,J=11.6,2.4 Hz,1H),4.98(d,J=10.4Hz,1H),4.08(dd,J=15.6,2.4Hz,1H),3.92(dd,J=15.6,2.4Hz,1H),3.47(d,J=2.0Hz,1H),3.47(d,J=2.0Hz,1H),3.20(q,J=9.2Hz,2H),3.18(d,J=3.6Hz,1H),2.75(m,1H),2.71(d,J=4.8Hz,2H),2.33(t,J=2.4Hz,1H),2.18−2.06(m,2H),1.92−1.86(m,1H),1.86−1.80(m, 1H),1.70−1.62(m,2H),1.60−1.54(m,1H),1.49−1.40(m,1H),1.39(s,6H),1.20−1.16 (m,1H),1.18(s,3H),1.12(s,3H),1.10(d,J=7.2Hz,3H),1.08(d,J=7.2Hz,3H),0.95(d,J=7.2Hz,3H),0.88(d,J=7.5Hz,3H),0.76(t,J=7.2Hz,3H);
HR−MS(FAB,PEG600):
calcd for C345910:698.4340[M+H], found m/z:698.4344[M+H]
(実施例2)Leucomycin A3,9−propionate,20−deoxy−20−[(N−methyl−N−{1−(N−methylcarbamoyl−N’−ethylguanidyl)−1H−1,2,3−triazol−4−ylmethyl](化合物11:MCi2)の合成
(1)Leucomycin A3, 9−propionate, 20−deoxy−20−(N−methylpropargylamino)(化合物6)の合成
Figure 2014091677
Leucomycin A3,9−propionateは、S.Omuraら、J.Med.Chem.,1977,20,732−736に従って合成した。Ar雰囲気下、0℃でLeucomycin A3,9−propionate(521mg,0.589mmol)とN−methylpropargylamine(74mL,0.883mmol)の1,2−dichloroethane(5.9ml)溶液に、AcOH(101mL,1.77mmol)を加え、この混合溶液にNaBH(OAc)(187mg,0.883mmol)を加えた後、反応液を室温に昇温し、60分間撹拌した。反応溶液に、sat.aq.NaHCO(10mL)溶液を加え反応を停止し、この混合溶液をCHCl(15mL×3)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をflash chromatography(CHCl:MeOH=100:1)で分離精製して無色固形物質として化合物6(549mg,100%)を得た。
H−NMR(500MHz,CDCl):
6.62(m,1H),6.05(dd,J=14.9,10.9Hz,1H),5.74(m,1H),5.59(dd,J=14.9,9.7Hz,1H),5.22(dd,J=9.7,4.0Hz,1H),5.08−5.01(complex m,3H),4.62(d,J=10.3Hz,1H),4.47(bm,2H),4.34(bs,1H),3.84(bs,1H),3.59(dd,J=10.3,7.5Hz,1H),3.55(s,3H),3.55−3.30(complex m,4H),3.23(d,J=8.0Hz,1H),2.73(dd,J=13.7,10.9Hz,1H),2.52−2.43(complex m,8H),2.32−2.24(complex m,8H),2.19−2.09(complex m,6H),2.01(d,J=14.3Hz,1H),1.84(dd,J=14.3,4.0Hz,1H),1.70−1.60(complex m,7H),1.55(bm,1H),1.31(d,J=5.8Hz,3H),1.26(d,J=6.3Hz,3H),1.14−1.10(complex m,9H),1.00−0.91(complex m,10H);
MS(ESI):
m/z:937.6[M+H]
(2){N,N’−bis−(tert−butoxycarbamoyl)−N’’−2−azideethyl}guanidine(化合物8)
Figure 2014091677
diBocピラゾール体(化合物7)は、B.Drake,M.Patek,M.LeblSynthesis1994,35,977−980.に従って合成した。2−Bromoethylamine・hydrochloride(70.0mg,0.341mmol)の0.1μM水溶液中にNaN(66.6mg,1.025mmol)を加え、75℃で5時間攪拌した。反応溶液を室温に戻し、MeCN(2mL)、diBocピラゾール体(化合物7)(116mg,0.376mmol)、DIPEA(734μL,4.10mmol)を加え、15時間攪拌した。sat.aq.NHCl(10mL)を加えて反応を停止させ、CHCl(10mL×4)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥後濃縮した。得られた粗生成物をflash column chlomatography(hexane:EtOAc=20:1〜7:1)で分離精製し、無色固体物質として化合物8(106mg,0.323mmol)を収率94%で得た。
