JPH062922Y2 - 軸受け付き蓋板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、例えば注出孔付きのキャップ本体、或いは容器
本体等に枢着して、それ等上面を開閉させるための軸受
け付きの蓋板に係る。

「従来の技術」 頂板の後端部下面から軸受け板部を垂下し該軸受け板部
の下部左右方向に軸孔を貫通して軸受け付き蓋板を形成
している。尚該蓋板は、頂壁に注出孔を有するキャップ
本体ないし上面開口の容器本体の、後壁上部に設けた上
面および後面開口の凹部内へ上記軸受け板部を遊嵌さ
せ、その凹部の左右両側壁部分内面から突出する軸を上
記軸孔内へ回動可能に嵌合させたり、又その左右両側壁
部分に穿設した透孔内へ、上記軸受け板の軸孔内に回動
可能に嵌合させた軸両端を嵌着させて用いている。

「考案が解決しようとする課題」 従来の軸受け付き蓋板を合成樹脂材で一体成形しようと
すると、軸孔形成が行い難く、そのため金型構造が複雑
化して高価となる欠点があった。

本案は、その蓋板の軸孔部分を組立て式とすることで、
その軸受け付き蓋板の合成樹脂材による一体成形が容易
であるよう、設けたものである。

「課題を解決するための手段」 頂板１の後端縁に、断面逆Ｕ字形状かつ左右方向に長い
溝状板３の前壁3a下端部前縁を、肉薄ヒンジ２を介して
連結すると共に、上記頂板１の下面後端部から左右方向
へ長く、かつ前後方向に間隙をおいて、一対の弾性脚板
４，４を垂下して、全体を合成樹脂材により一体成形さ
せ、上記溝状板３を、肉薄ヒンジ２を中心に回動させて
両脚板外面へ嵌着させることが可能に、かつ該嵌着状態
において、両脚板下端と溝状板の前後両壁3a，3bを連結
する底壁部3cとの間に軸受け用孔７が形成可能に構成し
た。

「作用」 第１図において、頂板１に対して断面逆Ｕ字形状の溝状
板３を肉薄ヒンジ２を屈折させて下前方へ回動させ、そ
の溝状板３内へ弾性脚板４，４を嵌着させる。該嵌着に
より溝状板の底壁部3cと両脚板下端との間に軸受け用孔
７が形成される。

「実施例」 １はキャップ本体、ないし容器体上面を開閉させるため
の頂板で、該頂板の後端縁に、断面逆Ｕ字状かつ左右方
向に長い溝状板３の前壁3a下端部前縁を、肉薄ヒンジ２
を介して連結している。溝状板は前壁上端から底壁部3c
を介して後壁3bを垂下する。又頂板１の下面後端部から
は、左右方向に長く、かつ前後方向に間隙をおいて一対
の弾性を有する脚板４，４を垂下する。

上記溝状板３は、肉薄ヒンジ２を中心として下前方へ回
動させることで、その溝状板内へ脚板４，４を嵌着可能
に設ける。その外れ防止のためには図示のように、前方
脚板の下部前面に突部５を、また該突部が嵌合する凹み
６を上記溝状板内面に設けるとよい。溝状板３の前後側
壁3a，3bは、上記脚板４，４の長さよりも長く形成し、
溝状板３内へ脚板４，４を嵌着させたとき、前後側壁3
a，3bを連結する底壁部3cと脚板下端との間に軸受け用
孔７が形成されるよう設けてある。

尚図示例では溝状板の底壁部3c等の内外方向に透孔８を
穿設してトーションバネ９を装着できるよう設けてい
る。又頂板11中央部からは栓10を、頂板前部からはフッ
ク11をそれぞれ垂下している。

以上述べた軸受け付き蓋板は、合成樹脂材により一体成
形させてあり、例えば第２図、第３図が示すように、キ
ャップ本体21の蓋板として使用する。

キャップ本体21は頂壁22中央部に注出孔23を有し、その
頂壁裏面からは容器体24の口頸部25に螺合させる内周壁
26を垂下する。又該内周壁との間に間隙をおいて頂壁外
周から外周壁27を垂下する。該キャップ本体の後部上端
には後面および上面開放の凹部28を設け、該凹部を形成
する左右側壁の内面からは軸29，29を突出する。又キャ
ップ前部にも前面および上面開放の第２凹部30を有し、
該第２凹部後壁の上端には第二係合突条31を、その左右
両壁内面にはピン32，32を付設している。該第２凹部に
は押釦33を枢着する。

既述軸29，29を軸受け用孔７の左右両端部内へ嵌合させ
て蓋板をキャップ本体21に枢着させ、軸29，29を中心と
する蓋板回動により栓10で注出孔23を開閉させる。蓋板
閉塞時において、フック11は押釦上壁の後部に設けた第
３凹部34から第２凹部30内へ入り、該状態でフック11下
端後縁の第一係合突条11aが第二係合突条31下縁に係合
する。該係合状態から押釦下部を後方へ押込むことで、
押釦上壁の左右両側部35，35が蓋板裏面に付設した突子
12，12を押上げして上記第一、第二係合突子11a，31の
係合を外せるよう設けている。該係合離脱により溝上板
３と脚板４，４との内部へ装着したトーションバネ９に
より蓋板が開く。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、脚板外面に溝状板を嵌合さ
せない状態で蓋板を合成樹脂材で一体成形させておき、
その一体成形の後にその嵌合を行うことで軸受け用孔７
を形成できるから、従来に比べてその蓋板一体成形用金
型の構造を極めて簡易化することが出来、よって蓋板の
コストを廉価とすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案蓋板の断面図、第２図はその蓋板を使用す
るキャップの分解斜視図、第３図はそのキャップを容器
体口頸部に嵌合させた状態を示す断面図である。 １……頂板、２……肉薄ヒンジ ３……溝状板、４……脚板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】頂板１の後端縁に、断面逆Ｕ字形状かつ左
   右方向に長い溝状板３の前壁3a下端部前縁を、肉薄ヒン
   ジ２を介して連結すると共に、上記頂板１の下面後端部
   から左右方向へ長く、かつ前後方向に間隙をおいて、一
   対の弾性脚板４，４を垂下して、全体を合成樹脂材によ
   り一体成形させ、上記溝状板３を、肉薄ヒンジ２を中心
   に回動させて両脚板外面へ嵌着させることが可能に、か
   つ該嵌着状態において、両脚板下端と溝状板の前後両壁
   3a，3bを連結する底壁部3cとの間に軸受け用孔７が形成
   可能に構成したことを特徴とする軸受け付き蓋板。