JP2019156550A - 搬送装置及び搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピンチロールを用いた板材の搬送において、板材が蛇行することを抑制すること。【解決手段】板材搬送装置100は、ピンチロール1a,1bと、圧下装置3a,3bと、ロードセル4a,4bと、位置測定装置5と、コントローラ50と、を備え、コントローラ50は、荷重作用点位置目標値を導出することと、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値を導出することと、駆動側及び作業側それぞれのピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、当該圧下位置制御量の目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を実行するように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、搬送装置及び搬送方法に関する。
板材の製造ラインにおいては、板材の面外変形を防止しながら板材を円滑に搬送すべく、上下一対のピンチロールで板材を挟圧し搬送する装置が用いられる(例えば特許文献1参照)。
特開平8−108208号公報
上述したような板材を搬送する装置においては、板材の搬送時において、板材の板幅中心位置が搬送ラインの中心からずれる(蛇行する)場合がある。最悪の場合、板材の一部が該ピンチロール胴部から咬み出し板材が損傷する事象が発生し得る。
本開示は上記実情に鑑みてなされたものであり、ピンチロールを用いた板材の搬送において、板材の板幅中心位置を板幅中心目標位置に良好に制御することを目的とする。
本発明者らは、板材の蛇行を抑制することが可能な搬送装置について鋭意研究を行った。本発明者らは、まず、ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおける荷重を測定し、荷重が大きい側に板材が蛇行しているとみなして、荷重が大きい側の圧下位置を相対的に締め込む方向の圧下位置制御を実施することにより、荷重が小さい側に板材を逃がし蛇行を改善する構成に想到するに至った。しかしながら、板材の一端部のみがピンチロールに接している場合には、荷重が大きい側の圧下位置を相対的に締め込む方向の圧下位置制御を行った場合においても、荷重が小さい側に板材を逃がすことができず(詳細は後述)、蛇行を十分に改善できない場合があった。そこで、本発明者らは、従来技術の問題点を解決し、板材の板幅中心位置を板幅中心目標位置に良好に制御しながら搬送する装置、方法を見い出すに至った。
本開示の一態様に係る搬送装置は、板材を搬送するピンチロールと、ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおいてピンチロールを圧下する圧下装置と、ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおける荷重を測定する荷重測定装置と、ピンチロールにより搬送されている板材の、板幅中心位置を測定する位置測定装置と、制御部と、を備え、制御部は、位置測定装置により測定された板幅中心位置を、予め定められた板材の板幅中心位置目標値に近づけるための、荷重作用点位置目標値を導出することと、荷重作用点位置目標値に基づき、軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値を導出することと、軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値と、荷重測定装置により測定される軸方向両端部それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、軸方向両端部それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を実行するように構成されている。
本開示に係る搬送装置では、板材の板幅中心位置が測定され、当該位置を板材の板幅中心位置目標値に近づける、荷重作用点位置目標値が導出される。そして、荷重作用点位置目標値に基づき軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値が導出され、該荷重目標値と荷重測定装置により測定される荷重現在値とに基づきピンチロール圧下位置制御量の目標値が導出され、該ピンチロール圧下位置制御量の目標値に応じてピンチロール圧下位置が制御される。このように、板材の板幅中心位置が測定され、当該位置が板材の板幅中心位置目標値となるように荷重作用点位置目標値が導出され、該荷重作用点位置目標値に基づきピンチロール圧下位置が制御されることにより、板材の位置が所望の位置に近づくようにピンチロールの圧下が行われることとなるので、板材の一端部のみがピンチロールに接する状態となることを事前に回避することができる。これにより、ピンチロールを用いた板材の搬送において、板材を板幅中心目標位置に良好に制御することができる。
