JP6601451B2 - 圧延機の制御方法、圧延機の制御装置、および熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

圧延機の制御方法、圧延機の制御装置、および熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延ラインにおける圧延工程に適用される圧延機の制御方法、圧延機の制御装置、および熱延鋼板の製造方法に関するものである。
一般に、熱間圧延ラインでは、加熱炉で加熱されたスラブ等の被圧延材が、粗圧延工程や仕上圧延工程など圧延工程を含む製造工程を経ることで、所定の板幅および板厚の鋼板が製造される。
粗圧延工程は、加熱された被圧延材(スラブ)に対して、粗圧延機による1回以上の圧延を実施する工程である。この粗圧延工程では、一般的に一枚の被圧延材を一つの粗圧延機により圧延することが多いが、一枚の被圧延材を複数の粗圧延機で同時に圧延するタンデム圧延を実施する場合もある。
仕上圧延工程は、粗圧延工程の次に圧延が実施される工程であり、一枚の被圧延材を複数の仕上圧延機で同時に圧延するタンデム圧延を実施し、被圧延材を製品寸法に合わせた板厚にする。この仕上圧延工程では、通板される被圧延材にキャンバーと呼ばれる幅方向への曲がりが生じていると、通板トラブルの原因になることがある。被圧延材のキャンバー量(長手方向に対する幅方向への曲がり量)が許容範囲に比べて過度に大きいと、被圧延材の先端部や尾端部が仕上圧延機に具備されたガイドに引っかかり通板(搬送)ができなくなる通板トラブルや、いわゆる「絞り込み」と呼ばれる圧延トラブルが発生する場合がある。
キャンバーには、被圧延材が長手方向全体に亘り弓なりに曲がっている場合や、長手方向の先端部および尾端部が曲がっている場合や、先端部と尾端部が逆方向に曲がっている場合がある。キャンバー量とは、先端部や尾端部における定常部に対する幅方向への曲がり量のことである。
そのキャンバーは、粗圧延工程で生じることがある。具体的には、粗圧延工程において、圧延機の左右のミル剛性差、被圧延材のオフセンター、被圧延材の幅方向温度差、被圧延材のウェッジなど様々な要因によって、被圧延材にキャンバーが発生する。
圧延機は、荷重が与えられたとき、荷重の方向へ弾性変形をする。弾性変形のしにくさを表す指標をミル剛性という。圧延機は本来、左右のミル剛性が等しくなるように設計されている。しかし、圧延機は片側にロールを駆動するためのスピンドルが付いているなど左右非対称な構造となっており、左右のミル剛性を完全に等しくすることは困難である。そのため、圧延機の左右の剛性は異なり、荷重が与えられたときに左右のロール開度に差が生じてしまう。そして、左右に開度差がある状態で圧延を実施した場合、左右で圧延方向の変形に差が生じる。これにより、被圧延材の幅方向一方端側における圧延方向への変形量が、幅方向他方端側における圧延方向への変形量よりも小さくなり、被圧延材にキャンバーが生じてしまう。
被圧延材のオフセンターとは、圧延機の幅方向中心位置と、被圧延材の幅方向中心位置の幅方向の差である。例えば、圧延機の右側へ被圧延材がオフセンターしている場合、圧延機の右側と左側とでは、右側の圧延荷重が相対的に大きくなり、右側の弾性変形が大きくなる。そのため、左右に開度差がある状態となり、左右で圧延方向の変形に差が生じる。これにより、被圧延材の幅方向一方端側における圧延方向への変形量が、幅方向他方端側における圧延方向への変形量よりも小さくなり、被圧延材にキャンバーが生じてしまう。
また、被圧延材を加熱炉で加熱したときに、幅方向に温度が一様でないことがある。幅方向に温度が一様でない被圧延材を圧延した場合、幅方向に変形抵抗が異なるため、荷重が与えられたときに左右のロール開度に差が生じる。そのため、左右にロール開度差が生じた状態で圧延することとなり、左右で圧延方向の変形に差が生じる。これにより、被圧延材の幅方向一方端側における圧延方向への変形量が、幅方向他方端側における圧延方向への変形量よりも小さくなり、被圧延材にキャンバーが生じてしまう。
被圧延材のウェッジとは、被圧延材の左右の板厚差である。被圧延材の左右の板厚差は、粗圧延よりも上流側の工程で生じることがある。その上流側の工程としては、サイジングミルによる幅圧延や、サイジングプレスによる幅圧下が挙げられる。また、加熱された被圧延材自体にウェッジが生じている場合もある。左右で板厚差がある被圧延材を圧延した場合、被圧延材の幅方向両側のうちの板厚の厚い側が板厚の薄い側に比べて圧延方向へ大きく伸ばされる。すなわち、被圧延材の幅方向両側において圧延方向への変形量に差が生じる。これにより、被圧延材にキャンバーが生じる。
このように様々な要因で発生するキャンバーに対して、キャンバー発生を抑制するための技術が種々開発されている。
例えば、特許文献1には、圧延機における左右のミル剛性差を事前に計測し、その圧延機の予測圧延荷重と左右のミル剛性差に基づいて、圧延後の被圧延材にウェッジがつかないような圧下位置へ圧延機のロール位置を修正した後に圧延を実施することが開示されている。
また、特許文献2には、粗圧延工程の最中に被圧延材のキャンバー量およびウェッジを測定し、その測定後に実施される2回の圧延で、圧延後の被圧延材にキャンバーおよびウェッジがなくなるような圧延機の左右のロール開度差を設定して圧延を実施することが開示されている。
特開平5−169120号公報 特開平4−9207号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、圧延機の左右のミル剛性を事前に計測し、圧延機で左右の開度差が出ないように圧延を実施しているものの、被圧延材にウェッジがある場合には、ウェッジの影響で圧延機の左右圧下量が異なってしまう。そのため、圧延後には被圧延材にキャンバーが発生してしまう。つまり、粗圧延工程の最終圧延パス出側で被圧延材のウェッジがなくなるように圧延が実施されると、最終圧延パスの出側の被圧延材にはキャンバーが生じてしまう。
また、特許文献2に開示された方法では、キャンバー量とウェッジを測定した後に、下流側の圧延機における左右のロール開度(レベリング量)を修正している。しかしながら、加熱炉から粗圧延工程までの間は、加熱炉から抽出直後で高温になっている被圧延材の熱や、被圧延材の表面から剥がれ落ちるスケールと呼ばれる酸化鉄の影響によって、被圧延材のウェッジを測定できない場合が多く発生する。