JPH0542044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、塩、こしょう等の振出容器に装着さ
れるキヤツプに関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点」 本出願人は、振出容器用キヤツプに係る構造と
して、頂壁口部を有する容器とその口部開閉用蓋
板とに係る構造に関して既に提案している（実公
昭47−18853号）。

この構造は、頂壁へ係合溝を有すると共にその
側方へ口部を有する容器と、前記口部を開閉可能
な開閉部の一端側の一部を延長して脚部と上部ば
ね板部とを形成し、かつ上部ばね板部の先端には
屈折線を介して下部ばね板部を連設させた蓋板と
からなり、下部ばね板部を前記係合溝へ挿入しか
つ脚部を係合溝上方の側方へ軸止して開閉部を回
動したとき、上下部ばね板部がほぼ同一平面上に
あるときを死点として、口部側にあつては口部側
への、又後方側にあつては後方側への押圧力が上
下部ばね板部により作用可能としてなる口部を有
する様構成したものである。この構造は、蓋板開
閉部が容易かつ確実に開閉でき、又金属製のコイ
ルばねを用いずに済むため、安価に製作できる等
の利点を持つた優れたものであるが、蓋板開閉部
の開放をその前端面に指を掛けて行う様構成して
いるため、片手での開蓋が行い難く、この点に改
良の余地を残している。

本考案は、この様な従来の実情を考慮して案出
されたもので、金属製のコイルばねに代えて合成
樹脂等からなる板ばね部材を用いることにより安
価に製造出来るとともに、片手でのワンタツチ操
作で蓋の開閉を行える振出容器用キヤツプを提案
することを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 本考案キヤツプは、上記問題点を解決するた
め、容器体口部嵌合用周壁２を垂設させた頂壁３
の前部に振出孔４を、該頂壁後部に上面及び後部
開放の凹部５を、それぞれ穿設させたキヤツプ本
体１と、上記頂壁の上面に載置させるとともに、
後端部を上記凹部５上方へ突設させた蓋板８を有
し、且つ、該蓋板後部裏面に上記凹部内に収納固
設された蓋板作動部９を付設させた蓋板部材７と
からなり、上記キヤツプ本体の凹部５前方の左、
右部分に挟持部６を形成させ、上記蓋板部材の蓋
板作動部９は、上記挟持部に嵌着させた一対の垂
直板部１０，１１を、蓋板から薄肉の第１及び第
２ヒンジ部１２，１３を介してそれぞれ垂設させ
ると共にこれ等垂直板部の下端部間を水平板部１
４で連結させ、さらに上記垂直板部間に位置した
蓋板部分から斜め後方へ揺動板部１５を突設さ
せ、該揺動板部下端から延出された弾性反転板部
１６の下端を水平板部上面に連結させると共に、
上記揺動板部と弾性反転板部との連結部分及び弾
性反転板部と水平板部との連結部分に薄肉の第３
および第４ヒンジ部１７，１８をそれぞれ付設さ
せて形成させ、蓋板後部を押して下げることで、
上記弾性反転板部１６が前方へ弾性反転可能に設
けて構成した。

「作用」 容器使用時に、例えば、容器を持つて、親指に
て蓋板８後部を第６図の実線が示す状態から弾性
反転板部１６の付勢力に抗して押し下げると、蓋
板前部は第１及び第２ヒンジ部１２，１３を支点
として上方へ回動起立して振出孔４を開孔する。

そして、揺動板部１５の揺動により弾性反転板
部１６がやがて前方へ弾性反転し、蓋板後部を凹
部５下方に位置させるため、蓋板前部は開蓋した
状態のまま保持される（第６図の想像線参照）。

容器下使用時には、例えば親指にて蓋板後部を
強制的に押し下げるか或いは開蓋状態にある蓋板
前部を人指し指にて強制的に押し下げればよい。
これにより、弾性反転板部１６が今度は後方へ弾
性反転し、蓋板後部を揺動板部１５を介して常時
上方へ付勢するため、蓋板前部による振出孔４の
閉塞状態が保持される。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示し、本
考案キヤツプは、キヤツプ本体１と蓋板部材７と
から構成している。

キヤツプ本体１は、容器体口部嵌合用周壁２を
垂設させた頂壁３の前部に複数の振出孔４を穿設
させ、頂壁３後部に上面及び後部開放の凹部５を
穿設させている。又、周壁２内面には螺条２０を
形成し、容器体（図示せず）の口部外面に螺合す
る様構成している。更に、凹部５の両端面からは
挟持部６としての横断面形状がコ字状をなす枠板
状部を突設している。

