JPH0724562B2 - 即席用食品類の固型化方法 - Google Patents
即席用食品類の固型化方法Info
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- JPH0724562B2 JPH0724562B2 JP1151286A JP15128689A JPH0724562B2 JP H0724562 B2 JPH0724562 B2 JP H0724562B2 JP 1151286 A JP1151286 A JP 1151286A JP 15128689 A JP15128689 A JP 15128689A JP H0724562 B2 JPH0724562 B2 JP H0724562B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、即席食品そのもの、及び即席の麺類,味噌
汁,吸物などの汁物における具材などの即席用食品類の
固型化方法に関するものである。
汁,吸物などの汁物における具材などの即席用食品類の
固型化方法に関するものである。
従来、即席用食品類は、たとえばインスタントラーメン
に代表されるように、ねぎ,キャベツ,コーン,わか
め,しな竹,チャシューなどの素材を、常圧乾燥法によ
り乾燥させたり、あるいは減圧乾燥法により、凍結さ
せ、減圧して水分を昇華させ脱水乾燥させる、いわゆる
凍結乾燥(freeze−drying)をし、一食に相当する分ず
つそれぞれの素材を採取し、具材として袋に収納してい
る。そして、喫食に際し、袋を破って具材を食器に移
し、これに熱湯または水を適量加えて、味,香り,形を
復元させている。
に代表されるように、ねぎ,キャベツ,コーン,わか
め,しな竹,チャシューなどの素材を、常圧乾燥法によ
り乾燥させたり、あるいは減圧乾燥法により、凍結さ
せ、減圧して水分を昇華させ脱水乾燥させる、いわゆる
凍結乾燥(freeze−drying)をし、一食に相当する分ず
つそれぞれの素材を採取し、具材として袋に収納してい
る。そして、喫食に際し、袋を破って具材を食器に移
し、これに熱湯または水を適量加えて、味,香り,形を
復元させている。
上記のように、従来の即席用食品類は、それぞれの素材
がばらばらに袋に収納されており、包装する際に、粒
状,細片状を呈するものが多く、乾燥物が復元されるま
では、塵芥のように見違えられることもあり、イメージ
が今少し芳しくないものであった。また、嵩の大きもの
や複数の素材を包装する場合、コスト高となるという問
題もあった。
がばらばらに袋に収納されており、包装する際に、粒
状,細片状を呈するものが多く、乾燥物が復元されるま
では、塵芥のように見違えられることもあり、イメージ
が今少し芳しくないものであった。また、嵩の大きもの
や複数の素材を包装する場合、コスト高となるという問
題もあった。
そこで、食品原料を構成する各素材の相互間を、増粘剤
を用いて結着し、固型化することが試みられたが、一旦
結着してもすぐに崩壊してしまうことが多く、特に、わ
かめなどのように素材中に食塩分を多量に含有する場合
は、結着性が劣りばらばらになりやすいものであった。
この結着性を良くするために、増粘剤の濃度を高くし、
素材相互間を強固に接合すると、喫食の際に、熱湯また
は水を供給しても容易に再生せず、復元性が悪くなると
いう別の問題を生じる。さらに、固型化後に、増粘剤が
具材の表面に浮き出て、白く濁って残り、食品としての
見ばえを損うという問題点もあった。例えば、特開昭1
−91748号公報には、複数個の可食素材片を濡れた状態
にしこの濡れた可食素材片と多糖類とを混合して成形し
たのち乾燥させる成形食品の製法について開示され、一
旦湿潤して餅化した多糖類が乾燥とともに可食素材片同
士を強固に結着させると記載されている。しかしなが
ら、ここに用いられる多糖類は、具体的には、プルラ
ン,寒天,デキストリン,ガム質,アルギン酸,アルギ
ン酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロース,カラメ
ルからなる群から選ばれるものであり、食品材料を構成
する各素材の相互間をこれらの多糖類で強固に接合した
ときは、喫食の際に熱湯を供給しても、各素材が固結し
たままの状態を保ち、いわゆる湯もどしができないとい