そのため、ウェッジを測定できずに粗圧延機のレベリング量を精度よく設定できなくなり、その後の圧延によってキャンバーを増大させるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ウェッジを有する被圧延材を圧延する場合であっても、複数パスの圧延後には被圧延材のキャンバーを抑制することができる圧延機の制御方法、圧延機の制御装置、および熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、単数あるいは複数の圧延機によって複数パスの圧延を実施する熱間圧延の粗圧延工程に適用される圧延機の制御方法において、前記粗圧延工程にて前記圧延機による最初の圧延を実施する前に、当該最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材の幅方向の温度分布とに基づいて、最初の圧延パスにより被圧延材のウェッジがなくなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する第1設定ステップと、前記第1設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への最初の圧延を実施する第1圧延制御ステップと、最初の圧延を実施後、前記最初の圧延を実施する圧延機の出側に設置されたキャンバー測定装置によって、最初の圧延パス出側での前記被圧延材のキャンバー量を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定したキャンバー量と、2回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該2回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で前記被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記2回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第2設定ステップと、前記第2設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への2回目以降の圧延を実施する第2圧延制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、上記発明において、前記粗圧延工程にて3回以上の圧延を実施する場合に、2回目の圧延により前記被圧延材に与えられる予測ウェッジ量と、3回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該3回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記3回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第3設定ステップと、前記第3設定ステップが実施された場合、当該第3設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への3回目以降の圧延を実施する第3圧延制御ステップと、をさらに含むことが好ましい。
本発明に係る圧延機の制御装置は、単数あるいは複数の圧延機によって複数パスの圧延を実施する熱間圧延の粗圧延工程に適用される圧延機の制御装置において、前記粗圧延工程で最初の圧延を実施する圧延機の出側に設置され、最初の圧延パス出側での被圧延材のキャンバー量を測定するキャンバー測定装置と、前記粗圧延工程にて前記圧延機による最初の圧延が実施される前に、当該最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材の幅方向の温度分布とに基づいて、最初の圧延パスにより被圧延材のウェッジがなくなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する第1設定手段と、前記第1設定手段で設定したレベリング量で前記被圧延材への最初の圧延を実施する第1圧延制御手段と、最初の圧延を実施後、前記キャンバー測定装置によって測定されたキャンバー量と、2回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該2回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記2回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第2設定手段と、前記第2設定手段で設定したレベリング量で前記被圧延材への2回目以降の圧延を実施する第2圧延制御手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、上記発明において、前記粗圧延工程にて3回以上の圧延が実施される場合に、2回目の圧延により前記被圧延材に与えられる予測ウェッジ量と、3回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該3回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記3回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第3設定手段と、前記第3設定手段による処理が実施された場合、当該第3設定手段で設定したレベリング量で前記被圧延材への3回目以降の圧延を実施する第3圧延制御手段と、をさらに備えていることが好ましい。
本発明に係る熱延鋼板の製造方法は、単数あるいは複数の圧延機によって複数パスの圧延を実施する熱間圧延の粗圧延工程を含む熱延鋼板の製造方法において、前記粗圧延工程にて前記圧延機による最初の圧延を実施する前に、当該最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材の幅方向の温度分布とに基づいて、最初の圧延パスにより被圧延材のウェッジがなくなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する第1設定ステップと、前記第1設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への最初の圧延を実施する第1圧延制御ステップと、最初の圧延を実施後、前記最初の圧延を実施する圧延機の出側に設置されたキャンバー測定装置によって、最初の圧延パス出側での前記被圧延材のキャンバー量を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定したキャンバー量と、2回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該2回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で前記被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記2回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第2設定ステップと、前記第2設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への2回目以降の圧延を実施する第2圧延制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る熱延鋼板の製造方法は、上記発明において、前記粗圧延工程にて3回以上の圧延を実施する場合に、2回目の圧延により前記被圧延材に与えられる予測ウェッジ量と、3回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該3回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記3回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第3設定ステップと、前記第3設定ステップが実施された場合、当該第3設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への3回目以降の圧延を実施する第3圧延制御ステップと、をさらに含むことが好ましい。