制御部は、位置測定装置により測定された板幅中心位置からの離間距離が、板材の板材幅方向の長さの1/4以下となる位置を、荷重作用点位置目標値として導出してもよい。荷重作用点位置が板材の中心位置から1/4以下とされることにより、少なくとも、板材における板材幅方向の3/4がピンチロールと接触することになる。これにより、板材の一端部のみがピンチロールに接する状態を確実に回避することができ、ピンチロールを用いた板材の搬送において、板材が蛇行することを抑制することができる。
制御部は、位置測定装置により測定された板幅中心位置からの離間距離が、板材の板材幅方向の長さの1/6以下となる位置を、荷重作用点位置目標値として導出してもよい。荷重作用点位置が板材の中心位置から1/6以下とされることにより、板材における板材幅方向の全域がピンチロールと接触することになる。これにより、板材の一端部のみがピンチロールに接する状態を確実に回避することができ、ピンチロールを用いた板材の搬送において、板材が蛇行することを抑制することができる。
制御部は、位置測定装置により測定された板材の板幅中心位置と、板材の板幅中心位置目標値との差異に応じて、軸方向両端部それぞれにおける荷重の増加量目標値を導出することを更に実行するように構成されており、増加量目標値を考慮して、軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値を導出してもよい。これにより、例えば上述した制御を行った場合においても板材の板幅中心位置が板幅中心位置目標値に速やかに近づかない場合等において、荷重目標値が増えるように制御することができる。このことで、ピンチロール荷重を増大させ、より強い力で板材を板幅中心目標位置に近づけることができる。
本開示の一態様に係る搬送方法は、板材を搬送するピンチロールと、ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおいてピンチロールを圧下する圧下装置と、ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおける荷重を測定する荷重測定装置と、ピンチロールにより搬送されている板材の、板幅中心位置を測定する位置測定装置と、を備える搬送装置を用い、位置測定装置により測定された板材の板幅中心位置を、予め定められた板幅中心位置目標値に近づけるための、荷重作用点位置目標値を導出することと、荷重作用点位置目標値に基づき、軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値を導出することと、軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値と、荷重測定装置により測定される軸方向両端部それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、軸方向両端部それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を含む。
本開示によれば、ピンチロールを用いた板材の搬送において、板材の板幅中心位置を板幅中心目標位置に良好に制御することができる。
本実施形態に係る板材搬送装置の概略構成を示す模式図である。 コントローラのハードウェア構成図である。 板材搬送処理の実行手順を示すフローチャートである。 板幅全体にわたって線荷重分布が三角形状に分布する状態を示す図である。 荷重作用点位置目標値と制御性との関係に関する実験結果を示す表である。 荷重作用点位置目標値と制御性との関係に関する実験結果を示す図である。 板材の一端部のみがピンチロールと接触する状態を示す模式図である。 作業側の線荷重が駆動側よりも大きい場合の板材の変形状態を示す模式図である。 入側の板材の拘束条件を考慮した板材の変形状態を示す模式図である。 変形例に係る板材搬送装置の概略構成を示す模式図である。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[板材搬送装置]
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る板材搬送装置100(搬送装置)の概要を説明する。板材搬送装置100は、板材2の製造・処理ラインにおいて、上下一対のピンチロール1a,1bで板材2を挟持しながら所定の搬送方向に板材2を搬送する装置である。板材搬送装置100は、ピンチロール1a,1bと、圧下装置3a,3bと、ロードセル4a,4b(荷重測定装置)と、位置測定装置5と、コントローラ50(制御部)と、を備えている。
ピンチロール1a,1bは、上下から板材2を所定の圧力で挟持し、所定の搬送方向に板材2を搬送する回転体である。ピンチロール1a,1bは、例えば凸クラウン形状とされている。上側のピンチロール1aにおける軸方向の一端側(駆動側)はチョックを介して圧下装置3aに接続されており、軸方向の他端側(作業側)はチョックを介して圧下装置3bに接続されている。下側のピンチロール1bにおける駆動側はチョックを介してロードセル4aに接続されており、作業側はチョックを介してロードセル4bに接続されている。
圧下装置3a,3bは、ピンチロール1aの駆動側及び作業側(軸方向両端部)それぞれにおいてピンチロール1aを圧下する。圧下装置3aは、ピンチロール1aの駆動側を、設定されたピンチロール圧下位置で圧下する。圧下装置3bは、ピンチロール1aの作業側を、設定されたピンチロール圧下位置で圧下する。
