JPH07256327A - ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法 - Google Patents

ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法

Info

Publication number
JPH07256327A
JPH07256327A JP6049299A JP4929994A JPH07256327A JP H07256327 A JPH07256327 A JP H07256327A JP 6049299 A JP6049299 A JP 6049299A JP 4929994 A JP4929994 A JP 4929994A JP H07256327 A JPH07256327 A JP H07256327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meandering
strip
roll
rolls
pinch roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6049299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3091073B2 (ja
Inventor
Atsushi Tomizawa
淳 富澤
Yoshiyuki Kaseda
良之 綛田
Shoichi Hashimoto
正一 橋本
Hideaki Furumoto
秀昭 古元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd, Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP06049299A priority Critical patent/JP3091073B2/ja
Publication of JPH07256327A publication Critical patent/JPH07256327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3091073B2 publication Critical patent/JP3091073B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】走行中のストリップの蛇行を修正する装置とそ
の方法の提供。 【構成】表面の摩擦係数が軸方向に異なる2本のロー
ル1,2 を、上下で摩擦係数を異にするよう対向させ、か
つ軸を交差させて配置したストリップの蛇行修正用ピン
チロール。 上記のピンチロール6と、蛇行検出器4とがストリ
ップ3を挟んで設置され、上下のピンチロールの回転速
度、および/または左右の圧下力を、蛇行検出器の出力
により設定する制御装置を備えたストリップの蛇行修正
装置。 上記の蛇行修正装置をストリップの走行ラインに設
け、ストリップの蛇行量を検出し、蛇行量に応じピンチ
ロールの回転速度、および/または左右の圧下力を制御
するストリップの蛇行修正方法。 【効果】簡単な構造で蛇行の修正が可能であり、現状の
ラインにも容易に組み込むことができ、高精度の蛇行修
正が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ストリップ等が走行
中に発生する蛇行を修正するピンチロール、およびそれ
を用いた蛇行修正装置ならびに蛇行修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップ(鋼、アルミニウム、銅、プ
ラスチックなどの帯体を「ストリップ」と以下総称す
る。)を連続的に処理する走行ラインにおいて、蛇行
(横行)によりオフセンタしたストリップを走行ライン
中央に戻し、安定した通板を行う装置として蛇行修正装
置がある。この装置の一般的なものは、デスプレイスメ
ント方式やステアリング方式の蛇行修正装置である。
【0003】図9は、ステアリング方式の蛇行修正装置
を示す図であり、(a) は平面図、(b) は側面図である。
17はステアリングロール、18は旋回手段である。その修
正方法は、同図(a) および(b) に示すように、ステアリ
ングロール入側のストリップ3を含む面内において、旋
回手段18を使ってステアリングロール17を傾斜させ、ス
トリップ3を横方向に移送する。これによりストリップ
3のステアリングロール17に対する入射角γが直角でな
くなることで発生するストリップのロールに対する横移
動の効果を用いてストリップ3の蛇行を修正するもので
ある。
【0004】ステアリング方式の蛇行修正装置は、ロー
