JPH072431Y2 - 弾性反転する蓄板付き容器とキャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、弾性反転する蓋板付きの容器とキャップとに係
る。

「従来の技術」 従来、弾性反転する蓋板付き容器とキャップとして多く
のものが知られており、その代表的なものとしてはいわ
ゆる三点ヒンジの容器ないしキャップがある。該容器な
いしキャップは、容器本体ないしキャップ本体後部上端
と、それ等上面に穿設した口部を閉塞させてその上面に
載置させた蓋板の後部下端とを、適宜間隙をおいて左右
一対の第一ヒンジで連結すると共に、その第一ヒンジ間
に設けた逆Ｌ字形弾性板下端を、第一ヒンジよりも下方
の容器又はキャップ本体の後部へ第二ヒンジを介して連
結し、弾性板他端を第一ヒンジよりも前方の蓋板上面部
分に第三ヒンジを介して連結するものである。

このほか公知例ではないが、本出願人が出願した実願昭
63-71518号があり、該考案は円形の容器又はキャップと
該容器等の上面を開閉自在に閉塞する同一円形の蓋板と
を第一弾性連結板で薄肉ヒンジを介して連結すると共
に、該第一弾性板の左右両側部において、第一弾性板よ
りも長く設けた巾広の第二、第三弾性連結板で、その下
端を容器又はキャップ外面へかつ上端を蓋板外面へ、そ
れぞれ薄肉ヒンジを介して連結し、蓋板閉塞時には上方
側からみて左右の第二、第三弾性連結板が横断面逆八の
字状態から、蓋板開放は後方からみて横断面正八の字状
に弾性反転するよう設けたものである。

「考案が解決しようとする課題」 従来のいわゆる三点ヒンジ機構による蓋板付き容器又は
キャップは、その逆Ｌ字状弾性板が蓋板後半部上面へ露
出するため外見が損われ、又左右の第一ヒンジは蓋板開
閉のため同一直線上に位置させなければならない。従っ
てそれ等第一ヒンジの屈折部後面が容器又はキャップの
後面に鋭くエッジとなって突出することになり、その突
出部が手触りを損い、更に容器又はキャップと蓋板とは
第一ヒンジにより連結されているため、蓋板を開放して
容器又はキャップを傾けたとき蓋体が邪魔となることも
ある等の欠点があった。

本案は容器又はキャップを蓋板との各後部を一枚の弾性
帯板で連結して、蓋板開放時にはその帯板が容器又はキ
ャップから蓋板を離して容器又はキャップ後方へ弾性反
転により移動させるよう、又蓋板閉塞時も同様に弾性反
転して閉塞するよう設けたものであり、併せて上記欠点
も除去できるよう設けたものである。

「課題を解決するための手段」 上面に口部２を有する横断面円形の容器本体１と、上記
口部を閉塞して容器本体の上面へ載置させた、上記容器
本体と同一の横断面の蓋板４と、それ等容器本体と蓋板
との各後面に下端縁と上端縁とをそれぞれ薄肉ヒンジ8,
9を介して連結させた巾広の弾性帯板10とからなり、上
記容器本体に対して蓋板４を弾性反転させることが可能
に、後方側からみて下方の薄肉ヒンジ８は上方へ張出す
弯曲線上に、かつ上位側の薄肉ヒンジは下方へ張出す弯
曲線上に、それぞれ位置させ、かつそれ等両弯曲線と容
器等本体および蓋板後面周方向の弯曲線とを、ほぼ同一
の曲率とした。

上面に口部２を有する横断面円形のキャップ本体１と、
上記口部を閉塞してキャップ本体の上面へ載置させた、
上記キャップ本体と同一横断面の蓋板４と、それ等キャ
ップ本体と蓋板との各後面に下端縁と上端縁とをそれぞ
れ薄肉ヒンジ8,9を介して連結させた巾広の弾性帯板10
とからなり、上記キャップ本体に対して蓋板４を弾性反
転させることが可能に、後方側からみて下方の薄肉ヒン
ジ８は上方へ張出す弯曲線上に、かつ上位側の薄肉ヒン
ジ９は下方へ張出す弯曲線上に、それぞれ位置させ、か
つそれ等両弯曲線と容器等本体および蓋板後面周方向の
弯曲線とを、ほぼ同一の曲率とした。

「作用」 第１図の開蓋状態から容器又はキャップ１に対して、後
方へ突出する蓋板４前部を押し上げると、弾性帯板10と
蓋板４とが共に弾性反転して第１図二点鎖線が示すよう
に閉蓋し、又該閉蓋状態から蓋板４前部を押上げること
で、上記とは逆に弾性反転して開蓋する。上記弾性帯板
は閉塞時において凹面を形成する前面部分が開蓋時にお
いては第３図のように凸面を、又閉蓋時凸面を形成する
後面部分が開蓋時において凹面を形成することとなる。

「実施例」 １は上面に口部２を有する横断面円形の容器又はキャッ
プの本体である。その口部は大きく開口してもよく、又
図示のようにノズル３を起立して形成させてもよい。容
器本体の場合は周壁下面を底板で閉塞し、キャップ本体
の場合は周壁下面を開口し、容器体口頸部外面へ嵌合可
能とする。

