JPH07251215A - ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法 - Google Patents

ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法

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JPH07251215A
JPH07251215A JP4601694A JP4601694A JPH07251215A JP H07251215 A JPH07251215 A JP H07251215A JP 4601694 A JP4601694 A JP 4601694A JP 4601694 A JP4601694 A JP 4601694A JP H07251215 A JPH07251215 A JP H07251215A
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Atsushi Tomizawa
淳 富澤
Yoshiyuki Kaseda
良之 綛田
Yutaka Matsuda
裕 松田
Hideaki Furumoto
秀昭 古元
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】走行中のストリップの蛇行を修正するピンチロ
ールと蛇行修正方法の提供。 【構成】上下一対のテーパローラをテーパ方向を逆向
きに、かつ軸を交差させて配置した蛇行修正用ピンチロ
ール。 上記のピンチロールをストリップの走行ラインに設
置し、上下のテーパローラの回転速度、および/または
左右の圧下力を、それぞれ独立に設定する機構を有する
蛇行修正装置。 ストリップの蛇行を検出し、上記のピンチロールの
回転速度、および/または左右の圧下力を制御する蛇行
修正方法。 【効果】簡単な構造で蛇行の修正が可能であり、現状の
ラインにも容易に組み込むことができ、高精度の蛇行修
正が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ストリップ等が走行
中に発生する蛇行を修正するピンチロール、およびそれ
を用いた蛇行修正装置ならびに蛇行修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップ(鋼板、アルミニウム、銅、
プラスチックなどの帯体を「ストリップ」と以下総称す
る。)を連続的に処理する走行ラインにおいて、蛇行
(横行)によりオフセンタしたストリップを走行ライン
中央に戻し、安定した通板を行う装置として蛇行修正装
置がある。この装置の一般的なものは、デスプレイスメ
ント方式やステアリング方式の蛇行修正装置である。
【0003】図10は、デスプレイスメント方式の蛇行修
正装置を示す図であり、(a) は側面図、(b) は正面図で
ある。デスプレイスメント方式の蛇行修正装置は、通常
1本ないし2本のロールで構成されており、同図は1本
のロールで構成された蛇行修正装置を示す図である。こ
の装置による修正方法は、同図(a) に示すように蛇行修
正装置出側の走行中のストリップ3に蛇行が検出された
場合、同図(b) に示すようにストリップ3に対して、旋
回手段16を使って垂直な面内でステアリングロール15を
旋回させ、旋回角度(θ)と旋回半径(L)から決まる
量だけストリップ3を蛇行した方向の反対方向に移送す
る。これにより蛇行修正装置出側での蛇行を解消するの
である。
【0004】図11は、ステアリング方式の蛇行修正装置
を示す図でり、(a) は上面図、(b)は側面図ある。その
修正方法は、同図(a) および(b) に示すように、ステア
リングロール入側のストリップ3を含む面内において、
旋回手段16を使ってステアリングロール15を旋回させる
ことにより、ストリップ3を横方向に移送する。これに
よりストリップ3のステアリングロール15に対する入射
角γが直角でなくなることでストリップはロール上を横
移動するが、この効果を用いてストリップ3の蛇行を修
正するものである。
【0005】このようなデスプレイスメント方式やステ
アリング方式の蛇行修正装置は、ストリップの蛇行修正
能力という点では十分な機能を有しているが、これらの