本発明に係る熱延鋼板の製造方法は、上記発明において、前記粗圧延工程は、前記圧延機による最初の圧延を実施する前にサイジングプレスによる幅圧下を実施する工程を含むことが好ましい。
本発明に係る熱延鋼板の製造方法は、上記発明において、前記粗圧延工程は、前記圧延機による最初の圧延を実施する前にサイジングミルによる幅圧延を実施する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、ウェッジを有する被圧延材を圧延する場合であっても、複数パスの圧延後には被圧延材のキャンバーを抑制することができる。
図1は、実施形態における圧延機の制御装置および粗圧延工程の設備レイアウトを模式的に示す図である。 図2(a)は、実施形態で対象とする粗圧延工程の設備レイアウトの他の例を説明するための図である。図2(b)は、実施形態で対象とする粗圧延工程の設備レイアウトのさらに別の例を説明するための図である。 図3(a)は、長手方向全体が弓なりに曲がっている場合のキャンバー量を説明するための図である。図3(b)は、先端部と尾端部が同じ方向に曲がっている場合のキャンバー量を説明するための図である。図3(c)は、先端部と尾端部が異なる方向に曲がっている場合のキャンバー量を説明するための図である。 図4は、被圧延材のウェッジを説明するための図である。 図5は、実施形態における圧延機の制御方法を用いた制御フローの一例を示すフローチャートである。 図6は、実施例および比較例における粗圧延工程の設備仕様を示す図表である。 図7(a)は、一枚の鋼板が一つの圧延機で圧延されている場合の一例を示す模式図である。図7(b)は、一枚の鋼板が一つの圧延機で圧延されている場合の他の例を示す模式図である。図7(c)は、タンデム圧延が実施されている場合の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、本実施形態は、熱間圧延ラインに適用される場合を例にしている。
[1.全体構成]
図1を参照して、実施形態で対象とする熱間圧延ラインの設備を説明するとともに、実施形態における圧延機の制御装置を説明する。
[1−1.粗圧延工程]
図1に示すように、熱間圧延ライン100は、スラブ等の被圧延材Sに対して粗圧延機10による複数パスの粗圧延(複数回の圧延)を実施する粗圧延工程の設備を含む。この熱間圧延ライン100には、図示しないが、粗圧延機10よりも上流側の搬送経路に配置された加熱炉等の設備や、粗圧延機10よりも下流側に配置された仕上圧延機等の設備が含まれる。加熱炉から抽出された被圧延材Sは、粗圧延機10によって複数パスの圧延が実施される。粗圧延後の被圧延材Sは、仕上圧延機等の各種設備を通り、その後、コイラーによってコイル状に巻かれる。
粗圧延機10は、上流側から下流側に向けて、第1圧延機11、第2圧延機12、第3圧延機13、第4圧延機14、第5圧延機15の順番に配置された、全5スタンドの粗圧延機を有する。第1圧延機11は、粗圧延工程での最初の圧延(最初の圧延パス)を実施する粗圧延機である。第2圧延機12は、第1圧延機11で圧延された後の被圧延材Sに対して圧延を実施する粗圧延機である。第3圧延機13は、第2圧延機12で圧延された後の被圧延材Sに対して圧延を実施する粗圧延機である。第4圧延機14は、第3圧延機13で圧延された後の被圧延材Sに対して圧延を実施する粗圧延機である。そして、第5圧延機15は、粗圧延工程での最後の圧延(最終圧延パス)を実施する粗圧延機である。
また、第1〜第5圧延機11〜15には、それぞれに圧下装置(図示せず)が設けられている。各圧下装置は、それぞれに対応する第1〜第5圧延機11〜15のレベリング量を調整する装置である。レベリング量とは、粗圧延機10のチョック部分(図示せず)の左右の開度差である。なお、この説明では、第1〜第5圧延機11〜15を特に区別する必要がない場合には、粗圧延機10と記載する場合がある。
さらに、図1に示す熱間圧延ライン100では、第1圧延機11の上流側に、サイジングプレスやサイジングミルの設備は設けられていない。この場合、加熱炉から抽出された被圧延材Sは、サイジングプレスによる幅圧下も、サイジングミルによる幅圧延も実施されずに、粗圧延機10によって複数パスの粗圧延が実施される。すなわち、この第1圧延機11は、加熱炉から粗圧延機10まで搬送される間に幅圧下も幅圧延も実施されていない被圧延材Sに対して、粗圧延工程での最初の圧延を実施する。
また、本実施形態は、図1に示す熱間圧延ライン100に限らず、例えば図2(a)に示す熱間圧延ライン100Aや図2(b)に示す熱間圧延ライン100Bも対象とする。
図2(a)に示すように、熱間圧延ライン100Aでは、第1圧延機11よりも上流側に、サイジングプレス21が設けられている。この場合、加熱炉から抽出された被圧延材Sは、サイジングプレス21を通り、その後、粗圧延機10によって複数パスの圧延が実施される。つまり、この第1圧延機11は、サイジングプレス21による幅圧下が実施された被圧延材Sに対して、粗圧延工程での最初の圧延を実施する。
図2(b)に示すように、熱間圧延ライン100Bでは、第1圧延機11よりも上流側に、サイジングミル22が設けられている。この場合、加熱炉から抽出された被圧延材Sは、サイジングミル22を通り、その後、粗圧延機10によって複数パスの圧延が実施される。すなわち、この第1圧延機11は、サイジングミル22による幅圧延が実施された被圧延材Sに対して、粗圧延工程での最初の圧延を実施する。
なお、本実施形態の粗圧延工程では、少なくとも2回以上(複数パス)の圧延を実施する必要がある。つまり、複数パスの圧延を実施可能であれば、粗圧延機10の数は、単数あるいは複数のどちらでもよい。例えば、粗圧延機10が第1圧延機11のみの単数である場合、第1圧延機11は、リバース圧延が可能な可逆式圧延機により構成され、粗圧延工程での最初の圧延および最後の圧延を実施することが可能である。
[1−2.制御装置]
圧延機の制御装置1は、粗圧延機10のレベリング量を制御し、粗圧延工程の最終圧延パス出側での被圧延材Sのキャンバーを抑制するための制御装置である。図1に示すように、制御装置1は、キャンバー測定装置2と、演算処理部3と、制御部4とを備えている。
キャンバー測定装置2は、第1圧延機11の出側に配置され、第1圧延機11による最初の圧延が実施された被圧延材Sに対してキャンバー量を測定する。キャンバー量は、図3(a)〜(c)に示すように、被圧延材Sの先端部Saや尾端部Sbにおける定常部に対する幅方向への曲がり量である。図3(a)に示す被圧延材Sでは、長手方向全体に亘り弓なりに曲がっており、先端キャンバー量Aと尾端キャンバー量Bを有する。図3(b)に示す被圧延材Sでは、先端部Saおよび尾端部Sbが同じ方向に曲がり、同一方向の先端キャンバー量Aおよび尾端キャンバー量Bを有する。図3(c)に示す被圧延材Sでは、先端部Saと尾端部Sbが逆方向に曲がり、逆方向の先端キャンバー量Aおよび尾端キャンバー量Bを有する。そして、キャンバー測定装置2による測定値(キャンバー量)は、演算処理部3に入力される。