H−NMR(270MHz,CDCl):
3.60(m,2H),3.47(m,2H),1.46(s,9H);
HR−MS(FAB,NBA):
calcd for C1325:329.1937[M+H],found m/z:329.1937[M+H]
(3){N−(N−p−metoxybenzyl−N−methylcarbamoyl)−N’−tert−butoxycarbamoyl−N’’−2−azideethyl}guanidine(化合物9)
Figure 2014091677
室温で化合物8(67.5mg,0.206mmol)のTHF(4mL)溶液にN−(p−methoxybenzyl)−N−methylamine(40.4mg,0.267mmol)を加え,80℃に昇温後、16時間攪拌した。反応終了をTLCで確認後、反応液を濃縮した。得られた粗生成物をflash column chromatography(hexane:EtOAc=10:1〜7:1)で分離精製して,無色透明の物質として化合物9(76.2mg,0.188mmol)を収率91%で得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)rotamer was observed:
7.17(d,J=8.6Hz,1H),7.12(d,J=8.6Hz,1H),6.83(d,J=8.6Hz,1H),[4.66,4.48(s×2,2H),rotamer]3.77(s,3H)3.45(complex m,4H),[2.98,2.86(s×2,3H),rotamer]1.46(s,9H);
HR−MS(FAB,NBA):
calcd for C3748:714.3728[M+H],foundm/z:714.3710[M+H]
(4)(N−methylcarbamoyl−N’−azideethyl)guanidine(化合物10)
Figure 2014091677
室温で化合物9(39mg,0.0962mmol)を90%TFAのDCM溶液(2.0mL)に溶かし,7時間攪拌した.反応終了後,エバポレーターで溶媒を除去し,真空ポンプで乾燥させ,粗生成物のTFA塩を得た.得られた粗生成物のTFA塩をflash column chromatography(CHCl:MeOH:NHOH=50:1:0.1〜10:1:0.1)で分離精製して,無色透明物質として化合物10
(16.8mg,0.0907mmol)を収率94%で得た。
H−NMR(270MHz,CDOD):
3.58(m,2H),3.46(m,2H),2.76(s,3H);
HR−MS(FAB,NBA):
calcd for C12ON:186.1103[M+H],found m/z:186.1103[M+H]
(5)Leucomycin A3,9−propionate,20−deoxy−20−[(N−methyl−N−{1−(N−methylcarbamoyl−N’−ethylguanidyl)−1H−1,2,3−triazol−4−ylmethyl](化合物11)
Figure 2014091677
室温で化合物6(102.7mg,0.110mmol)のt−BuOH/HO(1/1)(3.7mL)溶液に、化合物10(20.4mg,0.110mmol)、CuSO(0.03mg,0.110mmol)、Cu(0)turning(a small piece)を順次加え、6時間攪拌した。反応終了後、Rochell塩の飽和水溶液(5mL)を加えて、CHCl(10mL×3)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥後濃縮した。得られた粗生成物をflash column chlomatography(CHCl:MeOH:NHOH=30:1:0.1 to 10:1:0.1)で分離精製し、淡黄色固体物質として化合物11
(55.0mg,0.0490mmol)を収率55%で得た。
H−NMR(500MHz,CDOD):
