JPH07312219A - 非水二次電池と充電法 - Google Patents

非水二次電池と充電法

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JPH07312219A
JPH07312219A JP7057370A JP5737095A JPH07312219A JP H07312219 A JPH07312219 A JP H07312219A JP 7057370 A JP7057370 A JP 7057370A JP 5737095 A JP5737095 A JP 5737095A JP H07312219 A JPH07312219 A JP H07312219A
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JP
Japan
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negative electrode
secondary battery
oxide
aqueous secondary
active material
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Application number
JP7057370A
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English (en)
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Ryuta Suzuki
龍太 鈴木
Hiroshi Inoue
弘 井上
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 正極活物質、負極材料、リチウム塩を含む非
水電解質から成る非水二次電池に於いて、該負極材料の
少なくとも1種が、リチウムを挿入、放出する酸化物で
あって、該負極材料を含む電極が10%以上、60%以
下の多孔度を有することを特徴とする非水二次電池。 【効果】 放電電位及び放電容量が高く、充放電サイク
ル特性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電電位、放電容量及
び充放電サイクル寿命等の充放電特性及び安全性が改善
された非水二次電池及びその充電法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】非水二次電池用負極材料としては、リチ
ウム金属やリチウム合金が代表的であるが、それらを用
いると充放電中にリチウム金属が樹枝状に成長し、内部
ショートしたり、その樹枝状金属自体の活性が高く、発
火する危険をはらんでいる。これに対して、最近、リチ
ウムを挿入・放出することができる焼成炭素質材料が実
用されるようになってきた。この炭素質材料の欠点は、
それ自体が導電性をもつので、過充電や急速充電の際に
炭素質材料の上にリチウム金属が析出することがあり、
結局、樹枝状金属を析出してしまうことにある。これを
避けるために、充電器を工夫したり、正極活物質量を少
なくして、過充電を防止する方法を採用したりしている
が、後者の方法では、活物質の量が限定されるため、放
電容量も制限されてしまう。また、炭素質材料は密度が
比較的小さいため、体積当りの容量が低い。このためさ
らに放電容量が制限されてしまうことになる。
【0003】そのため、リチウム金属やリチウム合金ま
たは炭素質材料以外の負極材料を用い、放電電位の高
い、高容量でかつサイクル寿命の優れた二次電池の開発
が鋭意続けられてきた。これらの一つの方法は、金属又
は半金属の酸化物またはカルコゲナイドを負極材料に用
いるものである。これらの例としては、TiS2、LiTiS
2(米国特許第3,983,476号)、ルチル構造の
遷移金属酸化物、例えば、WO 2 (米国特許第4,19
8,476号)、Lix Fe(Fe2)O4 などのスピネル化合物
(特開昭58−220,362)、電気化学的に合成さ
れたFe2O3 のリチウム化合物(米国特許第4,464,
447号)、Fe2O3 のリチウム化合物(特開平3−11
2,070)、Nb2O5(特公昭62−59,412、特開
平2−824,47)、酸化鉄、FeO 、Fe2O3 、Fe
3O4 、酸化コバルト、CoO 、Co2O3 、Co3O4(特開平3−
291,862)が知られている。これらの化合物はい
ずれも酸化還元電位が高いため、高放電電位かつ高容量
の非水二次電池は実現されていない。
【0004】更に、特開平6−275268号にはSnO
、特開平6−325765号には珪素酸化物、特に珪
素が4価以下の価数である珪素酸化物、特開平6−33
8325号には錫と他の元素の複合酸化物を負極材料と
して用いることが記載されている。これらの負極材料に
は、高放電電位かつ高容量のものもあるがサイクル寿命
に優れたものは開発されておらず、二次電池の性能とし
ては不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
な非水二次電池を提供することであり、特に、特定の負
極材料を用い、高い放電電位と高い放電容量を持ちかつ
良好な充放電サイクル特性を持つ非水二次電池を提供す
ることである。本発明のもう一つの目的は、優れた充電
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極活物質、
負極材料、リチウム塩を含む非水電解質から成る非水二
次電池に於いて、該負極材料の少なくとも1種が、リチ
ウムを挿入、放出する酸化物であって、該負極材料を含
む電極が10%以上、60%以下の多孔度を有すること
を特徴とする非水二次電池である。本発明の非水二次電
池において、負極材料を含む電極の密度は、1.5 g/c
m3以上、5.5 g/cm3以下であることが好ましい。本発
明の好ましい実施態様では、該負極材料である酸化物
が、周期律表第14、15族半金属又はIn、Znから選ば
れた少なくとも1種を含む酸化物である。
【0007】本発明で用いられる合剤は、正極活物質や
負極材料に導電剤や結着剤やフィラーなどを添加して得
られる。本発明に於いては、負極の多孔度が10%以
上、60%以下、また密度が1.5 g/cm3以上、5.5
g/cm3以下となるよう圧縮成形されて電池に組み込まれ
ることが好ましい。より好ましくは多孔度が15%以
上、50%以下、密度が2.0 g/cm3以上、5.0 g/c
m3以下であり、特に多孔度が15%〜50%かつ密度が
2.0 g/cm3〜5.0 g/cm3の場合が好ましい。更に組
み合わされる正極合剤の密度が1.5 g/cm3〜3.5 g
/cm3の場合が好ましい。本発明の密度の測定方法として
は、圧縮成形された合剤、あるいは充放電後に充放電前
の電位まで戻してから合剤を取り出し、溶媒で洗浄、乾
燥した合剤の重量と体積を測定し、重量/体積で求めら
れる。シート状の電極の場合は、支持体の重量、体積を
算術的に除いて求められる。本発明の多孔度の測定法と
しては、密度と同様に合剤を定容式ガス吸着法による窒
素ガス自動吸着測定装置で測定することができる。本発
明で用いられる多孔度、電極密度は、電極合剤中の導電
剤や結着剤やフィラーの添加比率を適宜調整し、更に圧
縮成形時のプレス圧を調節することにより、調整でき
る。添加比率の調整では、導電剤に黒鉛とアセチレンブ
ラックとニッケル粉の少なくとも1種を用い、その比率
を調整することで容易に多孔度、密度を調整できる。
【0008】本発明で言う、周期律表14および/また
は15族半金属とは、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Biのことで
ある。
【0009】本発明で言う、負極活物質の前駆体につい
て説明する。例えば、α−PbO 構造SnO やルチル構造Sn
O2自身では二次電池の負極活物質としては作動しない
が、それらにリチウムを挿入し続けると結晶構造が変化
して、二次電池の負極活物質として可逆的に作動できる
ことを発見した。すなわち、第1サイクルの充放電効率
は約80%〜約60%と低い。従って、本発明では、出
発物質の例えば、α−PbO 構造SnO やルチル構造SnO2
ような化合物、すなわち、リチウムを挿入させる前の化
合物を「負極活物質の前駆体」と言う。この明細書に於
いてはこの前駆体及び負極活物質を含めて以下「負極材
料」と言う。
【0010】本発明の負極材料の具体例として、SiO, G
eO、GeO2、SnO 、SnO2、PbO 、PbO2、Pb2O3 、Pb3O4
Sb2O3 、Sb2O4 、Sb2O5 、Bi2O3 、Bi2O4 、Bi2O5 また
はそれらの酸化物の非量論的化合物などが挙げられる。
又これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えばLi2G
eO3 、Li2SnO2 、LiSiO 、Li2SiO、LiSiO1.5、Li2SiO
1.5 であってもよい。
【0011】本発明の好ましい負極材料は二種以上の元
素の複合酸化物であり、一方の酸化物としてSi,Sn,G
e,Pb,Sb,Biから選ばれる元素の酸化物を少なくとも
一種、もう一方の酸化物としてB,P,Alから選ばれる
元素の酸化物、あるいはその原料化合物を少なくとも一
種用い、これらを混合・焼成して得られる化合物であ
る。ここでSi,Sn,Ge,Pb,Sb,Biから選ばれる元素の
酸化物の具体例としては先に挙げた酸化物を挙げること
