JP6332191B2 - 調質圧延装置及び調質圧延方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御する調質圧延装置及び調質圧延方法に関する。
調質圧延工程は、鋼板の形状矯正及び強度調整のために行われる工程である。一般に、鋼板の形状は、圧延機のベンディング力(曲げ力)と片圧下とによって目標形状になるように矯正される。また、鋼板の強度は、伸び率と呼ばれる被制御量を目標管理範囲内に収めることによって目標強度に調整される。伸び率を目標管理範囲内に収めるためには、圧延機の両圧下位置を制御する必要がある。
ここで、鋼板の伸び率eは、圧延機の入側における鋼板の速度(入側速度)Vinと圧延機の出側における鋼板の速度(出側速度)Voutとの比として、以下に示す数式(1)によって定義される。
Figure 0006332191
また、圧延機の入側における鋼板の厚さ(入側厚)Hin及び圧延機の出側における鋼板の厚さ(出側厚)Houtと入側速度Vin及び出側速度Voutとの間には体積一定則が成り立つことから、以下に示す数式(2)が成立する。
Figure 0006332191
従って、上記数式(1),(2)を用いると、鋼板の伸び率eは、入側厚Hin及び出側厚Houtを変数とする以下に示す数式(3)でも表現できる。
Figure 0006332191
一方、圧延機のロールギャップ変更量ΔS[mm]と圧延荷重変更量ΔP[tonf]との関係式は、ミル定数(縦剛性)M[tonf/mm]及び塑性係数Q[tonf/mm]を用いると以下に示す数式(4)のように表される。これにより、圧延機のロールギャップ及び圧延荷重の変更に伴う出側厚Houtの変化量ΔHout[mm]は以下に示す数式(5)のように表される。
Figure 0006332191
Figure 0006332191
数式(3)及び数式(5)によれば、圧延機のロールギャップを変更し、それに比例して圧延荷重が変化することで鋼板の伸び率eが変化することがわかる。従って、鋼板の伸び率eを制御するための操作端の一つは、圧延機のロールギャップ又は圧延荷重となる。また、鋼板の伸び率eを制御するための他の操作端としては、圧延機の出側における鋼板の張力(前方張力)及び圧延機の入側における鋼板の張力(後方張力)が考えられる。これは、鋼板の張力変更量をΔTとすると、出側厚Houtの変化量ΔHoutと張力変更量ΔTとの間には以下の数式(6)に示すような関係があるためである。
Figure 0006332191
このような背景から、圧延機のロールギャップ又は圧延荷重や鋼板の張力を制御することによって鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御する技術が提案されている。具体的には、特許文献1には、圧延材の伸び率実績値、圧延荷重実績値、及び張力実績値を用いてファジールールに従って圧延機の圧延荷重及び鋼板の張力をフィードバック制御することによって鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御する発明が記載されている。また、特許文献2には、圧延材の諸元や圧延速度から圧延機の圧延荷重の設定値を設定することによって鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御する発明が記載されている。
特許第3094174号公報 特開平4−59108号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明は、フィードバック制御によって圧延荷重及び鋼板の張力を制御している。このため、特許文献1記載の発明は、鋼板の圧延速度の加減速度が小さい場合には有効に作用するが、鋼板の加減速度が大きい場合(例えば60mpm/sec程度)には有効に作用しない。これにより、特許文献1記載の発明によれば、鋼板の圧延速度が急激に変化した場合、鋼板の伸び率が変動し、鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御することが困難になる。また、特許文献2記載の発明は、圧延機の圧延荷重の設定値を算出するものであり、鋼板の圧延速度の変化に伴う鋼板の伸び率の変動を想定していない。このため、特許文献2記載の発明でも同様に、鋼板の圧延速度が急激に変化した場合、鋼板の伸び率が変動し、鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御することが困難になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、被圧延材の圧延速度が急激に変化した場合であっても被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御可能な調質圧延装置及び調質圧延方法を提供することを目的とする。
本発明に係る調質圧延装置は、圧延機を利用して被圧延材を圧延することによって被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御する調質圧延装置であって、前記被圧延材の圧延速度及び加減速度を測定する圧延速度測定部と、前記圧延速度測定部によって測定された圧延速度に基づいて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延機の圧延荷重に関する制御ゲインを設定するゲイン設定部と、前記圧延速度測定部によって測定された被圧延材の加減速度と前記ゲイン設定部によって設定された制御ゲインとを用いて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延荷重補正量を算出する圧延荷重補正量算出部と、前記圧延荷重補正量算出部によって算出された圧延荷重補正量に基づいて前記圧延機のロールギャップ量を制御する圧延荷重変更部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る調質圧延装置は、上記発明において、前記制御ゲインは、被圧延材の降伏応力と歪速度との関係に基づいて設定される値であり、被圧延材の規格毎に設定されることを特徴とする。