ロードセル4a,4bは、ピンチロール1bの駆動側及び作業側それぞれにおける荷重を測定する。ロードセル4aは、ピンチロール1bの駆動側における荷重を測定する。ロードセル4bは、ピンチロール1bの作業側における荷重を測定する。ロードセル4a,4bは、駆動側及び作業側における荷重を連続的に(常時)測定し、コントローラ50に出力する。当該コントローラ50に出力された荷重値は、上述した圧下設定値の設定に用いられ、圧下装置3a,3bにフィードバックされる(詳細は後述)。
位置測定装置5は、ピンチロール1a,1bによって搬送されている板材2の、板幅中心位置clを連続的に(常時)測定する。位置測定装置5は、例えば所定の位置に固定して配置されており、検出した板端位置と既知である板材2の板幅とから、搬送されている板材2の板幅中心位置clを導出する。或いは、位置測定装置5は、板材2の板幅が既知でない場合には、板材2の板材幅方向における両端位置を測定することにより板材2の板幅中心位置clを導出してもよい。位置測定装置5は、測定した板材2の板幅中心位置clを、コントローラ50に出力する。なお、位置測定装置5による位置測定方法は限定されるものではなく、例えば、フォトマイクロセンサ、エリアセンサ、光電センサ、近接センサ、ファイバセンサ、又はレーザセンサ等の既知のセンサを用いることができる。
コントローラ50は、位置測定装置5により測定された板材2の板幅中心位置clを、予め定められた板幅中心位置目標値に近づけるための、荷重作用点位置目標値を導出することと、荷重作用点位置目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値を導出することと、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値と、ロードセル4a,4bにより測定される駆動側及び作業側それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を実行するように構成されている。
以下、コントローラ50の具体的な構成例を説明する。コントローラ50は、機能モジュールとして、荷重作用点位置導出部7と、荷重目標値導出部8と、圧下位置制御量目標値導出部9と、圧下位置制御部10とを有する。
荷重作用点位置導出部7は、位置測定装置5により測定された板材2の板幅中心位置clを、予め定められた板幅中心位置目標値に近づけるための荷重作用点位置目標値を導出する。荷重作用点位置導出部7は、板幅中心位置clを位置測定装置5から取得する。また、荷重作用点位置導出部7は、板材の板幅中心位置目標値を設定器6から取得する。設定器6には、予め、搬送時の板材2の板幅中心位置目標値が、板材目標位置として設定されている。荷重作用点位置導出部7は、板幅中心位置clと板幅中心位置目標値とを比較し、板幅中心位置clが板幅中心位置目標値に近づくように荷重作用点位置目標値を導出する(詳細は後述)。
荷重目標値導出部8は、荷重作用点位置導出部7によって導出された荷重作用点位置目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値を導出する(詳細は後述)。荷重目標値とは、ロードセル4a,4bによって測定される荷重の目標値である。
圧下位置制御量目標値導出部9は、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値と、ロードセル4a,4bにより測定される駆動側及び作業側それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出する。すなわち、圧下位置制御量目標値導出部9は、ロードセル4aにおいて測定された駆動側の荷重現在値を取得し、該荷重現在値と駆動側の荷重目標値とを比較し、ロードセル4aにおいて測定される駆動側の荷重が当該荷重目標値となるように、駆動側のピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出する。また、圧下位置制御量目標値導出部9は、ロードセル4bにおいて測定された作業側の荷重現在値を取得し、該荷重現在値と作業側の荷重目標値とを比較し、ロードセル4bにおいて測定される作業側の荷重が当該荷重目標値となるように、作業側のピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出する。
圧下位置制御部10は、圧下位置制御量目標値導出部9により導出された駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、駆動側の圧下装置3aに駆動側のピンチロール圧下位置を設定し、作業側の圧下装置3bに作業側のピンチロール圧下位置を設定する。
図2に示されるように、コントローラ50は、一つ又は複数のプロセッサ53と、メモリ54と、ストレージ55と、入出力ポート56と、入力部57とを有する回路51により構成される。入出力ポート56は、入力部57からユーザの入力に係る制御信号を受け、設定器6から板材目標位置に係る制御信号を受け、位置測定装置5から板材2の板幅中心位置clに係る制御信号を受け、ロードセル4a,4bから駆動側及び作業側それぞれの荷重に係る制御信号を受け、圧下装置3a,3bに圧下設定値に係る制御信号を出力する。入力部57は入出力ポート56に接続され、オペレータによる入力を受け付ける。入力部57は、例えば、操作スイッチ、キーボード、マウス又はタッチパネル等により構成される。入力部57は、例えば、ネットワーク回線を介して入出力ポート56に接続されていてもよい。
