JP6569655B2 - 圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法 - Google Patents

圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法 Download PDF

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本発明は、圧延装置の圧下レベリング量を制御する圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法に関するものである。
従来から、スラブ等の被圧延材に対して粗圧延等の圧延工程が行われる熱間圧延ラインでは、被圧延材にキャンバーが発生することが知られている。キャンバーは、被圧延材の長手方向に対する幅方向への曲がり(水平方向の曲がり)の現象である。
例えば、被圧延材の圧延工程においては、被圧延材の幅方向温度偏差や幅方向板厚偏差、圧延ロールのロール開度の幅方向不均等など、種々の原因によって被圧延材のキャンバーが発生する。特に、粗圧延工程における被圧延材のキャンバー発生の原因は、主に、被圧延材の幅方向温度偏差と粗圧延装置の圧下レベリング量の設定不足である。
被圧延材に幅方向温度偏差が生じている場合、被圧延材の幅方向の高温側では、低温側と比較して変形抵抗が小さい。このため、粗圧延中の被圧延材に幅方向の圧延荷重分布が生じ、被圧延材の幅方向において、高温側の圧延ロールのロールギャップが低温側に比して小さくなる。これに起因して、被圧延材の幅方向の高温側では圧下量が低温側に比して大きくなり、この結果、被圧延材の幅方向の高温側が低温側に比して伸ばされるため、高温側から低温側へ曲がるキャンバーが被圧延材に発生する。
粗圧延装置の圧下レベリング量が設定不足の状態にある場合、粗圧延中の被圧延材に幅方向での過度な圧下量の差による圧延荷重分布が生じる。この結果、圧下量が大きい側から小さい側へ曲がるキャンバーが被圧延材に発生する。なお、圧下レベリング量は、粗圧延装置等の圧延機を構成する圧延ロールのロール軸方向両端部での圧下量(圧下レベル)の差である。
一方、熱間圧延ラインでは、圧延だけでなく、幅圧下によっても被圧延材にキャンバーが発生する。例えば、被圧延材の幅圧下工程においては、被圧延材の幅方向温度偏差に起因して、被圧延材の幅方向の高温側(変形抵抗が小さい側)が低温側(変形抵抗が大きい側)よりも長手方向に延伸する。この結果、被圧延材の高温側から低温側へ曲がるキャンバーが発生する。このような幅圧下によるキャンバーが発生した状態にある被圧延材において、その幅方向の高温側の板厚は、低温側に比して大きくなる。このため、幅圧下工程後の粗圧延工程では、被圧延材の高温側の粗圧延による伸びが大きくなり、この結果、被圧延材の高温側から低温側への曲がり(キャンバー)が粗圧延によって助長される。
上述した被圧延材の幅方向温度偏差は、主に、熱間圧延ラインにおいて被圧延材(スラブ)を加熱する加熱炉の抽出扉の開閉時における外気冷却の影響によって発生する。さらに、加熱炉内において隣接する被圧延材同士の間隔、被圧延材の寸法や在炉時間等が、被圧延材の幅方向の温度偏差に複雑に影響する。このため、被圧延材をその幅方向に全く均一に加熱することは困難である。
また、被圧延材のキャンバー量(被圧延材の長手方向に対する幅方向への曲がり量)が熱間圧延ラインでの許容範囲に比して過度に大きい場合は、被圧延材とサイドガイド等の設備との意図しない接触によって被圧延材の搬送(通板)が阻害される通板トラブルが発生する。この通板トラブルは、圧延ロールやサイドガイド等の熱間圧延ラインにおける設備の損傷につながる。さらには、被圧延材の尾端部が圧延機から抜ける(尻抜けする)際、被圧延材とサイドガイドとの衝突によって被圧延材のエッジ部(幅方向端部)が折れ込んだ状態で、被圧延材が圧延される、いわゆる「絞り込み」と呼ばれる圧延トラブルが発生する。
なお、上述したような被圧延材のキャンバーを抑制するための従来技術として、例えば、特許文献1には、圧延開始前に予め、被圧延材の幅方向両端部の温度差を測定し、この測定した温度差に対応して圧延機の圧下レベリング量(圧延ロールの幅方向両端部間におけるロール開度差)の設定を行う熱間粗圧延方法が提案されている。特許文献2には、可逆式の圧延機を挟んで一方の側に配設したキャンバー計によって、被圧延材のキャンバーを検出し、このキャンバーの検出結果に基づいて、次パスにおける被圧延材のキャンバーの曲がり状況を予測し、次パスにおいて圧延を行う際に、予測したキャンバーの曲がり状況に基づいて圧下レベリングの制御を行うキャンバー制御方法が提案されている。
また、特許文献3には、加熱後のスラブの長さとキャンバー量とをもとに求めたスラブの長手方向曲率に対応する幅方向温度偏差を、予め定められたスラブの長手方向曲率とスラブの幅方向温度偏差との関係を用いて算出し、この算出したスラブの幅方向温度偏差に対応する圧延機の圧下レベリング量を、予め定められたスラブの幅方向温度偏差と圧延機の圧下レベリング量との関係を用いて算出し、この算出した圧下レベリング量を板圧延機に設定するレベリング設定方法が提案されている。
特開昭60−133904号公報 特許第3584661号公報 特開2010−221230号公報
一般に、被圧延材に対して複数の圧延パスの圧延(以下、「複数パス圧延」という)を行う粗圧延装置等の圧延装置では、複数パス圧延のうち、ある1つの圧延パスの圧延によって被圧延材にキャンバーが発生した場合、その次の圧延パスにおいて圧下レベリング量を操作することにより、このキャンバーを矯正する。しかし、このように圧下レベリング量の操作(すなわち圧下レベリング操作)によってキャンバーを矯正して被圧延材をその長手方向に真直ぐな形状にしても、更に次の圧延パスの圧延では、幅方向両側の板厚偏差が先行材(今回の被圧延材に先行して圧延された被圧延材)とは異なる状態の被圧延材を圧延することになり、この結果、当該圧延後の被圧延材に再度キャンバーが発生してしまう。
