JPH08315860A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JPH08315860A
JPH08315860A JP7123865A JP12386595A JPH08315860A JP H08315860 A JPH08315860 A JP H08315860A JP 7123865 A JP7123865 A JP 7123865A JP 12386595 A JP12386595 A JP 12386595A JP H08315860 A JPH08315860 A JP H08315860A
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JP
Japan
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active material
lithium
electrode active
positive electrode
composite oxide
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Application number
JP7123865A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】放電容量と充放電サイクル性能に優れ、安価で
安全性の高いリチウムイオン型非水電解質二次電池を提
供する。 【構成】正極活物質、負極活物質とリチウム塩を含む非
水電解質からなる二次電池において、該負極活物質がリ
チウムを挿入可能な錫を含む複合酸化物であり,正極活
物質がリチウムコバルト複合酸化物とリチウムマンガン
複合酸化物の混合比が2/8〜9/1の重量比であり、
放電の電圧−容量特性において放電電圧が単調に一様に
低下する非水電解質二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高容量を有し充放電特
性と安全性が改善されたリチウムイオン系非水電解質二
次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】4V級の電圧と高容量を特長とするリチ
ウムイオン二次電池の正極活物質には、Liイオンのイ
ンタ−カレ−ションに有効な層状化合物としてLiMn
2 4、LiMnO2 、LiCoO2 、LiCo1-x
ix O2 、LiNiO2 、MoS2 等が一般に用いられ
ている。これらのなかでも特に特開昭55−13613
1で開示される岩塩構造型のLiCoO2 はLiに対し
3.5V以上の高い放電電位を与え、且つ高容量を有す
る点で有利である。しかし、繰り返しの充放電によって
結晶構造が劣化し放電特性が低下するというサイクル性
能上の問題点と、コバルト原料の供給量が少ないことに
よる製造コスト高の問題点を含んでいる。そこで、供給
量が多く低コストであるマンガンを原料として作られる
スピネル構造型のLix Mn2 4 を正極材料に用いた
二次電池が、特開平3−147276、同4−1237
69等に提案されている。また、特開平5−13107
にはコバルト酸化物にマンガン酸化物を混合して正極に
用いる方法が開示されている。しかし、LiMn2 4
はLiCoO2 に比べ体積当たり容量が小さく、また放
電が高電位部と低電位部に2段階で起こるために電圧変
化が平坦でなく階段状になるなどの問題点を有する。し
たがってマンガン系活物質を利用し電圧変化が一様で且
つ高容量な電池を設計するには、マンガン系活物質に他
の活物質を混合して用いるとともに、マンガン活物質の
高電位部のみを利用できるような適当な充放電特性を有
する負極活物質を選択し組み合せることが必要である。
しかし、負極活物質として従来用いられる炭素質材料な
どは、マンガン系活物質と組み合せると、正極の放電深
度が深くなる結果としてマンガン活物質の低電位部も利
用されるために、上記のような問題点が解決されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題は
上述のような問題を解決し、階段的電圧変化のない充放
電特性に優れたリチウムイオン非水電解質二次電池を提
供することであり、第二の課題は安全性の点で優れた二
次電池を提供することであり、第三の課題は原料コスト
の点で有利な二次電池を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、正極活物
質、負極活物質とリチウム塩を含む非水電解質からなる
二次電池において、該負極活物質がリチウムを挿入可能
