JP4423763B2 - 鋼板の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の製造法に関し、例えば、良好な板形状を有する鋼板を製造するための鋼板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
厚板圧延機を用いた複数パスのリバース圧延によって行われる厚板圧延に際して、製造される厚板の板クラウンや板平坦度等といった板形状を高精度で制御するために、周知のように、圧延ロールの母線形状(ロールプロフィール)および板クラウン比率一定則等に基づき、パススケジュール(各パス毎の設定板厚すなわち圧下量や設定圧延荷重等)を推定演算により圧延前に予め設定する。そして、設定されたこのパススケジュールにしたがって圧延が行われる。
【0003】
しかし、現実には、パススケジュールの設定に用いたロールプロフィールや被圧延材の硬度の予測値が実際の値(真の値)からずれてしまい、圧延荷重設定値と実際の圧延荷重との誤差やロールプロフィールの計算誤差等を生じる。このため、設定値通りの圧延荷重で圧延を行うことは難しく、設定したパススケジュールにしたがって圧延を行おうとしても、所望の板クラウンおよび板平坦度を有する厚板を製造できないことがある。
【0004】
例えば、厚板圧延機を用いて1パスの圧延を行った後における板クラウンCROUT は、一般的に(1)式により求められる。
【0005】
【数1】
ここで、(1)式におけるαP 、αCW、αCB、αF 、αCRI は、いずれも、圧延サイズ等の圧延条件によって決定される定数であり、Pは圧延荷重であり、RCWはワークロールクラウンであり、RCBはバックアップロールクラウンであり、Fはロールベンディング力であり、さらに、CRINは入側(圧延前)板クラウンである。
【0006】
また、板平坦度yは、(2)式により求められる圧延前後の板クラウン比率変化によって決定される。このため、厚板の板形状の制御精度を向上するには、パススケジュールの設定の際にできるだけ正確に板クラウンを予測する必要がある。
【0007】
【数2】
ここで、(2)式におけるHは入側板厚であり、hは出側板厚であり、さらに、αCRy は板クラウン比率変化を板平坦度に変換する係数であって圧延サイズ等の条件により決定される定数である。
【0008】
このため、(1)式および(2)式より、圧延後の板クラウンCROUT および板平坦度yを正確に予測するには、上記αP などの各定数および圧延荷重P、ワークロールクラウンRCW、バックアップロールクラウンRCB、ロールベンディング力F、入側板クラウンCRIN、さらには入出側板厚H、hの演算要素の値を正確に求める必要がある。
【0009】
これらの演算要素のうちで、ロールベンディング力Fについては、一般に所望の板形状を得る目的で圧延前に初期設定し、ロールベンディング装置を操作するものであり、板厚H、hについては、板厚制御により所望の設定板厚を得るべく制御されるものである。したがって、上記(1)式において、圧延状況によって変動し得るのは、αP などの各定数、圧延荷重P、ワークロールクラウンRCW、バックアップロールクラウンRCBさらには入側板クラウンCRINである。
【0010】
ここで、αP などの各定数値については、実験やFEM解析等により、圧延条件毎に適宜求めることができる。また、圧延荷重Pについては、一般的に(3)式により算出される。
【0011】
【数3】
ここで、K0 は変形抵抗であり、ld は接触弧長であり、QP は圧下力関数であり、Wは板幅であり、さらに、K0 、ld 、QP は、一般的に(4)式〜(6)式として表現される。
【0012】
【数4】
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
ここで、(4)〜(6)式におけるTは圧延材温度であり、εは圧延材歪みであり、ε’は圧延材歪み速度であり、Ceqは圧延材の成分で決まる値であり、さらに、R’は扁平ロール径である。
【0015】
このように、(3)〜(6)式を用いて圧延前に圧延荷重Pを予測演算することは可能であるものの、実際には、(4)式により演算される変形抵抗K0 の推定値が実際の値と一致しないことから、圧延荷重Pの予測演算値と実際の値とを完全に一致させることは困難である。このため、(7)式に示すように、(3)式の右辺に荷重補正係数Zを乗じることによって、圧延荷重Pの実測荷重と計算荷重とを一致させる補正が行われる。この荷重補正係数Zは、例えば予測演算の前までに行われた圧延での圧延荷重予測値と実測値との比から決定されるものである。
【0016】
【数7】