ルを支点を中心に旋回させてセンタリングし、定常的な
蛇行修正に向いており、装置が簡単になる点で優れてい
る。
【0005】しかし、ステアリングロールに対するスト
リップの進入角度が変化するため、ロール上でストリッ
プが( 横移動する) 動く。これはステアリング方式の特
徴であるが、修正に遅れが生じるため溶接点近傍などに
発生する急激な蛇行に対して、修正精度を高めることが
難しい。このため、ステアリング方式の蛇行修正装置
は、トリマーラインのような高い蛇行修正精度を必要と
する処理ラインには適用できなかった。
【0006】これに対し、ディスプレイスメント方式の
蛇行修正装置は、応答性が速く、精度の点で優れている
ので、トリマーラインの入側に用いられてきた。
【0007】ここでディスプレイスメント方式の蛇行修
正装置について説明する。
【0008】図10は、ディスプレイスメント方式の蛇行
修正装置を示す図であり、(a) は平面図、(b) は側面図
である。3はストリップ、15はガイド装置、15-1,15-2
はガイドロール、15-3は揺動フレーム、15-4はベースフ
レーム、15-5はアクチュエータ、15-6は揺動中心、4は
蛇行検出器、16-1,16-2は固定ロールである。
【0009】ディスプレイスメント方式の蛇行修正装置
は、1本ないし2本のガイドロールで構成されたガイド
装置15と、ガイド装置15の出側に設けた蛇行検出器4お
よび入側と出側に設けられた固定ロール16から構成され
る。
【0010】図10において、蛇行修正装置に入ってくる
ストリップ3は、揺動フレーム15-3に支持されたガイド
ロール15-1,15-2を、コの字状またはZ字状に周回して
蛇行検出器4を通過する。ガイドロール15-1,15-2は、
アクチュエータ15-5によって揺動中心15-6を中心とし
て、揺動フレーム15-3とともに図中の矢印の方向にベー
スフレーム15-4に対して揺動し、ストリップを横移動さ
せ、蛇行を修正する。
【0011】図11は、ディスプレイスメントガイド方式
の装置による蛇行修正の原理を示す図である。ストリッ
プ3は図中の矢印の方向に速度Vで走行しており、装置
入側でδの蛇行(オフセンタ)が生じたとすると、図10
に示す装置出側の蛇行検出器4でδ量の蛇行が検知され
る。その蛇行を打ち消すようにアクチュエータ15-5によ
って揺動フレーム15-3にθ量の揺動を行わせ、ストリッ
プの幅中心をラインセンターに戻す。揺動後のガイドロ
ール15-1,15-2の位置は、実線で示されるようになる。
これはガイドロール上でストリップの蛇行を修正するの
ではなく、装置出側で蛇行が消去されるように操作する
ためである。
【0012】このとき蛇行修正量δと修正角度(揺動角
度θ)との関係は一般的に(1) 式で表される。
【0013】δ=L×sin θ ・・・・・(1) ここでL:揺動半径 θ:揺動角度 このようなデスプレイスメント方式やステアリング方式
の蛇行修正装置は、ストリップの蛇行修正能力という点
では十分な機能を有しているが、これらの蛇行修正装置
をストリップの連続処理ライン中に設置する場合、大き
なスペースを必要とする、という問題がある。
【0014】これを解消するため本出願人は、真直なロ
ール軸に対してスリーブが所定の角度で傾斜して回転す
るロールを備えた蛇行修正装置を特開平3−151111号公
報にて提案した。また、特開平3−198907号公報には、
屈曲した軸芯に複数の軸受を設け、その軸受の外周にゴ
ムスリーブを装着した蛇行修正ロールおよびそれを用い
た装置が開示されている。さらに、特開昭62−209218号
公報には、湾曲したローラ軸に長さ方向に伸縮しできる
胴太のローラ(スリーブ)を装着し、蛇行修正のほか、
シワ発生修正又はシワ付けロールとして用いるロールが
開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】走行中のストリップに
蛇行が発生すると、ストリップ幅よりも広い範囲の走行
となり、いわゆる耳線はずれによるライン停止のトラブ
ルが発生したり、サイドトリマーラインではトリム代の
増加による歩留りが減少する、という問題がある。
【0016】上記スリーブが所定の角度で傾斜して回転
するロール、外周にゴムスリーブを装着した蛇行修正ロ
ール、および湾曲したローラ軸に長さ方向に伸縮しうる
胴太のローラ(スリーブ)を装着したロールは、軸芯と
スリーブまたはローラの間に複数個の軸受を装入しなけ
ればならず、いずれも構造が複雑になるという問題があ
る。
【0017】本発明の目的は、構造が簡単で、既存のス
トリップ処理ラインに容易に導入することができる蛇行
修正用ピンチロール、それを用いた蛇行修正装置ならび
に蛇行修正方法を提供するにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ストリッ