演算処理部3は、CPUや記憶装置を備えた演算用コンピュータなどにより構成され、キャンバー測定装置2から入力される測定値(キャンバー量)や、記憶部(図示せず)に記憶されている情報などに基づいて各種演算処理を行い、その演算結果に応じて粗圧延機10のレベリング量を制御する。この演算処理部3は、各粗圧延機10に対して個別にレベリング量を計算し、かつ設定することができる。そして、演算処理部3による演算結果は、指令信号として制御部4に入力される。
制御部4は、演算処理部3から入力される指令信号に基づいて粗圧延機10の圧下装置を制御する。圧下装置は粗圧延機10毎に設けられているため、制御部4は、演算処理部3によって粗圧延機10毎に個別に設定されたレベリング量に基づいて各粗圧延機10のレベリング量を制御することができる。
このように、制御装置1は、粗圧延機10のレベリング量を制御する際、被圧延材Sのウェッジを測定することなく、最初の圧延パス出側で測定された被圧延材Sのキャンバー量を用い、粗圧延機10のレベリング量を設定することができる。ウェッジは、図4に示すように、被圧延材Sの左右の板厚差であり、幅方向の一方端側の板厚hと他方端側の板厚hとの偏差として定義できる。そして、制御装置1は、以下に説明する圧延機の制御方法を用いて粗圧延機10のレベリング量を制御する。
[2.制御方法]
まず、実施形態における圧延機の制御方法では、例えば下記の点が考慮されている。
第1に、ウェッジが測定困難である点が考慮されている。被圧延材Sのキャンバーを正確に制御するためには、圧延前の被圧延材Sについて、ウェッジとキャンバー量とを両方とも測定し、その測定値に基づいて粗圧延機10のレベリング量を調整することが好ましい。しかしながら、上述した通り、加熱炉から粗圧延機10までの間に被圧延材Sのウェッジを測定することは困難である。そこで、この制御方法では、被圧延材Sのウェッジを測定することなく、被圧延材Sのキャンバーを抑制することができるように構成されている。
次いで、粗圧延工程での最初の圧延パス入側で、被圧延材Sが既にウェッジを有する場合が考慮されている。例えば、粗圧延工程よりも前に、サイジングプレス21による幅圧下を実施する場合や、サイジングミル22による幅圧延を実施する場合には、被圧延材Sのウェッジが大きくなる場合がある。そこで、この制御方法では、粗圧延工程での最初の圧延前に、被圧延材Sにウェッジが生じている場合であっても、複数パスの粗圧延後(最終圧延パス出側)での被圧延材Sのキャンバーを抑制することができるように構成されている。
そして、粗圧延工程での最終圧延パス出側で、被圧延材Sにキャンバーが生じていないように、ウェッジとキャンバーとの関係が考慮されている。例えば、圧延パス入側でウェッジを有する被圧延材Sに対し、ウェッジがなくなるようなレベリング量で圧延を実施した場合、圧延パス出側ではウェッジがない状態となる。言い換えれば、当該圧延後に、ウェッジはすべてキャンバーとして表れていることになる。そのため、粗圧延工程の最終圧延パスのレベリング量がウェッジをゼロにするレベリング量に設定されると、最終圧延パス入側の被圧延材Sにウェッジがある場合には、最終圧延パス出側で被圧延材Sにキャンバーが発生してしまう。
さらに、この制御方法は、上記の点を考慮しつつ、下記の知見に基づいてなされたものである。
まず、圧延機の左右のミル剛性、圧延機の予測差荷重、被圧延材Sの幅方向の偏熱に基づいて、圧延後にウェッジが0mmになるようなレベリング量を計算することができる。差荷重は、ロール軸方向の荷重差であり、例えば駆動側のチョックに付加される荷重と作業側のチョックに付加される荷重との偏差である。
次に、ウェッジを測定することなく、適切なレベリング量を計算するために必要なウェッジもキャンバー量も得ることができる。ウェッジがない状態の被圧延材Sに対してキャンバー量を測定すれば、測定後の圧延パスでは、ウェッジは0mmと仮定でき、測定値としてはキャンバー量のみを用いてレベリング量の算出および設定が可能になる。
さらに、ウェッジがなくなるレベリング量での圧延パス後、かつキャンバー量を測定後の下流側の圧延では、ウェッジを0mmとみなせるので、測定値としてはキャンバー量のみを用い、圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材Sのオフセンター量と、被圧延材Sの幅方向の予測温度分布とを用いて、各圧延パスの出側でキャンバーが0mmになるようなレベリング量を求めることができる。
予測圧延荷重は、圧延機の圧延荷重の予測値であり、被圧延材Sの圧延条件等に基づいた予測計算により求めることができる。予測差荷重は、圧延機の駆動側のチョックに付加される荷重と圧延機の作業側のチョックに付加される荷重との偏差の予測値であり、例えば被圧延材Sの圧延条件等に基づいて予測計算することにより求めることができる。予測温度分布は、圧延時での被圧延材Sの幅方向温度分布の予測値であり、熱間圧延ライン100の操業条件等に基づいて予測計算することができる。例えば、加熱炉から抽出される際の被圧延材Sの幅方向の温度分布に基づいて粗圧延時の予測温度分布を求めてもよい。あるいは、粗圧延工程の入側に設置された温度測定装置によって被圧延材Sの温度を測定し、その測定値に基づいて下流側での粗圧延時の予測温度分布を求めてもよい。
そして、粗圧延工程における最終圧延パスの出側での被圧延材Sには、その下流側の仕上圧延工程で通板トラブルが発生しない程度のウェッジを許容することができる。例えば、圧延パス入側で被圧延材Sにウェッジがなくてもキャンバーがある場合、その圧延パスでのレベリング調整によってキャンバーを修正すると当該圧延パス出側では被圧延材Sにウェッジが生じる。しかしながら、この粗圧延工程では複数回の圧延を実施するため、以降の圧延でキャンバーが0mmになるレベリング量が設定されても、粗圧延工程の終了時には、板厚に対してウェッジが十分に小さくなっている。このウェッジは、仕上圧延工程での通板に影響を及ぼさないので、粗圧延工程後の仕上圧延機での通板時に障害とはならない。そのため、キャンバー量測定後、下流側の粗圧延機のレベリング量は、圧延パス出側のキャンバー量が0mmになるように設定すればよい。
このような知見に基づいてなされた本実施形態の制御方法は、後述する図5に示す制御フローを実施する際に用いられて、熱間圧延ライン100の粗圧延工程に適用することができる。
[2−1.制御フロー]
図5は、実施形態の制御方法を用いた制御フローの一例を示すフローチャートである。ここでは、制御フローの説明に加え、熱間圧延ライン100において第1〜第5圧延機11〜15で各1回の圧延を実施する粗圧延工程に適用した場合を具体的に説明する。なお、図5に示す制御フローは、制御装置1によって実施される。
まず、粗圧延工程での最初の圧延を実施する前に、最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、最初の圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布に基づいて、ウェッジが0mmとなるレベリング量を計算し、算出したレベリング量を、最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する(ステップS1)。このステップS1により最初の圧延パスのレベリング量がウェッジを0mmにするレベリング量に設定される。