蛇行修正装置をストリップの連続処理ライン中に設置す
る場合、大きなスペースを必要とする、という問題があ
る。
【0006】これを解消するため本出願人は、真直なロ
ール軸に対してスリーブが所定の角度で傾斜して回転す
るロールを備えた蛇行修正装置を特開平3−151111号公
報によって提案した。また、特開平3−198907号公報に
は、屈曲した軸芯に複数の軸受を設け、その軸受の外周
にゴムスリーブを装着した蛇行修正ロールおよびそれを
用いた装置が開示されている。さらに、特開昭62−2092
18号公報には、湾曲したローラ軸に長さ方向に伸縮でき
る胴太のローラ(スリーブ)を装着し、蛇行修正のほ
か、シワ発生修正又はシワ付けロールとして用いるロー
ルが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】走行中のストリップに
蛇行が発生すると、ストリップ幅よりも広い範囲の走行
となり、いわゆる耳線はずれによるライン停止のトラブ
ルが発生したり、サイドトリマーラインではトリム代の
増加による歩留りが減少する。
【0008】上記蛇行修正ロールは、ロール面の屈曲の
曲げ角度を変更する機能が必要である。また、外周にゴ
ムスリーブを装着した蛇行修正ロールおよび湾曲したロ
ーラ軸に長さ方向に伸縮しうる胴太のローラ(スリー
ブ)を装着したロールは、軸芯とスリーブまたはローラ
の間に複数の軸受を装入しなければならない。いずれも
構造が複雑になるという問題がある。
【0009】本発明の目的は、構造が簡単で、既存のス
トリップ処理ラインに容易に導入することができる蛇行
修正ピンチロール、それを用いた蛇行修正装置ならびに
蛇行修正方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
に示すストリップの蛇行修正用ピンチロール、に示す
同蛇行修正装置およびに示す同蛇行修正方法にある。
【0011】『上下一対のテーパローラをテーパ方向
を逆向きに、かつ軸を交差させて配置したストリップの
蛇行修正用ピンチロール。
【0012】上記のピンチロールがストリップの走
行ラインに設置され、上下のテーパローラの回転速度、
および/または左右の圧下力を、それぞれ独立に設定す
る機構を備えるストリップの蛇行修正装置。
【0013】ストリップの蛇行を検出し、上記のピ
ンチロールの回転速度、および/または左右の圧下力を
制御するストリップの蛇行修正方法。』
【0014】
【作用】本発明のピンチロールがストリップの蛇行修正
機能を有することを説明する。
【0015】図1は、本発明の蛇行修正用ピンチロール
の概念を示す図であり、(a) は上からみた平面図、(b)
はロール入側からみた断面図である。1は軸方向に対し
て直径が異なる上テーパローラ、2は同下テーパロー
ラ、3はストリップである。上下のテーパローラは、金
属製のローラ、または金属軸の周りにウレタンゴムや特
殊ゴム、あるいは特殊ナイロンなどの高分子材料をライ
ニング等で装着したものである。本発明のピンチロール
6は、上下のテーパローラ1,2 でストリップ3を挟み、
上下のテーパローラを水平面内で点対称に交差角(2
θ)で交差させる構造となっている。
【0016】ピンチロール6は、ストリップ3を挟み、
所定の回転速度で回転するが、テーパローラの軸方向の
位置により半径が異なるため、外周の接線速度は異な
る。即ち、任意の軸方向位置Xにおけるピンチロールの
接線速度(接線速度ベクトルVp(X)の絶対値)|Vp(X)
|は、ローラの回転角速度ω、Xでのローラの半径をR
(X) とすると(1) 式となる。
【0017】 |Vp(X)|=R(X) ・ω ・・・・・・(1) 上下のテーパローラが水平面内で点対称に交差角(2
θ)で交差することにより、ローラの接線速度ベクトル
Vp(X)方向とストリップの速度ベクトルVs(X)の方向が
交差角の1/2角(θ)だけずれることになり、ストリ
ップとローラ間には相対滑りベクトルVp(X)−Vs(X)が
発生する。
【0018】図2は、本発明の蛇行修正用ピンチロール
を使用した場合のテーパローラとストリップとの間の相
対滑りベクトルと摩擦力の軸方向の分布の一例を示す図
であり、(a) は上テーパローラとストリップとの間の相
対滑りベクトルを示す図、(b) はストリップ上下面に働