ストレージ55は、コントローラ50による処理を実行させるためのプログラムを記録している。ストレージ55は、コンピュータ読み取り可能であればどのようなものであってもよい。具体例として、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等が挙げられる。メモリ54は、ストレージ55からロードしたプログラム及びプロセッサ53の演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ53は、メモリ54と協働してプログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。
なお、コントローラ50のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えばコントローラ50の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
[板材搬送処理]
次に、搬送方法の一例として、コントローラ50が行う板材2の搬送処理手順を説明する。図3に示すように、コントローラ50は、ステップS1〜S4を順に実行する。なお、本説明においては、図4〜図6も参照しながら、板材2の搬送処理の詳細を説明する。
ステップS1では、荷重作用点位置導出部7が、荷重作用点位置目標値を導出する。荷重作用点位置導出部7は、位置測定装置5から取得した板幅中心位置clと設定器6から取得した板幅中心位置目標値とを比較し、板幅中心位置clが板幅中心位置目標値に近づくように荷重作用点位置目標値を導出する。以下、荷重作用点位置目標値の導出について詳細に説明する。
荷重作用点位置導出部7は、例えば、位置測定装置5により測定された板幅中心位置clからの離間距離が、板材2の板材幅方向の長さ(板幅)の1/6以下となる位置を、荷重作用点位置目標値として導出する。荷重作用点位置導出部7は、例えば、板材2の板材幅方向の長さをb、位置測定装置5により測定された板幅中心位置clを板幅方向座標でZC(作業側を正と定義)、板幅中心位置目標値をZTとして、荷重作用点位置目標値ZP Tを例えば以下の(1)式により導出する。
Figure 2019156550
ここで、δ(ZC:ZT)は−1≦δ(ZC:ZT)≦+1の範囲で、板材目標位置ZTと測定された板材2の現在値ZCに依存する制御パラメータである。δ(ZC:ZT)の最も簡明かつ調整の容易な形は、例えば以下の(2)式で示される、ZC−ZTの一次式である。
Figure 2019156550
ここで、ΔZC AはZC−ZTの許容値の絶対値であり、αは調整パラメータである。(2)式に現在値ZCを代入した結果、δ(ZC:ZT)が1を越える場合はδ(ZC:ZT)=1とし、−1より小さくなる場合はδ(ZC:ZT)=−1とする。δ(ZC:ZT)の絶対値を1以下として荷重作用点位置目標値を決め、これに基づき制御することで、荷重作用点位置が、板幅中心位置clから板幅の1/6以下となる。このことで、板幅全体をピンチロール1a,1bで挟持しつつ板幅中心位置clの制御を実施することが可能となる。この根拠について、図4を用いて詳細に説明する。
図4に示すように、板幅中心位置clが作業側WSにZCだけ寄っている場合を考える。板材目標位置をラインセンターすなわちz=0とする場合、板材2を駆動側DSに寄せるために、作業側WSのピンチロール圧下位置を駆動側DSに比べて相対的に締め込むこととなる。この場合、圧下位置左右差(駆動側DSと作業側WSの差)が過大になると、板材2の一部がピンチロール1aと非接触になる。板材2の一部がピンチロール1aと非接触になった場合には、板材2のセンタリング効果が弱まるため(詳細は後述)制御の安定のため避けることが好ましい。
図4の場合、相対的に駆動側DSのピンチロール1a,1bの間隔を開く方向に制御するので、板材2とピンチロール1a,1bとが非接触となり始める限界状態は、図4に示すように駆動側DSの板材2の端部の線荷重が零になる状態である。板材幅方向の荷重分布を直線分布と仮定すると、荷重分布は三角形状に分布し、荷重作用点位置は図4に示すように板幅中心位置cl(z=ZC)からb/6の位置となる。以上のことから、(1)式により荷重作用点位置目標値を決定することで、板材2とピンチロール1a,1bとが非接触とならない範囲で圧下位置制御を行うことができる。
更に、本発明者らは、荷重作用点位置の許容範囲の限界を調査する目的で、(1)式の右辺のb/6をより大きな値とする実験を実施した。その結果、図5に示すように、b/4まで拡大しても正常に制御できることを確認することができた。したがって、(1)式の右辺のb/6をb/4に置き換えてもよい。この場合、板材2の板材幅方向の3/4がピンチロール1a,1bと接触し、1/4がピンチロール1a,1bと接触しない状態となるが、この条件においても実質的に有効な通板制御が可能である。この根拠について、図6(a)及び図6(b)を用いて詳細に説明する。