う事態が生じる。また、各素材の固型化後の表面の状態
は、多糖類で覆われ、白濁して非常に見ばえの悪いもの
であった。
を用いて結着し、固型化することが試みられたが、一旦
結着してもすぐに崩壊してしまうことが多く、特に、わ
かめなどのように素材中に食塩分を多量に含有する場合
は、結着性が劣りばらばらになりやすいものであった。
この結着性を良くするために、増粘剤の濃度を高くし、
素材相互間を強固に接合すると、喫食の際に、熱湯また
は水を供給しても容易に再生せず、復元性が悪くなると
いう別の問題を生じる。さらに、固型化後に、増粘剤が
具材の表面に浮き出て、白く濁って残り、食品としての
見ばえを損うという問題点もあった。例えば、特開昭1
−91748号公報には、複数個の可食素材片を濡れた状態
にしこの濡れた可食素材片と多糖類とを混合して成形し
たのち乾燥させる成形食品の製法について開示され、一
旦湿潤して餅化した多糖類が乾燥とともに可食素材片同
士を強固に結着させると記載されている。しかしなが
ら、ここに用いられる多糖類は、具体的には、プルラ
ン,寒天,デキストリン,ガム質,アルギン酸,アルギ
ン酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロース,カラメ
ルからなる群から選ばれるものであり、食品材料を構成
する各素材の相互間をこれらの多糖類で強固に接合した
ときは、喫食の際に熱湯を供給しても、各素材が固結し
たままの状態を保ち、いわゆる湯もどしができないとい
う事態が生じる。また、各素材の固型化後の表面の状態
は、多糖類で覆われ、白濁して非常に見ばえの悪いもの
であった。
本発明は、乾燥した素材に、特定の多糖類からなる結着
剤及び保水剤を含有する水溶液を吸水させ、凍結して切
断したのち、凍結乾燥する方法をとることにより、素材
がばらばらになることなく固型化し、しかも、喫食の
際、熱湯または水の供給により、短時間で復元し得る、
即席用食品類の固型化方法を実現したものである。
剤及び保水剤を含有する水溶液を吸水させ、凍結して切
断したのち、凍結乾燥する方法をとることにより、素材
がばらばらになることなく固型化し、しかも、喫食の
際、熱湯または水の供給により、短時間で復元し得る、
即席用食品類の固型化方法を実現したものである。
上記の課題を解決するための具体的手段として、本発明
は、即席用食品類を固型化するに当り、 (A)単一または複数種類の素材を、常圧乾燥法または
減圧乾燥法により乾燥する工程と、(B)乾燥した素材
に、天然水溶性多糖類であるポリサッカライド系の結着
剤を0.2〜2.0重量%、及び吸湿性の高い糖類からなる保
水剤を2〜20重量%含有する水溶液を、均等に浸潤する
工程と、(C)吸水させた素材を、単一素材間または各
素材相互間に空隙を生じないように密接させて、凍結す
る工程と、(D)凍結した素材を、所要の形状に切断す
る工程と、(E)切断された素材を、凍結乾燥し、単一
素材間または各素材相互間を結着する工程を、その順序
で行うことを特徴とする、即席用食品類の固型化方法を
提示したものである。
は、即席用食品類を固型化するに当り、 (A)単一または複数種類の素材を、常圧乾燥法または
減圧乾燥法により乾燥する工程と、(B)乾燥した素材
に、天然水溶性多糖類であるポリサッカライド系の結着
剤を0.2〜2.0重量%、及び吸湿性の高い糖類からなる保
水剤を2〜20重量%含有する水溶液を、均等に浸潤する
工程と、(C)吸水させた素材を、単一素材間または各
素材相互間に空隙を生じないように密接させて、凍結す
る工程と、(D)凍結した素材を、所要の形状に切断す
る工程と、(E)切断された素材を、凍結乾燥し、単一
素材間または各素材相互間を結着する工程を、その順序
で行うことを特徴とする、即席用食品類の固型化方法を
提示したものである。
上記の手段により、乾燥工程で収縮した素材の内部およ
び素材相互間に、ポリサッカライド系の結着剤とソルビ
トール等の保水剤を含む水溶液が浸透し、密接状態で凍
結して切断したのち、凍結乾燥すると、乾燥物中に結着
剤が残留した状態で脱水乾燥され、素材相互間が結着す
るとともに、保水剤が働き結着剤に透明度を付与する。
び素材相互間に、ポリサッカライド系の結着剤とソルビ
トール等の保水剤を含む水溶液が浸透し、密接状態で凍
結して切断したのち、凍結乾燥すると、乾燥物中に結着