な錫を含む複合酸化物であり、正極活物質がリチウムコ
バルト複合酸化物とリチウムマンガン複合酸化物の混合
物から成り、放電の電圧−容量特性において放電電圧が
4.5−2.5Vの範囲で単調に一様に低下することを
特徴とする非水電解質二次電池により達成することがで
きた。すなわち、本発明者等は鋭意検討した結果、正極
活物質中に放電曲線が平坦であるリチウムコバルト複合
酸化物を併用するとともに、負極活物質として容量の大
きな活物質を組み合せることで本発明の目的が達成され
ることを見出した。
【0005】本発明の非水電解質二次電池は、正極活物
質、負極活物質およびリチウム塩を含む非水電解質から
なる基本構成をもち、シ−ト状、コイン型、シリンダ−
型などの形態をとる。電池の放電電圧は4.5〜2.5
Vの範囲に及び、容量減少に伴う放電電圧の時間変化が
なだらかであることを特長とする。
【0006】本発明の二次電池の正極活物質はリチウム
コバルト複合酸化物とリチウムマンガン複合酸化物を主
体とする2種以上の活物質の混合物から成る。リチウム
マンガン複合酸化物として好ましく用いられるものの1
つは、高電圧の特長を持つスピネル型マンガン含有酸化
物である。スピネル型酸化物は一般式A(B2)O4 で表
される構造をもち、式中酸素アニオンは立方最密充填形
で配列しており、四面体および八面体の面と頂点の一部
を占めている。カチオンAの分布状態によって、A(B
2)O4 を正常スピネル、B(A,B)O4 を逆スピネル
と呼ぶ。これらの中間の状態に当たる、Ax By (A
1-x 1-y )O4 の構造もスピネルとして存在する。正
常スピネル構造を持つマンガン酸化物の典型として、L
iMn2 4 が挙げられる。この構造中でMnカチオン
の半分は3価、半分は4価となっている。同じく活物質
として知られるλ−MnO2 は、米国特許4,246,
253に示されるように、LiMn2 4 の構造からリ
チウムが除かれた形の欠陥のあるスピネル構造でありこ
の構造中ではMnカチオンはすべて4価である。本発明
で用いるマンガン酸化物正極活物質は、正常スピネル
型、逆スピネル型のもの、および欠陥のないスピネル構
造もしくは欠陥のある化学量論的でないスピネル構造の
ものを含む。
【0007】本発明で用いられるスピネル型構造のリチ
ウム含有マンガン酸化物の1種は、一般式Li1+x 〔M
2-y 〕O4 (0≦x <1.7、0≦y<0.7)で示
される。この例としては、Li4 Mn5 12あるいはス
ピネル構造表示でLi〔Li 1/3 Mn5/3 〕O4 が挙げ
られる。この他下記の化合物も上記一般式の範囲に含ま
れる(構造式は一般式表示の整数倍もしくは少数倍で示
すものも含む)。 Li4 Mn4 9 LiMnO2 あるいはLi2 Mn2 4 Li2 MnO3 Li5 Mn4 9 Li4 Mn5 12 本発明で用いられるスピネル型リチウム含有マンガン酸
化物の他の好ましい例は、一般式Li1-x 〔Mn2-y
4 (0<x<1.0、0≦y<0.5)で示される。
この中でも好ましい構造は、一般式Li1-x 〔M
2-y 〕O4 (0.20<x<1.0、0<y<0.
2)で示される。この例としては、たとえば特開平4−
240117に示される化学量論的でないスピネル化合
物であるLi2 Mn5 11あるいはスピネル構造表示で
Li1-x 〔Mn2-x 〕O4 (x=0.273、y=0.
182)が挙げられる。また、他の好ましい構造は、一
般式Li1- x 〔Mn2-y 〕O4 (0<x≦0.20、0
<y<0.4)で示される。この化合物例としては、例
えば、Li2 Mn4 9 が挙げられる。この他下記の化
合物も上記の各種一般式Li1-x 〔Mn2-y 〕O4 の範
囲に含まれる(構造式には一般式表示の整数倍もしくは
少数倍で示すものも含まれる)。 Li4 Mn16.535 Li2 Mn7.5 16 Li0.7 MnO4
【0008】本発明の正極活物質に用いる上記のスピネ
ル型リチウムマンガン酸化物は、常法にしたがってリチ
ウム塩とマンガン塩もしくはマンガン酸化物を高温で固
相で反応させることで得られる。原料に炭酸リチウムと
二酸化マンガンを用いる場合、焼成温度は350℃から
900℃、好ましくは350℃から500℃であり、焼
成時間は8時間から48時間である。また、リチウム塩
に低融点の硝酸リチウム(融点261℃)を用いる場合
は、焼成温度は300℃から900℃であり、好ましく
は300℃から500℃である。マンガン酸化物として
は、λ−MnO 2 、電解的に調製されたMnO2 (EM
D)、化学的に調製されたMnO2 (CMD)およびそ