本発明者らは、ピンチロールの直径を350mm、板幅を1500mm、ピンチロール荷重を10000kgfとし、駆動側及び作業側を均等圧下状態としてから徐々に作業側と駆動側の圧下装置を逆方向に操作した(圧下レベリングを行った)。これにより、図6(a)に示すように線荷重の左右差pdf(横軸)は徐々に大きくなり、pdf=13.33kgf/mmを境に、ピンチロールと板材は部分接触状態となり、接触範囲b0(縦軸)は板幅1500mmよりも小さくなる。なお、図6(a)中の一点鎖線は板材の全幅接触状態と部分接触状態との境界位置を示しており、破線は接触範囲が板幅の3/4となるpdfを示している。
図6(b)では、板材の非接触領域の抵抗(詳細は後述)も考慮して計算される、板材全体に生じる長手方向ひずみの左右差eps_df(縦軸)と線荷重の左右差pdf(横軸)との関係を示している。図6(b)中の一点鎖線は板材の全幅接触状態と部分接触状態との境界位置を示しており、破線は接触範囲が板幅の3/4となるpdfを示している。長手方向ひずみの左右差eps_dfと線荷重の左右差pdfとが線形関係にある場合には、圧下レベリング操作によって板材の幅方向中心位置の制御を行うことができる。長手方向ひずみ左右差eps_dfは図8に示す入側板材の傾きに比例するパラメータである(詳細は後述)。図6(b)からは、全幅接触状態の範囲では長手方向ひずみ左右差eps_dfと線荷重左右差pdfとが線形関係にあり、圧下レベリング操作によって板材の幅方向中心位置の制御を行うことができることが確認できる。更に、破線で示す接触範囲が板幅の3/4となる条件においても、長手方向ひずみ左右差eps_dfと線荷重左右差pdfとは概ね線形関係にあり、圧下レベリング操作による板材の幅方向中心位置の制御が可能であることが確認できる。一方、接触範囲が板幅の3/4を下回るまで小さくなると、図6(b)から明らかなように、長手方向ひずみ左右差eps_dfと線荷重左右差pdfとの非線形性が急激に大きくなり、制御が不安定になると考えられる。
図3に戻り、ステップS2では、荷重目標値導出部8が、荷重作用点位置導出部7によって導出された荷重作用点位置目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値P ,P を導出する。具体的には、(1)式で与えられた荷重作用点位置目標値に基づいて、ピンチロール荷重の左右差の目標値Pdf を(3)式で計算する。
Figure 2019156550

,P は、Pdf とトータル荷重P=P +P とから以下の(4)式及び(5)式で計算される。
Figure 2019156550

Figure 2019156550
ステップS3では、圧下位置制御量目標値導出部9が、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値と、ロードセル4a,4bにより測定される駆動側及び作業側それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出する。板材2の板幅を考慮したピンチロールの剛性を片側分でK、ロードセル4a,4bで測定された荷重の現在値をP,Pとし、ピンチロールの圧下位置修正量の駆動側目標値Δg 及び作業側目標値Δg は以下の(6)式及び(7)式で与えられる。
Figure 2019156550

Figure 2019156550

これらの圧下位置修正量の目標値Δg ,Δg にスケールファクターαをかけてピンチロール圧下位置制御量の目標値Δg,Δgを以下の(8)式及び(9)式で演算する.
Figure 2019156550

Figure 2019156550
ステップS4では、圧下位置制御部10が、上記(8)式に基づいて導出した駆動側ピンチロール圧下位置制御量の目標値Δgに基づき駆動側の圧下装置3aを制御すると共に、上記(9)式に基づいて導出した作業側ピンチロール圧下位置制御量の目標値Δgに基づき作業側の圧下装置3bを制御して、駆動側及び作業側それぞれのピンチロール圧下位置を制御する。このようにして圧下位置制御を行うことにより、制御の1サイクルが完結し、以後この一連の操作を繰り返すことで圧下レベリング操作による良好な通板制御が実現できる。
[本実施形態の作用効果]
従来、板材の製造・処理ラインにおいては、板材の面外変形を防止して板材を円滑に搬送するため、上下一対のピンチロールで板材を挟圧し搬送する装置が用いられる。このような装置においては、板材の板幅中心が該板材製造・処理ラインの中心から外れ、最悪の場合、板材の一部が該ピンチロール胴部から咬み出し板材が損傷する事象が発生し得る。当該事象を回避するために、例えば特許文献1には、ピンチロールのプロフィルとベンディング力の制御に加えて、作業側及び駆動側の荷重を測定して、荷重の大きい側の圧下位置を相対的に締め込む方向の圧下位置制御を実施する装置が開示されている。当該装置では、荷重を測定して荷重が大きい側の圧下位置を相対的に締め込む、すなわち、少なくとも一時的には作業側と駆動側のうち荷重が大きい側の荷重がさらに増大する方向に圧下レベリングを実施する。
特許文献1に開示されたような装置では、以下の問題が発生することが考えられる。