４は上記口部２を閉塞して容器又はキャップ本体１の上
面へ載置させる蓋板である。図示のようにノズルを容器
又はキャップ本体に設けたときは、頂壁５周縁から周壁
６を垂設すると共に頂壁裏面からノズル口を閉塞する栓
を垂設する。

上記容器又はキャップ本体１と蓋板４との各後面には板
部の下端縁と上端縁とをそれぞれ薄肉ヒンジ8,9を介し
て弾性帯板10で連結する。該弾性帯板10は第２図が示す
ように巾広とし、第４図が示すように下方の薄肉ヒンジ
８は上方へ張出す弯曲線上に、又上方の薄肉ヒンジ９は
下方へ張出す弯曲線上に位置させ、それ等両弯曲線は後
方からみて容器又はキャップ本体１および蓋板４の後面
周方向の弯曲線とほぼ同一の曲率とすることが必要であ
り、その曲率が大きく異なると、弾性帯板10の左右両側
部に作用する引張力や中間部に作用する圧縮力が不揃い
となり、そのため蓋板４の弾性反転が不完全となって、
開閉蓋時において弾性帯板左右両側部に撓みを生じた
り、又その左右両側部の薄肉ヒンジ8,9部分が切断した
りすることがある。図示例では蓋板閉塞時における弾性
帯板前方の容器又はキャップ本体の周壁部分に溝12を設
けてその弾性帯板下半部分を嵌合させ、又弾性帯板前方
の蓋板周壁部分を切欠き13してその弾性板上半が、蓋板
閉塞時における、蓋板周壁部分を形成するよう設けてい
る。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、いわゆる三点ヒンジ機構に
よる蓋板付き容器又はキャップの場合のように、蓋板上
面の外見が損われることがなく、しかも左右一対をなす
第一ヒンジを同一直線上に位置させる構造とはなされて
いないから第一ヒンジの屈折部後面が容器又はキャップ
の後面に突出してその突出部が指を傷つけるようなこと
が全くなく、又下端を容器又はキャップの本体後面に、
かつ上端を蓋板後面にそれぞれ薄肉ヒンジ8,9を介して
連結した弾性板10が、蓋板開閉蓋時に倒れ、又起立する
よう設けたから、開蓋時において容器又はキャップ本体
１の後方に蓋板４は離れて位置することとなり、よって
その容器又はキャップ本体からの収納物流出時に蓋板が
邪魔となることもない。

なお既述実願昭63-71518号考案に対しては、該先願容器
又はキャップの場合は複数の弾性帯板を使用するに対し
て本案考案の場合は一枚の巾広の弾性帯板で形成させた
から、構造を簡易化できると共にその弾性帯板の弾性反
転力を大とすることが出来、しかも弾性帯板端部と容器
又はキャップ本体および蓋板とを連結する薄肉ヒンジの
長さを長く設定できるからそれ等に対する連結力を大に
することが出来、従って開蓋時における蓋板支持力を大
とすることが出来、このようにして、その蓋板のぐらつ
きを防止することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は開蓋状態で示す本案容器又はキャップの側面
図、第２図はその平面図、第３図は第２図III-III線を
矢印方向へみた断面図、第４図は閉蓋状態での背面図で
ある。 １……容器又はキャップ本体、４……蓋板 10……弾性帯板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に口部２を有する横断面円形の容器本
   体１と、上記口部を閉塞して容器本体の上面へ載置させ
   た、上記容器本体と同一の横断面の蓋板４と、それ等容
   器本体と蓋板との各後面に下端縁と上端縁とをそれぞれ
   薄肉ヒンジ8,9を介して連結させた巾広の弾性帯板10と
   からなり、上記容器本体に対して蓋板４を弾性反転させ
   ることが可能に、後方側からみて下方の薄肉ヒンジ８は
   上方へ張出す弯曲線上に、かつ上位側の薄肉ヒンジは下
   方へ張出す弯曲線上に、それぞれ位置させ、かつそれ等
   両弯曲線と容器等本体および蓋板後面周方向の弯曲線と
   を、ほぼ同一の曲率としたことを特徴とする弾性反転す
   る蓋板付き容器。
2. 【請求項２】上面に口部２を有する横断面円形のキャッ
   プ本体１と、上記口部を閉塞してキャップ本体の上面へ
   載置させた、上記キャップ本体と同一横断面の蓋板４
   と、それ等キャップ本体と蓋板との各後面に下端縁と上
   端縁とをそれぞれ薄肉ヒンジ8,9を介して連結させた巾
   広の弾性帯板10とからなり、上記キャップ本体に対して
   蓋板４を弾性反転させることが可能に、後方側からみて
   下方の薄肉ヒンジ８は上方へ張出す弯曲線上に、かつ上
   位側の薄肉ヒンジ９は下方へ張出す弯曲線上に、それぞ
   れ位置させ、かつそれ等両弯曲線と容器等本体および蓋
   板後面周方向の弯曲線とを、ほぼ同一の曲率としたこと
   を特徴とする弾性反転する蓋板付きキャップ。