プの蛇行発生機構について種々研究を重ね、本発明を完
成した。
【0019】本発明の要旨は、下記に示す蛇行修正用
ピンチロール、に示す蛇行修正装置およびに示す蛇
行修正方法にある。
【0020】『表面の摩擦係数が軸方向に異なる2本
のロール1,2 を、上下で摩擦係数を異にするよう対向さ
せ、かつ軸を交差させて配置したストリップの蛇行修正
用ピンチロール。
【0021】上記のピンチロール6と、蛇行検出器
4とがストリップ3を挟み設置され、上下のピンチロー
ルの回転速度、および/または左右の圧下力を、蛇行検
出器の出力により設定する制御装置5を備えたストリッ
プの蛇行修正装置。
【0022】上記に示す蛇行修正装置をストリップ
の走行ラインに設け、ストリップの蛇行量を検出し、蛇
行量に応じピンチロールの回転速度、および/または左
右の圧下力を制御するストリップの蛇行修正方法。』
【0023】
【作用】図1は、本発明の一実施例である蛇行修正装置
に使用するピンチロールでストリップを走行させたと
き、ストリップの表面に作用する速度ベクトルと摩擦力
を示す図であり、(a) は上からみた平面図、(b) はロー
ル入側からみた断面図である。1は軸方向に対して表面
の摩擦係数が異なる(この場合は4種類)上ロール、2
は同下ロール、3はストリップである。
【0024】上下のロール1,2 は、金属製のロール、ま
たは金属軸の周りにウレタンゴムや特殊ゴム、あるいは
特殊ナイロンなどの高分子材料がライニング等で装着さ
れたものである。表面の摩擦係数を変化させるには、材
質を異にする、表面の仕上粗さを変化させる、表面に溝
加工する、異材質の微粒子を含侵させる等の方法が用い
られる。図1には材質を異にするロールを示し、摩擦係
数の異なる境界がはっきりするが、表面の仕上粗さを変
化させる場合は、摩擦係数は軸方向に連続的に変化させ
ることも可能である。
【0025】本発明の蛇行修正装置は、上下のロール1,
2 を軸方向の摩擦係数が異なるように組み合わせ、かつ
水平面内で点対称に2θの交差角で交差させたピンチロ
ール6がストリップ3を挟み、ピンチロールの出側に蛇
行検出器4が設けられた構造となっている。
【0026】ピンチロール6は、ストリップ3を挟み、
所定の回転速度で回転し、接線速度ベクトルVp は、ロ
ールの回転角速度ω、ロールの半径をRとすると(2) 式
で計算できる。
【0027】|Vp |=R・ω ・・・・・・(2) 上下のロールが水平面内で点対称に交差角(2θ)で交
差することにより、ロールの接線速度ベクトルVp の方
向とストリップの速度ベクトルVs の方向が交差角の1
/2角(θ)だけずれることになり、ストリップとロー
ル間には相対滑りベクトルVp −Vs が発生する。
【0028】図3は、本発明の蛇行修正装置を用いた場
合のピンチロールおよびストリップに作用するベクトル
および摩擦力を示す図であるが、同図に示すように走行
中のストリップの上下面の幅方向位置Xに作用する摩擦
力の幅方向成分F(X) は、第1次近似として(3) 式で表
される。
【0029】
【数1】
【0030】図1(b) に示すごとくピンチロール表面の
摩擦係数は軸方向に変化している(μ1=0.2 <μ2=0.3
<μ3=0.4 <μ4=0.5 )ので、ストリップには摩擦係数
に応じた摩擦力(Fu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fb1、F
b2、Fb3、Fb4)が働く。この摩擦力の大きさはストリ
ップの上面ではFu1<Fu2<Fu3<Fu4、下面ではFb1
>Fb2>Fb3>Fb4と変化し、しかもストリップの上下
面で摩擦力の作用方向は逆方向となる。
【0031】ストリップの幅方向に作用する上下面の摩
擦力の合力(F1 =Fu1+Fb1、F2 =Fu2+Fb2、F
3 =Fu3+Fb3、F4 =Fu4+Fb4)は、幅方向の中央
(走行ラインの中心)に向いており、さらにストリップ
の端部になるほど大きく(F1 =F4 >F2 =F3 )な
る。蛇行によりストリップがオフセンタした場合、摩擦
力の合力は(F1 <F2 <F3 <F4 )または(F1
2 >F3 >F4 )となり、オフセンタした方向とは逆
方向の摩擦力の合力が余分に作用することになり、何ら
制御を加えなくとも、常に蛇行修正を行う自己調整機能
を有している。
【0032】次に、本発明の蛇行修正装置を用いて上記
摩擦力の合力を積極的に変化させて、蛇行を修正する方
法について説明する。
【0033】I.ピンチロールの左右の圧下力を制御し
て蛇行修正を行う方法について:式(3) から明らかなよ
うに、ストリップに作用する摩擦力の幅方向成分F(X)
は、ストリップが受ける垂直面圧P(X) に比例するた
