JPH07249409A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JPH07249409A
JPH07249409A JP6066422A JP6642294A JPH07249409A JP H07249409 A JPH07249409 A JP H07249409A JP 6066422 A JP6066422 A JP 6066422A JP 6642294 A JP6642294 A JP 6642294A JP H07249409 A JPH07249409 A JP H07249409A
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Japan
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negative electrode
lithium
secondary battery
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JP6066422A
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English (en)
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Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Secondary Cells (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電作動電圧が高く、放電容量の大きい、良
好な充放電サイクル性能を有する安全性の高い非水電解
質二次電池、特に非水電解質リチウム二次電池を提供す
る。 【構成】正極活物質、負極活物質、リチウム塩を含む非
水電解質から成る非水二次電池において、該負極活物質
が周期律表IV−B、V−B族の金属もしくは半金属の
1種以上とフッ素とを含有し、リチウムを挿入、放出す
る酸化物であることを特徴とする非水電解質二次電池

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充電容量と充放電特性
を改良し、かつ使用安全性を高めた非水電解質二次電池
に関し、特にこれらの性質が優れた非水電解質リチウム
二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3V級の電圧を持つ非水電解質二次電池
においては、たとえば負極用活物質として、リチウム金
属やリチウム合金、正極用活物質としてCo、Mn、N
iに代表される遷移金属の酸化物を用いる方法が代表的
である。しかし、負極にリチウム金属やリチウム合金を
用いると充放電中にリチウム金属が樹枝状のデンドライ
トに成長し、内部ショートしたり、そのデンドライトの
活性が高く、発火する危険性をもつことから、これに代
えて最近ではリチウムを挿入・放出することができる焼
成炭素質材料が負極に実用されるようになってきた。し
かしこの炭素質材料も、それ自体が導電性をもつので、
過充電や急速充電の際に炭素質材料の上にリチウム金属
が析出することが欠点となっている。さらに、炭素質材
料は密度が比較的小さいため、体積当りの充放電容量が
低いということも性能上の欠点につながる。そこで、3
−4V級のさらに高い電圧をもち安全性に優れた高容量
型の二次電池を開発するためには、より容量の大きくよ
り低電位の負極活物質とより高電位の正極活物質とを組
み合わせる技術が要求される。リチウム金属やリチウム
合金または炭素質材料以外のリチウムを吸蔵・放出する
負極活物質物質として、TiS2 、LiTiS2 (米国
特許第3,983,476)、ルチル構造の遷移金属酸
化物、例えば、WO2 (米国特許第4,198,47
6)、Lix Fe(Fe 2 )O4 などのスピネル化合物
(特開昭58−220,362)、電気化学的に合成さ
れたFe2 3 のリチウム化合物(米国特許第4,46
4,447)、Fe2 3 のリチウム化合物(特開平3
−112,070)、Nb2 5 (特公昭62−59,
412、特開平2−824,47)、酸化鉄、FeO、
Fe2 3、Fe3 4 、酸化コバルト、CoO、Co
2 3 、Co3 4 (特開平3−291,862)が知
られている。しかし、これらの化合物はいずれも電位が
十分低くないために、3−4V級の二次電池の負極材料
には不適当である。
【0003】一方、SnO2 やSn化合物をリチウム電
池の活物質として用いる例として、二次電池正極活物質
のLi1.03Co0.95Sn0.042 (EP86−106,
301)、二次電池正極活物質のV2 5 にSnO2
添加(特開平2−158,056)、二次電池負極活物
質のα−Fe2 3 にSnO2 の添加(SnO2 の好ま
しい添加範囲0.5〜10モル%)(特開昭62−21
9,465)、一次電池正極活物質のSnO2 (電気化
学および工業物理化学 46巻 7号 407ページ
1978年)が知られている。また、エレクトロクロミ