剤が残留した状態で脱水乾燥され、素材相互間が結着す
るとともに、保水剤が働き結着剤に透明度を付与する。
以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明する。
第1図は、本発明の方法により即席用食品類を固型化す
る作業手順を示す工程図である。
る作業手順を示す工程図である。
工程(A)において、たとえば海藻サラダなど、即席食
品そのもの、または、ラーメン,味噌汁,吸物など、汁
物の種類に応じた具材を構成する単一または複数種類の
素材を準備する。すなわち、単一の素材の例では、複数
枚重層した‘わかめ’などが挙げられ、また複数種類の
素材は、野菜,きのこ類,海藻,肉類,魚介類などの中
から適宜選定し、取揃えるものである。
品そのもの、または、ラーメン,味噌汁,吸物など、汁
物の種類に応じた具材を構成する単一または複数種類の
素材を準備する。すなわち、単一の素材の例では、複数
枚重層した‘わかめ’などが挙げられ、また複数種類の
素材は、野菜,きのこ類,海藻,肉類,魚介類などの中
から適宜選定し、取揃えるものである。
そして、各素材は常圧乾燥法または減圧乾燥法によりこ
れを乾燥する。常圧乾燥法には、熱風乾燥が最もよく採
用されるが、その他、熱媒体や乾燥剤を用いる方法、電
磁波,超音波を用いる方法、自然換気による方法などが
用いられ、また、減圧乾燥法としては、前述の凍結乾燥
による方法が用いられるものである。常圧乾燥法を用い
るか、減圧乾燥法を用いるかは、固型化物の復元率及び
復元速度に対応し、作業コストも勘案して、いずれかを
選択するものである。各素材は、含有水分の程度により
差はあるが、乾燥により収縮し、特に、生野菜などは水
分を90%前後含むことから、その容積は極端に低減され
る。乾燥は、水分がなくなるまで完全に行ってもよい
が、水分が20〜30%残留する程度に留めてもよい。
れを乾燥する。常圧乾燥法には、熱風乾燥が最もよく採
用されるが、その他、熱媒体や乾燥剤を用いる方法、電
磁波,超音波を用いる方法、自然換気による方法などが
用いられ、また、減圧乾燥法としては、前述の凍結乾燥
による方法が用いられるものである。常圧乾燥法を用い
るか、減圧乾燥法を用いるかは、固型化物の復元率及び
復元速度に対応し、作業コストも勘案して、いずれかを
選択するものである。各素材は、含有水分の程度により
差はあるが、乾燥により収縮し、特に、生野菜などは水
分を90%前後含むことから、その容積は極端に低減され
る。乾燥は、水分がなくなるまで完全に行ってもよい
が、水分が20〜30%残留する程度に留めてもよい。
次に、工程(B)において、乾燥された各素材に、ポリ
サッカライド系の結着剤とソルビトール等の保水剤を含
む水溶液を均等に浸潤させる。
サッカライド系の結着剤とソルビトール等の保水剤を含
む水溶液を均等に浸潤させる。
ポリサッカライド系の結着剤は、天然水溶性多糖類の増
粘剤として、それ自体公知のものである。特に、本発明
に有効に作用するポリサッカライドとしては、海藻(紅
藻)類より抽出した天然多糖の一種であるカラギーナン
(CARRAGEENAN)、豆科植物タマリンドの木(Tamarindu
s indica)の種子中に含まれる高透明性・冷水溶解性多
糖類であるタマリンド種子ガム(TAMARIND SEED GUM)
同じく豆科植物であるカロフ樹(Ceratonia Siliqua)
種子の胚乳部を粉砕したノニオン性の天然水溶性高分子
であるローカストビーンガム(LOCUST BEAM GUM)など
の植物系の水溶性高分子、および微生物キサントモナス
が菌体外に産生する多糖類を精製したヘテロポリサッカ
ライドである微生物系のキサンタンガム(XANTHAN GU
M)が挙げられる。上記カラギーナンは、商品名ソアギ
ーナとして、また、タマリンド種子ガムは、同じくソア
ビガム、ローカストビーンガムは、同じくソアローカス
ト、キサンタンガムは、同じくソアキサンとして、それ
ぞれ三菱レーヨン株式会社より市販されている。
粘剤として、それ自体公知のものである。特に、本発明
に有効に作用するポリサッカライドとしては、海藻(紅
藻)類より抽出した天然多糖の一種であるカラギーナン
(CARRAGEENAN)、豆科植物タマリンドの木(Tamarindu
s indica)の種子中に含まれる高透明性・冷水溶解性多
糖類であるタマリンド種子ガム(TAMARIND SEED GUM)