ができる。B,P,Alから選ばれる元素の酸化物、ある
いはその原料化合物の具体例としては、P2O5、Li3PO4
H3BO3 、B2O3、Al2O 3 などの酸化物と、焼成後酸化物と
なる化合物を挙げることが出来る。更に好ましい負極材
料は、主として3種以上の元素の酸化物からなる複合酸
化物で、Snの酸化物とSiの酸化物とB,P,Alから選ば
れる元素の酸化物の少なくとも一種とを混合・焼成して
得られる化合物である。これらの複合酸化物には MgO,
CaO などを添加してもよい。
【0012】本発明の負極材料は、電池組み込み時に主
として非晶質であることが好ましい。ここで言う主とし
て非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で2θ値
で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を
有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ま
しくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性
の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40
°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度
の500倍以下であることが好ましく、さらに好ましく
は100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であ
り、最も好ましくは 結晶性の回折線を有さないことで
ある。
【0013】これらの化合物の具体例を以下に示すが本
発明はこれらに限定されるものではない。SnSiO3、SnAl
0.3B0.7O2.5 、SnB0.5P0.5O3、SnSi0.7Al0.1B0.5O3.3
Li0.6SnSi0.7Al0.1B0.3P0.2O3.8 、SnSi0.5P0.5O3.25
SnSi0.7Al0.1B0.3P0.2O3.5、SnSi0.9Al0.3B0.2P0.2O
4.05 、SnSi0.5Al0.3B0.3P0.5O4.15などが挙げられる。
【0014】本発明の負極材料には各種化合物を含ませ
ることができる。例えば、遷移金属(周期律表の第4、
第5および第6周期の元素で第3族から第12族に属す
る元素)や周期律表第13族の元素、アルカリ金属(周
期律表の第1族、第2族の元素)やP、Cl、Br、I、F
を含ませることができる。例えば、SnO2では、電子伝導
性をあげる各種化合物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)
のドーパント、また同族元素としてSiを含んでもよい。
添加する化合物の量は0〜20モル%が好ましい。
【0015】負極材料の合成法として、SnO2では、Sn化
合物、例えば、塩化第二錫、臭化第二錫、硫酸第二錫、
硝酸第二錫の水溶液と水酸化アルカリ、例えば、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム
などの水溶液を混合して水酸化第二錫を沈殿させ、それ
を洗浄、分離する。その水酸化第二錫をほぼ乾燥させて
から、空気中、酸素が多いガス中あるいは、酸素が少な
いガス中で250〜2000℃にて焼成する。または水
酸化第二錫のまま焼成し、その後洗浄することができ
る。一次粒子の平均サイズは、走査型電子顕微鏡による
測定で0.01μm〜1μmが好ましい。とくに0.0
2μm〜0.2μmが好ましい。二次粒子の平均サイズ
は、0.1〜60μmが好ましい。同様に、SnO では、
塩化第一錫、臭化第一錫、硫酸第一錫、硝酸第一錫の水
溶液と水酸化アルカリ、例えば、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、水酸化アンモニウムなどの水溶液を
混合し、煮沸する。また、蓚酸第一錫を酸素が少ないガ
ス中で、250〜1000℃にて焼成する。その平均粒
子サイズは0.1〜60μmが好ましい。。その他の酸
化物は、SnO2やSnO と同じく、よく知られた方法で合成
することができる。その好ましい物性は前記のSnO と同
じである。本発明の複合酸化物は、焼成法により合成す
るのが好ましい。
【0016】焼成法の場合の条件について説明する。昇
温速度は、毎分4℃以上2000℃以下であることが好
ましく、さらに好ましくは6℃以上2000℃以下であ
り、特に好ましくは10℃以上2000℃以下である。
焼成温度は、250℃以上1500℃以下であることが
好ましく、さらに好ましくは350℃以上1500℃以
下であり、特に好ましくは500℃以上1500℃以下
である。焼成時間は、0.01時間以上100時間以下
であることが好ましく、さらに好ましくは0.5時間以
上70時間以下であり、特に好ましくは1時間以上20
時間以下である。降温速度は、毎分2℃以上107 ℃以
下であることが好ましく、さらに好ましくは4℃以上1
7 ℃以下であり、特に好ましくは6℃以上107 ℃以
下であり、最も好ましくは10℃以上107 ℃以下であ
る。本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)
の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達す
るまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降
温速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成
温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平
均速度である。降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼
成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却しても
よい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版
1987)217頁記載のgun 法・Hammer-Anvil法・sl
ap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急
冷法・melt drag 法などの超急冷法を用いることもでき
る。またニューガラスハンドブック(丸善 1991)
172頁記載の単ローラー法、双ローラー法を用いて冷
却してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成
中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよ
い。焼成中に溶融する材料の場合には融液を撹拌するこ
とが好ましい。
【0017】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。例えば空気中、あるいは酸素濃度を
任意の割合に調製したガス、あるいは水素、一酸化炭
素、窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノ
ン、二酸化炭素等が挙げられる。
【0018】本発明の負極材料は、平均粒径(D)が
0.7〜25μmであり、かつ全体積の60%以上が
0.5〜30μmであることが好ましい。更に好ましく
は、平均粒径(D)が0.8〜20μmであり、かつ全
体積の75%以上が0.5〜30μmである。特に好ま
しくは、平均粒径(D)が1.0〜16μmであり、か
つ全体積の90%以上が0.5〜30μmである。ここ
で言う平均粒径とは一次粒子のメジアン径のことであ
り、レーザー回折式の粒度分布測定装置により測定され
る。又、本発明の負極材料の粒径1μm以下の粒子群の
占める体積は全体積の30%以下であり、かつ粒径20
μm以上の粒子群の占める体積が全体積の25%以下で
あることが好ましい。更に好ましくは、粒径1μm以下
の粒子群の占める体積が全体積の20%以下であり、か
つ20μm以上の粒子群の占める体積が14%以下であ
る。特に好ましくは、粒径1μm以下の粒子群の占める
体積が全体積の10%以下であり、かつ20μm以上の
粒子群の占める体積が10%以下である。
【0019】本発明の負極材料の比表面積は、0.1〜
10m2/gであることが好ましく、更に好ましくは0.1
〜8m2/gであり、特に好ましくは0.2〜7m2/gであ
る。測定は通常のBET法により行うことができる。
【0020】所定の粒子サイズにするには、焼成物また
は粗粉砕物を粉砕及び/又は分級する方法を用いること
が好ましい。粉砕方法としては、乾式粉砕法、溶媒を媒
体とした湿式粉砕法が用いられる。湿式粉砕法で用いら
れる溶媒としては、取り扱い性及び安全性の観点から例
えば、水、トルエン、キシレン、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、イソ
ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢
酸ブチル,N,N−ジメチルホルムアミド、などが好ま
しい。使用する溶媒の量としては、粉末材料の0.1〜
20倍が好ましく、0.2〜10倍が特に好ましい。粉
砕方法は、好ましくは乾式粉砕法及び/又は水を媒体と
した湿式粉砕法である。粉砕機としては例えば乳鉢、ボ
ールミル、円振動ボールミル、旋動振動ミル、衛星ボー
ルミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミル、ポ
ットミル、遠心ミル、タワーミル、サンドミル、アトラ
イター、セントリミル、タイノミル、ローラーミル、ピ
ンミル、チューブミル、ロッドミル、ジョークラッシャ
ーなどが用いられるが、好ましくは旋回気流型ジェット
ミル、ボールミル、振動ボールミルである。さらに、所
定の粒径に合わせるために分級する事が望ましく、風力
分級装置(例えばサイクロン)や篩いなどが好ましく用
いられる。篩で分級する場合は乾式法又は水等の溶媒を
用いた湿式法が好ましい。又、粉砕や分級の温度は、用
いる材料、溶媒の種類にもよるが、5〜150℃が好ま
しく、10〜90℃がより好ましい。
【0021】本発明で使用できる正極中の活物質は、リ
チウムを挿入放出できるものであれば良いが、好ましく
はリチウム含有遷移金属酸化物である。これらの化合物
は、特公昭63−59507号、特公平4−30146
号,米国特許第5、240、794号、同5、153、
081号等に記載されている。代表的な化合物を以下に
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。例
えば、Lix CoO2、Lix NiO2、Lix Coa Ni1-a O2、Lix Co
b V1-b Oz 、Lix Co b Fe1ーb Oz 、Lix Mn2O4 、Lix Mn
O2、LiMn2O3 、Lix Mnb Co2ーb Oz 、Lix Mn b Ni2ーb O
z 、 Li x Mn b V2ー b Oz 、 Li x Mn b Fe1ーb Oz (こ
こでx=0.05〜1.2、a=0.1〜0.9、b=
0.8〜0.98、z=1.5〜5)である。
【0022】本発明で用いる負極材料は、その前駆体に
リチウムを化学的に挿入することにより得ることができ
る。例えば、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチ
ウムなどと反応させる方法や電気化学的にリチウムを挿
入することが好ましい。本発明では、前駆体である酸化
物に電気化学的にリチウムを挿入することが特に好まし
い。電気化学的にリチウムイオンを挿入する方法とし
て、正極活物質として目的の酸化物(本発明で言う負極
活物質前駆体のこと)、負極材料として、リチウム金
属、リチウム塩を含む非水電解質からなる酸化還元系
(例えば開放系(電解)または密閉系(電池))を放電
することにより得ることができる。また、別の実施態様
例として、正極活物質としてリチウム含有遷移金属酸化
物、負極材料として、負極活物質前駆体、リチウム塩を
含む非水電解質からなる酸化還元系(例えば開放系(電
解)または密閉系(電池))を充電することにより得る
方法が最も好ましい。
【0023】リチウムの挿入量は、特に限定されない
が、例えばLi−Al(80ー20重量%)に対し、0.0
5Vになるまで挿入することが好ましい。さらに、0.
1Vまで挿入することが好ましく、特に、0.15Vま
で挿入することが好ましい。このときの、リチウム挿入
の当量は3〜10当量になっており、この当量に合わせ
て正極活物質との使用量比率を決める。この当量に基づ
いた使用量比率に、0.5〜2倍の係数をかけて用いる
ことが好ましい。リチウム供給源が正極活物質以外では
(例えば、リチウム金属や合金、ブチルリチウムな
ど)、負極活物質のリチウム放出当量に合わせて正極活
物質の使用量を決める。このときも、この当量に基づい
た使用量比率に、0.5〜2倍の係数をかけて用いるこ
とが好ましい。
【0024】本発明の酸化物(前駆体)は、結晶構造を
持っているが、リチウムを挿入していくと結晶性が低下
して、非晶質性に変わっていく。従って、負極活物質と
して可逆的に酸化還元している構造は非晶質性が高い化
合物と推定される。従って、本発明の酸化物(前駆体)
は結晶構造でも、非晶質構造でもまたそれらの混合した
構造でもよい。
【0025】本発明に併せて用いることができる負極活
物質としては、リチウム金属、リチウム合金(Al、Al−
Mn(米国特許第 4,820,599)、Al−Mg(特開
昭57−98977)、Al−Sn(特開昭63−6,74
2)、Al−In、Al−Cd(特開平1−144,573)な
どやリチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出で
きる焼成炭素質化合物(例えば、特開昭58−209,
864、同 61−214,417、同 62−88,
269、同 62−216,170、同 63−13,
282、同 63−24,555、同 63−121,
247、同 63−121,257、同 63−15
5,568、同63−276,873、同63−31
4,821、特開平1−204,361、同 1−22
1,859、同 1−274,360など)があげられ
る。上記リチウム金属やリチウム合金の併用目的は、リ
チウムを電池内で挿入させるためのものであり、電池反
応として、リチウム金属などの溶解・析出反応を利用す
るものではない。
【0026】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤は、構成された電
池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であ
れば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金
属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−1
48,554)など)粉、金属繊維あるいはポリフェニ
レン誘導体(特開昭59−20,971)などの導電性
材料を1種またはこれらの混合物として含ませることが
できる。黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ま
しく、これにニッケル粉を添加しても良い。ニッケル粉
では鎖状のニッケル粉が特に好ましい。その添加量は、
特に限定されないが、1〜50重量%が好ましく、特に
2〜30重量%が好ましい。カーボンや黒鉛では、2〜
20重量%が特に好ましい。また、SnO2にSbをドープさ
せたように、活物質の前駆体に電子導電性を持たせた場
合には、上記導電剤を減らすことができる。例えば、0
〜10重量%の添加が好ましい。
【0027】結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセル
ロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、
テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ス
チレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、
ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴ
ム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合
物として用いられる。また、多糖類のようにリチウムと
反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例
えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその
官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加
量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好まし
く、特に2〜30重量%が好ましい。フィラーは、構成
された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料
であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0028】電解質としては、有機溶媒として、プロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、
アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチ
ル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸
トリエステル(特開昭60−23,973)、トリメト
キシメタン(特開昭61−4,170)、ジオキソラン
誘導体(特開昭62−15,771、同62−22,3
72、同62−108,474)、スルホラン(特開昭
62−31,959)、3−メチル−2−オキサゾリジ
ノン(特開昭62−44,961)、プロピレンカーボ
ネート誘導体(特開昭62−290,069、同62−
290,071)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭
63−32,872)、ジエチルエーテル(特開昭63
−62,166)、1,3−プロパンサルトン(特開昭
63−102,173)などの非プロトン性有機溶媒の
少なくとも1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶ける
リチウム塩、例えば、LiClO4、LiBF6 、LiPF6、LiCF3SO
3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10Cl10 (特開昭5