上述の現象は、複数パス圧延の最終圧延パスまで繰り返すことになり、それ故、最終圧延パスの圧延によって発生した被圧延材のキャンバーは、矯正されず、次工程へ引き継がれてしまう。上述した従来技術では、このような複数パス圧延による被圧延材のキャンバー発生(特に最終圧延パス出側でのキャンバー発生)を圧延装置の圧下レベリング操作によって抑制することは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、複数パス圧延による被圧延材のキャンバー発生を抑制することができる圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る圧下レベリング制御装置は、圧延装置によって複数パス圧延が今回行われる被圧延材である当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量を測定するキャンバー量測定部と、測定された前記当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量と、前記圧延装置の各圧延パスの圧下レベリング操作が前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量の変化に影響する度合を示す影響係数と、前記当材の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量の候補とをもとに、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量を設定し、設定した前記キャンバー予測量の全圧延パスの合計値が最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量として算出する演算処理部と、算出された前記各圧延パスの圧下レベリング量をもとに、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る圧下レベリング制御装置は、上記の発明において、前記演算処理部は、前記圧延装置の圧下レベリング量の設定可能範囲内で前記圧下レベリング量の候補を複数仮定し、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量を評価する評価関数Jを、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量(Cam)と、該キャンバー予測量(Cam)の圧延パス別の重み付けを行うための重み係数αとを用い、下式(1)に基づき、複数の前記圧下レベリング量の候補について複数算出し、算出した複数の前記評価関数J同士を比較し、複数の前記圧下レベリング量の候補うち、前記評価関数Jが最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出することが好ましい。
ただし、式(1)において、iは圧延パス数であり、Nは前記圧延装置による複数パス圧延の総圧延パス数であり、(∂Cam/∂Lv)は前記影響係数である。また、γは各圧延パスでの圧延方向伸び率(圧延入側板厚を圧延出側板厚で除したもの)、Camはiパス目圧延出側のキャンバー量であり、Camは第1の圧延パス入側のキャンバー量である。
本発明に係る圧下レベリング制御装置は、上記の発明において、前記圧延装置の入側における前記当材の幅方向温度偏差を測定する温度偏差測定部をさらに備え、前記演算処理部は、測定された前記当材の幅方向温度偏差と前記当材の圧延条件とに応じて、前記当材に対応する前記影響係数を設定することが好ましい。
本発明に係る圧下レベリング制御方法は、圧延装置によって複数パス圧延が今回行われる被圧延材である当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量を測定するキャンバー量測定ステップと、測定された前記当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量と、前記圧延装置の各圧延パスの圧下レベリング操作が前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量の変化に影響する度合を示す影響係数と、前記当材の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量の候補とをもとに、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量を設定し、設定した前記キャンバー予測量の全圧延パスの合計値が最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量として算出する演算処理ステップと、算出された前記各圧延パスの圧下レベリング量をもとに、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る圧下レベリング制御方法は、上記の発明において、前記演算処理ステップは、前記圧延装置の圧下レベリング量の設定可能範囲内で前記圧下レベリング量の候補を複数仮定し、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量を評価する評価関数Jを、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量(Cam)と、該キャンバー予測量(Cam)の圧延パス別の重み付けを行うための重み係数αとを用い、下式(2)に基づき、複数の前記圧下レベリング量の候補について複数算出し、算出した複数の前記評価関数J同士を比較し、複数の前記圧下レベリング量の候補うち、前記評価関数Jが最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出することが好ましい。
ただし、式(2)において、iは圧延パス数であり、Nは前記圧延装置による複数パス圧延の総圧延パス数であり、(∂Cam/∂Lv)は前記影響係数である。また、γは各圧延パスでの圧延方向伸び率(圧延入側板厚を圧延出側板厚で除したもの)、Camはiパス目圧延出側のキャンバー量であり、Camは第1の圧延パス入側のキャンバー量である。