7.66(s,1H),6.34(bm,1H),5.84(dd,J=14.3,10.9Hz,1H),5.48−5.38(complex m,2H),5.03(dd,J=9.7,4.0Hz,1H),4.90(bd,J=2.9Hz,1H),4.81(d,J=10.3Hz,1H),4.73(m,1H),4.46(m,1H),4.35−4.33(complex m,2H),4.27(d,J=5.7Hz,1H),4.20(m,1H),3.94(m,1H),3.87(m,1H),3.82(complex m,2H),3.75(m,1H),3.52−3.47(complex m,3H),3.40(m,1H),3.18−3.06(complex m,4H),3.01(t,J=9.2Hz,1H),2.48−2.40(complex m,4H),2.29−2.22(complex m,7H),2.14−2.03(complex m,7H),1.95−1.85(complex m,4H),1.79−1.64(complex m,5H),1.44−1.29(complex m,3H),1.07−1.01(complex m,8H),0.88−0.85(complex m,9H),0.80(d,J=6.9Hz,3H),0.75(d,J=6.9Hz,6H),0.66(m,1H);
HR−MS(FAB,NBA):
calcd for C549216:1122.6662[M+H],found m/z:1122.6687[M+H]
(試験例1)モデルマウスにおける喘息治療効果
(1)材料
本実験には、6〜8週齢のBALB/cマウスを用いた。
(2)喘息モデルマウスの作製及び化合物の投与
1匹当たりOVA(10〜20μg)とAlum(4mg,pH6.5)を腹腔内投与した(0日目)。7日目にも同様の操作を行った。14日目にSyntriazole、化合物5(MCi1)および化合物11(MCi2)を、それぞれ10mg/kgとなるように腹腔内投与し、14,15,16日目にOVA(100μg)のPBS溶液を点鼻投与した。18日目に1mlの0.1% EDTA/PBSを用いて気管支肺胞洗浄液を採取した。
(3)気管支肺胞洗浄液中の細胞数の検討
気管支肺胞洗浄液の細胞数を計測してギムザ染色を行った。光学顕微鏡下で細胞を一標本当たり300個以上計測し、以下の式を用いて各細胞(肺胞マクロファージ、好中球、リンパ球、好酸球)の細胞数を算出した。なお、統計検定は一元配置分散分析を行った後、Tukey−Kramer法にて検討を行った。

各細胞数=〔(各細胞数)/(全細胞数)〕×(気管支肺胞洗浄液中の細胞数)
(4)結果
気管支肺胞洗浄液中の細胞数を計測することで喘息の状態を知ることができる。結果を図1に示す。図1では、喘息モデルマウス群(OVA投与群)、喘息モデルマウスにSyntriazoleおよびMCi1を投与した群(OVA+Syntriazole投与群およびOVA+MCi1投与群)における細胞数を計測した。OVA投与群においては、総細胞数の著しい増加が認められた。一方、OVA+Syntriazole投与群の総細胞数の増加はOVA投与群の50%程度にとどまり、OVA投与群のような著しい総細胞数の増加は認められなかった。また、OVA+MCi1投与群においても総細胞数の増加は有意に減少していた。また、喘息の発症と悪化に関与している炎症性細胞である好酸球(Eos)の細胞数は、OVA投与群と比べて、OVA+Syntriazole投与群で1/10程度、OVA+MCi1投与群で1/5程度まで減少した。さらに、リンパ球(Lym)数も同様に、OVA+Syntriazole投与群およびOVA+MCi1投与群いずれにおいてもOVA投与群と比べて1/5程度まで減少した。興味深いことにOVA+MCi1投与群においては、好中球(Neu)の増加が認められた。この増加はOVA投与群で認められていないため、喘息による誘導ではないと考えられた。
図2は、MCi2の効果を検討した結果を示す。喘息モデルマウス群(OVA投与群)および喘息モデルマウスにSyntriazoleを投与した群(OVA+Syntriazole投与群)で、図1と同様の傾向が認められた。図1と比較して、OVA投与群での浸潤する細胞数がやや減少しているが、好酸球(Eos)が十分に誘導されていること、また文献値から検討して、喘息モデルとして十分であると判断した。OVA+MCi2投与群及びOVA+Syntriazole投与群共に浸潤する総細胞の減少が認められ、好酸球の浸潤はいずれの薬剤も著しく減少した。またOVA+MCi2投与群においては、MCi1で見られたような好中球(Neu)の増加は認められなかった。
以上の結果から、MCi1およびMCi2、並びにSyntriazoleは、喘息の発症および悪化に中心的な役割を果たす好酸球の肺への浸潤を著しく阻害することから、喘息の発症および悪化を抑制できる新たな薬剤としての効果的な作用を有することが示された。特に、MCi2についてはその効果が強くアレルギー薬としての期待が高い。またMCi1についても、好酸球を抑制し、且つ好中球を誘導するという他にはない作用を有するため、今後の薬剤開発が期待されるものである。
(参考文献)
JanLotvall.etal.,Pharmacology&Therapeutics,121,(2009),174−184
J.E.Allen.etal.,ClinicaletExperimentalAllergy,39,943−955(2009)
ZhouZhu,etal.Science,304,1678(2004)
P.H.Jones,E.K.RowleyJ.Org.Chem.,1968,33,665−670.