蓋板部材７は、上記キヤツプ本体頂壁３の上面
に載置させるとともに、後端部を上記凹部５上方
へ突出させた蓋板８を有すると共に、該蓋板後部
裏面に上記凹部５内に収納周設された蓋板作動部
９を付設させている。又、蓋板８前部裏面には、
上述した振出孔４に遊嵌する複数の突起２１が付
設されている。

上記蓋板作動部９は、上記挟持部６に嵌着させ
た一対の垂直板部１０，１１を、蓋板から薄肉の
第１及び第２ヒンジ部１２，１３を介してそれぞ
れ垂設させるとともに、これ等垂直板部の下端部
間を水平板部１４で連結させている。更に、上記
垂直板部間に位置した蓋板部分から斜め後方へ揺
動板部１５を突設させ、該板部１５下端から延出
させた弾性反転板部１６の下端を上記水平板部１
４上面に連結させるとともに、揺動板部と弾性反
転板部との連結部分及び弾性反転板部と水平板部
との連結部分に薄肉の第３及び第４ヒンジ部１
７，１８を各々付設させている。そして、蓋板後
部を押し下げることで、上記弾性反転板部１６が
前方へ弾性反転可能に構成している。

尚、本実施例では、蓋板８後部裏面に左右方向
へ延びる水平板部１９が付設され、該水平板部下
面から一対の垂直板部１０，１１及び揺動板部１
５を延出させて、第１及び第２ヒンジ部１２，１
３が水平板部１９の全長にわたつて連続して形成
されているが、これに限られず、第５図に示す如
く、一対の垂直板部１０，１１及び揺動板部１５
を蓋板８後部裏面から垂直延出させても良い。こ
の場合、第１及び第２ヒンジ部１２，１３は垂直
板部のみに形成される。

又、蓋板部材７の蓋板８裏面と揺動板部１５上
面との間には補強リブ２２が付設されている。

上記実施例にて、キヤツプ本体１及び蓋板部材
７は合成樹脂材でそれぞれ一体形成される。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、コイルば
ねに代えて板ばね部材からなる蓋板作動部を蓋板
裏面に付設するようにしたので、上記蓋板作動部
を合成樹脂材を用いて蓋板と一体成形することに
より、部品点数の削減が図れることと、成形が容
易であるということから、コイルばね付きキヤツ
プよりも一段と安価に製作できる。また、蓋板作
動部の板ばね部分を弾性反転させることにより、
蓋板を自動的に開蓋保持することも出来、便利で
ある。

更に、蓋板後端部を指で押し上げ、押し下げす
るだけけで、蓋の開閉を行えるため、片手での蓋
開閉操作が容易に行える利点もある。

また、蓋板部材をキヤツプ本体に対して押し下
げて各垂直板部を各挟持部に嵌着させるという簡
単な操作により両者の組は付けを行う事が出来、
しかも嵌合は無理なく行えるため、その際各部材
に損傷を生じる等の虞はなく良好な組み付けを行
えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キヤツプの第１実施例を示す縦
断面図、第２図は同じくキヤツプ本体の斜視図、
第３図及び第４図は同じく蓋板部材の各々の斜視
図、第５図は本考案キヤツプの第２実施例を示す
要部斜視図、第６図は作動を説明するための原理
図である。 １……キヤツプ本体、７……蓋板部材、９……
蓋板作動部、１６……弾性反転板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器体口部嵌合用周壁２を垂設させた頂壁３の
   前部に振出孔４を、該頂壁後部に上面及び後部開
   放の凹部５を、それぞれ穿設させたキヤツプ本体
   １と、上記頂壁の上面に載置させるとともに、後
   端部を上記凹部５上方へ突設させた蓋板８を有
   し、且つ、該蓋板後部裏面に上記凹部内に収納固
   設された蓋板作動部９を付設させた蓋板部材７と
   からなり、上記キヤツプ本体の凹部５前方の左、
   右部分に挟持部６を形成させ、上記蓋板部材の蓋
   板作動部９は、上記挟持部に嵌着させた一対の垂
   直板部１０，１１を、蓋板から薄肉の第１及び第
   ２ヒンジ部１２，１３を介してそれぞれ垂設させ
   ると共にこれ等垂直板部の下端部間を水平板部１
   ４で連結させ、さらに上記垂直板部間に位置した
   蓋板部分から斜め後方へ揺動板部１５を突設さ
   せ、該揺動板部下端から延出された弾性反転板部
   １６の下端を水平板部上面に連結させると共に、
   上記揺動板部と弾性反転板部との連結部分及び弾
   性反転板部と水平板部との連結部分に薄肉の第３
   および第４ヒンジ部１７，１８をそれぞれ付設さ
   せて形成させ、蓋板後部を押し下げることで、上
   記弾性反転板部１６が前方へ弾性反転可能に設け
   たことを特徴とする振出容器用キヤツプ。