ステップS1では、下式(1)を用いて、ウェッジが0mmとなるレベリング量を計算することができる。
Figure 0006601451
上式(1)において、ΔLvはレベリング量、Pは予測圧延荷重、ΔPは予測差荷重である。Aは、最初の圧延機における左右のミル剛性によって決まる係数である。Bは、最初の圧延機における左右ミル定数、被圧延材Sの板幅、最初の圧延機のチョック間距離などの設備仕様によって決まる係数である。Cは、最初の圧延機における左右のミル剛性、被圧延材Sの板幅、最初の圧延機のチョック間距離などの設備仕様、被圧延材Sの変形抵抗、最初の圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布によって決まる係数である。
例えば、熱間圧延ライン100では、ステップS1によって、第1圧延機11の予測圧延荷重および予測荷重差と、第1圧延機11による最初の圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布とを用い、上式(1)に基づいて、レベリング量が算出される。そして、算出されたレベリング量は第1圧延機11による最初の圧延パスのレベリング量に設定される。なお、最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量の算出および設定は、加熱炉抽出から粗圧延工程での最初の圧延を実施する前までであれば、いつ行われてもよい。
ステップS1により最初の圧延パスのレベリング量がウェッジを0mmにするレベリング量に設定された後、粗圧延工程での最初の圧延を実施する(ステップS2)。このステップS2により、粗圧延工程での最初の圧延として、被圧延材Sのウェッジをなくすための圧延が実施される。
例えば、熱間圧延ライン100では、ステップS2により、ステップS1で設定された最初の圧延パスのレベリング量に基づいて、第1圧延機11による被圧延材Sへの最初の圧延が実施される。
ステップS2により粗圧延工程における最初の圧延が実施された後、最初の圧延パス出側での被圧延材Sのキャンバー量を測定する(ステップS3)。このステップS3により、最初の圧延パスによってウェッジが0mmとなっている被圧延材Sに対してキャンバー量の測定が実施される。
例えば、熱間圧延ライン100では、ステップS3により、第1圧延機11の出側で、第1圧延機11による最初の圧延が実施された被圧延材Sのキャンバー量が測定される。なお、ステップS3では、最初の圧延パス出側での被圧延材Sのキャンバー量を得られればよいので、キャンバー測定装置2の構成や測定方法は特に限定されない。そのため、キャンバー測定装置2は、被圧延材Sに対する幅方向の距離計であってもよく、被圧延材Sを撮影することができるカメラなどであってもよい。そして、ステップS3では、キャンバー測定装置2としてのカメラにより撮像された画像に基づいて最初の圧延パス出側での被圧延材Sのキャンバー量を求めてもよい。
ステップS3によりキャンバー量が測定された後、ステップS3で得られたキャンバー量と、2番目の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、2番目の圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布とに基づいて、2番目の圧延後に被圧延材Sのキャンバーが0mmとなるようなレベリング量を計算し、算出したレベリング量を、2番目の圧延を行う圧延機のレベリング量に設定する(ステップS4)。このステップS4により、粗圧延工程での2番目の圧延として、被圧延材Sのキャンバーをなくすための圧延が実施される。
ステップS4では、下式(2)を用いて、キャンバーが0mmとなるレベリング量を計算することができる。
Figure 0006601451
上式(2)において、ΔLvはレベリング量、Pは予測圧延荷重、ΔPは予測差荷重、κは測定したキャンバー量(キャンバー曲率)である。Aは、2番目の圧延機における左右のミル剛性によって決まる係数である。Bは、2番目の圧延機の左右ミル定数、被圧延材Sの板幅、2番目の圧延機のチョック間距離などの設備仕様によって決まる係数である。Cは、2番目の圧延機における左右のミル剛性、被圧延材Sの板幅、2番目の圧延機のチョック間距離などの設備仕様、被圧延材Sの変形抵抗、2番目の圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布によって決まる係数である。Dは、2番目の圧延機における左右のミル剛性、被圧延材Sの板幅、2番目の圧延機のチョック間距離などの設備仕様から決まる係数である。
例えば、熱間圧延ライン100では、ステップS4によって、第2圧延機12の予測圧延荷重および予測差荷重と、2番目の圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布とを用い、上式(2)に基づいて、レベリング量が計算される。そして、算出されたレベリング量が第2圧延機12のレベリング量に設定される。なお、2番目の圧延を実施する圧延機のレベリング量の算出および設定は、最初の圧延パス出側での被圧延材Sのキャンバー量を測定後から2番目の圧延が実施される前であれば、いつ行ってもよい。また、粗圧延機10が単数の場合には、第1圧延機11によるリバース圧延が実施されるので、2番目の圧延を実施する圧延機も第1圧延機11となる。この場合、ステップS4では、第1圧延機11による2回目の圧延パスのレベリング量を、上式(2)を用いて算出し設定することになる。
3回以上の圧延を実施する粗圧延工程の場合には、各圧延後に被圧延材Sのキャンバーが0mmとなるようなレベリング量を計算し、算出されたレベリング量を、3番目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する(ステップS5)。
具体的には、ステップS5では、2番目の圧延後に被圧延材Sに与えられる予測ウェッジ量と、3番目以降の各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、3番目以降の各圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布とに基づいて、各圧延後のキャンバーが0mmになるようなレベリング量を計算する。このステップS5では、上式(2)の右辺に予測ウェッジ量を加算した計算式を用いて、3番目以降の圧延パスのレベリング量を計算することができる。その計算式により算出されたレベリング量を、3番目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する。なお、3番目以降の圧延を実施する圧延機のレベリング量の算出および設定は、ステップS3によるキャンバーの測定が終わった時点で可能なので、キャンバー測定後から3番目の圧延を実施する前であれば、いつ行ってもよい。