例えば特開昭60−184412号公報には、(1)〜(7)式を用いて、圧延ロールの摩耗や熱膨張等の計算値に基づいて算出された圧延ロールのロールプロフィールと、設定されたパススケジュール初期値とに基づいて圧延終了時の板クラウンCROUT を予測演算することによりパススケジュール初期値を修正し、修正されたパススケジュール初期値に基づき圧延を開始し、圧延途中パスにおける板クラウンの実測値とパススケジュール初期値とに基づいて圧延終了時の板クラウンCROUT を再度予測演算し、最終的に所望の板クラウンCROUT および板平坦度yが得られるように、パススケジュール初期値を修正して設定することによって、板形状の制御精度を向上して所望の板クラウンCROUT および板平坦度yを有する厚板を製造する発明が、開示されている。すなわち、この発明は、圧延途中パスにおいて被圧延材の板クラウンを測定し、この板クラウンの測定値に基づいて圧延終了時の板クラウンCROUT および板平坦度yを予測演算し、板クラウンCROUT および板平坦度yそれぞれの予測値がいずれも実測値に一致するようにパススケジュール初期値を修正するものである。
【0017】
一方、特開平5−269516号公報には、厚板圧延の途中パスにて圧延荷重Pの予測値の誤差を求めて次パスの圧延荷重Pの設定値を補正するとともに、補正前後の圧延荷重Pの変化量から発生し得る板クラウンCROUT の変化量を算出し、この板クラウンCROUT の変化量を予め設定された設定板クラウン変化量に一致させるロールベンディング力Fを決定し、このロールベンディング力Fに基づきロールベンディング装置を制御する発明が、開示されている。すなわち、この発明は、圧延途中パスにて、予め設定されたパススケジュール計算時の予測圧延荷重Pを算出するとともに、前パスまでの圧延実績に基づいて決定される次パス適応制御予測荷重を算出し、これら両者の関係から板クラウン変化量を算出し、この板クラウン変化量を予め設定された板クラウン変化量と比較することにより、荷重予測誤差により生じる板クラウン変化を補償すべく、ロールベンディング力Fを修正して決定するものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭60−184412号公報に示された方法は、圧延途中パスでの板クラウン実測値に基づいて設定したパススケジュールを修正するものである。しかし、圧延途中パスにおいて板クラウン実測値が板クラウン予測値に一致しない原因として、(i)圧延ロールの摩耗や熱膨張等の計算誤差によってロールプロフィールの予測値が実測値に一致しないこと、および(ii)被圧延材の硬度予測誤差などによりパススケジュールの設定時の圧延荷重Pの予測値と実測値とが異なることの2つに原因がある。このため、圧延前に予測演算したロールプロフィールに基づいてそれ以降のパスでの板クラウンを予測演算しても、実際のワークロールクラウンRCWやバックアップロールクラウンRCBが予測値と異なり、ロールクラウンRCW、RCBに誤差がある場合には、板クラウン予測誤差が生じるために制御精度の低下は否めない。すなわち、この発明では、前述したように、圧延状況によって変化する入側クラウンCRINは実測値を用いているが、ロールクラウンRCW、RCBの計算誤差分を考慮していないため、所望の板クラウンCROUT および板平坦度yを得ることができない。
【0019】
また、圧延途中パスまでの圧延荷重Pの予測誤差が生じる原因は、圧延前に予測した被圧延材の硬度が実際とは異なるためであり、それ以降のパスにおいても同様に圧延荷重Pの予測誤差が生じてしまう。したがって、圧延途中パスで測定された板クラウン値を入側板クラウンCRINとして用いてそれ以降の各パスでの板クラウンを予測演算しても、各パスにおける圧延荷重Pの予測誤差がロール撓み量等に関する計算誤差を引き起こすため、正確な板クラウン予測を行うことができず、制御精度が低下する。
【0020】
一方、特開平5−269516号公報により開示された発明によれば、圧延途中パス以降の圧延荷重Pの予測値の誤差分を補正するため、各パスにおけるロール撓み量等に関する計算誤差を解消できる。しかし、圧延途中パスまでの圧延荷重Pの予測誤差が大きく、補正前後の圧延荷重Pの変化量が大きい場合には、板クラウン変化量を補償するためのロールベンディング力も大きく設定せざるを得なくなる。このため、設備上、動作範囲に限界があるロールベンディング装置では制御量が不足しがちであり、所望の板クラウンCROUT および板平坦度yが得られず、制御精度が低い。
【0021】
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、例えば、良好な板クラウンおよび板平坦度を有する厚板を製造することができる、鋼板の製造法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記する新規かつ重要な知見を得た。
【0023】
▲1▼圧延途中パスにおける板クラウンの実測値と、上記(1)式に基づいてロールクラウン推定値を用いてこのパスまでの板クラウンの予測値とを比較し、実測値と予測値とが等しくなるように、予測値の演算に用いるロールクラウン推定値を変更して設定して決定することにより、極めて意外にも、圧延終了時における板クラウン予測誤差が飛躍的に低減され、さらに、圧延途中パス以降のパススケジュールやロールベンディング力の設定値を微調整することにより、板形状の制御精度を飛躍的に向上できること。