ズムの分野では、SnO2 がLiイオンを可逆的に挿入
できること(ジャーナル オブ エレクトロケミカル
ソサエティー 140巻 5号 L81 1993
年)、InO2 に8モル%Snをドープしたフィルム
(ITO)がLiイオンを可逆的に挿入できること(ソ
リッド ステート イオニクス 28−30巻 173
3ページ1988年発行)が知られている。しかし、電
池の実用範囲とは異なり、Liイオンの挿入はかなり低
い電流で作動させることが一般的であり、前記文献の
「ソリッド ステート イオニクス」では、1μA〜3
0μA/cm2 の実験例が示されている。
【0004】Sn以外のIV−B族およびV−B族の元
素をリチウム電池に利用した例としては、二次電池の正
極活物質のV2 5 にGeO2 の添加(特開平2−15
8,056)、一次電池の正極活物質として、GeO、
GeO2 の使用(特開昭55−96,567)が知られ
ている。また、Pb酸化物をリチウム電池の活物質とし
て用いる例は、一次電池の正極活物質として、PbOx
の使用(x=1.4〜1.8)(英国特許 78−6,
271)、一次電池の正極活物質として、PbO、Pb
2 ,Pb2 3 、Pb3 4 の使用(マテリアルズ
ケミストリーアンド フィジックス 25巻 2号 2
07ページ 1990年)が知られている。また、Sb
酸化物をリチウム電池の活物質として用いる例として、
一次電池の正極活物質として、Sb酸化物の使用(独国
特許 2,516,703)が知られている。さらに、
Bi酸化物をリチウム電池の活物質として用いる例は、
一次電池の正極活物質として、Bi2 3 の使用(特開
昭52−12,425)、一次電池の正極活物質とし
て、BiとPbの複合酸化物(特開昭59−151,7
61)が知られている。上記したこれらのSnとその同
族類の元素を用いる技術は、いずれも正極活物質への利
用の例であり、低電位の負極活物質へこれらを用いる方
法を示したものではない。
【0005】また、高電位の正極活物質としては、Li
Mn2 4 、Li2 MnO3 、MnO2 とLiMn2
4 の複合酸化物、MnO2 とLi2 MnO3 の複合酸化
物、LiCoO2 、LiCo0.5 Ni0.5 2 、LiN
iO2 、V2 5 、非晶質V2 5 、V6 13、LiV
3 8 、VO2 (B)、Ti化合物のTiS2 、Mo化
合物のMoS2 、MoO3 、LiMo2 4 などが知ら
れている。これらのなかで、とくにコバルトを含む複合
酸化物は電位が高い点で高電位型二次電池に有効である
が、負極と組み合わせて3−4V級の二次電池を作るに
は負極活物質側にもう一段電位の改善と容量安定性の改
善が要求される。たとえば、いずれも金属カルコゲナイ
ドである正極活物質と負極活物質との組合せとして、T
iS2 とLiTiS2 (米国特許第983,476)、
化学的に合成されたLi0.1 2 5 とLiMn1-s
s 2 (0.1<s<1 Me=遷移金属 特開昭6
3−210,028)、同Li0.1 2 5 とLiCo
1-s Fes 2 (s=0.05〜0.3 同63−21
1,564)、同Li0.12 5 とLiCo1-s Ni
s 2 (s=0.5〜0.9 特開平1−294,36
4)、V2 5 とNb2 5 とリチウム金属(特開平2
−82447)、V2 5 やTiS2 と電気化学的に合
成されたLix Fe2 3 (米国特許第4,464,4
47,ジャーナル オブ パワー ソーシズ 8巻 2
89頁 1982年)、正極活物質にLiNix Co
1-x O2 (0≦x<1 特開平1−120,765 明
細書中では、実施例から正極活物質と負極活物質は同一
化合物と記載されている。)、LiCoO2 あるいはL
iMn2 4 そして負極活物質に酸化鉄、FeO、Fe
2 3 、Fe3 4 、酸化コバルト、CoO、Co2
3あるいはCo3 4 (特開平3−291,862)な
どが知られている。しかしながら、これらのいずれの組
合せも3V級より低い放電電位を持ち、かつ容量の低い
非水二次電池である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
放電電位、高容量、良好な充放電サイクル特性、かつ安
全性を高めた非水電解質二次電池を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、正極活
物質、負極活物質、リチウム塩を含む非水電解質から成
る非水二次電池において、該負極活物質が、周期律表I
V−B、V−B族の1種以上の金属あるいは半金属とフ
ッ素とを含有し、リチウムの挿入、放出が可能な酸化物
であることを特徴とする非水電解質二次電池を用いるこ
とで達成することができた。
【0008】本発明で言う、周期律表IV−Bおよび/
またはV−B族の金属や半金属とは、Ge、Sn、S
i、Pb、Sb、Biのことである。本発明において
は、上記の金属や半金属の中から選ばれる1種以上の元
素を主体としフッ素を含有する酸化物が負極活物質とし
て用いられる。本発明の活物質中に含まれるフッ素は、
複合酸化物の構造や化学的安定性を強化し、特に非晶質
