JP6777051B2 - 板クラウン制御方法、板クラウン制御装置、及び鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、板クラウン制御方法、板クラウン制御装置、及び鋼板の製造方法に関するものである。
鋼板を圧延する際に鋼板の幅方向の板厚分布f(x)(xは鋼板の幅方向位置を示す)である板クラウンを制御することは、鋼板の板厚精度のみならず、鋼板の平坦度を決定する重要な技術である。このため、従来から板クラウンを推定するモデルの開発が盛んに行われており、ワークロールの弾性変形の転写と圧延前の板クラウンの遺伝とを考慮した以下の数式(11)に示す板クラウンCrの推定式が一般的に用いられている(特許文献1〜6参照)。ここで、数式(11)において、Crはi番目の圧延パス後の板クラウン、αはワークロールの弾性変形(メカニカル板クラウン)の転写率、Crmはメカニカル板クラウン(=幅方向に均一な圧延荷重がワークロールに作用した場合のワークロールの撓み量)、βはi番目の圧延パス前の板クラウンの遺伝係数、Cri−1はi番目の圧延パス前の板クラウンを示している。
Figure 0006777051
数式(11)に示す板クラウンCrの推定式は、以下の数式(12)に示す関係が成立するという条件の下、作成されている。ここで、数式(12)において、ti−1はi番目の圧延パス前の鋼板の板厚、tはi番目の圧延パス後の鋼板の板厚を示している。この数式(11)によれば、圧延前後で板クラウン比率が変化しない場合、すなわち以下の数式(13)に示す条件が成立する場合には、以下の数式(14)に示すようにi番目の圧延パス後の板クラウンCrはメカニカル板クラウンCrmと等しくなる。
Figure 0006777051
Figure 0006777051
Figure 0006777051
特開2002−263719号公報 特許第2587174号公報 特許第2693498号公報 特許第2956934号公報 特許第3449168号公報 特許第4052462号公報
メカニカル板クラウンの定義上、上記数式(14)が成立する場合には、ワークロールには幅方向に均一な圧延荷重が作用していなければならない。しかしながら、本発明の発明者らは、実際の圧延現象では、鋼板の幅方向端部では鋼板の幅方向への塑性流動(幅流れ)によって圧延荷重が低下し、圧延荷重の幅方向分布が不均一になることを知見した。具体的には、本発明の発明者らは、幅流れを考慮しない場合及び幅流れを考慮した場合における鋼板の幅方向の圧延荷重を計算により求めた結果、図3(a)に示すように、幅流れを考慮した場合には圧延荷重の幅方向分布が不均一になることを知見した。そして、本発明の発明者らは、圧延荷重の幅方向分布が不均一になった場合、鋼板の幅方向端部での圧延荷重の低下によって板クラウンが発生することを知見した。具体的には、本発明の発明者らは、幅流れを考慮しない場合及び幅流れを考慮した場合における板クラウンを計算により求めた結果、図3(b)に示すように、幅流れを考慮した場合には板クラウンが発生することを知見した。
以上のように、本発明の発明者らは、数式(11)に示す板クラウンCrの推定式には物理的矛盾があり、数式(11)に示す板クラウンCrの推定式では板クラウンCrを精度よく推定できないことを知見した。板クラウンCrの推定精度が低い場合、幅方向の板厚分布の制御量を適切に決定することができず、所望の板クラウン及び平坦度を有する鋼板を製造することが困難になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧延後の板クラウンを精度よく推定して所望の板クラウン及び平坦度を有する鋼板を製造可能な板クラウン制御方法、板クラウン制御装置、及び鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明に係る板クラウン制御方法は、鋼板の幅方向の板厚分布である板クラウンを制御する板クラウン制御方法であって、圧延前の前記鋼板の板クラウンと、圧延時に前記圧延機のワークロールに対して板幅方向に均一な圧延荷重が作用した場合の該ワークロールの撓み量である第1の板クラウン変化量と、圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する第2の板クラウン変化量と、を用いて、前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御する制御ステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る板クラウン制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、前記鋼板を圧延している際の圧延荷重を検出し、検出された圧延荷重を用いて前記第1の板クラウン変化量と前記第2の板クラウン変化量とを算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る板クラウン制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、前記鋼板を圧延している際にロールベンダーを制御することにより前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る板クラウン制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、前記圧延機の出側において所望の板クラウンになるように後記数式(1)を用いて前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御するステップを含むことを特徴とする。