例えば、熱間圧延ライン100では、ステップS5によって、第2圧延機12の圧延により付与された予測ウェッジ量と、第3〜第5圧延機13〜15の各圧延機における予測圧延荷重および予測荷重差と、第3〜第5圧延機13〜15による各圧延時における被圧延材Sの幅方向の予測温度分布とに基づいて、第3〜第5圧延機13〜15による各圧延パス後のキャンバーが0mmになるようなレベリング量を計算する。そして、算出された各圧延機についてのレベリング量が、第3〜第5圧延機13〜15の各圧延機のレベリング量に設定される。また、第3〜第5圧延機13〜15のレベリング量の計算および設定は、同じタイミングであってもよく、あるいは異なるタイミングであってもよい。一例として、ステップS5による第4〜第5圧延機14〜15のレベリング量の計算および設定は、第3圧延機13による圧延中に実施されてもよい。
そして、ステップS4やステップS5により2番目以降の圧延パスのレベリング量が設定された後、それらのレベリング量に基づいて2番目以降の圧延を実施する(ステップS6)。
例えば、熱間圧延ライン100では、ステップS6によって、第2圧延機12はステップS4により設定されたレベリング量に制御された状態で被圧延材Sを圧延し、第3〜第5圧延機13〜15はステップS5により設定されたレベリング量に制御された状態で被圧延材Sを圧延する。
なお、粗圧延工程全体での圧延回数が2回しかない場合には、ステップS5における3番目以降の圧延を実施する際のレベリング量の算出および設定の動作は実施しない。例えば、予め定められた圧延条件に応じて3番目以降の圧延の有無が設定されてもよい。あるいは、上述したステップS4の後に、粗圧延工程全体で圧延回数が3回以上であるか否かを判定するステップが含まれてもよい。この場合、3回以上の圧延を実施すると判定された場合にはステップS5に進み、圧延回数が2回までであると判定された場合にはステップS6に進むように構成された制御フローであってもよい。
このように構成された制御方法では、粗圧延工程での最初の圧延パス後は、被圧延材Sにウェッジがない状態であるがキャンバーは生じている可能性がある。そこで、2番目の圧延パスでは、キャンバーを矯正(低減)するために、あえてウェッジを与える圧延を実施する。このように2番目の圧延時にウェッジを付与したとしても、粗圧延工程全体では複数パスの圧延を実施するため、3番目以降の各圧延でキャンバーが0mmになるようにレベリング量を設定して圧延を実施すれば、粗圧延工程の終了時には、板厚に対してウェッジが十分に小さくなっている。そのため、粗圧延工程での最終圧延パス出側でのウェッジは、下流側の仕上圧延工程での通板に影響を及ぼさない程度に抑制されている。これにより、キャンバーを0mmにするとともに、ウェッジも仕上圧延工程で通板トラブルにならない程度に抑制できる。
さらに、この制御方法を用いた熱延鋼板の製造方法では、最初の圧延を実施することにより最初の圧延パス出側での被圧延材Sのウェッジが0mmとなっているので、ウェッジを測定することなく2回目以降の圧延機のレベリング量を算出でき、かつ2回目以降の圧延を実施できる。
[3.実施例]
この実施例では、R1〜R5の全5スタンドの独立した粗圧延機を有する粗圧延工程の設備を含む熱間圧延ライン100,100A,100Bを対象として、上述した実施形態の効果を検証した。なお、ここでの説明では、上述した被圧延材Sをスラブと記載し、粗圧延機をR1〜R5と記載する。
この実施例には、粗圧延前にサイジングプレスによる幅圧下もサイジングミルによる幅圧延も実施しない場合(実施例1)、粗圧延前にサイジングプレスによる幅圧下を実施した場合(実施例2)、粗圧延前にサイジングミルで幅圧延を実施した場合(実施例3)が含まれる。また、比較例として、実施例1と比較するための比較例1(粗圧延前にサイジングプレスによる幅圧下もサイジングミルによる幅圧延も実施しない場合の比較例)、実施例2と比較するための比較例2(粗圧延前にサイジングプレスによる幅圧下を実施した場合の比較例)、実施例3と比較するための比較例3(粗圧延前にサイジングミルで幅圧延を実施した場合の比較例)についても検証を行った。
図6は、実施例および比較例における粗圧延工程の設備仕様を示す図である。図6に示すように、各実施例および各比較例に共通して、厚さが260mmのスラブ(被圧延材S)に対して、1番目〜5番目の圧延機R1〜R5によりスラブの厚みが40mmになるまで一方向に圧延した。要するに、各圧延機での圧延回数は各1回である。
また、粗圧延前の状態として、実施例1および比較例1では、スラブ幅を1300mmとした。実施例2および比較例2では、スラブ幅を1500mm、サイジングプレス21での幅圧下量を200mmとして、サイジングプレス21による幅圧下後のスラブ幅が1300mmとなるようにした。実施例3および比較例3では、スラブ幅を1400mm、サイジングミル22による幅圧延量を100mmとして、サイジングミル22による幅圧延後のスラブ幅が1300mmとなるようにした。
さらに、各実施例および各比較例はいずれの場合も、1番目の圧延機R1の右側ミル剛性は250tonf/mm、左側ミル剛性は300tonf/mmであった。1番目の圧延機R1での圧延時、スラブがオフセンターしており、いずれの場合も右側へ50mmオフセンターしていた。また、2番目〜5番目の圧延機R2〜R5の右側ミル剛性は250tonf/mm、左側ミル剛性は250tonf/mmであった。さらに、2番目〜5番目の圧延機R2〜R5での圧延時には、スラブのオフセンター量が0mmであった。
そして、キャンバー量の測定回数は1回で十分であるが、効果の検証のために、各実施例および各比較例ともに、粗圧延前のキャンバー量と、粗圧延後のキャンバー量とをそれぞれ測定し、キャンバーの抑制効果が分かるようにした(図6参照)。
[3−1.実施例1と比較例1との比較検証]
比較例1は、1番目の圧延機R1での圧延後にキャンバーの測定を行わず、2番目〜5番目の圧延機R2〜R5でもレベリング量を修正しない条件とした。
実施例1は、1番目の圧延機R1での圧延前に、圧延機R1の予測圧延荷重および予測差荷重と、スラブの幅方向の温度分布とに基づいて、圧延機R1の出側でウェッジがなくなるようなレベリング量を算出して圧延機R1のレベリング量に設定した。そして、圧延機R1での圧延後にキャンバーの測定を実施した。その後、2番目の圧延機R2の出側でキャンバーが0mmになるようなレベリング量を、測定したキャンバー量と、2番目の圧延機R2の予測圧延荷重および予測差荷重と、スラブの幅方向の温度分布と基づいて算出して2番目の圧延機R2のレベリング量に設定した。また、3番目〜5番目の圧延機R3〜R5についても、各圧延パス出側でキャンバーが生じないようなレベリング量を、2番目の圧延で付与された予測ウェッジ量と、各圧延機R3〜R5の予測圧延荷重および予測差荷重と、スラブの幅方向の温度分布とに基づいて算出し各圧延機R3〜R5のレベリング量に設定した。
そして、比較例1の結果は、粗圧延前のキャンバー量30mmに対して、粗圧延終了後のキャンバー量が21mmであった。一方、実施例1の結果は、粗圧延前のキャンバー量31mmに対して、粗圧延終了後のキャンバー量は1mmであった。つまり、比較例1でのキャンバー低減量9mmに対し、実施例1でのキャンバー低減量は30mmであった。このように、比較例1と実施例1との比較検証から、上述した実施形態によれば、粗圧延工程の最終圧延パス出側でスラブのキャンバーが抑制されていることが分かる。
[3−2.実施例2と比較例2との比較検証]