構造の酸化物においてはその非晶質性をさらに上げる効
果により電気化学的な構造安定性を強化することに寄与
する。
【0009】本発明で言う負極活物質の前駆体について
説明する。例えば、α−PbO構造SnOやルチル構造
SnO2 自身では二次電池の負極活物質としては作動し
ないが、それらにリチウムを挿入し続けると結晶構造が
変化して、二次電池の負極活物質として可逆的に作動で
きることを発見した。すなわち、第1サイクルの充放電
効率は約80%や約60%と低い。従って、本発明で
は、出発物質の例えば、α−PbO構造SnOやルチル
構造SnO2 のような化合物、すなわち、リチウムを挿
入させる前の化合物を「負極活物質の前駆体」と言うこ
とにする。
【0010】本発明で言う負極活物質あるいはその前駆
体の具体例は、GeF0.2 0.9 、GeF0.2 1.9
SnF0.2 0.9 、SnF0.2 1.9 、SnSiF0.4
2.8 、PbF0.4 1.8 、PbF0.2 1.9 、Pb2
0.2 2.9 、Pb3 0.43.8 、Sb2 0.2
2.9 、Sb2 0.2 3.9 、Sb2 0.2 4.9 、Bi
2 0.4 3.8 、Bi2 0.4 3.8 、Bi2 0.2
4.9 またはこれらの非量論的化合物や複合体などであ
る。それらのなかでも好ましいのは、フッ素を含有する
SnO、SnO2 、GeO、GeO2 、およびSnSi
3 のグル−プであり、特にフッ素を含有するSnSi
3 が好ましい。特に好ましいのは、フッ素を含有し、
非晶質構造を持つSnO、SnO2 、GeO、Ge
2 、およびSnSiO3 である。本発明の負極活物質
中のフッ素含有量は好ましくは、活物質中の半金属ある
いは金属元素の総量に対し、10モル%以上100モル
%以下である。特に、20モル%以上50モル%以下で
あることが好ましい。本発明の負極活物質中に含まれる
好ましい複合酸化物の構造はSnx SiFyz (0.
2<x≦1,0<y≦2,2.2<z≦3)であり、こ
の複合酸化物は結晶性あるいは非晶質でよいが、非晶質
であることがより好ましい。
【0011】本発明の負極活物質前駆体に各種元素や化
合物を含ませることができる。例えば、遷移金属(周期
律表の第4、第5および第6周期の元素で第III−A
族から第II−B族に属する元素)や周期律表第IV−
B族の元素、アルカリ金属(周期律表のI−A、第II
−Aの元素)やP、Cl、Br、Iを含ませることがで
きる。金属元素として好ましく添加されるものはたとえ
ば、Mg、In、Zn、Al、Fe、Mo、Ti、N
b、Coなどである。
【0012】負極活物質の前駆体やその原料の合成法に
関して述べる。前駆体が錫を含む場合、Sn原料として
はたとえばSnO2 、SnOが用いられる。SnO2
合成では、Sn化合物、例えば、塩化第二錫、臭化第二
錫、硫酸第二錫、硝酸第二錫の水溶液と水酸化アルカ
リ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アンモニウムとなどの水溶液とを混合して水酸化
第二錫を沈殿させ、それを洗浄、分離する。その水酸化
第二錫をほぼ乾燥させてから、空気中、酸素が多いガス
中あるいは、酸素が少ないガス中で250〜2000℃
にて、焼成する。または水酸化第二錫のまま焼成し、そ
の後洗浄することができる。一次粒子の平均サイズは、
走査型電子顕微鏡による測定で0.01μm〜1μmが
好ましい。とくに0.02μm〜0.2μmが好まし
い。二次粒子の平均サイズでは、0.1〜60μmが好
ましい。同様に、SnOの合成では、塩化第一錫、臭化
第一錫、硫酸第一錫、硝酸第一錫の水溶液と水酸化アル
カリ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アンモニウムなどの水溶液とを混合し、煮沸
する。また、蓚酸第一錫を酸素が少ないガス中で、25
0〜1000℃にて焼成する。その平均粒子サイズは
0.1〜60μmが好ましい。フッ素原料としては、フ
ッ化錫、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フ
ッ化亜鉛、フッ化インジウム、フッ化珪素酸塩、フッ化
ゲルマニウム、フッ化鉄、フッ化チタン、などの各種フ
ッ素化合物が用いられる。
【0013】本発明の錫を主体とする負極活物質前駆体
は上記の錫酸化物とフッ素化合物を混合し、空気中もし
くは不活性ガス中で高温で焼成することによって合成さ
れる。錫に他の半金属を添加する場合は、錫化合物、フ
ッ素金属化合物に半金属の酸化物を混合して焼成する。
たとえば、フッ素を含むSnSiO3 の合成では、Sn
O、SnF2 、SiO2 の3者を混合して不活性ガス中
で焼成する。焼成温度は200〜1200℃であり、好
ましくは500〜1100℃である。非晶質(ガラス
状)の活物質の合成においては、原料混合物を焼成後、
急冷を行う。急冷の速度は1.5℃/分から100℃/
分が好ましく、5℃/分から20℃/分が好ましい。負
極活物質前駆体の合成は、溶液中で沈殿生成法(共沈
法)の操作を経て行うこともできる。この場合、たとえ
ば、周期率表IV−A族とIV−B族の元素の塩の酸性