同じく豆科植物であるカロフ樹(Ceratonia Siliqua)
種子の胚乳部を粉砕したノニオン性の天然水溶性高分子
であるローカストビーンガム(LOCUST BEAM GUM)など
の植物系の水溶性高分子、および微生物キサントモナス
が菌体外に産生する多糖類を精製したヘテロポリサッカ
ライドである微生物系のキサンタンガム(XANTHAN GU
M)が挙げられる。上記カラギーナンは、商品名ソアギ
ーナとして、また、タマリンド種子ガムは、同じくソア
ビガム、ローカストビーンガムは、同じくソアローカス
ト、キサンタンガムは、同じくソアキサンとして、それ
ぞれ三菱レーヨン株式会社より市販されている。
上記のポリサッカライド系の結着剤は、常温で白色の粉
末状であり、用途に応じていくつかのタイプに別けられ
ているが、本発明には、機械的に高粘度タイプのものが
好適であり、その水溶液は、通常1%以上の濃度では常
温において非常に保水力の強い弾性のあるゲルとなり、
温度上昇に伴って分散溶解性を示す。
末状であり、用途に応じていくつかのタイプに別けられ
ているが、本発明には、機械的に高粘度タイプのものが
好適であり、その水溶液は、通常1%以上の濃度では常
温において非常に保水力の強い弾性のあるゲルとなり、
温度上昇に伴って分散溶解性を示す。
本発明の方法に用いられるポリサッカライド系の結着剤
の含有率は、水溶液に対し、0.2〜2.0重量%の範囲に限
定される。その理由は、結着剤の含有率が0.2重量%未
満の場合は、素材相互間に介在する結着剤が有効に機能
せず、結着性に乏しくなり、結果的に固型化物が破壊し
やすくなるためであり、また、2.0重量%を超えると、
溶液粘液が高くなりすぎて、作業性が悪くなるためであ
る。
の含有率は、水溶液に対し、0.2〜2.0重量%の範囲に限
定される。その理由は、結着剤の含有率が0.2重量%未
満の場合は、素材相互間に介在する結着剤が有効に機能
せず、結着性に乏しくなり、結果的に固型化物が破壊し
やすくなるためであり、また、2.0重量%を超えると、
溶液粘液が高くなりすぎて、作業性が悪くなるためであ
る。
野菜,きのこ類など通常の素材には、ポリサッカライド
系の結着剤の水溶液中における含有率は、0.2〜1.0重量
%程度で十分であるが、海藻類、特に、わかめのように
食塩分を多量に含むものは、素材相互間の結着性を悪く
するので、1.5〜2.0重量%に増率したものが用いられ
る。
系の結着剤の水溶液中における含有率は、0.2〜1.0重量
%程度で十分であるが、海藻類、特に、わかめのように
食塩分を多量に含むものは、素材相互間の結着性を悪く
するので、1.5〜2.0重量%に増率したものが用いられ
る。
一方、保水剤としては、ソルビトール等の保水性の高い
糖類が用いられる。保水剤の含有率は、水溶液に対し、
2〜20重量%の範囲が好適である。保水剤の存在によ
り、固型化後の乾燥物の結着性が高まり、結着剤の透明
度が増大するものである。
糖類が用いられる。保水剤の含有率は、水溶液に対し、
2〜20重量%の範囲が好適である。保水剤の存在によ
り、固型化後の乾燥物の結着性が高まり、結着剤の透明
度が増大するものである。
上記のポリサッカライド系の結着剤、及び保水剤を含有
する水溶液は、加熱して溶解すると透明になり、素材に
浸潤される。そして、35℃以上の温度を保持した状態で
撹拌され、素材に結着剤が均等に吸着される。なお、素
材に対しこの水溶液を混合する比率は、喫食時の復元時
間の長短に合わせて、等量〜10倍量の範囲で調整され
る。
する水溶液は、加熱して溶解すると透明になり、素材に
浸潤される。そして、35℃以上の温度を保持した状態で
撹拌され、素材に結着剤が均等に吸着される。なお、素
材に対しこの水溶液を混合する比率は、喫食時の復元時
間の長短に合わせて、等量〜10倍量の範囲で調整され
る。
工程(C)は、工程(B)において吸水させた素材を、
密接させて凍結する工程である。ポリサッカライド系の
結着剤とソルビトール等の保水剤を含有する水溶液を均
等に浸潤させた素材は、直ちに、金属性のトレーに、ポ
リエチレン,ポリ塩化ビニル等のプラスチックシートを
介して、充填される。この場合、後述する凍結素材の分
割切断の際、切り口がきれいに、食欲が出るように、素
材を順序よく並べ、それぞれの素材同士に空間が生じな