く摩擦力の分布を示す図、(c) は下テーパローラとスト
リップとの間の相対滑りベクトルの分布を示す図であ
る。ここでは、ストリップの速度ベクトルの大きさは、
ストリップが接触しているテーパローラの大径部の接線
速度ベクトルに等しい場合について説明する。
【0019】相対滑りベクトルは、ストリップの進行方
向に対して角度Ψをもち、かつピンチロールの接線速度
ベクトルがストリップの幅方向で異なる(Vpu1 <Vpu
2 <Vpu3 )ことから、相対滑り角度Ψはストリップの
幅方向で変化する(Ψu1<Ψu2<Ψu3、Ψb1>Ψb2>Ψ
b3)ことになる。
【0020】相対滑りベクトルVp(X)−Vs(X)の大きさ
と方向に対応して、ストリップとピンチロールとの間に
は同図(b) に示すようにストリップの幅方向の摩擦力が
発生する。この幅方向の摩擦力の大きさはストリップの
上面ではFu1<Fu2<Fu3、下面ではFb1>Fb2>Fb3
と変化し、しかもストリップの上下面で摩擦力の作用方
向は逆方向となる。
【0021】ストリップの幅方向に作用する上下面の摩
擦力の合力F(F1 =Fu1+Fb1、F2 =Fu2+Fb2
3 =Fu3+Fb3)は、幅方向の中央(走行ラインの中
心)に向いており、さらにストリップの端部になるほど
大きく(F1 =F3 >F2 =0)なる。この摩擦力の合
力により、ストリップの中央部は常にピンチロールの軸
方向中央を保ちながら走行することになる。また、蛇行
によりストリップがオフセンタした場合、摩擦力の合力
は(F1 <F2 <F3 )または(F1 >F2 >F3 )と
なり、オフセンタした方向とは逆方向の摩擦合力が余分
に作用することになり、本発明のピンチロールを使用す
れば何ら制御を加えなくとも、常に蛇行修正を行う自己
調整機能を有している。
【0022】図3は、本発明の蛇行修正用ピンチロール
を通過したストリップの入側蛇行量と出側蛇行量の変化
を示す図であるが、出側蛇行量は入側蛇行量の約1/3 に
減少していることがわかる。
【0023】次に、本発明の蛇行修正用ピンチロールを
用いて上記幅方向の摩擦力の合力を積極的に変化させ
て、蛇行を修正する方法について説明する。
【0024】I.ピンチロールの左右の圧下力を制御し
て蛇行修正を行う方法について:図4は、本発明の蛇行
修正用ピンチロールを用いた場合のテーパローラおよび
ストリップに作用するベクトルおよび摩擦力を示す図で
あるが、同図に示すように走行中のストリップの上下面
の幅方向位置Xに作用する摩擦力の幅方向成分F(X)
は、第1次近似として(2) 式で表される。
【0025】
【数1】
【0026】式(2) から明らかなように、ストリップに
作用する摩擦力の幅方向成分F(X)は、ストリップが
受ける垂直面圧力(X) に比例するため、P(X) を変
化させることによりストリップの蛇行修正力を変化させ
ることができる。
【0027】図5は、ストリップに作用する垂直面圧P
(X) とストリップに発生する摩擦力の合力の関係を示す
図である。ストリップが左右等しい垂直面圧を受けてい
る場合(点線で示す基準状態)には、幅方向の摩擦力の
合力(Fu+Fb)は、ピンチロールの軸方向の中央(走行
ラインの中心)で0(ゼロ)となり、左右で大きく、し
かも対称になる。しかし、右側のピンチロールの圧下力
を高め、右側のストリップに大きな垂直面圧を作用させ
た場合(実線で示すA状態)には、幅方向の摩擦力の合
力(Fu+Fb)は、ピンチロールの軸方向のほぼ中央部
(走行ラインのほぼ中心部)で0(ゼロ)となり、右側
で大きく、左側で小さくなる。ストリップを移動させる
力は、左右方向の摩擦力の合力(Fu+Fb)の積分値の差
となり、ストリップは右から左に移動する。また、左側
のピンチロールの圧下力を高めると、摩擦力の合力は一
点鎖線Bで示すように左側で大きく、右側で小さくな
り、ストリップは左から右に移動する。
【0028】したがって、ストリップが走行ラインの中
心から右に蛇行した場合、右側のピンチロールの圧下力
を大きくすれば、ストリップは左から右に移動するの
で、積極的に蛇行を修正することができる。
【0029】次に、ピンチロールの圧下力を制御する方
法について説明する。
【0030】図6は、ピンチロールの圧下力を制御する
方法の一例を示す図であるが、同図に示すようにストリ
