JPH049339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、塩、こしよう等の振出容器に装着さ
せるキヤツプに関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点」 この種のキヤツプとして、従来、容器体口部に
嵌合可能な周壁を垂設させた頂壁前部に振出孔
を、該頂壁後部に上面及び後部開放の凹部をそれ
ぞれ穿設させたキヤツプ本体と、上記頂壁の上面
に載置させた蓋板とを、上記凹部の前方上方部分
で枢着させ、該枢着部分よりも後方の蓋板後部を
凹部下方へ押し下げることで、上記振出孔を閉塞
する蓋体前部が上方へ摺動して振出孔が開孔され
るよう設けたキヤツプが知られている。

上記従来のキヤツプにおいては、蓋板を常時閉
蓋方向に付勢するのに金属製のコイルバネを用い
ていたため、部品点数の増大でコストアツプを招
来していた。

この様な点を考慮して例えば実願昭57−199546
号公報に記載された注出栓が提案されている。

この注出栓は、容器の口部に着脱自在に取付け
られる栓本体の天板に、相対向する一方の周縁部
から他方の周縁方向へ開放された凹部を設け、こ
の凹部の開放側に注出口を設け、凹部の閉塞側の
両側壁には、先端部に前記注出口嵌合用の蓋部を
有する蓋体を開閉自在に軸支するようにした注出
栓であつて、栓本体の凹部の閉塞側後壁に、先端
部上縁に鋭尖状の爪片を有する水平弾性片を突設
し、この水平弾性片と前注出口との間の凹部上面
には垂直弾性片を立設し、一方蓋体の基端部下面
に突設された軸部先端には前記水平弾性片圧縮用
の第１係合片を設け、蓋体の軸部内側には前記垂
直弾性片圧縮用の第２係合片を設けて構成してい
る。

この注出栓は、金属製スプリングを使用せずに
蓋体の開閉操作がワンタツチで容易にできる利点
を有するが、上記した如き複雑な構造を必要とす
るため製造上に煩雑さを伴い、又、その構造上各
弾性片部分の耐久性に若干問題があつた。即ち、
上記注出栓では、栓本体の凹部の閉塞側後壁に水
平弾性片を突設し、この水平弾性片と注出口との
間の凹部上面には垂直弾性片を立設しているた
め、必然的に各弾性片の大きさが小さく限定され
（キヤツプの大きさを通常一般の大きさとすれば）
その結果弾性片の厚さを比較的薄くしなければな
らない（厚いと弾力性に劣る）従つて、各弾性片
が脆弱になる欠点がある。

本考案は、この様な従来の実情を考慮して案出
されたもので、構造が簡単で弾性板部分の耐久性
も良好な振出容器用キヤツプを提案することを目
的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 本考案キヤツプは、上記問題点を解決するた
め、容器体口部嵌合用周壁２が垂設させた頂壁３
前部に振出孔４を、該頂壁後部に上面開放の凹部
５を、それぞれ穿設させたキヤツプ本体１と、上
記頂壁の上面に前部を載置させるとともに、上記
凹部５上方を被覆して後部を突出させた蓋体８を
有し、且つ、該蓋板後部裏面に上記凹部内に収納
させた蓋板取付部９を付設させた合成樹脂製蓋板
部材７とからなり、上記キヤツプ本体１の凹部５
後方の左、右部分にブロツク状軸受６，６を形成
させ、上記蓋板部材７の蓋板取付部９は、上記凹
部前方に対向した蓋板８部分から垂直板部１０を
垂設させ、該垂直板部の下端から凹部後方へ水平
板部１１を延出させると共に、該水平板部の後部
両側面に上記軸受６，６に回動自在に嵌合させた
ピン１２，１２を付設させ、該ピン１２，１２を
中心として蓋板８を回動させることで、蓋板後部
或いは水平板部１１及び垂直板部１０のいずれか
一方又はその双方が弾性変形して、蓋板後部裏面
がキヤツプ本体後部周壁２の上面後端部分又は上
記軸受上面後端部分に当接摺動するとともに、キ
ヤツプ本体後部周壁の後面又は軸受後面に圧接し
て蓋板８を起立状態に保持させることが可能に形
成させて構成した。

「作用」 容器使用時に、蓋板８前部を押し上げる等して
蓋板を第１図の状態からピン１２，１２を中心と
して開方向へ強制的に回動させると、垂直板部１
０及び水平板部１１等が弾性変形して第３図ａに
示す如く、蓋板後部裏面が軸受６（上端面のみ開
孔の凹部の場合は後部周壁上面後端のコーナー
部）上面後端のコーナー部を後方へ摺動する。こ
の際、上記コーナー部と軸受の軸心部との距離が
蓋板裏面と上記軸心部との最短距離より長いた
め、蓋板後部と水平板部との間が拡開する如く弾
性変形する。次いで更に蓋板を後方へ回動させる
と、第３図ｂに示す如く、蓋板後端裏面が軸受
（或いは後部周壁）の後面に弾性復元力により圧
接して蓋板８を起立状態に保持させる。即ち、蓋
板が開蓋状態で保持されて振出孔４が開孔される
のである。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示し、本
考案キヤツプは、キヤツプ本体１と蓋板取付部９
付き合成樹脂製蓋板部材７とから構成している。