れらの混合物を用いることができる。リチウム原料とし
ては他に、リチウム・マンガン複合酸化物(例えば、L
2 Mn4 9 など)を用いることができる。この場合
はリチウムマンガン複合酸化物を二酸化マンガンなどの
マンガン原料と混合して350℃〜500℃の範囲で焼
成する。本発明の正極構成においてスピネル型リチウム
マンガン酸化物を含めたリチウムマンガン酸化物の正極
活物質への好ましい混合比率は、リチウムコバルト酸化
物とリチウムマンガン酸化物の重量比が2/8から9/
1の範囲であり、3/7から7/3の範囲となることが
より好ましい。
【0009】本発明でマンガン複合酸化物として正極活
物質に添加されるものには、上記のスピネル型化合物の
ほか、岩塩型構造のLiMnO2 、およびLiMn2
4 にLiが挿入して生じたLi2-x Mn2 4 (0≦x
≦0.5)が含まれる。LiMnO2 は通常LiOHな
どのLi原料とマンガナイトやマンガン酸化物を原料と
して300〜600℃の低温下還元雰囲気中で合成され
る。このものはスピネル型マンガンに比べて高容量であ
るが放電電圧が低いため、正極への混合比率は好ましく
は5〜30重量%である。Li2-x Mn2 4 (0≦x
≦0.5)は通常、電池中でLiMn2 4 をLiイオ
ン存在下で過放電させて得られる。また合成的にも得ら
れ、たとえばLiMn2 4 にヨウ化リチウムを低温、
減圧下で反応させることによって得られる。Li含量が
高いことから充電時のLiイオン放出量すなわち充電容
量が高いのが特長であり、本発明の正極活物質中に用い
たときLi放出剤としてとくに有用である。この活物質
を用いる場合は、正極活物質への好ましい混合比率は1
0〜80重量%である。
【0010】正極活物質にマンガン酸化物と共に混合し
て用いるリチウムコバルト複合酸化物の基本組成はLi
CoO2 である。また、LiCoO2 のほか、LiCo
2にリチウム以外のアルカリ金属(Na、K、Ca、
Mgなど)、アルカリ土類金属、Co以外の各種の遷移
金属(Ni、V、Fe、Ti、Mn、Zn、Mo、Wな
ど)、非遷移金属、PやBなどの非金属元素、周期律表
13〜15族の元素(Al、Ga、In、Ge、Sn、
Pb、Sb、Bi)、希土類元素などが1種以上添加さ
れた固溶体も用いることができる。とくにLiCoa N
1-a 2 (0<a<1)、LiCob V1-b Oz (b
=0.8〜0.98、z=1.5〜2.3)は有用であ
る。本発明で用いる正極活物質は好ましくは結晶性化合
物であるが、非晶質であってもよい。また結晶性化合物
と非晶質化合物の混合物であってもよい。
【0011】本発明の負極活物質には高容量であること
を特徴とする活物質として、錫を含む複合酸化物が好ま
しく用いられる。このような錫を含む複合酸化物は、放
電の(リチウム放出時の)電圧変化が平坦であり、本発
明の正極と組み合わせたときにも階段のない一様な放電
特性を与えるメリットから、非晶質であることが好まし
い。負極活物質の組成は、好ましくは次の一般式(1)
で示される。 Snx M1 1−x2aM3bOz ここでSnとM1 とは機能元素であり、リチウムイオン
の吸蔵放出にともなって価数が変化し、充放電容量に寄
与のできる元素である。M1 は遷移元素、より好ましく
はFe、Mn、Pb、Geを表す。xは1以下で、好ま
しくは0.5以上、1以下である。M2 とM3 は一般式
(1)の化合物を非晶質化させるための元素である。M
2 は非晶質化可能な元素であり、Al、B、P、Siの
少なくとも1種を、M3 は非晶質の修飾が可能な元素で
あり、周期率表第1族元素、第2族元素、第3族元素、
ハロゲン元素を表す。aは0.2以上、2以下であり、
bは1以下であり、0.2<a+b<2、zは1以上6
以下の数を示す。
【0012】負極活物質は電池への組み込み時に主とし
て非晶質であることが好ましい。ここで言う非晶質とは
CuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から4
0°に頂点を有するブロ−ドな散乱帯を与える物質であ
り、散乱帯中に結晶性の回折線を有してもよい。好まし
くは、2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性
の回折線のうち最も強い強度が、2θ値で20°以上4
0°以下に見られるブロ−ドな散乱帯の頂点の回折線の
強度の500倍以下であることが好ましく、さらに好ま
しくは100倍以下、特に好ましくは5倍以下、最も好
ましくは結晶性の回折線を有しないことである。本発明
の非晶質負極活物質は、焼成法、溶液合成法のいずれに
