JP2735330B2

JP2735330B2 - 金属ストリップの蛇行防止用ロールおよび蛇行防止装置

Info

Publication number: JP2735330B2
Application number: JP1335143A
Authority: JP
Inventors: 公平今村; 昭一龍田; 徹湯浅; 孝正小寺
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1989-12-26
Filing date: 1989-12-26
Publication date: 1998-04-02
Anticipated expiration: 2013-04-02
Also published as: JPH03198907A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、金属ストリップの蛇行防止用ロールおよび
その装置に関するものである。

（従来の技術）従来、蛇行する金属ストリップ（以下、ストリップと
略す）を真っ直ぐ走るように矯正する手段としては、第
６図の（ａ）ロールクラウン、（ｂ）センサーと油圧等
によるロール位置修正装置で一般にステアリング装置と
呼ばれる装置がよく用いられている。

また、特殊な用途として第６図の（ｃ）に示すストリ
ップを溜め込む横型ルーパー装置の分割型サポートロー
ルのように、両サイドからストリップをセンターに走ら
せるようにロールが傾いている場合もある。

更に、特開昭62−158827号公報には、ストリップとロ
ールとの接触部へガスを吹き込むことにより、ストリッ
プの蛇行を矯正する方法も知られている。

（発明が解決しようとする課題）何れの従来技術にも一長一短があり、クラウンには板
中央の張力アップから板に疵を付ける等で矯正力に限界
がある。ステアリング装置はセンサー、油圧システムが
必要なため高コストの装置になる。

また、サポートロールのように平行度を変えるのは蛇
行矯正効果が大きいので、ロールのアライメント修正等
でよく利用されるが、分割ロールはストリップの品質が
厳しいラインではロール境界部のマークが問題になる。

更に、一本ロールの場合では常にセンタリング力は働
かないし、アライメント修正にはライン停止を余儀なく
される。

本発明は矯正力が大きく、方向性が確実なストリップ
の蛇行防止用ロールおよびその装置を提供するものであ
る。

（課題を解決するための手段）本発明の要旨とするところは、ロールの中央部から板
幅方向に対し左右対称に曲折部を単数または複数箇所に
設けた鉄芯を備え、該鉄芯の複数の軸受を設け、該軸受
の外周にゴムスリーブを装着してなるストリップの蛇行
防止用ロールおよび該ロールに開閉可能とする開閉機構
を設けてなるストリップの蛇行防止装置およびロールの
一端を回動自在とする回動機構を設けてなるストリップ
の蛇行防止装置である。

即ち、本発明は矯正力が大きく、方向性が確実なロー
ルアライメントによる矯正原理をベースにした装置であ
り、主な構成は第１図に示すように走行ストリップ１と
ロール中央から、くの字３に曲がった一対のロール２
と、チョックの一方を回動可能な機構６を持ち、更に一
対のロール２はエアーシリンダー４、電動モーター５等
の開閉機構により開閉するものである。

ストリップ１を挟んだ一対の、くの字ロール２は常時
センタリング力を鋼板に作用し、またロールは分割され
ていないので鋼板のマーク、汚れを付けるなどの懸念は
皆無である。

もし、常時センタリング力では矯正できない片寄りが
生じたときには、挟んだままの状態で回動機構６により
鋼板の片寄りを戻す方向に移動させることができる。

本発明のロール形状は第２図（ａ）のロール曲折部３
が中央部１箇所である、くの字型のみならず、第２図
（ｂ）および（ｃ）で示すように、曲折部７を中央部ま
たは左右対称に複数有することにより、蛇行矯正能力を
向上することができる。

第３図（ａ）に、ロール一端の回動機構によるアライ
メント調整時の蛇行矯正のメカニズムを示すが、ロール
一端の回動機構を動かすことにより、ストリップに伝わ
る力の向きのバランスを蛇行矯正方向に調整するもので
ある。

また、第３図（ｂ）に、一対のロールをストリップに
挟むことによってのみ働く常時センタリング性能のメカ
ニズムを示すが、ストリップ蛇行が生じた場合、ストリ
ップ左右に対して本ロールと接触する範囲が異なるた
め、ストリップは蛇行と逆の方向にロールから力を受け
て蛇行矯正するものである。