もしくはアルカリ性水溶液をフッ素イオンの存在下で中
和し、フッ素の含有する複合水酸化物や酸化物を生ぜし
める。その他の金属、半金属を含む負極活物質前駆体も
上記の方法にならって焼成法もしくは共沈法によって合
成できる。
【0014】本発明で用いる負極活物質は、その前駆体
にリチウムを化学的に挿入することにより得ることがで
きる。例えば、リチウム金属、リチウム合金やブチルリ
チウムなどと反応させる方法や電気化学的にリチウムを
挿入することが好ましい。この中、前駆体である酸化物
に電気化学的にリチウムを挿入することが特に好まし
い。電気化学的にリチウムイオンを挿入する方法とし
て、正極活物質として目的の酸化物(本発明で言う負極
活物質前駆体のこと)、負極活物質として、リチウム金
属、リチウム塩を含む非水電解質からなる酸化還元系
(例えば開放系(電解)または密閉系(電池))を放電
することにより得ることができる。また、別の実施態様
例として、正極活物質としてリチウム含有遷移金属酸化
物、負極活物質として、負極活物質前駆体、リチウム塩
を含む非水電解質からなる酸化還元系(例えば開放系
(電解)または密閉系(電池))を充電することにより
得る方法が最も好ましい。
【0015】リチウムを電気化学的に挿入する場合、前
駆体の酸化物1g当たり0.04A〜1Aの電流を流す
ことが好ましい。これより低い電流でリチウムを挿入し
ようとすると、驚くべきことに、可逆性の低い化合物に
なっていることを見つけた。この電流は特に第1サイク
ルの初期、特に第1サイクルの必要容量のはじめから約
30%以内において、流すことが好ましい。例えば、L
i−Al(80ー20重量%)に対し約0.6V以下に
なるまでその電流以上を流し続けることが好ましい。そ
れ以降は高い電流でも低い電流でもかまわない。更に、
前駆体の酸化物1g当たり0.06A〜0.8Aの電流
を流すことが好ましい。
【0016】負極でのリチウムの挿入量は、特に限定さ
れないが、例えばLi−Al(80−20重量%)に対
し、0.05Vになるまで挿入することが好ましい。さ
らに、0.1Vまで挿入することが好ましく、特に、
0.15Vまで挿入することが好ましい。このときの、
リチウム挿入の当量は3〜10当量になっており、この
当量に合わせて本発明の正極活物質との使用量比率を決
める。この当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍
の係数をかけて用いることが好ましい。リチウム供給源
が正極活物質以外では(例えば、リチウム金属や合金、
ブチルリチウムなど)、負極活物質のリチウム放出当量
に合わせて正極活物質の使用量を決める。このときも、
この当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍の係数
をかけて用いることが好ましい。
【0017】本発明の負極活物質を前駆体として用いた
場合、「リチウムを挿入してもそれぞれの金属(リチウ
ムとの合金)まで還元されていない」ことを発見した。
それは、(1)透過型電子顕微鏡観察による金属の析出
(とくに、デンドライトの析出)がないこと、(2)金
属を介したリチウム挿入/放出の電位が酸化物のそれと
異なっていること、また、(3)SnOでは、リチウム
挿入に対する放出の損失は約1当量であったので、金属
錫が発生する場合の2当量損失とは一致しないことなど
から、推論できる。酸化物の電位は、現在用いられてい
る焼成炭素質化合物のそれと類似しており、焼成炭素質
化合物と同じく、単なるイオン結合でもなく、また単な
る金属結合でもない状態になっているものと推測され
る。さらに、リチウム挿入状態の活物質についてLi−
NMRを測定した結果も、リチウムと活物質中の金属と
の合金の生成がないことを示した。従って、本発明の負
極活物質はリチウム合金とは基本的に異なる。
【0018】本発明の負極酸化物は非結晶性であること
がより好ましいが、その前駆体は、結晶性でも非結晶性
でもよく、前駆体が結晶構造を持っている場合でも、リ
チウムを挿入していくと結晶性が低下して、非晶質性に
変わっていく。従って、負極活物質として可逆的に酸化
還元している構造は非晶質性が高い化合物と推定され
る。従って、本発明で用いる活物質前駆体は結晶構造で
も、非晶質構造でもまたそれらの混合した構造でもよ
い。
【0019】本発明に併せて用いることができる負極活
物質としては、リチウム金属、リチウム合金(Al、A
l−Mn)、Al−Mg、Al−Sn、Al−In、A
l−Cdなどやリチウムイオンまたはリチウム金属を吸
蔵・放出できる焼成炭素質化合物があげられる。上記リ
チウム金属やリチウム合金の併用目的は、リチウムを電
池内で挿入させるためのものであり、電池反応として、
リチウム金属などの溶解・析出反応を利用するものでは
ない。
【0020】本発明の二次電池においては、正極活物質
として従来知られたものを含めて各種のものを使用する
ことができるが、用いるのに好ましいものは、リチウム
含有遷移金属酸化物であり、その主体がLix MO
z (ここでM=Co、Mn、Ni、V、Feから選ばれ
る少なくとも1種を含む遷移金属)、x=0.3〜1.