よっても合成できるが、焼成法が好ましく、一般式
(1)の構成元素の酸化物あるいは化合物をアルゴン、
窒素などの不活性ガスで通常500℃以上1500℃以
下で焼成し、必要ならば焼成後急冷処理をして、不透明
もしくは透明のガラス状物質として得られる。
【0013】負極活物質の例を以下に示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。SnSi0.8 0.2
3.1 、SnSi0.5 Al0.1 0.2 0.2 1.95、S
nSi0.8 0.2 2.9 、SnSi0.8 Al
0.2 2.9 、SnSi0.6 Al0.1 0. 2 1.65、Sn
Si0.3 Al0.1 0.6 2.25、SnSi0.4 0.2
0.4 2. 1 、SnSi0.6 Al0.1 0.5 2.1 、Sn
0.5 0.5 3 、SnAl0.30.5 0.2 2.7
SnK0.2 PO3.6 、SnRb0.2 Al0.050.8
3.25、SnAl0.3 0.7 2.5 、SnBa0.1 Al
0.151.454.7 、SnLa0. 1 Al0.1
0.9 3.55、SnNa0.1 Al0.050.451.8 、Sn
Li0.2 0.5 0.5 3.1 、SnCs0.1 0.4
0.4 2.65、SnBa0.1 0.4 0. 4 2.7 、SnC
0.1 Al0.150.450.553.9 、SnY0.1 Al
0.3 0. 6 0.6 4 、SnRb0.2 Al0.1 0.3
0.4 2.7 、SnCs0.2 Al0. 1 0.3 0.4 2.7
SnCs0.1 Al0.1 0.4 0.4 2.8 、SnK0.1
Cs0.1 0.4 0.4 2.7 、SnBa0.1 Cs0.1
0.4 0.4 2.75、SnMg0.1 0.1 0.4 0.4
2.75、SnCa0.1 0.1 0.4 0.5 3 、SnBa
0.1 0.1 Al0.1 0.3 0.4 2.75、SnMg0.1
Cs0.1 Al0.1 0.3 0.4 2.75、SnCa0.1
0.1 Al0.1 0.3 0.4 2.75、SnMg 0.1 Rb
0.1 Al0.1 0.3 0.4 2.75、SnCa0.1 0.2
0.2 0.2 2.6 、SnMg0.1 Cs0.1 0.4
0.4 0.2 3.3 、SnMg0.1 Al0.20.4 0.4
0.2 2.9 、Sn0.5 Mn0.5 Mg0.1
0.9 2.45、Sn0.5Mn0.5 Ca0.1 0.9 3.35
Sn0.5 Ge0.5 Mg0.1 0.9 3.35、Sn 0.5 Fe
0.5 Ba0.1 0.9 3.35、Sn0.5 Fe0.5 Al0.1
0.9 2.5 、Sn0.8 Fe0.2 Ca0.1
0.9 3.35、Sn0.3 Fe0.7 Ba0.1 0.9 3. 35
Sn0.9 Mn0.1 Mg0.1 0.9 3.35、Sn0.2 Mn
0.8 Mg0.1 0.93.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1
0.9 3.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.1 0.9 3.35
【0014】本発明で用いる正極活物質と負極活物質の
平均粒径は、0.03〜50μmが好ましく、特に平均
粒径0.1μm〜20μmが好ましい。ここでいう平均
粒径とは、最頻度点を示すモード径のことであり、電子
顕微鏡写真より目視で観察した値の平均値もしくは粒度
分布測定装置により測定された値である。またこれらの
活物質の比表面積は0.1〜50m2/gが好ましい。正
極活物質においては好ましい比表面積は5〜100m2
gである。
【0015】本発明で用いる負極活物質は、負極活物質
前駆体にリチウムイオンを化学的に挿入することにより
得ることができる。例えば、リチウム金属、リチウム合
金やブチルリチウムなどと反応させる方法や電気化学的
にリチウムイオンを挿入する方法が使えるが、本発明で
は、負極活物質前駆体に電気化学的にリチウムイオンを
挿入することが特に好ましい。電気化学的にリチウムイ
オンを挿入する方法では、本発明の正極活物質と負極活
物質前駆体、リチウム塩を含む非水電解質からなる酸化
還元系(例えば開放系(電解)または密閉系(電池))
で負極側をカソ−ド分極して充電を実施することにより
リチウムイオンを挿入する。
【0016】負極でのリチウムの挿入量は、特に限定さ
れないが、例えばLi−Al(80−20重量%)に対
し、0.05Vになるまで挿入することが好ましい。さ
らに0.1Vまで挿入することが好ましく、特に、0.