本発明に係る圧下レベリング制御方法は、上記の発明において、前記圧延装置の入側における前記当材の幅方向温度偏差を測定する温度偏差測定ステップをさらに含み、前記演算処理ステップは、測定された前記当材の幅方向温度偏差と前記当材の圧延条件とに応じて、前記当材に対応する前記影響係数を設定することが好ましい。
本発明によれば、複数パス圧延による被圧延材のキャンバー発生を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧下レベリング制御装置の一構成例を示す図である。 図2は、圧延機の圧下レベリング量を説明するための図である。 図3は、被圧延材のキャンバー量を説明するための図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る圧下レベリング制御方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施例1におけるキャンバー曲率の標準偏差を示す図である。 図6は、実施例1におけるキャンバー曲率の平均を示す図である。 図7は、実施例2におけるキャンバー曲率の標準偏差を示す図である。 図8は、実施例2におけるキャンバー曲率の平均を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明を適用する圧延装置の一例として、熱間圧延ラインの粗圧延装置を例示するが、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
[1.全体構成]
まず、本発明の実施の形態に係る圧下レベリング制御装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る圧下レベリング制御装置の一構成例を示す図である。本実施の形態に係る圧下レベリング制御装置1は、例えば熱間圧延ライン100において複数の被圧延材に対し複数パス圧延を順次行う粗圧延装置10の各圧延パスの圧下レベリング量を制御するものである。
なお、熱間圧延ライン100には、粗圧延装置10よりも上流側の搬送経路に配置された幅圧下装置30や加熱炉(図示せず)等の設備や、粗圧延装置10よりも下流側に配置された仕上圧延装置(図示せず)等の設備が含まれる。例えば、加熱炉から抽出された被圧延材は、搬送経路に沿って順次搬送され、幅圧下装置30を通り、その後、粗圧延装置10によって複数パス圧延が行われる。複数パス圧延(粗圧延)後の被圧延材は、仕上圧延装置等の熱間圧延ライン100の各種設備を通り、その後、コイラーによってコイル状に巻かれる。その搬送経路は、熱間圧延ライン100において複数の被圧延材を順次搬送するためのものであり、複数の搬送ロール(図示せず)によって構成される。
[1−1.制御対象の圧延装置]
粗圧延装置10は、被圧延材20に対して総圧延パス数Nの複数パス圧延(複数の圧延パスの粗圧延)を行い、かつ複数の圧延機によって複数パス圧延を分担して行うように構成されている。図1に示すように、粗圧延装置10は、全4スタンドの圧延機を有する圧延装置であり、被圧延材20の搬送方向に沿って順に配置された、第1圧延機11、第2圧延機12、第3圧延機13、第4圧延機14を備えている。第1〜第4圧延機11〜14は、いずれも一対の圧延ロールおよび一対のバックアップロールを有する4段型の圧延機により構成されている。その一対の圧延ロールは、搬送ロール(図示せず)を挟んで被圧延材20の厚さ(板厚)方向D1に対向する位置に配置されている。なお、被圧延材20の搬送方向は、被圧延材20の長手方向D2と同じ方向である。
また、第1〜第4圧延機11〜14は、それぞれに第1〜第4圧下装置11a〜14aを備えている。各圧下装置11a,12a,13a,14aは、それぞれに対応する圧延機11,12,13,14の圧下レベリング量を調整する。図2は、圧延機の圧下レベリング量を説明するための図である。図2に示すように、圧下レベリング量Lvは、被圧延材20を圧延する圧延ロール11b,11cのロール軸方向の両端部間での圧下量(圧下レベル)の差として定義される。この圧下レベリング量Lvの定義は、第1〜第4圧延機11〜14について同様である。例えば第1圧延機11の圧下レベリング量を調整する場合には第1圧下装置11aが制御され、第2圧延機12の圧下レベリング量を調整する場合には第2圧下装置12aが制御される。つまり、圧下レベリング制御装置1は、各圧延機11〜14の圧下レベリング量が個別に制御可能である。
[1−2.圧下レベリング制御装置]
図1に示すように、圧下レベリング制御装置1は、キャンバー量測定部2と、温度偏差測定部3と、記憶部4と、演算処理部5と、制御部6とを備える。
キャンバー量測定部2は、制御対象の複数の圧延装置による第1の圧延パス入側でのキャンバー量を測定するものである。圧延装置入側でのキャンバーは、主に幅圧下装置30にて被圧延材温度の幅方向不均一によって生じる。キャンバー量測定部2は、幅圧下装置30によって生じたキャンバーの発生方向および発生量を、撮像装置などによって光学的に検出し、演算処理部5に送信する。
本実施の形態では、キャンバー量は、後述する図3に示すように曲率として定義する。例えば、被圧延材20のキャンバーの曲がり状況について、圧延機の圧延ロールの作業側への曲りを正、駆動側への曲りを負といったように区別することができる。なお、キャンバー量の詳細は、図3を参照して後述する。
温度偏差測定部3は、制御対象の粗圧延装置10における第1圧延機11の入側、すなわち第1の圧延パス入側における被圧延材20の幅方向温度偏差を測定するものである。温度偏差測定部3は、測定した幅方向両端部の各温度の差を算出し、得られた温度差を、この当材(被圧延材20)の幅方向温度偏差として取得し、演算処理部5に送信する。当材とは、粗圧延装置10によって複数パス圧延が今回行われる被圧延材20のことである。そのため、この説明について、今回複数パス圧延される被圧延材20を当材と読み替えることができる。