7−74,974)、低級脂肪族カルボン酸リチウム
(特開昭60−41,773)、LiAlCl4、LiCl、LiB
r、LiI (特開昭60−247,265)、クロロボラ
ンリチウム(特開昭61−165,957)、四フェニ
ルホウ酸リチウム(特開昭61−214,376)など
の1種以上の塩から構成されている。なかでも、プロピ
レンカーボネートあるいはエチレンカーボネートと1,
2−ジメトキシエタンおよび/あるいはジエチルカーボ
ネートの混合液にLiCF3SO3、LiClO4、LiBF4 および/あ
るいはLiPF6 を含む電解質が好ましい。
【0029】特に、少なくともエチレンカーボネートと
LiPF6 を含むことが好ましい。
【0030】これら電解質を電池内に添加する量は、特
に限定されないが、正極活物質や負極活物質の量や電池
のサイズによって必要量用いることができる。溶媒の体
積比率は、特に限定されないが、プロピレンカーボネー
トあるいはエチレンカーボネートあるいはブチレンカー
ボネート対1,2−ジメトキシエタンおよび/あるいは
ジエチルカーボネートの混合液の場合、0.4/0.6
〜0.6/0.4(エチレンカーボネートとブチレンカ
ーボネートを併用するときの混合比率は0.4/0.6
〜0.6/0.4、また1,2−ジメトキシエタンとジ
エチルカーボネートを併用するときの混合比率は0.4
/0.6〜0.6/0.4)が好ましい。支持電解質の
濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり
0.2〜3モルが好ましい。
【0031】また、電解液の他に固体電解質も用いるこ
とができる。固体電解質は、無機固体電解質と有機固体
電解質に分けられる。無機固体電解質としては、Liの窒
化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られてい
る。なかでも、Li3N、LiI 、Li5NI2、Li3N-LiI-LiOH 、
LiSiO4、LiSiO4-LiI-LiOH (特開昭49−81,89
9)、xLi3PO4-(1-x)Li4SiO4(特開昭59−60,86
6)、Li2SiS3 (特開昭60−501,731)、硫化
リン化合物(特開昭62−82,665)などが有効で
ある。有機固体電解質では、ポリエチレンオキサイド誘
導体か該誘導体を含むポリマー(特開昭63−135,
447)、ポリプロピレンオキサイド誘導体か該誘導体
を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマー(特開昭
62−254,302、同62−254,303、同6
3−193,954)、イオン解離基を含むポリマーと
上記非プロトン性電解液の混合物(米国特許第4,79
2,504、同4,830,939、特開昭62−2
2,375、同62−22,376、同63−22,3
75、同63−22,776、特開平1−95,11
7)、リン酸エステルポリマー(特開昭61−256,
573)が有効である。さらに、ポリアクリロニトリル
を電解液に添加する方法もある(特開昭62−278,
774)。また、無機と有機固体電解質を併用する方法
(特開昭60−1,768)も知られている。
【0032】セパレーターとしては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜が用
いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンな
どのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいは
ポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用い
られる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として用
いられる範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μ
mが用いられる。セパレーターの厚みは、一般に電池用
の範囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いら
れる。
【0033】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、以下に示す化合物を電解質に添加することが知られ
ている。例えば、ピリジン(特開昭49−108,52
5)、トリエチルフォスファイト(特開昭47−4,3
76)、トリエタノールアミン(特開昭52−72,4
25)、環状エーテル(特開昭57−152,68
4)、エチレンジアミン(特開昭58−87,77
7)、n−グライム(特開昭58−87,778)、ヘ
キサリン酸トリアミド(特開昭58−87,779)、
ニトロベンゼン誘導体(特開昭58−214,28
1)、硫黄(特開昭59−8,280)、キノンイミン
染料(特開昭59−68,184)、N−置換オキサゾ
リジノンとN,N’−置換イミダゾリジノン(特開昭5
9−154,778)、エチレングリコールジアルキル
エーテル(特開昭59−205,167)、四級アンモ
ニウム塩(特開昭60−30,065)、ポリエチレン
グリコール(特開昭60−41,773)、ピロール
(特開昭60−79,677)、2−メトキシエタノー
ル(特開昭60−89,075)、AlCl3 (特開昭61
−88,466)、導電性ポリマー電極活物質のモノマ
ー(特開昭61−161,673)、トリエチレンホス
ホルアミド(特開昭61−208,758)、トリアル
キルホスフィン(特開昭62−80,976)、モルフ
ォリン(特開昭62−80,977)、カルボニル基を
持つアリール化合物(特開昭62−86,673)、ヘ
キサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモル
フォリン(特開昭62−217,575)、二環性の三
級アミン(特開昭62−217,578)、オイル(特
開昭62−287,580)、四級ホスホニウム塩(特
開昭63−121,268)、三級スルホニウム塩(特
開昭63−121,269)などが挙げられる。
【0034】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる(特開昭48−36,6
32)。また、高温保存に適性をもたせるために電解液
に炭酸ガスを含ませることができる(特開昭59−13
4,567)。
【0035】また、正極や負極の合剤には電解液あるい
は電解質を含ませることができる。例えば、前記イオン
導電性ポリマーやニトロメタン(特開昭48−36,6
33)、電解液(特開昭57−124,870)を含ま
せる方法が知られている。
【0036】また、正極活物質の表面を改質することが
できる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤によ
り処理(特開昭55−163,779)したり、キレー
ト化剤(特開昭55−163,780)、導電性高分子
(特開昭58−163,188、同59−14,27
4)、ポリエチレンオキサイド(特開昭60−97,5
61)などにより処理することが挙げられる。また、負
極活物質の表面を改質することもできる。例えば、イオ
ン導電性ポリマーやポリアセチレン層を設ける(特開昭
58−111,276)、あるいはLiCl (特開昭58
−142,771)などにより処理することが挙げられ
る。
【0037】電極活物質の集電体としては、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば
何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス
鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素などの
他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、
ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、負極に
は、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、
アルミニウム、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼
の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理
させたもの、Al−Cd合金などが用いられる。これらの材
料の表面を酸化処理したものも用いられる。形状は、フ
ォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされた
もの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体など
が用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜50
0μmのものが用いられる。
【0038】電池の形状はコイン、ボタン、シート、シ
リンダー、角などいずれにも適用できる。電池の形状が
コインやボタンのときは、正極活物質や負極活物質の合
剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。その
ペレットの厚みや直径は電池の大きさにより決められ