いように密接させ、押圧しながらある厚さ(10〜50mm)
に積層する。素材相互間に空隙ができると、その部分が
結着せず、したがって、固型化したときに破壊しやす
く、見ばえが悪くなる。トレーに充填した素材は、その
表面に凹凸を生じないように上から平らな板で押圧して
成型し、そして、凍結庫に入れ、−20℃の温度で予備凍
結したのち、−30℃以下の温度で凍結する。
密接させて凍結する工程である。ポリサッカライド系の
結着剤とソルビトール等の保水剤を含有する水溶液を均
等に浸潤させた素材は、直ちに、金属性のトレーに、ポ
リエチレン,ポリ塩化ビニル等のプラスチックシートを
介して、充填される。この場合、後述する凍結素材の分
割切断の際、切り口がきれいに、食欲が出るように、素
材を順序よく並べ、それぞれの素材同士に空間が生じな
いように密接させ、押圧しながらある厚さ(10〜50mm)
に積層する。素材相互間に空隙ができると、その部分が
結着せず、したがって、固型化したときに破壊しやす
く、見ばえが悪くなる。トレーに充填した素材は、その
表面に凹凸を生じないように上から平らな板で押圧して
成型し、そして、凍結庫に入れ、−20℃の温度で予備凍
結したのち、−30℃以下の温度で凍結する。
次いで、工程(D)において、凍結した素材を一食分ず
つに分割切断する。すなわち、凍結後、トレーからはが
れ易くするために敷いておいたプラスチックシートとと
もに、素材を取り外し、凍結バンドソーにより、素材表
面と直交する方向に縦横に切断し、立方体、直方体など
所要の形状の凍結素材を得る。切断後、一旦解凍して、
切断面が溶着しないように離隔させて、速やかに並べ、
再凍結する。
つに分割切断する。すなわち、凍結後、トレーからはが
れ易くするために敷いておいたプラスチックシートとと
もに、素材を取り外し、凍結バンドソーにより、素材表
面と直交する方向に縦横に切断し、立方体、直方体など
所要の形状の凍結素材を得る。切断後、一旦解凍して、
切断面が溶着しないように離隔させて、速やかに並べ、
再凍結する。
分割切断された素材は、工程(E)において、凍結乾燥
させる。すなわち、凍結装置により、凍結させ、減圧し
て高真空を維持し得る乾燥室に上記素材を収納し、素材
中の氷晶を水蒸気に変換するための熱供給を続け、水分
を除去するものである。この際、凍結素材中にソルビト
ール等の保水剤が含まれていないと、結着剤が白濁化
し、固型化後表面に白く浮き出て、品質を損うものであ
るが、保水剤を含有していると、その保水力により、固
型化物は、若干(3〜10%程度)水分を含んだ状態で仕
上がることとなる。したがって、素材相互間の結着性を
高めるとともに、結着剤の透明度が増大し、固型化物の
表面は白濁することなく、透明感のある美麗なものとな
る。
させる。すなわち、凍結装置により、凍結させ、減圧し
て高真空を維持し得る乾燥室に上記素材を収納し、素材
中の氷晶を水蒸気に変換するための熱供給を続け、水分
を除去するものである。この際、凍結素材中にソルビト
ール等の保水剤が含まれていないと、結着剤が白濁化
し、固型化後表面に白く浮き出て、品質を損うものであ
るが、保水剤を含有していると、その保水力により、固
型化物は、若干(3〜10%程度)水分を含んだ状態で仕
上がることとなる。したがって、素材相互間の結着性を
高めるとともに、結着剤の透明度が増大し、固型化物の
表面は白濁することなく、透明感のある美麗なものとな
る。
このように、凍結乾燥により固型化した乾燥物には、ポ
リサッカライド系の結着剤がある程度の水分とともに、
残留しており、固型化物は、第2図に示す如く、表面に
素材そのものの切断面が現われ、単一の素材の重ね合わ
せ面または、各素材が密接した状態で、単一素材間また
は各素材相互間を崩壊しない程度に結着している。第2
図中、符号1はにんじん,符号2はもやし,符号3はキ
ャベツ,符号4はとうもろこし,符号5はわかめをそれ
ぞれ示している。
リサッカライド系の結着剤がある程度の水分とともに、
残留しており、固型化物は、第2図に示す如く、表面に
素材そのものの切断面が現われ、単一の素材の重ね合わ
せ面または、各素材が密接した状態で、単一素材間また
は各素材相互間を崩壊しない程度に結着している。第2
図中、符号1はにんじん,符号2はもやし,符号3はキ
ャベツ,符号4はとうもろこし,符号5はわかめをそれ
ぞれ示している。
