JP3696733B2 - 冷延薄板の圧延形状制御方法および圧延形状制御装置 - Google Patents

冷延薄板の圧延形状制御方法および圧延形状制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として厚みが1mm以下の薄板や箔(以下「薄板」という。)を圧延対象とし、特に板幅方向の張力分布を検出する形状検出センサーを備えた冷間圧延ラインにおける圧延形状制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷延薄板の圧延工程においては薄板の幅方向において伸び、張りの程度に差があり、薄板の伸びている部位は、例えばロールに巻き付く時に皺発生の原因となり、張っている部位は、大きな張力が加わることから、破断の原因となる。また、薄板の伸び、張りによる形状が幅方向に非対称であれば、張力の加わり方が幅方向でアンバランスになり、蛇行の原因にもなる。
このように、冷延薄板を取り扱うプロセスにおいては、薄板の幅方向形状を検出し、この検出値に基づいて薄板幅方向の形状が目標の形状になるように精度よく制御することが重要である。
【0003】
従来、冷延薄板の幅方向形状の検出手段としては、例えば、特開昭4−172212号公報に示すように、分割型検出ロールを用い、このロールに対する、板材の幅方向のずれ量の変化に応じて、該ロールにより検出された板材の張力を補正して板材の端部の伸び率を演算する板材の形状検出方法が知られている。
【0004】
しかし、実際には、形状の乱れ、通板ロール軸の通板方向からの微妙なずれ、板素材の表面硬度、粗度の微妙な差により、横滑り、蛇行が発生することがあり、この検出方法による検出結果に基づいた形状制御では、蛇行が発生した場合、ずれてきた方は、検出ロールへの発生荷重は大きくなり板が張ったと認識し、ずれてきた方の形状を改善させるために、ずれてきた方を延ばすことが多く、実際には、平坦で板がずれただけの場合でも、板が張ったと誤認識し、板形状を乱す原因の一つになっている。
【0005】
一方、板がずれた状態でも板形状を正確に読み取ることはできるが、冷間圧延機の形状制御のアクチュエーターに、そのままフィードバックすると、板が蛇行してオフセンターにある場合には、圧延機のロールの板幅方向において、圧下状態ではずれた方の板を大きく圧下することになり、更に形状を乱すことがある。
なお、板を機械的にセンター通板に修正する方式(板エッジのガイド機構、ステアリング機構、他)があるが、厚さが1mm以下の薄板では、板エッジのガイド機構において、板のバックリングが発生し、ガイド部分で折れ込み、板が破断するおそれがある。
また、ステアリング機構の場合には、圧延機の前後の通板ロールの数、機間長を長くし、ロール痕飛び込み疵が発生しやすく、また、既設圧延ラインへの組み込みはスペース的に難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
薄板圧延での板ずれ現象は、形状の板エッジ部分の形状変化のみならず、形状制御に有効なアクチュエーターの影響係数に大きな変化を与え、形状制御精度に大きな影響を与える。
本発明は、薄板圧延ラインで薄板の板幅方向の形状制御を行う場合に、板ずれによる板形状誤認識を防止して、形状に対する影響係数を変更することにより、形状制御精度を向上して、皺や破断、格落ちの発生を抑制できる冷延薄板の圧延形状制御方法および圧延形状制御装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、冷間圧延ラインで薄板の板幅方向の形状制御を行う場合において、薄板がオフセンターにある状態でのラテラル調整装置、クラウン調整装置、傾斜圧下機構の各アクチュエーターによる形状影響係数と、薄板がセンターにある状態での前記各アクチュエーターによる形状影響係数を予めオフラインで事前に測定しておき、圧延中に入側と出側の双方の板形状を検出するとともに、入側と出側の双方の板端位置を検出し、これら双方の板端位置に応じて、前記各アクチュエーターの形状影響係数を補正し、前記入側と出側の双方での形状検出センサーによる検出形状と目標の形状とを比較演算し、形状偏差を解消して目標の形状に近付くようにするとともに、入側の検出された板端位置に応じて検出形状を補正し、出側の検出された検出形状の補正に反映させるように、前記補正後の各アクチュエーターの形状影響係数を用いて、各アクチュエーターの作動パターンを補正することを特徴とする冷延薄板の圧延形状制御方法。