（実施例）本発明の実施例を第４図に、くの字ロールを例にとっ
て述べる。

第４図で上から下へ進行するストリップ19を挟んだ一
対の、くの字ロール８は、駆動モーターまたは非駆動で
鋼板からの回転トルクにより回転することを前提とす
る。

くの字ロール８は複数の軸受11を、鉄芯10とロール表
面素材、一般的にはゴム９との間に内蔵し、鉄芯10は両
軸端13,14で固定されている。

鉄芯10は、くの字の傾角18を持つが、この角度は0.3
°から２°程度の範囲で選定することが、蛇行矯正効果
とロール一回転毎に引張り・圧縮の負荷を受けるゴム９
の耐久性および過剰なセンタリング効果からの絞り発生
といった観点から、妥当なところと言える。

また、必要に応じてロール曲折部を左右対象に複数設
置することで、ゴム９の引張り・圧縮の負荷を軽減し
て、その耐久性を向上させることができる（第２図
（ｂ）および（ｃ）参照）。

更に鉄芯10の両軸端13,14はロール開閉のためのチョ
ック12,17に取付けられているが、内一方はストリップ
平行面内でシフト可能なようにチョック17内には、もう
一つのチョック15を備えている。チョック15はチョック
17にマウントされたジャッキ16によりシフトできる。

本発明のストリップ蛇行防止装置を連続焼鈍ラインに
設置した場合のロールレイアウトを第５図（ａ）に示
し、ライン上流側にあるステアリング装置21を操作し
て、ストリップ23のパスラインを強制的に移動させてテ
ストした時の本装置20の有無による下流側デフレクター
ロール22への蛇行伝播状態を記したのが、第５図
（ｂ），（ｃ）および（ｄ）である。

第５図から常時センタリングのアライメントでは、約
20％の改善、ロールアライメントを操作した時は、約40
％の蛇行防止効果があることを示し、ラインの安定操業
に寄与できる。

本発明装置は、連続焼鈍ラインに留まらず全て薄板コ
イル通板ラインに適用を図ることができる。

（発明の効果）本発明のロールは曲折部を有するので蛇行矯正力が大
きく、ロール一端の回動機構により方向性が確実なロー
ルアライメントを得て、ラインの安定操業に寄与でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のストリップ蛇行防止装置を示す斜視
図、第２図（ａ）は本発明の蛇行防止用ロールの平面
図、第２図（ｂ）は本発明の他の例の蛇行防止用ロール
の平面図、第２図（ｃ）は本発明の更に他の例の蛇行防
止用ロールの平面図、第３図（ａ）は本発明装置の回動
機構を備えて蛇行を矯正するメカニズムを示す説明図、
第３図（ｂ）は常時センタリング性能のメカニズムを示
す説明図、第４図は本発明のストリップ蛇行防止装置の
断面図、第５図（ａ）は本発明装置を連続焼鈍ラインに
設置した場合のロールレイアウトを示す説明図、第５図
（ｂ）は本発明装置が無い場合の蛇行伝播状態を示す説
明図、第５図（ｃ），（イ），（ロ）は本発明装置を設
置した場合の常時センタリング効果を示す説明図、第５
図（ｄ），（イ），（ロ）は本発明装置を設置した場合
の回動機構を調整操作による効果を示す説明図、第６図
（ａ），（ｂ）および（ｃ）は、従来用いられている蛇
行防止装置を示す説明図で、（ａ）はクラウンロール
図、（ｂ）はステアリング装置図、（ｃ）は分割型サポ
ートロール図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小寺孝正愛知県東海市東海町５―３新日本製鐵株式会社名古屋製鐵所内 (56)参考文献特開昭59−118651（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−114722（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ロールの中央部から板幅方向に対し左右対
称に曲折部を単数または複数箇所に設けた鉄芯を備え、
該鉄芯に複数の軸受を設け、該軸受の外周にゴムスリー
ブを装着してなる金属ストリップの蛇行防止用ロール。
【請求項２】ロールの中央部から板幅方向に対し左右対
称に曲折部を単数または複数箇所に設けた鉄芯を設け、
該鉄芯に複数の軸受を設け、該軸受の外周にゴムスリー
ブを装着してなる金属ストリップの蛇行防止用ロールを
設け、該ロールに開閉可能とする開閉機構を設けてなる
金属ストリップの蛇行防止装置。
【請求項３】ロールの一端を軸に回動自在とする回動機
構を設けてなる特許請求の範囲第２項記載の金属ストリ
ップの蛇行防止装置。