S.Omura,A.Nakagawa,H.Sakakibara,O.Okekawa,R.Brandsch,S.PestkaJ.Med.Chem.,1977,20,732−736.
B.Drake,M.Patek,M.LeblSynthesis1994,35,977−980.

Claims (8)

  1. 下記の一般式(I)で表される化合物:
    Figure 2014091677
    [式中、Mは置換されていてもよい14〜16員環のマクロライドを示し、
    Aは、トリアゾール−直鎖又は分岐状のC1〜6アルキレン基、又は、直鎖又は分岐状のC1〜20アルキレン−NHC(=O)−基を示し、
    は水素原子、又はMで表される14員環のマクロライド骨格の5位の炭素原子と結合する基(この場合にはMで表されるマクロライド骨格の5位の炭素原子に結合する水酸基は欠失している)を示す。]
  2. Mが、以下の式(a)で表される14員環のマクロライド骨格又は(b)で表される16員環のマクロライド骨格である、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2014091677
    [ここで、(a)で表される14員環のマクロライド骨格において、3位、5位、又は9位から選択される任意の1の水酸基の水素原子が欠失して結合基となる基を示し、
    3位及び5位の水酸基はメチレン基(該メチレン基の炭素原子は1又は2個のC1〜6アルキル基で置換されていてもよい)を介して結合して1,3−ジオキサン部分を形成するように置換されていてもよく、
    9位及び11位の水酸基は炭素原子(該炭素原子は1又は2個のC1〜6アルキル基、4−(C1〜6アルコキシ)フェニル基を有していてもよい)を介して結合して1,3−ジオキサン部分を形成するように置換されていてもよく、
    11位と12位の水酸基は、カルボニル基を介して結合して1,3−ジオキソラン部分を形成するように置換されていてもよく、
    9位の水酸基と水素原子の代わりに(マクロライド骨格)=N−O−基となっていてもよく、
    5位の水酸基はC2〜6アルキニル基で置換されていてもよいC1〜6アルキル基、又は置換されていてもよいグリコシル基で置換されていてもよい]
    Figure 2014091677
    [ここで、(b)で表される16員環のマクロライド骨格において、水酸基は、C2〜6アルカノイル基、C1〜6アルキル基、又はC2〜6アルカノイル基で置換されていてもよいグリコシル基で置換されていてもよい]
  3. Aが、1,2,3−トリアゾール−(C1〜4アルキレン)基、又は、直鎖状のC1〜16アルキレン−NHC(=O)−基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  4. Aが、以下で表される基、又は、直鎖状のC1〜12アルキレン−NHC(=O)−基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2014091677
    [ここで、nは、1〜6の自然数を示す。]
  5. が水素原子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又は以下の一般式(II)で表される化合物を有効成分として含有するヒト酸性キチナーゼが発症又は増悪化に寄与する疾患の治療薬又は予防薬:
    Figure 2014091677
    [式中、Lは、置換されていてもよいC1〜6アルキレンアミノカルボニルC1〜6アルキレン基を示し、
    は、不飽和ヘテロ縮合環で置換されていてもよいメチルイミノオキシC1〜6アルキル基を示す。]
  7. Lが、N,N−ジ(フェニルメチル)アミノカルボニル基で置換されていてもよいC1〜4アルキレンアミノカルボニルである、請求項7に記載の治療薬又は予防薬。
  8. が、キノリルメチルイミノオキシC1〜4アルキル基である、請求項7又は請求項8に記載の治療薬又は予防薬。

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