記憶部4は、各圧延パスの圧下レベリング量の制御に必要な各種情報を記憶するものである。図1に示すように、記憶部4は、影響係数テーブル4aを記憶する。影響係数テーブル4aは、本発明の圧下レベリング制御の演算処理に用いられる影響係数Kを含むデータテーブルである。記憶部4は、粗圧延装置10に対する各圧延パスの圧下レベリング制御用として、影響係数テーブル4aを保持、管理し、演算処理部5からの要求に応じて演算処理に必要な影響係数Kを演算処理部5に提供する。
本実施の形態において、影響係数Kは、各圧延パスの圧下レベリング操作が各圧延パス出側でのキャンバー量の変化に影響する度合いを示す係数である。影響係数Kは、i番目圧延パスの圧下レベリング操作の影響を受けたi番目圧延パス出側でのキャンバー量の変化(∂Cam)と、このi番目圧延パスの圧下レベリング操作による圧下レベリング量の変化(∂Lv)との比(∂Cam/∂Lv)、すなわち次式(3)によって表される。
式(3)において、圧下レベリング量Lvは、i番目圧延パスの圧下レベリング操作前の圧下レベリング量である。圧下レベリング操作量dLvは、i番目圧延パスの圧下レベリング操作による圧下レベリング変化量である。キャンバー量Cam(Lv)は、i番目圧延パスの圧下レベリング量がLvである際の被圧延材20のi番目圧延パス出側でのキャンバー量である。キャンバー量Cam(Lv+dLv)は、i番目圧延パスの圧下レベリング量が(Lv+dLv)である際の被圧延材20のi番目圧延パス出側でのキャンバー量である。
上述した影響係数Kは、次のように取得することができる。例えば、粗圧延装置10が被圧延材に対して総圧延パス数Nの複数パス圧延を行っている際、ある一つの圧延機を実際に圧下レベリング操作し、この圧下レベリング操作の前後において、圧延後の被圧延材の圧延パス出側での各キャンバー量を測定する。このようにして得られた圧下レベリング操作前後での各キャンバー量と、そのときの圧下レベリング操作前の圧下レベリング量および圧下レベリング操作量とを式(3)に代入する。これにより、影響係数Kは、式(3)から同定(算出)することができる。
このようにして得られる複数の影響係数Kは、粗圧延装置10の圧延機毎、被圧延材20の圧延前の幅方向温度偏差毎、被圧延材20の圧延条件毎に設定される。それら複数の影響係数Kが記憶部4の影響係数テーブル4aに記憶されている。これにより、影響係数テーブル4aには、粗圧延装置10の各圧延機11〜14、被圧延材20の圧延前の幅方向温度偏差、および被圧延材20の圧延条件と対応付けた複数の影響係数Kが含まれる。本実施の形態において、影響係数Kと対応付ける被圧延材20の圧延条件は、例えば、被圧延材20に対し設定される圧延後の目標とする板厚および板幅、各圧延機11〜14に設定される圧下率、被圧延材20の材料強度等である。
各圧延パス出側のキャンバー量は、次式(4)のように、圧延パス入側のキャンバー量と影響係数K(=∂Cam/∂Lv)を用いて表すことができる。
ここで、Camはiパス目圧延出側のキャンバー量であり、Camは第1の圧延パス入側のキャンバー測定量(キャンバー量測定部2によって測定されたキャンバー量)である。また、Lvは各圧延パスの圧下レベリング量、γは各圧延パスでの圧延方向伸び率(圧延入側板厚を圧延出側板厚で除したもの)である。また、各圧延パス出側でのキャンバー量は、圧延パス入側でのキャンバー量からなる項と、圧延で新たに発生するキャンバー量からなる項との和で表される。圧延パス入側のキャンバー量は、被圧延材20が圧延によって圧延方向に延ばされるため、一つ前の圧延パス出側のキャンバー量(Cami−1)を圧延方向伸び率で除することで算出できる。
演算処理部5は、式(4)に基づいて算出したキャンバー量Camを、粗圧延装置10での各パス圧延によるキャンバー量の予測値(以下「キャンバー予測量」という)とする。つまり、演算処理部5は、粗圧延装置10によって複数パス圧延が今回行われる被圧延材20についての実測データとしては、キャンバー量測定部2によって測定された第1の圧延パス入側での被圧延材20のキャンバー量(キャンバー測定量)のみを用いて、その後の粗圧延装置10での各圧延パスによるキャンバー量を予測することができる。すなわち、演算処理部5によってキャンバー予測量が圧延パス毎に算出(設定)される。
さらに、演算処理部5は、上述したように設定したキャンバー予測量(Cam)の全圧延パスの合計値が最小となる際の圧下レベリング量候補を、当材である被圧延材20の圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出する。
詳細には、圧下レベリング量Lvの演算処理において、演算処理部5は、まず、粗圧延装置10(各圧延機11〜14)の圧下レベリング量の設定可能範囲内で、上述した圧下レベリング量の候補を複数仮定する。ついで、演算処理部5は、第1の圧延パス入側のキャンバー測定量と各圧延パスでの圧下レベリング量候補から、各圧延パス出側でのキャンバー予測量を算出する。さらに、演算処理部5は、各圧延パス出側のキャンバー予測量(Cam)と重み係数αを用い、次式(5)に基づいて複数の圧下レベリング量候補について評価関数Jを算出する。
重み係数αは、粗圧延装置10の複数パス圧延によるキャンバー予測量(Cam)の圧延パス別の重み付けを行うためのパラメータである。すなわち、重み係数αは、粗圧延装置10の各圧延機11〜14のうち、何れかの圧延機における何れかの圧延パスでの被圧延材20のキャンバー抑制を重視するかを決定するパラメータである。重み係数αは、粗圧延装置10による被圧延材の複数パス圧延の過去実績や実験データ等に基づいて、被圧延材20の各圧延パス出側(特に最終の圧延パス出側)でのキャンバー量(絶対値)が低減するように設定される。その際、最終の圧延パス出側での被圧延材20のキャンバー量が、粗圧延装置10の下流の設備(仕上圧延装置等)における通板トラブルに直結するため、重み係数αは、粗圧延装置10のうち下流側の圧延機ほど大きな値に設定することが望ましい。