【0008】
第二の発明は、第一の発明において、形状検出センサーによる検出形状が、板端検出センサーにより補正され板幅方向のラジアル荷重分布に基づく板幅方向の相対的張力分布から求められたものであることを特徴とする冷延薄板の圧延形状制御方法。
【0009】
第三の発明は、上下のハウジングにそれぞれ配置されたワークロールと、このワークロールの背部に配置した中間ロールと、この中間ロールの背部に配置したバックアップロールからなり、少なくとも、上ハウジングの上記バックアップロールとして、板幅方向で複数分割され各分割単位でアクチュエーターを備えたバックアップロールを用いた冷間圧延機における圧延形状制御装置であって、冷間圧延機の入側と出側の双方に配置され冷延薄板を支持しながら板幅方向の張力を分布を検出する形状検出センサーと、冷間圧延機の入側と出側の双方に配置され板端位置を検出する板端検出センサーと、上ハウジングの上記バックアップロールのアクチュエーターにより中間ロールを介してワークロールに撓みを付与して板中央部やクオータ部の形状修正を行うクラウン調整装置と、冷間圧延機の作業側、駆動側でそれぞれ反対側にテーパーを付けた中間ロールを軸方向に移動させワークロールに撓みを付与するラテラル調整装置と、上ハウジングの作業側と駆動側を対称に圧下し、中間ロールを介してワークロールを傾斜させ非対称な形状を修正する傾斜圧下機構と、上記各アクチュエーターの作動パターンを制御する演算制御装置を備えたことを特徴とする冷延薄板の圧延形状制御装置で、上記第一の発明または第二の発明を実施するために用いられる圧延形状制御装置例として位置付けられるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、上下一対のワークロールと、この上下一対のワークロールの背部に配置した一段または二段の中間ロールと、この中間ロールの背部に配置された、少なくとも、上ハウジングの上記バックアップロールとして、板幅方向で複数分割され各分割単位でアクチュエーターを備えた複数のバックアップロールを用いた冷間圧延機によって、厚みが1mm以下の冷延薄板や箔を圧延する場合の圧延形状制御において適用されるものである。
【0011】
本発明の圧延形状制御においては、冷間圧延に際して、形状検出センサーと板端検出センサーを配置して、板幅方向の張力分布と板端位置を検出し、この検出結果に基づいて、事前に測定しておいた薄板がオフセンターにある状態における、クラウン調整装置、ラテラル調整装置、傾斜圧下機構の各アクチュエーターの形状影響係数と、薄板がセンターにある状態における上記各アクチュエーターの形状影響係数により、板幅方向の張力分布が目標の張力分布に近付くように、上記の各アクチュエーターの作動パターンを演算制御するものであり、板ずれ、蛇行による形状検出センサーの形状誤認識を防止して、形状制御精度を向上して、皺や破断の発生を防止するものである。
【0012】
本発明の圧延形状制御のための板形状の検出と、板端位置の検出は、圧延機の入側で行ってもよいし出側で行ってもよい。圧延機内の蛇行は、傾斜することもあるが、入出側が平行に横滑りすることが多いため、板形状の検出と板端位置の検出を圧延機の入側で行っても、出側で行っても精度面ではあまり変わらない。また、板形状の検出と板端位置の検出を、圧延機の入側と出側の双方で行い、入側と出側での検出値を併用した形状制御を行うことは、形状制御精度を更に安定させる上では最も有効であることはいうまでもない。
本発明は、蛇行が許容範囲内にある場合において適用されるものであり、蛇行が顕著で圧延続行不能な状態にある場合においては、別途、蛇行修正、ロールアウト等の処置を講じる必要がある。
【0013】
本発明で用いる上記各装置(機構)について、以下に説明する。
(1)形状検出センサーは、通板中の薄板の板幅方向の張力分布を測定するものであり、例えば荷重計または歪み計を周面に螺旋状に埋め込んだロール方式のセンサーロールで、幅方向各点の荷重または歪み分布から張力分布として検出することができる。