Figure 0006777051
ここで、Crは圧延後の板クラウン、αは転写率、Crmは第1の板クラウン変化量、βは遺伝係数、Cri−1は圧延前の板クラウン、ΔCrは第2の板クラウン変化量を示している。また、ΔCrは鋼板の板厚t、板幅W、変形抵抗km、及び圧下率rの関数により表される。
本発明に係る板クラウン制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、後記数式(2)を用いて前記第1の板クラウン変化量を算出するステップを含むことを特徴とする。
Figure 0006777051
ここで、Pは圧延荷重、Pはロールベンダー圧、δはワークロールシフト量、Aは圧延荷重影響係数、Bはロールベンダー圧影響係数、Cはロールプロフィル影響係数を示している。
本発明に係る板クラウン制御方法は、上記発明において、前記制御ステップを圧延前に実行することを特徴とする。
本発明に係る板クラウン制御装置は、鋼板の幅方向の板厚分布である板クラウンを制御する板クラウン制御装置であって、圧延前の前記鋼板の板クラウンと、圧延時に前記圧延機のワークロールに対して板幅方向に均一な圧延荷重が作用した場合の該ワークロールの撓み量である第1の板クラウン変化量と、圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する第2の板クラウン変化量と、を用いて、前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る鋼板の製造方法は、本発明に係る板クラウン制御方法を用いて鋼板を製造するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る板クラウン制御方法、板クラウン制御装置、及び鋼板の製造方法によれば、圧延後の板クラウンを精度よく推定して所望の板クラウン及び平坦度を有する鋼板を製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である圧延システムの構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である圧延制御処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、幅流れを考慮しない場合及び幅流れを考慮した場合における幅方向の圧延荷重及び板クラウンの計算例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である圧延システム及びその圧延制御方法について説明する。
〔圧延システムの構成〕
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である圧延システムの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である圧延システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である圧延システムは、圧延機1及び制御装置2を主な構成要素として備えている。制御装置2は、本発明に係る板クラウン制御装置として機能する。
圧延機1は、ワークロール11,12、ワークロールベンダー13,14、ワークロールシフト機構15,16、バックアップロール17,18、ロードセル19、及び板厚計20を備えている。
ワークロール11,12は、鋼板Wを搬送方向(長手方向)に搬送する搬送経路を挟んで、鋼板Wの板厚方向に対向配置されている。ワークロール11,12は、搬送経路に沿って順次搬送される鋼板Wをその板厚方向において挟み込みながら回転(自転)することにより、鋼板Wを連続的に圧延する。
ワークロールベンダー13,14は、鋼板Wの板クラウンを制御する。ワークロールベンダー13,14は、鋼板Wの板クラウンの制御を目的として、鋼板Wの板厚方向にワークロール11,12をそれぞれ曲げるロール曲げ動作を行う。ワークロールベンダー13,14は、ワークロール11,12のそれぞれに配置されている。