【0024】
▲2▼例えば、板クラウン検出器の設置場所等が設備上の都合で確保できないために圧延途中パスでの板クラウンの実測値が得られない場合には、実測した板平坦度を上記(2)式に代入することにより得られる板クラウンの演算値を、実測値の代わりに用いることによっても、▲1▼項と同様の効果が得られること。
【0025】
▲3▼圧延途中パスにて圧延材の温度を測定し、この温度測定値を用いて、このパス以降の圧延材温度を予測演算し、(4)〜(7)式を用いて圧延荷重を予測演算することにより、圧延荷重の予測誤差をさらに抑制することができるため、板形状制御精度をさらに向上できること。
【0026】
そこで、本発明者はさらに検討を重ねた結果、厚板圧延での板形状制御において、圧延途中パスにおいて板クラウンを実測することによりロールクラウン推定値を修正し、修正したロールクラウン推定値に基づいてこのパス以降のパススケジュールを、修正設定することにより、所望の板クラウンおよび板平坦度を有する厚板を得ることができ、上記課題を解決できることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
【0027】
本発明は、圧延の全パスそれぞれ毎に求めた第1のロールクラウン推定値を用いて予めパススケジュールを設定し、このパススケジュールにしたがって1パスまたは2パス以上の圧延を行った後、この圧延を行われた被圧延材の状況に基づいて、この圧延以降の圧延の少なくとも1パスについて、第1のロールクラウン推定値とは異なる第2のロールクラウン推定値を求め、第2のロールクラウン推定値を用いて、第(n−1)パス圧延後の板厚h n−1 を修正し、初期設定されたパススケジュールでの第(n−1)パス圧延後板厚h n−1 0 と、修正された第nパス圧延前板厚h n−1 との差から、各パス圧延後板厚を下記式により修正することによって、パススケジュールを設定変更し、設定変更されたパススケジュールにしたがって圧延以降の圧延を行うことによって、目標の板クラウンおよび板平坦度のうちの少なくとも一方を有する鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造法である。
h i =h i 0 +w h,i ・(h n−1 −h n−1 0 )
ただし、上式において、nは圧延全パス数であり、mは初期設定されたパススケジュールで圧延を行う回数であり、i=(m+1)〜(n−2)であり、h i は修正されたパススケジュールでの第iパス圧延後板厚であり、h i 0 は初期設定されたパススケジュールでの第iパス圧延後板厚であり、w h,i は圧延条件等に応じて予め決められた重み係数である。
【0029】
これらの本発明にかかる鋼板の製造法では、被圧延材の状況が、被圧延材の板クラウンまたは板平坦度の測定値であることが例示される。
また、これらの本発明にかかる鋼板の製造法では、第1のロールクラウン推定値とともに第1の圧延荷重推定値を用いてパススケジュールを設定するとともに、第2のロールクラウン推定値とともに第2の圧延荷重推定値を用いて、パススケジュールを設定変更することが、望ましい。
【0030】
また、これらの本発明にかかる鋼板の製造法では、鋼板が厚板であることが、例示される。本発明において、「厚板」とは、厚さが3mm以上、幅が900mm以上、長さが1800mm以上であって、JISに規定される一般構造用、溶接用、ボイラ用等に供される鋼板を意味しており、厚板圧延機により複数パスのリバース圧延を行われて製造される鋼板である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以降の説明では、本発明を厚板の圧延に適用した場合を例にとる。
【0036】
図1は、本実施形態において用いる厚板圧延機2の構成例を示す説明図である。
この厚板圧延機2は、可逆式の圧延機であり、圧延材1は同図左方(前面側)からテーブルローラ15により圧延機2に送り込まれて、圧延が開始される。そして、圧延を行われた圧延材1は、圧延機2の右方(後面側)へ抜けていく。さらに、次の圧延パスでは、圧延材1は圧延機2の後面側からテーブルローラ15により圧延機2に送り込まれて圧延が開始され、圧延を行われた後に圧延機2の前面側に抜けていく。以下、この圧延パスを複数回繰り返して行うことにより、圧延材1は所定の仕上板厚になるまで圧下される。
【0037】
圧延機2は、本実施形態では、一対の上ワークロール3および下ワークロール4の上下に、それぞれ上バックアップロール5、下バックアップロール6を備える4重式圧延機である。なお、圧延機2は4重式には限定されず、4重式以外の多重式圧延機であってもよい。
【0038】