第1には、ピンチロール荷重が比較的小さい場合、ピンチロール間隙と板材の板厚分布との不適合により、板端部のみがピンチロールと接触している状態になることがある。この場合、上述した特許文献1の圧下レベリングを実施すると、ピンチロール間隙と板厚分布の不適合が拡大するばかりであり、通板位置の改善には繋がらない。このことは次のように理解することができる。
特許文献1に開示されている圧下レベリングのように、荷重が大きい側の圧下位置を絞め込むのは、例えば作業側の荷重が大きい場合に板材が作業側に寄っていると考え、作業側の圧下装置を絞め込むことで作業側の荷重をさらに増大させ、板材が作業側から駆動側に逃げて行くことを意図しているものである。これは、作業側の圧下位置を絞め込むことでピンチロールから板材に作用する荷重のベクトルが駆動側に傾き、駆動側に向かって作用する板幅方向分力を生ずることを期待しているのである。しかしながら、例えば圧下支点間距離2000mm程度のピンチロールであっても左右の圧下位置偏差は大きくても1mm程度であり、この程度のピンチロールの傾きで生ずる板幅方向分力は鉛直方向力の1/2000=0.0005程度である。これに対して、板材とピンチロールとの摩擦係数は無潤滑では0.3前後、潤滑油を加えた場合でも0.01程度あるため、上記の板幅方向分力で摩擦力に打ち勝って板材が板幅方向に動くことは考えにくい。
第2には、ピンチロール間隙と板材の板厚分布との不適合がある場合、板材の蛇行方向(横振れ方向)とは逆方向の荷重が大きくなることがある。例えば、図7に示すように,板材2の板厚が駆動側DSに比べて作業側WSが大きくなっている場合、板材2は駆動側DSに寄っているにも関わらず、板材2の上下面ともピンチロール1a,1bと接触しているのは作業側WSの端部のみという状態になることがある。この場合、荷重は駆動側DSより作業側WSの方が大きくなる。したがって、特許文献1に開示された制御技術、すなわち荷重が大きい側を締め込む圧下レベリングを行った場合には、蛇行を助長する方向すなわち駆動側DSに向かう板幅方向分力を生じることとなり、通板の安定化とは逆行する制御を行うこととなる。
本発明者らは、上述した問題に着目し、ピンチロールの圧下レベリングによる通板位置制御について検討を重ねた結果、以下の(A)〜(C)の知見を得た。
(A)ピンチロールの圧下レベリングによって板材の幅方向位置を制御できるのは、圧下レベリングの結果、ピンチロールから板材に作用する単位幅あたりの荷重、すなわち線荷重が板幅方向に分布し、板材の弾性伸びに左右差(作業側と駆動側の差異)を生じ、ピンチロールの回転に伴って、この弾性伸びの左右差が蓄積し、入側の板材が線荷重の小さい側に傾き、この結果、ピンチロールの回転に伴って板材が線荷重の小さい側に寄って行くというメカニズムに基づいている。図8には作業側WSの線荷重が大きい場合のピンチロール1aと板材2の状態の模式図を平面図で示している。図8のように作業側WSの線荷重が大きい場合は作業側WSの弾性伸びが駆動側DSに比べて大きく、これがピンチロール1aの回転に伴って入側に蓄積し、板材2の入側は駆動側DSに傾く。そしてこのような状態の板材2をピンチロール1a,1bが咬みこんで行くことによって板材2は駆動側DSに寄って行くこととなる。
(B)図8に示したような板材2の弾性伸びの左右差による入側の傾きは、板材2の弾性伸びが板幅全体にわたって直線的に傾斜分布している場合が最も効率良く生じる。反対に、板材2とピンチロール1a,1bとが板材2の板幅の一部のみと接触している場合には、ピンチロール1a,1bと接触していない部分(非接触領域)に荷重が付加されない。当該非接触領域は、圧下による弾性伸びが生じないため、図8に示したような入側板材の傾きに対する抵抗となって圧下レベリングの効果であるセンタリング効果を薄める要因となる。
(C)ピンチロールを使用する板材の搬送装置では、ピンチロールの上流側の板材は少なくとも遠方では板幅方向に拘束されている場合がほとんどである。この場合、上流側板材は図8のように全体として駆動方向に傾くのではなく、上流側遠方の板材によって拘束されて図9に示したようにピンチロール1a,1b近傍の板材2のみが駆動側DSに傾くことになる。なお、図9にも図8と同様に作業側WSの線荷重が大きい場合の状態を平面図で例示している。図9に示したよう上流側遠方の板材2が板幅方向に拘束されている場合、上流側遠方の板材2からピンチロール1a,1b近傍の板材2にモーメント13が作用する。このモーメント13は,板材の搬送方向応力の板幅方向分布として伝達され、これを支えるのはピンチロール1a,1bと板材2の接触部である。図9の場合、当該モーメント13は、作業側WSの相対的に大きな弾性伸びを抑制する方向に作用する。そして、ピンチロール1a,1bと板材2との接触部が狭くなった場合、モーメント13によって発生する、上記接触部近傍の搬送方向応力の板幅方向分布はより急峻となり、弾性伸びの抑制効果が大きくなり、圧下レベリングによる通板位置制御効果が薄れることになる。極端な例として、図7に示したように板材2の一端部のみがピンチロール1a,1bと接触している場合、上記接触部がモーメント13を支えることは不可能となり、図9に示したような入側板材の変形を生じることはできず、圧下レベリングは通板位置制御に対して無効となってしまう。
上記知見に基づき、本発明者らは、従来技術の問題点を解決し、板材の板幅中心位置に良好に制御しながら搬送する装置、方法を見い出すに至った。