15Vまで挿入することが好ましい。このときの、リチ
ウム挿入の当量は3〜10当量になっており、この当量
に合わせて本発明の正極活物質との使用量比率を決め
る。この当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍の
係数をかけて用いることが好ましい。リチウム供給源が
正極活物質以外では(例えば、リチウム金属や合金、ブ
チルリチウムなど、負極活物質のリチウム放出当量に合
わせて正極活物質の使用量を決める。このときも、この
当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍の係数をか
けて用いることが好ましい。
【0017】本発明の負極活物質を前駆体として用いた
場合、「リチウムを挿入してもそれぞれの金属(リチウ
ムとの合金)まで還元されていない」ことを発見した。
それは、(1)透過型電子顕微鏡観察による金属の析出
(とくに、デンドライトの析出)がないこと、(2)金
属を介したリチウム挿入/放出の電位が酸化物のそれと
異なっていること、また、(3)SnOでは、リチウム
挿入に対する放出の損失は約1当量であったので、金属
錫が発生する場合の2当量損失とは一致しないことなど
から、推論できる。酸化物の電位は、現在用いられてい
る焼成炭素質化合物のそれと類似しており、焼成炭素質
化合物と同じく、単なるイオン結合でもなく、また単な
る金属結合でもない状態になっているものと推測され
る。従って本発明の負極活物質はリチウム合金とは基本
的に異なる。
【0018】本発明に併せて用いることができる負極活
物質としては、リチウム金属、リチウム合金(Al、A
l−Mn、Al−Mg、Al−Sn、Al−In、Al
−Cdなどやリチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵
・放出できる炭素質化合物があげられる。上記リチウム
金属やリチウム合金の併用目的は、リチウムイオンを電
池内で挿入させるためのものであり、電池反応として、
リチウム金属などの溶解・析出反応を利用するものでは
ない。
【0019】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤は、構成された電
池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であ
れば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カ−ボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金
属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀など)粉、金属繊
維あるいはポリフェニレン誘導体などの導電性材料を1
種またはこれらの混合物として含ませることができる。
黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。そ
の添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好
ましく、特に2〜30重量%が好ましい。カーボンや黒
鉛では、2〜15重量%が特に好ましい。
【0020】結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセル
ロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、
テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ス
チレンブタジエンゴム、 ポリブタジエン、フッ素ゴム、
ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴ
ム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合
物として用いられる。また、多糖類のようにリチウムと
反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例
えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその
官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加
量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好まし
く、特に2〜30重量%が好ましい。フィラーは、構成
された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料
であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0021】電解質としては、有機溶媒として、プロピ
レンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−ト、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、 γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、
アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチ
ル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキ
ソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾ
リジノン、プロピレンカ−ボネ−ト誘導体、テトラヒド
ロフラン誘導体、ジエチルエ−テル、1,3−プロパン
サルトンなどの非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種
以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例
えば、LiClO4 、LiBF6 、LiPF6 、LiC
3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiS
bF 6 、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウ
ム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、ク
ロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどの
1種以上の塩から構成されている。なかでも、プロピレ
ンカ−ボネ−トあるいはエチレンカボートと1,2−ジ
メトキシエタンおよび/あるいはジエチルカーボネート
の混合液にLiCF3 SO3 ,LiClO4 、LiBF
4 および/あるいはLiPF6 を含む電解質が好まし
い。これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定さ
れないが、正極活物質や負極活物質の量や電池のサイズ
によって必要量用いることができる。溶媒の体積比率
は、特に限定されないが、プロピレンカ−ボネ−トある
いはエチレンカボート対1,2−ジメトキシエタンおよ
び/あるいはジエチルカーボネートの混合液の場合、
0.4/0.6〜0.6/0.4(1,2−ジメトキシ
エタンとジエチルカーボネートを両用するときの混合比
率は0.4/0.6〜0.6/0.4)が好ましい。支
持電解質の濃度は、特に限定されないが、電解液1リッ
トル当たり0.2〜3モルが好ましい。
【0022】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
用いることができる。固体電解質としては、無機固体電
解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質に
は、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく
知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5
2 、Li3 N−LiI−LiOH、LiSiO4 、L
iSiO4 −LiI−LiOH、xLi3 PO4 −(1
−x)Li4 SiO4、Li2 SiS3 、硫化リン化合
物などが有効である。有機固体電解質では、ポリエチレ
ンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、ポリプ
ロピレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、
イオン解離基を含むポリマ−、イオン解離基を含むポリ
マ−と上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステ
ルポリマーが有効である。さらに、ポリアクリロニトリ
ルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有機固
体電解質を併用する方法も知られている。
【0023】セパレ−タ−としては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜が用
いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプレピレンな
どのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいは
ポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用い
られる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として有
用な範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μmが
用いられる。セパレターの厚みは、一般に電池用の範囲
で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられる。
【0024】放電や充放電特性を改良する目的で、以下
で示す化合物を電解質に添加することが知られている。
例えば、ピリジン、トリエチルフォスファイト、トリエ
タノ−ルアミン、環状エ−テル、エチレンジアミン、n
−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン
誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリ
ジノンとN,N’−置換イミダゾリジノン、エチレング
リコ−ルジアルキルエ−テル、四級アンモニウム塩、ポ
リエチレングリコ−ル、ピロ−ル、2−メトキシエタノ
−ル、三塩化アルミニウム、導電性ポリマ−電極活物質
のモノマ−、トリエチレンホスホンアミド、トリアルキ
ルホスフィン、モルフォリン、カルボニル基を持つアリ
−ル化合物、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4
−アルキルモルフォリン、二環性の三級アミン、オイ
ル、四級ホスホニウム塩、三級スルホニウム塩などが挙
げられる。
【0025】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
【0026】正極や負極の合剤には電解液あるいは電解
質を含ませることができる。例えば、前記イオン導電性
ポリマ−やニトロメタン、電解液を含ませる方法が知ら
れている。また、正極活物質の表面を改質することがで
きる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤により
処理したり、キレ−ト化剤で処理、導電性高分子、ポリ
エチレンオキサイドなどにより処理することが挙げられ
る。また、負極活物質の表面を改質することもできる。
例えば、イオン導電性ポリマ−やポリアセチレン層を設
ける、あるいはLiClなどにより処理することが挙げ
られる。
【0027】電極活物質の集電体としては、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば
何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス
鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素などの
他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、
ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、負極に
は、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、