また、圧延機2には、上ワークロール3のロールベンディング力の設定制御および修正制御をいずれも行うことができる上ワークロールベンディング制御装置17と、下ワークロール5のロールベンディング力の設定制御および修正制御をいずれも行うことができる下ワークロールベンディング制御装置18とが設けれらている。なお、本実施形態では、板形状制御アクチュエータ(板形状制御手段)として、上ワークロールベンディング制御装置17と、下ワークロールベンディング制御装置18とからなるベンダーを用いた場合を例にとったが、例えば、いわゆるワークロールシフトミルやワークロールクロスミル等を用いることも可能である。
【0039】
上ワークロールベンディング制御装置17は、上ワークロール3を支持する上ワークロールチョック7と、上バックアップロール5を支持する上バックアップロールチョック9との間に取り付けれらた上ワークロールベンディング用油圧シリンダ11の油圧を設定あるいは変更することにより、上ワークロール3のベンディング力を設定あるいは変更する装置である。
【0040】
また、下ワークロールベンディング制御装置18は、下ワークロール4を支持する下ワークロールチョック8と、下バックアップロール6を支持する下バックアップロールチョック10との間に取り付けれらた下ワークロールベンディング用油圧シリンダ12の油圧を設定あるいは変更することにより、下ワークロール4のベンディング力を設定あるいは変更する装置である。
【0041】
圧延材1の圧延中に上下のワークロール3、4にかかる圧延荷重は、下バックアップロールチョック10に設けられたロードセル14によって検出される。
上下のワークロール3、4のロール間隙を調整する圧下装置13は、上バックアップロールチョック9に取り付けられ、圧下位置制御装置19からの設定あるいは変更の指示により、圧下位置を調整する。
【0042】
圧延機2の右方(後面側)には、圧延材1の板クラウンを検出する板クラウン計20と、圧延材1の温度を検出する温度計21と、圧延材1の板平坦度を検出する板平坦度計22とが設置されている。ロードセル14により検出される圧延荷重P、板クラウン計20から検出される板クラウンCR、温度計21から検出される圧延材温度Tおよび板平坦度計22から検出される板平坦度yの検出データは、いずれも、例えば計算機室等に設置されたプロセスコンピュータ16に向けて伝送され、入力される。
【0043】
なお、本実施形態では、圧延荷重Pを下バックアップロールチョック10に設けられたロードセル14によって検出する場合を示したが、この形態に限定されるものではない。例えば、ロードセル14は、上バックアップロールチョック9に設けられていてもよく、あるいは上下バックアップロールチョック9、10の両方に設けられていてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、圧下装置13を上バックアップロールチョック9に設けた場合を示したが、この形態に限定されるものではない。例えば、圧下装置13を、下バックアップロールチョック10あるいは上下のバックアップロールチョック9、10に設けてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、圧延機2の右側(後面側)に板クラウン検出器20、圧延材温度検出器21および板平坦度検出器22を設置した場合を示したが、これらの検出器が圧延機2の左側(前面側)に設置されていてもよく、あるいは両側に設置されていてもよい。
【0046】
また、圧延材温度検出器21は、後述するように、圧延荷重予測精度をさらに向上させるために圧延材温度実測値を収集するものであり、必ずしも設けなくともよい。
【0047】
さらに、本実施形態では、板クラウン検出器20および板平坦度検出器22が両方ともに設置された場合を示したが、どちらか一方が設置されていれば本発明の効果が得られるため、どちらか一方を設置してもよい。
【0048】
プロセスコンピュータ16では、圧延材1の圧延開始前に、圧延サイズや材質などの圧延条件に基づき、所定のパススケジュール計算を行い、圧延パス数を決めるとともに、各パスの圧延荷重予測計算等を行い、パススケジュールを初期設定し、各パス圧延前に圧下位置制御装置19、上下ワークロールベンディング制御装置17、18に、それぞれの設定値を伝送し、これらの動作を制御する。
【0049】
さらに、プロセスコンピュータ16は、圧延材1の圧延が開始されると、圧延条件に基づいて予め設定された圧延途中パスまでの圧延荷重Pおよび板クラウンCR、圧延材温度Tおよび/または板平坦度yの検出値をそれぞれ収集し、各圧延パスでの圧延荷重Pの実測値より算出されるゲージメータ板厚、あるいは図示しない板厚計により検出された板厚実測値hや、ロール周速度実測値、圧延材1が圧延機2に噛み込んでいる時間(圧延時間)T、前パスから次パスまでの間に圧延材1が圧延機2に噛み込まれていない時間(圧延アイドル時間)等を用いて、圧延途中パスまでの各パス圧延中の圧延荷重Pおよび各パス圧延後の板クラウンCR、板平坦度yの予測計算を行う。また、プロセスコンピュータ16は、検出された圧延荷重P、板クラウンCR、板平坦度yとその予測値との誤差を算出し、この誤差に基づき、残りパスでのパススケジュールおよびロールベンディング力Fの修正量を演算し、圧下位置制御装置19および上下ワークロールベンディング装置17、18に、残りの各パス圧延前に圧下位置の設定値あるいは変更量を伝送する。