本発明に係る調質圧延装置は、上記発明において、前記制御ゲインの値は、圧延速度の増加に応じて小さくなることを特徴とする。
本発明に係る調質圧延装置は、上記発明において、前記圧延荷重補正量算出部は、前記被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御する上で前記被圧延材の圧延速度が前記圧延機における圧延速度の下限値から上限値に達するまでの間に必要な圧延荷重補正量に対して、前記加減速度及び前記制御ゲインを乗算することによって、圧延荷重補正量を算出することを特徴とする。
本発明に係る調質圧延方法は、圧延機を利用して被圧延材を圧延することによって被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御する調質圧延方法であって、前記被圧延材の圧延速度及び加減速度を測定する圧延速度測定ステップと、前記圧延速度測定ステップにおいて測定された圧延速度に基づいて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延機の圧延荷重に関する制御ゲインを設定するゲイン設定ステップと、前記圧延速度測定ステップにおいて測定された被圧延材の加減速度と前記ゲイン設定ステップにおいて設定された制御ゲインとを用いて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延荷重補正量を算出する圧延荷重補正量算出ステップと、前記圧延荷重補正量算出ステップにおいて算出された圧延荷重補正量に基づいて前記圧延機のロールギャップ量を制御する圧延荷重変更ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る調質圧延装置及び調質圧延方法よれば、被圧延材の圧延速度が急激に変化した場合であっても被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御することができる。
図1は、本発明の一実施形態である調質圧延装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態である伸び率制御処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、鋼板の降伏応力と歪速度との関係の一例を示す図である。 図4は、鋼板の圧延速度と制御ゲインの配分値の累積値との関係の一例を示す図である。 図5は、鋼板の圧延速度と制御ゲインの配分値との関係を表す関数の一例を示す図である。 図6は、鋼板の圧延速度と制御ゲインの配分値との関係を表すテーブルの一例を示す図である。 図7は、実施例及び従来例における伸び率の時間変化を示す図である。 図8は、実施例及び従来例における圧延荷重の時間変化を示す図である。 図9は、実施例及び従来例における圧延速度の時間変化を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である調質圧延装置の構成及びその伸び率制御方法について説明する。
〔調質圧延装置の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である調質圧延装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である調質圧延装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である調質圧延装置は、圧延機1のロールギャップ量を制御することによって圧延機1において圧延される鋼板に対する圧延荷重を制御することにより、鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御する装置である。この調質圧延装置は、伸び率測定部11、圧延速度測定部12、差分器13、ゲイン設定部14、圧延荷重補正量算出部15、伸び率制御部16、加算器17、及び圧延荷重変更部18を主な構成要素として備えている。
伸び率測定部11は、圧延機1の出側に設けられ、圧延機1によって圧延された鋼板の伸び率の実績値を測定する。伸び率測定部11は、測定された鋼板の伸び率の実績値を示す電気信号を差分器13に出力する。
圧延速度測定部12は、圧延機1の出側に設けられ、圧延機1によって圧延された鋼板の速度(圧延速度)及び加減速度を測定する。圧延速度測定部12は、測定された鋼板の圧延速度及び加減速度を示す電気信号をゲイン設定部14及び圧延荷重補正量算出部15に出力する。
差分器13は、プロセスコンピュータ等の上位コンピュータ21から圧延機1において圧延されている鋼板の伸び率の目標値(目標伸び率)に関する情報を取得する。差分器13は、目標伸び率と伸び率測定部11によって測定された鋼板の伸び率の実績値との差分値を算出し、算出された差分値を示す電気信号を伸び率制御部16に出力する。