ワークロールベンダー13は、ワークロール11のロール軸(図示省略)を回転可能に軸支しつつ、鋼板Wの板厚方向の曲げ力をワークロール11に付与する。その際、圧延反力として鋼板Wからワークロール11に付与される曲げ力の方向(上方向)は、バックアップロール17からワークロール11に加えられる荷重の方向(下方向)とは反対の方向となる。また、ワークロール11に付与される曲げ力の大きさは、後述するベンダー圧算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧に基づいて決定される。ワークロールベンダー13の動作は、ベンダー圧算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧に基づいて、後述する制御部22によって制御される。
また、ワークロールベンダー14は、ワークロール12のロール軸(図示省略)を回転可能に軸支しつつ、鋼板Wの板厚方向の曲げ力をワークロール12に付与する。その際、圧延反力として鋼板Wからワークロール12に付与される曲げ力の方向(下方向)は、バックアップロール18からワークロール12に加えられる荷重の方向(上方向)とは反対の方向となる。また、ワークロール12に付与される曲げ力の大きさは、ベンダー圧算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧に基づいて決定される。ワークロールベンダー14の動作は、ベンダー圧算出部21によって算出されるワークロールベンダー圧の制御量に基づいて、制御部22によって制御される。
ワークロールシフト機構15,16は、鋼板Wの板クラウンを制御する。ワークロールシフト機構15は、ワークロール11をその軸方向に移動(シフト)する。ワークロールシフト機構16は、ワークロール12をその軸方向に移動する。ワークロールシフト機構15,16によるワークロール11,12の移動量は、制御部22によって制御される。
バックアップロール17,18は、一対のワークロール11,12を挟んで対向配置されている。上側のバックアップロール17は、上側のワークロール11の外周面に上方向から接触し、ワークロール11を下方向に押圧する。これにより、バックアップロール17は、鋼板Wの圧延に要する荷重をワークロール11に付与する。また、下側のバックアップロール18は、下側のワークロール12の外周面に下方向から接触し、ワークロール12を上方向に押圧する。これにより、バックアップロール18は、鋼板Wの圧延に要する荷重をワークロール12に付与する。
ロードセル19は、バックアップロール17のチョックの上に設けられており、鋼板Wに付与される圧延荷重を検出する。そして、ロードセル19は、検出した圧延荷重を制御装置2に出力する。
板厚計20は、鋼板Wの板クラウンを測定する。板厚計20は、圧延機1の出側に設置され、鋼板Wの幅方向における少なくとも2点以上の板厚を測定することにより圧延機1の出側における板クラウンを測定する。そして、板厚計20は、板クラウンの測定値を制御装置2に出力する。なお、本実施形態の説明において、以下、板クラウンとは、鋼板Wの幅方向中央部の板厚と幅方向端部の板厚(幅方向両端部の値の平均値)との差である、狭義の板クラウンを指すものとする。
制御装置2は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって実現されるものであり、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品としている。制御装置2は、ベンダー圧算出部21及び制御部22を備えている。
ベンダー圧算出部21は、鋼板Wの板クラウンを制御する際の、ワークロールベンダー13,14によるワークロールベンダー圧を算出する。ベンダー圧算出部21は、鋼板Wの圧延開始前及び/又は圧延中にワークロールベンダー圧Pを算出する。そして、ベンダー圧算出部21は、算出したワークロールベンダー圧Pを制御部22に出力する。
制御部22は、ベンダー圧算出部21から入力されるワークロールベンダー圧Pに基づいて、鋼板Wの圧延開始前及び/又は圧延中において、ワークロールベンダー13,14のワークロールベンダー圧及びワークロールシフト機構15,16のシフト量を制御する。
〔圧延制御処理〕
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態である圧延制御処理の流れについて説明する。
図2は、本発明の一実施形態である圧延制御処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、本発明の一実施形態である圧延制御処理では、まず、制御装置2が、鋼板Wの圧延開始前に、圧延後の板クラウン(目標板クラウン)Crを決定する(ステップS1)。なお、圧延後の板クラウンCrは、各圧延パスのパススケジュール計算によって得られた値であってもよいし、テーブル値であってもよい。次に、制御装置2は、入側板厚、出側板厚、変形抵抗、板幅、圧下率等の各圧延パスの圧延条件を決定する(ステップS2)。