る。また、電池の形状がシート、シリンダー、角のと
き、正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上にコ
ート、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。そのコート
厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、
コートの厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2
000μmが特に好ましい。
【0039】ペレットやシートの乾燥又は脱水方法とし
ては、一般に採用されている方法を利用することができ
る。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び
低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好まし
い。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に10
0〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で
2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や
電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることがサイ
クル性の点で好ましい。ペレットやシートのプレス法
は、一般に採用されている方法を用いることができる
が、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好まし
い。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t/
cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、
0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜
200℃が好ましい。
【0040】該合剤シートは、巻いたり、折ったりして
缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注
入し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安
全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、
従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良
い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメ
タル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほ
かに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入
れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法
を利用することができる。また、充電機に過充電や過放
電対策を組み込んだ回路を具備させても良い。缶やリー
ド板には、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることが
できる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリ
ブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの
合金が用いられる。キャップ、缶、シート、リード板の
溶接法は、公知の方法(例えば、直流又は交流の電気溶
接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができ
る。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知
られている化合物や混合物を用いることができる。
【0041】本発明の電池の充電条件は、定電流充電で
も、定電圧充電でも良く、また充電終了の検出手段は電
圧でも、時間でもよい。充電終止電圧は3.9V以上、
4.25V以下が好ましく、さらに好ましくは3.95
V以上、4.2V以下である。また、該充電時の対向す
る電極面積あたりの電流は、0.1mA/cm2以上、10mA
/cm2以下が好ましく、さらに好ましくは0.5mA/cm2
上、6mA/cm2以下である。本発明の充電時の電圧制御に
おける充電終止電圧の検出精度は、3%以下であること
が好ましく、さらに好ましくは2%以下である。この検
出精度を得るため、使用する部品の精度をあげ、標準電
源と比較したときの変動幅をこの範囲とすることが好ま
しい。
【0042】本発明の非水二次電池の用途は、特に限定
されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラー
ノートパソコン、白黒ノートパソコン、ペン入力パソコ
ン、ポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワー
プロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携帯
電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディー
ターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリン
ター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テ
レビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニデ
ィスク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、ト
ランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリーカ
ード、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、
メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用とし
て、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲ
ーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、
ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴
器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需
用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池
と組み合わせることもできる。
【0043】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。以下の表で示す負極、正
極活物質はそれぞれ、以下のとおりである。 ・負極活物質 A.SnO (市販品を使用) B.GeO2(市販品を使用) C.SnSiO3(SnO 、SiO2を混合し、1000℃ 12時
間焼成して合成 ジェットミルにて粉砕) D.SnSi0.7 Al0.1 0.3 0.2 3.5 (非晶質、XR
D法にて確認) E.SnSi0.5 Al0.3 0.3 0.5 4.15(非晶質、XR
D法にて確認) F.SnSi0.5 1.5 G.LiSiO ・正極活物質 a.LiCoO2(市販品を使用) b.LiCo0.950.052.0 (Li2CO3、CoCO3 、NH4VO3
混合し、900℃で6時間焼成して合成し、乳鉢にて粉
砕したもの) 上記活物質が目的組成であることをICP法にて確認し
た。
【0044】実施例1 合剤の調製法は以下のとおりである。まず、負極材料
は、負極活物質をそれぞれ80重量%、導電剤として鱗
片状黒鉛とアセチレンブラックを混合し14重量%、結
着剤として、ポリ弗化ビニリデンを6重量%の混合比で
混合した。多孔度を(1)70%、(2)60%、
(3)50%、(4)40%、(5)30%、(6)2
0%、(7)15%、(8)10%、(9)5%とする
ために、導電剤の比率(黒鉛:アセチレンブラック)
を、それぞれ(1)0:14、(2)1:13、(3)
3:11、(4)5:9、(5)7:7、(6)9:
5、(7)11:3、(8)13:1、(9)14:0
とした合剤を圧縮成形した。その負極ペレット(15m
mΦ、0.12g)をドライボックス(露点−40〜−
70℃、乾燥空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水
後用いた。正極材料は、正極活物質を82重量%、導電
剤として鱗片状黒鉛を8重量%、アセチレンブラックを
4重量%、結着剤として、テトラフルオロエチレンを6
重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成形させた正極ペ
レット(15mmΦ 正極活物質の充電容量と負極活物
質のリチウム挿入容量を等しくするよう重量を設定し
た。)を、上記と同じドライボックス中で遠赤外線ヒー