2、z=1.4〜3)で示される化合物であることが好
ましい。とくに好ましいのは、コバルトあるいはマンガ
ンの酸化物を主体とする層状構造の活物質である。この
活物質は、添加物として1種以上の遷移金属もしくは典
型元素を含んでよい。添加物として好ましい元素は、た
とえばTi、Ge、Zr、Snなどである。前記したマ
ンガン酸化物の好ましい例としては、特開平5−201
733に記載されるラムスデライト型構造を持つ結晶性
化合物を含む二酸化マンガン系酸化物、及びスピネル構
造を持つLi2 Mn4 9 ,Li2 Mn5 11,Li4
Mn5 11などの各種の化学的量論的組成の化合物ある
いは特開平4−240117に記載されるようなLiO
y 〔MnO2 〕(y>5)で示される構造欠陥を含む非
化学量論的な組成の化合物が含まれる。
【0021】正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属
化合物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成する
ことができるが、特に、焼成法が好ましい。本発明で用
いられる焼成温度は、正極活物質原料として用いる化合
物の一部が分解、溶融する温度であればよく、例えば3
50〜1500℃が好ましく、特に600〜1000℃
が好ましい。本発明で用いられる焼成のガス雰囲気は、
特に限定しないが、正極活物質では空気中あるいは酸素
の割合が多いガス中(例えば、約30%以上)、負極活
物質では空気中あるいは酸素の割合が少ないガス(例え
ば、約10%以下)あるいは不活性ガス(窒素ガス、ア
ルゴンガス)中が好ましい。
【0022】本発明の二次電池で用いる正極活物質の平
均粒子サイズは、0.1〜50μmが好ましく、とくに
1〜9.5μmが好ましい。所定の粒子サイズにするに
は、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例え
ば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、衛星ボールミ
ル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩など
が用いられる。正極活物質の形態は、平均粒径0.1ミ
クロン以上2.5ミクロン以下の一次粒子が集合して成
る平均粒径1ミクロン以上9.5ミクロン以下の一次粒
子集合体からなることが好ましく、特に好ましくは、平
均粒径0.1ミクロン以上2.5ミクロン以下の一次粒
子が集合して成る平均粒径3.5ミクロン以上9.5ミ
クロン以下の一次粒子集合体からなることが好ましい。
更に、上記一次粒子集合体において全体積の80%以上
が粒径1ミクロン以上15ミクロン以下であることが好
ましく、更に好ましくは全体積の85%以上であり、更
に好ましく全体積の90%以上である。ここでいう平均
粒径とは、最頻度点を示すモード径のことであり、一次
粒子においては電子顕微鏡写真より目視で観察した値の
平均値であり、一次粒子集合体においての粒度分布測定
装置により測定された値である。正極活物質の好ましい
比表面積は0.1m2 /gより大きく5m2 /g以下で
あり、特に好ましくは0.1m2 /gより大きく3m2
/g以下である。
【0023】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤は、構成された電
池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であ
れば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カ−ボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金
属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀など)粉、金属繊
維あるいはポリフェニレン誘導体などの導電性材料を1
種またはこれらの混合物として含ませることができる。
黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。そ
の添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好
ましく、特に2〜30重量%が好ましい。カーボンや黒
鉛では、2〜15重量%が特に好ましい。また、SnO
2 にSbをドープさせたように、活物質の前駆体に電子
導電性を持たせた場合には、上記導電剤を減らすことが
できる。例えば、0〜10重量%の添加が好ましい。
【0024】結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセル
ロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、
テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ス
チレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、
ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴ
ム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合
物として用いられる。また、多糖類のようにリチウムと
反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例
えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその
官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加
量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好まし
く、特に2〜30重量%が好ましい。フィラーは、構成
された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料
であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0025】電解質としては、有機溶媒として、プロピ
レンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−ト、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、
アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチ
ル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸
トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導