次に、制御量算出部21が、ワークロールベンダー圧の制御量Pを決定する(ステップS3)。具体的には、制御量算出部21は、以下に示す数式(2)を数式(1)に代入することにより得られる数式をワークロールベンダー圧Pについて解くことにより得られる以下に示す数式(3)を用いて、ワークロールベンダー圧Pを算出する。なお、この際、制御量算出部21は、ワークロールシフト機構15,16によるワークロール11,12の軸方向のシフト量(ワークロールシフト量)δは仮設定してワークロールベンダー圧Pを算出する。
Figure 0006777051
ここで、Crはi番目の圧延パス後の板クラウン、αはメカニカル板クラウンの転写率、Crmは圧延時に圧延機1のワークロール11,12に対して幅方向に均一な圧延荷重が作用した場合のワークロール11,12の撓み量(メカニカル板クラウン、第1の板クラウン変化量)、βはi番目の圧延パス前の板クラウンの遺伝係数、Cri−1はi番目の圧延パス前の板クラウン、ΔCrは圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する板クラウンの変化量(第2の板クラウン変化量)を示している。また、ΔCrは鋼板の板厚t、板幅W、変形抵抗km、及び圧下率rの関数により表され、関数は板クラウンの変化量ΔCr、板厚t、板幅W、変形抵抗km、及び圧下率rの実績値を用いた回帰計算により求めることができる。
Figure 0006777051
ここで、Pは圧延荷重、Pはワークロールベンダー圧、δはワークロールシフト量、Aは圧延荷重影響係数、Bはワークロールベンダー圧影響係数、Cはロールプロフィル影響係数を示している。パラメータA,B,Cは、メカニカル板クラウンCrm、圧延荷重P、ワークロールベンダー圧P、及びワークロールシフト量δの実績値を用いた回帰計算により求めることができ、圧延条件に応じて決定される。
Figure 0006777051
なお、ステップS3の処理において、圧延機1のワークロールベンダー圧Pの設備能力内で当圧延パスの板クラウンの目標値Crが得られないと計算された場合、ベンダー圧算出部21は、計算の際に用いたワークロールシフト量δの仮設定値を変更して再度ワークロールベンダー圧Pを計算する。また、i番目の圧延パス前の板クラウンCri−1は、圧延機1の入側に板厚計20が設けられていない場合は、前パスにおける出側の板クラウンであり、予め求めた計算値が入力される。一方、圧延機1の入側に板厚計20が設けられている場合には、i番目の圧延パス前の板クラウンCri−1には、板厚計20によって測定された板クラウンの実績値(測定値)が入力される。また、圧延荷重Pには、圧延前であれば圧延荷重のセットアップ値、圧延中であればロードセル19によって検出された圧延荷重の実績値が入力される。
そして最後に、制御部23が、圧延前及び/又は圧延中において、ベンダー圧算出部21から入力されるワークロールベンダー圧Pに基づいて、ワークロールベンダー13,14のワークロールベンダー圧及びワークロールシフト機構15,16のシフト量を制御する(ステップS4)。これにより、一連の圧延制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である圧延制御処理では、制御装置2が、圧延前の鋼板Wの板クラウンと、圧延時に圧延機1のワークロール11,12に対して板幅方向に均一な圧延荷重が作用した場合のワークロール11,12の撓み量である第1の板クラウン変化量Crmと、圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する第2の板クラウン変化量ΔCrと、を用いて、鋼板Wの幅方向の板厚分布を制御する。このような構成によれば、圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する板クラウンの変化量ΔCrを考慮しているので、圧延後の板クラウンを精度よく推定して所望の板クラウン及び平坦度を有する鋼板を製造することができる。
本実施例では、本発明における板クラウンの推定精度を評価するために、同一寸法、且つ、同一変形抵抗の鋼板素材を2枚用意し、粗圧延機で同一厚まで圧延した後、仕上圧延機へ搬送し、同一の最終寸法(板厚7.88mm、板幅3220mm)である鋼板2枚を目標板クラウンを0.015mmとして圧延した。圧延後に仕上圧延機後方14m位置に設置されたγ線板厚計によって測定された幅方向中央部と幅方向端部(幅方向両端部の値の平均値)の板厚差を板クラウンとして評価した。ここで、パススケジュール計算に使用した板クラウンの推定式は上記数式(1)(実施例)及び上記数式(11)(比較例)とした。実施例及び比較例のパススケジュールをそれぞれ以下の表1,2に示す。表2に示すように、最終パスでの比較例の板クラウンの実績値は0.020mmであった。これに対して、表1に示すように、最終パスでの実施例の板クラウンの実績値(実績板クラウン)は0.014mmであり、比較例よりも目標板クラウンに近いことが確認された。以上より、上記数式(1)を用いて板クラウンを推定することにより、圧延後の板クラウンを精度よく推定して所望の板クラウン及び平坦度を有する鋼板を製造可能であることが確認された。