【0050】
本実施形態で用いる厚板の圧延機2は、以上のように構成される。次に、この圧延機2を用いて、本実施形態の製造法を実施する状況を説明する。
図2は、本実施形態の製造法を示すフローチャートである。
【0051】
ステップ(以下、「S」と略記する)1において、プロセスコンピュータ16は、周知慣用の方法(例えば特開昭60―184412号公報により開示された方法等)によって、圧延材1の圧延開始前に、圧延サイズや材質、目標形状yAIM 、目標板クラウンCRAIM 等の条件情報を入力される。入力された後に、S2に移行する。
【0052】
S2において、プロセスコンピュータ16は、S1において求めた圧延に関する条件情報に基づいて、所定のパススケジュール計算を行い、圧延全パス数(=n)を決めるとともに、各パスの圧延荷重予測計算等を行ってパススケジュールを初期設定する。
【0053】
このパススケジュールの初期設定では、各圧延パスそれぞれ毎に求めたロールクラウン推定値、すなわち本発明における第1のロールクラウン推定値と、圧延荷重推定値、すなわち本発明における第1の圧延荷重推定値とが、ともに用いられている。
【0054】
このとき、板クラウン等を実測するパス回数を第m(<n)パス目と予め設定する。パス回数mの決定では、▲1▼第mパス圧延後の板厚がhmin 以下となるパスと設定するか、あるいは、▲2▼第mパス圧延時の板クラウン遺伝係数αCRI が初めてαCRI ≧αCRI,min となるパスと設定するか、あるいは▲3▼圧延サイズ毎に細分化されたテーブル参照方式によって設定してもよい。また、板クラウン等の実測は、全nパス中に1回のみではなく、圧延途中の数パスにおいて数回実測し、実測する毎に、後述するパススケジュールの修正、あるいはパススケジュールおよびロールベンディング力の修正を行ってもよい。
【0055】
S3において、圧延材1の圧延開始パスをi=1パスとする。そして、S4に移行する。
S4において、プロセスコンピュータ16によって初期設定されたパススケジュールに基づいて、各パス圧延前にプロセスコンピュータ16から、圧下位置制御装置19および上下ワークロールベンディング制御装置17、18に、それぞれの設定値が出力され、圧下装置13および上下ワークロールベンディング用油圧シリンダ11、12が操作されて、各パスの圧延が開始され、プロセスコンピュータ16の指令により、各パスにおける圧延荷重を測定する。そして、S5に移行する。
【0056】
S5において、プロセスコンピュータ16により、現在の圧延パスが第mパス目であるか否かが判定される。第mパス目でない場合にはS6に移行し、第mパス目である場合にはS7に移行する。
【0057】
S6において、プロセスコンピュータ16により、パス数を1増やし、次のパスの圧延を開始する、すなわちS4に移行する。
S7において、板クラウン計20、板平坦度計22または温度計21による第mパス目の圧延を終了した圧延材1の板クラウンまたは板平坦度、さらには圧延材温度の測定値が、プロセスコンピュータ16に入力される。そして、S8に移行する。
【0058】
S8において、プロセスコンピュータ16は、設定された第mパス圧延後に、第1〜第mパスまでの圧延荷重実測値PACT,i (i=1〜m)および、第mパス圧延後の板クラウン実測値CRACT,m (i=1〜m)に基づいて、後述する(8)式〜(18)式の演算を行うことにより、S2において初期設定されたパススケジュールを修正して設定する。
【0059】
すなわち、第1パスの圧延荷重実測値PACT,1 およびロールベンディング力実測値FACT,1 、さらにロールの摩耗量と熱膨張量とから算出されるロールクラウン推定値RCW,1、RCB,1を用いて、(1) 式に基づく(8)式により第1パス圧延後の板クラウンCRout,1 を演算する。すなわち、
【0060】
【数8】
である。このとき、入側板クラウンCRIN,1としては、圧延素材の実測値を用いるのが適切であるが、実測不可能な場合は入側板クラウンCRIN,1=0として演算する。
【0061】
次に、プロセスコンピュータ16は、第2パスの入側板クラウンCRIN,2=CRout,1 として、同様に、第2パス圧延後の板クラウンCRout,2 を演算し、以降、第mパスまでの演算を繰り返すことにより、第mパスの出側板クラウンCROUT,m を,(9)式により算出する。
【0062】
【数9】
ここで、第mパスの出側板クラウンCROUT,m と、第mパス圧延後の板クラウン実測値CRACT,m とに誤差が生じるのは、(9)式中のロールクラウンRCW,iとRCB,i i =1〜m)の推定誤差が原因である。このため、プロセスコンピュータ16は、圧延時間などの圧延条件に基づき予め設定された重み係数βCW,i、βCB,iを用いて、CROUT,m =CRACT,m となるように、下式(10)のΔを算出する。