ゲイン設定部14は、上位コンピュータ21から圧延機1において圧延される鋼板の規格に関する情報を取得する。鋼板の規格に関する情報には、鋼板の材質や引張強度に関する情報が含まれている。ゲイン設定部14は、上位コンピュータ21から取得した鋼板の規格に関する情報と圧延速度測定部12から出力された鋼板の圧延速度及び加減速度に関する情報とを用いて、鋼板の圧延速度の加減速に伴う伸び率の変動を補償する圧延荷重補正量を算出するための制御ゲインを算出する。そして、ゲイン設定部14は、算出された制限ゲインを示す電気信号を圧延荷重補正量算出部15に出力する。制御ゲインの算出方法の詳細については後述する。
圧延荷重補正量算出部15は、ゲイン設定部14から出力された制御ゲインと圧延速度測定部12から出力された鋼板の加減速度とを用いて、鋼板の圧延速度の加減速に伴う伸び率の変動を補償する圧延荷重補正量を算出する。圧延荷重補正量算出部15は、算出された圧延荷重補正量を示す電気信号を加算器17に出力する。圧延荷重補正量の算出方法については後述する。
伸び率制御部16は、差分器13から出力された目標伸び率と鋼板の伸び率の実績値との差分値に基づいて、鋼板の伸び率の実績値が目標伸び率となるように圧延機1の圧延荷重補正量を算出する。伸び率制御部16は、算出された圧延荷重補正量を示す電気信号を加算器17に出力する。
加算器17は、圧延荷重補正量算出部15から出力された圧延荷重補正量と伸び率制御部16から出力された圧延荷重補正量とを加算し、圧延荷重補正量の加算値を示す電気信号を圧延荷重変更部18に出力する。
圧延荷重変更部18は、圧延機1の荷重測定器22から出力される圧延荷重の実績値に基づいて、圧延機1の圧延荷重を加算器17から出力された圧延荷重補正量の加算値だけ補正するように圧延機1のロールギャップ量を制御する。
ここで、鋼板を圧延している際に鋼板の圧延速度が急激に変化した場合、換言すれば、鋼板の加減速度が大きい場合、鋼板の変形抵抗が急激に変化する。具体的には、鋼板が急激に加速した場合、鋼板の変形抵抗は急激に増加する。一方、鋼板が急激に減速した場合には、鋼板の変形抵抗は急激に減少する。このため、伸び率の目標管理範囲に合わせて圧延荷重を一定に制御して圧延している時に鋼板の圧延速度が急激に変化した場合、鋼板の変形抵抗の変化のために鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御することが困難になる。そこで、本発明の一実施形態である調質圧延装置は、以下に示す伸び率制御処理を実行することによって、鋼板の圧延速度が急激に変化した場合であっても鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御可能にしている。以下、図2〜図6を参照して、この伸び率制御処理を実行する際の調質圧延装置の動作について説明する。
〔伸び率制御処理〕
図2は、本発明の一実施形態である伸び率制御処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、圧延機1において圧延された鋼板が伸び率測定部11及び圧延速度測定部12を通過したタイミングで開始となり、伸び率制御処理はステップS1の処理に進む。この伸び率制御処理は、圧延機1において鋼板が圧延されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、ゲイン設定部14が、鋼板の圧延速度の加減速に伴う伸び率の変動を補償する圧延荷重補正量[tonf]を算出するための制御ゲインを算出する。具体的には、始めに、ゲイン設定部14は、上位コンピュータ21から鋼板の規格(材質や引張強度等)に関する情報を取得し、取得した規格に対応する鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係を示すデータを読み出す。鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係は、例えば図3に示すように、歪速度[1/sec]が速くなるのに応じて降伏応力ΔYS[MPa]が大きくなる関係にあり、降伏応力ΔYS[MPa]の変化速度は歪速度[1/sec]が速くなるのに応じて小さくなる。鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係は鋼板の規格毎に実験により求めることができる。
次に、ゲイン設定部14は、読み出された鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係を示すデータを鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[mpm]との関係を示すデータに変換する。一般に、歪速度[1/sec]と圧延速度[mpm]とは比例関係にあるので、歪速度[1/sec]の上限値及び下限値と圧延機1における圧延速度[mpm]の上限値及び下限値との対応関係に基づいて鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係を示すデータを鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[mpm]との関係を示すデータに変換することができる。なお、本実施形態では、鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係を示すデータを鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[1/sec]との関係を示すデータに変換したが、鋼板の規格毎の鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[1/sec]との関係を示すデータを予め記憶しておき、この変換処理を省略してもよい。