比較例2は、1番目の圧延機R1の上流側でサイジングプレス21による幅圧下を実施し、圧延機R1での圧延後にキャンバーの測定を行わず、2番目〜5番目の圧延機R2〜R5でもレベリング量を修正しない条件とした。
実施例2は、1番目の圧延機R1の上流側でサイジングプレス21による幅圧下を実施し、1番目の圧延機R1での圧延前に、圧延機R1の予測圧延荷重および予測差荷重と、スラブの幅方向の温度分布とに基づいて、圧延機R1の出側でウェッジがなくなるようなレベリング量を算出して圧延機R1のレベリング量に設定した。そして、圧延機R1での圧延後、キャンバー量の測定以降の制御方法については、上述した実施例1と同様の制御方法を実施した。
そして、比較例2の結果は、粗圧延前のキャンバー量60mmに対して、粗圧延終了後のキャンバー量は32mmであった。一方、実施例2の結果は、粗圧延前のキャンバー量59mmに対して、粗圧延終了後のキャンバー量は0mmであった。つまり、比較例2でのキャンバー低減量28mmに対し、実施例2でのキャンバー低減量は59mmであった。このように、比較例2と実施例2との比較検証から、上述した実施形態によれば、上流側でサイジングプレス21による幅圧下を実施した場合でも、粗圧延工程の最終圧延パス出側でスラブのキャンバーが抑制されていることが分かる。
[3−3.実施例3と比較例3との比較]
比較例3は、1番目の圧延機R1の上流側でサイジングミル22による幅圧延を実施し、1番目の圧延機R1での圧延後にキャンバー量の測定を行わず、2番目〜5番目の圧延機R2〜R5でもレベリング量を修正しない条件とした。
実施例3は、1番目の圧延機R1の上流側でサイジングミル22による幅圧延を実施し、圧延機R1での圧延前に、圧延機R1の予測圧延荷重および予測差荷重と、スラブの幅方向の温度分布と基づいて、1番目の圧延機R1出側でウェッジがなくなるようなレベリング量を算出して圧延機R1のレベリング量に設定した。そして、圧延機R1での圧延後、キャンバー量の測定以降の制御方法については、上述した実施例1と同様の制御方法を実施した。
そして、比較例3の結果は、粗圧延前のキャンバー量50mmに対して、粗圧延終了後のキャンバー量は28mmであった。一方、実施例3の結果は、粗圧延前のキャンバー量51mmに対して、粗圧延終了後のキャンバー量は2mmであった。つまり、比較例3でのキャンバー低減量22mmに対し、実施例3でのキャンバー低減量は49mmであった。このように、比較例3と実施例3との比較検証から、上述した実施形態によれば、上流側でサイジングミル22による幅圧延を実施した場合でも、粗圧延工程の最終圧延パス出側でスラブのキャンバーが抑制されていることが分かる。
このように、実施例1〜3による検証結果から、上述した実施形態は、粗圧延工程での最終圧延パス出側でのキャンバー抑制に有効であることが確認された。
以上説明した通り、実施形態によれば、粗圧延前の被圧延材Sがウェッジを有する場合であっても、複数パスの粗圧延後には、被圧延材Sのキャンバーを抑制することができる。
さらに、実施形態によれば、キャンバー量測定後の下流側では、各圧延時にキャンバー量を0mmとする圧延を実施するためウェッジを付与するようなレベリング設定をするが、粗圧延工程終了時のウェッジは板厚に対して十分に小さいため、そのウェッジが仕上圧延工程での通板に影響を及ぼさない。そのため、仕上圧延工程の通板を安定化できる。
また、実施形態では、被圧延材Sのウェッジがなくなるようにレベリング量を設定した最初の圧延機で圧延を実施した後に、被圧延材Sのキャンバー量を測定するので、測定が困難であるウェッジを測定することなく、キャンバー制御に必要なウェッジ量とキャンバー量の情報を得られるようにしたために、粗圧延出側のキャンバーを抑制することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、上述したステップS1の処理において、第1圧延機11での最初の圧延パスのレベリング量を算出する際、上述した予測温度分布の代わりに、温度測定装置により測定された被圧延材Sの幅方向の温度分布(測定値)を用いてもよい。この温度測定装置は、第1圧延機11の入側に配置され、粗圧延前の被圧延材Sの温度を測定する。例えば、最初の圧延パスの入側(例えば直前)で被圧延材Sの幅方向の温度分布を測定し、その温度分布(測定値)を用いて、最初の圧延パスのレベリング量が算出される。一方、第2〜第5圧延機12〜15のレベリング量を算出する際は、その温度測定装置による測定値に基づいた予測値(予測温度分布)を用いることになる。なお、単に温度分布と記載する場合は、予測値と測定値との区別はない。つまり、上述した実施形態の説明について、最初の圧延パスのレベリング量を算出する際に用いる「予測温度分布」は「温度分布」と読み替え可能である。
また、上述した実施形態は、粗圧延工程において複数の被圧延材Sを同時に圧延する場合等にも適用可能である。図7(a)に示すように、例えば第1〜第5圧延機11〜15の全体を見た場合に、1枚の被圧延材Sを第2圧延機12のみ(1つの圧延機のみ)で圧延する場合に限定されない。図7(b)に示すように、第2圧延機12で当材としての被圧延材Sを圧延中に、第4圧延機14で先行材としての別の被圧延材Sを圧延する場合にも適用可能である。さらに、図7(c)に示すように、第4圧延機14と第5圧延機15とに構成されたタンデム圧延機16によって1枚の被圧延材Sを同時に圧延(タンデム圧延)する粗圧延工程にも適用可能である。なお、タンデム圧延であっても、第1圧延機11と第2圧延機12とによるタンデム圧延は適用外である。
100,100A,100B 熱間圧延ライン
1 制御装置
2 キャンバー測定装置
10 粗圧延機
11〜15 第1〜第5圧延機
21 サイジングプレス
22 サイジングミル
S 被圧延材(スラブ)

Claims (8)

  1. 単数あるいは複数の圧延機によって複数パスの圧延を実施する熱間圧延の粗圧延工程に適用される圧延機の制御方法において、
    前記粗圧延工程にて前記圧延機による最初の圧延を実施する前に、当該最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材の幅方向の温度分布とに基づいて、最初の圧延パスにより被圧延材のウェッジがなくなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する第1設定ステップと、
    前記第1設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への最初の圧延を実施する第1圧延制御ステップと、
    最初の圧延を実施後、前記最初の圧延を実施する圧延機の出側に設置されたキャンバー測定装置によって、最初の圧延パス出側での前記被圧延材のキャンバー量を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定したキャンバー量と、2回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該2回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で前記被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記2回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第2設定ステップと、