ップ3の走行ラインからのずれ量(蛇行量)を、蛇行検
出器4で検出し、検出量を圧下力制御装置に入力し、圧
下力制御装置から左右のずれ量に応じ左右のピンチロー
ルの圧下力指令が発せられ、この指令に基づき左右の油
圧ユニット9,10の圧力が変化し、左右ピンチロールの油
圧シリンダ11,12 の位置が調整される。これにより高精
度の蛇行修正が可能となる。なお、本実施例では左右の
圧下力を設定するアクチュエータとして油圧シリンダを
使用した場合を示したが、もちろん電動圧下方式でも良
い。さらに、左右のアクチュエータのうち一方を一定と
し、他方を制御する方式としてもよい。
【0031】II. ピンチロールの回転速度を制御して蛇
行修正を行う方法について:式(2) から明らかなよう
に、ストリップに作用する幅方向の摩擦力は、ピンチロ
ールの接線速度ベクトルVp(X)に比例するので、ピンチ
ロールの上下のテーパローラの回転速度を違えることに
より、上下の幅方向の摩擦力を変化させることができ
る。
【0032】図7は、ピンチロールの上下のテーパロー
ラの回転速度を違えた場合の速度ベクトルおよび幅方向
の摩擦力の一例を示す図であり、(a) は上テーパローラ
を減速した場合を示す図、(b) は下テーパローラを減速
した場合を示す図、(c) は幅方向の摩擦力の合力の分布
を示す図である。
【0033】上下のテーパローラの回転速度が等しい場
合には、速度ベクトルと摩擦力は同図(a) および(b) に
点線矢印で示すようになる。摩擦力の合力(Fu+Fb)
は、同図(c) に点線で示す基準状態となり、左右対称と
なり、ストリップをピンチロール中央に保つ働きをす
る。
【0034】ここで上側のテーパローラの回転速度を減
速させた場合には、同図(a) に実線矢印で示すようにス
トリップ上面に作用する接線速度ベクトルは、ベクトル
Vpu1 からベクトルVpu1'(ベクトルVpu2 からベクト
ルVpu2'、ベクトルVpu3 からベクトルVpu3')に低下
するので、幅方向の摩擦力はFu1>Fu1' 、Fu2>F
u2' 、Fu3>Fu3' となる。したがって、ストリップの
上下面の幅方向の摩擦力の合力はFu1'+Fb1>Fu2'+F
b2>Fu3'+Fb3となり、左右で対称性がくずれ、同図
(c) の一点鎖線(A)で示すようにストリップ左半分の
幅方向の摩擦力の合力が大きくなり、ストリップを左か
ら右に移動させる力が働く。したがって、ストリップが
走行ラインの中央より左にずれた(蛇行した)場合に
は、ピンチロールの上テーパローラの回転速度を減速す
ることによって、積極的に蛇行を修正することができ
る。
【0035】また、下側のテーパローラの回転速度を減
速させた場合には、同図(b) に実線矢印で示すようにス
トリップ下面に作用する接線速度ベクトルは、ベクトル
Vpb1 からベクトルVpb1'(ベクトルVpb2 からベクト
ルVpb2'、ベクトルVpb3 からベクトルVpb3')に低下
するので、幅方向の摩擦力はFb1>Fb1' 、Fb2>F
b2' 、Fb3>Fb3' となる。したがって、ストリップの
上下面の幅方向の摩擦力の合力はFu1+Fb1' <Fu2
Fb2' <Fu3+Fb3' となり、左右で対称性がくずれ、
同図(c) の点線(B)で示すようにストリップ右半分の
幅方向の摩擦力の合力が大きくなり、ストリップを右か
ら左に移動させる力が働く。したがって、ストリップが
走行ラインの中央より右にずれた場合には、ピンチロー
ルの下テーパローラの回転速度を減速することによっ
て、積極的に蛇行を修正することができる。また、上下
のピンチロールの一方を増速する場合にも同様の制御が
可能である。
【0036】次に、ピンチロールのテーパローラの回転
速度を制御する方法について説明する。
【0037】図8は、ピンチロールの上下のテーパロー
ラの回転速度を制御する方法の一例を示す図であるが、
同図に示すようにストリップ3の走行ラインからのずれ
量(蛇行量)を蛇行検出器4で検出し、検出量をテーパ
ローラ回転速度制御装置に入力し、回転速度制御装置か
ら左右のずれ量に応じて上下のテーパローラの駆動指令
が発せられる。この指令に基づき上下ピンチロールに連
結した駆動モーター13,14 の回転が制御され、ピンチロ
ールの速度が調整される。これにより高精度の蛇行修正