【0014】
この形状検出センサーは、上記の理由から圧延機の入側と出側のいずれか一方に配置することで十分な制御精度が得られるが、例えば、板形状を圧延機入側で検出して形状制御を行うようにした場合、その形状制御結果を評価し、形状制御結果が満足できない場合には、板形状を圧延機入側と出側の双方で検出して、この検出値により形状制御精度を改善する仕組みを考慮することは有効である。
【0015】
(2)板端検出センサーは、信頼性、精度の面から汎用のCCDカメラによる画像処理方式とすることが好ましい。リニアセンサー(LED、蛍光管)もあるが、投光器と受光器が必要であり、圧延油を用いた圧延ではパスラインの下部環境に問題があり、十分な検出精度が得られない。また、レーザービームによる検出センサーもあるが、板の形状と、板のずれの検出の分離が難しく、十分な検出精度が得られない。
【0016】
このことから、本発明では、CCDカメラによる画像処理方式により、板端位置を検出し、この板端位置に応じて板端検出センサーからの出力値を補正して、冷間圧延機の形状制御系の各アクチュエーターの作動パターンを制御するものである。
【0017】
この板端検出センサーは、上記の理由から圧延機の入側と出側のいずれか一方に配置することで十分な制御精度が得られるが板形状を圧延機入側で検出し、例えば、板端位置を圧延機入側で検出して形状制御を行うようにした場合、その形状制御結果を評価し、形状制御結果が満足できない場合には、板形状と板端位置を圧延機入側と出側の双方で検出して、この検出値により形状制御精度を改善する仕組みを考慮することは有効である。
【0018】
このようにした場合、入側での板端位置だけではなく、圧延後の板端位置も検出することによって、蛇行による板ずれ状況をより正確に検出することができ、蛇行修正、ロールアウト等の判断を更に向上させることもできる。また、冷間圧延機の圧延制御系でも、板端検出センサーからの出力値により、圧下量制御、板厚制御、蛇行修正制御等の制御を行うこともできる。
【0019】
(3)クラウン調整装置は、上ハウジングの複数の分割バックアップロールを他点支持するサドルの押し込み位置を変化させ、一段または二段の中間ロールを介してワークロールに撓みを与えるもので、板中央部やクオータ部などの部分的修正を行うものである。そのために、分割バックアップロールは、各分割単位でアクチュエーターを備え、このアクチュエーターによって、中間ロールを介してワークロールによる幅方向各点の圧下量を任意に制御してクラウンを制御することができる。
【0020】
(4)ラテラル調整装置は、冷間圧延機の作業側、駆動側でそれぞれ反対側にテーパーを付けた上下の中間ロールを軸方向に移動させワークロールに撓みを付与し、板端部の形状を修正するためのものである。
【0021】
(5)傾斜圧下制御装置は、上ハウジングの作業側と駆動側を対称に圧下し、中間ロールを介してワークロールを傾斜させ非対称な形状を修正するものである。
【0022】
(6)演算制御装置は、オフラインで事前に測定した、冷延薄板がオフセンターにある状態における各アクチュエーターの効果と、冷延薄板がセンターにある状態における各アクチュエーターの効果と、形状検出ロールで検出した幅方向の張力分布(荷重分布)の出力を、板端位置に応じて補正する演算を行い、板幅方向の張力分布が均一になるように、クラウン調整装置、ラテラル調整装置と、傾斜圧下機構の形状制御に寄与する各アクチュエーターの作動パターンを演算し、この演算結果を、各アクチュエーターの駆動装置に反映させ、各アクチュエーターの作動を制御するものである。
【0023】
(7)各アクチェーターの形状影響係数は、各アクチュエーター作動を制御する場合の作動量を決めるためのものであり、オフラインで予め測定して設定するものである。
【0024】
この形状影響係数は、各アクチュエーターを単位量作動させたときの形状の変化量を表すものであり、圧延ロール条件、鋼種、サイズ別、板端位置によって変化することから、予め、圧延ロール条件、鋼種、サイズ別に、板端位置別に測定してデータとして演算制御装置に格納(設定)するものである。
【0025】
