JP2521995Y2 - 注出キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は注出キャップに関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 注出キャップとして、周壁上端縁より頂壁を延設する
とともに、該頂壁に注出口を穿設してなるキャップ本体
と、該本体上面を開閉自在に装着した蓋体とからなり、
両者を三点ヒンジ機構で連結してなるものが知られてい
る。これらはキャップ本体後部上端と、蓋板後部下端と
を適宜間隔をおいて左右一対の第一ヒンジで連結すると
ともに、その第一ヒンジ間に設けた逆Ｌ字形弾性板下端
を、第一ヒンジよりも下方のキャップ本体等の後部へ第
二ヒンジを介して連結するとともに、弾性板他端を第一
ヒンジよりも前方の蓋板上面部分に第三ヒンジを介して
連結して構成している。

しかしながら、従来のこの種キャップでは、ワンタッ
チで蓋の開閉を極めて容易に行えるという優れた機能を
有するものの、後部に第一ヒンジの出っ張りが生じるた
め、若干見栄えがしない欠点を有している。

また、三点ヒンジ機構では、蓋板を開くと弾性板は第
二ヒンジを中心に後方へ回動し、一方、蓋板は第一ヒン
ジを中心に後方へ回動する。その際、第三ヒンジ部分は
変形する余地のない蓋板により規制されて第一ヒンジを
中心に後方へ回動するが、第一ヒンジ下方に第二ヒンジ
が位置しているため、第一ヒンジと第三ヒンジとの回動
半径より第二ヒンジと第三ヒンジとの回動半径が大き
く、また、弾性板は逆Ｌ字形のためそれを開く方向に弾
性変形する余地があるため、弾性変形しつつ回動し、両
者の回動軌跡が再び交わる位置で弾性板は元の逆Ｌ字形
状の安定状態となる。

従って、蓋板を開くと最初弾性板は蓋板を閉じる方向
に付勢し、最初の安定状態らか後方回動時の安定状態の
略中央部分を過ぎると蓋板を開く方向に付勢する。

従来の三点ヒンジ機構を有するキャップは一般に一体
成形されているため、本体と蓋板との左右一対のヒンジ
（第一ヒンジ）が弾性板下端のヒンジ（第二ヒンジ）の
位置と略同じか若干後方に位置する状態でしか形成が難
しく、その結果、弾性板が蓋板を後方へ付勢させる地点
に比較的制限があった。

本考案は上記従来技術の欠点を解消した注出キャップ
を提案することを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 本考案注出キャップは上記課題を解決するため、キャ
ップ本体２と、該本体に装着した蓋部材３とを備え、上
記キャップ本体２は、周壁５上端縁より延設した頂壁６
の中央を前後に縦断して下方へ凹ませた第１凹部７及び
該凹部の後部を更に下方に凹ませた第２凹部８をそれぞ
れ設けるとともに、第１凹部底壁に注出口10を設け、且
つ、後部周壁中央部に弾性板収納用の切り窓９を穿設し
て構成し、上記蓋部材３は、後端両側より左右一対の腕
板15を延設した蓋板16の各腕板15下面後部より突設した
軸受17を、上記第１凹部７内後部両側に突設した一対の
軸19に上方より枢着させて開閉自在に設けた蓋体12と、
上記第２凹部８の奥壁部分に上方より嵌着固定して第２
凹部内に収納させた嵌着板14と、上記枢着部よりも後方
下方の嵌着板14表面に第１ヒンジ25を介して一端を一体
に連結するとともに、他端を上記各腕板15間の蓋板16後
縁に第２ヒンジ26を介して一体に連結してなる逆Ｌ字形
弾性板13とから構成したことを特徴とする注出キャップ
として構成した。

「作用」 蓋体12とキャップ本体２とを枢着により連結し、ま
た、第１ヒンジ25をキャップ本体２周壁よりも引っ込ん
だ嵌着板14表面に形成しているためキャップ本体後部に
出っ張りが生じず外観良好となる。また、蓋板16のキャ
ップ本体２に対する枢着部20を第１ヒンジ25より比較的
任意の前方位置に設けることができるため、弾性板13が
蓋板16を開方向へ付勢する開蓋角度を小さくすることが
出来る。

「実施例」 第１図〜第３図は本考案の一実施例を示し、図中１は
注出キャップを示し、該キャップ１はキャップ本体２
と、蓋部材３とから構成している。尚、図中４は容器体
を示す。