ターにて充分脱水後用いた。
【0045】集電体には、正・負極缶ともに80μm厚
のSUS316のネットをコイン缶に溶接して用いた。
電解質として1mol/リットル LiPF6 (エチレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネートとジメチルカーボネ
ートの2:2:6容量混合液)を250μl用い、更
に、セパレーターとして微孔性のポリプロピレンシート
とポリプロピレン不織布を用いて、その電解液を不織布
に含浸させて用いた。そして、図1の様なコイン型リチ
ウム電池を上記と同じドライボックス中で作製した。 試験1.このリチウム電池を1mA/cm2の電流密度で充放
電試験を行ない最高容量の60%の容量になるまでのサ
イクル数を求めた。 試験2.このリチウム電池を1mA/cm2の電流密度で10
0%深度(4.3V〜2.7V)充放電試験を行ない、
10サイクル目の放電容量を求めた。 なお試験はすべて充電からはじめた。
【0046】
【表1】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活物質 活物質 多孔度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a A (1) 3.5V 89回 375mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 95 428 3 〃 〃 (3) 3.4 98 448 4 〃 〃 (4) 3.5 98 460 5 〃 〃 (5) 3.4 95 461 6 〃 〃 (6) 3.4 93 453 7 〃 〃 (7) 3.5 91 439 8 〃 〃 (8) 3.4 92 421 9 〃 〃 (9) 3.5 76 363 10 b 〃 (1) 3.4 84 352 11 〃 〃 (2) 3.5 92 424 12 〃 〃 (3) 3.5 95 455 13 〃 〃 (4) 3.5 95 464 14 〃 〃 (5) 3.5 94 464 15 〃 〃 (6) 3.4 91 466 16 〃 〃 (7) 3.5 89 468 17 〃 〃 (8) 3.4 88 439 18 〃 〃 (9) 3.4 80 390
【0047】
【表2】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活物質 活物質 多孔度 放電電圧 サイクル数 放電容量 19 a B (1) 3.4V 139回 177mAh/g 20 〃 〃 (2) 3.4 144 203 21 〃 〃 (3) 3.5 149 212 22 〃 〃 (4) 3.4 147 218 23 〃 〃 (5) 3.5 147 219 24 〃 〃 (6) 3.5 143 212 25 〃 〃 (7) 3.4 142 208 26 〃 〃 (8) 3.5 143 200 27 〃 〃 (9) 3.5 123 177 28 b 〃 (1) 3.5 130 166 29 〃 〃 (2) 3.5 143 201 30 〃 〃 (3) 3.4 145 214 31 〃 〃 (4) 3.4 144 219 32 〃 〃 (5) 3.5 143 221 33 〃 〃 (6) 3.5 139 223 34 〃 〃 (7) 3.4 136 223 35 〃 〃 (8) 3.5 135 203 36 〃 〃 (9) 3.5 123 182
【0048】実施例2 合剤の調製法は以下のとおりである。まず、負極材料
は、負極活物質をそれぞれ74重量%、導電剤として鱗
片状黒鉛とアセチレンブラックと鎖状のニッケル粉を混
合し20重量%、結着剤として、ポリ弗化ビニリデンを
6重量%の混合比で混合した。密度を(1)1.0 g/c
m3、(2)1.5 g/cm3、(3)2.0 g/cm3、(4)
2.5 g/cm3、(5)3.5 g/cm3、(6)4.5 g/c
m3、(7)5.0 g/cm3、(8)5.5 g/cm3、(9)
6.0 g/cm3とするために、導電剤の比率(黒鉛:アセ
チレンブラック:ニッケル粉)を、それぞれ(1)8:
12:0、(2)10:10:0、(3)11:9:
0、(4)13:7:0、(5)13:6:1、(6)
8:4:8、(7)3:2:15、(8)0:1:1
9、(9)0:0:20とした合剤を圧縮成形した。こ
のペレットを使用したこと以外は実施例1と同様の電池
を作製し、同様の試験を行った。
【0049】
【表3】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活物質 活物質 密 度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a A (1) 3.4V 87回 395mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 93 451 3 〃 〃 (3) 3.5 97 472 4 〃 〃 (4) 3.5 97 484 5 〃 〃 (5) 3.4 93 486 6 〃 〃 (6) 3.5 89 477 7 〃 〃 (7) 3.5 90 462 8 〃 〃 (8) 3.4 91 443 9 〃 〃 (9) 3.4 73 382 10 b 〃 (1) 3.4 82 371 11 〃 〃 (2) 3.4 91 446 12 〃 〃 (3) 3.5 94 479 13 〃 〃 (4) 3.4 93 489 14 〃 〃 (5) 3.4 92 488 15 〃 〃 (6) 3.4 89 490 16 〃 〃 (7) 3.5 87 493 17 〃 〃 (8) 3.5 87 462 18 〃 〃 (9) 3.4 81 411
【0050】
【表4】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活物質 活物質 密 度 放電電圧 サイクル数 放電容量 19 a B (1) 3.4V 137回 186mAh/g 20 〃 〃 (2) 3.5 143 214 21 〃 〃 (3) 3.5 148 223 22 〃 〃 (4) 3.5 146 229 23 〃 〃 (5) 3.4 145 230 24 〃 〃 (6) 3.5 139 223 25 〃 〃 (7) 3.5 142 216 26 〃 〃 (8) 3.4 143 210 27 〃 〃 (9) 3.4 126 186 28 b 〃 (1) 3.4 131 175 29 〃 〃 (2) 3.4 142 211 30 〃 〃 (3) 3.5 144 225 31 〃 〃 (4) 3.4 144 231 32 〃 〃 (5) 3.4 142 233 33 〃 〃 (6) 3.4 137 233 34 〃 〃 (7) 3.5 135 235 35 〃 〃 (8) 3.5 137 214 36 〃 〃 (9) 3.4 126 192
【0051】実施例3 合剤の調製法は以下のとおりである。まず、負極材料
は、負極活物質と導電剤として鱗片状黒鉛とアセチレン
ブラックと鎖状のニッケル粉を目的の密度が得られるよ
うに調節し95重量%、更に結着剤としてスチレンーブ
タジエンゴムの水分散物を4重量%およびカルボキシメ
チルセルロース1重量%を加え、水を媒体として混練し
てスラリーを作製した。該スラリーを厚さ18μmの銅
箔の両面に、エクストルージョン法により塗布し、乾燥
後カレンダープレス機により圧縮成型し、所定の幅、長
さに切断して実施例2と同様の密度を持つ帯状の負極シ
ートを作製した。正極材料は、正極活物質を87重量
%、鱗片状黒鉛6重量%、アセチレンブラック3重量
%、さらに結着剤としてポリテトラフルオロエチレン水
分散物3重量%とポリアクリル酸ナトリウム1重量%を
加え、水を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ
20μmのアルミニウム箔の両面に上記と同じ方法で塗
布、乾燥、プレス、切断し、帯状正極シートを作製し
た。上記負極シートおよび正極シートのそれぞれ端部に
それぞれニッケル、アルミニウムのリード板をスポット
溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で150℃
2時間脱水乾燥した。さらに、脱水乾燥済み正極シート
(8)、微多孔性ポリプロピレンフィルムセパレーター
(セルガード2400)、脱水乾燥済み負極シート
(9)およびセパレーター(10)の順で積層し、これ
を巻き込み機で渦巻き状に巻回した。
【0052】この巻回体を負極端子を兼ねる、ニッケル
メッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶(11)に収納
した。さらに、電解質として1mol/l LiPF6 (エ
チレンカーボネート、ブチレンカーボネートとジメチル
カーボネートの2:2:6容量混合液)を電池缶に注入
した。正極端子を有する電池蓋(12)をガスケット
(13)を介してかしめて円筒型電池を作製した。な
お、正極端子(12)は正極シート(8)と、電池缶
(11)は負極シート(9)とあらかじめリード端子に
より接続した。図2に円筒型電池の断面を示した。な
お、(14)は安全弁である。この電池を実施例1と同
様の試験条件で試験した。
【0053】