上記の形状検出センサーによる板幅方向の張力分布、板端検出センサーによる板端位置に応じて、蛇行許容範囲内で、演算制御装置を介して上記各装置のアクチュエーターの動作を制御することによって、冷延薄板がセンターにある場合はもとより、蛇行により板ずれして冷延薄板がオフセンターにある場合にも、板幅方向の張力分布が目標の張力分布に近付く方向に各アクチュエーターの作動パターンを制御し、冷延薄板の形状制御精度を安定確保することができる。
なお、蛇行が許容範囲を超える場合には、それを検出して、別途、蛇行修正を行うこともできる。
【0026】
【実施例】
本発明を実施する冷延薄板の冷間圧延ラインの設備配置例について、図1〜図7に基づいて説明する。この実施例での冷間圧延ラインにおいては、図1に示すように、冷延薄板コイル1cを、アンコイラー2で巻き戻しながら冷間圧延機3で冷間圧延して、冷間圧延した冷延薄板4をコイラー5で巻き取って冷延薄板コイルとするものである。
【0027】
この例での冷間圧延機3は、4本の支柱(図示省略)によって支持された上ハウジング3oと下ハウジング3uによって構成されており、上ハウジング3oには、ワークロール6aと、このワークロールの背部に配置した一対の中間ロール7aと、この中間ロールの背部に配置され、アクチュエーター(ACサーボモーター)8を備えた3個のバックアップロール9a〜9cが配置されている。
【0028】
このバックアップロールは、図2に示すように、ここでは板幅方向で4分割された分割ロール9になっており、各分割ロール10a〜10d単位でアクチュエーター(ACサーボモーター)8を備えており、板幅方向各部位で中間ロール7aを介してワークロール6aによる板幅方向の圧下量を変化させることができ、上ハウジング3oにおいて板クラウンを調整するクラウン調整装置12を形成することができる。
【0029】
また、上記の中間ロール7aは、図3に示すように、その先端部で軸方向のテーパー7tを有するものであり、アクチュエーター(油圧モーター)11により軸方向に進退移動させワークロール6aに撓みを付与することにより、主に板端部の形状を修正するラテラル調整装置13を形成することができる。この中間ロール7aは、モーター(図示省略)により回転可能であり、ワークロール6aを回転させ薄板4を圧延することができる。
【0030】
また、図4の14a、14bは、傾斜圧下機構を示すものであり、上ハウジング3oの作業側(WS)と駆動側(DS)の圧下をライン中心起点で反転するように、ワークロール6aを傾斜させることにより、非対称な圧延形状を修正するものである。この傾斜圧下機構は、ここでは、クラッチ付き減速機15により、WS、DSで個別に作動するスクリューダウン方式を採用している。
【0031】
一方、下ハウジング3uは、図1に示すように、ワークロール6aと上下で対になるワークロール6bと、このワークロールの背部に配置した一対の中間ロール7bと、この中間ロールの背部に配置された3個のバックアップロール9d〜9fが配置されており、その内の真ん中のバックアップロール9eの背部には、アクチュエーター(油圧機構)16によってロール軸と直交方向に移動させてバックアップロール9eの上下位置を制御し、ワークロール6a、6b間の間隔を制御するウエッジ式油圧圧下機構17が配設されている。
【0032】
また、下ハウジングの中間ロール7bは、図3に示すように、上ハウジング3oの中間ロール7aのテーパー7tと軸方向で反対側のテーパー7pを有し、上ハウジング3oの中間ロール7aと協動させ、アクチュエーター(油圧モーター)11により軸方向に進退移動{作業側(WS)−駆動側(DS)}させ、ワークロール6aに撓みを付与することにより、主に板端部の形状を修正するラテラル調整装置13を形成することができる。
中間ロール7bは、モーター(図示省略)により回転してワークロール6b、上記上ハウジング3oの中間ロール7aと協動させて回転させ薄板を圧延することができる。
【0033】
なお、図1中の18は支持ロール偏心装置であり、下ハウジング3u内のバックアップロール9f(9e、9d)を、アクチュエーター(油圧モーター)19により偏心させ、板幅に応じた凸クラウンまたは凹クラウンを与えることもできる。