が可能となる。なお、本実施例では、上下ピンチロール
の回転速度を独立に制御する場合を示したが、上、下一
方の回転速度は一定とし、他方のみを制御する方式とし
てもよい。
【0038】本説明ではテーパローラの大径部の接線速
度がストリップの進行速度にほぼ等しい場合を基準状態
として回転速度の影響を説明したが、テーパローラの回
転速度の基準条件が異なるとき(例えば、テーパローラ
の小径部の接線速度がストリップの進行速度にほぼ等し
い場合)でも(2) 式により速度変更時の摩擦力の変化が
計算でき、同様の制御効果を実現する速度の変更条件を
得ることができる。
【0039】また、本実施例においては円錐台状のテー
パローラを用いたが、ローラの形状の限定はない。即
ち、本発明の思想は、ローラ半径を幅方向に変化させる
ことでローラ幅方向の接線速度を変化させ、かつローラ
を交差させることで幅方向の摩擦力の合力を、中心向き
に作用させる点にある。したがって、本発明の思想に基
づく任意の形状のピンチロールを選べはよい。例えば、
フラットとテーパとを組み合わせたローラ、二次曲線な
どのローラでもよい。本発明の「テーパローラ」には、
これらのローラも含まれる。
【0040】ロールを交差すると、ロールギャップが変
化し、ロール撓みをキャンセルする二次クラウンが創生
されることが知られている(例えば、塑性と加工 Vol.
28No.321 (1987) p.1067)。ピンチロールの圧下圧力の
絶対値にもよるが、垂直加重によるロールの撓みと交差
角によるロールギャップ変更効果を考慮して、テーパロ
ーラ型ピンチロールに適当なイニシャルクラウンを付与
し、幅方向に適正な圧力分布を得るようにしても良い。
【0041】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する。
【0042】図9は、本発明の実施例に使用したサイド
トリマーラインを示す図である。
【0043】6は上テーパローラ1および下テーパロー
ラ2からなるピンチロール、、3はストリップ、4は蛇
行検出器、5は制御装置、7はサイドトリマー、8はテ
ンションリール、Dは蛇行修正装置である。
【0044】蛇行修正装置Dは、上下のテーパローラ1,
2 を交差角1.0 °で点対称に交差させたピンチロール6
と、蛇行検出器4および制御装置5からなり、ピンチロ
ールの左右の圧下力および上下のテーパローラの回転速
度を変更できるようになっている。
【0045】テーパローラは、太径部220mm 、細径部18
0mm 、バレル長さ1600mmであり、炭素鋼S45Cの軸芯の表
面にウレタンゴムをライニングして製作した。
【0046】試験は、図9に示すサイドトリマーライン
にストリップを通板し、走行中の蛇行量と両端のトリマ
量を測定した。蛇行修正能力は、蛇行の修正量とトリマ
ーでの歩留りロスで評価した。
【0047】〔実施例1〕図9に示す装置に、さらに蛇
行検出器4'を蛇行修正装置の前に設け、上記のピンチロ
ールを交差角1.0 °で点対称に交差させ、圧下力 1.0Kg
f/mm、ピンチロールの回転速度200rpmで、板厚0.7mm 、
幅1200mm、材質SPCCのコイルを通板し、蛇行修正装
置の前で故意にストリップに周期的な蛇行を与え、本発
明装置の修正能力を確認した。
【0048】蛇行量は、図3に示すように蛇行修正装置
の前で±25mmあったものが、蛇行修正装置の後には±6
mmに修正された。
【0049】〔実施例2〕図9に示す装置で、通常の操
業を行い、ピンチロールを交差角1.0 °で点対称に交差
させ、ピンチロールの回転速度を200rpmとし、基本の圧
下力を 1.0Kgf/mmとし、蛇行検出器4の出力に応じて圧
下力を、図6に示す方法で制御した。この場合の蛇行量
は±0.5mm の範囲で、サイドトリマーでの歩留りロスは
0.8 %であった。なお、サイドトリマーでのコイル処理
量は1500ton であった。
【0050】〔実施例3〕図9に示す装置で、ピンチロ
ールを交差角1.0 °で点対称に交差させ、圧下力を 1.0
Kgf/mmとし、ピンチロールの基本回転速度を200rpmと
し、蛇行検出器4の出力に応じてピンチロールの回転速
度を、図8に示す方法で制御した。この場合の蛇行量は
±0.6mm の範囲で、サイドトリマーでの歩留りロスは1.