その後、演算処理部5は、式(5)に基づいて算出した複数の評価関数J同士を比較し、これにより、これら複数の評価関数Jのうち最小の評価関数Jを特定する。演算処理部5は、上述したように仮定した複数の圧下レベリング量候補のうち、評価関数Jが最小となる際の圧下レベリング量候補、すなわち上記特定した最小の評価関数Jに対応する圧下レベリング量候補を、被圧延材20の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出し、制御部6に送信する。
制御部6は、被圧延材20に対して複数圧延パスを行う粗圧延装置10の各圧延パスの圧下レベリング制御を実行するものである。本実施の形態において、制御部6は、演算処理部5によって算出された各圧延パスの圧下レベリング量Lvをもとに、各圧延機11,12,13,14の圧下装置11a,12a,13a,14aを制御する。制御部6は、それらの複数の圧下装置11a〜14aの制御を通して、粗圧延装置10による複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する。
[2.被圧延材のキャンバー量]
ここで、図3を参照して、キャンバー量について説明する。図3は、被圧延材20のキャンバー量Camを説明するための図である。なお、被圧延材20の長手方向D2は、被圧延材20の搬送方向と同一であり、被圧延材20の先端側(順方向)を正とし、尾端側(逆方向)を負とする。被圧延材20の幅方向D3は、搬送ロールのロール軸方向および各圧延機11〜14の各圧延ロールのロール軸方向と同一である。さらに、幅方向D3は、長手方向D2の正側に向かって左側(作業側)を正とし、右側(駆動側)を負とする。また、厚さ方向(板厚方向)D1、長手方向D2、および幅方向D3は、互いに垂直な方向である。
図3に示すように、被圧延材20のキャンバー量Camは、複数パス圧延の各圧延パス出側における被圧延材20の長手方向D2に対する幅方向D3の正側または負側の曲がり量として定義される。具体的には、キャンバー量Camは、i番目圧延パス出側における被圧延材20の幅方向中心位置S1と被圧延材20の基準位置S2との距離の最大値として定義される。
また、キャンバー量Camの正負の符号(キャンバーの発生方向)は、被圧延材20の基準位置S2に対する幅方向中心位置S1の位置ズレの方向と幅方向D3との関係によって決定される。図3に示す被圧延材20では、幅方向中心位置S1は、基準位置S2に対して幅方向D3の正側(作業側)に位置ズレしているため、キャンバー量Camは、正の値になる。すなわち、図示しないが、幅方向中心位置S1が基準位置S2に対して幅方向D3の負側に位置ズレしている場合、キャンバー量Camは、負の値になる。
なお、基準位置S2は、被圧延材20の先端部20aにおける幅方向中心位置Waと尾端部20bにおける幅方向中心位置Wbとを通る直線(基準線)によって表される。キャンバー量Camは、被圧延材20の長手方向D2の中心位置における幅方向中心位置S1と基準位置S2との距離になる。
[3.圧下レベリング制御方法]
次に、図4を参照して、圧下レベリングの制御方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る圧下レベリング制御方法の一例を示すフローチャートである。本発明の実施の形態に係る圧下レベリング制御方法は、圧下レベリング制御装置1によって実行される。圧下レベリング制御装置1は、図4に示すステップS101〜S104を順次実行する。
図4に示すように、圧下レベリング制御装置1は、粗圧延装置10の入側(第1の圧延パス入側)での被圧延材20のキャンバー量Camを測定する(ステップS101)。ステップS101において、キャンバー量測定部2は測定したキャンバー量Camを演算処理部5に送信する。
ステップS101を実行後、圧下レベリング制御装置1は、被圧延材20の粗圧延装置10の入側での幅方向温度偏差を測定する(ステップS102)。ステップS102において、温度偏差測定部3は、被圧延材20の幅方向温度偏差を演算処理部5に送信する。
ステップS102を実行後、圧下レベリング制御装置1は、粗圧延装置10による複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量LVを算出する(ステップS103)。
ステップS103において、温度偏差測定部3によって測定された被圧延材20の幅方向温度偏差と、プロセスコンピュータ等によって入力された圧延条件(圧延後の目標板厚および目標板幅、圧延パス毎の圧下率、材料強度等)とに応じて、影響係数Kが設定される。この際、演算処理部5は、記憶部4内の影響係数テーブル4aを参照し、この影響係数テーブル4aの中から、被圧延材20の幅方向温度偏差および圧延条件と対応付けられた影響係数を抽出し、この抽出した影響係数を、被圧延材20に対応する影響係数Kとして設定する。
また、ステップS103において、演算処理部5は、粗圧延装置10の圧下レベリング量の設定可能範囲内で、圧下レベリング量候補を複数仮定する。本実施の形態において、粗圧延装置10の圧下レベリング量の設定可能範囲は、第1〜第4圧延機11〜14の各圧下レベリング量の設定可能範囲(以下「圧下レベリング量の設定可能範囲」と適宜略記する)に相当する。一般に、圧延機の各圧下レベリング量は、例えば0.1[mm]または0.01[mm]等、所定の単位量で操作される。このような圧下レベリング操作によって設定し得る圧延機の各圧下レベリング量のパターンは有限である。すなわち、圧延機の各圧下レベリング量には、圧延機毎の構造(設備仕様)等に基づいて設定可能な上限値および下限値が存在し、圧延機の各々に設定し得る圧下レベリング量の上限値以下、下限値以上の有限な範囲が、圧下レベリング量の設定可能範囲になる。そのため、演算処理部5は、このような圧下レベリング量の設定可能範囲内において実行可能な圧下レベリング操作量を、圧下レベリング量候補として複数仮定する。