め、P(X) を変化させることによりストリップの蛇行修
正力を変化させることができる。
【0034】図4は、ストリップに作用する垂直面圧P
(X) とストリップに発生する摩擦力の合力の関係を示す
図である。ストリップが左右等しい垂直面圧を受けてい
る場合(点線で示す基準状態)には、幅方向の摩擦力の
合力(Fu+Fb)は、ピンチロールの軸方向の中央(走行
ラインの中心)で0(ゼロ)となり、左右で大きく、し
かも対称になる。しかし、右側のピンチロールの圧下力
を高め、右側のストリップに大きな垂直面圧を作用させ
た場合(実線で示すA状態)には、幅方向の摩擦力の合
力(Fu+Fb)は、ピンチロールの軸方向のほぼ中央部
(走行ラインのほぼ中心部)で0(ゼロ)となり、右側
で大きく、左側で小さくなる。ストリップを移動させる
力は、左右方向の摩擦力の合力(Fu+Fb)の積分値の差
となり、ストリップは右から左に移動する。また、左側
のピンチロールの圧下力を高めると、摩擦力の合力は一
点鎖線Bで示すように左側で大きく、右側で小さくな
り、ストリップは左から右に移動する。
【0035】したがって、ストリップが走行ラインの中
心から右に蛇行した場合、右側のピンチロールの圧下力
を大きくすれば、ストリップは右から左に移動するの
で、積極的に蛇行を修正することができる。
【0036】次に、ピンチロールの圧下力を制御する方
法について説明する。
【0037】図5は、ピンチロールの圧下力を制御する
方法の一例を示す図であるが、同図に示すようにストリ
ップ3の走行ラインからのずれ量(蛇行量)を、蛇行検
出器4で検出し、検出量を圧下力制御装置に入力し、圧
下力制御装置から左右のずれ量に応じ左右のピンチロー
ルの圧下指令が発せられ、この指令に基づき左右の油圧
ユニット9,10の圧力が変化し、左右のピンチロールの油
圧シリンダ11,12 の位置が調整される。これにより高精
度の蛇行修正が可能となる。なお、本実施例では左右の
圧下力を設定するアクチュエータとして油圧シリンダを
使用した場合を示したが、もちろん電動圧下方式などで
も良い。さらに左右のアクチュエータのうち一方を一定
とし、他方のみを制御する方式としても良い。
【0038】II. ピンチロールの回転速度を制御して蛇
行修正を行う方法について:式(3) から明らかなよう
に、ストリップに作用する幅方向の摩擦力は、ピンチロ
ールの接線速度ベクトルVp(X)に比例するので、ピンチ
ロールの上下のロールの回転速度を違えることにより、
上下の幅方向の摩擦力を変化させることができる。
【0039】図6は、ピンチロールの上下のロールの回
転速度を違えた場合の速度ベクトルおよび幅方向の摩擦
力を示す図であり、(a) は上ロールを減速した場合を示
す図、(c) は下ロールの速度ベクトルを示す図、(b) は
幅方向の摩擦力の合力の分布を示す図、(d) は摩擦力の
合力の分布を示す図である。
【0040】上下のロールの回転速度が等しい場合に
は、前述のIと同様であり、速度ベクトルと摩擦力は同
図(a) 、(b) および(c) に点線矢印で示すようになる。
摩擦力の合力(Fu+Fb)は、同図(d) に点線で示す基準
状態、即ち左右対称となり、ストリップをピンチロール
中央に保つ働きをする。
【0041】ここで上側のピンチロールの回転速度を減
速させた場合には、同図(a) に実線矢印で示すようにピ
ンチロールの接線速度ベクトルは、ベクトルVpu1 から
ベクトルVpu1'(ベクトルVpu2 からベクトルVpu2'、
ベクトルVpu3 からベクトルVpu3'、ベクトルVpu4
らベクトルVpu4')に低下するため、ストリップの上面
に作用する幅方向の摩擦力はFu1>Fu1' 、Fu2>F
u2' 、Fu3>Fu3' 、Fu4>Fu4' となる。一方、スト
リップの下面に作用する摩擦力はFb1>Fb2>Fb3>F
b4と、上ピンチロール減速前に等しい。
【0042】したがって、ストリップの上下面の幅方向
の摩擦力の合力はF1 =Fu1'+Fb1>F2 =Fu2'+Fb2
>F3 =Fu3'+Fb3>F4 =Fu4'+Fb4となり、F4
1、F2 と方向を異にする。即ち、摩擦力の合力は左
右で対称性がくずれ、同図(d) の一点鎖線(A)で示す
ようにストリップ左半分の幅方向の摩擦力の合力が大き
くなり、ストリップを左から右に移動させる力が働く。
したがって、ストリップが走行ラインの中央より左にず
れた(蛇行した)場合には、ピンチロールの上ロールの
回転速度を減速することによって、積極的に蛇行を修正
することができる。
【0043】また、下側のロールの回転速度を減速させ
た場合には、同図(d) に点線(B)で示すようにストリ
ップ右半分の幅方向の摩擦力の合力が大きくなり、スト
リップを右から左に移動させる力が働く。したがって、