Figure 0006777051
Figure 0006777051
1 圧延機
11,12 ワークロール
13,14 ワークロールベンダー
15,16 バックアップロール
17 ロードセル
18 板厚計
2 制御装置
21 ベンダー圧算出部
22 制御部
W 鋼板

Claims (4)

  1. 鋼板の幅方向の板厚分布である板クラウンを制御する板クラウン制御方法であって、
    圧延前の前記鋼板の板クラウンと、圧延時に圧延機のワークロールに対して板幅方向に均一な圧延荷重が作用した場合の該ワークロールの撓み量である第1の板クラウン変化量と、圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する第2の板クラウン変化量と、を用いて、前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御する制御ステップを含み、
    前記制御ステップは、前記鋼板を圧延している際の圧延荷重を検出し、検出された圧延荷重を用いて前記第1の板クラウン変化量を算出するステップを含み、
    前記制御ステップは、前記鋼板を圧延している際にロールベンダーを制御することにより前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御するステップを含み、
    前記制御ステップは、前記圧延機の出側において所望の板クラウンになるように後記数式(1)を用いて前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御するステップを含み、
    前記制御ステップは、後記数式(2)を用いて前記第1の板クラウン変化量を算出するステップを含み、
    前記制御ステップは、ロールベンダー圧の設備能力内で所望の板クラウンが得られない場合、ワークロールシフト量の設定値を変更してロールベンダー圧を再計算するステップを含む
    ことを特徴とする板クラウン制御方法。
    Figure 0006777051
    ここで、Crは圧延後の板クラウン、αは転写率、Crmは第1の板クラウン変化量、βは遺伝係数、Cri−1は圧延前の板クラウン、ΔCrは第2の板クラウン変化量を示している。また、ΔCrは鋼板の板厚t、板幅W、変形抵抗km、及び圧下率rの関数により表される。
    Figure 0006777051
    ここで、Pは圧延荷重、Pはロールベンダー圧、δはワークロールシフト量、Aは圧延荷重影響係数、Bはロールベンダー圧影響係数、Cはロールプロフィル影響係数を示している。
  2. 前記制御ステップを圧延前に実行することを特徴とする請求項1に記載の板クラウン制御方法。
  3. 鋼板の幅方向の板厚分布である板クラウンを制御する板クラウン制御装置であって、
    圧延前の前記鋼板の板クラウンと、圧延時に圧延機のワークロールに対して板幅方向に均一な圧延荷重が作用した場合の該ワークロールの撓み量である第1の板クラウン変化量と、圧延時に板幅方向端部の圧延荷重の低下に伴って発生する第2の板クラウン変化量と、を用いて、前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記鋼板を圧延している際の圧延荷重を検出し、検出された圧延荷重を用いて前記第1の板クラウン変化量を算出し、
    前記制御手段は、前記鋼板を圧延している際にロールベンダーを制御することにより前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御し、
    前記制御手段は、前記圧延機の出側において所望の板クラウンになるように後記数式(1)を用いて前記鋼板の幅方向の板厚分布を制御し、
    前記制御手段は、後記数式(2)を用いて前記第1の板クラウン変化量を算出し、
    前記制御手段は、ロールベンダー圧の設備能力内で所望の板クラウンが得られない場合、ワークロールシフト量の設定値を変更してロールベンダー圧を再計算する
    ことを特徴とする板クラウン制御装置。
    Figure 0006777051
    ここで、Crは圧延後の板クラウン、αは転写率、Crmは第1の板クラウン変化量、βは遺伝係数、Cri−1は圧延前の板クラウン、ΔCrは第2の板クラウン変化量を示している。また、ΔCrは鋼板の板厚t、板幅W、変形抵抗km、及び圧下率rの関数により表される。
    Figure 0006777051
    ここで、Pは圧延荷重、Pはロールベンダー圧、δはワークロールシフト量、Aは圧延荷重影響係数、Bはロールベンダー圧影響係数、Cはロールプロフィル影響係数を示している。
  4. 請求項1又は2に記載の板クラウン制御方法を用いて鋼板を製造するステップを含むことを特徴とする鋼板の製造方法。
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