さらに、ステップS103において、演算処理部5は、上述したように影響係数Kの設定と複数の圧下レベリング量候補の仮定とを実行後、測定された被圧延材20の粗圧延装置10の入側でのキャンバー量Camと、被圧延材20に対応する影響係数Kと、仮定した複数の圧下レベリング量候補とをもとに、粗圧延装置10の総圧延パス数Nの複数パス圧延による被圧延材20の各圧延パス出側でのキャンバー予測量(Cam)を設定する。ついで、演算処理部5は、仮定した複数の圧下レベリング量候補のうち、設定したキャンバー予測量(Cam)の全圧延パスの合計値が最小となる際の圧下レベリング量候補を、粗圧延装置10による被圧延材20の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出する。
ステップS103を実行後、圧下レベリング制御装置1は、粗圧延装置10による被圧延材20の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する(ステップS104)。ステップS104において、制御部6は、上述したステップS103において算出された各圧延パスの圧下レベリング量Lvをもとに、各圧下装置11a,12a,13a,14aを制御して、粗圧延装置10による複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する。そして、ステップS104を実行後、圧下レベリング制御装置1は、本処理を終了する。
[4.実施例]
[4−1.実施例1]
実施例1では、粗圧延装置10に第5基目の圧延機を加えた全5スタンドの粗圧延装置が設けられた熱間圧延ライン100にて本発明の検証を行った。また、実施例1で検証対象とした被圧延材20は、長さ8000〜9200mm、厚み(板厚)235mm、幅900〜1700mmの軟鋼のスラブである。粗圧延前の幅圧下装置30による幅圧下量は、0〜250mmである。一方、粗圧延後の第5基目の圧延機出側(最終の圧延パス出側)での目標の板厚は、32〜45mmである。実施例1で調査したスラブは500本である。キャンバー変化に対するレベリング操作の影響係数は、事前に同定した値を用いた。重み係数αは、第1〜第4パス(i=1〜4):1.0、第5パス(i=5):2.0とした。また、実施例1と比較するための比較例(従来技術)では、圧延開始前に無負荷時のロールギャップがロール軸方向に均等となるよう設定したレベリング量を初期値として、圧延中は一定に保ち、各圧延パスでのキャンバー量を測定した。そして、実施例1と比較例との比較結果は図5および図6に示すようになった。
図5には、実施例1におけるキャンバー曲率の標準偏差として、第5基目の圧延機出側でのキャンバー量の各被圧延材の標準偏差を示す。図6には、実施例1におけるキャンバー曲率の平均として、第5基目の圧延機出側のキャンバー量の各被圧延材の平均を示す。図5に示すように、実施例1でのキャンバー曲率[1/m]の標準偏差は、比較例の約27%に低減している。図6に示すように、実施例1でのキャンバー曲率[1/m]の平均は、比較例の約60%に低減している。さらに、第1〜第5パス圧延後のキャンバー量も低減しており、本発明ではキャンバーの抑制に効果があることが分かった。
[4−2.実施例2]
実施例2では、実施例1と同様に全5スタンドの圧延機を有する熱間圧延ライン100にて本発明の検証を行った。また、実施例2で検証対象とした被圧延材20は、長さ6000〜9000mm、厚み(板厚)250〜300mm、幅800〜1000mmの軟鋼のスラブである。粗圧延前の幅圧下装置30による幅圧下量は、50〜250mmである。一方、粗圧延後の第5基目の圧延機出側(最終の圧延パス出側)での目標の板厚は、30〜40mmである。実施例2で調査したスラブは600本である。さらに、実施例2では、第1基目の圧延機で3パス圧延を行い、第2〜第5基目の圧延機では1パス圧延を行い、粗圧延装置全体では合計7パスの圧延を行った。重み係数αは、第1〜第3パス(i=1,2,3):1.0、第4〜第6パス(i=4,5,6):2.0、第7パス:3.0とした。また、実施例2と比較するための比較例(従来技術)では、圧延開始前に無負荷時のロールギャップがロール軸方向に均等となるよう設定したレベリング量を初期値として、圧延中は一定に保ち各圧延パスでのキャンバー量を測定した。そして、実施例2と比較例との比較結果は図7および図8に示すようになった。
図7には、実施例2におけるキャンバー曲率の標準偏差として、第5基目の圧延機出側でのキャンバー量の各被圧延材の標準偏差を示す。図8には、実施例2におけるキャンバー曲率の平均として、第5基目の圧延機出側のキャンバー量の各被圧延材の平均を示す。図7に示すように、実施例2でのキャンバー曲率[1/m]の標準偏差は、比較例の約28%に低減している。図8に示すように、実施例2でのキャンバー曲率[1/m]の平均は、比較例の約57%に低減している。さらに、第1〜第7パス圧延後のキャンバー量も低減しており、本発明ではキャンバーの抑制に効果があることが分かった。
以上説明したように、実施の形態における圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法によれば、複数パス圧延による被圧延材のキャンバー発生を抑制することができる。
また、圧延装置によって複数パス圧延が行われようとしている被圧延材を対象とするキャンバー量の測定は、第1の圧延パス入側のみで実施されればよい。そのため、例えば各圧延機の出側にキャンバー量測定部が一つずつ設けられた従来構成よりも、簡易な構成の圧下レベリング制御装置を実現できる。これにより、複数の圧延機を有する圧延装置を制御対象とする場合に、各圧延機の出側にキャンバー量測定部を設ける必要も、演算処理のために複数のキャンバー量測定部から実測データを取得する必要もなく、複数の圧延機に対する圧下レベリング量をそれぞれに調整することができる。そのため、従来構成よりもキャンバー量測定部の数を削減でき、熱間圧延ラインへの圧下レベリング制御装置の導入コストを削減できる。