アルミニウム、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼
の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理
させたもの)、Al−Cd合金などが用いられる。これ
らの材料の表面を酸化することも用いられる。形状は、
フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされ
たもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体な
どが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜5
00μmのものが用いられる。
【0028】電池の形状はコイン、ボタン、シ−ト、シ
リンダ−、角などいずれにも適用できる。コインやボタ
ンでは、正極活物質や負極活物質の合剤はペレットの形
状にプレスされて用いられる。そのペレットの厚みや直
径は電池の大きさにより決められる。また、シ−ト、シ
リンダ−、角では、正極活物質や負極活物質の合剤は、
集電体の上にコート、乾燥、脱水、プレスされて用いら
れる。そのコート厚み、長さや巾は、電池の大きさによ
り決められるが、コートの厚みは、ドライ後の圧縮され
た状態で、1〜2000μmが特に好ましい。ペレット
やシートの乾燥または脱水方法としては、一般に用いら
れている方法で良いが、特に真空、赤外線、遠赤外線、
電子線、低湿風などを単独あるいは組み合わせて実施す
ることができる。温度は、80〜350℃が好ましい。
【0029】本発明の非水二次電池の用途は、特に限定
されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラー
ノートパソコン、白黒ノートパソコン、ペン入力パソコ
ンポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワープ
ロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携帯電
話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディター
ミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンタ
ー、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレ
ビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディ
スク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、トラ
ンシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリーカー
ド、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メ
モリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、
自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム
機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、スト
ロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩
もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇
宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み
合わせることもできる。
【0030】
【実施例】以下に電池作製の実施例をあげ、本発明をさ
らに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本
発明は実施例に限定されるものではない。 負極活物質の合成例、SnB0.5 0.5 3 SnO 67.4g、B3 3 17.4g、Sn2
2 7 102.8gを混合し、自動乳鉢で十分に粉
砕、混合した後、アルミナ製るつぼにセットしてアルゴ
ンガス雰囲気下で1000℃で10時間焼成を行った。
焼成後、100℃/分の速度で急冷し、黄色透明ガラス
状の負極活物質SnB0.5 0.5 3 を得た。活物質の
X線回折を測定したところ、結晶構造に帰属する回折線
は検出されず、活物質構造がアモルファスであることが
判明した。
【0031】正極活物質混合物の調製の例 マンガン酸化物としてLiMn2 4 、コバルト酸化物
としてLiCoO2 を重量比で7:3、5:5、3:7
にそれぞれ混合し、ジェットミルを用いて混合粉砕し粒
径分布として2μmと10μmに2つのピ−クをもつ混
合活物質を調製した。
【0032】電極合剤、コイン電池の作製と充放電試験 負極に関しては、本発明の負極活物質前駆体を82重量
%、導電剤として鱗片状黒鉛とアセチレンブラックをそ
れぞれ10重量%、2重量%、結着剤としてポリフッ化
ビニリデンを6重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成
型してペレット(13mmΦ,20mg、活物質重量と
して16.4mg)とし、これをドライボックス中遠赤
線ヒ−タ−にて十分乾燥させたものを負極として用い
た。
【0033】正極に関しては、正極活物質混合物を85
重量%、導電剤として鱗片状黒鉛を10重量%、結着剤
として、テトラフルオロエチレンを5重量%の混合比で
混合して調製した正極合剤を圧縮成形してペレット(1
3mmΦ、100mg,活物質重量として85mg)を
作製し、これをドライボックス(露点−40〜−70℃
の乾燥空気)中で遠赤外線ヒータ−上で脱水乾燥したも
のを正極として用いた。
【0034】集電体に80μm厚のSUS316のネッ
トを用い、これをコイン電池用の正・負極缶にそれぞれ
溶接した。電解質として1mol/リットル LiPF6
含むエチレンカ−ボネ−トとジエチレンカーボネートの
等容量混合液を250μl用い、これを微孔性のポリプ
ロピレンシートとポリプロピレン不織布からなるセパレ
−タ−に含浸させた。集電体上に正極ペレット、負極活
物質前駆体ペレットをセットし、正極と負極の間にセパ
レ−タ−を挿入して、ドライボックス中でかしめ機を使
って正極、負極缶を結合し、コイン型リチウムイオン電