体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、
プロピレンカ−ボネ−ト誘導体、テトラヒドロフラン誘
導体、ジエチルエ−テル、1,3−プロパンサルトンな
どの非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種以上を混合
した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例えば、Li
ClO4 、LiBF6 、LiPF6 、LiCF3
3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSb
6 、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウ
ム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、ク
ロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどの
1種以上の塩から構成されている。なかでも、プロピレ
ンカ−ボネ−トあるいはエチレンカボートと1,2−ジ
メトキシエタンおよび/あるいはジエチルカーボネート
の混合液にLiCF3 SO3 、LiClO4 、LiBF
4 および/あるいはLiPF6 を含む電解質が好まし
い。特に、少なくともエチレンカーボネートとLiPF
6 を含むことが好ましい。
【0026】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
用いることができる。固体電解質としては、無機固体電
解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質に
は、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく
知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5
2 、Li3 N−LiI−LiOH、LiSiO4 、L
iSiO4 −LiI−LiOH、xLi3 PO4 −(1
−x)Li4 SiO4、Li2 SiS3 、硫化リン化合
物などが有効である。有機固体電解質では、ポリエチレ
ンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、ポリプ
ロピレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、
イオン解離基を含むポリマ−、イオン解離基を含むポリ
マ−と上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステ
ルポリマ−が有効である。さらに、ポリアクリロニトリ
ルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有機固
体電解質を併用する方法も知られている。
【0027】セパレ−タ−としては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち絶縁性の多孔性薄膜
が用いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレ
ンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維ある
いはポリエチレンなどからつくられた多孔性シートや不
織布が用いられる。セパレーターの孔径は、一般に電池
用として用いられる範囲が用いられる。例えば、0.0
1〜10μmが用いられる。セパレターの厚みは、一般
に電池用の範囲で用いられる。例えば、5〜300μm
が用いられる。
【0028】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、以下で示す化合物を電解質に添加することが知られ
ている。例えば、ピリジン、トリエチルフォスファイ
ト、トリエタノ−ルアミン、環状エ−テル、エチレンジ
アミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニト
ロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換
オキサゾリジノンとN,N’−置換イミダゾリジノン、
エチレングリコ−ルジアルキルエ−テル、四級アンモニ
ウム塩、ポリエチレングリコ−ル、ピロ−ル、2−メト
キシエタノ−ル、AlCl3 、導電性ポリマ−電極活物
質のモノマ−、トリエチレンホスホルアミド、トリアル
キルホスフィン、モルフォリン、カルボニル基を持つア
リ−ル化合物、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと
4−アルキルモルフォリン、二環性の三級アミン、オイ
ル、四級ホスホニウム塩、三級スルホニウム塩などが挙
げられる。
【0029】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。さらに、正極や負極の合剤には電解液あるいは電
解質を含ませることができる。例えば、前記イオン導電
性ポリマ−やニトロメタン、電解液を含ませる方法が知
られている。また、正極活物質の表面を改質することが
できる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤によ
り処理したり、キレ−ト化剤、導電性高分子、ポリエチ
レンオキサイドなどにより処理することが挙げられる。
負極活物質の表面を改質することもできる。例えば、イ
オン導電性ポリマ−やポリアセチレン層を設ける(特開
昭58−111,276)、あるいはLiCl(特開昭
58−142,771)などにより処理することが挙げ
られる。
【0030】電極活物質の集電体としては、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば
何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス
鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素などの
他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、
ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、負極に
は、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、
アルミニウム、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼
の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理
させたもの)、Al−Cd合金などが用いられる。これ
らの材料の表面を酸化することも用いられる。形状は、
フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされ
たもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体な
どが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜5
00μmのものが用いられる。
【0031】電池の形状はコイン、ボタン、シ−ト、シ
リンダ−、角などいずれにも適用できる。電池の形状が
コインやボタンのときは、正極活物質や負極活物質の合
剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。その
ペレットの厚みや直径は電池の大きさにより決められ
る。また、電池の形状がシ−ト、シリンダ−、角のと
き、正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上にコ
ート、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。そのコート
厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、
コートの厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2
000μmが特に好ましい。
【0032】本発明の非水二次電池の用途には、特に限
定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラ
ーノートパソコン、白黒ノートパソコン、ペン入力パソ
コン、ポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワ
ープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携
帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディ
ーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリ
ンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶
テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニ
ディスク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、
トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリー
カード、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電
源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用と
して、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、
ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時
計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補
聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍
需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電
池と組み合わせることもできる。
【0033】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳し
く説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実
施例に限定されるものではない。
【実施例】
(活物質の合成)SnO、GeO2 、PbO2 は市販品
を原料として使用した。 合成例−1(SnF0.2 0.9 の合成):SnO、Sn
2 をモル比0.9:0.1に均一混合した原料20グ
ラムをアルゴン気中で950℃で6時間焼成した後、室
温まで2時間で降温して冷却し、SnF0.2 0.9 を得
た。これを粉砕機を用いて粉砕した後、ふるいにかけて
平均粒径約10μmの負極活物質前駆体の粉体を得た。 合成例−2(SnSiF0.4 2.8 の合成):SnO、
SiO2 、SnF2 をモル比0.8:1.0:0.2に
均一混合した原料20グラムをアルゴン気中で1000
℃で6時間焼成した後、室温まで2時間で降温して冷却
し、ガラス状非晶質の黄色固体SnSiF0.4 2.8
得た。これを粉砕機を用いて粉砕した後、ふるいにかけ
て平均粒径約5μmの負極活物質前駆体の粉体を得た。
別法として、SnCl2 とSiCl4 を0.8:1.0
のモル比で溶解させた5重量%の酸性水溶液を攪拌下ア
ンモニア水で中和し、攪拌しつつ80〜90℃に4時間
保った結果生じた沈殿をろ過し、真空中200℃で24
時間乾燥させ、Sn0.8 SiO2.8 の黄色粉末を得た。
該粉末をSnF2 とモル比1:0.2で混合して得た2
0グラムの原料をアルゴン気中で1000℃で1時間熱
処理し、ガラス状非晶質の黄色固体SnSiF0.4
2.8 を得た。
【0034】合成例−3(SnSiGe0.1 0.4
3.0 の合成):SnO、SiO2 、SnF2 、GeO2
をモル比0.8:1.0:0.2:0.1に均一混合し
た原料20グラムをアルゴン気中で1000℃で6時間
焼成した後、室温まで2時間で降温して冷却し、ガラス
状非晶質の黄色固体SnSiGe0.1 0.4 3.0 を得
た。これを粉砕機を用いて粉砕した後、ふるいにかけて
平均粒径約6μmの負極活物質前駆体の粉体を得た。ま
た、同様の方法で、それぞれ化学量論量の原料を混合
し、焼成によって、SnSiTi0.1 0.4 3.0 、S
nSiAl0.1 0.4 3.0 、SnSiFe0.1 0.4
3.0 、SnSiZn0.1 0.4 3.0 を合成した。 合成例−4(SnGeF0.4 3.0 の合成): Sn
O、GeO2 、SnF2をモル比0.8:1.0:0.
2に均一混合した原料20グラムをアルゴン気中で10
00℃で6時間焼成した後、室温まで2時間で降温して
冷却し、ガラス状非晶質の黄色固体SnGeF0.4 O2.
8 を得た。これを粉砕機を用いて粉砕した後、ふるいに
かけて平均粒径約4μmの負極活物質前駆体の粉体を得
た。
【0035】合成例−5(SnPbF0.4 2.8 の合
成):SnO、PbO2 、SnF2 をモル比0.8:
1.0:0.2に均一混合した原料20グラムをアルゴ
ン気中で1000℃で6時間焼成した後、室温まで2時
間で降温して冷却し、非晶質の固体SnPbF0.4
2.8 を得た。これを粉砕機を用いて粉砕した後、ふるい
にかけて平均粒径約8μmの負極活物質前駆体の粉体を
得た。正極用活物質(LiCoZr0.022 の合成):