0 %であった。なお、サイドトリマーでのコイル処理量
は2000ton であった。
【0051】〔比較例〕比較例として、図9に示す装置
でピンチロールを解放して通板した。この場合の蛇行量
は±10.5mmの範囲で、サイドトリマーでの歩留りロスは
2.5%であった。なお、サイドトリマーでのコイル処理
量は3000ton であった。
【0052】これら試験の結果から、テーパローラを交
差させたピンチロールは、蛇行修正効果を有し、蛇行量
は±25mmから±6mmと約1/4 に減少せしめることが可能
であることがわかった。さらに通常の操業条件で、左右
の圧下力の制御と上下のテーパローラの回転速度の制御
を行うと、蛇行量は±10.5mmから±0.5mm および±0.6m
m に減少した。このように蛇行の発生を防止することが
できたため、トリムロスも大幅に減少でき歩留りの向上
が得られた。
【0053】
【発明の効果】本発明のピンチロールは簡単な構造で蛇
行の修正が可能であり、現状のラインにも容易に組み込
むことができ、さらに左右の圧下力の制御と上下のテー
パローラの回転速度の制御を行うことにより、高精度の
蛇行修正が可能である。これによりストリップが安定走
行するため、耳線はずれによるライン停止のトラブルも
なく、トリム代の減少による歩留りの向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピンチロールでストリップを走行させ
たときのストリップ表面に働く速度ベクトルと摩擦力を
示す図である。
【図2】ストリップの上下面に働く速度ベクトルと摩擦
力の示す図である。
【図3】本発明のピンチロール入側と出側で測定した蛇
行量を示す図である。
【図4】相対すべりベクトルと摩擦力との関係を示す図
である。
【図5】ストリップ左右に作用する垂直面圧と幅方向摩
擦力の合力との関係を示す図である。
【図6】ピンチロール左右の圧下力を制御する方法を示
す図である。
【図7】ピンチロール上下の回転速度を変えることによ
る速度ベクトルの変化と摩擦力の変化を示す図である。
【図8】ピンチロール上下の回転速度を制御する方法を
示す図である。
【図9】本発明のピンチロールを組み込んだ蛇行修正装
置をサイドトリマーの前に設置したラインを示す図であ
る。
【図10】従来のディスプレイスメント方式の蛇行修正
装置を示す図である。
【図11】従来のステアリング方式の蛇行修正装置を示
す図である。
【符号の説明】
1.上テーパローラ 2.下テーパローラ
3.ストリップ 4、4'.蛇行検出器 5.制御装置
6.ピンチロール 7.サイドトリマー 8.テンションリール
9.左油圧ユニット 10.右油圧ユニット 11.左油圧シリンダ 1
2.右油圧シリンダ 13.上駆動モーター 14.下駆動モーター 1
5.ステアリングロール 16.旋回手段 D.蛇行修正装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 裕 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 古元 秀昭 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下一対のテーパローラをテーパ方向を逆
    向きに、かつ軸を交差させて配置したストリップの蛇行
    修正用ピンチロール。
  2. 【請求項2】上下一対のテーパローラをテーパ方向を逆
    向きに、かつ軸を交差させて配置したピンチロールがス
    トリップの走行ラインに設置され、上下のテーパローラ
    の回転速度、および/または左右の圧下力を、それぞれ
    独立に設定する機構を備えるストリップの蛇行修正装
    置。
  3. 【請求項3】上下一対のテーパローラをテーパ方向を逆
    向きに、かつ軸を交差させて配置したピンチロールをス
    トリップの走行ラインに設け、ストリップの蛇行量を検
    出し、蛇行量に応じピンチロールの回転速度、および/
    または左右の圧下力を制御することを特徴とするストリ
    ップの蛇行修正方法。
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