ストリップが走行ラインの中央より右にずれた場合に
は、ピンチロールの下ロールの回転速度を減速すること
によって、積極的に蛇行を修正することができる。
【0044】次に、ピンチロールの回転速度を制御する
方法について説明する。
【0045】図7は、ピンチロールの上下の回転速度を
制御する方法の一例を示す図であるが、同図に示すよう
にストリップ3の走行ラインからのずれ量(蛇行量)を
蛇行検出器4で検出し、検出量をピンチロール回転速度
制御装置に入力し、回転速度制御装置から左右のずれ量
に応じて上下のロールの駆動指令が発せられる。この指
令に基づき上、下のピンチロールに連結した駆動モータ
ー13,14 の回転が制御され、ピンチロールの速度が調整
される。これにより高精度の蛇行修正が可能となる。な
お、本実施例では上下のピンチロールの回転速度に独立
に制御する場合を示したが、上下一方のピンチロールの
回転は一定として、他方のみを制御する方式としてもよ
い。
【0046】ロールを交差すると、ロールギャップが変
化し、ロール撓みをキャンセルする二次クラウンが創生
されることが知られている(例えば、塑性と加工 Vol.
28No.321 (1987) p.1067)。ピンチロールの圧下圧力の
絶対値にもよるが、垂直荷重によるロールの撓みと交差
角によるロールギャップ変更効果を考慮して、ピンチロ
ールに適当なイニシャルクラウンを付与し、幅方向に適
正な圧力分布を得るようにしても良い。
【0047】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する。
【0048】図8は、本発明の蛇行修正装置を組み込ん
だサイドトリマラインを示す図である。
【0049】6は上ロール1および下ロール2からなる
ピンチロール、3はストリップ、4は蛇行検出器、5は
制御装置、7はサイドトリマー、8はテンションリー
ル、Dは蛇行修正装置である。
【0050】蛇行修正装置Dは、表面の摩擦係数が軸方
向に異なる上下のロール1,2 を交差角1.0 °で点対称に
交差させたピンチロール6と、蛇行検出器4および制御
装置5からなり、ピンチロールの左右の圧下力および上
下のロールの回転速度を変更できるようになっている。
【0051】ピンチロールの各ロールは、直径220mm 、
バレル長さ1600mmであり、炭素鋼S45Cの軸芯の表面に摩
擦係数の異なるエステル系ウレタンゴム(μ1 =0.20、
μ2=0.30、μ3 =0.40、μ4 =0.50)を、4箇所にラ
イニングして製作した。なお、ライニング材の摩擦係数
は回転摩擦試験機で求めた。
【0052】試験は、図8に示すサイドトリマラインに
ストリップを通板し、走行中の蛇行量と両端のトリマ量
を測定した。蛇行修正能力は、蛇行の修正量とトリマー
での歩留りロスで評価した。
【0053】〔実施例1〕図8に示す装置に、さらに蛇
行検出器4'を蛇行修正装置の前に設け、ピンチロールを
交差角1.0 °で点対称に交差させ、圧下力 1.0Kgf/mm、
ピンチロールの回転速度200rpmで、板厚0.7mm 、幅1200
mm、材質SPCCのコイルを通板した。蛇行修正装置の
前で故意にストリップに周期的な蛇行を与え、本発明装
置の修正能力を確認した。
【0054】蛇行修正用ピンチロールの前後に設けた蛇
行検出器で得られた蛇行量は、図3に示すようにピンチ
ロールの前で±25mmあったものが、ピンチロールの後に
は±6mmに修正されている。
【0055】〔実施例2〕図8に示す装置で通常の操業
を行い、蛇行修正用ピンチロールを交差角1.0 °で点対
称に交差させ、ピンチロールの回転速度を200rpmとし、
基本の圧下力を 1.0Kgf/mmとし、ピンチロールの後に設
けた蛇行検出器4の出力に応じて圧下力を図5に示す方
法で変化させた。この場合の蛇行量は±0.5mm の範囲
で、サイドトリマーでの歩留りロスは0.8 %であった。
(サイドトリマーでのコイル処理量は1500ton であっ
た。) 〔実施例3〕図8に示す装置で、蛇行修正用ピンチロー
ルを交差角1.0 °で点対称に交差させ、圧下力を 1.0Kg
f/mmとし、ピンチロールの基本回転速度を200rpmとし、
ピンチロールの後に設けた蛇行検出器4の出力に応じて
ピンチロールの回転速度を図7に示す方法で変化させ
た。この場合の蛇行量は±0.6mm で、サイドトリマーで
の歩留りロスは1.0 %であった。(サイドトリマーでの
コイル処理量は2000tonであった。) 〔比較例〕比較例として、図8に示す装置でピンチロー
ルを開放して通板した。この場合の蛇行量は±10.5mm
で、スリッターでの歩留りロスは2.5 %であった。(サ
イドトリマーでのコイル処理量は3000ton であった。) これらの結果から、表面の摩擦係数が軸方向に異なるロ