【0063】
【数10】
なお、板クラウン検出器20が設置されておらず、板平坦度検出器22のみが設置されている場合には、プロセスコンピュータ16は、(10)式と同様に、ロールクラウン推定誤差Δを用いた(11)式と、(2)式に基づき第mパス圧延後板平坦度実測値yACT,m を用いた(12)式とから、Δを算出する。
【0064】
【数11】
【0065】
【数12】
次に、プロセスコンピュータ16は、第1から第mパスの圧延荷重実測値PACT,i (i=1〜m)と(3)〜(6)式に基づく圧延荷重予測値PCAL,i (i=1〜m)とから、荷重補正係数Zを、例えば下式(13)により算出する。
【0066】
【数13】
ただし、wi は、各パス毎の圧延後板厚等を考慮して予め決められた重み係数を示す。
【0067】
なお、(13)式において、圧延荷重予測値PCAL,i の算出に当たり、圧延材温度としては圧延時間、圧延アイドル時間等に基づく温度計算結果を用いる。また、圧延材温度検出器21が設置されている場合には、圧延材温度実測値を用いて、上記の圧延材温度計算結果を補正することによって、荷重予測値PCAL,i の予測精度を向上させることができる。
【0068】
最後に、プロセスコンピュータ16は、ロールクラウン推定誤差Δおよび荷重補正係数Zを用いて、第(m+1)パス以降第nパスまでのパススケジュール初期設定値を修正する。
【0069】
すなわち、最終パス(第nパス)圧延後の目標板厚hAIM 、目標形状yAIM 、目標板クラウンCRAIM を用いて、(2)式に基づく(14)式により、第(n−1)パス圧延後目標板クラウン比率を演算する。
【0070】
【数14】
ただし、hi-1 は第(i−1)パス圧延後板厚を示す。
【0071】
また、プロセスコンピュータ16は、ロールクラウン推定誤差Δ、荷重補正係数Zおよび第nパス圧延前板厚hn-1 の関数として表される荷重予測値Pn を用いて、(1) 式に基づき(15)式を求められることから、(14)式および(15)式を用いてhn-1 およびCROUT,n-1 を算出する。
【0072】
【数15】
ここで、ロールベンディング力設定値Fn については、設備能力の中立位置等の、予め与えられた初期値を与えておく。
【0073】
換言すれば、後述するように、ロールクラウン推定誤差Δを求めることにより、S2において求めた第1のロールクラウン推定値とロールクラウン推定誤差Δとを加算することにより、第2のロールクラウン推定値を求め、求めた第2のロールクラウン推定値を用いて、以降の圧延のパススケジュールを設定し直すのである。
【0074】
次に、プロセスコンピュータ16は、第(m+1)パスから第(n−1)パスまでのパススケジュールおよびロールベンディング力を算出する。算出方法の一例としては、プロセスコンピュータ16は、初期設定されたパススケジュールでの第(n−1)パス圧延後板厚hn-1 0 と(14)式および(15)式より得られるhn-1 との差を用いて、各パス圧延後板厚を(16)式により修正する。
【0075】
【数16】
ただし、i=(m+1)〜(n−2)である。また、hi 0 は初期設定されたパススケジュールでの第iパス圧延後板厚であり、wh,i は圧延条件等に応じて予め決められた重み係数を示す。
【0076】
さらに、プロセスコンピュータ16は、(16)式により得られたhi (i=m+1〜n−2)および(10)式あるいは(11)式、(12)式より得られるロールクラウン推定誤差Δ、(13)式より得られる荷重補正係数Z、圧延材温度推定値等に基づき、(4)式〜(7)式を用いて、圧延荷重PCAL,i を予測する。この荷重予測値を用いて、(17)式により、各パス圧延後の板クラウンを予測し、(2)式により板平坦度を予測し、予め与えられた途中パスでの許容板平坦度を越える場合には、(16)式における重み係数wh,i を修正して、同じ計算を繰り返す。
【0077】
【数17】
また,プロセスコンピュータ16は、(16)式における重み係数wh,i を修正する板厚スケジュール修正のみでは、所望の途中パス板平坦度が得られない場合、各パス圧延時のロールベンディング力Fi を(18)式により設定する。
【0078】
【数18】
(18)式中のCROUT,n-1 については、(14)式および(15)式により算出された値であり、CROUT,i (i=m+1〜n−2)は、予め与えられた途中パスでの許容板平坦度および(16)式により得られたhi 、(2) 式に基づき決定した値である。
【0079】
ここで、各パス圧延時のロールベンディング力Fi が設備能力等の上下限リミット値を越える場合には、(16)式における重み係数wh,i を修正して、同じ計算を繰り返す。
【0080】