【表5】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活 質 活物質 密 度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a C (1) 3.4V 337回 376mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 342 433 3 〃 〃 (3) 3.5 349 451 4 〃 〃 (4) 3.5 347 462 5 〃 〃 (5) 3.4 343 466 6 〃 〃 (6) 3.5 339 457 7 〃 〃 (7) 3.5 341 446 8 〃 〃 (8) 3.4 340 428 9 〃 〃 (9) 3.4 321 366 10 〃 A (1) 3.5 195 392 11 〃 〃 (2) 3.5 231 460 12 〃 〃 (5) 3.6 253 482 13 〃 〃 (8) 3.5 234 453 14 〃 〃 (9) 3.5 181 302 15 〃 B (1) 3.4 234 366 16 〃 〃 (2) 3.5 280 413 17 〃 〃 (5) 3.5 299 423 18 〃 〃 (8) 3.5 271 420 19 〃 〃 (9) 3.4 222 346
【0054】
【表6】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活 質 活物質 密 度 放電電圧 サイクル数 放電容量 20 a D (1) 3.4V 439回 397mAh/g 21 〃 〃 (2) 3.4 641 446 22 〃 〃 (3) 3.5 670 458 23 〃 〃 (4) 3.5 685 484 24 〃 〃 (5) 3.5 708 481 25 〃 〃 (6) 3.5 689 472 26 〃 〃 (7) 3.5 692 462 27 〃 〃 (8) 3.4 672 449 28 〃 〃 (9) 3.4 495 301 29 〃 E (1) 3.4 487 376 30 〃 〃 (2) 3.4 742 443 31 〃 〃 (5) 3.5 789 459 32 〃 〃 (8) 3.4 737 442 33 〃 〃 (9) 3.4 443 366 34 〃 F (1) 3.4 339 369 35 〃 〃 (2) 3.4 441 426 36 〃 〃 (5) 3.5 490 438 37 〃 〃 (8) 3.4 421 422 38 〃 〃 (9) 3.4 360 394 39 a G (1) 3.4 348 375 40 〃 〃 (2) 3.4 451 431 41 〃 〃 (5) 3.5 530 445 42 〃 〃 (8) 3.4 481 421 43 〃 〃 (9) 3.4 420 389
【0055】実施例4 負極材料として、実施例−1の(5)と同じペレットを
用い、正極材料としては、正極活物質を82重量%、導
電剤として鱗片状黒鉛を12重量%、結着剤として、テ
トラフルオロエチレンを6重量%の混合比で混合したも
のを用いた。この合剤をそれぞれ密度(1)2.0 g/c
m3、(2)2.5 g/cm3、(3)3.0g/cm3、(4)
3.5 g/cm3、(5)4.0 g/cm3となるように圧縮成
形させた正極ペレットを用いたこと以外は実施例1と同
様に試験した。
【0056】
【表7】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活 質 活物質 密 度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a A (1) 3.5 87回 402mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.4 92 474 3 〃 〃 (3) 3.4 91 483 4 〃 〃 (4) 3.5 92 468 5 〃 〃 (5) 3.5 90 378 6 b 〃 (1) 3.4 93 397 7 〃 〃 (2) 3.4 95 473 8 〃 〃 (3) 3.4 94 486 9 〃 〃 (4) 3.4 95 451 10 〃 〃 (5) 3.5 92 369 11 a B (1) 3.5 139 176 12 〃 〃 (2) 3.5 144 219 13 〃 〃 (3) 3.4 143 226 14 〃 〃 (4) 3.4 140 221 15 〃 〃 (5) 3.5 136 193 16 b 〃 (1) 3.4 140 206 17 〃 〃 (2) 3.4 145 223 18 〃 〃 (3) 3.5 145 229 19 〃 〃 (4) 3.4 143 230 20 〃 〃 (5) 3.4 132 182
【0057】実施例5 合剤の調製法は以下のとおりである。まず、負極材料
は、負極活物質をそれぞれ82重量%、導電剤として鱗
片状黒鉛を8重量%、アセチレンブラックを4重量%、
結着剤として、ポリ弗化ビニリデンを6重量%の混合比
で混合した。この合剤を使用したこと以外は実施例1と
同様の電池を作製した。このリチウム電池を1mA/cm2
電流密度で定電流充電を行った。この時の充電終止電圧
を(1)3.85V、(2)3.9V、(3)3.95
V、(4)4.0V、(5)4.15V、(6)4.2
V、(7)4.25V、(8)4.3Vとし、放電終止
電圧を2.7Vとして充放電試験を行なった。なお試験
はすべて充電からはじめた。
【0058】
【表8】 正極 負極 充電終止 No 活物質 活物質 電圧 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a A (1) 3.5V 97回 413mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.4 95 454 3 〃 〃 (3) 3.4 95 487 4 〃 〃 (4) 3.5 92 481 5 〃 〃 (5) 3.5 92 483 6 〃 〃 (6) 3.5 85 486 7 〃 〃 (7) 3.4 80 485 8 〃 〃 (8) 3.5 63 485 9 b 〃 (1) 3.5 112 409 10 〃 〃 (2) 3.5 110 449 11 〃 〃 (3) 3.4 111 457 12 〃 〃 (4) 3.4 112 462 13 〃 〃 (5) 3.5 112 466 14 〃 〃 (6) 3.4 107 470 15 〃 〃 (7) 3.5 95 468 16 〃 〃 (8) 3.5 77 470
【0059】
【表9】 正極 負極 充電終止 No 活物質 活物質 電圧 放電電圧 サイクル数 放電容量 17 a B (1) 3.5V 135回 194mAh/g 18 〃 〃 (2) 3.5 128 217 19 〃 〃 (3) 3.5 133 230 20 〃 〃 (4) 3.5 136 227 21 〃 〃 (5) 3.4 133 229 22 〃 〃 (6) 3.5 131 226 23 〃 〃 (7) 3.4 128 227 24 〃 〃 (8) 3.5 103 227 25 b 〃 (1) 3.4 145 190 26 〃 〃 (2) 3.5 142 208 27 〃 〃 (3) 3.4 143 212 28 〃 〃 (4) 3.4 144 211 29 〃 〃 (5) 3.5 142 215 30 〃 〃 (6) 3.5 136 217 31 〃 〃 (7) 3.4 131 216 32 〃 〃 (8) 3.5 106 218
【0060】実施例6 実施例5と同様の電池を作製し、充電終止電圧を4.2
V、放電終止電圧を2.7Vとし、電流密度を(1)
0.05mA/cm2、(2)0.1mA/cm2、(3)0.5mA
/cm2、(4)1.0mA/cm2、(5)4mA/cm2、(6)6
mA/cm2、(7)10mA/cm2、(8)15mA/cm2として充
放電試験を行った。なお試験はすべて充電からはじめ
た。
【0061】
【表10】 正極 負極 充電電流 No 活物質 活物質 密度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a A (1) 3.4V 93回 403mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 95 438 3 〃 〃 (3) 3.4 92 455 4 〃 〃 (4) 3.4 92 471 5 〃 〃 (5) 3.5 86 488 6 〃 〃 (6) 3.5 86 448 7 〃 〃 (7) 3.5 84 429 8 〃 〃 (8) 3.5 72 411 9 b 〃 (1) 3.4 109 397 10 〃 〃 (2) 3.5 107 428 11 〃 〃 (3) 3.5 111 451 12 〃 〃 (4) 3.4 115 462 13 〃 〃 (5) 3.5 112 468 14 〃 〃 (6) 3.5 109 447 15 〃 〃 (7) 3.4 104 431 16 〃 〃 (8) 3.5 82 410
【0062】
【表11】 正極 負極 充電電流 No 活物質 活物質 密度 放電電圧 サイクル数 放電容量 17 a B (1) 3.4 139 194mAh/g 18 〃 〃 (2) 3.5 137 216 19 〃 〃 (3) 3.5 133 220 20 〃 〃 (4) 3.4 138 225 21 〃 〃 (5) 3.4 131 224 22 〃 〃 (6) 3.5 128 220 23 〃 〃 (7) 3.5 126 218 24 〃 〃 (8) 3.4 103 201 25 b 〃 (1) 3.4 144 192 26 〃 〃 (2) 3.5 143 215 27 〃 〃 (3) 3.5 147 213 28 〃 〃 (4) 3.4 142 217 29 〃 〃 (5) 3.4 143 218 30 〃 〃 (6) 3.5 136 216 31 〃 〃 (7) 3.5 133 211 32 〃 〃 (8) 3.5 102 199