キヤツプ本体１は、矩形筒状の周壁２上部より
頂壁３を延設しており、頂壁３前部には複数の振
出孔４を、又後部には上面及び後部開放の凹部５
を、それぞれ穿設させている。又、上記凹部５両
側下面より上方へブロツク状に突設させるととも
に、上面よりガイド溝６ａを介して軸受穴６ｂを
形成してなる一対の軸受６，６を設けている。こ
の軸受６，６の高さは頂壁３上面の高さと略同一
としている。又、上記軸受穴６ｂの入口の巾寸法
は蓋板部材７の後述するピンの外径よりも小さく
設定され、ピンが容易に上方へ抜け出さないよう
になつている。

又、周壁２の前壁部の上端には切欠き１７を、
前壁部の外面上部には上記切欠きと連通接続され
た蓋板押し上げ用凹部１８をそれぞれ設けてい
る。

又、周壁２内面には、容器体１３の口部１４外
面に周設させた係合突条１５に弾性係合する係合
凹条１６が周設されている。

更に、周壁２は、頂壁３上面及び該上面と同一
平面上の軸受６，６上面よりも若干上方へ突出さ
せて構成している。

蓋板部材７は、上記突出した周壁部分の内面に
嵌合するとともに、前端に上記切欠き１７内に嵌
合する操作片１９を突設させた矩形状蓋板８を有
しており、該蓋板８の前部を頂壁３上面に載置す
るとともに、後部を上記凹部５上方を被覆させて
突出させ、且つ後端部を上記軸受６，６上面に載
置させている。又、その前部裏面に上記振出孔４
に遊嵌する複数の突起２１を付設させている。
又、上記凹部５前方に対向した蓋板８部分から垂
直板部１０を垂設させ、該垂直板部の下端から凹
部後方へ水平板部１１を延出させると共に、該水
平板部の後部両側面に上記軸受６，６に回動自在
に嵌合させるピン１２，１２を付設させている。
そして、各ピン１２，１２を上記軸受６，６に回
動自在に嵌合させている。又、水平板部１１の上
面後部には所定高さの板部２０を突設し、蓋板部
材セツト時の上からの力をピン１２，１２部に伝
達するようになつている。

尚、キヤツプ本体１及び蓋板部材７は合成樹脂
材でそれぞれ一体成形される。

「考案の効果」 以上説明したように本考案キヤツプは、コイル
ばねに代えて板ばね機能を有した蓋板取付部を蓋
板裏面に付設するようにしたので、上記蓋板取付
部を合成樹脂材を用いて蓋板と一体成形すること
により、部品点数の削減かはかれることと成形が
容易であるということから、コイルばね付きキヤ
ツプよりも一段と安価に製作出来る。

又、その構造も、蓋板裏面より垂直板部を介し
て延設した水平板部の一端を軸受けに回動自在に
軸支させるという様に簡単であり、製造に際して
従来品の様な複雑な型を必要とせずに容易に製造
することができる。

又、上記の如く構成することにより、各弾性変
形する部分をシンプルに又キヤツプ全体に対して
大きく構成できるため、弾性変形部分に負担が少
なく耐久性に優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キヤツプの一実施例を示す縦断
面図、第２図は同じく分解斜視図、第３図は蓋体
の開閉操作を説明する説明図である。 １……キヤツプ本体、６……軸受、７……蓋板
部材、９……蓋板取付部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器体口部嵌合用周壁２が垂設させた、頂壁３
   前部に振出孔４を、該頂壁後部に上面開放の凹部
   ５を、それぞれ穿設させたキヤツプ本体１と、上
   記頂壁の上面に前部を載置させるとともに、上記
   凹部５上方を被覆して後部を突出させた蓋板８を
   有し、且つ、該蓋板後部裏面に上記凹部内に収納
   させた蓋板取付部９を付設させた合成樹脂製蓋板
   部材７とからなり、上記キヤツプ本体１の凹部５
   後方の左、右部分にブロツク状軸受６，６を形成
   させ、上記蓋板部材７の蓋板取付部９は、上記凹
   部前方に対向した蓋板８部分から垂直板部１０を
   垂設させ、該垂直板部の下端から凹部後方へ水平
   板部１１を延出させると共に、該水平板部の後部
   両側面に上記軸受６，６に回動自在に嵌合させた
   ピン１２，１２を付設させ、該ピン１２，１２を
   中心として蓋板８を回動させることで、蓋板後部
   或いは水平板部１１及び垂直板部１０のいずれか
   一方又はその双方が弾性変形して、蓋板後部裏面
   がキヤツプ本体後部周壁２の上面後端部分又は上
   記軸受上面後端部分に当接摺動するとともに、キ
   ヤツプ本体後部周壁の後面又は軸受後面に圧接し
   て蓋板８を起立状態に保持させることが可能に形
   成させたことを特徴とする振出容器用キヤツプ。