また、(17)式および(18)式における圧延荷重PCAL,i を算出するときに用いる圧延材温度推定値としては、第mパスまでの圧延時間、圧延アイドル時間等に基づく温度計算結果より、第(m+1)パス以降の温度推定計算を行った結果を用いる。なお、圧延材温度検出器が設置されている場合には、圧延材温度実測値を用いて、第(m+1)パス以降の温度推定計算を行うことによって、圧延材温度をより正確に予測できるため、より正確に第(m+1)パス以降の圧延荷重を予測できる。この結果、(1)式および(2)式により予測演算される板クラウンおよび板平坦度をより正確に予測することができ、確実に所望の板クラウンおよび板平坦度を有する厚板を得ることができる。
【0081】
さらに、板厚スケジュールが修正されたときの板クラウンおよび板平坦度の予測をより正確に行うためには、圧延サイズなどの各パス圧延条件に応じて決まる定数αP 、αCW、αCB、αF 、αCRI 、αCRy を適切な値に変更して再度計算した方がより効果的である。
【0082】
次に、S9およびS10により、S8において修正されたパススケジュールに基づいて圧延が行われる。
そして、S11において、最新の圧延パスが第n番目のパスであるか否かが判定される。第n番目である場合にはS12に移行し、第n番目でない場合にはS9に移行する。
【0083】
そして、S12において圧延が終了される。
このように、本実施形態によれば、圧延開始前に第1のロールクラウン推定値を用いて求めたパススケジュールを、圧延途中の特定パスで求めた第2のロールクラウン推定値を用いて求めたパススケジュールに設定変更して、特定パス以降の圧延を行うため、特定パス以前における圧延ロールの摩耗や熱膨張等の誤差を吸収、解消してロールプロフィールの予測値を実際の値に正確に一致させることができる。
【0084】
このため、良好な板クラウンおよび板平坦度を有する厚板を製造することができる。
【0085】
【実施例】
さらに、本発明を実施例を参照しながらより詳細に説明する。
図1に示す厚板圧延機を用いて、前述した実施の形態に示す方法を用いて、圧延仕上板厚6mm、板幅2500mmの圧延材を、仕上目標板クラウン0.1mm、仕上目標板平坦度0%として圧延した。なお、圧延機2の主要な仕様を表1にまとめて示す。
【0086】
【表1】
結果を図3にグラフにまとめて示す。図3(a)は、各パス圧延後板厚(mm)と圧延荷重(kN)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。また、図3(b)は、各パス圧延後板厚(mm)とロールベンディング力(kN/chock)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。また、図3(c)は、各パス圧延後板厚(mm)と板クラウン(mm)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。さらに、図3(d)は、各パス圧延後板厚(mm)と板平坦度(%)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。
【0087】
この圧延では、全11パス中、7パス完了後に板クラウンおよび圧延材温度を実測することによりロールクラウン推定値および荷重補正係数を修正し、修正したロールクラウン推定値と荷重補正係数とを用いて、第8パスから第11パスのパススケジュールおよびロールベンディング力を全て修正した。このため、図3(a)〜図3(d)に示すように、圧延終了後の目標板クラウンおよび目標板平坦度を達成できたことがわかる。
【0088】
これに対して、途中パスまでの圧延荷重実績値と圧延荷重予測値とから、その誤差を学習し、初期設定された圧延荷重を修正し、圧延荷重修正量に伴う板クラウン変化量を補償すべくロールベンディング力設定値を変更する従来法により、同一サイズの圧延材を圧延した。
【0089】
結果を図4にグラフにまとめて示す。図4(a)は、各パス圧延後板厚(mm)と圧延荷重(kN)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。また、図4(b)は、各パス圧延後板厚(mm)とロールベンディング力(kN/chock)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。また、図4(c)は、各パス圧延後板厚(mm)と板クラウン(mm)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。さらに、図4(d)は、各パス圧延後板厚(mm)と板平坦度(%)との関係を示すグラフであり、各パス圧延後板厚が6〜14mmの範囲の拡大図とともにあわせて示す。
【0090】
この従来例では、本発明例のようにロールクラウン推定値の誤差を考慮していないため、目標板クラウンおよび目標板形状を達成することができなかった。
さらに、本発明例により厚板の圧延を行い、圧延終了後に板クラウンおよび板平坦度を検査した結果を、図5にグラフで示す。また、従来例の形状制御方法による結果を図6にグラフで示す。いずれもサンプル数は200であり、圧延仕上板厚は5〜20mm、板幅は2000〜4500mmと多種の圧延サイズの圧延材を圧延した結果である。