次に、ゲイン設定部14は、鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[mpm]との関係を示すデータを用いて、現時点における鋼板の圧延速度[mpm]に応じた制御ゲインを設定する。詳しくは、鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[mpm]との関係は、鋼板の降伏応力[MPa]と歪速度[1/sec]との関係と同様、圧延速度[mpm]が速くなるのに応じて降伏応力[MPa]が大きくなる関係にあり、降伏応力[MPa]の変化速度は圧延速度[mpm]が速くなるのに応じて小さくなる。また、鋼板の降伏応力[MPa]は鋼板の変形抵抗に比例する。従って、図4に示すように、鋼板の圧延速度[mpm]が速くなるのに応じて制御ゲインの配分値[%]の累積値が大きくし、圧延速度[mpm]が速くなるのに応じて制御ゲインの配分値[%]の変化速度が小さくなるように、制御ゲインの配分値[%]を設定する必要がある。
そこで、ゲイン設定部14は、鋼板の降伏応力[MPa]と圧延速度[mpm]との関係を示すデータを用いて、図5に示すような関数形式や図6に示すようなテーブル形式で圧延速度[mpm]の範囲毎に制限ゲインの配分値(配分ゲイン)[%]を予め設定し、予め設定された関数やテーブルのデータを用いて圧延速度測定部12によって測定された圧延速度[mpm]に対応する配分ゲイン[%]を設定する。そして、ゲイン設定部14は、設定された配分ゲイン[%]を示す電気信号を圧延荷重補正量算出部15に出力する。
なお、ゲイン設定部14は、鋼板の圧延速度[mpm]が圧延機1における圧延速度[mpm/sec]の下限値(又は上限値)から圧延機1における圧延速度[mpm]の上限値(又は下限値)まで加速(又は減速)した時に必要な圧延荷重[tonf]の変更量を1として、鋼板の圧延速度[mpm]が圧延機1における圧延速度[mpm]の下限値(又は上限値)から圧延機1における圧延速度[mpm]の上限値(又は下限値)に達するまでの間に圧延荷重変更量[tonf]が1となるように圧延速度[mpm]の範囲毎に配分ゲイン[%]を設定する。換言すれば、各圧延速度範囲の配分ゲイン(図6に示す配分ゲインG1〜G10)[%]の和が100[%]となるように設定されている。これにより、ステップS1の処理は完了し、伸び率制御処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、圧延荷重補正量算出部15が、圧延速度測定部12から出力された鋼板の加減速度[mpm/s]とゲイン設定部14から出力された配分ゲイン[%]とを以下に示す数式(7)に代入することによって、鋼板の圧延速度[mpm]の変化に伴う鋼板の伸び率の変化を補償するたねに必要な圧延荷重補正量[tonf]を算出する。なお、数式(7)におけるフィードフォワードゲインとは、鋼板の圧延速度[mpm]が圧延機1における圧延速度[mpm]の下限値(又は上限値)から圧延機1における圧延速度の上限値(又は下限値)まで加速(又は減速)した時に必要な圧延荷重変更量[tonf]を(圧延機1における圧延速度[mpm]の上限値−下限値)/制御周期で除算した値である。そして、圧延荷重補正量算出部15は、算出された圧延荷重補正量[tonf]を示す電気信号を加算器17に出力する。これにより、ステップS2の処理は完了し、伸び率制御処理はステップS3の処理に進む。
Figure 0006332191
ステップS3の処理では、圧延荷重変更部18が、圧延機1の圧延荷重[tonf]を加算器17から出力された伸び率制御部16が算出した圧延荷重補正量[tonf]と圧延荷重補正量算出部15から出力された圧延荷重補正量[tonf]との加算値だけ補正するようにロールギャップ量を制御するギャップ指令を圧延機1に出力する。詳しくは、圧延荷重変更量ΔPとロールギャップ変更量ΔSとの間には以下の数式(8)に示すような関係が成り立つ。この数式(8)を変形すると、ロールギャップ変更量ΔSは以下に示す数式(9)のように表される。従って、圧延荷重変更量18は、加算器17から出力された圧延荷重[tonf]の補正量を圧延荷重変更量[tonf]として数式(9)に代入してロールギャップ変更量ΔSを算出し、算出されたロールギャップ変更量ΔSに従って圧延機1のロールギャップを制御する。これにより、ステップS3の処理は完了し、一連の伸び率制御処理は終了する。
Figure 0006332191
Figure 0006332191
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である伸び率制御処理では、圧延速度測定部12が、鋼板の圧延速度及び加減速度を測定し、ゲイン設定部14が、圧延速度測定部12によって測定された圧延速度に基づいて、鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延機の圧延荷重に関する制御ゲインを設定し、圧延荷重補正量算出部15が、圧延速度測定部12によって測定された鋼板の加減速度とゲイン設定部14によって設定された制御ゲインとを用いて、鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延荷重補正量を算出し、圧延荷重変更部18が、圧延荷重補正量算出部15によって算出された圧延荷重補正量に基づいて圧延機のロールギャップ量を制御する。これにより、鋼板の圧延速度の変化に応じて圧延機1の圧延荷重が変化するようになるので、鋼板の圧延速度が急激に変化した場合であっても鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御することができる。