池を作製した。このリチウムイオン電池を用い、0.7
5mA/cm2 の定電流密度にて、充放電試験を行なっ
た。試験はすべて充電から開始した。充電のカットオフ
電圧を4.15V、放電のカットオフ電圧を2.8Vと
して充放電サイクル性能を評価した。
【0035】上記の混合物から成る正極活物質と上記の
合成例に示した負極活物質を下記のように組み合わせて
リチウムイオン二次電池を作製した。 負極活物質組成 正極活物質(重量比) LiMn2 4 /LiCoO2 セル1(比較) SnB0.5 0.5 3 10/0 セル2(比較) SnB0.5 0.5 3 0/10 セル3(比較) 黒鉛系炭素材料 7/3 セル4 SnB0.5 0.5 3 7/3 セル5 SnSi0.4 Al0.2 0.4 2.7 5/5 セル6 SnB0.5 0.4 Cs0.1 3 3/7 LiMn2 4 /LiCo0.5 Ni0.5 2 セル7 SnB0.8 0.2 3 5/5 LiMnO2 /LiCoO2 セル8 SnB0.8 0.2 3 1/9
【0036】それぞれの正極/負極の組み合わせによる
リチウムイオン二次電池の充放電性能を、電気容量と充
放電サイクル性能、および安全性の点で評価した結果
を、表1にまとめた。放電容量は1.8Vで放電を終結
させる時点までの負極活物質重量当たりの容量を示す。
容量サイクル性は、初期容量が60%に低下するまでに
要した充放電回数を意味する。また、安全性は、電池を
4.3Vまで充電した状態で徐々に昇温し、発熱反応が
生じたときに発生する温度変化の程度をもとに、5段階
で示したもので値が高いほど安全性が高い。
【0037】 表1 第2サイクル目の放電容量 容量サイクル性能 安全性 (mAh/負極g) (回) セル1(比較) 380 100 5 セル2(比較) 400 90 3 セル3(比較) 350 90 2 セル4 440 120 5 セル5 430 125 5 セル6 420 135 4 セル7 450 130 4 セル8 410 122 4
【0038】表1の結果から、本発明で開示する負極活
物質と、リチウムマンガン複合酸化物とリチウムコバル
ト複合酸化物の混合物から成る正極活物質の組み合わせ
が作るリチウムイオン非水二次電池が、リチウムマンガ
ン酸化物単独あるいはリチウムコバルト酸化物単独を正
極活物質に用いた比較の電池に対し、充放電特性もしく
は安全性の点で、優れていることが判明した。
【0039】また、電池の充放電曲線を、上記の本発明
のセル4〜8のなかで、セル4を例にとって図1に示し
た。図の放電特性に見られるように放電時間とともに電
圧の低下はなだらかで、2種の異なる活物質を正極に混
合したことによる電圧変化の段差が発生していない。セ
ル5〜8も同様な、段差のない放電曲線を示した。一
方、負極に炭素質材料を用いた比較セル3では4Vから
3.5Vにかけて2段階の明確な電圧低下が見られた。
【0040】
【発明の効果】電圧変化がなだらかで充放電特性に優
れ、安全性が高く、製造コストの安価なリチウムイオン
二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池の充放電特性を示す図であり、実線は本発
明の電池(実施例のセル4)の充放電時間に伴う電圧変
化を示す。破線は比較の電池(実施例のセル3)の電圧
変化を示す。実線に続く一点鎖線は本発明の電池を1.
0Vまで過放電した場合の放電曲線である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質、負極活物質とリチウム塩を
    含む非水電解質からなる二次電池において、該負極活物
    質がリチウムを挿入可能な錫を含む複合酸化物であり、
    正極活物質がリチウムコバルト複合酸化物とリチウムマ
    ンガン複合酸化物の混合物から成り、放電の電圧−容量
    特性において放電電圧が4.5−2.5Vの範囲で単調
    に一様に低下することを特徴とする非水電解質二次電
    池。
  2. 【請求項2】 正極活物質のリチウムコバルト複合酸化
    物とリチウムマンガン複合酸化物の混合比が2/8〜9
    /1重量比の範囲であり、放電の電圧−容量特性におい
    て放電電圧が4.5−2.5Vの範囲で単調に一様に低
    下することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二
    次電池。
  3. 【請求項3】 正極活物質中のリチウムコバルト複合酸
    化物がLiCoO2であることを特徴とする請求項1お
    よび2に記載の非水電解質二次電池
  4. 【請求項4】 正極活物質のリチウムマンガン複合酸化
    物の主たる成分がスピネル型構造のリチウム含有マンガ
    ン酸化物であることを特徴とする請求項1、2および3
    に記載の非水電解質二次電池
  5. 【請求項5】 正極活物質のリチウムマンガン複合酸化
    物の主たる成分がLix Mn2 4 (1.5≧x≧0.
    1)であることを特徴とする請求項4に記載の非水電解
    質二次電池
  6. 【請求項6】 正極活物質のリチウムマンガン複合酸化
    物の主たる成分がLi2-x Mn2 4 (0.5≧x≧
    0)であることを特徴とする請求項1、2および3に記
    載の非水電解質二次電池
  7. 【請求項7】 正極活物質のリチウムマンガン複合酸化
    物の主たる成分がLiMnO2 であることを特徴とする
    請求項1、2および3に記載の非水電解質二次電池
  8. 【請求項8】 正極活物質中のスピネル型構造のリチウ
    ム含有マンガン酸化物が、一般式Li1-x 〔Mn2-y
    4 (0<x<1.0,0≦y<0.5)で示されるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池
  9. 【請求項9】 負極活物質が錫を主体として含む複合酸
    化物であり、一般式Snx M1 1−x2aM3bOz (M1
    は遷移金属、M2 はAl、B、P、Siの1種以上、M
    3 は周期率表第1族、第2族、第3族、もしくはハロゲ
    ン元素、x≦1、0.2≦a2、b≦1、0.2<a+
    b<2、1≦z≦6)で示される非晶質の活物質である
    ことを特徴とする請求項1、2および3に記載の非水電
    解質二次電池
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