ールを、上下で摩擦係数を異にするよう対向させ、かつ
軸が交差するよう配置されたピンチロールを備える蛇行
修正装置は、蛇行量を25mmから±6mmと約1/4 に減少さ
せることが可能であった。さらに、通常の操業条件でピ
ンチロールの左右の圧下力の制御と上下ロールの回転速
度の制御を行うと、蛇行量は±10.5mmから±0.5mm およ
び±0.6mm に減少した。また、蛇行防止の信頼性が得ら
れたため、トリムロスも大幅に減少でき歩留りの向上が
得られた。
【0056】
【発明の効果】本発明の蛇行修正装置は簡単な構造で蛇
行の修正が可能であり、現状のラインにも容易に組み込
むことができ、さらに左右の圧下力の制御と上下のロー
ルの回転速度の制御を行うことにより、高精度の蛇行修
正が可能である。これによりストリップが安定走行する
ため、耳線はずれによるライン停止のトラブルもなく、
トリム代の減少による歩留りの向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛇行修正装置に使用するピンチロール
でストリップを走行させたとき、ストリップ表面に働く
速度ベクトルと摩擦力を示す図である。
【図2】本発明のピンチロール入側と出側で測定した蛇
行量を示す図である。
【図3】相対すべりベクトルと摩擦力との関係を示す図
である。
【図4】ストリップ左右に作用する垂直面圧と幅方向摩
擦力の合力との関係を示す図である。
【図5】ピンチロール左右の圧下力を制御する方法を示
す図である。
【図6】ピンチロールの上下の回転速度を変えた場合の
速度ベクトルの変化と摩擦力の変化を示す図である。
【図7】ピンチロール上下の回転速度を制御する方法を
示す図である。
【図8】本発明の蛇行修正装置をサイドトリマーの前に
設置したラインを示す図である。
【図9】従来のステアリング方式の蛇行修正装置を示す
図である。
【図10】従来のディスプレイスメント方式の蛇行修正
装置を示す図である。
【図11】ステアリング方式の蛇行修正の原理を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1.上ロール 2.下ロール
3.ストリップ 4、4'.蛇行検出器 5.制御装置
6.ピンチロール 7.サイドトリマー 8.テンションリール
9.左油圧ユニット 10.右油圧ユニット 11.左油圧シリンダ 1
2.右油圧シリンダ 13.上駆動モーター 14.下駆動モーター 1
5.ガイド装置 15-1.ガイドロール 15-2.ガイドロール 15
-3.揺動フレーム 15-4.ベースフレーム 15-5.アクチュエータ 15
-6.揺動中心 16-1.固定ロール 16-2.固定ロール 1
7.ステアリングロール 18.旋回手段 D.蛇行修正装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B21B 37/00 BBK 37/68 (72)発明者 橋本 正一 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 古元 秀昭 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面の摩擦係数が軸方向に異なる2本のロ
    ールを、上下で摩擦係数を異にするよう対向させ、かつ
    軸を交差させて配置したストリップの蛇行修正用ピンチ
    ロール。
  2. 【請求項2】表面の摩擦係数が軸方向に異なる2本のロ
    ールを、上下で摩擦係数を異にするよう対向させ、かつ
    軸が交差するように配置された上下一対のピンチロール
    と、蛇行検出器とがストリップを挟んで設置され、上下
    のピンチロールの回転速度、および/または左右の圧下
    力を蛇行検出器の出力により設定する制御装置を備えた
    ストリップの蛇行修正装置。
  3. 【請求項3】表面の摩擦係数が軸方向に異なる2本のロ
    ールを、上下で摩擦係数を異にするよう対向させ、かつ
    軸が交差するよう配置された上下一対のピンチロールで
    ストリップを挟み、蛇行検出器でストリップの蛇行量を
    検出し、蛇行量に応じピンチロールの回転速度、および
    /または左右の圧下力を制御することを特徴とするスト
    リップの蛇行修正方法。