本実施例では、図1に示す調質圧延装置を利用して圧延荷重を制御した。すなわち、本実施例では、鋼板の加減速度の情報を利用して圧延荷重を補正するフィードフォワード制御を行った。一方、従来例では、図1に示すゲイン設定部14及び圧延荷重補正量算出部15を用いずに圧延荷重を制御した。すなわち、従来例では、伸び率の実績値と目標値との偏差に基づいて圧延荷重を補正するフィードバック制御を行った。そして、図9に示すようにほぼ同じ加速条件で鋼板を圧延し、鋼板の伸び率及び圧延荷重の比較を行った。
図7は、本実施例及び従来例における鋼板の伸び率の時間変化を示す図である。図8は、本実施例及び従来例における圧延荷重の時間変化を示す図である。図7に示すように、本実施例では、鋼板の伸び率の変動がほとんど無いのに対して、従来例では、加速時に伸び率が低下している。この時の圧延荷重を見ると、図8に示すように、本実施例では、従来例よりも圧延荷重を増加させる動作を行っている。
このことから、本実施例では、圧延速度の加速に伴う鋼板の変形抵抗の増加に対処するために、圧延荷重を増加させて鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御していることがわかる。これに対して、従来例では、伸び率の実績値が目標値より低下した時点でフィードバック制御によって圧延荷重を増加させるので、圧延荷重を増加させる動作が遅れ、結果として、加速時に伸び率が低下している。以上のことから、本実施例によれば、鋼板の圧延状態が急激に変化した場合であっても鋼板の伸び率を目標管理範囲内に制御できることが確認された。
1 圧延機
11 伸び率測定部
12 圧延速度測定部
13 差分器
14 ゲイン設定部
15 圧延荷重補正量算出部
16 伸び率制御部
17 加算器
18 圧延荷重変更部
21 上位コンピュータ
22 荷重測定部

Claims (4)

  1. 圧延機を利用して被圧延材を圧延することによって被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御する調質圧延装置であって、
    前記被圧延材の圧延速度及び加減速度を測定する圧延速度測定部と、
    前記圧延速度測定部によって測定された圧延速度に基づいて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延機の圧延荷重に関する制御ゲインを設定するゲイン設定部と、
    前記圧延速度測定部によって測定された被圧延材の加減速度と前記ゲイン設定部によって設定された制御ゲインとを用いて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延荷重補正量を算出する圧延荷重補正量算出部と、
    前記圧延荷重補正量算出部によって算出された圧延荷重補正量に基づいて前記圧延機のロールギャップ量を制御する圧延荷重変更部と、を備え、
    前記制御ゲインは、被圧延材の降伏応力と歪速度との関係に基づいて設定される値であり、被圧延材の規格毎に設定される
    ことを特徴とする調質圧延装置。
  2. 前記制御ゲインの値は、圧延速度の増加に応じて小さくなることを特徴とする請求項に記載の調質圧延装置。
  3. 前記圧延荷重補正量算出部は、前記被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御する上で前記被圧延材の圧延速度が前記圧延機における圧延速度の下限値から上限値に達するまでの間に必要な圧延荷重変更量に対して、前記加減速度前記制御ゲイン、及び制御周期を乗算し、乗算値を100及び圧延速度の上限値と下限値の差で除算することによって、圧延荷重補正量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の調質圧延装置。
  4. 圧延機を利用して被圧延材を圧延することによって被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御する調質圧延方法であって、
    前記被圧延材の圧延速度及び加減速度を測定する圧延速度測定ステップと、
    前記圧延速度測定ステップにおいて測定された圧延速度に基づいて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延機の圧延荷重に関する制御ゲインを設定するゲイン設定ステップと、
    前記圧延速度測定ステップにおいて測定された被圧延材の加減速度と前記ゲイン設定ステップにおいて設定された制御ゲインとを用いて、被圧延材の伸び率を目標管理範囲内に制御するために必要な圧延荷重補正量を算出する圧延荷重補正量算出ステップと、
    前記圧延荷重補正量算出ステップにおいて算出された圧延荷重補正量に基づいて前記圧延機のロールギャップ量を制御する圧延荷重変更ステップと、を含み、
    前記制御ゲインは、被圧延材の降伏応力と歪速度との関係に基づいて設定される値であり、被圧延材の規格毎に設定される
    ことを特徴とする調質圧延方法。
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