【0034】
上記のように構成した本発明による圧延形状制御装置においては、冷間圧延機3の入側と出側に形状検出センサー20a、20bと、板端検出センサー21a、21bを配置し、該形状検出センサーによる板幅方向のラジアル荷重分布から張力分布を検出し、板端検出センサー20a、20bによる板端位置に応じて、演算制御装置(図示省略)を介して上記各装置(機構)の各アクチュエーターによる形状影響係数を補正して、このアクチュエーターを制御することによって、冷延薄板4がセンターにある場合はもとより、蛇行により板ずれして冷延薄板4がオフセンターにある場合にも、冷延薄板4の形状制御精度を安定確保することができる。
【0035】
ここで用いている上記形状検出センサー20a、20bは、図5に示すように、周面に多数の荷重センサー22を螺旋状に埋め込んだロールであり、張力付与状態での板幅方向の各点のラジアル荷重wを検出する荷重計23、増幅器24、送信部25を備えたものであり、信号処理装置(図示省略)して板幅方向の各点でのラジアル荷重wから演算により板幅方向の張力分布を検出することができる。
【0036】
この荷重センサー22は、図6に示すように、外周面がロールの外周面に一致するように埋め込まれたキャップ部26と、荷重検知部27と、この荷重検知部からの板幅方向の荷重信号送信部28から構成されたものである。ここで荷重センサー22を螺旋状に埋め込むのは、板幅方向の各点でラジアル荷重wを偏りなく検出可能にするためである。
【0037】
形状検出センサーとしては、図7に示すように、外周付近の内側に外周面に作用する冷延薄板4の張力(押圧力)を検出する荷重センサー29を内設した複数個のディスク30を積層しタイロッド31で一体的に固着し、これを回転軸32を中心に回転自在に構成した、ロール軸方向に分割したディスクタイプのセンサーロール33を用いることもできる。
【0038】
板端検出センサー21a、21bは、CCDカメラによる画像処理方式のものであり、板端位置の検出部(図示省略)、画像処理部(図示省略)、送信部(図示省略)により形成されたものであり、板端位置を検出して蛇行による板ずれを検出することができる。
【0039】
本発明では、板形状検出センサー20a、20bで板幅方向の張力分布を検出して、この検出結果に基づいて板幅方向の張力分布が均一になるように、各アクチュエーターを制御するが、この場合に板端検出センサー21a、21bにより、板端位置を検出し、板端位置に応じて前記各アクチュエーターによる形状影響係数を補正して、各アクチュエーター作動パターンを制御するものである。
【0040】
板が常にセンターにある場合には、板端位置の変化がないことになるので、形状制御系の前記各アクチュエーターの作動パターンを一定条件に設定すればよいが、蛇行により板ずれを起し、板がオフセンターになる場合が多いことから、板端位置に応じて各アクチュエーターによる形状影響係数を補正し、目標の形状に近付くように、各アクチュエーターの作動パターンを制御して、形状制御精度を向上させることができる。このことは、各アクチュエーターによる形状影響係数は、板端位置によって変化するとの知見に基づいている。
【0041】
図8は、板端位置とラテラル調整による形状影響係数を示すもので、板端の位置によって、形状影響係数が変化することを示しており、板幅方向の張力分布を制御する場合、形状制御系の各アクチュエーターの作動パターンを補正する必要があることを示している。
【0042】
また、図9は、板端位置とクラウン調整による形状影響係数を示すもので、板端位置によって形状影響係数が変化することを示しており、板幅方向の張力分布を制御する場合、形状制御系の各アクチュエーターの作動パターンを補正する必要があることを示している。
【0043】
図10は、板端位置と傾斜圧下機構による形状影響係数を示すもので、板端位置によって形状影響係数が変化することを示しており、板幅方向の張力分布を制御する場合、アクチュエーター16の作動パターンを補正する必要があることを示している。図10では、板が蛇行して板エッジが中間ロールのテーパーの開始点に近付くようにずれた場合、aのように急峻に、形状に影響を与えることを示している。
【0044】