JP06049299A 1994-03-18 1994-03-18 ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法 Expired - Fee Related JP3091073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06049299A JP3091073B2 (ja) 1994-03-18 1994-03-18 ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06049299A JP3091073B2 (ja) 1994-03-18 1994-03-18 ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07256327A true JPH07256327A (ja) 1995-10-09
JP3091073B2 JP3091073B2 (ja) 2000-09-25

Family

ID=12827057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06049299A Expired - Fee Related JP3091073B2 (ja) 1994-03-18 1994-03-18 ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3091073B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006099656A1 (en) * 2005-03-21 2006-09-28 Nucor Corporation Pinch roll apparatus and method for operating the same
US7168478B2 (en) 2005-06-28 2007-01-30 Nucor Corporation Method of making thin cast strip using twin-roll caster and apparatus therefor
KR100905125B1 (ko) * 2007-12-10 2009-06-30 주식회사 포스코 스트립 캐스팅 연속 압연공정의 사행제어 방법 및 그 장치
JP2019156550A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 日鉄エンジニアリング株式会社 搬送装置及び搬送方法
KR20200064813A (ko) * 2018-11-29 2020-06-08 주식회사 포스코 위치교정장치 및 이를 포함하는 압연설비
CN113059008A (zh) * 2021-04-01 2021-07-02 张家港宏昌钢板有限公司 一种高温薄带钢夹送辊纠偏控制装置及方法
CN114101779A (zh) * 2017-03-31 2022-03-01 Jx金属株式会社 带状金属材、纵切方法及带状材的蛇行测量方法
WO2022043069A1 (de) * 2020-08-31 2022-03-03 Sms Group Gmbh Planheitsmessvorrichtung, warmwalzanlage und verfahren zum betreiben einer planheitsmessvorrichtung
CN114453439A (zh) * 2022-01-13 2022-05-10 中冶南方工程技术有限公司 一种带钢穿带纠偏方法及设备
CN114453440A (zh) * 2022-01-13 2022-05-10 中冶南方工程技术有限公司 一种带钢穿带纠偏方法及设备

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4742135B2 (ja) * 2005-03-21 2011-08-10 ニューコア・コーポレーション ピンチロール装置及びその操作方法
JP2008532776A (ja) * 2005-03-21 2008-08-21 ニューコア・コーポレーション ピンチロール装置及びその操作方法
US7631685B2 (en) 2005-03-21 2009-12-15 Nucor Corporation Pinch roll apparatus and method for operating the same
US7163047B2 (en) 2005-03-21 2007-01-16 Nucor Corporation Pinch roll apparatus and method for operating the same
KR101279807B1 (ko) * 2005-03-21 2013-06-28 누코 코포레이션 핀치 롤 장치 및 그것을 동작하기 위한 방법
WO2006099656A1 (en) * 2005-03-21 2006-09-28 Nucor Corporation Pinch roll apparatus and method for operating the same