さらに、総圧延パス数Nの複数パス圧延のうち、第1の圧延パス入側での被圧延材のキャンバー量のみを実測データとして用いて、上述した影響係数Kと、仮定された圧下レベリング量候補とともに、1〜N番目の圧延パス出側でのキャンバー量を予測することができる。その影響係数Kは、i番目圧延パスの圧下レベリング操作の影響を受けたi番目圧延パス出側でのキャンバー量の変化と、このi番目圧延パスの圧下レベリング操作による圧下レベリング量の変化との比により表されるものである。つまり、キャンバー量の予測処理には、1〜N番目圧延パスのうちのi番目圧延パスの圧延時における圧下レベリング操作が、i番目以降の圧延パス出側における被圧延材のキャンバー量の変化に及ぼす影響が圧延パス毎に考慮されている。これにより、第1の圧延パス入側での被圧延材のキャンバー量のみを実測データに用いる予測処理において、各圧延機出側でのキャンバー量の予測精度が向上する。そのため、各圧延パスによるキャンバー予測量に基づいて、各圧延機の圧下レベリング量を適切に調整することができる。これにより、複数パス圧延による被圧延材のキャンバー発生を精度よく抑制することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、制御対象の圧延装置は、仕上圧延装置等、粗圧延装置以外の圧延装置であってもよい。
また、制御対象の圧延装置(粗圧延装置10)は、全4スタンドまたは全5スタンドの圧延機を備えている構成に限定されない。制御対象の圧延装置を構成する圧延機の数(スタンド数)は、被圧延材に対して複数パス圧延が行えるのであれば、1つであってもよいし、複数であってもよい。つまり、本発明において、制御対象の圧延装置を構成する圧延機のスタンド数は特に問われない。加えて、圧延機の各ロール段数は、4段に限定されず、所望の段数であってもよい。すなわち、圧延機のロール段数および複数パス圧延の総圧延パス数も特に問われない。
さらに、圧延装置を構成する圧延機は、被圧延材に対し順方向の圧延を行う圧延機(非可逆式の圧延機)であるか、あるいは順方向の圧延と逆方向の圧延とを被圧延材に行う圧延機(可逆式の圧延機)であるかは特に限定されない。つまり、本発明において、制御対象の圧延装置は、複数の圧延機が全て非可逆式または可逆式によって構成されていてもよく、あるいは1つ以上の非可逆式の圧延機と1つ以上の可逆式の圧延機とを備えるものであってもよい。上述した実施例2のように第1基目の圧延機を可逆式の圧延機とする場合に限らず、第2基目以降の圧延機を可逆式とする場合、その可逆式の圧延機による順方向の圧延および逆方向の圧延は、被圧延材に対する複数パス圧延の何れの圧延パスで行ってもよい。このように、圧延機が可逆式または非可逆式であるかを問わず、圧延装置における第1の圧延パス入側で被圧延材のキャンバー量を測定すれば、その後の複数パス圧延によるキャンバー量を予測することができる。
また、キャンバー量の正負の定義(キャンバーの発生方向の定義)は、上述した実施の形態とは逆に、作業側が負、駆動側が正であってもよい。すなわち、被圧延材20のキャンバーの曲がり状況について、圧延機の圧延ロールの駆動側への曲りを正、作業側への曲りを負といったように区別してもよい。
さらに、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 圧下レベリング制御装置
2 キャンバー量測定部
3 温度偏差測定部
4 記憶部
4a 影響係数テーブル
5 演算処理部
6 制御部
10 粗圧延装置
11,12,13,14 第1〜第4圧延機
11a,12a,13a,14a 第1〜第4圧下装置
11b,11c 圧延ロール
20 被圧延材
20a 先端部
20b 尾端部
D1 厚さ方向(板厚方向)
D2 長手方向
D3 幅方向
S1 幅方向中心位置
S2 基準位置
Wa 幅方向中心位置(被圧延材の先端部)
Wb 幅方向中心位置(被圧延材の尾端部)
100 熱間圧延ライン

Claims (6)

  1. 圧延装置によって複数パス圧延が今回行われる被圧延材である当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量を測定するキャンバー量測定部と、
    測定された前記当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量と、前記圧延装置の各圧延パスの圧下レベリング操作が前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量の変化に影響する度合を示す係数であり、i番目圧延パスの圧下レベリング操作の影響を受けたi番目圧延パス出側でのキャンバー量の変化とi番目圧延パスの圧下レベリング操作による圧下レベリング量の変化との比によって表される影響係数と、前記当材の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量の候補とをもとに、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量を設定し、設定した前記キャンバー予測量を用いて、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量算出する演算処理部と、
    算出された前記各圧延パスの圧下レベリング量をもとに、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する制御部と、
    を備え
    前記キャンバー予測量は、キャンバーの発生方向によって正の値または負の値となり、
    前記各圧延パスの圧下レベリング操作は、前記各圧延パスのレベリング量を操作することであり、
    前記制御部は、前記圧延装置に設定可能な圧下レベリング量の上限値および下限値から定める設定可能範囲内において所定の単位量ごとに圧下レベリング量を操作することが可能であり、
    前記演算処理部は、前記設定可能範囲内において前記所定の単位量ごとに設定し得る圧下レベリング量を、前記各圧延パスの圧下レベリング量の候補として複数仮定し、仮定した複数の前記圧下レベリング量の候補を用いて前記各圧延パス出側でのキャンバー予測量を複数算出し、複数の前記圧下レベリング量の候補について前記キャンバー予測量の全圧延パスの合計値を算出し、算出した複数の前記合計値同士を比較し、複数の前記圧下レベリング量の候補のうち、前記合計値の絶対値が最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量として算出する