なお、本例の即席用食品類の固型化方法において、複数
種類の素材のうち、ある種のもの、例えば“もやし”な
どは、常圧乾燥法または減圧乾燥法による乾燥工程を経
ずに、生のまま、他の乾燥工程を経た素材にいわゆる抱
き込ませる状態で、各素材相互間を密接させ凍結する方
法がとられてもよい。
種類の素材のうち、ある種のもの、例えば“もやし”な
どは、常圧乾燥法または減圧乾燥法による乾燥工程を経
ずに、生のまま、他の乾燥工程を経た素材にいわゆる抱
き込ませる状態で、各素材相互間を密接させ凍結する方
法がとられてもよい。
本例においては、説明の都合上、野菜,きのこ類,海
藻,肉類,魚介類など、具体的な素材について述べた
が、当然のことながら、味付けのための調味料や、だし
を添加して固型化することができる。
藻,肉類,魚介類など、具体的な素材について述べた
が、当然のことながら、味付けのための調味料や、だし
を添加して固型化することができる。
上記の構成からなる本発明の即席用食品類の固型化方法
によれば、素材を予め公知の常圧乾燥法または減圧乾燥
法で乾燥し、供給素材の配合を決め、各素材にポリサッ
カライド系の結着剤とソルビトール等の保水剤を含む水
溶液を浸潤させ、凍結して分割切断した後、凍結乾燥す
る手段をとったので、固型化物は、単一素材間または各
素材相互間に結着剤が介在して、崩壊しない程度に結着
している。そして、一食に相当する分ずつ所要の形状に
切断されているので、形が美しく、従来の各素材がばら
ばらに袋詰めされているものに比べ見ばえが良く、商品
価値も高くなる。また、喫食にあたり、従来の如く、素
材入りの袋を破る手間が不要になり、見た目も美しく、
食欲をそそる。しかも、喫食時には、熱湯または水の供
給により、数10秒の短時間で、あるいは、遅くとも10分
間程度で、味,香り,形を完全に復元し得るものであ
る。
によれば、素材を予め公知の常圧乾燥法または減圧乾燥
法で乾燥し、供給素材の配合を決め、各素材にポリサッ
カライド系の結着剤とソルビトール等の保水剤を含む水
溶液を浸潤させ、凍結して分割切断した後、凍結乾燥す
る手段をとったので、固型化物は、単一素材間または各
素材相互間に結着剤が介在して、崩壊しない程度に結着
している。そして、一食に相当する分ずつ所要の形状に
切断されているので、形が美しく、従来の各素材がばら
ばらに袋詰めされているものに比べ見ばえが良く、商品
価値も高くなる。また、喫食にあたり、従来の如く、素
材入りの袋を破る手間が不要になり、見た目も美しく、
食欲をそそる。しかも、喫食時には、熱湯または水の供
給により、数10秒の短時間で、あるいは、遅くとも10分
間程度で、味,香り,形を完全に復元し得るものであ
る。
さらに、乾燥した各素材に浸潤させるポリサッカライド
系の結着剤を含む水溶液は、結着剤の含有率が0.2〜2.0
重量%と低く、加熱により透明となった状態で吸水され
るので、凍結乾燥で水分が除去されても、結着剤は固型
化物中に僅かにしか残らない。そして固型化物は、凍結
乾燥工程で、保水剤の作用により、ある程度水分を含有
した状態で取り出されるので、固型化後に結着剤が表面
に浮き出て、白く濁って残るようなことはなく、高品質
を維持できる。
系の結着剤を含む水溶液は、結着剤の含有率が0.2〜2.0
重量%と低く、加熱により透明となった状態で吸水され
るので、凍結乾燥で水分が除去されても、結着剤は固型
化物中に僅かにしか残らない。そして固型化物は、凍結
乾燥工程で、保水剤の作用により、ある程度水分を含有
した状態で取り出されるので、固型化後に結着剤が表面
に浮き出て、白く濁って残るようなことはなく、高品質
を維持できる。
以上説明したように、本発明の方法により固型化された
即席用食品類は、復元性が良く、即席食品そのもの、及
び即席汁物における具材に適用して有効であることはも
ちろん、素材の選択により、復元しないでそのまま喫食
する健康食品として用いることもできる。
即席用食品類は、復元性が良く、即席食品そのもの、及
び即席汁物における具材に適用して有効であることはも
ちろん、素材の選択により、復元しないでそのまま喫食
する健康食品として用いることもできる。
第1図は、本発明の方法により即席用食品類を固型化す
る作業手順を示す工程図である。第2図は、本発明の方
法により固型化された具材の一例を示す斜視図である。
る作業手順を示す工程図である。第2図は、本発明の方