US7168478B2 (en) 2005-06-28 2007-01-30 Nucor Corporation Method of making thin cast strip using twin-roll caster and apparatus therefor
KR100905125B1 (ko) * 2007-12-10 2009-06-30 주식회사 포스코 스트립 캐스팅 연속 압연공정의 사행제어 방법 및 그 장치
CN114101779A (zh) * 2017-03-31 2022-03-01 Jx金属株式会社 带状金属材、纵切方法及带状材的蛇行测量方法
JP2019156550A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 日鉄エンジニアリング株式会社 搬送装置及び搬送方法
KR20200064813A (ko) * 2018-11-29 2020-06-08 주식회사 포스코 위치교정장치 및 이를 포함하는 압연설비
WO2022043069A1 (de) * 2020-08-31 2022-03-03 Sms Group Gmbh Planheitsmessvorrichtung, warmwalzanlage und verfahren zum betreiben einer planheitsmessvorrichtung
CN113059008A (zh) * 2021-04-01 2021-07-02 张家港宏昌钢板有限公司 一种高温薄带钢夹送辊纠偏控制装置及方法
CN114453439A (zh) * 2022-01-13 2022-05-10 中冶南方工程技术有限公司 一种带钢穿带纠偏方法及设备
CN114453440A (zh) * 2022-01-13 2022-05-10 中冶南方工程技术有限公司 一种带钢穿带纠偏方法及设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP3091073B2 (ja) 2000-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1180402B1 (en) Apparatus for reducing tension variations in a metal strip
JP3285810B2 (ja) サイドガイド装置
JP3091073B2 (ja) ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法
US4406141A (en) Straightening apparatus for steel pipes and the like
JP3086120B2 (ja) ストリップの蛇行修正用ピンチロール、蛇行修正装置および蛇行修正方法
JP3696733B2 (ja) 冷延薄板の圧延形状制御方法および圧延形状制御装置
JP2630149B2 (ja) 薄ウエブの蛇行修正装置
JP2001205313A (ja) オンラインロール研削方法およびオンラインロール研削装置
US6257964B1 (en) Roll grinding system for a roll
JP2815216B2 (ja) サイドガイドの制御方法
US5860311A (en) Method to guide the strip between the stands in a rolling mill finishing train and relative device
JP2505585B2 (ja) スリット材巻取装置
JP5059409B2 (ja) ウェブ整列装置および方法
US4391417A (en) Uncoiler for metallic strip material
JP2590567B2 (ja) 蛇行修正装置および蛇行修正方法
JPH0871646A (ja) 連続鋼帯の蛇行矯正装置
JPH07308713A (ja) ストリップ巻き取り方法及びその装置
JP2659856B2 (ja) クロスロール圧延機のスラスト受け装置
JP2023503902A (ja) 圧延装置及び、圧延装置を用いた圧延方法
JPS6230044B2 (ja)
JP3947416B2 (ja) 金属板の圧延に於ける反り防止方法
JPS6334721Y2 (ja)
JPS60255204A (ja) 圧延機
JPH01313103A (ja) 帯状材のセンタリング装置
JPH0415365Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000711

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees