JP2541293Y2 - 蓋体付きキャップ状部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は蓋体付きのキャップ状部材に関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 従来、弾性反転可能に蓋体を付設したキャップとし
て、所謂三点ヒンジ機構により蓋体を付設したものが知
られている。これらは、キャップ本体後部上端と、それ
等上面に穿設させた口部を閉塞させて、それ等上面に裁
置させた蓋体の後部下端とを、適宜間隙をおいて左右一
対の第１ヒンジで連結すると共に、その第１ヒンジ間に
設けた逆Ｌ字型弾性板下端を第１ヒンジよりも下方のキ
ャップ本体の後部へ第２ヒンジを介して連結するととも
に、弾性板他端を第１ヒンジよりも前方の蓋体上面部分
に第３ヒンジを介して連結するという構成を有するもの
である。

しかしながら、これ等はヒンジ箇所が多い為構造が複
雑であるという欠点があり、この様な点を考慮して本出
願人は蓋体付きのキャップ状部材を提案した（特開昭64
−37360号）。この部材は、本体部材の後方上部に、弾
性弯曲板の左右方向中間部を該弾性弯曲板の左右両部が
本体部材周壁の後部外面の曲面と沿う方向へ突出するよ
う連結すると共に、該弾性弯曲板の上端面に肉薄の弧状
ヒンジ部を介して上記蓋体を上記口部開閉のために本体
部材に対して蓋体をヒンジ部を中心として回動させる
際、弾性弯曲板が弾性反転可能に、連結させて構成して
おり、ヒンジ箇所が一箇所と構造も単純化され、上記三
点ヒンジ機構の欠点を解消するものであるが、弾性弯曲
板をその中央部で本体部材に、例えば三角板状の連結板
を介して連結しているため、その連結板に蓋体開閉の際
の応力が集中し、その部分の強度に若干問題がある。

又、近年のこの種の部材を使用する容器の用途の多様
化に伴い、この種部材にも種々の形状が要求されてきて
おり、特に全体的に球状でしかも弾性反転可能な蓋体を
有するものが求められている。従来のこの種の部材で
は、球状に形成することは難しく、できてもヒンジ部分
が外部に突出する等の外観の悪いものしか得られないの
が実状である。

本考案は、上記した従来技術の欠点を解消した蓋付き
のキャップ状部材を提供することを目的とするものであ
る。

「課題を解決する為の手段」 口部付き頂壁５周縁より周壁６を垂下するキャップ本
体２と、上記口部を開閉する蓋体３とを、各後部でキャ
ップ本体２に対する蓋体３の回動が可能に連結してこれ
等本体と蓋体とを合成樹脂により一体成形させた蓋体付
のキャツプ状部材において、上記キャップ本体２の頂壁
５外周と、蓋体３の周壁10下端縁とを同径の円形状に構
成し、蓋体周壁10の後部下端に沿って形成した円弧状の
第１肉薄ヒンジ部13を介して上辺を連結するとともに、
下辺をキャップ本体周壁６後部の上記第１肉薄ヒンジ部
13より後方且つ下方位置に上向き円弧状の第２肉薄ヒン
ジ14を介して連結し且つ、後方へ突出弯曲した弾性弯曲
板４を設け、該弯曲板により蓋体３をキャップ本体２に
弾性反転可能に連結してなることを特徴とする蓋体付き
キャップ状部材。

「作用」 閉蓋状態から蓋体２を開蓋方向へ押し上げると、弾性
湾曲板４は第２肉薄ヒンジ14を中心として後方へ回動す
る。

弾性湾曲板４は水平方向後方へ突出する円弧状の上辺
を第１肉薄ヒンジ部13を介して蓋体後部下端縁に連結
し、又上下方向上方へ突出する円弧状の下辺を第２肉薄
ヒンジ部14を介してキャップ本体周壁後部の第１肉薄ヒ
ンジ部13の後方且つ下方位置に連結し、且つ、後方へ突
出弯曲させているため、蓋体３を後方へ回動させると、
所定位置で前方へ突出弯曲する如く弾性反転し、それに
伴って蓋体３も後方へ弾性反転する。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。第
１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、図中１は蓋体
付きのキャップ状部材を示す。該部材１は、キャップ本
体２と、蓋体３と、弾性弯曲板４とから構成しており、
これらを合成樹脂の一体成形により形成している。

キャップ本体２は円板状の頂壁５外周縁より、縦断面
が円弧状の周壁６を垂設しており、頂壁５中央に頂壁を
貫通する注出口７を穿設している。又、周壁前部上端に
は指掛け用凹部８を、後部上端には弾性湾曲板収納用凹
部９をそれぞれ設けている。

蓋体３は、周壁10の下端縁を、上記キャップ本体２の
頂壁５外周縁と同径に構成し、周壁から頂壁11にわたっ
て、その外周面を球面状に形成し、頂壁11裏面からは、
上記注出口７と着脱自在に嵌合する棒栓12を垂設してい
る。

弾性湾曲板４は、第２図示の如く蓋体周壁10の後部下
端に沿って形成した円弧状の第１肉薄ヒンジ部13を介し
てその上辺を蓋体３に連結するとともに、キャップ本体
周壁６後部の上記第１肉薄ヒンジ部13より後方且つ下方
位置に、上向き半円状の第２肉薄ヒンジ部14を介してそ
の下辺をキャップ本体４に連結しており、全体がキャッ
プ本体２周壁６の曲面形状と同様に後方に突出弯曲して
構成されている。

又、弾性弯曲板４は、閉蓋状態において、キャップ本
体４の上記凹部９に収納され、従って第２図に示す如
く、部材全体が下端を除いて略球状となる様構成してい
る。

尚、部材全体の形状は上記実施例の如き球状のものに
限らず、例えば第６図に示す如く、上端に曲面部を有す
る略円柱状であっても良い。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案の蓋体付きキャップ状部材
は、既述構成としたことにより、特に、キャップ本体２
の頂壁５外周と、蓋体３の周壁10下端縁とを同径の円形
状に構成し、蓋体周壁10の後部下端に沿って形成した円
弧状の第１肉薄ヒンジ部13を介して上辺を連結するとと
もに、下辺をキャップ本体周壁６後部の上記第１肉薄ヒ
ンジ部13より後方且つ下方位置に上向き円弧状の第２肉
薄ヒンジ14を介して連結し、かつ、後方へ突出弯曲した
弾性弯曲板４を設け、該弯曲板により蓋体３をキャップ
本体２に弾性反転可能に連結したので、弾性弯曲板をそ
の外周面に組み込むことが可能で、全体を球状に形成し
ても良好な外観を得られ、この種キャップ状部材の需要
の多様化に充分応えられるものである。また、従来の三
点ヒンジ機構よりも簡単な構造でしかも結合部分の強度
も備えいる。

【図面の簡単な説明】 第１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、第１図及び
第３図は開蓋状態の斜視図、第２図は閉蓋状態の斜視
図、第４図は開蓋状態の要部側面図、第５図は同要部平
面図、第６図は他の実施例を示す斜視図である。 ２……キャップ本体、３……蓋体 ４……弾性弯曲板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口部付き頂壁５周縁より周壁６を垂下する
   キャップ本体２と、上記口部を開閉する蓋体３とを、各
   後部でキャップ本体２に対する蓋体３の回動が可能に連
   結してこれ等本体と蓋体とを合成樹脂により一体成形さ
   せた蓋体付のキャツプ状部材において、上記キャップ本
   体２の頂壁５外周と、蓋体３の周壁10下端縁とを同径の
   円形状に構成し、蓋体周壁10の後部下端に沿って形成し
   た円弧状の第１肉薄ヒンジ部13を介して上辺を連結する
   とともに、下辺をキャップ本体周壁６後部の上記第１肉
   薄ヒンジ部13より後方且つ下方位置に上向き円弧状の第
   ２肉薄ヒンジ14を介して連結し且つ、後方へ突出弯曲し
   た弾性弯曲板４を設け、該弯曲板により蓋体３をキャッ
   プ本体２に弾性反転可能に連結してなることを特徴とす
   る蓋体付きキャップ状部材。