すなわち、本実施形態の板材搬送装置100は、板材2を搬送するピンチロール1a,1bと、ピンチロール1a,1bの駆動側DS及び作業側WSそれぞれにおいてピンチロール1a,1bを圧下する圧下装置3a,3bと、ピンチロール1a,1bの駆動側DS及び作業側WSそれぞれにおける荷重を測定するロードセル4a,4bと、ピンチロール1a,1bにより搬送されている板材2の、板幅中心位置を測定する位置測定装置5と、コントローラ50と、を備え、コントローラ50は、位置測定装置5により測定された板材2の板幅中心位置clを、予め定められた板材の板幅中心位置目標値に近づけるための、荷重作用点位置目標値を導出することと、荷重作用点位置目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値を導出することと、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値と、ロードセル4a,4bにより測定される駆動側及び作業側それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、駆動側及び作業側それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、駆動側及び作業側それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を実行するように構成されている。
このような板材搬送装置100では、板材2の板幅中心位置が測定され、当該位置を板材の板幅中心位置目標値に近づける、荷重作用点位置目標値が導出される。そして、荷重作用点位置目標値に基づき駆動側DS及び作業側WSそれぞれにおける荷重目標値が導出され、該荷重目標値とロードセル4a,4bにより測定される荷重現在値とに基づきピンチロール圧下位置制御量の目標値が導出され、該ピンチロール圧下位置制御量の目標値に応じてピンチロール圧下位置が制御される。このように、板材2の位置が測定され、当該位置が板材目標位置となるように荷重作用点位置目標値が導出され、該荷重作用点位置目標値に基づきピンチロール圧下位置が制御されることにより、板材2の位置が所望の位置に近づくようにピンチロール1a,1bの圧下が行われることとなるので、板材2の一端部のみがピンチロール1aに接する状態となることを事前に回避することができる。これにより、ピンチロール1a,1bを用いた板材2の搬送において、板材2の板幅中心位置を板幅中心目標位置に良好に制御することができる。
コントローラ50は、位置測定装置5により測定された板幅中心位置clからの離間距離が、板材2の板材幅方向の長さの1/4以下となる位置を、荷重作用点位置目標値として導出する。荷重作用点位置が板材の板幅中心位置clから1/4以下とされることにより、少なくとも、板材2における板材幅方向の3/4がピンチロール1a,1bと接触することになる。これにより、板材2の一端部のみがピンチロール1a,1bに接する状態を確実に回避することができ、ピンチロール1a,1bを用いた板材2の搬送において、板材2が蛇行することを抑制することができる。
コントローラ50は、位置測定装置5により測定された板幅中心位置clからの離間距離が、板材2の板材幅方向の長さの1/6以下となる位置を、荷重作用点位置目標値として導出する。荷重作用点位置が板材の板幅中心位置clから1/6以下とされることにより、板材2における板材幅方向の全域がピンチロール1a,1bと接触することになる。これにより、板材2の一端部のみがピンチロール1a,1bに接する状態を確実に回避することができ、ピンチロール1a,1bを用いた板材2の搬送において、板材2が蛇行することを抑制することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、図10に示す板材搬送装置100Aのように、荷重増加量導出部11を有するコントローラ50Aを有する搬送装置を用いてもよい。この場合、板材搬送装置100Aのコントローラ50Aは、位置測定装置5により測定された板材2の板幅中心位置と、板材の板幅中心位置目標値との差異の経時変化に応じて、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重の増加量目標値を導出することを更に実行するように構成されており、増加量目標値を考慮して、駆動側及び作業側それぞれにおける荷重目標値を導出してもよい。
図10に示す板材搬送装置100Aは、荷重増加量導出部11を有するコントローラ50Aと、設定器12とを備えている。設定器12には、板材2の板幅中心位置clの目標値である板材の板幅中心位置目標値Zからの許容誤差の絶対値ΔZ 、ピンチロール荷重P=P+Pの下限値Pと上限値P、及び評価対象時間Δtが設定されている。コントローラ50Aは、当該設定器12に設定された情報を取得する。
荷重増加量導出部11は、板材の板幅中心位置clの現在値Zと板幅中心位置目標値Zとの差異ΔZ、及び荷重作用点位置目標値Z と現在値Zとの差異Z −Zについて直近の評価時間Δtにおける平均値
Figure 2019156550

を算出し、次のように場合分けしてピンチロール荷重の調整機能を制御に組み込む。
Figure 2019156550