【0091】
図5および図6を対比することから明らかなように、本発明の厚板圧延によれば、確実に目標板クラウンおよび目標板平坦度を達成することができ、製品の寸法精度が顕著に向上したことがわかる。
【0092】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、圧延開始前に第1のロールクラウン推定値を用いて求めたパススケジュユールを、圧延途中の特定パスで求めた第2のロールクラウン推定値を用いて求めたパススケジュールに設定変更して、特定パス以降の圧延を行うため、特定パス以前における圧延ロールの摩耗や熱膨張等の誤差を吸収、解消してロールプロフィールの予測値を実際の値に正確に一致させることができる。
【0093】
さらには、本発明により、特定パスまでの圧延荷重実測値および温度実測値に基づいて求めた第2の圧延荷重推定値を用いてパススケジュールを修正するため、特定パス以降の圧延における圧延荷重を、より正確に予測することができる。
【0094】
このため、良好な板クラウンおよび板平坦度を有する厚板を製造することができる。
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態において用いる厚板圧延機の構成例を示す説明図である。
【図2】実施形態の製造法を示すフローチャートである。
【図3】実施例の結果を示すグラフである。
【図4】実施例の結果を示すグラフである。
【図5】実施例の結果を示すグラフである。
【図6】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の簡単な説明】
1 圧延材
2 圧延機
3 上ワークロール
4 下ワークロール
5 上バックアップロール
6 下バックアップロール
7 上ワークロールチョック
8 下ワークロールチョック
9 上バックアップロールチョック
10 下バックアップロールチョック
11 上ワークロールベンディング用油圧シリンダ
12 下ワークロールベンディング用油圧シリンダ
13 圧下装置
14 ロードセル
15 テーブルローラ
16 プロセスコンピュータ
17 上ワークロールベンディング制御装置
18 下ワークロールベンディング制御装置
19 圧下位置制御装置
20 板クラウン検出器
21 圧延材温度検出器
22 板平坦度検出器
Claims (5)
- 圧延の全パスそれぞれ毎に求めた第1のロールクラウン推定値を用いて予めパススケジュールを設定し、該パススケジュールにしたがって1パスまたは2パス以上の圧延を行った後、該圧延を行われた被圧延材の状況に基づいて、該圧延以降の圧延の少なくとも1パスについて、前記第1のロールクラウン推定値とは異なる第2のロールクラウン推定値を求め、該第2のロールクラウン推定値を用いて、第(n−1)パス圧延後の板厚h n−1 を修正し、初期設定されたパススケジュールでの第(n−1)パス圧延後板厚h n−1 0 と、修正された第nパス圧延前板厚h n−1 との差から、各パス圧延後板厚を下記式により修正することによって、前記パススケジュールを設定変更し、設定変更された該パススケジュールにしたがって前記圧延以降の圧延を行うことによって、目標の板クラウンおよび/または板平坦度を有する鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造法。
h i =h i 0 +w h,i ・(h n−1 −h n−1 0 )
ただし、上式において、nは圧延全パス数であり、mは初期設定されたパススケジュールで圧延を行う回数であり、i=(m+1)〜(n−2)であり、h i は修正されたパススケジュールでの第iパス圧延後板厚であり、h i 0 は初期設定されたパススケジュールでの第iパス圧延後板厚であり、w h,i は圧延条件等に応じて予め決められた重み係数である。 - 前記被圧延材の状況は、前記被圧延材の板クラウンまたは板平坦度の測定値である請求項1に記載された鋼板の製造法。
- 前記第2のロールクラウン推定値を用いて、前記パススケジュールを設定変更するとともに、前記圧延を行う圧延機に付設された板形状制御手段の操作量を修正する請求項1または請求項2に記載された鋼板の製造法。
- 前記第1のロールクラウン推定値とともに第1の圧延荷重推定値を用いて前記パススケジュールを設定するとともに、前記第2のロールクラウン推定値とともに第2の圧延荷重推定値を用いて、前記パススケジュールを設定変更することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された鋼板の製造法。
- 前記第2の圧延荷重推定値の演算に、被圧延材の温度の実測値を用いることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された鋼板の製造法。
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