上記の演算制御装置は、予め、圧延ロール条件、鋼種別、サイズ別に、板がセンターにある場合の形状検出センサーによる板幅方向の張力分布と、この張力分布を目標の張力分布にするための前記各アクチュエーターの作動パターンおよび板がオフセンターにある場合の形状検出センサーによる板幅方向の張力分布を目標の張力分布にするための各アクチュエーターの形状影響係数を設定し、形状検出センターによる実際の冷延薄板の板幅方向の張力分布と、板端検出センサーによる板端位置に応じた形状影響係数を補正し、形状検出センサーによる検出形状を、目標の板形状と比較演算し、形状偏差を解消するための各アクチュエーターの作動パターンを演算し、各アクチュエーターの作動プログラムを制御するものである。
【0045】
この制御については、図11に概要を示す。この例は、出側の形状検出センサーと出側の板端検出センサーによる場合を示している。
出側の形状検出センサー20bで幅方向の各点でのラジアル荷重を検出し、これを相対的張力分布に変換し、出側の板端検出センサー21bによる板端位置に応じて、各アクチュエーターによる形状影響係数を補正する。検出形状と目標の形状を比較し、その形状偏差を解消して目標の形状に近付けるために必要な前記各アクチュエーターの作動パターンを設定する。
【0046】
そして、各アクチュエーターの可動範囲内で作動させる制約処理をした後、最小自乗法により各アクチュエーターの最適値処理後、上記のクラウン調整装置10、ラテラル調整装置13と、傾斜圧下機構14a、14bのアクチュエーターの制御出力を演算し、該アクチュエーターの作動プログラムを制御するものである。
【0047】
なお、ここでは図示を省略したが、例えば、クラウン調整装置12、ラテラル調整装置13と、傾斜圧下機構14a、14bの制御により、板厚変動が生じるが、この板厚総変動量を規定し、本文に記載されていない非干渉制御により、ウェッジ式油圧圧下機構17の制御量を演算し、その作動プログラムを制御して板厚を制御することも可能である。
【0048】
また、支持ロール偏心装置18での板幅に応じた凸クラウンまたは凹クラウン制御量を演算し、下ハウジング3u内のバックアップロール9f、9e、9dを、アクチュエーター(油圧モーター)19により偏心させ、その作動プログラムを制御して板幅に応じた凸クラウンまたは凹クラウンを制御することもできる。一般には、板幅に応じて固定した凹凸クラウン形状を使用している。
【0049】
なお、入側の形状検出センサー20aで幅方向のラジアル荷重wを検出し、これを相対的張力分布に変換し、板端検出センサー21aによる板端位置に応じて、検出形状を補正し、前記出側の形状検出センサー20bによる検出形状の補正に反映させることができる。
【0050】
本発明は、上記の実施例に限定されるものではない。例えば、対象の薄板としては、鋼板に限定されるものではなく、制御アクチュエーターは異なっても、鋼箔、アルミ板、アルミ箔の製造に際しても本発明を適用することができる。
本発明を構成するための、ワークロール、中間ロール、バックアップロール、形状検出センサー、板端検出センサー、クラウン調整装置、ラテラル調整装置、記載していないVCロール、ベンダー、傾斜圧下機構、ウェッジ式油圧圧下機構、支持ロール偏心装置の構造(駆動構造を含む)条件や配置条件などについては、対象の薄板の種類、サイズ、冷間圧延機の圧延条件、設備配置等に応じて、上記請求項を満足する範囲内で変更があるものである。
【0051】
【発明の効果】
本発明では、冷間圧延に際して薄板がオフセンターにある場合において、板端位置に応じて各アクチュエーターの形状影響係数を選択(補正)することができ、蛇行による板ずれがあっても、薄板の蛇行による板ずれによる板形状誤認識を防止して、形状制御精度を向上させ、皺や破断、格落ちの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷間圧延ラインの設備配置例を示す側面概念説明図。
【図2】本発明で用いるクラウン調整装置例を示す正面概念説明図。
【図3】本発明で用いるラテラル調整装置例を示す正面概念説明図。
【図4】本発明で用いる傾斜圧下機構例を示す正面概念説明図。
【図5】本発明で用いる形状検出センサーの構造例を示す正面概念説明図。
【図6】図5の形状検出センサーにおける荷重センサーの構造例を示す一部拡大断面説明図。
【図7】本発明で用いる他の形状検出センサーの構造例を示す正面概念説明図。
【図8】板端位置とラテラル調整装置のアクチュエーターによる形状影響係数との関係例を示す概念説明図。
【図9】板端位置とクラウン調整装置のアクチュエーターによる形状影響係数との関係例を示す概念説明図。
【図10】板端位置と傾斜圧下機構のアクチュエーターによる形状影響係数との関係例を示す概念説明図(WS側へチルトさせた場合)。
【図11】本発明の圧延形状制御例での処理フローを示す概念説明図。
【符号の説明】
1 鋼板コイル 2 アンコイラー
3 冷間圧延機 3o 上ハウジング
3u 下ハウジング 4 鋼板
4c 薄鋼板 5 巻取機
6a、6b ワークロール 7a、7b 中間ロール
8 アクチュエーター(ACサーボモーター)
9 分割ロール
9a〜9c、9d〜9f バックアップロール
10a〜10d 各分割ロール
11 アクチュエーター(油圧モーター)
12 クラウン調整装置 13 ラテラル調整装置
14a、14b 傾斜圧下(チルト)機構
17 ウエッジ圧下機構 18 支持ロール偏心装置
19 アクチュエーター(油圧モーター)
20a、20b 形状検出センサー
21a、21b 板端検出センサー
22 荷重センサー 23 荷重計
24 増幅器 25 送信部
26 キャップ部 27 荷重検知部
28 送信部 29 荷重センサー
30 ディスク 31 タイロッド
32 回転軸 33 形状検出センサー

Claims (3)

  1. 冷間圧延ラインで薄板の板幅方向の形状制御を行う場合において、薄板がオフセンターにある状態でのラテラル調整装置、クラウン調整装置、傾斜圧下機構の各アクチュエーターによる形状影響係数と、薄板がセンターにある状態での前記各アクチュエーターによる形状影響係数を予めオフラインで事前に測定しておき、圧延中に入側と出側の双方の板形状を検出するとともに、入側と出側の双方の板端位置を検出し、これら双方の板端位置に応じて、前記各アクチュエーターの形状影響係数を補正し、前記入側と出側の双方での形状検出センサーによる検出形状と目標の形状とを比較演算し、形状偏差を解消して目標の形状に近付くようにするとともに、入側の検出された板端位置に応じて検出形状を補正し、出側の検出された検出形状の補正に反映させるように、前記補正後の各アクチュエーターの形状影響係数を用いて、各アクチュエーターの作動パターンを補正することを特徴とする冷延薄板の圧延形状制御方法。
  2. 形状検出センサーによる検出形状が、板端検出センサーにより補正され板幅方向のラジアル荷重分布に基づく板幅方向の相対的張力分布から求められたものであることを特徴とする請求項1に記載の冷延薄板の圧延形状制御方法。
  3. 上下のハウジングにそれぞれ配置されたワークロールと、このワークロールの背部に配置した中間ロールと、この中間ロールの背部に配置したバックアップロールからなり、少なくとも、上ハウジングの上記バックアップロールとして、板幅方向で複数分割され各分割単位でアクチュエーターを備えたバックアップロールを用いた冷間圧延機における圧延形状制御装置であって、冷間圧延機の入側と出側の双方に配置され冷延薄板を支持しながら板幅方向の張力を分布を検出する形状検出センサーと、冷間圧延機の入側と出側の双方に配置され板端位置を検出する板端検出センサーと、上ハウジングの上記バックアップロールのアクチュエーターにより中間ロールを介してワークロールに撓みを付与して板中央部やクオータ部の形状修正を行うクラウン調整装置と、冷間圧延機の作業側、駆動側でそれぞれ反対側にテーパーを付けた上下の中間ロールを軸方向に移動させワークロールに撓みを付与するラテラル調整装置と、上ハウジングの作業側と駆動側を対称に圧下し、中間ロールを介してワークロールを傾斜させ非対称な形状を修正する傾斜圧下機構と、上記各アクチュエーターの作動パターンを制御する演算制御装置を備えたことを特徴とする、請求項1又は2記載の圧延形状制御方法を実施するための冷延薄板の圧延形状制御装置。
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