【0063】実施例7 合剤の調製法は以下のとおりである。まず、負極材料
は、負極活物質をそれぞれを86重量%、鱗片状黒鉛6
重量%、アセチレンブラック3重量%の割合で混合し、
更に結着剤としてスチレンーブタジエンゴムの水分散物
を4重量%およびカルボキシメチルセルロース1重量%
を加え、水を媒体として混練してスラリーを作製した。
該スラリーを使用したこと以外は実施例3と同様の電池
を作製した。このリチウム電池を実施例5と同様の条件
で充放電試験を行った。
【0064】
【表12】 正極 負極 充電終止 No 活物質 活物質 電圧 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a C (1) 3.5V 341回 391mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 337 431 3 〃 〃 (3) 3.4 338 454 4 〃 〃 (4) 3.5 333 456 5 〃 〃 (5) 3.4 331 459 6 〃 〃 (6) 3.5 325 460 7 〃 〃 (7) 3.5 317 460 8 〃 〃 (8) 3.5 292 461
【0065】実施例8 実施例7と同様の電池を作製し、実施例6と同様の試験
を行った。
【0066】
【表13】 正極 負極 充電電流 No 活物質 活物質 密度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a C (1) 3.4V 334回 383mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 337 412 3 〃 〃 (3) 3.4 333 428 4 〃 〃 (4) 3.4 334 443 5 〃 〃 (5) 3.5 327 459 6 〃 〃 (6) 3.5 321 422 7 〃 〃 (7) 3.5 319 403 8 〃 〃 (8) 3.5 301 386
【0067】実施例9 実施例7と同様の電池を作製し、充電終止電圧を4.2
V、放電終止電圧を2.7Vとし、電流密度を1mA/cm2
として充放電試験を行った。この時、充電終止電圧の変
動幅を(1)±4%、(2)±3%、(3)±2%、
(4)±1%、(5)0%とした。なお試験はすべて充
電からはじめた。
【0068】
【表14】 正極 負極 終止電圧 No 活物質 活物質 変動幅 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a C (1) 3.4V 302回 422mAh/g 2 〃 〃 (2) 3.5 321 423 3 〃 〃 (3) 3.5 333 425 4 〃 〃 (4) 3.4 337 423 5 〃 〃 (5) 3.5 336 424
【0069】比較例1 負極材料の、導電材として球状のニッケル粉を使用する
こと以外は実施例2のNo.8と同様の電池を作製し、
実施例2と同様に試験した。
【0070】
【表15】 正極 負極 試験−1 試験−2 No 活物質 活物質 密度 放電電圧 サイクル数 放電容量 1 a A (9) 3.4V 26回 302mAh/g
【0071】実施例1、2、3の結果、本発明の多孔
度、電極密度では、放電電圧が高く、充放電サイクルが
長く、放電容量が大きいことが示された。特に多孔度が
15%以上50%以下、密度が2.0 g/cm3以上5.0
g/cm3以下の場合にはサイクル性、放電容量が特に優れ
ていることが示された。実施例4の結果、本発明の正極
合剤密度では、放電電圧が高く、充放電サイクルが長
く、放電容量が大きいことが示された。実施例2と比較
例1の結果、鎖状のニッケル粉が充放電サイクルが長
く、放電容量が大きいことが示された。実施例5、7の
結果、本発明の充電終止電圧より低いと放電容量が充分
でなく、本発明の充電終止電圧より高いと充放電サイク
ルが極端に悪くなる。実施例6、8の結果、本発明の充
電電流密度より小さいと放電容量が充分でなく、本発明
の充電電流密度より大きいと放電容量が充分でなく、充
放電サイクルが極端に悪くなる。実施例9の結果、本発
明の充電終止電圧の変動幅より広いと充放電サイクルが
悪くなる。本発明の充電終止電圧、変動幅、充電電流密
度では、放電電圧が高く、充放電サイクルが長く、放電
容量が大きいことが示された。また、本発明の負極活物
質では、そのペレット密度は1.5〜5.5であり、焼
成炭素質材料のそれが1.1〜1.4に対して1〜3倍
程大きく、また、重量当りの放電容量も2.5倍程大き
く、当量あたりの分子量は2倍であるので、本発明の負
極活物質の体積当りの放電容量が焼成炭素質材料のそれ
より約4倍以上大きくなることも判った。
【0072】
【発明の効果】本発明のように、正極活物質と負極材料
と有機電解質からなる非水二次電池において、負極材料
の少なくとも1種が、リチウムを挿入、放出する酸化
物、好ましくは周期律表14、15族半金属またはIn、
Znから選ばれた少なくとも1種を含む酸化物を含む電極
の多孔度を10%以上、60%以下とし、好ましくは密
度を1.5 g/cm3以上、5.5 g/cm3以下とすることに
より、非水二次電池の放電容量を向上させ、高い放電電
位と高い放電容量を持ち、さらに良好な充放電サイクル
特性を持つ安全な非水二次電池を得ることができる。ま
た、負極活物質の少なくとも1種が、リチウムを挿入、
放出する周期律表14、15族半金属またはIn、Znから
選ばれた少なくとも1種を含む酸化物を用い、充電終止
電圧を3.9V以上、4.25V以下、充電終止電圧の
検出精度を3%以下、充電時の電流密度を0.1mA/cm2
以上、10mA/cm2以下にすることにより、高い放電電位
と高い放電容量を持ち、さらに良好な充放電サイクル特
性を持つ非水二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用したコイン型電池の断面図を示し
たものである。
【図2】実施例に使用した円筒型電池の断面図を示した
ものである。
【符号の説明】
1 負極封口板 2 負極合剤ペレット 3 セパレーター 4 正極合剤ペレット 5 集電体 6 正極ケース 7 ガスケット 8 正極シート 9 負極シート 10 セパレーター 11 電池缶 12 電池蓋 13 ガスケット 14 安全弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質、負極材料、リチウム塩を含
    む非水電解質から成る非水二次電池に於いて、該負極材
    料の少なくとも1種が、リチウムを挿入、放出する酸化
    物であって、該負極材料を含む電極が10%以上、60
    %以下の多孔度を有することを特徴とする非水二次電
    池。
  2. 【請求項2】 正極活物質、負極材料、リチウム塩を含
    む非水電解質から成る非水二次電池に於いて、該負極材
    料の少なくとも1種が、リチウムを挿入、放出する酸化
    物であって、該負極材料を含む電極が1.5 g/cm3
    上、5.5 g/cm3以下の密度を有することを特徴とする
    請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 【請求項3】 該負極材料である酸化物が、周期律表第
    14、15族半金属またはIn、Znから選ばれた少なくと
    も1種を含む酸化物であることを特徴とする請求項2に
    記載の非水二次電池。
  4. 【請求項4】 該負極材料が、主として、Si,Sn,Ge,
    Pb,Sb,Biから選ばれる元素の酸化物の少なくとも一種
    と、B,P,Alから選ばれる元素の酸化物の少なくとも
    一種とを混合・焼成して得られる化合物であることを特
    徴とする請求項3に記載の非水二次電池。
  5. 【請求項5】 該負極材料が、主として、Snの酸化物と
    Siの酸化物とB,P,Alから選ばれる元素の酸化物の少
    なくとも一種とを混合・焼成して得られる化合物である
    ことを特徴とする請求項4に記載の非水二次電池。
  6. 【請求項6】 該負極材料を含む電極合剤に、導電剤と
    して、鎖状のニッケル粉を用いることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の非水二次電池。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の非
    水二次電池の充電法において、該非水二次電池の充電終
    止電圧を3.9V以上、4.25V以下とすることを特
    徴とする非水二次電池の充電法。
  8. 【請求項8】 該非水二次電池の充電終止電圧の検出時
    において精度を3%以下とすることを特徴とする請求項
    7に記載の非水二次電池の充電法。
  9. 【請求項9】 該正極活物質が、リチウム含有遷移金属
    酸化物であることを特徴とする請求項7又は8に記載の
    非水二次電池の充電法。
  10. 【請求項10】 該充電時の対向する電極面積あたりの
    電流が0.1mA/cm2 以上、10mA/cm2以下であることを特徴
    とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の非水二次電
    池の充電法。
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