    ことを特徴とする圧下レベリング制御装置。
  2. 前記演算処理部は、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量を評価する評価関数Jを、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量(Cam)と、該キャンバー予測量(Cam)の圧延パス別の重み付けを行うための重み係数αとを用い、下式(1)に基づき、複数の前記圧下レベリング量の候補について複数算出し、算出した複数の前記評価関数J同士を比較し、複数の前記圧下レベリング量の候補うち、前記評価関数Jが最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出することを特徴とする請求項1に記載の圧下レベリング制御装置。

    ただし、式(1)において、iは圧延パス数であり、Nは前記圧延装置による複数パス圧延の総圧延パス数であり、(∂Cam/∂Lv)は前記影響係数である。また、γは各圧延パスでの圧延方向伸び率(圧延入側板厚を圧延出側板厚で除したもの)、Camはiパス目圧延出側のキャンバー量であり、Camは第1の圧延パス入側のキャンバー量である。
  3. 前記圧延装置の入側における前記当材の幅方向温度偏差を測定する温度偏差測定部をさらに備え、
    前記演算処理部は、測定された前記当材の幅方向温度偏差と前記当材の圧延条件とに応じて、前記当材に対応する前記影響係数を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の圧下レベリング制御装置。
  4. 圧延装置によって複数パス圧延が今回行われる被圧延材である当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量を測定するキャンバー量測定ステップと、
    測定された前記当材の第1の圧延パス入側でのキャンバー量と、前記圧延装置の各圧延パスの圧下レベリング操作が前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量の変化に影響する度合を示す係数であり、i番目圧延パスの圧下レベリング操作の影響を受けたi番目圧延パス出側でのキャンバー量の変化とi番目圧延パスの圧下レベリング操作による圧下レベリング量の変化との比によって表される影響係数と、前記当材の複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量の候補とをもとに、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量を設定し、設定した前記キャンバー予測量を用いて、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量算出する演算処理ステップと、
    算出された前記各圧延パスの圧下レベリング量をもとに、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量を制御する制御ステップと、
    を含み、
    前記キャンバー予測量は、キャンバーの発生方向によって正の値または負の値となり、
    前記各圧延パスの圧下レベリング操作は、前記各圧延パスのレベリング量を操作することであり、
    前記制御ステップは、前記圧延装置に設定可能な圧下レベリング量の上限値および下限値から定める設定可能範囲内において所定の単位量ごとに圧下レベリング量を操作することが可能であり、
    前記演算処理ステップは、前記設定可能範囲内において前記所定の単位量ごとに設定し得る圧下レベリング量を、前記各圧延パスの圧下レベリング量の候補として複数仮定し、仮定した複数の前記圧下レベリング量の候補を用いて前記各圧延パス出側でのキャンバー予測量を複数算出し、複数の前記圧下レベリング量の候補について前記キャンバー予測量の全圧延パスの合計値を算出し、算出した複数の前記合計値同士を比較し、複数の前記圧下レベリング量の候補のうち、前記合計値の絶対値が最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量として算出する
    ことを特徴とする圧下レベリング制御方法。
  5. 前記演算処理ステップは、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー量を評価する評価関数Jを、前記複数パス圧延による前記当材の各圧延パス出側でのキャンバー予測量(Cam)と、該キャンバー予測量(Cam)の圧延パス別の重み付けを行うための重み係数αとを用い、下式(2)に基づき、複数の前記圧下レベリング量の候補について複数算出し、算出した複数の前記評価関数J同士を比較し、複数の前記圧下レベリング量の候補うち、前記評価関数Jが最小となる際の前記圧下レベリング量の候補を、前記当材の前記複数パス圧延時における各圧延パスの圧下レベリング量Lvとして算出することを特徴とする請求項4に記載の圧下レベリング制御方法。

    ただし、式(2)において、iは圧延パス数であり、Nは前記圧延装置による複数パス圧延の総圧延パス数であり、(∂Cam/∂Lv)は前記影響係数である。また、γは各圧延パスでの圧延方向伸び率(圧延入側板厚を圧延出側板厚で除したもの)、Camはiパス目圧延出側のキャンバー量であり、Camは第1の圧延パス入側のキャンバー量である。
  6. 前記圧延装置の入側における前記当材の幅方向温度偏差を測定する温度偏差測定ステップをさらに含み、
    前記演算処理ステップは、測定された前記当材の幅方向温度偏差と前記当材の圧延条件とに応じて、前記当材に対応する前記影響係数を設定することを特徴とする請求項4または5に記載の圧下レベリング制御方法。
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