キャップ本体２は、四角筒状の周壁５上端縁より頂壁
６を延設し、該頂壁６の中央を前後に帯状に凹ませて第
１凹部７を形成している。又、第１凹部７の後部を更に
下方に、周壁５下端の若干上の位置まで凹ませて第２凹
部８を形成しており、この第２凹部８の底壁は取り除い
ている。更に第２凹部８の後壁を兼ねるキャップ本体２
の後部周壁５には縦長長方形状の切り窓９設けている。
又、第１凹部７の前部には注出口10を形成している。
又、頂壁裏面より容器体口頚部外周に嵌合させるための
嵌合筒11を垂設している。

蓋部材３が、蓋体12と、逆Ｌ字形弾性板13と、嵌着板
14とから構成している。

蓋体12は、後端両サイドより後方へ一対の腕板15を突
設した蓋板16を有し、各腕板15下面後部より軸受17を各
々垂設している。又、蓋板16前部下面より上記注出口10
に嵌合して、閉塞する棒栓18を垂設している。そして、
上記軸受17をキャップ本体２の上記第１凹部７の後部両
側壁より突設した軸19に各々スナップフィット式に嵌め
込んで形成した枢着部20により第１凹部７上端の開口部
に開閉自在に装着している。

上記嵌着板14は、四角板状で裏面両端より鉤状の突条
21を突設しており、この突条21を上記第２凹部８の奥壁
より突設した横断面Ｔ字状の係合突起22に上方より嵌合
させてキャップ本体２に装着させている。又、嵌着板14
表面下部に突設した突条22をキャップ本体２の後部周壁
内面に突設した突条23にスナップフィット式に係合させ
て抜け出し不能に構成している。

逆Ｌ字形弾性板13は、一端を上記枢着部20よりも後方
下方位置である嵌着板14表面下部に第１ヒンジ25を介し
て一体に連結しており、他端は腕板15間の蓋板16後縁に
第２ヒンジ26を介して一体に連結している。

尚、上記各部材は全て合成樹脂により形成すると良
い。

「考案の効果」 以上説明した如く、本考案注出キャップは、従来の三
点ヒンジ機構を有するキャップ同様ワンタッチで蓋体の
開閉を行えるものであり、しかも既述特殊構成のキャッ
プ本体と蓋部材との二部材で構成することにより、逆Ｌ
字形弾性板下端のヒンジより蓋板の枢着部を前方に設け
ることができ、従来のものと比較して少ない開蓋角度で
蓋板を後方付勢させることができるものを容易に形成で
き、容器を片手で持っての容易な開蓋を行えるキャップ
を得られる。更に、キャップ本体後面に従来の様な出っ
張りを生ずることなく形成でき、外観良好で商品価値を
高めるものである。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示し、第１図は一部切り欠き要
部側面図、第２図は平面図、第３図は分解斜視図であ
る。 ２……キャップ本体,3……蓋部材,5……周壁,6……頂
壁,7……第１凹部,8……第２凹部,9……切り窓,10……
注出口,12……蓋体,13……逆Ｌ字形弾性板,14……嵌着
板,15……腕板,16……蓋板,17……軸受,19……軸,20…
…枢着部,25……第１ヒンジ,26……第２ヒンジ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャップ本体２と、該本体に装着した蓋部
   材３とを備え、上記キャップ本体２は、周壁５上端縁よ
   り延設した頂壁６の中央を前後に縦断して下方へ凹ませ
   た第１凹部７及び該凹部の後部を更に下方に凹ませた第
   ２凹部８をそれぞれ設けるとともに、第１凹部底壁に注
   出口10を設け、且つ、後部周壁中央部に弾性板収納用の
   切り窓９を穿設して構成し、上記蓋部材３は、後端両側
   より左右一対の腕板15を延設した蓋板16の各腕板15下面
   後部より突設した軸受17を、上記第１凹部７内後部両側
   に突設した一対の軸19に上方より枢着させて開閉自在に
   設けた蓋体12と、上記第２凹部８の奥壁部分に上方より
   嵌着固定して第２凹部内に収納させた嵌着板14と、上記
   枢着部よりも後方下方の嵌着板14表面に第１ヒンジ25を
   介して一端を一体に連結するとともに、他端を上記各腕
   板15間の蓋板16後縁に第２ヒンジ26を介して一体に連結
   してなる逆Ｌ字形弾性板13とから構成したことを特徴と
   する注出キャップ。