    前記第2設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への2回目以降の圧延を実施する第2圧延制御ステップと、
    を含むことを特徴とする圧延機の制御方法。
  2. 前記粗圧延工程にて3回以上の圧延を実施する場合に、2回目の圧延により前記被圧延材に与えられる予測ウェッジ量と、3回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該3回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記3回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第3設定ステップと、
    前記第3設定ステップが実施された場合、当該第3設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への3回目以降の圧延を実施する第3圧延制御ステップと、をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧延機の制御方法。
  3. 単数あるいは複数の圧延機によって複数パスの圧延を実施する熱間圧延の粗圧延工程に適用される圧延機の制御装置において、
    前記粗圧延工程で最初の圧延を実施する圧延機の出側に設置され、最初の圧延パス出側での被圧延材のキャンバー量を測定するキャンバー測定装置と、
    前記粗圧延工程にて前記圧延機による最初の圧延が実施される前に、当該最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材の幅方向の温度分布とに基づいて、最初の圧延パスにより被圧延材のウェッジがなくなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する第1設定手段と、
    前記第1設定手段で設定したレベリング量で前記被圧延材への最初の圧延を実施する第1圧延制御手段と、
    最初の圧延を実施後、前記キャンバー測定装置によって測定されたキャンバー量と、2回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該2回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記2回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第2設定手段と、
    前記第2設定手段で設定したレベリング量で前記被圧延材への2回目以降の圧延を実施する第2圧延制御手段と、
    を備えていることを特徴とする圧延機の制御装置。
  4. 前記粗圧延工程にて3回以上の圧延が実施される場合に、2回目の圧延により前記被圧延材に与えられる予測ウェッジ量と、3回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該3回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記3回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第3設定手段と、
    前記第3設定手段による処理が実施された場合、当該第3設定手段で設定したレベリング量で前記被圧延材への3回目以降の圧延を実施する第3圧延制御手段と、をさらに備えている
    ことを特徴とする請求項3に記載の圧延機の制御装置。
  5. 単数あるいは複数の圧延機によって複数パスの圧延を実施する熱間圧延の粗圧延工程を含む熱延鋼板の製造方法において、
    前記粗圧延工程にて前記圧延機による最初の圧延を実施する前に、当該最初の圧延を実施する圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、被圧延材の幅方向の温度分布とに基づいて、最初の圧延パスにより被圧延材のウェッジがなくなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記最初の圧延を実施する圧延機のレベリング量に設定する第1設定ステップと、
    前記第1設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への最初の圧延を実施する第1圧延制御ステップと、
    最初の圧延を実施後、前記最初の圧延を実施する圧延機の出側に設置されたキャンバー測定装置によって、最初の圧延パス出側での前記被圧延材のキャンバー量を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定したキャンバー量と、2回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該2回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で前記被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記2回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第2設定ステップと、
    前記第2設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への2回目以降の圧延を実施する第2圧延制御ステップと、
    を含むことを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  6. 前記粗圧延工程にて3回以上の圧延を実施する場合に、2回目の圧延により前記被圧延材に与えられる予測ウェッジ量と、3回目以降の圧延を実施する各圧延機の予測圧延荷重および予測差荷重と、前記被圧延材の幅方向の予測温度分布とに基づいて、当該3回目以降の圧延を実施する各圧延機の出側で被圧延材のキャンバー量が0mmとなるレベリング量を算出し、当該算出したレベリング量を、前記3回目以降の圧延を実施する各圧延機のレベリング量に設定する第3設定ステップと、
    前記第3設定ステップが実施された場合、当該第3設定ステップで設定したレベリング量で前記被圧延材への3回目以降の圧延を実施する第3圧延制御ステップと、をさらに含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の熱延鋼板の製造方法。
  7. 前記粗圧延工程は、前記圧延機による最初の圧延を実施する前にサイジングプレスによる幅圧下を実施する工程を含む
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の熱延鋼板の製造方法。
  8. 前記粗圧延工程は、前記圧延機による最初の圧延を実施する前にサイジングミルによる幅圧延を実施する工程を含む
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の熱延鋼板の製造方法。
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