ピンチロール荷重P=P+Pは変更せず、そのまま制御を継続する。
Figure 2019156550

Figure 2019156550

荷重作用点位置の調整余地が残っていると判断し、ピンチロール荷重は変更せず、そのまま制御を継続する。
Figure 2019156550

荷重作用点位置の調整余地が残っていないと判断し、ピンチロール荷重を現在値から上限値Pに向けて段階的に増大する。
これにより、例えば上述した制御を行った場合においても板材2の板幅中心位置が板材中心位置目標値に十分に近づかない場合等において、荷重目標値が増えるように制御することができる。このことで、ピンチロール1aの荷重を増大させ、より強い力で板材2を板材の板幅中心位置目標値に近づけることができる。以上のように、制御実績の評価によってピンチロール荷重を増大する機能を付与することによってさらにロバストな通板制御が実現できる。
1a,1b…ピンチロール、2…板材、3a,3b…圧下装置、4a,4b…ロードセル(荷重測定装置)、5…位置測定装置、50,50A…コントローラ(制御部)、100,100A…板材搬送装置、cl…板幅中心位置。

Claims (5)

  1. 板材を搬送するピンチロールと、
    前記ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおいて前記ピンチロールを圧下する圧下装置と、
    前記ピンチロールの前記軸方向両端部それぞれにおける荷重を測定する荷重測定装置と、
    前記ピンチロールにより搬送されている前記板材の、板幅中心位置を測定する位置測定装置と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記位置測定装置により測定された前記板幅中心位置を、予め定められた板材の板幅中心位置目標値に近づけるための、荷重作用点位置目標値を導出することと、
    前記荷重作用点位置目標値に基づき、前記軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値を導出することと、
    前記軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値と、前記荷重測定装置により測定される前記軸方向両端部それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、前記軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、
    前記軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、前記軸方向両端部それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を実行するように構成されている、搬送装置。
  2. 前記制御部は、前記位置測定装置により測定された前記板幅中心位置からの離間距離が、前記板材の前記板材幅方向の長さの1/4以下となる位置を、前記荷重作用点位置目標値として導出する、請求項1記載の搬送装置。
  3. 前記制御部は、前記位置測定装置により測定された前記板幅中心位置からの離間距離が、前記板材の前記板材幅方向の長さの1/6以下となる位置を、前記荷重作用点位置目標値として導出する、請求項1記載の搬送装置。
  4. 前記制御部は、
    前記位置測定装置により測定された前記板材の前記板幅中心位置と、前記板材の前記板幅中心位置目標値との差異に応じて、前記軸方向両端部それぞれにおける荷重の増加量目標値を導出することを更に実行するように構成されており、
    前記増加量目標値を考慮して、前記軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値を導出する、請求項1〜3のいずれか一項記載の搬送装置。
  5. 板材を搬送するピンチロールと、前記ピンチロールの軸方向両端部それぞれにおいて前記ピンチロールを圧下する圧下装置と、前記ピンチロールの前記軸方向両端部それぞれにおける荷重を測定する荷重測定装置と、前記ピンチロールにより搬送されている前記板材の、板幅中心位置を測定する位置測定装置と、を備える搬送装置を用い、
    前記位置測定装置により測定された前記板幅中心位置を、予め定められた板材の板幅中心位置目標値に近づけるための、荷重作用点位置目標値を導出することと、
    前記荷重作用点位置目標値に基づき、前記軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値を導出することと、
    前記軸方向両端部それぞれにおける荷重目標値と、前記荷重測定装置により測定される前記軸方向両端部それぞれにおける荷重現在値と、に基づき、前記軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値を導出することと、
    前記軸方向両端部それぞれにおけるピンチロール圧下位置制御量の目標値に基づき、前記軸方向両端部それぞれのピンチロール圧下位置を制御することと、を含む搬送方法。
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