法により固型化された具材の一例を示す斜視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】即席用食品類を固型化するに当り、 (A)単一または複数種類の素材を、常圧乾燥法または
減圧乾燥法により乾燥する工程と、 (B)乾燥した素材に、天然水溶性多糖類であるポリサ
ッカライド系の結着剤を0.2〜2.0重量%、及び吸湿性の
高い糖類からなる保水剤を2〜20重量%含有する水溶液
を、均等に浸潤する工程と、 (C)吸水させた素材を、単一素材間または各素材相互
間に空隙を生じないように密接させて、凍結する工程
と、 (D)凍結した素材を、所要の形状に切断する工程と、 (E)切断された素材を、凍結乾燥し、単一素材間また
は各素材相互間を結着する工程 を、その順序で行うことを特徴とする、即席用食品類の
固型化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1151286A JPH0724562B2 (ja) | 1989-06-14 | 1989-06-14 | 即席用食品類の固型化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1151286A JPH0724562B2 (ja) | 1989-06-14 | 1989-06-14 | 即席用食品類の固型化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0319679A JPH0319679A (ja) | 1991-01-28 |
JPH0724562B2 true JPH0724562B2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=15515363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1151286A Expired - Fee Related JPH0724562B2 (ja) | 1989-06-14 | 1989-06-14 | 即席用食品類の固型化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0724562B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE20103914U1 (de) * | 2001-03-06 | 2002-07-11 | Société des Produits Nestlé S.A., Vevey | Mehrkomponenten-Brühartikel |
JP3854614B2 (ja) * | 2003-10-16 | 2006-12-06 | 日本エフディ株式会社 | 押圧成型乾燥食材の製造方法 |
CN116138444B (zh) * | 2022-09-08 | 2024-10-11 | 厦门绿进食品有限公司 | 一种预制食用菌及其制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS552945A (en) * | 1978-06-22 | 1980-01-10 | Niwa Kogyo Kk | Airtightness measuring instrument |
JPS5742293A (en) * | 1980-08-28 | 1982-03-09 | Fujitsu Ltd | Loop detection system |
JPS6091938A (ja) * | 1983-10-22 | 1985-05-23 | Nissin Food Prod Co Ltd | 乾燥かき卵の製造方法 |
JPH0191748A (ja) * | 1987-09-30 | 1989-04-11 | Kanebo Ltd | 成形食品の製法 |
-
1989
- 1989-06-14 JP JP1151286A patent/JPH0724562B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0319679A (ja) | 1991-01-28 |
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