炭酸リチウム2.26g、四酸化三コバルト5.0gと
二酸化ジルコニウム0.16gを乾式混合し、空気中9
00℃で18時間焼成し、結晶性の活物質LiCoZr
0.022 を合成した。固体を粉砕し平均粒径5μmの褐
色粉末を得た。正極用活物質(LiMn2 4 の合
成):炭酸リチウム1.20g、二酸化マンガン5.9
2gを乾式混合し、空気中800℃で12時間焼成し、
結晶性の活物質LiMn2 4 を合成した。平均粒径3
μm。なお、上記の本発明の負極活物質に代えて、比較
用負極活物質として、石炭系コ−クス(新日鉄化学製、
商品名LCP−u)およびルチル型WO2 を用いて、比
較実験を実施した。
【0036】以下のようにして、本発明の負極活物質前
駆体と正極活物質の各種の組み合せによる、コイン型二
次電池を作製した。負極については、負極活物質前駆体
を82重量%、導電剤として鱗片状黒鉛を8重量%、ア
セチレンブラックを4重量%、結着剤として、ポリ弗化
ビニリデンを6重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成
形し、ペレット(13mmΦ、22mg)を作製した。
一方、正極については、正極活物質を82重量%、導電
剤として鱗片状黒鉛を8重量%、アセチレンブラックを
4重量%、結着剤として、テトラフルオロエチレンを6
重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成型し、ペレット
(13mmΦ、110mg)とした。これらのペレット
をドライボックス(露点−40〜−70℃、乾燥空気)
中で遠赤外線ヒーター(150℃)にて約3時間乾燥し
た。コイン電池の集電体には、正・負極缶ともに80μ
m厚のSUS316のネットをコイン缶に溶接して用い
た。電解質としては、1mol/LのLiPF6 をエチ
レンカーボネート、ブチレンカーボネートとジメチルカ
ーボネートの2:2:6容量混合液に溶解させた溶液を
200μl用い、更に、両電極間のセパレーターとして
微孔性のポリプロピレンシートとポリプロピレン不織布
を用いて、上記電解液を不織布に含浸させて用いた。正
・負極缶を重ね合わせて電解液を密閉し、コイン型リチ
ウムイオン二次電池を作製した。
【0037】この電池を0.75mA/cm2 の定電流
密度にて、2.7〜4.3Vの範囲で充放電試験を行な
った。試験はすべて本発明の負極活物質前駆体にリチウ
ムを挿入する反応からはじめた。上記のように各種の原
料から合成した様々な負極用、正極用活物質についてこ
れらを組み合せた50種以上のコイン電池を作製し、充
放電性能を比較、評価したが、第1表にはその代表的な
結果を示した。本発明の電池を構成する負極、正極活物
質の種類はこの表に記載する種類に限られるものではな
い。第1表において、サイクル性とは、(第10回目の
充放電の放電容量−第1回目の充放電の放電容量)/第
1回目の充放電の放電容量で示される容量低下率を意味
し、値が小さいほど性能安定性に優れることを意味す
る。
【0038】
【表1】
【0039】第1表の結果から、本発明の負極活物質を
用いた非水電解質二次電池が、従来知られている負極活
物質を用いたものに比して、放電容量とサイクル性能の
点で優れていることが明らかである。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、周期率表IV−B,V
−B族の金属もしくは半金属とフッ素を含有する酸化物
を負極活物質に用いることにより、放電容量が高く、充
放電サイクル性の良好な非水電解質二次電池を得ること
ができる。負極活物質としてコークスやWO2 などを用
いる従来の非水電解質二次電池に比しても、その放電に
おける平均電圧は0.1〜0.35Vも高く、また放電
容量も最初の放電時を外した2サイクル目で測定したも
のでも、倍以上も大きい放電容量が得られ、使用時に大
電力が要求されるような用途において非常に有効に使用
することができるものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質、負極活物質、リチウム塩を
    含む非水電解質から成る非水二次電池において、該負極
    活物質が、周期律表IV−B、V−B族の1種以上の金
    属あるいは半金属とフッ素とを含有し、リチウムの挿
    入、放出が可能な酸化物であることを特徴とする非水電
    解質二次電池。
  2. 【請求項2】 該負極活物質が、Ge、Sn、Pb、S
    b、Bi、Siから選ばれる1種以上の元素とフッ素と
    を含むリチウムの挿入、放出が可能な酸化物であること
    を特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 該負極活物質が、Sn、Siを主体とし
    フッ素を含有するリチウムの挿入、放出が可能な酸化物
    であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二
    次電池。
  4. 【請求項4】 該負極活物質が、Snを主体としフッ素
    を含有するリチウムの挿入、放出が可能な酸化物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電
    池。
  5. 【請求項5】 該負極活物質の前駆体である、リチウム
    を挿入する前のSnとフッ素を主体とする酸化物の少な
    くとも1種が、α−PbO構造SnO、ルチル構造Sn
    2 であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 【請求項6】 該負極活物質の少なくとも1種が、リチ
    ウムを挿入、放出するフッ素を含む非晶質カルコゲン化
    合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 【請求項7】 該負極活物質のフッ素の含有量が、該負
    極活物質に含まれる周期律表IV−B、V−B族の1種
    以上の半金属の総量に対して10モル%以上100モル
    %以下であること特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 【請求項8】 該負極活物質の少なくとも1種は、Sn
    x SiFy z (0.2<x≦1,0<y≦2,2.2
    <z≦3)で示される結晶性もしくは非晶質の複合酸化
    物であること特徴とする請求項1に記載の非水電解質二
    次電池。
  9. 【請求項9】 該負極活物質が、該負極活物質の前駆体
    に該前駆体の1g当たり0.04A以上の電流を流す方
    法によりリチウムを挿入させて得たものであることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解
    質二次電池。
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